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MASQUERADEの元メンバー二人が新たにを結成した北欧モダン・ヘヴィネス・バンドVOLSTERが2ndをリリース!


MASQUERADEの元メンバー二人が新たにを結成した北欧モダン・ヘヴィネス・バンドVOLSTERが2ndをリリース!_c0072376_16244361.jpg
VOLSTER 「Arise」'20

90年代初頭に、ここ日本でも人気を博しポストTNTと期待された北欧スウェーデン産メロハー・バンドMASQUERADEの元メンバー二人を中心に13年に結成された、4人組北欧モダン・ヘヴィネス・バンドが前作『Perfect Storm』から2年ぶりとなる2ndアルバムをリリースしたので即GET!

MASQUERADEの元メンバーが新たに立ち上げた新゙ンドと言う事で80年代風の煌びやかでキャッチーな北欧メロハー・サウンドの流れをくむサウンドを期待した方には申し訳ないが、全くその筋を求める方々を満足させるノスタルジックなHMサウンドでは無いのをまずお断りしておきます(-_-;)

残念ながらメンバーチェンジが勃発した模様で、中心人物の Ulf Andersson(Guitar ex:MASQUERADE)と Henrik Lundberg(Bass ex:MASQUERADE、ex:HOUSE OF HEAVY)の二人はそのままに、デヴュー作に参加していたフロントマンの Peter Tenningとドラマー Daniel Granlund(SYCONAUT)が脱退し、新たなフロントマンとして Mattias Wellhag(Vocals&Guitars ex:HOUSE OF HEAVY、BLACKSTORM、P.I.G、GLAM SLAM)が今回迎えられている。

そもそもMASQUERADEのオリジナル・ギタリスト Ulf Anderssonがアルバムデヴュー前に他プロジェクトの為にMASQUERADEを脱退(4thアルバムで復帰)し、Henrik LundbergはMASQUERADE解散までに四枚のフルアルバムを制作するが、バンド解散後に Ulf Anderssonと Henrik Lundbergは再び合流し、四曲入りデモテープ『VOLSTER』を Mattias Wellhagのヴォーカルで96年に制作するがこの時のセッションは上手く始動せず、けれど Henrik Lundbergはデモ『VOLSTER』のヴォーカリスト Mattias Wellhagと双頭プロジェクト・バンドとしてHOUSE OF HEAVYを結成すると09年にセルフタイトルのデヴュー・アルバムをリリースするものの、当時メジャーシーンにその名を轟かせていたヌーメタルの雄 SOUNDGARDENの北欧版バンド SKINTRADEのさらに劣化コピーの様だったHOUSE OF HEAVYのアルバムは案の定、市場で苦戦し、結局HOUSE OF HEAVYは自然消滅してしまう。

今一つMASQUERADE解散後、各自の活動が軌道に乗らぬまま13年に Ulf Anderssonと Henrik Lundbergが再び合流すると17年前の活動を再開させ、メンバーを集めてVOLSTERを結成するとデヴュー作『Perfect Storm』を18年にインディ・レーベルRock Of Angels Recordsからリリースするに至る、というバンドの成り立ちやサウンドを聴くに、デヴュー作のフロントマン Peter Tenningがそもそも Mattias Wellhagの代役(実際、Henrik Lundbergは Mattias Wellhagの事をVOLSTERのオリジナル・シンガーとインタビューで答えている)だったと捉える事も出来る訳で、紆余曲折を経て2ndにしてデモ当時の、原初のバンド形態へ戻ったと言えるかもしれない。

また、本作の北欧フレーバーが薄っすらまぶされた鈍色モダン・ヘヴィネスサウンドを聴くに、同路線サウンドなHOUSE OF HEAVYにも Mattias Wellhag参加していた訳だから、 HOUSE OF HEAVYに Ulf Anderssonが迎えられ、VOLSTERへ発展したと捉える事も出来るのではないだろうか?

Henrik Lundbergと Mattias WellhagがクリエイトしたHOUSE OF HEAVYのサウンドはUSモダン・ヘヴィサウンドが8割で、残り2割が北欧メロディアス・サウンドだったが、Ulf Anderssonが加わった事によって北欧要素が増え、さらに楽曲の質が向上し、00年代から全世界で猛威を振るっている鈍色モダン・ヘヴィネス要素が5割で、残りは北欧メロディアス・サウンドをはじめ様々な音楽要素が入り乱れた絶妙なバランス具合となっている本作のサウンドは、HOUSE OF HEAVYの焼き直しサウンドではなく、ましてやSOUNDGARDENの劣化コピー・サウンドでもない、Mattias Wellhagのちょっと Jeff Scott Sotoっぽい低域のザラついたパワフル・ヴォイスを活かした80年代風なメロディアス要素もまぶされたグルーヴィーで図太くウネるような、ミステリアスさを醸し出す独特の旋律も合わさって、前作の中途半端な北欧要素が整理されよりストレートでアグレッシヴな芯の有るモダン・メロディアス・HMサウンドへと劇的に進化しているので、どうにも前作がピンと来なかった方にも是非とも一度チェックして欲しいものであります。

前作がどうにもイマイチだった一番の理由は、Peter Tenningの如何にも北欧HMヴォーカリスト的な線の細さと高めなキーの歌声や声質のせいばかりとは言えない(定番の北欧HMなら彼の歌声はマッチしただろうし、中途半端な北欧HM的キーボードの導入が足を引っ張った?)が、少なくとも本作での Mattias Wellhagの中域から低域をメインにしたパワフルでソウルフルな、バンドサウンドにアジャストした熱唱を得たことでモダンでヘヴィな鈍色サウンドの恰好良さと切れ味、そしてスリリングな魅力が倍増したのは間違いなく、今回のメンバーチェンジはバンドと Mattias Wellhag双方にとって大正解だったのは間違いない。

また、HOUSE OF HEAVYの時に、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードプログラミングまでこなしていた多才な Mattias Wellhaを得た事で、VOLSTERは2ndアルバムにして Mattias Wellhaがギターもプレイするツインギターの4人組編成へと生まれ変わり、分厚くタイトなヘヴィ・サウンドを聴かせる事が可能になったのもバンドにとって大きくプラスに働いているのも見逃せぬ点だろう。

大雑把に言ってモダン・ヘヴィネスサウンド系なのは間違いないが、随所で北欧バンドらしい美しく叙情的な美旋律を織り込んだり、ブリティッシュHR風な要素(DEEP PURPLEは最早お約束w)やアーバン・テイストなAOR風味、そしてオルガンやシンセ等の使い方にプログレ的要素や80年代的華やかなロックサウンド(露骨な白蛇パートが…)なども垣間見せ、各自がこれまでの活動で培ってきた様々な音楽要素がモザイクのように楽曲の至る所に散りばめられたそのハイブリッド・サウンドは、さすがキャリア組が結成したバンドが放つアルバムだけあってポッと出の新人バンドには成しえぬ高いクオリティと深みを感じさせるのは、前作に引き続きThe Panic Room Studioの Thomas“Plec”Johansson (SOILWORK、ONSLAUGHT、DYNAZTY、etc...) によるマスタリング、そしてバンドとの共同ミックスだけが理由でないのは明らかだ。

逆に、1stで感じられたストーナー的なニュアンスは本作のサウンドから姿を消しているので、ソレ系統のサウンドが気に入っていた方には本作の音楽性の変化は面白くないかもしれないが、新メンバーを迎えて発展的進化を遂げた彼等を応援して欲しいものです。

尚、バンド名が協力的関係とか特別な関係とか如何にもユニットやプロジェクト向きな『bolster』という言葉をもじった言葉になっている為か、同名別ジャンルのバンドやユニットが世界中に多数存在するので本バンドのアルバムをお求めの際は混同されぬよう注意されたい。

また、何故か本作のバンドメンツのクレジットは Ulf Anderssonと Henrik Lundbergの二名しか明記されていないが、ヴォーカル・パートはちゃんと Mattias Wellhagが担当しているので、恐らく Mattias Wellhagの抱えている契約関係か何かの問題でクレジット出来なかったか何かなのでしょう、きっと。

ドラマーは既にオーディションを開始しているとの事で新たなメンツが遠からず補充されるのでしょうが、本作のプレイはこれまでにVOLSTERのヘルプを何度かしてきたと言う Mattias Eriksson(ノルウェーのHMバンドTHUNDERBOLTのドラマーと同一人物か不明)辺りがヘルプしたのか、はたまたスタジオミュージシャンのセッションプレイなのかは判然としておりません。

コロナのお陰でLIVE活動もままならないでしょうが、早くメンツを固めて万全の体制で創作活動に励んで欲しい、そんな期待の北欧新バンドであります(*´ω`*)


# by malilion | 2021-01-26 16:26 | 音楽 | Trackback

今頃、SWEETの2015年度REMASTER BEST盤をご紹介。

今頃、SWEETの2015年度REMASTER BEST盤をご紹介。_c0072376_18045365.jpgSWEET 「Action The Ultimate Sweet Story -Limited Deluxe Version-」'15

ガーン! なんという迂闊ッ!! 大のSWEETファンでありながら今頃に本BEST盤の存在を知って、慌てて購入したのでご紹介!(ツд`)

待って! 正月早々だけど言い訳させて!!

だって彼等のBEST盤ってとんでもない数リリースされてるじゃないですか? しかも怪しいレーベルのブート紛いのアウトテイクや未完成リハ等のデモ音源以下の未発音源入り盤とか、オリジナルメンバーでの再結成に際して人気曲をリレコーディグしたけど結局 Brian Connollyの喉がボロボロでとても聴けたものじゃない為に結局オジャンになった流出音源等々、数限りなくBEST盤まがいな酷い内容の怪しいアルバムがゴロゴロと出てるんですから…

質の悪い事に公式盤でも未発音源入りBESTやリマスターでの旧譜リイシューに未発音源をボーナストラックで加えたものや、元々英国と米国でアルバムの収録曲が違った事もあったり再販盤でも英・米・欧州と国によって差異があったり、日本独自編集盤もあるし、解散後に独国では人気を維持していたけど英米では懐メロ扱いで殆ど人気が無かったのも関係してかドイツ主導での珍しい編集盤やレアトラックを集めた盤、テクノ・ダンス・リミックス盤なんていうトンデモ企画盤まであったりで、細かく内容を確認するのが毎度の事ながら実に困難なのであります…orz

オマケにバンド解散後、Andy Scott's SWEETと Steve Priest's SWEET、そして Brian Connolly's SWEETが存在し、それぞれがBEST盤みたいな内容のLIVEアルバムやBEST盤をおのおの新しいミュージシャン達を招いてリリースしたのも混乱に拍車をかける原因になっているのは間違いない…('A`)ウガー

さて、本作はKISSやDEF LEPPPARDの Joe Elliott等に影響を与えた70年代英国グラム・ロックの雄 SWEETの『Action』発表から40周年を記念した Andy Scott監修による2015年度DIGITAL REMASTER BEST盤で、15年度の Andy Scott's SWEETによる2曲の新曲を含んでおり、定番の既発曲ばかりなBEST盤ではありません。

この当時、Andy Scott's SWEETと Steve Priest's SWEETが存在しており(Brian Connollyは1997年に鬼籍に…)ましたが、本作は Andy Scottによる編集ですので解散後の Andy Scott's SWEETがリリースしたアルバムからの楽曲も選ばれております。

まぁ、仮に Steve Priest's SWEETが本作に絡んでいたとしても、彼等はLIVE盤しかリリースしていないし、シングル・ヒット曲中心の編集作であるBEST盤に音源は提供出来なかったでしょうけどね…

因みに本作も2種類のフォーマットが存在(涙)し、限定盤は39曲入り(シークレット・トラックがさらにもう1曲)だが、通常盤は32曲収録となっていて、ジャケのメンバーフォトが微妙に違うなど、細かな差異を楽しむ事が出来ますので、お求めの際は内容を確認しましょう。

Disc1 Tracks Listing:
 01.Action     (from Give Us A Wink'76)
 02.Turn It Down (from Desolation Boulevard'74)
 03.Lost Angels  (from Off The Record'77)
 04.Wig Wam Bam (from The Sweet's Biggest Hits'72)
 05.Little Willy   (from Funny Funny,How Sweet Co-Co Can Be'71)
 06.Peppermint Twist (from Sweet Fanny Adams'74)
 07.The Ballroom Blitz (from Desolation Boulevard'74)
 08.New York Groove (from New York Connection'12)
 09.Natural      (from “A”'92)
 10.Call Me      (from Cut Above The Rest'79)
 11.Reach Out…(I'll Be There) (from Live At The Marquee'90)
 12.Defender   ◆2015 New Track
 13.The Six Teens (from Desolation Boulevard'74)
 14.Into The Night  (from Desolation Boulevard'74)
 15.Yesterday's Rain (from Give Us A Wink'76)
 16.Do As I Say   (from “A”'92)
 17.Laura Lee    (from Off The Record'77)
 18.Love Is Like Oxygen(from Level Headed'78)
 19.Fox On The Run   (from Desolation Boulevard'74)
 20.Fox On The Run (Jay frog & Amfree Remix) :Secret New Track

Disc2 Tracks Listing:
 01.Teenage Rampage (from Desolation Boulevard'74)
 02.Burn On The Flame (from Sweet Fanny Adams'74)
 03.Set Me Free     (from Desolation Boulevard'74)
 04.Cockroach      (from Give Us A Wink'76)
 05.Hell Raiser     (from The Sweet'73)
 06.Blockbuster     (from The Sweet'73)
 07.Windy City    (from Off The Record'77)
 08.Sweet F.A.    (from Desolation Boulevard'74)
 09.Stairway To The Stars (from Off The Record'77)
 10.4th Of July      (from Give Us A Wink'76)
 11.Everything     (from Sweetlife'05)
 12.Sixties Man      (from Waters Edge'80)
 13.Do It All Over Again (from Sweetlife'05)
 14.Lady Starlight    (from Give Us A Wink'76)
 15.Poppa Joe (from Funny,How Sweet Co-Co Can Be'71)
 16.Co-Co (from Funny Funny,How Sweet Co-Co Can Be'71)
 17.Funny Funny(from Funny Funny,How Sweet Co-Co Can Be'71)
 18.Fever Of Love   (from Off The Record'77)
 19.The Lies In Your Eyes  (from Give Us A Wink'76)
 20.Still Got The Rock ◆2015 New Track

これまでに何度もリマスターBESTの類はリリースされ、リイシュー盤や編集盤に全て収録されている既発音源ですので、70年代当時のオリジナル盤と比べるとボトムがアップされクリアになったパワフルなサウンドに驚かされますが、近年リリースのBEST盤と比べて特に本作のサウンドが優れている訳ではない15年度相応なDIGITAL REMASTERサウンドですので、彼等の熱心なファンか新曲に興味ある方以外は、別段本作をどうしても入手せねばならぬ訳ではないのを先に断っておきます。

ただ、現在では入手困難な再結成第一弾作『Live At The Marquee』収録のモータウンを代表するグループの一つ THE FOUR TOPSが1966年に全米シングルチャートでNo.1ヒットを記録した『Reach Out I'll Be There』をコーラスやストリングス音は原曲イメージを残しつつデイスコっぽくアレンジしたカヴァー曲が聴ける点や、インディ活動なのでアルバム入手が常に難しい Andy Scott's SWEETのスタジオアルバム『“A”』『Sweetlife』『New York Connection』収録曲がDIGITAL REMASTERサウンドで聴ける点は解散後の彼等の音源を耳にした事が無い方には嬉しいポイントだろう。

個人的にはリマスター盤でも何故かヴォリューム低めな『Love Is Like Oxygen』が、やっと今の耳で聴いても納得なレベルのパワフルでクリアなリREMASTERサウンドになっていたのが嬉しかったですね(*´ω`*)

米国ポップ歌手 Ronan Parke等に楽曲を提供しているライター陣の手による楽曲がDisc1収録の新曲『Defender』で、お世辞にも往年のSWEETのヒットシングル曲と肩を並べるキャッチーさやクオリティを有していると言えないが、ミッドテンポの和やかなコーラスがフィーチャーされた楽曲で悪くない出来だ。

Andy Scottと Pete Lincolnによる15年度 Andy Scott's SWEET編成の手による新曲はDisc2収録の『Still Got The Rock』だけの1曲というのが少々寂しいですが、ミッドテンポの今風なヘヴィサウンドっぽい感触を漂わせつつ、ちょっとアメリカンなスライドギターが印象的なSWEETにしては珍しい粘り気のある横ノリな楽曲で、正直アウトテイクと言われても驚かない、そんなレベルな楽曲でしたが、それでも現在もしっかり新曲を創作したりしながらもLIVEを中心に現役活動を続けているのが分かって、昔ながらのファンには嬉しい事でしょう。

Disc1最後のシークレット・トラックは、以前 Brian Connolly's SWEETがリリースしていたユーロビード風なガチガチのデジタル・リミックスではなく、ちょっとアンビエントな香り漂うリズムだけ取り出しかなり強めなリヴァーブで料理されたメロディの弱いリミックスで、ぶっちゃけSWEETの楽曲である必要性は殆どないように思えますが、まぁ変わり種って事で…(´△`)

因みに本作収録の『Action』は7" シングル・ヴァージョンなので、大抵のBEST盤に収録されているキーボードがフィーチャーされたイントロが印象的なアルバム・ヴァージョンではないレア音源なのが地味にポイントが高いと思います。

また、アルバム・ヴァージョンが長尺曲なのでシングル・エディト・ヴァージョン収録なのは仕方ない『Love Is Like Oxygen』ですが『Fox On The Run』は敢えて定番のシングル・ヴァージョンじゃないHR風味増し増しなサウンドがハードでメチャ恰好良いアルバム・ヴァージョンを逆に収録したら一味違って面白かったのになぁ、とか思ってしまいましたが、まぁシングル・コレクション的な編集盤だし時間的な制限もありますからエディット・ヴァージョン中心(の割に、何故か長尺曲も収録してるんだが…)になるのは当然で、それは叶わぬ妄想でしかありませんね。

しかし、こうして1971年の楽曲から2015年の楽曲をズラリ並べて聞き比べ思うのは、いつの時代でも分厚いハイトーンのコーラスとキャッチーなメロディは失われていない、軽快でブライトなサウンドなのが紛れもなくSWEET印だよなぁ、と再認識しました♪( ^ω^ )

新曲の出来は飛び上がる程素晴らしい訳ではないけれど、それでも70年代英国グラム・ロックファンやSWEETファンだけでなく、キャッチーでスピーディーな美声コーラスが楽しめるブライトな楽曲目白押しなのは間違いありませんので、彼等の名前だけ知っているというようなロック入門者な方も含めて懐具合がよろしい方ならば入手しておいても損ではないDIGITAL REMASTER BEST盤ではないでしょうか?

最後に、バンド解散後の Andy Scottを中心としたSWEETの状況や激しいメンバー・チェンジの流れを明記しておきます。

Brian Connolly脱退後のアルバムで、主に Steve Priestがリードヴォーカルを担っていた『Cut Above The Rest』'79 『Waters Edge』'80 は評論家達には好評だったが、それに反して売り上げは伸びず、解散後にリリースされた彼等なりにHMサウンドへのアプローチを示した『Identity Crisis』'82 もバンドの状況に何の変化ももたらさなかった。

皮肉にも稚拙な子供向けバブルガム・ポップからスタートした彼等が、グラムからハードロック、そしてプログレ、ニューウェイヴとサウンド形態を変化させるにつれ、Brian Connolly脱退後の方が演奏スキルと音楽性の著しい高まりを示していたのに、パンクやニューウェイヴ、そしてNWOBHMと、彼等の進んだ方向と真逆なシンプルなサウンドが音楽業界で流行したのが不運だったように思えます。

バンド解散後、Steve Priestはアメリカへ移住し、Mick Tuckerは妻の突然の死を受け活動を停滞させ、Andy Scottはバンド在籍時から開始していたソロ・アーティストとしてのキャリアを開始し、同時にレコード・プロデューサーとセッション・ミュージシャンとしての活動も始めていた。

84年末から Andy Scottは Mick Tuckerと何度かのやり取りを開始し、Steve Priestへも連絡したが、結局 Steve Priestは再結成の話には乗ってこず、Andy Scottと Mick Tuckerを中心にSWEET再結成は進んでいく。

85年に正式に再結成SWEETは活動を開始し、オーストラリアとユーロ圏でのツアーが好評を博する。

SWEET Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Mick Tucker  (Drums)

 Paul Mario Day (Lead Vocals:ex IRON MAIDEN)
 Phil Lanzon  (Keyboards & Vocals:ex GRAND PRIX 現URIAH HEEP)
 Mal McNulty  (Bass & Vocals:ex WEAPON 現SLADE)

『Live At The Marquee』は数多くのロックバンド達がそこで腕を磨いた、ロンドンの悪名高いThe Marquee Clubが88年に閉店する直前に行われた3日間のソールド・アウト・ブリッツで録音されたもので、バンドにとって歴史的なイベントとなり、その盛況な様子はアルバムからも伝わってくる。

Paul Mario Dayがオーストラリアに永住する事を決め、Phil LanzonがURIAH HEEPへ加入する為に脱退し、バンドは新たな編成になる。

SWEET Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Mick Tucker  (Drums)

 Mal McNulty  (Lead Vocals)
 Steve Mann   (Keyboards & Guitars:ex LIONHEART、Michael Schenker Group)
 Jeff Brown   (Bass & Vocals:ex STATETROOPER)

アメリカ、ヨーロッパでのツアーが続き、バンドは急成長を続けていたが、1990年 Mick Tuckerがヨーロッパ・ツアーで病に倒れ、彼の代役ドラマーとして Bodo Schopf(ex 元MSG)を一時的にバンドへ迎えツアーを続行するが、Mick Tuckerは遂にバンドへ戻る事は無かった(Mick Tuckerは白血病との6年間の闘病生活を経て2002年2月14日に亡くなる)。

91年にハノーバーにある Steve Mannのスタジオで Andy Scott's SWEETのアルバムとして『“A”』'92 が制作され、メタリックなサウンドとLAメタル・バンドのサウンドをパロった楽曲等も収録した賑やかで楽しいアルバムは非常に若々しくパワフルなサウンドで好評を博し、ユーロ圏を中心にチャートを賑わせた。

『“A”』収録後、Bodo Schopfの後任ドラマーとして Bruce Bisland がバンドへ迎え入れられる。

Andy Scottはプロデューサー兼ミュージシャンとして Bruce Bislandとレコーディング・セッションで以前仕事をした経験があり、彼がこの仕事に相応しい人物なのを知っていたのでメンバーチェンジは迅速に行われた。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Mal McNulty  (Lead Vocals)
 Steve Mann   (Keyboards & Guitars:ex LIONHEART、Michael Schenker Group)
 Jeff Brown   (Bass & Vocals:ex STATETROOPER)
 Bruce Bisland (Drums:ex WEAPON、WILDFIRE、STATETROOPER、PRAYING MANTISに在籍中)

94年に Mal McNultyがバンドを脱退し、新フロントマンに Chad Brownを迎えいれ、すぐに『Glitz Blitz & Hitz』'94 なるヒット・シングルのリレコーディング・アルバムを制作し、リリースする。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Chad Brown   (Lead Vocals:ex LIONHEART)
 Steve Mann   (Keyboards & Guitars)
 Jeff Brown   (Bass & Vocals)
 Bruce Bisland (Drums)

グリーンランド、シンガポールなど、遠く離れた場所でのツアーが何度か行われたが、今度は Steve Mannがチャンネル4テレビのオーディオ・ポストプロダクションの責任者に就任する為にバンドを脱退する。

後任は、ANIMALSのアメリカ再結成ツアーや様々なスタジオ・プロジェクトに参加し、レコードプロデューサーでもある名プレイヤーでソングライターの Steve Grantを迎えキーボードとギターを任せる事に。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Chad Brown   (Lead Vocals:ex LIONHEART)
 Steve Grant  (Keyboards & Guitars:ex TOP SECRET、Alan Price、Alvin Lee、etc…)
 Jeff Brown   (Bass & Vocals)
 Bruce Bisland (Drums)

95年に既発アルバム『“A”』に楽曲を追加し、曲順を入れ替えた新装盤『The Answer』'95 がリリースされる。
ヴォーカルは前任者の Mal McNultyで、ドラムやヴォーカル採り直しを行われた盤ではない、オランダでのリリースを考慮してのマイナーチャンジ盤だろうか?

97年に亡くなっている Brian Connolly率いる Brian Connolly's SWEETが『GREATEST HITS REMIXED』'99なるテクノ・ダンス・リミックスアルバムをリリース。

断片的に Brian Connollyのヴォーカルを使ってバックの音はデジタリーな打ち込みサウンドで埋め尽くす、恐らく契約消化か何かの為に第三者がデッチ上げたアルバムだろうが意外に面白いサウンドに仕上がっており、なかなか楽しめる変わり種アルバムだ。

Chad Brown がドイツの大規模なツアー中に喉の感染症を発症してしまい、バンドは6回の公演をキャンセルするか、公演を続けるかの選択を迫られ、当然の事ながら『ショーは続けなければならない』という決断が下され、リード・ヴォーカルの大半を Jeff Brownが歌う4人編成でライヴは続けられた。

それが引き金となり、Chad Brown は脱退し、バンドは4人編成のまま『Sweetlife』'02 の制作に取り掛かる。

97年に亡くなっている Brian Connolly率いる Brian Connolly's SWEETが何故か以前に録音していただろう新メンバーを迎えて制作した再録BEST盤『The Definitive』'01を突如リリース。

Brian Connolly's SWEET Members:
 Brian Connolly  (Lead Vocals)
 Glen Williams  (Guitars & Vocals)
 David Glover   (Bass & Vocals)
 Dave Farmer   (Drums)
 Steve Mulvey   (Keyboards & Vocals)

『Sweetlife』は2002年にリリースされ、ドイツやヨーロッパの他の国のテレビ番組に出演した後、02年の終わりに Jeff Brownはバンドを脱退する。

Tony O’Hora はPRAYING MANTISで Bruce Bislandとツアーをした仲で、彼のヴォーカル・レンジは素晴らしく広く、そしてベースも弾ける事から事はトントン拍子に進んで彼がバンドへ加入する事になる。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Tony O’Hora  (Lead Vocals & Bass:ex PRAYING MANTIS)
 Steve Grant  (Keyboards & Guitars)
 Bruce Bisland (Drums)

このラインナップはバンドの明るい未来を予感させ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパでのツアー等や、多くのフェスティバルへの出演やコンサート、そして05年のイギリスでの劇場ツアーは、バンドの確固たるキャリアを築いた。

好調に思えたが、05年に Tony O’Horaがプライベートな問題でバンドを脱退する。
後任を見つけるまでの半年間、ロシアのウラジオストクからモスクワまで、あらゆる場所をツアーし、Phil Lanzonがヘルプでキーボードに、Steve Grantがヴォーカルとベースへスイッチしてツアーは続けられた。

06年、新しいボーカリスト Pete Lincolnが遂に迎え入れられる。
彼は数多くのアーティスト達と何年にも渡って世界中をツアーして来たキャリア十分なフロントマンであった。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Pete Lincoln  (Lead Vocals & Bass:ex Sir Cliff Richard、Shaking Stevens、SAILOR)
 Steve Grant  (Keyboards & Guitars)
 Bruce Bisland (Drums)

ヨーロッパのフェスティバルへの出演、08年のイギリスでのGlitz Blitz & Hitzツアー、ドイツでのSweet Fanny Adams Revisitedツアー、イギリスのロビンでの年に一度のSweetファンミーティング、オーストラリアへの遠征と、アッという間の5年が過ぎていく。

以前からアメリカを中心に活動していた Steve Priest率いる Steve Priest's SWEETが『Live In America』'09 をリリース。

Steve Priest's SWEET Members:
 Steve Priest (Bass & Vocals)
 Joe Petta   (Lead Vocals & Acoustic Guitars)
 Stuart Smith (Guitars & Vocals)
 Stevie Stewart(Keyboards & Vocals)
 Richie Onori (Drums)

11年、Steve Grantは自身のプロジェクト『Steve Grant's BAROCKESTRA』に専念する為、15年ぶりにバンドを脱退。
後任は Tony O'Horaで、キーボードとギター、ヴォーカルを担当する為にSWEETへ再加入。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Pete Lincoln  (Lead Vocals & Bass)
 Tony O'Hora  (Keyboards & Guitars & Vocals)
 Bruce Bisland (Drums)

2011年10月、SWEETの約10年ぶりのシングル『Join Together』がリリース(『New York Connection』'12 に収録)された。
12年にバンドはレコーディングを行い、NYを感じさせる楽曲を集めたカヴァー・アルバム『New York Connection』'12 をリリースし、アルバムをサポートする為、広範囲にツアーが行われた。
バンドはヨーロッパのホールやアリーナで演奏し、オーストラリアのような新しい市場の開拓は厳しいツアースケジュールの報いとなった。

2014年、バンドは現体制でヒット曲のリレコーディング・アルバム『Hits』'14 をリリースする。

2015年、バンドは本BEST盤をリリースし、ドイツ国内アルバムチャートで4位、他のヨーロッパ諸国でもオランダで5位、オーストリアで3位、スイスで2位、スウェーデンではDVDが1位を記録。
BEST盤フォローの為に、ヨーロッパで35日間で27公演、アイルランドを含むイギリスで34日間で26公演という、これまでで最大のツアーが敢行された。

Pete Lincoln は別プロジェクトTHE FRONTM3Nでもツアーを行っていたが、SWEETの活動とスケジュールが衝突し、19年5月末のヨーロッパツアーを最後に円満に脱退する。

ミュンヘンのCircus Kroneでの公演の最終週にバンドはプログレからHMまで幅広いフィールドで活動するだけでなくギターやキーボードもこなす Paul Manziを新しいヴォーカリストとして迎え入れた。

そして、Tony O'Horaは個人的な問題を抱えていた為、突然の脱退となる。

バンドはいくつかのフェスティバルに出演しなければならず、数日前にMichael Schenker FESTの日本ツアーから戻って来ていた Steve Mannにヘルプを頼み、空席のままなベーシストのポジションは Andy Scottのギター・テックである Adamがベースを弾く事で急場の穴を埋めた。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Paul Manzi   (Lead Vocals:ex CATS IN SPACE、Oliver Wakeman BAND、現ARENA、現RAW GLORY)
 Bruce Bisland (Drums)

 Steve Mann   (サポートでKeyboards & Guitars 現LIONHEARTでGuitarを担当)

ツアー後にメンバーを補充し、ベ-シストに Andy Scottと Bruce Bislandと旧知の仲の Lee Smallが参加する事になる。

Andy Scott's Sweet Members:
 Andy Scott   (Guitars & Lead Vocals)
 Paul Manzi   (Lead Vocals)
 Bruce Bisland (Drums)
 Lee Small   (Bass & Vocals:ex SHY、現LIONHEARTでヴォーカリストを務めている)

2020年、キーボードとセカンド・ギターをサポートで Steve Mannが担当し、彼のスケジュールが空いていない時は Tom“TC”Cory(THE NOVATINESのG)が招かれてプレイする体制になっている。

因みにTHE NOVATINESは17年結成の4人組英国オルタナ・ロックバンドでSWEETのツアーでサポートを務めた事もあり、Andy Scottがアルバムのセッションを指揮した事もあってメンバー間で交流があるバンドで、2020年にデヴューEP『Wasted Youth』をリリースした。

残念な事にSWEETのオリジナル・メンバーである Steve Priestは2020年6月4日に72歳で逝去している。

オリジナル・メンバーが Andy Scott以外皆鬼籍に入ってしまった為、名実共にSWEETの名義はAndy Scottのモノとなった為か、SWEET名義での最新リレコーディング・アルバム(また旧曲の再録かよ…)『Isolation Boulevard』が2020年12月18日にデジタル・リリースされた。

現物のリリースは今の所確認出来ていない…

ここでも何度もBEST盤のリリースを明記しておりますが、正直、各国独自編纂のBEST盤だったり企画盤の類は殆ど認識出来ておらず、公式でも告知されていないBEST盤だったりもあり、しかも怪しいブートレッグ等も合わせると全容は全く把握しきれておりません。

ただ、怪しいブートにも激レアな音源が収録されている事もあって、なかなか迂闊に見逃せないのがなんとも…オフィシャル盤でもTVジングルだったりデモだったりを集めた『Platinum Rare』'95 なんていう重箱の隅を突いたようなドイツ主導の企画盤があるのが怖い所であります('A`)

解散前、後に関わらずSWEETは売れた国や時差があったりな上、メンバーチェンジの激しさもあって、その全ての音源を追い求めるのは辛く険しいのです…orz



# by malilion | 2021-01-03 17:56 | 音楽 | Trackback

メキシカン・シンフォの秀作! CODICEの唯一作がリマスターでリイシュー!

メキシカン・シンフォの秀作! CODICEの唯一作がリマスターでリイシュー!_c0072376_17343712.jpgCODICE 「Alba Y Ocaso」'19

中南米 MEXICOの中部は東に位置するメキシコ第三の都市 Monterreyを拠点に活動していた、キーボード入り5人組シンフォ・バンドの99年唯一作『暁と黄昏』が19年度リマスター&ボーナストラック2曲追加でリイシューされたのを、かなり遅れてGET!

欧米のバンドに比べて知名度は低いものの同郷のCASTやICONOCLASTAと共に近年のメキシカン・シンフォの代表作と呼ばれる一枚で、オリジナル盤は米国カリフォルニアを拠点とするレーベル Art Sublime(ICONOCLASTA、HOLDING PATTERN、Jose Cid、Tony Spada等のリイシューで有名)からリリースされ、合計2000枚プレス(私の刻印は0208)されたが即完売し長らく廃盤となっていたマニアックなアイテムで、これはラテン・アメリカン・シンフォニックロック愛好家には嬉しい再販だろう。

本バンドは、元々は Marco Corona(G & Key)のソロ・プロジェクト(Marco Coronaは、米国に渡り音楽キャリアを築くだけでなく、Robert Fripp(!!)からギターのレッスンを受けいた事があるらしい)として90年代初期に米国 Los Angelesでスタートし、その後活動の場を メキシコの Monterreyへ移し、音楽学校の生徒でクラッシック楽器奏者である他メンバー達を迎えて95年頃から本格的に活動を開始した、半ば Marco Coronaのワンマン・プロジェクトバンドでありました。

アルバム・リリース前に、高等教育機関や地元のロックフォーラムでのライヴを披露(GENESIS、FOCUS、KING CRIMSON、MAGMA、DEEP PURPLE、EL&Pなどのカヴァー曲も演奏)し、Monterreyのプログレッシヴ愛好家達との交流を図るだけでなく、98年にはメキシコを代表するソングライターでありミュージシャンの Arturo Mezaに同行して米国シカゴで2回のプレゼンテーション・ライヴを行い、アルバム録音前にドラマーが交代、そして99年3月、Baja Californiaの Mexicaliで開催されたBaja Prog IIIフェスティバルのオープニング・アクトを務めるなど精力的に活動し、Monterrey芸術評議会から資金援助を受け本アルバムを制作すると、リリース後の00年メキシコでのプログフェスト、同年の米国南カリフォルニアでのプログフェスト等の有名なプログレッシブ・フェスティバルに参加するが、中心人物で活動的な Marco Coronaが次なる目標をバンド活動以外に定めたのか以降は無期限の活動休止となり、実質的解散(2ndアルバム用のデモは数曲存在していたし、何度か再結成の動きもあったらしい)状態のまま現在を迎えている。

ギーガー風のジャケを見るだけでどんな内容か聴こえてきそう(EL&P好きなんでしょうねぇ、笑)ですが、そのサウンドは他の南米産シンフォニック&プログレ・バンド達と似ていて、長いインストゥルメンタルのパッセージではギターとキーボードのソロが中心となるお約束なスタイルの、殆どインストゥルメンタルで構成された作品ながら僅かにあるスペイン語で歌われる男女ヴォーカル曲が長尺曲続きになりがちなアルバムを飽きさせぬアクセントにもなっている、全編を通じてクラシカルなテイストを散りばめた端正なインスト主体のシンフォニック・サウンドを展開する構成となっており、スケールの大きな楽曲や伸びやかなゲスト女性ヴォーカルの清楚な美声やフルートの涼やかな音色等のアレンジが素晴らしく、実に中南米らしい叙情的でメロディアス、そして色彩豊かでカラフルなシンフォニック・サウンドを堂々と披露している。

Disc1は、トータルな流れを計算した小品を主体に構成されており、GENESIS、CAMEL系の優美なアンサンブルが好みな方には堪らぬだろう典型的なメロウ系シンフォニックサ・ウンドで、ヴォーカルをフィーチャーした楽曲や、クラシカルなギターによる優美な間奏曲、ムーディーで洒落たJAZZっぽいピアノが活躍するヴォーカル・ナンバーまでが次々と現れ消えていく一筋縄で行かぬ展開が実に楽しく、キーボードが大活躍するパートはEL&P(と言うかEmersonか)的とキーボード・プログレ・ファンにも好評を博すだろう定番パートもしっかりあり、最後は如何にもなシンセとオルガンによる荘厳な楽曲で締め括られており、彼等の幅広い音楽的バックグラウンドが窺える実にバラエティ豊かな一枚だ。

Disc2は、9パートに分かれたコンセプチュアルな“Icons Suit”が収録されており、ほぼオール・インストのトータル58分に及ぶその内容は、組曲形式に次々と曲が流れて行く『静』と『動』の対比鮮やかなダイナミックな展開で圧倒する構成で、グレゴリアン・チャント、パイプオルガン、オーボエ、アコースティック・ギター等の多様な要素が駆使されるだけでなく、KING CRIMSON、EL&P、TRION等を彷彿とさせるフレーズも飛び出す、トラディショナルな70年代プログレ風味とクラシカル・シンフォニックが絶妙に溶け合ったキーボード主導による重厚で迫力あるサウンドは、大抵のプログレ愛好家に好意的に受け止められる事だろう。

とてもデヴュー・アルバムとは思えぬ二枚組110分を超える大作コンセプト・アルバムは、メンバー以外にオーボエ、フルート、ギター、コントラバス等のクラシック楽器のゲスト奏者が参加しており、同郷のICONOCLASTA、O TERCO、BACAMARTEをはじめ、YES、GENESIS、CAMEL、そしてEL&Pスタイルのシンフォニックなメロディと、KING CRIMSON風の折衷的トーンな硬質なギター、FOCUS、MAGMA等の伝統的ユーロ圏プログレ・サウンドだけでなく、繊細なアコースティック・ギター、流麗なピアノ、リリカルなリコーダー等が丁寧に紡ぐ精緻なアンサンブルから溢れんばかりに漂う『気品』は初期PFMを彷彿とさせ、CELESTEなどの70年代イタリアン・プログレ群の影響が窺える濃厚な美旋律や、少しネオ・プログレなタッチも匂わせつつEmersonスタイルなプログレ的パッセージと宗教音楽やバロック音楽等の本格感漂うクラシック色が見事に融合し大迫力で奏でられる様は精巧で優美な輝きを放つかの様で、さらにはTANGERINE DREAMのようなエレクトロニックな影響も随所で感じ取れる、アナログとデジタルを巧みに使った鍵盤楽器メインで織りなすサウンドはアレンジも良く練られており、豊かな響きと艶やかな音色でアルバム後半の組曲を彩るその意欲的な内容と圧巻のスケールは実に素晴らしく、メキシカン・シンフォの代表作と呼ばれるだけの事はある優れた一枚であります。

なんだか本作は重厚で小難しいシンフォ・サウンドばかりなイメージですが、クラシックなパッセージの最中に突如現れる軽やかで繊細なフォーク・ノートや、ラテン・フレーバー色濃いアコースティックなギター、そして荘厳でシンフォニックな教会オルガンやEmerson風の派手なキーボードだったり、一転してスペイシーで煌びやかな小気味よいシンセが飛び出して来たりと、総じて楽曲のディテールは複雑なもののネオ・プログ風なタッチや現代音楽的なモダンさも感じさせ、加えてアーバンテイストあるJAZZ風サウンドや、牧歌的な空気(Marco Coronaのギターが Robert Frippや Steve Hackettスタイルが多い為)が漂ったりと、ドプログレ一辺倒で無い落差と緩急あるサウンドが本作を非常に興味深いものにしているのは間違いない。

意外にキーボード・プレイ自体からはモダンで現代的な雰囲気も感じ取れ、Marco Coronaの音楽的バックグラウンドが次々と露わになっていく、そのセンス良いシンセを使ったプレイと情熱的で勢いあるサウンドは、多様で知的な、そして複雑で高い創造性を感じさせ、聴いていて非常に楽しいアルバムだ( ^ω^ )

Marco Coronaと Mario Mendozaが操るキーボードはデジタルとアナログの組み合わせで、アナログシンセやミニモーグも使われているが、エミュレートでメロトロンをはじめとする多種多様なヴィンテージ系キーボードによる70年代を彷彿とさせる音色を再現しており、アルバムで聴けるハモンドオルガンのサウンドに少しデジタリーな響きがある箇所(彼等はXB-2を使用し、クラシックなB-3は未使用)もあったりするが、全体的なアルバムのクオリティを著しく下げている訳ではないので、キーボードマニアな方はそういった点に注意して本作を聴いてみるのも違った楽しみ方の一つと言えるだろう。

ここまで絶賛しておいてなんですが、ゲスト女性ヴォーカリストを除くヴォーカル・パートのレベルは総じて『プログレだからOK』というC級レベルで楽曲の高いレベルと比べて著しく低く感じるし、独創性という点では70年代英国プログレ・バンド群やイタリアン・プログレ勢に大きく劣るのは否めないものの、バカテクでグイグイ押しまくるハイテク集団ではないアンサンブル中心にメロディ第一で歌心ある展開をするシンフォ・サウンドからは、若いながらもメンバー全員がしっかりとしたテクニック(ちょっとドラマーは腕が落ちる?)を持っている事が良く分かり、これだけ盛り沢山な内容ながらデヴュー作と思えぬ纏まりの良いアルバムな為、聴き終えた後の印象が実によろしいのが本作の評価を上げている一因なのではないでしょうか?

メキシコシティのスタジオ Beet-Huumでエンジニアの Fernando Diaz氏によって徹底的にリマスタリングされた本作は、ボトムがアップされシャープさの増したクリアーなそのサウンドを聴くにリマスター効果の程をかなり実感出来、また本作の最大の目玉である追加された2つのボーナストラックは、1曲はフィメール・スキャットを追加した別ヴァージョン『Requiem(Alternate Take)』とプログフェス2000の前夜に超限定でリリースされたシングルCD『El Trenecito』で、メロトロンをタップリとフィーチャーしたこの一曲、約12分の為だけにでもオリジナル盤をお持ちの彼等のファンのみならずクラシカルなサウンドが艶光るUSシンフォ・ファンならば本リマスター盤をもう一度買い直す価値は充分にあると言えましょう(*´ω`*)

CODICE Musicians:
Marco Corona   (Classic & Acoustic、12-String & Electric Guitars、Keyboards *、Bass & Vocals)
Mario Mendoza   (Keyboards *)
Arturo Garcia   (Bass
David Martinez  (Drums、Percussion)
Luis Maldonado  (Vocals)

With:
Marisa Calderon  (Lead & Backing Vocals)
Javier Ferretyz  (Guitar solo)
Ricardo Martinez  (Moog & Yamaha Synths)
Miguel Lawerence  (Recorder)
Marcela Alvear   (Oboe)
Arturo Guajardo   (Voice)
Juan Carlos Alvarez (Voice)
Mario Mendoza    (Voice)
Ruben Martinez    (Voice)

* Roland D550/S10/MT32、Korg P3/M3R、Ensoniq Digital Piano、Emu、Hammond XB-2、Micro Moog

尚、バンドの公式フェイスブックがあるものの、結成から約25年が経過した事を記念しての回顧サイトらしく、各メンバーはそれぞれ活動を現在も元気に続けている、という事が明記されており、CODICEはメンバー各自にとって完全に過去の出来事となっている模様で、リイシューを記念しての再結成等は望み薄なのが残念だ('A`)

本作は限定盤という話は聞いていないが、そもそもメキシコ盤はプレス数がかなり少なく限られているのが常なので、もし本バンドのアルバムにご興味ある方はお早目にお求めになるのがよろしいのは間違いないでしょう。



# by malilion | 2020-12-30 17:29 | 音楽 | Trackback

モダン・UKシンフォの先頭を爆走するFROST*が8枚組メガアイテムをリリース!!


モダン・UKシンフォの先頭を爆走するFROST*が8枚組メガアイテムをリリース!!_c0072376_17414029.jpgFROST* 「13 Winters ~Limited Deluxe 8CD ARTBOOK BOX~」'20

熱心なファンならば英国音楽プロデューサー、キーボーディスト、ソングライターの Jem Godfrey率いるUKモダン・シンフォニック・バンドの最右翼 FROST*のアルバムは全て揃えている事だろうが、そんなファンの忠誠心を確かめるような超弩級アイテムが3000セット限定でリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

既発全アルバムの2020年度リマスター&レア音源、そして今年DLのみでリリースされ今回初CD化(!)となる6曲入りEP『OTHERS』を含む8枚組が、LPサイズ(28cm x 28cm)の豪華装丁大判ハードカヴァー・ブックレットに収納されているファン垂涎のマストアイテムだろう。

ブツがブツだけに少々お値段が張ります(涙)が、EP『OTHERS』の現物と今回初出となる17年のライヴ音源や、レア音源集等々、見逃せぬ音源が多数収録されておりますので、これにはファンならずとも注目せざるおえませんね。

まぁ、一連のコロナ騒動で今年は活動がままならなず時間はタップリあった事でしょうし、スタジオに篭ったりセッションしたりする時間も多かったでしょうからEPのみならず新作の準備にも拍車がかかったのかもしれませんので、寡作な彼等にしては次なるスタジオ・アルバムを意外と早く届けてくれそうな予感がします(´ω`)

既発音源については、ここでも以前にご紹介しましたし方々でも詳しくその内容が述べられていると思うのでデータ的な事だけ記載するとして、今回初出な音源やEPについて拙い文章ですが語っていきますのでご容赦を。

なんと言っても本作の目玉は、初CD化のEP『OTHERS』でしょう。

21世紀型シンフォの最先端バンドという呼び名に相応しい3rdアルバムで提示したデジタリーでキャッチーなポップ形態なまま、よりソリッドなボトムがヘヴィネスにウネリ狂い、さらにモダンでエッジあるギターがメロディアスなリフを刻み、非常にキャッチーな歌メロと分厚く爽快なコーラスとデジタル処理されたヴォーカルも相まって、打ち込みも組み込んだダンサンブルなアレンジが効いたフック満載でテクニカルな楽曲群を何の変哲も無い洗練されポップスのようにサラリと聞かせる様は、既にシンフォやプログレ系のバンドとして語るべきではないのかもしれない、そんな未来志向のハイエンドなポピュラー・ミュージックと言えるだろう。

ほぼ Jem Godfreyの独力で作られた楽曲は、前作で凡そ古典的サウンドを好むプログレ勢が手を出さぬ数多くのモダン要素を見事に己のモノとして組み入れ、さらに一段上へサウンドを進化させた3rdの音の数歩先へ進んでおり、高い演奏力は無論の事、楽曲構成や幾重にも重ねられていく緻密なアレンジの妙に Jem Godfreyのセンスが光る、重くズ太い印象が最初に来て、その後デジタリーで煌びやかな音の粒の煌めき、そして最後に奔流のように迸るリズムが躍動する、そんなパワフルな楽曲を激しくキックするエネルギッシュな熱量はHR的で、それでいてどこか冷めた印象のあるスムースなサウンドは、本当に優美で精緻な氷細工の彫刻が艶光っているかのようだ。

個人的に一番驚かされたのは、トライバルなリズムと民族音楽要素、そしてそれ等を打ち込みとデジタリー・サウンドで纏め上げ怒涛のリズム展開と分厚いシンガロングでグイグイ押しまくるTrack3『Exhibit A』は、シンフォやプログレ系でなかなかお目にかかれぬ素晴らしくキャッチーでリズミックな楽曲で、Jem Godfreyの作曲能力の高さを再確認させられました('(゚∀゚∩

明らかにスタジオで造り込まれたサウンドだし、ロック的なナチュラルなサウンドの響きとかは弱いんですが、既にバンドサウンドが3rdアルバム時点で打ち込みやダブステップも取り込んだデジタリーな方向性へ進化しているので、人工的なモダン・サウンドでも別段拒否反応は起きませんし、そんな生音を好む方は既にFROST*の活動をとっくに追いかけていないだろうから問題はないよね?

お値段の張る本リマスター集ではありますが、EP『OTHERS』の為だけに購入しても後悔はしない実に素晴らしい出来栄えだと断言出来ます。

DLで購入しちゃえば音源自体はお安く入手出来るかもしれないが、プログレ&シンフォ系音源はやはり現物で入手してこそなのでねぇ(´∀`)

そしてもう一つの目玉、レア&デモ音源集『This And That- B Sides And Rarerities』も見逃せない音源満載であります。

初期のセッションで生まれた未発音源に新たに新録音源を加えて今回初お目見えになった『The Dividing Line』は、初期のシンフォ・テイストを残しつつ、最先端のモダン・デジタルサウンドへブラッシュアップされているような楽曲で、ヴァイオリンや打ち込みサウンド、ループ、そして分厚いコーラスのアレンジが効いている楽曲がめくるめく複雑怪奇に展開していくデジタル・プログレとでも言うべき長尺曲で、どうして今まで未発だったのか不思議なくらい魅力的な楽曲だ。

その他にも、初回限定盤のみ収録のボーナストラックや、アルバム収録時とイメージの変わる日々のセッションの影響が色濃く反映されたデモと呼ぶにはクオリティの高すぎるデモ音源、そしてFROST*にはマッチしないかもしれないと思い仕舞い込んでいた古いデモ音源に手が加えられて新曲へ生まれかわる途中の音源や、完成前の収録曲に即興演奏部分が残された音源だったり、編集ソフトウエェアの試しに実験してみたジョーク音源等、彼等の創作の過程や変化を聴き取る事が出来る貴重音源が目白押し(Ivor Novello賞作家のRobin Beanlandが無料で素敵な編曲作業をしてくれのに Jem Godfreyが Phil Collinsッぽいバラードにしてダメにしてしまった裏話等)でファンはホクホク顔だろう。

まぁ、アルバムの間のインターバルが長いし、メンバーチェンジ等も頻繁に起こっているので当然のように未発音源やセッション音源等が多数存在するのは予想がついたが、これでもまだまだ一部な模様なので、いつか未発音源満載なアーカイヴアルバムをリリースして欲しいものであります(´ω`)

既発音源のリマスターについては、全てが元々音の悪いアルバムでなかったので70代音源のリマスター再販盤のような絶大な効果はありませんが、それでもデビュー作が06年という事を考えると、彼等のように最新のテクノロジー技術をふんだんに活用しているバンドの作品としては古臭く聞こえてしまうのを少しでも緩和する効果はあるように思えます。

つまりファンは即買うべきメガアイテムであり、彼等のアルバムを一枚も持っていないモダン・シンフォ好きな方は本作を購入する事で彼等のスタジオ音源を全て入手する事が出来るお得盤でもありますので、是非ご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。

Disc1:『Milliontown』'06 記念すべきデビュー作。REMASTER 2020
Line-up:
Jem Godfrey  (Keyboards)
John Mitchell (Guitars、Vocals:ARENA、IT BITES、KINO、etc…)
John Jowitt  (Bass:IQ、ARENA、JADIS、etc…)
Andy Edwards  (Drums:Robert Plant Band、IQ、etc…)
John Boyes   (Guitars:FREE FALL)

Disc2:『Expeliments In Mass Appeal』'08 アッサリ解散の後、再結成されリリースの2nd。REMIX & REMASTER 2020
Line-up:
Jem Godfrey  (Keyboards、Backing Vocals)
John Mitchell (Guitars、Violin、Backing Vocals)
John Jowitt  (Bass)
Andy Edwards  (Drums)
Declan Burke  (Lead Vocals、Acoustic Guitars:DARWIN'S RADIO、etc…)

Disc3:『Falling Sattellites』'16 デジタリーにさらなる進化を遂げた3rd。REMASTER 2020
Line-up:
Jem Godfrey  (Electric & Lap Steel Guitars、Keyboards、Railboard、Vocals)
John Mitchell (Guitars、Vocals)
Nathan King  (Bass:LEVEL42、IT BITES、etc…)
Craig Blundell (Drums:David Cross Band、etc…)

Disc4:『Falling Sattellites』'20 今回初出となる3rdのInstrumental Version。REMASTER 2020
実は意外にオフ・ヴォーカルのお陰で演奏の細かなニュアンスまでもがバッチリ聴こえて、色々と楽しめる本作ならではの一作だ。

Disc5:『Falling Satellive』'20 初出となる11月24日のライヴ。Live at Dingwalls, London, 24th November 2017 10曲58分。
Line-up:
Jem Godfrey  (Electric & Lap Steel Guitars、Keyboards、Chapman Stick、Vocals)
John Mitchell (Guitars、Vocals)
Nathan King  (Bass、Bass Synth、Vocals)
Craig Blundell (Drums)

Disc6:『Others』'20 新録EP。6曲32分。
Line-up:
Jem Godfrey  (Vocals、Keyboards、Guitars、Railboard、Bass、Drums)
Craig Blundell (Drums)
Andy Edwards  (Drums)

Tracks Listing
 01. Fathers
 02. Clouda
 03. Exhibit A
 04. Fathom
 05. Eat
 06. Drown

Disc7:『The Philadelphia Experiment』'10 再結成後のライヴ盤。Live at The Keswick Theatre, Glenside, 2nd May 2009。
Line-up:
Jem Godfrey  (Keyboards、Vocals)
John Mitchell (Guitars、Vocals)
John Jowitt  (Bass、Vocals)
Nick D'Virgilio (Drums、Vocals:SPOCK'S BEARD、BIG BIG TRAIN、etc…)
Declan Burke  (Lead Vocals、Guitars)

Disc8:『This And That- B Sides And Rarerities』'20 初出となるタイトル通りなレア&デモ音源集。
Tracks Listing
 01. The Dividing Line
 02. Lantern
 03. British Wintertime
 04. The Forget You Song
 05. Numbers (Day 1 Demo)
 06. Towerblock (Day 1 Demo)
 07. Heartstrings (Demo)
 08. Closer to the Sun (Demo)
 09. The Raging Against the Dying of the Light in 7/8 (Day 1 Demo)
 10. Last Day (Demo)
 11. Hyperventilate Hypoventilate Paulstretch Test

今回の8枚組限定盤は膨大な量の音源集ではありますが、これで全て彼等の既発音源が完全にコンプリート出来る訳ではなく、本作に未収録の『The Rockfield Files』'13や『Frost*Fest Live』'09なんてのもありますし、アルバム未収録音源を収めたシングルだったりもあるので彼等の事を良く知らない方はお間違いなきように。

地味ぃ~に、限定盤とかオマケ付きとか色々出してるんですよ、ええ。その辺、如何にも英国バンドの伝統的お約束って感じですよね(w




# by malilion | 2020-12-17 18:47 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンのムーミン・バンド(笑)RITUALが13年振りにEPをリリース!!

北欧スウェーデンのムーミン・バンド(笑)RITUALが13年振りにEPをリリース!!_c0072376_11280853.jpgRITUAL 「Glimpses From The Story Of Mr.Bogd ~Limited Digipack~」'20

間もなく5thアルバムがリリースされるスウェーデン産4人組テクニカル・シンフォ・バンドが、5thアルバムに先駆けて4曲入り20分強の限定EP盤を13年振りにリリースしたのを即GTE!

93年結成の95年アルバム・デビューながら、これまでにLIVE盤を含めてキャリア27年でたった5枚しかアルバムをリリースしていない寡作バンドだがその度に良作をリリースして来た彼等、間もなくリリースされるハズのコンセプト作はその壮大なコンセプト故に完成までに10年数年の時間を要した超力作で、その仕上がり具合に今から俄然期待が膨らみますね(´ω`)

デヴュー当時からヴァイオリン、マンドリン、ブズーキなどのアコースティック楽器を使った非常にユニークなフォーク・タッチが持ち味のテクニカル・シンフォサウンドで、初期YESを彷彿とさせるメロディックで複雑なリズム使い、そしてデヴュー当時からメンツの変わらぬ鉄壁のアンサンブルと独特なキャッチーさを伴った美旋律が実に魅力的で革新的なのは本作でも変わっておりません。

アコースティカルでスピーディなビートと爽快でポップなヴォーカルを交え、お約束のJETHRO TULL風なフォーク・サウンドやGENTLE GIANT的なリズミックで華麗なコーラス、そしてGRYPHONを彷彿とさせる中世音楽的な要素を散りばめたエキゾチックでポップな、どこかミステリアスで軽やかなメロディが舞い踊る、北欧らしい淡い叙情感とGENESIS風な牧歌的雰囲気も感じさせつつ、初期GENESISが得意としていた演劇的なストーリーテリング風ファンタジック・サウンドが一気に駆け抜けていく、まさに唯一無二な独創的サウンドのスリリングさとキャッチーさは未だに衰えておらず、13年振りのスタジオ音源と思えぬ程に未だに瑞々しい感性がキラキラと輝いている様で実に素晴らしい!('(゚∀゚∩

文句のつけようなく素晴らしい内容だが、たった4曲収録のEPの為に“アッ”と言う間に終わってしまうのが唯一の不満と言える、『ちょっとだけ味見』な本EPは『もっと聴きたい!』という飢餓感を煽るだけ煽ってアッサリ終わる、来る新作に向けての完璧なプロモーション盤と言えるだろう。

あーっ! 早く新作をリリースしてくれぇ! 待ち切れないよぉ♪( ´Д`)

彼等のファンは即GETしてモチロン後悔しないEPだし、フォーク風味のポップな北欧シンフォがお好みの方なら是非チェックするべき彼等の『お試し盤』でありますので、この機会をお見逃しなく!


RITUAL Members:
Patrik Lundstrom  (Lead Vocals、Guitar)
Jon Gamble     (Keyboards、Harmoniumm、Harmonica & Vocals)
Fredrik Lindqvist  (Bass、Bouzouki、Mandolin、Flutes)
Johan Nordgren   (Drums、Percussion)



# by malilion | 2020-12-15 11:22 | 音楽 | Trackback