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70年代レトロ風味な北欧シンフォHRバンドHALLASが3rdアルバムをリリース!!

70年代レトロ風味な北欧シンフォHRバンドHALLASが3rdアルバムをリリース!!_c0072376_17582477.jpgHALLAS 「Isle Of Wisdom」'22

北欧スウェーデン産5人組シンフォHRバンドの3rdアルバムが2年ぶりにリリースされたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

プログHM、ブラックメタル、シンフォ・ロック等に影響を受けて来たメンツによって2011年に結成され、ベーシストがヴォーカリストを兼ねるツインギター&キーボード入り編成なのは前作と同じく変わっていない。

北欧スウェーデン産シンフォと言うとクリムゾン系のダークでヘヴィなヴィンテージ系リバイバル・プログレサウンドな一連のバンド達が思い浮かぶが、彼等はそれらのリバイバル勢と一線を画すサウンドを鳴らしており、70年代英国HRをベースにブラックメタルからサイケ、シンセポップまで様々なジャンルからの影響をサウンドに散りばめつつ、より現代的なモダン・シンフォサウンドへと纏め上げた、これまでリバイバル系の回帰サウンドとかなり温度差のあるレトロ・プログレ・サウンドをクリエイトして来た、癖が強く独創性の有る、それ故マニアックで一般受けが難しそうなバンドであります。

久しぶりに届けられた本作は基本的に前作の流れを汲んだ作風なものの、前作以上にミステリアスでスペイシー(笑)なシンセや重厚な轟くオルガン等の鍵盤サウンドを駆使してファンタジックな味付けを施しつつ、新たに70年代中期辺りまでのインディ・アメリカン・プログレハード・バンド作に特有であった混沌としたパワフルさとアーティスティックな創造性を加味し、そして北欧バンドらしい仄かな哀愁が漂う透明感ある美旋律で楽曲を引き立てており、これまで以上にキーボードを大きくフィーチャーしたサウンドに味わいと深みが感じられる、カオティックでダークなウネりが宿ったレトロ系シンフォ・サウンドの良作だ。

若干、今までよりも楽曲のスピーディーな畳みかけやHR的な勢い任せの破天荒なプレイが抑え気味になったが、代わって前作以上に緩急が活かされたプログレ特有の凝った楽曲展開や技巧的なアレンジのスリリングさは増しており、相変わらずC級に片足突っ込んだB級レベルの野暮ったいヴォーカルはいただけないが楽曲の雰囲気をブチ壊すような事はなく、巧みなツイン・ギターの絡みとダークでマジカルな雰囲気を演出するキーボードをバランス良く配したそのヘヴィなヴィンテージ系シンフォ・サウンドは、前作までのHRからのシンフォ・ロックへのアプローチの領域を更に一歩踏み越えた新たなレベルへバンドがステップアップした事を堂々と証明してみせている。

いやー、相変わらず70年代直系な図太いトーンのギター・サウンドはパワフルで、洗練の対極にあるようなドロついた古臭い鍵盤系サウンドの重なりが臭い立つようなヴィンテージな雰囲気を撒き散らしており、本当にこのバンドの愚直ながら真摯なレトロ・サウンドが堪りませんわ♪

また、バンドの創作状態が良く前作以上にメンバー間のマジックも働いているのか、スウェーデン産バンドならではの寂寞感ある物悲しいメロディとダークな叙情感はお手本であろう70年代USプログレ・ハードには希薄で、それらを独特のタッチとカラフルな音の洪水を手際よく紡いでいく様は、彼等が他のどんなレトロ系バンドとも似ていない単なる焼き直しのリバイバル・バンドでない事を如実に物語っていると言えるでしょう(*´∀`*)

ただ、やはり総合的な完成度はまだまだと言え、前作で聴けたキャッチーさが大きく後退した事や聴き易さは犠牲にして独特な骨太のシンフォ・サウンドを構築しているので、そういうった点が受け入れられない方にとっては只の古臭く野暮ったいプログレHRにしか聴こえないんでしょうけどね…

やはりYES風とかGENESISに影響を受けたフォロワー・バンドとか、そういう風な分かり易く彼等のサウンドを形容出来るような簡単なカテゴライズが当てはまらないサウンドだからこそユニークで独特で特異なのですが、それ故売れずらく理解してもらい難いサウンドなのが難点なんですよねぇ…

未だにHR風な粗忽でドタバタした落ち着きの無さや、どうかするとパワー圧しの図太いサウンドで畳みかけそうになるきらいがあるように感じられる点が改善され、目指す方向性の先にあるよりインテリジェンス溢れる気品やスマートなテクニカル・サウンドに洗練されればA級シンフォHRバンドへ間違いなく生まれ変われるだろうが、まぁ、そこまでにはクリアしなきゃいけない問題点も山積してますし、何より洗練度が増すと“彼等らしさ”が薄れて凡百のインディ・シンフォ・バンドに成りかねないので、この危ういバランスで野暮ったいままに独自のハード・シンフォ・サウンドを追求して欲しいものです。

とまれ70年代英国HRベースなレトロ風味ハード・シンフォや70年代英国プログレ好きや70年代USプログレ・ハード等のレイドバックしたオルガン・ロック好きな方にならお薦め出来る、野暮ったいヴォーカルが玉に瑕ですが少々毛色の違う新たな北欧ハード・シンフォの可能性とも言える冒険的な一作ですので、ご興味あるようでしたら是非一度チェックして見て下さい。

Tracks Listing
01. Birth / Into Darkness
02. Advent Of Dawn
03. Earl's Theme
04. The Inner Chamber
05. Elusion's Gate
06. Gallivants (Of Space)
07. Stygian Depths
08. The Wind Carries The Word

HALLAS Line-Up:
Tommy Alexandersson   (Lead Vocals & Bass Guitars)
Alexander Moraitis      (Guitars)
Marcus Pettersson     (Guitars)
Nicklas Malmqvist      (Organ & Synthesizer)
Kasper Eriksson       (Drums & Percussion)



# by malilion | 2022-04-22 17:58 | 音楽 | Trackback

80年代UKポンプ・ロックの代表的バンドTWELFTH NIGHTが40周年記念リメイク作を限定リリース!!

80年代UKポンプ・ロックの代表的バンドTWELFTH NIGHTが40周年記念リメイク作を限定リリース!!_c0072376_22173737.jpgTWELFTH NIGHT 「Smiling At Greif...Revisited ~40th Anniversary Edition~」'22

今は亡き Geoff Mannのエキセントリックなカリスマ・ヴォーカルと特異なステージ・パフォーマンス、そしてGENESISを原点にニューウェイヴ・テイストが色濃く癖の強いハイブリッドなハードシンフォ・サウンドで80年代を賑わした、MARILLION、IQ、PALLAS、PENDRAGON等と並びUKポンプ・ロックの代表的グループであるTWELFTH NIGHTのお馴染みとなった旧音源に手を加えた新規リミックス音源追加&リマスター&40周年記念リイシュー作が限定盤でリリースされたのをちょい遅れてGET!

オリジナルは彼等が1982年に自主制作カセット・アルバムとしてリリースした音源だが、『Smiling At Greif“The Different Edition”』として通常音源にオリジナル・デモ音源や未発音源、Instrumental VersionやAlternate Versionを追加し、さらに81年のLIVE音源『Smiling At Grief...Live』を同梱したヴォリューム満点な28曲収録の二枚組盤DIGITAL REMASTERED盤として05年に既にリリースされていたアルバムで、アニヴァーサリー企画盤としてではありますがまさか再びリイシューされる運びになるとは思いませんでした。

もう何回このアルバム買い直してるんや…ホントにぃ…(涙

ていうか、近年活動を再活性化させているもののリリースされるのは蔵出し音源や旧作のリマスター、そして蔵出しメモリアルLIVE音源等と、旧曲を再録したシングル『Sequences』以外は殆ど新規音源では無く『そろそろ新フロントマン Mark Spencerを迎えて初となるスタジオ・アルバムが届けられる頃に違いない!』と勝手に期待し、予想していただけに『オイオイオイ! まぁーた旧音源に手を加えた死人の褌で金儲けする盤かよォ!?』と、本作のインフォを見た時少々ウンザリしたのが偽らざる心境であります…orz

『ソレでいいのか Mark Spencer…ちょっと蔑ろにされ過ぎじゃないか? 正式メンバーだぞ、LIVEのヘルプ要員じゃねぇんだぞ?』という言葉が真っ先に脳裏を掠めたのは言うまでもありません…

既発アルバムに手を変え品を変えはお馴染みなので今さら驚きもしませんが、わざわざ再リリースする時に彼等は必ず購買意欲をそそるような巧妙な仕掛けを施しているのが常で、今回もその例に漏れず最近バンドに加入した現メンバーの Mark Spencer(Lead Vocals、Guitars、Keyboards)とGALAHADにも在籍する Dean Baker(Keyboards、Piano)の二人の他、Steven Wilson(PORCUPINE TREE、etc...)、Karl Groom(THRESHOLD、etc...)、Tim Bowness(NO-MAN、etc...)、Rob Reed(MAGENTA、etc...)、Simon Godfrey(TINYFISH、etc...)、Peter Jones(CAMEL、TIGER MOTH TALES、etc...)、Andy Tillson(THE TANGENT、PARALLEL OR 90 DEGREES、etc...)、Paul Hodson(ex:TEN、ex:HARD RAIN、HODSON、etc...)、Gareth Cole(DRIFTING SUN、etc...)等がオリジナル・マスターテープにギターやキーボード等の様々な楽器やヴォーカル等の新録音源を加え、曲によっては未使用の旧音源を加えるなどして、さらに各自がそれぞれ楽曲毎にリミックスを施し、新しいマテリアルとして旧曲をリメイクする構成で、敢えて昔からバンドを支えてきたオリジナル・メンバーが手を出さず、半分外部の人間とも言える新規メンバーの二人とTWELFTH NIGHTに影響を受けただろう現在はシーンの第一線で活躍するシンフォ系ミュージシャンである面々やモダン・ロック、HR系の若いミュージシャン等も加えて80年代初期の音源を新たな感性で現在に蘇らせた、TWELFTH NIGHTファンのみならず各参加ミュージシャンの個人的ファンならば絶体に見逃せない心憎いリスペクト企画盤となっている。

単なる旧音源リミックス盤ならそんなにそそられなかったんですが、なにせ新人TWELFTH NIGHTメンバーが揃って参加している点や、有名英国ミュージシャン達に完全にリミックスや新録パートを任せている点等、適当に旧音源に手を加えた水増しリメイク盤ではないのは明らかで、バンドの全盛期にミュージシャン活動していなかった新世代のミュージシャン達が一体どんな感性でサウンドをリメイクするのか、また新録プレイはどんな方向性なのか、と参加メンツの名前を見たら興味が尽きる事無い完全に企画勝ちしている掟破りなズルい一作で、さらに本編収録曲7曲を各ミュージシャンに加えさらにゲストを招いてRemix(一部新録も含む曲もアリ)を手掛けた別ヴァージョンも収録と、完璧にしてやられている(笑)のは分っていても手を出さざる負えない大変に魅力的な一作なのは間違いない(汗

まぁ、記念盤だしトータルなサウンドの纏まりや完成度はハナから度外視した外部の人間に古い音源を託して好き勝手に料理させるお祭り企画盤なので、その点については最初から問題にはならないし、デジタリーな音像で打ち込みを用いて無機質なリズムを強調したモダン・ロック風な楽曲や、今もファンを魅了し続ける Geoff Mannのエキセントリックに感情を迸らす強烈な弾けっぷりにフォーカスしたパンキッシュに疾走するビートロック風な楽曲、キーボードを大幅に加えてより壮大なシンフォニック・ロック化した楽曲、原曲に無いソロ・ギターパートを加え今風シンフォ・ロックに仕上げた楽曲、さらに特筆すべきは現フロントマンの Mark Spencerが Geoff Mannとコーラスしたりハモったりリード・ヴォーカルを分け合って歌っているのが楽しめる楽曲等々、比較的オリジナルに忠実なアレンジが成された楽曲から自身のカラーを加え大きく原曲のイメージからかけ離れた楽曲(Puppets、人気過ぎだろw)まで、各自がかなり個性的な音のいじり方をしているのが楽しめるだけでなく参加アーティスト銘々が抱くTWELFTH NIGHTへのリスペクトが伺える良作でもあります。

当時にして既にチープ気味だったポリフォニック・シンセをフィーチャーしたプログレ・カラーとパンキッシュでメタリックなニューウェイヴ・カラーが激しく交差し絶妙にポンプ・サウンドを織り成す独特なTWELFTH NIGHTオリジナル・サウンドと、新しい感性と若い奏者によってリワークされ斬新に蘇った最新サウンドの差異を聴き比べて楽しんだり、リワークによって今まで聴こえていなかったがハッキリと聴こえるようになったサウンド・ピースの妙など、聴き慣れた楽曲にも新しい発見があったりして思いの他に新鮮な喜びを与えてくれた企画アルバムなのは確かだ。

とは言え、TWELFTH NIGHTのサウンド自体に興味が無い方や80年代ポンプに特に思い入れが無い方にはかなりマニアックな内容のアルバムである事は違いないので、TWELFTH NIGHTファンならば素早く本作を購入し、そうでない方は一度ネットなどで本作のサウンドをまず入念にチェックしてみて気に入ったのならば本作を入口に過去を遡ってオリジナル盤にも手を出してみるのは如何だろうか?

Tracks Listing
01. East Of Eden (Steven Wilson Re-Worked)
02. This City (Peter Jones Re-Worked)
03. The Honeymoon Is Over (Karl Groom Re-Worked)
04. Creepshow (Simon Godfrey Re-Worked)
05. Puppets [Intro] (Mark Spencer Re-Worked)
06. Puppets (Rob Reed Re-Worked)
07. Three Dancers (Steven Wilson Re-Worked)
08. Makes No Sense (Tim Bowness & Brain Hulse Re-Worked)
09. Fur Helene PartⅡ(Dean Baker Re-Worked)

Another Remixed Version
10. Puppets (Steven Wilson Remixed)
11. The Honeymoon Is Over (Andy Tillson Remixed)
12. Creepshow (Paul Hodson Remixed)
13. Puppets (Rob Reed ft.Stuart Nicholson & Lee Abraham Remixed)
14. Three Dancers (Gareth Cole Remixed)
15. Makes No Sense (Mark Spencer Remixed)
16. East Of Eden [Extended] (Steven Wilson Remixed)

TWELFTH NIGHT Line-Up:
Mark Spencer   (Lead Vocals、Guitars、Keyboards、Bass、Other Bits)
Andy Revell    (Guitars)
Brian Devoil    (Drums & Percussion)
Dean Baker    (Keyboards、Piano)
Andy Faulkner   (Bass)






# by malilion | 2022-04-21 22:18 | 音楽 | Trackback

元THIN LIZZYの Darren Wharton率いる英国AORバンドDAREが4年ぶりとなる新作アルバムをリリース!!

元THIN LIZZYの Darren Wharton率いる英国AORバンドDAREが4年ぶりとなる新作アルバムをリリース!!_c0072376_02145987.jpgDARE 「Road To Eden」'22

元THIN LIZZYの Darren Wharton率いるUK産ツイン・キーボード5人組AORバンドによる10thアルバムが、前作のアニバーサリー再録アルバム『Out Of The Silence II』より4年ぶりに自身のレーベルLegend RecordsからリリースされたのをGET!

前再録記念盤はオリジナル盤のサウンドに遠く及ばないキャッチーさもイマサンでフックも無い穏やか過ぎる平凡で退屈なアルバムであったが、なんと各国のクラシック・ロック・チャートで1位を獲得(!?)したらしく、その前の二作のアルバムもイギリス、ドイツ、イタリア、スペインなど4カ国のAmazonクラシック・ロック・チャートで1位を獲得しているとの事で日本の輸入盤ロック・チャートでも1位を獲得(!?)したと公式発表されている。

ウーン、ちょっとなんか色々と怪しくなってきた(汗)けど、まぁ、AOR好きな人なら好むだろう穏やかな大人向けサウンドではありましたから…クラシック・ロック・チャートってのがどんなカテゴライズで語られているのかイマイチ不明なんですけど『最悪なアルバム!』と、吐き捨てる程の事も無いし、ムーディーでケルティックな雰囲気のアダルトなサウンドが好評だったのかもな、と納得する事にしておきます…

メンツは『Out Of The Silence II』'18から変わりなく『Sacred Ground』'16 から加わったセカンド・キーボーディスト Marc Robertsを除けば12年頃からバンド編成は安定しており、音楽的にも大きな変化も無い彼等は流行に左右される事無く妙に気負う事も無く地道に着実に自主制作ベースとは言え活動の場を広げ、各国での実績を築いてきたと言えましょう。

思えば当時元THIN LIZZYと鳴り物入りだった Darren Wharton(Lead Vocals、Keyboards)とギタリスト Vinny Burns(ex:ULTRAVOX、ex:ASIA、TEN)を中心にバンドは1985年に結成され、88年に『Out Of The Silence』でアルバム・デヴューを果たし、91年に続く『Blood From Stone』をリリースするとキーボードとギターを主軸に据えたキャッチーなユーロHMサウンドがチャートでもここ日本でも好評を博し世界中のファンベースを拡大させたものの、これからと言う所でグランジーブームの闇に飲まれバンドはメジャーからドロップして空中分解(幻の3rd音源がホントにメロハー作として良い出来なんですよねぇ…)してしまい、Vinny BurnsはTEN結成へ走る訳ですね。

残された Darren Whartonを中心に新たに編成されたバンドは既にメジャー活動時の音楽性と全く違う穏やかなAORバンドへと様変わりしており、基本的にオリジナル・ギタリストで盟友の Vinny Burnsが戻った今現在でもその路線は変わっておらず、音域が狭いがムーディーで味わい深い歌声と Darren Whartonの出身地であるアイルランドの影響色濃いケルティックなフレーバーを漂わす雄大なキーボード・サウンドが中心の穏やかで柔和なAORサウンドで長らく活動してきた訳だ。

そんな Darren Whartonが語る所によると、本作はこれまでのアルバムが各国で好評だった事を踏まえつつLIVEを想定して楽曲を書いたとの事で、トレードマークであるケルティックでムーディーな雰囲気はそのままに、ツアーで披露するのを念頭にエネルギッシュでパワフルなフィーリングを加えたよりハード・ロック的サウンドアプローチを試みている、らしい。

まぁ、確かに Vinny Burnsのハードエッジでエモーショナルなギターワークの活躍する場面が増えているのは確なものの、ミックスは抑え気味でハードに弾きまくっているという印象も刺激も薄く、以前と変わらず殆どが柔和で雄大なキーボード・サウンドとフックの乏しい穏やかなヴォーカルで占められているのも変わりないが、それでもここ数作の退屈極まりない内容よりも幾分か爽快さが増してメロディアスでキャッチーなのは聴き取れ、初期作程の刺激もハードさも無いけれど退屈なAOR作からは脱出する事は出来たのではなかろうか。

なんて言うか前のアルバムに本作の曲が入っていても少しも違和感が無い、下手をするともう二、三枚前のアルバムでも問題なく馴染むだろう、それくらい変化の乏しいサウンドで、もうちょい音楽的な新しい試みに挑んでも良いと思うんですが、まぁ冒険ばかりするのが良い事でもありませんし、自身のポリシーとしてこのマッタリ退屈気味なAORサウンドを自主制作でリリースしているのでしょうし、外野がとやかく言った所で何が変わる訳でもないんでしょうけどね…(汗

音域も狭いし歌メロに何か捻りや斬新な試みでもされていれば少しは耳にメロディが残るんだろうに、いつものように何の変化もなく滔々と流れて消えていくだけの穏やかなメロディなのが辛い…しかも、そのヴォーカルがメインなAORという音楽形態なのが輪をかけて辛さを増さすんですわ…orz

海外のアルバム批評サイトで本作『エデンへの道』は、美しい音楽の道を安全に走る、暖かい夏の日に夕方の風に髪をなびかせながら日没に向かって走る為のアルバムである、と記されていて『あー、正にそんな感じの物悲しく寂し気で色褪せた雰囲気が漂うアルバムだわー』と納得してしまいました。

AORだからソレでいのかもしれないけれど、やっぱり80年代末期のゴージャスでバブリーなHM全盛期の残り香を纏った初期のハード&キャッチーなサウンドを知っていると、せめて夏の燦燦と輝き昇る朝日に向かって駆け出す、そんな瑞々しく朗らか爽快なイメージを与えて欲しいのに、と無いものネダリをしたくなるのです…(´д⊂)

とまれ穏やかなAOR作が好きな方やケルトフレーバー漂うアダルトな歌モノ作などがお好きな方なら気に入るだろう落ちついた作品ではありますので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。

Tracklisting:
01. Born In The Storm
02. Cradle To The Grave
03. Fire Never Fades
04. Road To Eden
05. Lovers And Friends
06. Only The Good Die Young
07. I Always Will
08. Grace
09. The Devil Rides Tonight
10. Thy Kingdom Come

DARE Line-Up:
Darren Wharton   (Lead Vocals、Keyboards)
Vinny Burns     (Guitars)
Nigel Clutterbuck   (Bass)
Kev Whitehead    (Drums)
Marc Roberts     (Live Keyboards)





# by malilion | 2022-04-20 02:15 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンのメロディックHRバンドTREATが約3年半ぶりに通算9枚目のスタジオ・アルバムをリリース!

北欧スウェーデンのメロディックHRバンドTREATが約3年半ぶりに通算9枚目のスタジオ・アルバムをリリース!_c0072376_11132943.jpgTREAT 「The Endgame」'22

EUROPEやTNTと同じく80年代から活動する北欧メロディアスHRバンドの先駆者であり、解散、復活を挟んで現在も第一線で活躍するTREATが前作『Tunguska』'18 から約3年半ぶりとなる通算9枚目のスタジオ・アルバムをご紹介。

デヴュー当時はその分厚いバッキングコーラスと北欧バンドらしからぬブライトでポップな音楽性故に“北欧のBON JOVI”と呼ばれる事もあった彼等ですが、解散前には時流に影響されたダークなグランジー系サウンドへ接近するなど長い活動を経てより音楽性の充実や幅を広げる事に成功し、復活以降は解散以前の80年代風な音楽性と今風のモダンなサウンドを巧みに組み合わせ北欧特有な哀愁と叙情香る美旋律満載なアルバムを届けてくれていたが、今回も期待を裏切らぬ、嫌、正直期待した以上の予想を超える素晴らしい出来映えなアルバムを届けてくれました♪(゚∀゚)

前作でチェンジしたベーシストの座が再びチェンジし、再結成作から加入したLAST AUTUMN'S DREAMやTHERIONの活動でその名を知られる名手 Nalley Pahlssonが本作から復帰したのも嬉しいトピックの一つだ。

再結成で蘇ったベテラン・バンドと言うと、プライド故かまだまだ新しい創作が可能でロートルじゃないと証明したいが為か往々にして現在流行っている音楽にばかり注目し勝ちで、過去に自分達が築き上げファンから愛されてきた素晴らしいサウンドから距離を取ろうとするものですが、彼等はその辺りをちゃんと踏まえており以前の音楽性も保ちつつ新しい音楽要素を着実に咀嚼して取り入れ、今回はオールドファン向け要素8割りに今風モダンな音楽要素を2割り程加味する絶妙なさじ加減の如何にも北欧HRバンド作と言う再結成以降の新要素を力んで取り入れようとした気負いが失せた、非常に彼等らしいキャッチーでポップなサウンドに満ち溢れたリラックスした作品に仕上がっており、北欧メロディアス・ロック好きなら方ならば小躍りするのは間違いないだろう。

解散前とは見違えて逞しくなった Robert Ernlundの伸びやかでパワフルなヴォーカルを基軸に、疾走感と透明感ある北欧美旋律、哀愁と叙情香るフックある歌メロ、グルーヴィーで強力なリフ、エモーショナルでコンパクトなソロパート、爽快でキャッチーなビッグコーラス、ドラマチックな楽曲展開が目白押しとオールドファン感涙な華やかなメロディアス・サウンドで、再結成以降に聴けたモダンでダークな音楽性が気に入っていたファンには少しレイドバックし過ぎに思えるかもしれないが、それでも単なるセルフパロに陥る事なくTHE BEATLESっぽいタッチやケルティックなフレーバー、露骨にBON JOVI風(笑)なアリーナロック、壮大な叙事詩作などの前作で聴けなかった試み等にも果敢に挑んで楽曲の表情や音の彩りを増やしアルバムに艶やかさとメリハリを生み出している点などは流石ベテランと唸らされます。

勿論、手堅く安心安定な作りの高品質なプロダクションとサウンドへ比重が傾いているのは紛れもない事実なので、フレッシュな衝撃やダークでヘヴィな今風のアグレッシヴ要素、ロックらしい生々しい感覚には乏しい作風とも言えるのですが、誰も彼もがエネルギッシュでモダンな新世代サウンドを追い求めなきゃ駄目な訳でもありませんし、ベテランらしく安定したソングライティング力を発揮した痒い所に手の届くオールドファンを満足させるアルバムを素直に届けてくれた事にまずは感謝したいですね(*´ω`*)

インパクトという点では些か劣る作風なのは否めませんが、来年で結成40周年を迎えるベテランバンドであるTREATが、そんな事は微塵も感じさぬパワフルで完成度の高い北欧メロディアス・アルバムの傑作をこうしてリリースし活発に創作し続けていてくれるのが唯々嬉しいのです。

EUROPEやTNTのみならず、欧米の同世代バンドで同じく復活を果たしている80年代ビッグネーム達が解散前とは路線の違う作風のアルバムをリリースし続けオールドファンを落胆させる事の多い昨今、自身が残してきた魅力的な音楽を否定する事なく今も聴かせてくれるTREATのさらなる活躍を祈らずにおれません。

Track List:
01. Freudian Slip
02. Rabbit Hole
03. Sinbiosis
04. Home Of The Brave
05. Both Ends Burning
06. My Parade
07. Wake Me When It's Over
08. Jesus From Hollywood
09. Magic
10. Carolina Reaper
11. Dark To Light
12. To The End Of Love
13. Magic (Acoustic Version)

TREAT Line-up:
Robert Ernlund      (Lead Vocals)
Anders "Gary" Wikstrom (Guitars、Backing Vocals)
Patrick Appelgren     (Keyboards、Backing Vocals)
Jamie Borger       (Drums、Percussion)
Nalle Pahlsson      (Bass、Backing Vocals)


# by malilion | 2022-04-19 11:14 | 音楽 | Trackback

北欧正統派HRバンドLEVERAGEが復活してからの第二弾作を今頃ご紹介!

北欧正統派HRバンドLEVERAGEが復活してからの第二弾作を今頃ご紹介!_c0072376_15105516.jpgLEVERAGE 「Above The Beyond」'21

北欧フィンランド産正統派6人組HMバンドLEVERAGEの再結成第二弾5thアルバムが去年の8月末にリリースされていたが、国内盤が出るかな? ひょっとして来日記念盤でボートラ追加盤とか出るかも? とかあらぬ妄想を続け待ちに待って購入を後回しにしまくってたらこんなに購入遅れてしまいました(汗

うーん、前作『Determinus』'19 は国内盤がリリースされたんですが、元々派手さの無い質実剛健な渋いサウンドだったのも災いしたのか、素晴らしいアルバムを届け続けてくれていた彼等も遂に国内盤リリースを見送られてしまった模様だ…(´д⊂)

ただ、10年ぶりとなった前復活作でキーボード入りツインギター6人編成の半分のメンツが入れ替わり、合わせて音楽性も変化させ、古き良き正統派HRを継承したオーセンティックな80年代HR要素も兼ね備えつつ、北欧バンドらしい煌びやかなシンセワークを交えた安っぽいポップさと無縁のキャッチーでありながらシンフォ要素を隠し味にした哀愁漂うメロディと、疾走に頼らぬ重厚なハードネスを奏ってた訳ですが、そんな黄金期のSURVIVORを彷彿とさせるフック満載な楽曲と叙情感あるメロディアス具合が素晴らしかった恐るべき完成度のドラマチックな王道正統派メロディアスHRサウンドから、幾分今風のダークなヘヴィさや北欧エピカル・テイストや疾走感を加味したユーロ・モダン・メロディアスHRサウンドへと装いが改まっており、叙情感とオーセンティックな北欧メロディアスHR要素が強まったサウンドが洗練されたプロダクションで巧みに表現され、現在の市場を意識した手堅い一作に仕上がっておりました。

復活作で示した北欧モダンHRな方向性自体は悪くないものの、下手に既にキャリアを築いていた事もあって元からバランス重視で完成度優先の質実剛健なメロディアス・サウンドは、どうしたってデヴューしたばかりのフレッシュな勢いある北欧産新人バンド達の派手で煌びやかなサウンドやルックスと比べると地味に思えてしまい、そういうった事もあって本作の国内盤が見送られてしまったのかもしれない。

大手メジャーと契約しているビッグネーム・バンドならいざ知らず、メロディアス系では名を馳せてはいるもののまだまだワールドワイドな規模のレコード会社と言えないFrontiers Musicレーベル所属な彼等だ、世界中を襲ったパンデミックのダメージが欧州を問わずショービジネス界に暗い影を落とした事も新作リリースに何かしらの影響を与えたのは間違いないだろう…

個人的にも前作のアルバムは出来は悪くないもののそれまでの三作と比べる(それまでが素晴らし過ぎた!)と余りピンと来る内容でなく、単純にメンツ変更が影響したのかも、と普通なら思う所ですが、新ベーシスト Sami Norrbackaはリーダーでギタリストの Tuomas Heikkienが作曲で参加したTHE MAGNIFICENTでもベースを弾いており、そもそも3rdアルバム『Circus Colossus』'09 リリース後にオリジナル・ベーシストの Pekka Lampinenが健康上の理由で脱退した後にヘルプとしてステージで演奏に参加していたのだから10年を経てサポート要員から正式メンバーに昇格したLEVERAGEファンにはお馴染みなプレイヤーであり、看板フロントマン Pekka Heinoに代わって前作から参加した、HEARTPLAYやSAPPHIRE EYES等に参加し北欧メロハー系バンドをチェックされている方やAOR系バンドに詳しい方なら良くご存じだろう、そのJOURNEYの Steve Perryを彷彿とさせるクリアーなハイトーン・ヴォイスが知られる元URBAN TALEの Kimo Blomは、前任者の太く逞しい中音域をメインとした歌唱スタイルと声質や方向性が違うものの負けず劣らずの優れた歌唱スキルを持つヴォーカリストなのは周知の事実なので、無論好みはあるかもしれないが再結成作でもその幅広い音域を誇る素晴らしい歌唱と彼にしては珍しいアグレッシヴでダーティな歌声も披露して新風をバンドに持ち込んで尽力していたのは確でありました。

となると、Frontiers Recordsお抱えのソングライターでリーダーの Tuomas Heikkienが新たな相棒に選んだ元KIUAS、METAL DE FACTのギタリスト Mikko Salovaaraを迎えて作曲された楽曲の方向性やサウンドにデヴューから解散するまでの音楽性との相違の大きな原因があると考えるのが妥当で、Mikko Salovaaraの持ち込んだ新しい音楽要素や Tuomas Heikkien的にも現在の音楽シーンを鑑みた事や心機一転それまでと違う要素を全面に打ち出した事も復活作のサウンドが大きく変化したのに影響したもかもしれませんね…orz

さて、前作から2年ぶりとなる本作ですが、前作で感じた居心地の悪さというかシックリ来なさ具合はさすがに薄れ、新編成なメンバー感のコンビネーションと信頼感もしっかりと構築されたのか、前作での00年代以降に顕著な特徴の無機質でダークなヘヴィさやモダンな感触は薄れ、代わって北欧エピカル・テイストやミステリアスなイメージ、そして美旋律のキャッチーさ具合いも前作より大幅に増し、より叙情感ある北欧エピックメタル・サウンドへ接近した感が強まっており、北欧HRバンドお約束なDEEP PURPLE、RAINBOWを源流とする王道様式美HRテイストやオーセンティックなHR要素(Brian May風ギターはご愛敬w)を前作以上に随所で聴かせる為か、ちょっと聴き Kimo Blomの声質や分厚いコーラス、そして重厚なハモンドが使われた楽曲などは90年代以降のURIAH HEEPっポク聴こえたりして明らかにサウンドの成熟度合や小慣れた感、そして余裕のようなものがサウンド全編から漂っており、解散前までとは行かぬまでもあと一歩の所まで迫る非常に魅力的な北欧メロディアスHR作に仕上がっていて驚かされました(゚∀゚)

解散前はプログレッシヴ・ロックのニュアンスやキャッチーな産業ロック要素も含む完成度の高い奇をてらわぬ北欧正統派モダンHRサウンドな音楽性故に派手さがイマイチでありましたが、再結成以降は意図的にバランスを崩して北欧メロハー系サウンドへ接近した、HRらしい疾走感と北欧らしいエピカルでミステリアスな音楽性(アコースティカルなタッチと北欧らしい寂寞感が今回はミソ!)という分かり易さの増した新基軸サウンドがより市場にストレートに訴求するのは間違いないでしょう。

シンフォニックなフレーバー、オーセンティックな美旋律、爽快で分厚いヴォーカルハーモニー、強力なリズムセクションに乗った力強いリフと豊かなグルーヴ、テクニカルで煩くなり過ぎぬ絶妙な塩梅のアレンジ、それらが渾然一体となって疾走感を伴って突き進むメロディック・ロック・サウンドには重厚さと繊細さを兼ね添えた北欧らしい叙情感とウェットな感触が満ちており、新基軸サウンドの模索が本作でようやく一応の完成の目途がつき試行錯誤を終えた、そんな吹っ切れた様な開放感と自信に満ち溢れたプレイが楽曲からビンビンと伝わってきて実に痛快であります♪(*´ω`*)

個人的には解散前の完成度の高い音楽性の方が独自性があって大変好きだったのですが、本作で示された新たな音楽性であるドラマティックな叙情感と美旋律を堪能出来るオーセンティックな北欧HRサウンドも些か独自性は薄れたものの決して嫌いではない、というか寧ろ大変好ましい方向性ですので、是非この方向性のまま着実に完成度を上げた素晴らしいアルバムを次も届けて欲しいですね。

Track List
01. Starlight
02. Emperor
03. Into The New World
04. Do You Love Me Now
05. Angelica
06. Under His Eye
07. Falling Out Of Grace
08. Galleria
09. Silence

LEVERAGE Line-up:
Kimo Blom      (Lead Vocals)
Tuomas Heikkien   (Guitars)
Mikko Salovaara    (Guitars)
Sami Norrbacka    (Bass)
Marko Niskala     (Keyboards)
Valtteri Revonkorpi  (Drums)





# by malilion | 2022-04-16 15:13 | 音楽 | Trackback