人気ブログランキング | 話題のタグを見る

現GALAHADのギタリスト LEE ABRAHAMが再びパンデミックを主題にしたコンセプト・ソロ・アルバムをリリース!

現GALAHADのギタリスト LEE ABRAHAMが再びパンデミックを主題にしたコンセプト・ソロ・アルバムをリリース!_c0072376_16104616.jpgLEE ABRAHAM 「Only Human」'21

UK第二世代ポンプバンドの生き残りGALAHADの二代目ギタリスト Lee Abrahamの10枚目となるソロアルバムが予想外の早さでリリースされたのを即GET!

個人的には前作『Harmony/Synchronicity』'20はイマイチ纏まりの散漫なアルバムに思えたがどうやら巷では好評だった模様で、モノクロのジャケットが物語るように本作もそんな前作の流れを汲むダークな路線をメインに制作されており、この二年間に起こった英国ロックダウン下での状況や世界的なパンデミックに触発され、人生をどのように処理し、その中で自分がどのような立場にあるのかを考察する、示唆に富むテーマで綴られた楽曲群を含むシンフォニック・ロック・コンセプト作となっている。

『この一年半の間に、私達の多くは、かつてない程の孤独感や不完全燃焼を経験しました』
『これを切っ掛けに、自分の人生がどこに向かっているのか、自分にとって何が重要なのかを再検討し、人生全般や私達がここに居る理由について独自の理論を考えた人もいるでしょう』

同一路線と言っても飽くなき挑戦を続けるプログレッシヴなミュージシャンである Lee Abrahamが単なる焼き直しやセルフパロを行う訳もなく、本作はパート1~パート4で構成された約30分の物憂げなピアノに導かれて叙情香る壮大なオープニング大曲『Counting Down』でいきなりスタートするなど、これまで以上に冒険的で野心的、そして幾度か試みてきたコンセプト構成な楽曲の完成度をさらに一段引き上げたプログレッシヴな大曲を軸に展開していく力作となっており、ただ年を数えるだけで人生を終えようとする人間の虚勢について示唆する主題だけでなく、アルバム後半はこれまで彼がソロアルバムで披露してきたキャッチーなフックラインと様々な音楽スタイルやアレンジが効いたメロディアスで親しみやすいAOR要素等を含んだ楽曲も収められており、前作のような重苦しくダークなだけでない幅広い音楽性で織り成されたバラエティに富んだアルバムだ。

現在もコロナの影響は全世界へ暗い影を落としているが、テクノロジーの発達のお陰でソロ作の制作に支障は無かった模様で、自身のマルチ・プレイに加え、長年の音楽パートナーである Gerald Mulligan(CREDO)は当然の如く参加し、既にお馴染みな Marc Atkinson(RIVERSEA、INE STONES CLOSE、MOON HALO、MANDALABANDl)と前作にも参加の現CAMELキーボーディストにしてTIGER MOTH TALESを率いる全盲のマルチミュージシャン Peter Jonesの二人にリードヴォーカルを任せ、前作でも参加のTWELFTH NIGHTの7代目ヴォーカリストで現フロントマンな上にマルチパート・セッションミュージシャンで、最近は元PALLASのヴォーカリスト Alan ReedのソロBandでギターも弾いていた Mark Spencerをバッキング・ヴォーカリストに、ピアノには英国ポンプ系やシンフォ系バンドに数多く招かれその腕前を披露している Rob Arnoldを招いており、各ミュージシャンのファンの方々は見逃せないだろう。

個人的には前作のような四人のヴォーカリストを招く形態より、コンセプトを語るアルバムであるならヴォーカリストは本作のように二人までに抑えてイメージのバラつきを最小限にしつつバックのサウンドで様々な場面を思い思いに描き出す作風の方が纏まりが良く感じ、そういった点でも前作より最小編成で制作された本作の方が優れているし聴き易いアルバムだと思えます。

まぁ、ギタリストのソロ・アルバムなんだしポップな楽曲ばかりの明るいアルバムなら複数ヴォーカリストを招いて最後まで色々な歌声が乗るバラエティ豊かなサウンドで聴き手を飽きさせない、っていうアイディアは良いと思うのですが、如何せん前作のような重苦しいコンセプト・アルバムには少々似つかわしくないかったかな、と…

また本作はドラム以外の楽器演奏だけでなくスタジオ作業の殆ども Lee Abrahamが手掛け、イギリスのHampshire州にあるDockside Studioで録音、プロデュース、エンジニアリング、ミックス、マスタリングを行っている本当の意味で彼の思い描いた通りのサウンドが鳴っているソロ・アルバムと言えるだろう。

主軸となる『Counting Down』も前作のような重苦しいダークなだけでなく、コンセプトに即したヘヴィなギターやメランコリックなキーボード、そして憂いある英国情緒香るメロディだけでなく、お得意のエモーショナルでセンチメンタルな泣きのロングトーン・ギターや、ドラマチックでシンフォニックなキーボード・サウンドが巧みに交差し、大雑把に言えば前作と同一路線なダーク系メロディアス・シンフォサウンドなものの、ダークでヘヴィなだけでない安らかなイメージや厳かな音色、時に爽快で朗らかな歌メロ、そして山あり谷ありの起承転結が紡がれる物語は単なるモダン・シンフォ作ではない一大絵巻のような華やかさと壮大さを感じさせ、これまで様々に音楽性の幅を広げてきた Lee Abrahamらしく数々の70年代プログレッシヴ・バンドのニュアンスやGENESIS風なポップ・プログ・ロック風なタッチまでも楽しむ事が出来る、英国的な深く淡い内省さと魅力ある叙情的メロディで描き出された多様性ある美旋律の数々は、聴く度に多くの隠された音楽的要素や考察を投げかけてくる Lee Abraham会心の一曲なのは間違いない。

Lee Abrahamファンは勿論のこと、ゲスト・プレイヤーのファンな方のみならず、英国モダン・シンフォやGALAHADの様なUK第二世代ポンプ・バンドがお好きな方なんかにもお薦めしたい、そんな一枚であります(*´∀`*)

Musicians:
Lee Abraham (Guitar、Bass、Keyboards、Engineered、Mixed、Mastered、Produced)
Gerald Mulligan (Drums)

With:
Marc Atkinson  (Lead & Backing Vocals)
Peter Jones   (Lead & Backing Vocals)
Mark Spencer  (Backing Vocals)
Rob Arnold    (Piano)

P.S.
内容は素晴らしいのに、所々でノイズが聴き取れる所がちょっとだけ残念であります。
全て本人の手による作業なんでどうしょうもないですが…やっぱりエンジニアリングかマスタリング辺りは第三者の手が入った方がいいんじゃないかなぁ…

# by malilion | 2021-09-30 16:10 | 音楽 | Trackback

再結成し89年当時の楽曲をレコーディングしリリースしたスペインの幻のメロハー・バンドDANGERをご紹介。

再結成し89年当時の楽曲をレコーディングしリリースしたスペインの幻のメロハー・バンドDANGERをご紹介。_c0072376_02243029.jpegDANGER 「1989 -Deluxe Edition-」'15

80年代後半、アメリカのメインストリームがバブリーでキャッチーなヘア・メタルやポップな産業ロックで絶頂期を迎えようとしていた頃、遠くスペインの地にも影響を及ぼしメロディックHRシーンは盛り上がりを見せていた。

HIROSHIMA、MANZANO、MARSHALL MONROE、SANGRE AZUL、ALCAUDON、PRAXIS、TOKIO、FORCE、SHALOM、NIAGARA、JUPITER...等のスパニッシュ・ロックバンド達が、マイナーながらもユーロ圏のメジャー・バンド達にも決して引けを取らぬクオリティーのアルバムをリリースし、そのUSバンドに無い洗練さの対局にある不器用ながらも濃厚で匂い立つ狂おしい美旋律と英語圏でないアンダーグラウンドなバンドならではの独特な音使いがコアなメロディアス・ロックファンを魅了していたが、その中でも特にアンダーグラウンドな活動をしていたのが、ドラムとリードヴォーカルを兼任する Jose Manuel Fernandezによって83年に結成されたマドリッドを拠点に活動したオブスキュアなHRバンド MARSHALL MONROEであった。

本バンドはそのMARSHALL MONROEの元メンバーを中心に、SANGRE AZULの元メンバーも加えて1989年に結成され、その年のヤマハ主催のバンドコンテスト『Yamaha Band Explosion(武道館開催)』にも出場した過去を持つスペイン産キーボード入り5人組メロディアスHRバンドで、惜しくも僅か活動一年程で解散し正式なレコーディング音源を残す事無く忘却の彼方に消えていった…までは、スペインのインディバンドあるあるな物語だったのですが、なんと彼等は25年の時を経て突如再結成し、当時書かれたものの陽の目を見る事がなかった楽曲の数々をレコーディングし2013年に本デヴュー・アルバムをリリースしたのだった。

ただ、当時500枚限定でリリースされたハズの本作は14年に『Rescue 1989』というタイトルとジャケットのデザインを変更しボ-ナストラックを2曲追加しレーベルも変えて再びリリースし直されており、さらに少なくとも数回ジャケを変え3回はリイシューを繰り返されているので、当初は限定盤であったはずだが最終的には恐らく合計2000枚以上は市場に出回っているものと思われる。

因みに本作も、最初のリリース時のジャケと同じ装丁で500枚限定のナンバリング(私のは139だが意味は既に無い)が入っているが『Rescue 1989』にさらに89年のデモ4曲を追加してリリースされた新装盤で15曲入り(オリジナルは9曲入り)となっており、正確なリリースデイトが不明ながら恐らく15、6年頃だと思われる『Rescue 1989』風なジャケでない最初のレーベルからリリースのオリジナルの電飾文字デザインながら内容は『Rescue 1989』のデラックス盤と同一音源の盤となっている(ややこしい…)

マイナーなスペイン産オブスキュアHRバンドで、しかも短命だったにも関わらず何度も繰り返しアルバムがリイシューされて来た事からも、本作の出来が素晴らしく彼等の創作した楽曲が決してスペイン国内のみで終るようなクオリティでなかった事を遅まきながら証明していると言えるでしょう。

また、再結成に際して全員オリジナル・メンバーでのリユニオンは叶わず、中心人物であったドラマーの Jose Manuel Fernandezを欠き、新たに Jose A. Pereira Tomas(ex:YING YANG)を迎え入れて本作のレコーディングは行われているので、オリジナル編成での彼等のデモテープ音源等(本作にも4曲収録されているが)をお持ちの方はかなりのレア度なお宝音源所有者と言う事になりますね。

先にも述べましたが80年代末期に Jose Manuel Fernandez率いるMARSHALL MONROEが解散すると、Carlos Abad(Keyboards)、Luis J. Perona(Bass)、Jose Manuel Fernandez(Drums & Vocals)の元メンバーの3人と、Jorge Fontecha(Vocals ex:BABEL)、Jose A. Martin Moreno(Guitar ex:SANGRE AZUL)の5名によってDANGERは結成され、MARSHALL MONROE活動時や結成当初はスペイン語でヴォーカル・パートは歌われていたが、ヤマハ主催のバンドコンテストで世界各国のバンド達の活動を目の当たりにし、ワールドワイドな活動をするならば自分達も英語詞で活動しなければならぬと悟り、帰国後に創作されたDANGERの楽曲は全て英語詞となっていたのでした。

前置きが長くなりましたが本作の内容はと言うと、バブリーでキャッチーな分厚い爽快なコーラスをフィーチャーした、煌びやかでフックありまくりな楽曲が目白押しな80年代アメリカンHR直系のメロディアスHRサウンドで、89年当時に本作が正式にレコーディングされていたならばワンチャン国内盤リリースもありえただろう内容で、米国で大成功を収めた87年のWHITESNAKEや同じく全米でその地位を確立していたSCORPIONS風のユーロ圏バンド特有のウェットなメロディも保ちつつもしっかりと当時の米国メインストリーム・サウンドへ接近しているゴージャスで煌びやかなメロハー・サウンドなのは間違いなく、AOR調なメロディだけでなく随所で挿入されるキーボードがほんのり北欧っポイのもさらに日本受けする要因な最高な音を鳴らしており、初期BON JOVI、NIGHT RANGER、WINGER等の米国バンドだけでなくEUROPE、TREAT、DALTON、TNT等のユーロ圏バンドも彷彿とさせるサウンドは、本当に89年当時からタイムスリップして来たかのようにピュアでストレートでグランジー要素やモダンサウンドなど欠片も見当たらないレトロ・マニア歓喜な作風で、今で言えばTHE POODLESやH.E.A.Tに近い英米サウンドの折衷作のようなヒットポテンシャルの高いメロハー・サウンドと言えるだろう。

勿論、メジャー・レーベルのリリース作では無いので細かなクオリティや楽曲の完成度やプロデュース具合についてはメジャー・クラスの高品質サウンドとはお世辞にも言えないが、バジェットの限られたインディ・バンドのアルバムにしては音も良く、キャリア組が結成しただけあってインストゥルメンタル・ワークはアレンジ等も含めて非常に手慣れていて良くコンポーズされており、ミドルレンジ主体で伸びやな力強い歌声を聴かせる Jorge Fontechaのヴォーカルにほんの少し David Coverdaleっポイ雰囲気(ボーナスのアコースティック・ヴァージョンでソレが良く分かる)が見え隠れするのも如何にもなポイントで、シンプルでストレートな楽曲はキャッチーでブライトな非常に商業的な作風の、中心人物がドラマーであったからかリズムアプローチが豊富でダンサブルな楽曲も満載な、けれど特にテクニックに優れている訳でもなく音楽的に新しい試みに挑んでいる事もない、歌詞も典型的な思春期の人々向けの分かり易い路線で、気軽に音楽を聴いて時間を過ごすのに非常に適している作風なのは、当時の米国メインストリームの作風に準じているのだろうからコレは意図的なものなのは間違いない。

まぁ、余りにもアメリカナイズされた朗らかハッピー・サウンドなので、スペイン独特な臭メロや哀愁の美旋律を期待している諸兄にとってはちっとも嬉しい方向性でもサウンドでもないし、結果的に産業ロック系な流れは今や凋落して臭メロなバンド達が今ではメインを張る市場になっている訳だが、確かに80年代末期スペインでは本作のようなバブリーなUSAサウンドがもてはやされていたのは紛れもない事実なのです。

これまでに上げた欧米のバンドや、91 SUITE、EDEN LOST、HARDREAMS、GOLDEN FARM、NAGASAKI、ICE BLUE等といった現代のスペインのメロディアス・バンド等がお好みな方にもお薦めな一枚でありますのでご興味あるようならまだ比較的入手し易い模様ですので早目にGETしておきましょう(*´∀`*)

フェイスブックの更新が滞っておりますが、近年にはSANGRE AZUL等の同年代バンド達とのLIVEも披露していたりしてまだバンドは存続している模様なので、是非とも次なる新作を届けて欲しいものであります。

Track List:
01. Action
02. Take My Love
03. Since You Been Gone
04. Alone
05. Never Treat Me Like a Loser
06. Hunter
07. Danger (Let's Get Away)
08. Rock & Roll
09. Without Someone To Help Me

Bounus Track:
10. Hunter [Acoustic version]
11. Take My Love [Acoustic version]
12. Action (Demo '89)
13. Never Treat Me Like a Loser (Demo '89)
14. Danger (Demo '89)
15. Rock & Roll (Demo '89)


DANGER LINE-UP:
Jorge Fontecha       (Vocals ex:BABEL)、
Jose A. Martin Moreno   (Guitar ex:SANGRE AZUL)
Carlos Abad        (Keyboards ex:MARSHALL MONROE)
Luis J. Perona        (Bass ex:MARSHALL MONROE)
Jose A. Pereira Tomas   (Drums ex:YING YANG)


# by malilion | 2021-09-23 02:26 | 音楽 | Trackback

新フロントマンを迎えた英国メロディアスHRバンドCATS IN SPACEが早くもBEST盤をリリース!!

新フロントマンを迎えた英国メロディアスHRバンドCATS IN SPACEが早くもBEST盤をリリース!!_c0072376_02015562.jpgCATS IN SPACE 「Diamonds: The Best of Cats in Space」'21

80年代風のクラッシックHR要素を全面に押し出したキャッチーでポップなノスタルジック・サウンドが特徴の、Andy Scott's SWEET、AIRRACE、MORTIZ等のバンドで活動してきた英国ベテラン・ミュージシャン達によって結成された6人組メロディアス・ロック・バンドが、まだ4枚しかアルバムをリリースしていないしフロントマンが代わったばかりのまさかの今のタイミングでBEST盤をリリースしたので即GET!

前作『Atlantis』が20年リリースなので1年ぶりとなる思いの他に早い音源のリリースで、しかもそれがBEST盤とは…メンバーは色々理由をつけるとは思いますが、恐らくこれはコロナの影響で演奏活動がままならずバンド運営の金銭的な苦境をカヴァーする為の苦肉の策ではないかと思われます…仕方ないよね、こればっかりは…(´д⊂)

本作は彼等の『Too Many Gods』'15、『Scarecrow』'17、『Day Trip To Narnia』'19、1st~3rdまでから楽曲(クリスマスEPは除外なのね)をチョイス、さらにCD盤のみに前作4th『Atlantis』'20から3曲をボーナストラックとして追加収録し、前作から加入した新フロントマン Damien Edwardsが全てヴォーカルパートを歌い直した新録音&リミックス集となっている。

単なる場繋ぎや契約消化の為、そして最も最悪な金の為にBESTをリリースするバンドが多い中、完売御礼な1stに追加音源をタップリと収録した上にお買い得な値段でリイシューしてくれたサービス精神旺盛な彼等がそんなファンを欺く悪どい真似をするハズもなく、本作も新ヴォーカリストによる歌入れ直しの新録音源や既発音源のリミックス、そして最後に『Too Many Gods』収録曲"Greatest Story Never Told"の2020年度の未発LIVE音源を収録し、さらに限定CD盤は見開きでデジ・スリーヴ風仕様と少々タイミング的に早すぎて相応しくないBEST盤に精一杯の付加価値を与えてくれているのが嬉しいですね( ^ω^ )

各アルバムの収録曲の方向性についてはアルバムの紹介で既に触れているのでここでは割愛しますが、選りすぐりな楽曲は当然のようにメロディアスでキャッチー、そして分厚いコーラスがフィーチャーされた80年代風レトロ・テイストたっぷりの華やかでフックある曲ばかりで、BEST盤に相応しく最初っから最後まで飽きが来ぬバラエティ豊かな盛りだくさんの内容となっており、もし彼等の事を知らぬメロディアス・ロック・ファンな方がいるのなら格好のCATS IN SPACE入門盤になるのは間違いありません。

前作でも抜群の歌唱を披露した英国人ヴォーカリスト Damien Edwardsですが、本作でも『Elvisミュージカル』『The Roy Orbison Story』『The Who's Tommy』『Jeff Wayne's “War of the Worlds"』等の有名ミュージカル舞台やCMソング系の仕事、そしてソロアルバムや、JUDAS PRIESTの元ギタリスト K.K Downingの新プロジェクトにも関わってきた経歴に違わぬ実力派らしい堂々とした見事な歌いっぷりで、Paul Manziが残した既発アルバムのヴォーカルパートに負けず劣らずなHRテイストあるちょっと荒れたパワフルな熱唱、繊細で穏やかなヴォーカル、そして総じて伸びやかでブライトな歌声と、バンドの幅広い音楽性に実に良くマッチしており、単なるBEST盤を彼のヴォーカル・パフォーマンスがもう一段上のレベルへ引き上げているのが良く分かり、その素晴らしい歌声を聴く為だけに本作に手を出しても決して損はしないファン必携のアイテムだ。

コロナのせいで思うようにいかぬ音楽活動に苛立っているだろうメンバー達ですが、是非に新編成での見事なパフォーマンスを近いうちに全世界でお披露目して欲しいものであります。

Track List:
01. Too Many Gods        (from Too Many Gods)
02. Silver & Gold         (from Day Trip To Narnia)
03. Chasing Diamonds       (from Day Trip To Narnia)
04. Mr. Heartache         (from Too Many Gods)
05. Thunder In The Night     (from Day Trip To Narnia)
06. Scars             (from Scarecrow)
07. Hologram Man         (from Day Trip To Narnia)
08. Scarecrow          (from Scarecrow)
09. Two Fifty Nine         (from Scarecrow)
10. Last Man Standing      (from Too Many Gods)
11. I Fell Out Of Love With Rock'n'Roll (from Atlantis)
12. Revolution              (from Atlantis)
13. Listen To The Radio         (from Atlantis)
14. Greatest Story Never Told - Live 2020

CATS IN SPACE Members:
Damien Edwards  (Lead & Backing Vocals)
Greg Hart      (ex:MORTIZ ex:IF ONLY ex:GTS:Electric & Acoustic Guitars、Keyboards、Backing Vocals)
Dean Howard    (ex:BAD COMPANY ex:IAN GILLAN BAND ex:T'Pau ex:再結成AIRRACE:Electric Guitars)
Jeff Brown     (ex:Andy Scott's SWEET ex:STATETROOPER ex:WILDFIRE:Bass、Backing Vocals)
Andy Stewart   (ex:MORTIZ ex:IF ONLY:Acoustic Piano、Electric Piano、Synthesizer、Backing Vocals)
Steevi Bacon    (ex:Robin Trower Band:(Drums、Percussion)


# by malilion | 2021-09-22 02:02 | 音楽 | Trackback

怒濤の勢いで遂に新世代イタリアン・プログレバンドの頂へ手をかけた SYNDONEが期待の新作をリリース!!

怒濤の勢いで遂に新世代イタリアン・プログレバンドの頂へ手をかけた SYNDONEが期待の新作をリリース!!_c0072376_03352804.jpgSYNDONE 「Kama Sutra」'21

前作『Mysoginia』'18で70年代の古典プログレ・バンド群と肩を並べるレベルへ到達し、現在のイタリアン・プログレッシヴ・シーンで堂々の存在感を示すイタリアはトリノを拠点に活動する彼等の、復活後第6弾にして通算8枚目となる前作より3年ぶりの新譜が国内盤でリリースされたので即GET!

唯一のオリジナル・メンバーでリーダー、そして作曲とキーボードを担当する Nick Comoglio率いるSYNDONEは結成当時からのバンド・コンセプトであるツイン・キーボードを主軸に、華麗かつ技巧的な70年代プログレ・リスペクトと言える重厚なシンフォニック・ロックを復活後には展開し、今やヴェテランと呼ばれる域に達した彼等が前作までのイタリア・プログレッシヴ・ロックならではの伝統を受け継いだ濃密にして情熱的なテクニカル・サウンドを、更なるスケール感アップと音楽性の進化を推し進めて再び素晴らしい傑作を届けてくれた。

残念な事に前作でやっと6人組バンドのメンツが安定したかと安心したのも束の間、再びメンバーチェンジが勃発した模様で、メロディ楽器奏者の4人は変わりないがリズム隊がゴッソリと入れ替わっており、Maurino Dellacquaに代わって Simone Rubinatoなる新ベーシストに、Martino Malacridaに代わって Eddy Francoなる新ドラマーが新たに迎えられ、リズム隊の若返りが図られている。

Simone Rubinatoはベース講師やデモンストレーターだけでなく、フロントマンの Riccardo RuggeriとTHE JGGなるプロジェクトでも活動を共にしている模様なので、その人脈で本作に招かれたのだろう。

Eddy Francoは今流行りのオンライン・ミュージシャンでインターネット上のミュージシャン派遣会社に所属し、世界中から依頼を受けてドラムの音入れをする、という今の時代ならではの活動をするフットワークの軽いドラマーと言う事で、果たして短期間の参加なのか、しっかりバンドに腰を落ち着けるのか不明な点が少々不安が残る所であります。

復活してからはリズム隊は常にゲストを迎える形態でアルバムを制作していた期間の方が長いので元に戻ったとも言えるかもしれないが、ファンとしては出来る事ならばリズム隊も安定して欲しい所ですよね…(汗

さて、待望の新作はタイトルを見ても分る通り、聖書と同様に評価が高く世界的に有名で『アナンガ・ランガ』『ラティラハスヤ』と並んでインド3大性典の一つとされ、その中で最も重要とされる紀元2世紀に古代インドで記された最古の経典『カーマスートラ』をメイン・コンセプトに据えてアルバムが制作されている。

SEX指南書としてばかり有名な『カーマスートラ』だが、実際はSEXに関する箇所は7部35章に渡って書かれた全文の極一部でしかなく、その殆どは一般的な愛や求愛と結婚、そして妻に対して等々の実生活を通しての男女の愛の有り方や、異性への好意の示し方などもっと大きなカテゴリーで『愛』を語っており、当然本作にはLAメタル・バンドお得意な下世話で猥雑なエロティック&ポルノ要素メインではない、“生き方”として語られる性行為と自己満足に終わる現代社会のそれとの差を比較すると同時に“人間への生命の愛”を説く経典に即したシリアスなテーマが綴られており、タイトルから来る卑猥なイメージで要らぬ誤解などせぬよう御注意されたい。

注目はこれまでイタリア語で歌詞を歌ってきた Riccardo Ruggeriが本作では初めて英語で歌詞を歌っており、これはよりワールドワイドでの活動を見据えた変更なのか、中々に興味深い変化と言えるのではないだろうか?

復活作以来、巻き舌でのイタリア語歌唱だけ聴いてきたからかちょっと Riccardo Ruggeriのヴォーカルに違和感を覚えるものの、いつも以上にパワフルな太く芯の強い歌声は、アルバムコンセプトを表現する為か、優しく穏やかなアプローチから、ちょっとエロティックで気怠げなイメージや、芝居じみたヒステリックなもの、お得意の優美に歌い上げるオペラチックなものからロックらしい荒々しく伸びやかなスタイルまで、実に多彩で幅広い歌唱スキルを披露しており、多様な内容を十二分に表現しきっているのは流石の力量でしょう。

バックのサウンドもメロトロン、ハモンド、ムーグ、ピアノ等の多種多彩なヴィンテージ・キーボードを駆使したツイン・キーボードサウンドが内省的で芸術性の高い繊細なSYNDONE定番サウンドを織り成しながら、ロックらしい疾走感あるハモンドの荒々しく歪んだプレイやスリリングなリズムアプローチ、新たなバンドの特色となったヴィブラフォンをフィーチャーしたJAZZっぽい音使いや、コンセプトの『カーマスートラ』を思い起させるインド風味マシマシなシタールの音色を随所で挿入してみせるだけでなく、前作でも参加の Francesco Zagoが指揮するBudapest Scoring Symphonic Orchestraが紡ぐ重厚で艶やかな本物のストリング・サウンドがアーティスティックなエネルギーをダイナミックに提供し、けれどもコンセプト故な重厚でシリアス一辺倒でない軽やかでユーモラスなパートもあって初期のような胸焼けするような押しつけがましい濃厚さは抑えつつ、物語を読み進めるように優美でクラシカルな雰囲気やロマンティックでミステリアスな雰囲気漂う美旋律で次々と映画サントラの様に色とりどりに楽曲を染め上げドラマチックに展開していく様は正に圧巻だ。

70年代イタリアン・プログレ・バンド達に共通していたダークで混沌としたシンフォニック・サウンドと、パワフルでストレートな押しを強調したモダンでテクニカルなハーモニクスを融合させた、新世代イタリアン・プログレ筆頭と言えるバンドの孤高の音楽性を新たな側面から描き出したプログレッシブで魅力的な傑作なのは間違いない。

引き続き本作も多くのゲスト奏者を招いているが、中でも注目は元VAN DER GRAAF GENERATOR、現KAPREKAR'S CONSTANTの David Jackson(Saxophone)と、故Greg Lakeに一目置かれMANTICOREから作品をリリースするなど注目を集めるイタリアの歌姫でソロ活動も活発な Annie Barbazza(Vocals)らが参加している事だろう。

相変わらず密度の高い重厚で鮮烈なサウンドですが、重厚であればある程にフッと訪れるピアノの軽やかな独奏やクラシカルな味わい深い音色を紡ぐ様が本当に美しく、ゲスト参加のブタペスト管弦交響楽団の艶やかなストリングス・サウンドも相まって、キーボードサウンド・ファンやイタリアン・プログレファンは勿論のことモダン・シンフォ好きな方にも至福の時を提供する事間違いなしな、大変な力作でありますので是非に一度ご自分の耳で本作をチェックしてみて下さい(*´∀`*)

因みに国内盤のみボーナストラック1曲追加で、オリジナル・イタリア盤は初回500枚限定ゴールド・ディスク仕様となっておりますので、マニアな方はそちらもチェックお忘れなく。

Band Line-up:
Nick Comoglio     (Hammond、Moog、Juno dist、Mellotron、Composition、Orchestration、Backing Vocals)
Riccardo Ruggeri    (Lead vocals、Overtone Siging、Composition、Backing Vocals)
Marta Caldara     (Vibraphone、timpani、Composition)
Gigi Rivetti       (Hammond、Acoustic Grand Piano、Electric Piano、Wah clavinet、Composition)
Simone Rubinato    (Bass、Fretless Bass、Minitaur、Composition)
Eddy Franco      (Drums、Percussion)

With:
Riccardo Di Ggiani   (sitar)
David Jackson     (Saxophone)
Annie Barbazza    (Vocals)
Gianluca Cagnani   (Pipc Organ)
Vincent Boniface   (Crystal Flute)
Claudio Adamo    (Baritone Electric Guitar)
Andrea Manco     (Flute)
Luigi Finetto      (Oboe)
Luigi Picatto     (Clarinet)

And:
Budapest Scoring Symphonic Orchestra、Conducted by Francesco Zago



# by malilion | 2021-09-21 03:35 | 音楽 | Trackback

90年代初頭に英国HRの復権を期待され、その夢を叶えられず解散した若手バンドJAGGED EDGEのアルバムがリイシュー!

90年代初頭に英国HRの復権を期待され、その夢を叶えられず解散した若手バンドJAGGED EDGEのアルバムがリイシュー!_c0072376_00283365.jpegJAGGED EDGE 「Fuel For Your Soul + Trouble + 10」'21

1986年英国ロンドンで若き天才ギタリストと言われた Myke Grayを中心に結成された4人組ブリティッシュHRバンドがポリドールレコードと契約して残した、デヴューEP『Trouble』'90、続いてリリースしたフルアルバム『Fuel For Your Soul』'90、そしてバンドとして最後の公式音源であるマキシシングル『Hell Ain't A Long Way』'91 収録のLIVE音源が2CDに収録されフランスのBad Reputationレーベルからリマスター&オフィシャル・リイシューされたのをちょい遅れてGET!

Myke Grayは、ギタリストの Bernie Torme(GILLAN、Ozzy Osbourne Band、ATOMIC ROOSTER、etc...)の前座に12歳でステージに立ち、以降活動を続け実力をつけながら18歳でJAGGED EDGEを結成するが、御多分に漏れず彼等も結成からしばらくはバンドメンツが入れ替わり立ち替わりし、スウェーデン人ヴォーカリスト Matti Alfonzetti(ex:BAM BAM BOYS)が加入してラインナップは安定をみせ、ベーシストに Andy Robbins(ex:GENGHIS KHAN、ex:TOKYO BLADE、ex:KILLER、ex:SHOGUN)、そしてイタリア人ドラマー Fabio Del Rio(後に Bruce Dickinson Band、STONEへ参加)という布陣でEP制作へ取り掛かる事に。

低迷を続けていた英国HRの復権を期待されていた若手バンドでありましたが、90年代~00年代はモダン・ヘヴィネスやグランジーなヌー・メタルがメジャー・シーンを席捲していた状況にあっては彼等の活躍の場は少なく、Ozzy Osbourneの全英ツアーのオープニングアクトなども務めたもののバンドを取り巻く状況やシーンは好転せず、結局フルアルバム・リリースの翌年に Matti Alfonzettiがバンドを脱退し、JAGGED EDGEも敢え無く解散してしまう…

Myke Grayはその後、SKINなるちょいモダン・アプローチの入ったブリティッシュHRバンドを結成するもののブレイクは叶わず、Matti Alfonzettiは北欧スウェーデンでモダン・ヘヴィネス・バンドSKINTRADEを結成し、デヴュー作は好評だったものの結局バンドは停滞し解散、そしてその後は紆余曲折を経てメロハー界隈で活躍するシンガーになるのですがそれについては再結成SKINTRADEのアルバム紹介の所で語っているのでここでは割愛させて頂きます。

個人的にその活動を追いかけているスウェーデン人シンガー Matti Alfonzettiが初めてメジャー・シーンにその名を表したバンドだけあって彼等のデヴュー作を私も期待を込めて当時購入した記憶がありますが、今聴いてもWHITESNAKE系譜のブルーズ風味タップリなブリティッシュHRサウンドを継承する80年代USメジャー・メインストリームを意識したキャッチーなサウンドを保ちつつも英国らしいウェットなメロディと骨太で渋い奇をてらわぬドストレードなロック・サウンド、そして David Coverdaleを彷彿とさせる Matti Alfonzettiのソウルフルでディープなセクシー・ヴォイスが堪能出来る英国産メロディアスHRサウンドな一作であります♪('(゚∀゚∩

まぁ、当時はこんなに伸びやかにパワフルに熱唱する Matti Alfonzettiは殆ど注目されず、新世代スター・ギタリストと目されていた Myke Grayのエモーショナルで音数の多いテクニカルなプレイばかり注目されていた訳ですが、その後の活躍で明暗クッキリ分れてしまった事を思うとなんとも言えぬ運命の悪戯を感じてしまいます…

英国バンドらしいアコースティカルなテイストやポップで軟弱になりがちなサウンドをピリリと引き締めるエッジの立ったヘヴィで伸びやかなギター・サウンドや堅実なリズム隊のプレイとアンサンブルが実に心地よく、こんなに良い出来のブリティッシュHR作が当時売れなかったなんて、本当に90年代から00年代にかけてはメロディアスHR好きにとって辛く悲しい暗黒の時代でありましたネ…(´д⊂)

元々メジャーからのリリースでしたから、リマスター効果でさらにクリア、そしてファットになったボトムが心地よい、今の時代に即した高品質HRサウンドに仕上がっておりますので、オリジナル盤をお持ちの方でも今一度購入しても決して損にはならない今回の2in1リイシュー作ですので気になる方はチェックお忘れなく(*´∀`*)

また、本作には日本盤ボートラやマキシシングル『Hell Ain't A Long Way』収録の『Hell Ain't A Long Way』のLIVEヴァージョン・トラックだけ外し、他の3曲のLIVEトラック(内1曲『Life In The Fast Lane』はアルバム未収録曲)をボーナストラックとして収録するだけでなく、さらに1曲デヴュー・フルアルバムに収録の『Out In The Cold』のLIVEヴァージョン・トラックを追加で収録しているので、彼等のファンは要チェックだ。

アメリカで大成功を収める直前のWHITESNAKEサウンドや80年代ブリティッシュHR作がフェヴァリットな方々にお薦めしたい、そんな本作であります。

因みにアメリカに同名バンドが居た為、EPリリース後に混乱を避ける為かバンド名をJAGGED EDGE U.K.へと変更していますが、もう今さらな話ですよね(汗



# by malilion | 2021-09-14 00:31 | 音楽 | Trackback