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90年代ポーランドを代表したネオ・プログレ・バンドCOLLAGEが再結成して待望の新譜リリース!!

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COLLAGE 「Over And Out」'22

90年代当時、ポーランドのみならず東欧ネオ・プログレ・シーンを代表していたバンドCOLLAGEが前作『Safe』'95 から27年振り(!!)となる再結成第一弾作をリリースしたのを即GET!

東欧ポーランドのワルシャワでドラマーの Wojtek Szadkowskiとギタリスト Mirek Gilを中心に1984年に結成されたネオ・プログレ・バンドCOLLAGE (元々はBLUE ISLANDなるプロジェクトだった)ではあるが、近年も活発に活動を続けその動向が常にポーランド・シーンにおいて注目されているギタリスト Mirek Gilも当初は新シンガー Karol Wroblewskiを迎えての2013年末の再結成に参加していたものの、さすがに自身のソロ活動 Mr.Gilと自身がリーダーを務めるシンフォ・バンドBELIEVEとの創作活動を三つも平行させるのは難しいと悟ったのか2015年にはバンドを脱退してしまい残念なれど、傑作2nd『Moonshine』'94 リリース後のワールドワイドな本格活動開始以降に中核メンバーであったキーボーディスト Krzysztof Palczewski、オリジナル・メンバーあでるドラマーの Wojtek Szadkowski、そしてベーシストの Piotr Mintek Witkowskiの3名に加え、同郷ポーランドのシンフォ・バンドQUIDAMの二代目ヴォーカリストで後期作でシンガーを務めた Bartosz Kossowiczと新たなギタリストにドラマー、パーカッショニストとしての経歴もあるマルチ・ミュージシャン Michal Kirmucを迎えた新編成5人組での再結成始動作となっている。

90年代末期のCOLLAGE解散後、Mirek GilはBELIEVE結成へ走り、残されたメンバーは初期COLLAGEのメンバーも加えてSATELLITE結成へと流れ、その後各メンバーが狭いポーランド・シーンで複雑に関わるTRAVELLERS、STRAWBERRY FIELDS、PETER PAN等の数多くのポーランド・シンフォ・バンド達が00年代以降に生まれてくる訳だから、COLLAGEは80年代英国で唸りを上げて勃興したポンプ・ムーブメントの流れを汲んだ90年代ポーランドに置けるネオ・プログレ・ムーブメントの文字通り中心に存在した象徴的な元祖シンフォ・バンドだったのは間違いなく、こうして長い年月を経て今や懐かしのスタイルになりつつあるネオ・プログレを彼等が果たして再現するのか、それとも22年に相応しいモダン・サウンドへと大きく進化したサウンドを提示するのかファンならずとも注目な本作だが、結論から言います! 大昔からのファンだった方々は欣喜雀躍して喜ぶ事だろう! 

あの傑作『Moonshine』で示した懐かしの90年代ネオ・プログレの面影を残した哀愁色濃い艶やかな美旋律と東欧らしい冷ややかな透明感と憂いあるエキゾチックな魅力を湛えたドラマチックな目くるめくシンフォニック・ロック・サウンドが目白押しであります!!('(゚∀゚∩

復活第一弾である本作が、世界を魅了した華麗で艶やかな音色とミステリアスでエキゾチックな音使いの90年代東欧ネオ・プログレを想わせるシンフォ・サウンドな作風へ寄せられているのは、長い年月を経ても待ち続けたファンが今や大きな尊敬と一種の伝説を築いているCOLLAGEに何を待ち望んでいるのかを旧メンバー達が十分に察していたのと、新たに迎え入れられたメンバーが外から見て『COLLAGEサウンドとはこうあるべき』というイメージを持ち込んだのも大きな原因だろう。

意外に〝今”のミュージシャンである事を誇示したくて旧来のスタイルから離れた今風なサウンドのアルバムを芸術性も盛り込んで意気込み激しく創作するものの、折角のカムバック作が派手な醜態を晒して待望の再結成が悲惨な結末を迎える事も多い、特に進化する事を第一とするプログレ系バンドで良く耳にする大物バンドのトホホな再結成失敗談ではありますが、手堅い選択と言えばそうだけれどCOLLAGEはそんな愚かな選択はしなかったのが嬉しいですね。

時間が経過して今の最先端のシンフォ・バンドを追いかけるようになった以前COLLAGEファンであった方々にとって、27年の歳月を経て明らかにレトロでクラシックなネオ・プログレ・サウンドを彼等が再び提示した事に失望する諸兄も居られるだろうし『常に新しい芸術作に目を向ける、プログレスするサウンドが好きな自分こそ真のプログレ・ファンだ!』との考えや後ろ向きな作風と言う非難も十分理解出来ますが、既にCOLLAGE解散後にポーランドの新世代シンフォ・バンドに在籍して現在活躍中なメンバー達がCOLLAGEとわざわざ名乗って再結成作をリリースする訳だし、なのに最先端のモダン・シンフォ作を創作するのは少々筋違いと申しましょうか、久々の復活作である意味をもっと重く捉えて欲しいとは個人的に思うのです。

まぁ、最先端のサウンドを追い求める人にとってCOLLAGEというバンド名は全く訴求しないとっくに忘却の彼方へ消えた古臭いバンド名でしょうから、本作に手を出した挙句にそんな屁理屈を捏ねてわざわざ文句を垂れる無粋な輩は居ないとは思いますけどね(w

御託はさておき本作の内容ですが、一聴してかってのCOLLAGEの思い出が蘇り、興奮と歓喜に包まれる、あのミステリアスでセンチメンタルな矢継ぎ早に複雑に展開しまくる美旋律の数々が煌めきながら流れ出して目の前でエキゾチックに乱舞するような様には本当に感無量、欣喜雀躍であります♪

シアトリカルで感情の揺れ幅が非常に大きい Peter Gabrielスタイルの歌唱を駆使するエキセントリックなヴォーカル、高らかに鳴り響く煌びやかなシンセサイザーと壮麗で重厚なシンフォニック・オーケストレーション、技量や音数より如何に感情を描き出すのみに注力した魅力的なメロディを紡ぎ出すギター、立体的なリズムセクションを構築するメロディアスなベースライン、そしてCOLLAGEサウンドの要でもある Wojtek Szadkowskiが叩き出すテクニカルでソリッドなドラミングと、本当にあの当時に『Safe』に続くアルバムが制作されていたなら、きっとこんな風な素晴らしいシンフォニックで官能的な美旋律が満載な作風になっていただろうと思わせる、時の隔たりを忘れさせてくれる見事な一作だ。

勿論、時代が変ってプロダクションが大幅に向上したのと、メンバー個々の技量や熟練度も増し、そして幾分かモダンなタッチも感じられるが、瞑想的で幻想的なキーボード・サウンドと美麗なメロディをゆったりと雰囲気満点に爪弾く繊細なギター・サウンドが音のカーテンを織り成し、シンフォニックな抒情詩を描くように巨大なキーボードの波と手数が多くパーカッシブでリズムチェンジの多いグルーヴィなボトムが絡み合ってクリスタルのように眩く輝き、立体的で技巧的な音の宝石が紡がれゆく様は、正に90年代にプログレ・ファンやポンプ・ファンを魅了して止まなかった、あの流麗で荘厳な哀愁漂うCOLLAGEサウンド以外の何物でもない!(゚∀゚)

前任シンガーの Robert Amirianも同じ様に Peter Gabrielスタイルの歌唱を披露していましたが、個人的には声質や安定感、歌唱スキルやレンジの広さ、そしてパワフルさ等を考えると Bartosz Kossowiczにフロントマンをチェンジしたのは良い選択だし成功だと思うのだけれど、芝居がかった情熱的な歌唱が冴えわたる程に Fish在籍時の初期MARILLIONっぽさも強まりますから、古参ファンは以前のメンバーでリユニオンして欲しかったと思ってしまうかもしれません。

解散前のセンチメンタルでデリケートなヴォーカル・パートは Robert Amirianのちょっとヴィブラートがかった線の細い歌声や密やかな囁きなんかも良くマッチしていたので、そう思うのも無理ないけど…ちょっと野暮ったいヴォーカルだったのが個人的にはCOLLAGEをマイナーなイメージにしていたようにも思えて…(汗

無論、解散からこれだけ時間が経過している訳で Robert Amirianの歌唱力も相当上がっているだろうし、なんなら経年で渋味を増したより良い歌声を披露してくれたかもしれませんが、現実問題として彼はリユニオンに参加しなかった(誘われなかった…?)のでソコはどうしょうもない問題であります(´A`)

てか、そもそも双頭の片方 Mirek Gilが不参加なので今さらオリジナル・メンツでのリユニオンに拘っても仕方がないのですけど…

散々、褒めちぎっておいて何ですが、何もかも手放しで絶賛出来るかと言うとそうでもなく、やはり新ギタリストである Michal Kirmucのプレイに物足りなさを些か感じてしまうのは正直な感想だ。

かってのCOLLAGEのアルバムで聴けたギター・サウンドを忠実にエミュレートする事に重きを置いたプレイのように思え、もう少し独自色を出しても良かったように思うのですが、余りに Mirek Gilがバンドに残したギター・プレイのイメージが強過ぎた為か再結成作という事を考慮したのか、旧来のイメージを崩すような事はせぬ風な音使いやメロディ、トレードマークのYESの Steve Howeっぽいロングトーンの深いリヴァーブのかかったギター・サウンドばかり耳につき、彼ならではのギター・サウンドやプレイは分かりずらかったのが少々残念ではあります。

少しアッサリ小奇麗なプレイで Mirek Gilのようにネットリじっくりとエモーショナルな感情をメロディに切々と刻みつけるような不器用で愚直なプレイではないように感じてしまい、ギターの演奏技術やスマートなフィーリングでは前任者より勝っているのかもしれないがCOLLAGEサウンドにとっては欠けているプレイに思えるんだよなぁ…

後は双頭の片割れ Mirek Gilが居ない事が Wojtek Szadkowskiをいつになく発奮させたのか、それまでシンガーの Robert Amirianとの連名やその歌詞の多くを任せていたのですが、本作収録曲の歌詞は全て Wojtek Szadkowskiが単独で書き上げており、楽曲の方も全曲にその名がクレジットされているのを見るにかなりの気合の入様だった事が伺えます。

出来ればもうちょっと幻想的だったり楽天的な歌詞なら良かったんですが、陰鬱で暗いイメージな歌詞ばかりなのをもう少しどうにかしてもよかったんじゃないかなぁ…まぁ、シンフォ系っぽいと言えばぽいかもしれませんが…

期待されての再結成で唯一のオリジナル・メンバーでリーダー的な立場なので大きなプレッシャーも感じていたのか、その弊害なのかちょっと全体的にドラムを忙しく叩きすぎなきらいがある気がして、以前のゆったりとした靄のかかったような淡いイメージのCOLLAGEサウンドを打ち消すハードなリズム・ワークが随所で耳につきました、がコレは個人的な感じ方故かもしれませんし、今風のサウンドタッチを意識して敢えて変化させたものかもしれませんのでなんとも言えませんけど…

スペシャル・ゲストで英国ポンプ及びシンフォ界の盟主 MARILLIONのギタリスト Steve Rotheryが参加し、アルバム最終曲で一聴して即彼と分るセンチメンタルで切ない絶品のエモーショナルなギター・ソロで切々と入魂のプレイをしているのでMARILLIONファンも本作のチェックを怠らぬよう注意されたい。

ともかく以前からのCOLLAGEファンは問答無用で購入確定な一枚でありますし、90年代東欧ネオ・プログレ&シンフォ作がお好きな方も当然見逃せぬ一作で、メランコリックでノスタルジック、そしてドラマチックに高揚する哀愁漂う華麗な美旋律に目の無いメロディアス・ロック好きな方にも是非チェックしてみて欲しいそんなアルバムであります(*´ω`*)

Tracklist:
01. Over And Out
02. What About The Pain
03. One Empty Hand
04. A Moment A Feeling
05. Man In The Middle (feat. Steve Rothery)

COLLAGE Line-up:
Bartosz Kossowicz    (Vocals:QUIDAM)
Michal Kirmu       (Guitars、Guitar Synthesizer)
Krzysztof Palczewski   (Synthesizers、Keyboards)
Piotr Mintay Witkowski   (Bass)
Wojtek Szadkowski    (Drums & Percussion)

With Special Guests:
Steve Rothery (Guitar Solo:MARILLION)


# by malilion | 2022-12-26 22:20 | 音楽 | Trackback

メタル系ファンにその名を知られるネオクラシカル・ギタリスト兼キーボーディストの Bob Katsionisが新プログHMプロジェクト作をリリース!!

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VASS/KATSIONIS 「Ethical Dilemma」'22

ソロ活動、FIREWIND、OUTLOUD、REVOLUTION RENAISSANCE、NIGHTFAL等のプロジェクトやバンドに多数関わってきたネオクラシカル・ギタリスト兼キーボーディストであるギリシャ人ミュージシャン Bob KatsionisとギリシャのメロディアスHMバンド TERRA INCOGNITAのシンガー Billy Vassとのコラボレーション・プロジェクトによるデヴュー作のプレスCDがやっとリリースされたのでご紹介。

TERRA INCOGNITAが2017年以降活動を休止し、ワールドワイドで忙しく活動していた Bob KatsionisがFIREWINDを2020年に脱退、そして全世界をパンデミックが蔓延したタイミングが重なった為に本作を制作する時間的チャンスが訪れ本デュオ・プロジェクトが発足した模様だ。

90年代のプログレ&シンフォ系サウンドとFATES WARNINGやQUEENSRYCHE等の80年代USプログHM要素をMIXし、2人がこれまで培ってきた音楽要素を加味したのが本プロジェクトの音楽的方向性と言う事だが、00年代モダン・プログHM風な仕上がりの楽曲な為か Billy VassのヴォーカルにDREAM THEATERの James LaBrieっポイ感触が意識的なのか幾らか感じられ、バックのサウンドを一手に引き受ける Bob Katsionisがギターとキーボードの両方を相変わらず音数が多く華麗でスピーディー、そして壮絶なテクニックで巧みに演奏するだけでなくソリッドでパワフルなリズム・セクションまでも完璧に構築しており、セッションプレイヤーをリズム隊に招いているとは言え楽曲の全てを Bob Katsionisが1人で全て書き上げたと思えぬユーロ圏ミュージシャン作らしい仄かな叙情感香るダークでモダンなプログレッシヴ・メタル・サウンドが高い完成度で披露されている。

“Ethical Dilemma=倫理的ジレンマ”という抽象的なテーマのコンセプト作となる本アルバムだが、そこは Billy Vassがバックの演奏で八面六臂の活躍を魅せる Bob Katsionisに負けじと、直接的でシンプルでありながら誰もが共感出来る詩的で抽象的な表現も駆使して、抽象と直接とブレンドした歌詞でリスナーを飽きさせる事なく魅了し、如何にもプログHMという示唆に富んだ物語を書き歌い上げているのは見事だろう。

ザクザクしたハードエッヂや滑らかで官能的なメロディを紡ぐ剛柔巧みなギタ・ワークー、パワー・メタルの要素も感じる正確無比で手数の多いソリッドでタイトなリズム・ワーク、けれど決して無機質でない熱いグルーヴと耳を惹く美旋律の数々、それら全てをプログレッシヴ・ロックなテイストとシンフォニック・ロックの影響を受けた奔放に舞いまくる華麗で煌びやかなキーボード・ワークと巧みなアレンジで際立たせ、Billy Vassのエモーショナルな伸びやかで太く力強い魅力的な歌声で楽曲を纏め上げているのを聴くに、これ一枚で終らすのは実に惜しいデュオ・プロジェクトなのは明白だ。

と、言うか時間があればここまでの事がプロデュースも含めて全て自身の手だけで出来てしまえる Bob Katsionisの破格の才能と相変わらずの演奏技術には、本当に驚かされっぱなしであります。

デヴュー作でありながらキャリア十分な2人が共通の音楽的背景の元に結束し、ダークで硬質なサウンドには独自の芸術的ビジョンと親しみ易くも新鮮な感覚が確かに息づいており、シンフォ系に良くあるテクニックに偏るばかりに複雑怪奇に成り過ぎる事もなくメロディを第一に考えられた楽曲は比較的シンプルな構成で、アグレッシヴなパワー・メタルの勢いと感触もあり、プログHMと聴いて小難しい印象を抱いているリスナーにこそ本作は聴いてみて欲しい、そんなコンパクトで聴き易い一作なのでご興味ある方は是非チェックしてみて下さい。

引く手数多な Bob Katsionisが多忙なのは重々承知ですが、出来る事ならメンツを集めて正式なバンドを結成して是非に次作を届けて欲しいなぁ~

因みにCD現物は限定300枚リリースとの事なので、DL先行リリースされもう半年経過しているのを見るに恐らく国内盤はリリースされないでしょうからお求めの方はお早目にね。

円安のご時世ですが、ギリシア・プレスな関係か送料入れても2千円行かないお値段なのでDL嫌いな方は是非お試しあれ。

Tracklist:
01.Message To The Masses
02.Mark The Moment
03.Web Weaver
04.Dreamscreen
05.Echoes In Paradise
06.Purify
07.Faceless Encounter
08.I Walk Alone

Musicians:
Billy Vass    (Vocals)
Bob Katsionis  (Guitars、Keyboards)

with:
Telis Kafkas   (Bass)
Bill DiBenedetto (Drums)

P.S.
しかし、デジタル・リリースが本編みたいな扱いな為なのかCDが記念アイテムな扱いな為なのかリリースデイ等のデータが明記されていない簡素すぎるデジパック盤なのがちょっと味気ないですな…
自主制作盤だからお金かけたくなかったのかもだけど、この手の技巧派ミュージシャンってその手の所にこだわる風に思ってただけに、ちょっと意外でありました。

# by malilion | 2022-12-25 18:54 | 音楽 | Trackback

南米エクアドルのマイナーB級HMバンドCURSE BREAKERがデヴューEPをリリース!

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CURSE BREAKER vs BLADE'S EDGE 「Cursed Blade」'22

去年、ヴォーカルをはじめ全ての楽器演奏も手掛けたデヴュー・ソロ・EPアルバムBLADE'S EDGE『Witch Spells』'21 をリリースしているエクアドル出身のギタリスト Sage Savageが率いるツインギター編成5人組HMバンドのデヴューEPが500枚限定生産でマニア御用達レーベルStormspell Recordsからリリースされたのでご紹介。

タイトルから察せられるかもしれないがCURSE BREAKERのデヴューEPと Sage Savageのワンマン・バンドBLADE'S EDGEとのスプリットアルバムなっており、初めて彼等の音源に触れるマニアックなB級アルバムも見逃さないメタルヘッドな諸兄にとってお得なアルバムであります。

因みに既にリリースされているEP『Witch Spells』と重複している楽曲はカヴァーされている楽曲のみなので、本作にBLADE'S EDGEの2ndEP音源が収録されている事になりますね。

アマゾンのジャングルやガラパゴス諸島で有名な南米エクアドルというとスペイン語圏になるが、本作はちゃんと英語で歌われているので巻き舌メタルを危惧した方はご安心戴きたい。

Sage Savage自身が歌うソロEPは、CINDERELLAの Tom Keiferの歌声まで歪み切ってはいないがイメージ的にかなり近い、ザラついたしゃがれ声で唸り、無理矢理な金切声でシャウトする歌唱スタイル(NITROのシンガー Jim Gilletteのような金切り声と言った方が分かり易い?)だったので、どうしょうもなくC級クラスでアンダーグラウンドなマイナーHMの臭いをプンプンと放っている、70年代英国HRの影響を受けて80年代初頭にアメリカで生まれたアンダーグラウドな初期米国HMテイストが強いオールドスクールなスタイルの楽曲が詰め込まれた、Sage Savageのテクニカルでフラッシーなギターが大々的にフィーチャーされた完全80年代指向なサウンドの作品であったが、CURSE BREAKERではしっかりと女性シンガーをフロントマンに据えたバンド編成でのHMサウンドを聴かせてくれているので『ド下手クソなヘッポコ・シンガー Sage Savageがフロントマンのままのバンドなら、ちょっと遠慮したい』と思っていたマイナーHMマニアな方はご安心を。

と、言ってもBLADE'S EDGEのEPと演っている音楽性にそれほど差は無く、テクニカルでやたら音数の多いドライでエッヂあるギター・サウンドをこれでもかとフィーチャーした80年代初期米国HMでよく聴けた音域もそう広くない垢抜けぬ歌唱を聴かせるフィメール・シンガーをフロントに据えた、キャッチーさもポップさもイマイチでコマーシャリズムに半ば背を向けた、けれど暗黒で蠢く邪悪なパワーと迸るようなヒリつく暗い情熱を感じさせる、アンダーグラウンドなマイナーHMの臭いをプンプンと放つ80年代ピュアHM直系の甘味の少ないダークなヘヴィ・サウンドを演っており、能天気なアメリカン・ロック要素が苦手なメタルヘッドな諸兄にこそお薦めなアルバムだ。

Sage Savageが明らかに70年代~80年代初期のユーロ圏バンドに影響を受けているので楽曲にそこはかと叙情感も漂うのだが、掻き鳴らすギター・サウンドはドライで80年代に米国を沸かせたギタ-ヒーロー達の弾く音に近い、ちょっとギャップのあるサウンドが主軸になっているのが面白い点だし、さして上手くもなくパワーも無い Alen Van Tassel嬢の歌声もドライでカリカリな疾走するバンドサウンドとミックスされる事で全体的にサウンドがマイルドな耳障りで聴き易くなる効果をもたらしている点はBLADE'S EDGEには無い要素だったので、同じ様に好き放題ギターを弾いている(汗)んだから今後はソロ活動は控えてバンドでの創作に専念して欲しいものであります。

ソロ作と違ってやはりサウンドのバランスや楽曲の完成度はCURSE BREAKERの方が上ですからね、勿論BLADE'S EDGEの方がB級マイナーHM作独特な臭みが強く、マニアックな諸兄にはその方が堪らなく好ましいのかもしれないけれど(w

実はとんでもなく下手クソ'(少しだけだけどデヴューEPより歌、上手くなってるんですよね Sage Savageの)だけどソロ・バンドBLADE'S EDGEの方で聴ける歌メロの方がキャッチーだったりするのだが、如何せん歌唱力の問題でとても普通のメロディアス愛好家にはお薦め出来ないマニアックな代物なのがまた如何にもな感じでメタルヘッドな兄貴達には嬉しいのかも?(汗

ツーバス・ドコドコでスピーディーに疾走する楽曲でかなり苦し気な Alen Van Tassel嬢のヴォーカルを聴くまでもなく、おそらくステージでもかなり危なっかしく不安定なヴォーカル・パフォーマンスになる事が予想でき、エクアドルのクラブ・シーンがどんな規模でどれ程のレベルのバンドがひしめき合っているのか不明ながら、ハード・エッヂでスラッシュに近いリフを刻みまくるギターが大活躍する80年代指向のメロディアスHMな本バンドは間違いなく今風なバンドでもAクラスなバンドでもないだろう…

ただ、Sage Savageがテクニカルで屈折したリフやメロディを思うままに掻き鳴らす速弾きギターをメインにした楽曲が妙に80年代の国内HMバンド達が鳴らしていたユーロ圏HMとアメリカンHMの影響をミックスさせたようなあの頃に特有なジャパメタ・サウンドに近似しており、80年代ジャパメタ・ファンな方なんかにも一度聴いてニヤリとして欲しい、そんな一作であります(*´∀`*)

官能的な絡みを魅せるツイン・リードや、叙情感ある美旋律の流れやソロの狂おしい程にメロディアスな展開を見るに、赤道直下の南米で活動しながらも Sage Savageは英国HM界の盟主JUDAS辺りからの影響が出発点だったのかもしれませんね。

南米エクアドルという欧米のシーンから隔絶された地で活動するミュージシャンなれど、ヴォーカルはさて置き Sage Savageの耳を惹くリフ創りや『モダン? 何ソレ美味しいの?』状態な時代錯誤で赤面しちゃうケドやっぱり格好良い派手な速弾きやメロディ・センスはなかなかのモノなので是非とも米国へ進出して欲しいものだ。

また Alen Van Tassel嬢のヴォーカル・スタイルにユーロ圏バンドの影響は殆ど伺えず、HMバンドのフロントマンらしくドスを効かせたり低めな声で唸ってみたりとあの手この手のヴォーカル・アプローチを凝らしてはいるのですがどちらかと言えばコーラス等からポップなアメリカン・ロックからの影響が伺えるキャッチーな歌メロ等が合わさってCURSE BREAKERのサウンドを複雑で深みある独特なモノにせしめているようにも思えるので、是非このままさらなる創作に励むのを期待したい。

クレジットを見るに、本作のミックスもマスタリングもプロデュースも Sage Zavageが一手に引き受けており、挙句に自身のレコード・レーベル Zavage Recordsからのリリースとなっているワンマンな点に変化が起きれば、もう少しバンドサウンドのレベルが上がるかもしれないし知名度も上がるかもしれませんが、そうすると彼等本来のサウンドが失われてしまう危険性もある痛し痒しな状況でもあります…

レーベル・インフォによるとCURSE BREAKERは、80年代の最高の伝統を持つ女性フロントマンを擁するパワー&スピード・メタル・バンドで、ZNOWHITE、ACID、WARDANCE、CHASTAIN、FIRE STRIKE等のファンにお薦めで、BLADE'S EDGEは、80年代のノスタルジアを感じさせるHMサウンドで、NITRO、DOKKEN、SHOTGUN MESSIAH、BLESSED BY A BROKEN HEART、SABIRE、そしてNWOTHMのファンは要注目作だ、との事なので既述されたバンド名で気になった方は本作をチェックしてみてもいいかもしれない。

Tracklist:
CURSE BREAKER:
01. Black Flame
02. Ritual's Curse
03. High Intensity
04. Warriors Of The Night
05. Witch Spells (Blade's Edge Cover)

BLADE'S EDGE:
06. Survivors
07. Lost On Her Spells
08. No Longer (Like Before)
09. Sands Of Time
10. Destroyer (Curse Breaker Cover)

CURSE BREAKER Line-Up:
Alen Van Tassel   (Lead Vocals & Backing Vocals)
Sage Zavage    (Lead Guitars)
Adrian       (Lead Guitars)
Omarchets     (Bass)
Andree Insane   (Drums & Backing Vocals)

BLADE'S EDGE Line-Up:
Sage Zavage: Vocals & All Instruments


# by malilion | 2022-12-23 14:55 | 音楽 | Trackback

TRIXTERの弟分としてメジャー・デヴューの予定ながら夢潰えた、幻のパーティー・ロック・バンドSIDE KIXXの唯一作がオフィシャル・リイシュー!

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SIDE KIXX 「Talk Of The Town」'89

米国New Jersey州Oaklandを拠点に80年代末期に活動していた4人組メロディアスHMバンドが、1989年に自主制作でリリースした唯一作がフランスのマニア御用達レーベル BAD REPUTATIONから2022年度デジタル・リマスターで限定リリースされたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

オリジナルの入手困難な自主盤LPは今も高値で取引されていると言うマニアックなアイテムで、80年代末期の不遇なメロディアス系バンドの1つで噂だけ知られていた幻の音源が限定とは言えこうして待望のオフィシャル・リイシューが成され、メロディアス系愛好家な諸兄は満面の笑みを浮かべている事でしょう。

本作は一度2007年にRetrospect RecordsよりCD-R仕様にてリリースされていますが、毎度の事で実に権利関係が怪しいリリースだったのと、とっくに廃盤でレア盤化しているアイテムでもあります。

ただ、待望のリイシューなものの付き物な蔵出し未発音源等は追加収録されておらずオリジナルのままの曲数なのと、初CD化の際に元メンバーがバンドの歴史を語ったりするような追記データやバンド結成秘話等はブックレットに載っておらず、彼等の活動の仔細やその後メンバー達がどうなったのかなど一切不明なのが少し物足りなくはある(´A`)

クレジットを見る限り、Mike と BrianのPeterson兄弟を中心にバンドが結成されたと予想されるし、またアルバム制作時のベーシストは Vinnie Decatalboなるプレイヤーだったものの本作のメンバー・クレジットには Mark Jordaなるベーシストの名前が載っているのを見るに、なんらかの理由でアルバム・リリース前にメンバーチェンジが勃発した模様ですが、その辺りの仔細も一切不明なままだ。

さて、本作の内容の方はと言うと、TRIXTERと同じマネージメントに所属し、TRIXTERの弟分バンドとして大手MCAレコードからメジャー・デヴューを予定されていながらも突如90年代になると暗黒のグランジー旋風が全米を中心に世界中で巻き起こって事態は一変、結局泣く泣く自主盤でのリリースとなった訳ですが、TRIXTERのマネージメントが目をつけていたのも頷ける、DANGER DANGERやWARRANT、そしてTRIXTERまんまのキャッチーなパーティー・ロックや、同郷の大先輩BON JOVIに倣った王道のUSアリーナ・ロック路線、そしてブライトで歯切れ良いUSメロディアス・ロックなFIREHOUSE等を思わせる如何にもバブリーで華やかな黄金の80年代USメジャー路線を受け継ぐサウンドで、ほんの少し早く…88年頃までにデヴュー出来ていれたならばきっとチャートで健闘して正当な評価を得られていただろう、そんな陽気でポップなアメリカンHM作だ。

少し喉に引っかかるビブラート癖のある、けれど陽気で元気印の伸びやかなヴォーカルと、一気に畳みかけるように勢い良く掻き鳴らすギター・プレイ、そして力強くビートをひたすら刻むドラムが実に心地よく、LIVE録音したと察せられるTrack 5、6での聴衆の歓声やバンドとのやり取りを聴くに、何故彼等がメジャー・レコード会社から当時注目されたのかが良く分ります。

まんま黄金の80年代メジャー路線で、陽気でポップ、キャッチーでフックある歌メロに、随所で華やかなコーラスを交えつつ分厚いバッキング・ヴォーカルでザビは大合唱、薄っすら煌びやかなキーボード・サウンドも聴こえるアレンジ、エッジあるフラッシーなギターを主軸に楽曲がグイグイとスピーディーに展開していく、という典型的80年代メジャーUSロック・スタイルをストレートに踏襲していて思わず破顔してしまう、そんな懐かしき良きサウンドとプレイは、もしメジャーからデヴュー作がリリースされていたならばきっと国内盤もリリースされていたんじゃないか、というレベルの実に惜しい逸材が残した一作だ。

まぁ、兄貴分のTRIXTERもギリギリ80年代バブリー時代に間に合ったクチですし、その後彼等も90年代はかなりの苦戦を強いられた訳ですから、デヴューも叶わぬ弟分バンドが当時一体どんな辛酸を舐め、悲惨な状況へ追い込まれたのかは想像に難くないでしょう…(´д⊂)

惜しむらくは自主盤故にバジェットの関係でメジャー路線を目指したサウンドなもののガッチリ手の込んだ緻密な音造りと上質なプロダクションでの制作は叶わなかった弊害が随所でチラつきはするが、彼等の目指したバンドサウンドの本質をスポイルするには至っていないので、完成度的にB級作なのは否めないですが80年代メジャーUSロック愛好家な方ならば一度彼等の事をチェックしても決して損はしないそんなアルバムです。

Track List:
01. Talk Of The Town
02. In The Night
03. Headin' For A Heartache
04. Outta Love
05. Let It Go
06. No More (Getting' The Best Of Me)
07. She's A Runner
08. You Make The Rockin' World Go Round

SIDE KIXX Line-Up:
Teddy Kotch    (Vocals)
Mike Peterson   (Guitars)
Brian Peterson   (Drums、Backing Vocals)
Mark Jorda     (Bass、Bbacking Vocals)

All Bass Track Pleyer:
Vinnie Decatalbo (Bass)






# by malilion | 2022-12-15 20:54 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンのベテラン・シンフォ・バンドMANTICOREが自主盤で3rdアルバムをリリース!

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MANTICORE「Elements」'22

93年デヴュー当時は同郷のヴィンテージ・プログレ・リヴァイバルバンドANGLAGARD、ANEKDOTENを凌ぐ逸材として米The Laser's Edgeレーベル一押しバンドだった北欧スウェーデンのシンフォ・バンドMANTICOREが前作から4年振りとなる3rdアルバムをリリースしたのをちょっと遅れてGETしたのでご紹介。

国内ディストリビューション盤もリリースされたデヴュー作『Time To Fly』'93 当時はトリプル・キーボードにツイン・ギター、リードヴォーカルをとるメンバー3人を擁する5人組バンドで、コーラスは多目で無かったがヴォーカル・パートもこの手のシンフォ系バンドの中ではソコソコ充実していてキーボードを主軸にバンド名から分かる通りEL&Pを筆頭にGENESIS、YES、CAMEL等、70年代英国プログレから幅広く影響を受けたカワフルで多彩なシンフォ・サウンドを稚拙なテクながらひたすら直向きに真摯に鳴り響かせていた彼等は、けれど暗黒の90年代を生き残る事は出来ずに沈黙、解散し、主要メンバー2人を中心に18年にツインギターでキーボード入りの新編成4人組で再結成し25年振りとなる2nd『Next Step: Flight 19』'18 をリリースしていた訳だが、半ばカヴァー曲で構成された前作を見るに一過性の同窓会的な再結成かもと危惧していたが、どうやらしっかりと活動を継続させていた模様で、前作から4年振りとなる3rdアルバムをデジパック自主盤CD-R(残念!)でリリースした。

バンドメンツは前作と同じで変化はなく、シンフォ系につきもののメンバーチェンジは起こらなかった模様で一安心だ。

まぁ、既に各メンバー共にかなりいい年だし、血の気の多い若いミュージシャン特有のエゴや無暗に成功を夢見て己の腕一本でビッグネーム・バンドを渡り歩く、なんて言う青臭い野望や才気走った渇望からは解放されたんでしょうな、きっと。

ただ、奏でるサウンドに枯れた詫び錆な渋さは無く、未だに70年代への憧憬を漂わせつつもしっかりと今風のモダンな感覚を取り入れ、北欧バンドらしいウェットな叙情感香る音使いやスウェディッシュ・ポップを連想させる意外にキャッチーな歌メロやヴォーカル・ハーモニー、Steve Hackettを思わせるエモーショナルで豊かなメロディを紡ぐギターと Tony Banksを連想させるカラフルで多彩な響きの鍵盤サウンドを主軸に楽曲が展開する所はデヴュー以来一貫して変わらない点で、1stはさすがに気恥ずかしくなるような稚拙なプレイが目だった彼等もこの長い年月を積み重ねる間に腕を磨きミュージシャンとしても成熟したのか、70年代の巨人達の影響を露わ(John Wettonや Greg Lakeの楽曲、そしてYESの『Release, Release』をカヴァー)にしたメロディアスなシンフォ・サウンドだった前作と同一路線ながらも、お約束のメロトロンをドラマチックにフィーチャーしつつ、楽曲によって生弦カルテットも加え、軽やかなフルートが随所で特有の儚く物悲しい音色でサウンドに彩りと叙情感あるウェットなメロディをもたらし、70年代英国プログレの呪縛から解き放たれたような爽快な開放感と新たにJAZZっぽいモダンなタッチも加えた、より北欧シンフォなテイストが強まった哀愁と陰影が色濃く艶やかなサウンドへ変化しており、前作以上のエネルギーとパワーを感じさせ、テクニカルで立体的なシンフォ・サウンドと魅力的な音使いとプログレらしい楽曲展開を魅せる新たなスタイルを具現化し堂々と披露している。

デヴュー作でも感じられた朴訥としたフォーキーなタッチや北欧ポップスのようなゆったりメロディアスでハートフルな歌メロも実に彼等らしく、歌心あるヴォーカルを主軸に置いて軽やに楽曲を展開している点だけとっても90年代に蠢いていた一連の北欧クリムゾン・クローン達の闇深いダークでヘヴィなヴィンテージ・サウンドとは相当の隔たりがあり、ANGLAGARD、ANEKDOTEN達とは元来違う音楽性をち合わせていた北欧バンドであったのだと、本作の芳醇で軽快そしてロマンチックでセンチメンタルなサウンドが響き渡る様を聴いて再確認しましたね。

と言うか、1st聴いた時点でも何故にANGLAGARDやANEKDOTENと彼等が比較されてるのか分からなかったです。ハイ。

前作ではバッキングに徹していた新加入のギター兼シンガーの Jon-Terje Sundbergが、本作では殆どのリードヴォーカルを担うまでに成長し、パワフルではないけれど味のあるそこそこハイトーンな歌声も聴かせてくれているのも、本作の歌メロの多様さとコーラスの厚みを生み出している要因なのは間違いない。

程よい隙間のあるサウンドと良い感じに鄙びたような味わいあるメロディが、なんとも言えぬ懐かしい感覚と安心感を与えてくれる、そんな北欧シンフォ・サウンドなのが実に良いのですよねぇ~(*´ω`*)

また、前作は味も素気もないオッサンなメンバー並んでるだけの、久しぶりの復帰作にしては余りに不愛想すぎるジャケでありましたが、今回はその内容を伺わせる陽の木漏れ日が水面で跳ね美しく輝くような、それでいてしっかりバックに闇深い北欧の森林が描かれている風景が描かれたジャケットは、本作の優美なサウンドのイメージを掻き立てるシンフォ・バンドらしい幻想的で良い出来だ。

一般的に見て間違いなくドマイナーなB級北欧シンフォ・バンドだし、デヴュー作から2ndまで25年も間が空きすぎているし、デヴュー作と2ndで全く別バンドくらいにサウンドが変化し進化しているので彼等のアルバムを今から手に入れようとするとちょっと面倒かもしれませんが、もし北欧然としたメロディアスさとゆったり悠然とした音使い、そしてユーロ・シンフォ作らしい叙情感とストリングスの甘い音色とメロトロンをはじめ各種鍵盤サウンドにご興味あるようでしたら一度本バンドの作品をチェックして、意外な掘り出し物を探り当てた喜びを味わうのも乙なモノかもしれませんよ?

文句らしい文句と言えば内容ではなくて、バジェットの都合もあったのかもしれないけど、出来ればRでなくちゃんとデヴュプリ盤でリリースして欲しかったなぁ…くらいですかね。

Track List:
01. The Wood
02. Open Up Your Eyes
03. New Horizon
04. Rain Is Falling
05. Nordic Shadows
06. Elements

MANTICORE Line-Up:
Goran Holmberg   (Bass、Bass Pedals、Lead Vocals on Track 4、6)
Ulf Holmberg    (Guitars、Keyboards)
Jon-Terje Sundberg (Lead Vocals on Tack 2、3、6、Keyboards)
Per-Ake Saavedra  (Drums)


# by malilion | 2022-12-13 16:49 | 音楽 | Trackback