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英国シンフォ・バンドMAGENTAを率いる Robert Reedのデヴュー・バンドCYANの2ndリメイク収録時に漏れた音源がリリース!!


英国シンフォ・バンドMAGENTAを率いる Robert Reedのデヴュー・バンドCYANの2ndリメイク収録時に漏れた音源がリリース!!_c0072376_11575982.jpgCYAN 「The Guardians」'24

00年代以降の英国シンフォ・シーンを代表するメロディアス・シンフォニックのトップ・アクトMAGENTAを率いる英国人マルチ・プレイヤー Robert ReedがMAGENTA結成前の90年代初頭に活動していたポンプ・バンドCYANの2ndアルバム『Pictures From The Other Side』'94 を2021年のデヴュー作リメイク・アルバム同様に一部の楽曲を書き直し、アレンジも新たに最新のテクノロジーを用いて再構築を行い、さらに全てバンド編成にて新録した殆ど完全新作と言えるリメイク・アルバム『Pictures From The Other Side』'23 制作時に録音されながらも収録時間の関係で惜しくもオミットされたオリジナル盤2nd収録曲他計3曲が収録された『Pictures From The Other Side』'23 補完作が自主盤リリースされたのを少々遅れてご紹介。

2ndリメイク作から漏れた"The Guardians (リメイクに際し『The Guardians Of Your Destiny』へ改題)"、"All Around The World"の2曲のリメイク・ヴァージョンに加え、1999年発売のベスト・コンピSI盤『Echoes』にアルバム未発表曲として収録されていたインスト・ナンバー"Cyan"の再録リメイク・ヴァージョンから成る計3曲を収録と楽曲数を見るだけなら『EP扱いじゃないの?』という疑問を抱くが、改題された『The Guardians Of Your Destiny』は原曲に更なる拡張が行われ、2倍以上の長さに再構築された25分超えの大曲(オリジナルは12分)へ生まれ変わっており、他の2曲も6分超えなのでEPと捉えるには些か長尺作に仕上がった為かフル・アルバム扱いになった模様だ。

同時期に録音された音源だけあって、そのサウンドや感触は既にここでもご紹介した『Pictures From The Other Side』'23 と同一方向性で、GENESIS、YES等の70年代プログレの影響下にあるチープな鳴りのポンプ・サウンドが今や懐かしさと味わいまで感じさえするオリジナル曲に対し、新たな解釈で楽曲を書き直し、最新の録音機材でサウンドを構築し直し、細かなアレンジも全て新ため、そしてこれまでの活動で築いた人脈をフル活用し、培った経験と持てるスキルを存分に注ぎ込んだ、Peter Jones、Dan Nelson、Luke Machinという数多くのシンフォ系バンドやシンフォ・プロジェクトにて活躍中の腕利きベテラン・ミュージシャン達を迎えた事によって Robert Reedが当時思い描きつつも果たせなかった理想のサウンドが初めて完成したと言える、オリジナル・ヴァージョンの良さを引き継ぎながら更に表現力豊かな演奏と一級品のヴォーカル・パートがプラスされ、格段にレベルアップしたドラマティックなシンフォニック・サウンドを堪能出来る聴き応え抜群の力作となっている。

オリジナル盤で歌っていた Nigel Voyleには悪いが、自身のソロ・シンフォ・プロジェクトTIGER MOTH TALESやCAMELのキーボード奏者としても活躍する英国出身の盲目の天才マルチ・ミュージシャン Peter Jonesのエモーショナルで伸びやか、情感タップリに力強く歌い上げる抜群のヴォーカルと、英国シンフォ・バンドTHE TANGENTや自身が率いるプログ・バンドMASCHINEでの活躍が知られ、近年 Francis Dunneryが再結成した Francis Dunnery's IT BITESでもギタリストを務める Luke Machinの咽び泣き言葉を発するかの様な絶品なテクニックとトーンコントロールが響き渡るリード・ギタ-を聴くだけでも、もう何も文句なんて無い全て許せる程に大満足しちゃえるのです♪ (*´∀`*)

『Pictures From The Other Side』'23 でもそうでしたが、艶やかな美声のフィメール・バックヴォーカルが要所でフィーチャーされ、オリジナルに無かった優美さや清らかさ、そして軽快さの加えられた楽曲は実に素晴らしく、ヴォーカル・パートや派手なインタープレイ・パート等全てのトーラル・バランスを考慮して細部まで考え抜かれた絶妙のアレンジ、ゆったりと展開していく多彩で鮮やかなアンサンブル、モダンでありながら優雅さ際立つロマンチックな音色、ノスタルジアに縁どられた英国叙情が広がるドラマチックな美旋律、それら全てが心に残るメロディアスな雰囲気と創造性に満ちてまるで輝きを放っているかの様だ。

80年代英国ポンプ・ファンな方や Robert Reed個人のファン、そしてMAGENTAのファンにも当然お薦めな素晴らしい出来栄えのモダン・シンフォロック作でありますが、その美しくプロフェッショナルな仕上がり具合とは裏腹に自主制作盤となっておりますのでお求めの方は早目に入手しておきましょう、ニッチなジャンルのプログレ系はなかなか再発されませんからネ(涙

Tracks Listing:
01. The Guardians Of Your Destiny
02. All Around The World
03. Cyan

CYAN Musicians:
Robert Reed   (Keyboards、Guitars、Backing Vocals)
Luke Machin   (Lead Guitars)
Peter Jones    (Lead Vocals、Saxophone)
Dan Nelson    (Bass)
Tim Robinson   (Drums)

with:
Angharad Brinn  (Vocals)


# by malilion | 2024-09-02 11:59 | 音楽 | Trackback

ギリシア産80年代風シンセポップ・バンドSILVERNITEがシンガーをチェンジして2ndアルバムをリリース!!

ギリシア産80年代風シンセポップ・バンドSILVERNITEがシンガーをチェンジして2ndアルバムをリリース!!_c0072376_17191198.jpg
SILVERNITE 「Lost City」'24

2019年夏にギリシア北部テッサロニキで結成され、紅一点女性シンガー Tanja Harkonen嬢を擁するレトロ・メロディアス・ポップロック・バンドが、シンガーをギリシア人歌姫 Mariangela Arapoglidou嬢へチェンジした新編成でデンマークのメロハー専科レーベル Lions Pride Music移籍第一弾となる2ndアルバムを4年振りにリリースしたので即GET!

Tanja Harkonen嬢は北欧フィンランド出身でEVERSLAVEなるメロデス・バンドの一員として3作のデモ音源をリリースしていたシンガーでしたが、やはりと言うか当然と言うべきか2019年にEP『So It Began』でデヴューした当時から不安視していた顔を見合わせてのジャムセッション等が難しい地理的問題が予想通りに勃発し歌姫をチェンジした模様です。

残念ながらギリシア・シーンについて殆んど情報を持ち合わせていないので Mariangela Arapoglidou嬢がバンド参加以前にどのような活動をしていたか詳細不明ながら、公開されている画像やその風貌から察するに、ギリシアのインディ・ロックバンドかソロ活動を数年経たシンガーと思しき人物のようだ。

さて、本作の内容についてだが、自主制作環境からインディとは言え Lions Pride Musicと契約を結んだ効果が直ぐにそのサウンドクオリティの向上から察せられ、特にシンセ類を多用するサウンド形態の本バンドに置いてはスタジオワークにかかるバジェットを得られた恩恵は大きく、アルバムの至る所にその効果を感じ取る事が出来るのがまずは嬉しいですね♪ (゚∀゚)

バンドコンセプトであるオクトジェニックなメロディアス・ロックと最新デジタル・ムーヴメントであるシンセウェイヴをシームレスに融合し、シンセウェイヴのノスタルジックなヴァイヴとメロディアス・ロックのエモーショナルなパワーを響かせるエキサイティングなレトロ・フューチャー風味のデジタル・ポップで、SF、コミック、アニメ、映画、ネオンまみれの美学への愛を描き出し、リスナーを現実と空想の境界線が曖昧な黄金の80年代の記憶を呼び起こすドリーム・ワールドへと誘う、と言うデヴュー作以来の80年代タイムスリップ・ミュージック路線を継承しつつ全ての面で大幅なアップデートを果たした、実に聴き応えのある作品を届けてくれている。

注目の新フロントマンで歌姫の Mariangela(マリアンジェラ)嬢の歌声ですが、ノルウェーのメロディックロック・クイーン Issa Oversveen嬢と 80年代に活躍したイタリアン・ポップシンガー Valerie Door嬢をミックスしたような印象の、所謂フィメール・シンガーらしい如何にもハードポップ向きな穏やかで艶やかなヴォーカルを聴かせ、時に舌っ足らずなキュート・ヴォイス、時に神秘的で厳かなソプラノ・ヴォイス、時にセクシーなウィスパー・ヴォイスを駆使する女性的な特徴を活かした滑らかでフレッシュなその歌唱と、前任者と方向性は違うものの多彩な表現やアプローチで楽曲に幅や様々な表情を生み出し、特に叙情感あるユーロ・ハードポップ・スタイルな楽曲にはこの上なくジャストフィットしており新作の仕上がり具合に多大な貢献を果たしていると言っていいだろう。

リーダー Strutterの操る煌びやかなシンセワークはバッキングにソロにと前作以上に冴え渡り、相棒 Nash G.の弾くギターワークも非常に印象的で、派手なリード・プレイをやり過ぎる事なく楽曲第一なソロやメロディを余裕を持って奏でており、さらにキーボードとギター互いのサウンドが双方を引き立て、生っぽくロックなフィーリングと冷ややかで無機質な感覚が交差しサウンドの奥行と立体感を際立たせ、ノスタルジアとフューチャリズムのユニークなブレンドを音楽にさり気なく吹き込み響かせる手法はベテランAORミュージシャン顔負けの見事さだ。

特にそれは複数収録されているシンセとエレクトリック・ギターのドラマティックなハイブリッド・インストゥルメンタル曲で証明されているので、シンセウェイヴ・ファンの方々は是非堪能して欲しい。

そしてなんと言っても本作を前作以上の聴き応えあるアルバムにするのに大いに貢献しているのは、ゲスト・サックス奏者の Artem Zhulyevのムーディーでエモーショナルな演奏の数々で、安っぽいシンセ・サンプルで代用せずに本物のサックス・サウンドの艶やかで華やかな響きを用いる事で、前作以上の音の厚みと音楽性の広がり、そして新鮮な味わいを増させる事に成功している点は見逃せないだろう。

只、諸手を上げて全てを絶賛出来るかと言うと難しく、前任者の Tanja Harkonen嬢は地元フィンランドでメロデス・バンドに参加していただけあって少しハスキーでラフな感触もあるパワフルで伸びやかな歌唱を聴かせ、シンセナイズされた幾分ハードエッヂの弱いオクトジェニック・ポップロックなデジタリー・サウンドと上手い具合に差異が生まれ互いを引き立て合う効果を感じさせていたのだが、残念ながら新シンガーの Mariangela嬢の歌声は明らかに前任者より力強さで劣り、良く言えばバックのサウンドとシンガーの歌声が同一方向へ纏まったイメージなのだが、悪く言えば Tanja Harkonen嬢がもたらしていたロック・フィールあるラフでパワフルな歌唱と柔和でメロディアスなバックサウンドとのコントラストが生んでいた興味深い独自性が消えてしまい、近年数多くデヴューしている凡百のメロディアス&シンセウェイヴ・ポップ・バンド化してデヴュー以来の彼等固有のオリジナル・サウンドが消失してしまったように思え非常に残念だ…

その他にも80年代メインストリームを騒がせた BON JOVI、DOKKEN、TOTO等のメジャー・バンドや、当時のギター・ヒーロー達を彷彿とさせるオクトジェニックな歯切れ良くスリリングなギター・リフが随所でフィーチャーされてはいるがティピカルなロック・バンド程にギター・サウンドは支配的ではなく、ロックと呼ぶに十分な手応えなもののやはりサウンドの多くを彩るシンセに埋没し勝ちな瞬間は多く、そして本作からベース・パートがシンセで代用された弊害でかベースラインは非常に主張が弱くて聴き取り難く、ドラム・パートも意図的にか楽曲にアジャストさせる為なのか専任ドラマーがプレイしているにも関わらず無機質なドラム・マシーンやメリハリの欠けた打ち込みの様に感じられる時が多々あり、この辺りの問題はリーダーでプロデュースも手掛けて総指揮を執る Strutterが全体的なサウンドの統一を図ったが為に起きた問題なのかもしれず一概に悪い点とも言い切れないのですが、出来る事なら次作は有名プロデューサーか各プレイヤーの良さを引き出すプロデューサーを迎えて、よりバンドサウンドとして一体感の向上したトータルバランスと演奏レベルを引き上げたアルバムを届けて欲しいものであります。

オクトジェニックなメロディアス・ロックとシンセウェイヴを融合させた80年代を思わせる華やかなユーロ・ハートポップ・サウンドやフィメール・シンガーの活躍するほんのりレトロ風味なメロディアス・ハードポップがお好みな方なら是非一度ご自身の耳でチェックしてメロハー・ジャンル不毛の地 ギリシアで果敢に頑張っている彼等を応援して上げて欲しい。

Tracks Listing:
01. The Dawn
02. Angels Eyes
03. Show Me The Way
04. Lost City
05. Last Stand
06. Come N' Love Me
07. Boarding
08. Tafusam's Rage
09. Yellow River
10. Road To Eternity
11. Free Now

SILVERNITE Line-up:
MariAngela      (Lead Vocals)
Strutter       (Synthesizer & Backing Vocals)
Nash G.       (Guitars)
Minas Chatziminas (Drums)

Additional Musicians:
Artem Zhulyev   (Saxophone)
Tomislav Krevzel  (Voice Over)

Produced by Strutter


# by malilion | 2024-09-01 17:21 | 音楽 | Trackback

80年代中期にLAで活躍したUSインディ・メロディアスHMバンドXERONの唯一作が初CD化&限定リイシュー!!

80年代中期にLAで活躍したUSインディ・メロディアスHMバンドXERONの唯一作が初CD化&限定リイシュー!!_c0072376_17281303.jpg
XERON 「Does Anybody Hear....+ 4」'24

人知れずその姿を消したマイナー・メロディアス・バンドの発掘再販でマニアに有名なイタリアのSTEELHEART Records『The”LOST U.S. JEWELS”Collectors Series』の第19弾は、1978年に結成され80年代初期に米国California州LA近郊を拠点に活躍したツインギター5人組メロディアスHRバンドXERONが1985年に残した唯一作EP『Does Anybody Hear...』にEPリリース前の1984年Costa Mesa公演からアルバム未収録曲を含むレアなLIVE音源を4曲追加した全10曲を収録し、デジタルリマスター&オフィシャル初CD化で500枚限定リイシューしたのを少々遅れてGET!

インディ・バンドの常でメンバー・チェンジは数えきれず、80年代を迎える頃にはオリジナル・メンバーはギタリスト Trevor Jayのみとなったが、シンガーの Larry Leon が加入するとバンドサウンドがやっと固まり、地元を中心に果敢に活動を続けて知名度と腕を上げ、遂に1985年に本作EPをOronsay Recordsからリリースしたのでした。

後にUS産業ロック・プロジェクト・バンドFAKE I.D.に参加していたギタリスト Basil Fungや1980年代に5年間に渡りアノ Cheap Trickの裏方キーボーディストを務めていた Phil Cristian とバンドを結成し1998年に唯一作『Hands Of Time』を残しているUSメロディアスHMバンドBIG MOUTHでほんのりハスキーながら良く伸びるエモーショナルなハイトーン・ヴォーカルを披露する事になる Larry Leonの若かりし頃の溌剌としたクリア-・ヴォイスが実に心地よく、METAL FORCES誌には『QUEENSRYCHE meets JOURNEY』と評され、ROCK CANDY誌にはPROPHETやWHITE SISTER、WRABIT等が引き合いに出され比較されたのも頷ける良作で、本作リリース後に活動が急速に停滞し同年に呆気なく解散してしまったのが惜しまれます…

メジャー・シーンにストレートに倣った80年代USメロディアス・ロックをベースにしつつ、鍵盤奏者がメンバーに居ないものの大々的にキーボードをフィーチャーして楽曲を煌びやかにし、随所で素晴らしいアレンジの妙を魅せる事で、ティピカルなベイエリア・スタイルのHM要素と爽快なヴォーカル・ハーモニーも随所でフィーチャーしたコンパクトでキャッチーなAOR要素を巧みに融合させた、大活躍するシンセがヴィンテージ・プログレ風味も感じさせるのが一癖あって実に面白く、本リイシュー音源は残念ながら一部にノイズ(涙)が認められるが、インディ作にしては元々質の高いレコーディングが行われたのも本作の印象を良くしている要因の一つなのは間違いない。

素晴らしいソングライティングとタイトな音楽性がフィーチャーされたポップでフック満載な完成度高いゴージャスなサウンドのアルバムではあるが、本作を当時のその他大勢のインディ・クラブバンド作と差別化している最大要因であるキーボード・サウンドを操るのがバンドメンバーでなかった事が、好評だったEPの次、バンドの進むべき方向性について妨げになり、もしかして早々に解散してしまった可能性が無きにしも非ずと今なら思えてしまいます…EPリリース前のLIVE音源を聴くとツイン・ギターのサウンド以上にキーボード・サウンドをステージで大々的にフィーチャーしているし、誰だってバンドメンバーだと思っちゃうよなぁ…サポートメンバーにしては活躍し過ぎ(汗)だし、その辺りがギタリスト2人と音楽性でも衝突を引き起こしたのかも?

若しくはレコーディングではリードにリズムにと大いに創作面で貢献したギタリスト John WoloszynがEPリリース前に脱退した為、音楽的にも少なくない影響を持ち込んでいたメンバーが抜けてサウンドに迷いが生まれたんでしょうか? まぁ、今となっては全て歴史の闇の中ですね…

その点を考慮しなければ煌びやかなキーボードが大活躍する、パワフルでキャッチーなLIVEトラックは録音状況もまずまずで楽しめ、EPでなく未収録音源も正式レコーディングしてフルアルバムを是非とも残して置いて欲しかったですね。

PROPHETやWHITE SISTER、WRABIT等のみならず、80年代初期のSTARZにインスパイアされたと思しきフラッシーでスリリングなツイン・ギターと華やかで煌びやかなキーボードが楽しめる、歯切れ良くメロディアスでキャッチーな黄金の80年代USゴージャス・メロディアスHMサウンドがお好きな方に是非お薦めしたい一作であります。

Tracks Listing:
01. Visions
02. Changes Calling
03. Breathless
04. Does Anybody Hear…
05. Would You Belong To Me ?
06. Lonely Street

Bouns Live at the "Concert Factory", Costa Mesa, CA, May 6th, 1984
07. Shadow Of Your Heart (Live)
08. Change The Future (Live)
09. Lonely Street (Live)
10. Fast As I Can Go (Live)

XERON Line-Up:
Larry Leon    (Lead Vocals)
Trevor Jay     (Lead Guitars)
Paul McPhee   (Rhythm Guitar on Track 02、Backing Vocals)
Geoffrey Bowlick (Bass)
Jeff Wolfe     (Drums、Percussion、Backing Vocals)

with
Mike Tavera    (Keyboards、Synthesizer)
John Woloszyn  (Lead & Rhythm Guitars)


# by malilion | 2024-08-31 17:21 | 音楽 | Trackback

英国シンフォ・シーンを代表するベテラン・バンドの一つ JADISが8年振りに復活し10thアルバムをリリース!!

英国シンフォ・シーンを代表するベテラン・バンドの一つ JADISが8年振りに復活し10thアルバムをリリース!!_c0072376_19445257.jpg
JADIS 「More Questions Than Answers」'24

1982年に結成され、MARILLION、IQ、PALLAS、TWELFTH NIGHT等と共に80年代ポンプ・ムーヴメント勃発時にUKアンダーグラウンド・シーンを盛り上げたJADISが、唯一のオリジナル・メンバーでリーダーの Gary Chandler (Vocals、Guitars)に率いられ前作『No Fear Of Looking Down』'16 から約8年振り通算10作目となる新譜でシーンに帰還したのを些か遅れてGETしたので今頃にご紹介。

バンドの長い歴史を振り返ると、常にベーシストの John Jowitt (ex:IQ、ex:ARENA、ex:FROST*、DRIFTING SUN、etc...)と二代目キーボーディトの Martin Orford (ex:IQ、x:THE LENS、ex:John Wetton Band、etc...)が脱退、再加入を同時期に繰り返し(2008年 Martin Orfordは音楽業界から引退、ファンの要望に応え直ぐ復帰…)て来たのだが、本作は前作から Martin Orfordのみが復帰した John Jowittの居ない前作と同じ新4人編成となっての二作目となる作品となっている。

イヤー、これだけインターバルが空いたのでまたぞろメンツが変わっているんだろうなぁ、などと悲しい予想をしていただけにメンバー・チェンジの類いが無くて何よりであります♪ ヽ(´ヮ`)ノ

アルバムリリース間隔が常に4、5年あった上に、近作の作詞作曲は無論の事、プロデュースやミックスに至るスタジオワークまで殆んど全て Gary Chandlerが手掛けるワンマン体勢な、それ故に纏まりがあり独自色豊かな Gary Chandlerの弾くクリアーなギターを主軸にしたフュージョン・サイドからポンプ&シンフォ系へアプローチして変異したかの様なモダン・メロディアス・シンフォロックであるJADISサウンドを保ち続けられた反面、他のメンバーは待機期間に他の収入が無い場合は継続してバンドに在籍し続け辛い等のワンマン・バンド共通な問題を常に孕んでいた訳で、今回初めて長いインターバル (Gary Chandlerが音楽の創作から完全に離れてしまっていた…)を経ても在籍し続けてくれたベーシスト Andy Marlowは他にもプロデュース業等で生計を立てられていたのが大きかったんでしょうねぇ…(汗

いつになくインターバルが空いた影響なのか、音楽から離れていた短くない期間に何か思う所があったのか、常通り Gary Chandlerの爽快感あふれるクリアーでキラキラとした美旋律を紡ぐギターと持ち味であるシンプルでストレートでありながら他の80年代UKポンプ勢とは一線を画すキャッチーでブリリアントなポップサウンドや英国叙情香るセンチメンタルでドラマティックなシンフォニック・ロック、そしてフュージョンチックなモダン・サウンドに乗った軽快でスタイリッシュなセンスをタップリ堪能出来るティピカルなJADISサウンドが詰まった一枚なれど、本作には Martin Orfordが独力で創作し持ち込んだ楽曲を4曲も収録している点や、プロデュース、ミックス、エンジニアリング等今まで Gary Chandlerが仕切っていた裏方作業を Andy Marlowに初めて任せた事、アレンジやアイディア等を含めてメンバー全員が作曲し創作に貢献している点も大きな特色と言え、これまで40年以上かけ築いてきた音楽要素を包括的に含みつつも他メンバーの持ち込んだ新たな感覚も活かされたJADISらしい爽快なメロディック・シンフォ・ロックが堪能できる会心の一作となっている。

プロデュースを Andy Marlowが手掛けている為か、いつになくテクニカルで鮮明なリズム・ワークとダイナミックでタイトなドライヴ感がアルバム中に満ち溢れており、いつもと変わらぬ Gary Chandlerが弾くギターが奏でるキャッチーでエモーショナルなメロディとフックある伸びやかなヴォーカルに導かれ、Martin Orfordが巧みに操るオルガンやメロトロン、シンセ等をフィーチャーしつつ繊細なアコギや涼やかなフルートも交えたフォーク調でアコースティカル(ちょっとSPOCK'S BEARDっポイ)な楽曲、ドラマ性を帯びた叙情的な展開や80年代ネオ・プログレと初期GENESISやYESを彷彿とさせるレトロ・プログレを高いレベルでミックスしたプログレッシヴ性、英国ならではの気品ある美旋律とシンフォニックで壮大なソロを織り交ぜながら、それら全てが複雑に絡み合い深みあるハーモニーを響かせ聴き応え満点の高いパフォーマンスで練り上げられ研ぎ澄まされていく様は本当に美しく爽快だ。

入り組んだ巧みなアンサンブルと多彩な音色の変化、テクニックと美旋律の絶妙なバランス、ポップなスタイリッシュさと英国を感じさせる優美さ、それら全てがハイセンスに溶け合うだけでなく、70~80年代プログレ、ポンプに根差したヴィンテージな薫りが立ち込める瞬間が随所に秘められており、そんなセンチメンタルな想いを突き抜けるようにクリアーで鮮明なギター・サウンドが全てモダン・シンフォ・ロックな彼方へ連れて行く痛快な展開は、彼等にしか成し得ぬお家芸だろう。

実際の所、とても8年振りの新作と思えないくらい何時も通りにJADISなサウンドに思え、これまでも頑固一徹、時代が移ろうとも決してサウンドがブレぬのが彼等の持ち味でもあり個性でもあった訳で、他メンバーの持ち込んだアイディアを活かした新風を感じさせる本作でもソレは変わらず特に目新しいモノは何も見当たらないのだが、この変化の少なさを否とするか安定と捉え是と捉えるかで久しぶりに届けられた、長らくこのバンドに期待されて来た通りの内容である本作の評価も大きく変わるように思えます。

一時感じたハードエッヂな感触は薄れ、より円熟味を増したポピュラリティー高いシャープなシンフォニック・ロックへ再びサウンドのタッチが傾いている風に感じるが、それはプロデュースした Andy Marlowの好みな音の方向性なんでしょう、きっと。

彼等のファンは無論の事、80年代ポンプの残り香も漂う英国風味たっぷりの抒情性ある爽快でモダンなメロディアス・シンフォニックUKロックがお好きな方は是非本作をチェックしてみて下さい。

Tracks Listing:
01. Said And Done
02. Wood Between The Worlds
03. Everything We See
04. Do You Know
05. Questions Without Answers
06. From All Sides
07. Fading Truth

JADIS Line-Up:
Gary Chandler   (Lead Vocals、Guitars)
Steve Christey   (Drums & Percussion)
Andy Marlow     (Bass、Programming、Loops & FX)
Martin Orford    (Keyboards、Backing Vocals、Flute & Cittern)

Produced、Engineered、Mixed by Andy Marlow


# by malilion | 2024-08-30 19:46 | 音楽 | Trackback

70年代後期に米国中西部Ohio州を拠点に活動したプログレッシヴHRバンドSTRONGBOWの1975年デヴュー作が2024年度リマスター&400枚限定オフィシャル・リイシュー!!

70年代後期に米国中西部Ohio州を拠点に活動したプログレッシヴHRバンドSTRONGBOWの1975年デヴュー作が2024年度リマスター&400枚限定オフィシャル・リイシュー!!_c0072376_17212023.jpg
STRONGBOW 「Strongbow + 3」'24

過去から現在にかけて同名バンドが多数存在するが、本作は1970年に結成され米国Ohio州Columbusを拠点に、Michigan州やCalifornia州でも活躍し当時は好評を博したものの今は忘れ去られてしまった、キーボード入り5人組USプログレッシヴHRバンドのデヴュー・アルバムをかなぁーり遅れてGET出来たのでご紹介。

1975年リリースの本編に加え、1979再結成時のLIVE音源3曲をボーナストラックで追加し、70年代、80年代、90年代の隠れた名盤リイシューを掲げるPROG AOR Recordsから400枚限定でリリースされたので、板起こし(涙)とは言え音源さえ中々耳にする事の叶わぬ70年代USマイナー・ヘヴィ・プログレ・バンドな彼等の名前だけを見聞きし長年オフィシャル再発を待ち焦がれていたマニア諸兄はきっと歓喜している事でしょう。

Ohio州Columbusを中心にマイナーからメジャーなミュ-ジシャンも交えて人脈が入り乱れる彼等のバイオをまずは簡単にご紹介。

Dave Smith (Drums)と Bob Hill (Guitar)、Mike Haines (Bass)の3人がOhio州とMichigan州でプレイしていた1970年にバンドは結成されたがこのオリジナル編成は直ぐに崩壊し、Dave SmithがRHODES BROTHERSのツアー要員として演奏していた時に同じくツアー要員であった Bill Bendler (Vocals、Trombone)と出会った時からSTRONGBOWの本当の歴史は始まる。

意気投合した2人はプログレッシヴHRバンドの結成を目論むと、元JAGUASでBAROQUE MONTLYの Sandy Edelstine (Guitar)と Bud Fowler (Bass) と共にOhio州Columbusを拠点に活動するAXISを結成するが、1972年に Sandy Edelstineが脱退し代わりに "Buzz" Ashton (Guitar)が迎え入れられ、時を置かず Mike Hainesがベースに復帰する事に。

1972年のメンバーチェンジを契機にAXISはバンド名を変更し、STRONGBOWの名を復活させ Michigan州で数多くのギグを行う。

"Buzz" Ashtonが脱退するとバンドサウンドのさらなる進化発展を求め、Columbusで60年代を通じて一番人気だったバンド DANTESに在籍していたギタリスト Michael Shortland(Guitar)と既にWhite Heart with Billy Carrollや70年代米国ヘヴィ・サイケを代表するバンドの一つ J.D.BLACKFOOTのフロントマン JD Blackfootとのセッションや彼のバックバンド・メンバーとして活動していた John Stelzer (Organ、Sax、Flute、Synth、Vocals)を迎え入れ活動を続行。

1973年の夏、2曲入りシングルを自主制作でリリース。

Mike Hainesがバンドを脱退し、Johnny & THE REBELSやSt. John's Modsといったバンドに参加し活動していた John Durzo を新ベーシストとして1973年10月に迎え入れる。

John Durzoは、RUBY WHEELERなるバンドで既に Michael Shortlandと John Stelzerと活動を共にするだけでなく60年代から互いを良く知る元バンドメイト関係で、しかも Mike Hainesとも知り合いであったという、狭いColumbusシーンで数多くのバンドとメンバーが入り乱れ重複していた事を物語っているエピソードと言えるだろう。

バンドは勢い、Ohio、Michigan、Indiana、West Virginia、Georgia、Floridaを果敢にツアーして回る。

Ted Nugenのオープニングを務め、その6ヵ月後には Elvin Bishopのオープニング・アクトを務め、Bob Segerや CACTUSのオープニング・アクトも務めるなど、一年の半分をMichigan州で過ごし、残り半分で中西部と南部をツアーし腕を磨いていく。

『我々は狭い荒れたバーでも良く演奏した。ステージに機材を置くのがやっとだった。古いPAを使って耳障りな轟音を撒き散らしてた』
『ウェスト・サイドのワイルドなバイカーやロックンロール・マニア達ですぐにバーは満員になった。クレイジーだったよ。あの人達は俺達が大好きだった! あそこで演奏する度に立ち見が出る程だったんだ!』

1974年、デモ録音したデヴュー作テープをあちこちのレーベルに売り込み始めるも反応は芳しくなかったが、遂に1975年に Buddah Records傘下の Southwind Recordsと契約を結び記念すべきデヴュー・アルバムを同年リリース。

バンドはColumbusのOwlでオリジナル曲7曲のデモLPを録音していたが、Buddah Recordsの要請で再録音する事に。

メンバー曰く、『再録音の理由は、Southwind Recordsが音質を気に入らなかった(或いは、どうにかして我々からもっと金を毟り取りたかった)んだ。North Carolin州BaileyにあるMega Sound Studiosは、私の記憶では畑の真ん中にある鼠だらけの小さなゴミ捨て場だった』

『アルバムは、マスタリングやプレスの段階で弱々しいサウンドになってしまい、バンドのLIVEサウンドとは違うものだった』

アルバムの仕上がりに文句はあったものの素晴らしいブッキング・エージェントと仲が良かったお陰か、KRACHER、KANSAS、STYX、CHOPPERと同じサーキットへ呼ばれ、Lydia Pense、Cold Blood、Ruby Starrなどの前座を務め、ある晩などあの John Mayall がステージ上でバンドと40分間ジャムってくれるなど、駆け出しのマイナー・バンドながら幸運に恵まれる。

『Michael Shortlandの昔のガールフレンドがツアー先に住んでいて、俺達のショーを見るためにボーイフレンドを連れて来たんだ。なんと彼は John Mayall & THE BLUESBREAKERSで有名な John Mayallだったんだよ!』

『そこからColumbusに戻り、2ヶ月間ソールドアウトのLIVEをやった』

順風満帆に思えるバンド活動であったが、突然 Buddah Recordsが倒産し、バンドは契約を失ってしまう。

マネージメントが上手く行かなかった事もあってドロップした後の活動はままならず、次第にバンド内に不満が蓄積し、1976年末に John Durzoが解雇され、代わりに Mike Shoafが迎えられるが再びレコード契約を手には出来ず、1978年にはバンドは解散してしまう…

さて、本作の内容についてですが『プログレを演ろう!』という目的で Dave Smithと Bill Bendlerがバンドを結成しただけあって、当時勢いは落ち着きつつあったYES、GENESIS、KING CRIMSON等の英国プログレ・バンドからの影響を多大に受けながらも、元々の音楽性である泥臭いブルーズや鄙びたカントリー・テイストを色濃く感じさせるサザン・ロックがベースなサウンドに、GRAND FUNK RAILROAD、DEEP PURPLE、URIAH HEEP等のヘヴィな歪んだハモンドB3をフィーチャーしたオルガンHRも好んでいた影響も加味された、USバンドらしいガムシャラなパワー推しハードドライヴィンな疾走感と不揃いながら勢いあり意外にキャッチーな分厚いコーラス、楽曲によってはビッグバンドやJAZZを思わすホーン・アレンジや60年代末期を引き摺る様なサイケ感触もある、HRとプログレッシヴなサウンドの中間に位置する70年代末期USプログ・バンド特有のカオスな勢いとゴッタ煮感覚の強いヘヴィ・ドライビング・ロックと言えるだろう。

もっと野郎の野太い声でガナリ立てるとかHEEP風の裏声ヘナチョコ・コーラスかと思いきや、思いの他にリード・シンガー Bill Bendler の声はクリアーで伸びやか、そして甘い声質でシットリ穏やかに歌い上げる歌唱スタイルな為にサザンロックなら定番の渋く男臭い感触が弱く、コーラスもウェストコースト系の爽やかな方向性の使われ方をしているのがちょっとミスマッチだし面白い効果を生んでいて、巧みで緩急活かされた複雑なリズム・アプローチは如何にもプログレ系なれど、その全てが複雑な楽曲展開や押し引きの妙で陰影を色濃く描き出す方へ傾く事なく怒涛の勢いでハードドライヴィンしちゃうのが如何にも米国産バンドだよなぁ、と納得しきり(笑

“アメリカのYESコピー・バンド”と言えばSTARCASTLEが特に有名だが、彼等のコーラスワークはそこまでの再現度でもなく洗練度もイマイチ(汗)で、しかし結果的に不器用なりに工夫した為かモロっぽさは弱まる事になり、かえってYESがお手本にしたウェストコースト系に接近する事になったのは米国人ミュージシャンの奏でるサウンドとコーラスワーク故必然だったのかもしれない。

因みにSTARCASTLEのデヴューが1974年で、あそこまであからさまな“まんま”YESなバンドがメジャー・デヴューするなんて当時は誰も想像も出来なかっただろうし、契約を求め四苦八苦していた彼等からすると『そんなのアリかよ!?』状態だったろうと予想しますけどね…

まぁ、YESっぽい複数メンバーによる爽快で伸びやかな多重コーラスが活かされてる所なんてモロではあるし、軽やかなフルートをフィーチャーした楽曲なんかを聴くと英国プログレ・バンドの影響は間違いなく感じるのですが、ギターもキーボードも優雅な赴きを感じさせる美旋律を紡ぐ瞬間は少なく、ドカスカと派手で手数多いパワフルなドラムと図太いランニング・ベースがブイブイ唸りを上げバンド一丸になって突っ走り出すとこが彼等なりのオリジナリティなんでしょう、きっと(´~`)

多彩で煌びやかな鍵盤サウンドよりワイルドで図太くエモーショナルなギター・サウンドの方が目立っているのも如何にも米国バンドっぽい所だよなぁ~

首謀者の Dave Smith以上にバンドが内包する70年代初期~中期頃にかけて前衛的ロックがアートロックと呼ばれていた頃の多彩で混沌としたプログレ・カラーを持ち込んでいたのは鍵盤奏者 John Stelzerとベーシスト John Durzoで、2人は SPOOKY TOOTH、ATOMIC ROOSTER、ILLINOIS SPEED PRESS、Baby Huey、THE BABYSITTERS、BULL ANGUS等を好んでいた事からもそれが伺えます。

スタイリッシュさやオリジナリティという点で見ると些か劣っているのは否めないが、もう数枚アルバムを残せていたならもっと各音楽要素が整理され上手く溶けあって何者でもない唯一無二のサウンドを構築していたかもしれない、と期待させるUSヘヴィ・プログサウンドなのは間違いない。

尤も、この後に来る80年代メジャー・シーンを彩るバンドやアーティスト達のサウンドを思うと、彼等のサウンドは野暮ったくてキャッチーさや華やかさに欠けるのは明白なので、英国プログレの要素をもっと抑え、華やかでファンキーなブラスロック方面へ進化したならワンチャン再びメジャー契約は果たせたかもしれないが、ドロップして以降再契約を果たせなかった事や再結成LIVEサウンドを聴いてもあくまでプログレなテイストは保っているのが分かり、結局黄金の80年代メジャー・シーンには身の置き場は無かっただろうから70年代末期に解散したのは相応しかったのかもしれないですね…

1979年に Bill Bendler、David Smith、Michael Shortland、John Stelzer、John Durzoの5人で一度だけ再結成しLIVEを披露し、再び解散。

2000年、突如として『1979 Reunion』なるCDが自主盤でリリース。

本作のボーナストラックは『1979 Reunion』の音源から収録されている。

2001年、再びバンドはCDを自主リリース。

『Con Carne』(契約を得るために制作したデヴュー作のデモテープ音源)、『Coulda' Shoulda'』(73年~76年にレコーディングされたがリリースされなかった未発表曲)、『Live in '75』(カリフォルニア・ツアー直後にColumbusのSTUDIO 5で録音)の3枚のアーカイヴ音源だ。

バンドが常々語っていたアルバムよりバンド本来の姿とサウンドを捉えていると言う『Con Carne』と本作のサウンドを聴き比べてみるのも一興だろう。

1979年の再結成から42年、2021年にバンドは再び集まり、3回の公演をソールドアウトさせる。

John Durzoの手によって、2021年再結成公演の模様を収めたLIVE CD『Friends - 42 Years Later』のミキシングとマスタリングが完了し、間もなくアルバムがリリースされる予定との事だ。

90年代の半ばに Michael Shortlandは天国の門をくぐってしまったのでもう以前のメンバーでの再結成は叶わないが、メンバー皆が高齢なのを承知で今の時代ならばこそ彼等のミクスチャー・プログレ・サウンドは他に無い個性的な輝きを放っているので、是非とも音源リリースに伴いパーマネントな活動を再開して欲しと願ってしまうのです (*´ω`*)

Tracks Listing:
01. One Armed Bandit
02. Sister Sea
03. The Only One Around
04. Move Over Gloom
05. How Can I Be Loving You
06. Wine Eyes
07. Hazy May

Bouns Live Trcks from The 1979 Reunion
08. Whr Children
09. My Turn Tonight
10. Too Many People

STRONGBOW Line-Up:
Bill Bendler     (Lead Vocals、Piano、Keyboards、Trombone)
Michael Shortland (Guitars、Vocals)
John Stelzer     (Organ、Synthesizer、Mellotron、Alto & Tenor Saxophones、Flute、Vocals)
John Durzo     (Bass、Moogpedals、Vocals)
David Smith    (Drums、Vocals)



# by malilion | 2024-08-27 17:22 | 音楽 | Trackback