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北欧スウェーデンから期待の新星登場! レトロ・フューチャーなメロディアス&AORバンドWEST ALLEYがデヴュー作をリリース!

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WEST ALLEY 「A Night To Remember」'23

北欧スウェーデンはイェーテボリ出身のキーボード入り4人組80年代風メロディアス&AORバンドが、ドイツを拠点とするレーベル Pride & Joy Musicからデヴュー作をリリースしたので即GET!

新人バンドとは言っても実は彼等は80年代後半に数年活動していたインディ・バンドで、90年代に入ると周知の様にメジャー・シーンがグランジーの闇に呑まれ、世界各地で同時期にデヴューした80年代風直系のキャッチーで華やかなメロディアス・サウンドを演奏する他のバンド達と同様に厳しいアゲンスト状態に置かれ、結局大きな展開を望めぬままバンド消滅なアルアルの流れであったのだが、2019年に数十年来の友人である元メンバー達が再会すると、当時数多くの曲を創作したが結局一度も形として残される事が無かったマテリアルをレコーディングし、もう一度当時の楽曲とバンドにチャンスを与えよう、と盛り上がって今回のバンド復活とアルバムリリースへ繋がったのであった。

元々80年代当時のUSメインストリーム・ミュージックであったJOURNEY、TOTO、SURVIVOR、FOREIGNER、KISS等のバンドに触発されただけでなく、70~80年代米国ウェストコースト影響下なクラシックAORのエッセンスや70年代から北欧で根強い人気を保っている英国HR要素をもMIXした洗練されたハードポップ・サウンドを鳴らしていた彼等、当時の楽曲を初レコーディングした本作に当然それは受け継がれている訳だが、面白いのは意図せずに90年代グランジーに毒されておらぬ、ノスタルジックでセンチメンタル、ブライトでキャッチーな混じりっけ無しの80年代直系ピュア・メロディアス&AORサウンドを、まるでタイムスリップして来たかのように奏でている事だろう。

ミドルレンジ中心で感情豊かな歌声を聴かせるリード・ヴォーカルとメンバー一丸となった幾重にも重なるハートウォーミングなコーラスに彩られたフック満点な爽快感ある美旋律、AOR風の華やかで透明感ある洒落たシンセ、軟弱になりがちなサウンドを引き締める硬質なエッヂあるロック・テイストなギターにタイトで堅実なリズムワークと、全てが80年代USメジャー・シーンを向いているのだが隠しようもなく北欧バンド定番な郷愁漂い咽び泣くかの様な哀愁香るウェットな旋律が全編に渡って美しく響いており、メジャーに成り切れぬマイナーなタッチがメロディアスで親しみやすい雰囲気とブライトでキャッチーな歌モノ寄りバランスなサウンドのそこかしこで顔を出して、それが逆に独特な味わいと新鮮な魅力を生む化学反応を起し、クラシックなAORの精神を詰め込みつつもエネルギッシュな高揚感とポジティヴな印象のハードポップ・サウンドをダイナミックに輝かせている。

ヴォーカルを兼ねる Magnus Bjorkrothが操る鍵盤から飛び出してくるフレーズやバッキング・メロディが実に80年代テイスト(頑張って洗練された風を装ってるケド北欧特有の芋臭さが鼻に突くがソコも味になってる!)を醸し出していて、耳にした瞬間に80年代の想い出の数々が猛烈に蘇ってくる絶妙にノスタルジックなキーボード・サウンドだけでお腹一杯になってしまう、もうホント大満足(w

無論、何もかも全て手放しで絶賛出来るかと言うとそうでもなく、音楽形態的にそこまで大きなデメリットには至っていないが些かパワー不足な感が否めず所々でアマチュア臭い垢抜けなさを感じさせる Magnus Bjorkrothのヴォーカルスキルや、その Magnus Bjorkroth主導によるプロデュースが成された本作のサウンドは、矢継ぎ早にデヴューしてくる活きの良い欧米メロハー・バンド達のカッチリとプロデュースされた高密度サウンドを聞き慣れた耳にはどこか音の輪郭がボヤけてパンチ力の欠けたサウンド(ちょっとヴォリュームが低め?)に聴こえ、スウェーデンのValvet StudioでレコーディングされPanorama Musicの Joakim Styrenがマスタリングを手掛けたプロダクションのクオリティの足を引っ張っているように思えます…

とは言え昨今デヴューした新人バンド達が80年代への憧憬を色濃くサウンドに滲ませているのと違い、彼等はリアルタイムでその時代を経験してきた為に奏でるメロディや滑らかなヴォーカル、そして巧みに練り上げられた楽曲等に若いバンド達が闇雲に向ける80年代への想いは薄く、しっかりと今風のモダンなタッチやリラックスした洒落たAOR風アレンジも聴かせつつ自らが影響を受けたバンド達のサウンドを己の血肉へと時間を掛けて完全に昇華した洗練されたユーロ・ハードポップを豊かな響きとノスタルジックなサウンドで余裕タップリに紡ぐ様には、ベテランの落ち着きと風格さえ感じられて心憎いくらいだ。

まだ本格的な活動を開始したばかりの古くて新しい新人バンドな訳だし、本作は80年代の未発音源を再録した過去の残響の結晶でもある訳で、今後どのように現在のシーンを反映したサウンドを聴かせてくれる事になるのか、遅れて登場する事となった才能豊かな4人のメンバー達が生み出す北欧ハードポップ・サウンドを早くに堪能出来る事を願いたい。

Track List:
01. What A Night To Remember
02. Good Times
03. Fortune & Fame
04. Miracles Can Happen
05. Give Me Just A Little Time
06. Warning
07. How Many Hearts
08. Higher
09. Angels
10. Colors Of Love
11. Feel Like A Clown
12. It All Begins Where It Ends

WEST ALLEY Line-up:
Magnus Bjorkroth   (Lead Vocals、Keyboards)
Niclas Lundstrom    (Guitars、Backing Vocals)
Jack Nielsen      (Bass、Backing Vocals)
Jonas Michaneck     (Drums、Artwork)

Recorded & Mixed & Produced by WEST ALLEY
Mastering by Joakim Styren




# by malilion | 2023-09-09 19:20 | 音楽 | Trackback

カナディアンAOR&メロディアスHRバンドBOULEVARDのシンガー David Forbesがソロアルバムをリリース!!

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DAVID FORBES 「Tales Of The Past」'23

てっきり過去の名作リイシュー専門レーベルだとばかり思っていたAOR Blvd Recordsから、まさかのサックスプレイヤーを含む6人組カナディアンAOR&メロディアスHRバンドBOULEVARDのシンガー David Forbesの新作ソロアルバムがリリースされたので即GET!

BOULEVARDと言えば1988年『BLVD.』と1990年『Into The Street』にM.C.A. Recordsからリリースした2枚のアルバムがメロディアス愛好家に知られるカナダのバンドで、2017年に27年ぶりとなる再結成第一弾、1992年解散以来となる通算3枚目のアルバム『Boulevard IV ~ Luminescence』をリリースした事で彼等の事を覚えている方も多いでしょう、そのBOULEVARDフロントマン David Forbesが英国ワンマン・メロハー・バンドNEWMAN率いる Steve Newmanと同じくNEWMAN唯一のパーマネントメンバーでドラマーの Rob McEwenの全面サポートの元でソロアルバムを制作し極上のメロディアス・ロック&AOR作を届けてくれた!

プロデュース、演奏、アレンジだけでなく収録曲の殆ども Steve Newmanが手掛けており、その点から言うと『まるでNEWMANに David Forbesが加入したみたい』とも捉える事も出来ますが、David Forbesと Steve Newmanの共作曲や David Forbesと外部ソングライターとの共作曲等も収められている上に、未だインディ・ベースな活動なれど耳を惹くキャッチーな美旋律を奏でる事にかけてはピカイチな周知のメロディ・メイカー Steve Newmanがかなり David Forbesのソロ作としての差異を意識したのか普段NEWMANでは余り聴けぬ音使いやフレーズ等も楽しめ、マイルドで甘い声質な David Forbesの爽快感ある抜群の歌唱力もあってカナタディアン・ミュージシャンらしい哀愁を湛えたウェットな美旋律が満載な珠玉のメロディアス・チューンが眩いばかりに輝いている♪ ('(゚∀゚∩

まぁ、さすがに差異を意識しているとは言っても Steve Newmanのハードエッヂ立つギターが多分に強く鳴っているAOR Blvdレコード主導なプロフェッショナル・チーム作な為か、所々で David Forbesが〝歌わされている”感がある歌メロや歌唱スタイルな瞬間、そしてギターが煩く感じるのは否めないが、そもそもBOULEVARD以外で彼のヴォーカルを耳にした事がない違和感が大きい為とも言えるので、聴きなれぬ歌メロを歌い上げる David Forbesの一風変わった素晴らしい美声を楽しめるのもBOULEVARDファン的には面白いポイントではあるでしょう。

NEWMANファン的に言えば、やっぱり特別上手いシンガーを迎え入れられれば最近マンネリ化しつつあるNEWMANのメロハー・サウンドや Steve Newmanの定番作曲でも確実にレベルアップ出来るし、さらなるメジャー展開も望めるだろうに、という想いに捉われてしまうのが痛し痒しな本作であるとも言えますね…

既に述べたように Steve Newmanが本作の作詞作曲の殆どを占めてはいるものの彼以外のライターのペンによって書かれた楽曲も数多く収録されており、Steve Newmanに次いで David Forbesと楽曲を共作している Pete Alpenborgは、James Christianの4thソロ『Craving』、REVOLUTION SAINTSのデヴュー作、GIANTの5thアルバム『Shifting Time』、ここでも以前に紹介した August Zadraの初のリーダー・バンド作『Guiding Star』、Rick Altziの初ソロ作『All Eyes On Me』、Rob Morattiの5thソロ作『Epical』、北欧メロハーARCTIC RAINのデヴュー作『The One』等々への楽曲提供とカナダのみならず欧米や北欧のアーティストやバンドの多数のアルバム制作に関わっていてメロハー系ファンな方ならよくその名を目にするライターでその実力の程は皆さん良くご存じかと思いますし、さらに本作の目玉 はKenny Gや Steve Perryに楽曲を提供するだけでなくロックやポップス以外の幅広いジャンルのアーティスト達に楽曲を提供してシングルヒットを量産している米国人マルチ・インストゥルメンタリストで数多くのソロ作もリリースしてきた Jeff ParisとTHE GUN、THREE MAN ARMY、BAKER GURVITZ ARMYでの活動のみならず欧米ジャンル問わず数多くのアーティスト達に楽曲を提供しヒットシングルを量産してきた英国人SSW&でギタリスト、そして名うてのヒットメイカー Adrian Gurvitzの共作曲に David Forbesが作詞で参加した楽曲が収録されており、本作のクレジットに惹かれて手を出してみても決して損はしない、そんな一流ライター作も収録された David Forbesの新たな魅力を知る事が出来るメロディアスでキャッチーな良作であります。

個人的にはもう少し Steve Newmanが自身のカラーを控え目にしてバックミュージシャンな立場に落ち着いて洗練度とバランスを上げた完成度高いヴォーカリスト・アルバムな方が主役の David Forbesが引き立つし歌声の素晴らしさも際立つと思うのですが、まぁその辺りは好みでもありますので…

しかし、BOULEVARDの再結成作といい、本ソロ作のリリースといい、1992年のBOULEVARD解散後にグランジー旋風吹き荒れるメジャー・シーンに背を向けるように音楽業界から完全に足を洗い、消防士(!?)となって地元で27年間も激務をこなし先頃消防士を引退した人物と思えぬ、長い空白期間が嘘のような未だ衰えぬ素晴らしい David Forbesの歌唱力と伸びやかな美声には驚かされるばかりだ。

Steve NewmanのみならずAOR Blvdレコードのプロフェッショナル・チームが細部まで気を使い隅々までコンポーズの行き届いたコンパクトでキャッチーな一枚でありますので、David Forbesについて事細かに知らなくても、アルバムに名を連ねる錚々たるクレジットに気が付かなくとも全く問題ない、メロディアスなAOR寄りポップロックやどこか透明感と爽快感あるカナダ&ユーロ圏歌モノ・アルバムがお好きな方なんかに是非お薦めしたい、しっとり味わい深くググッと大人びて洒落たサウンドも楽しめる本作にご興味あるようでしたら一度ご自身の耳でチェックしてみて下さい。

Tracklisting:
01. Girl Tell Me Why
02. Face Another Heartache
03. Tales Of The Past
04. Fall For Love
05. Endless Nights
06. Have We Learned Nothing?
07. Sins Of The Father
08. Hold Her Tonight
09. Here Comes The Rain
10. Flesh And Bone
11. Right Next Time
12. Freedom

MUSICIANS:
David Forbes   (Lead Vocals、Backing Vocals)
Steve Newman  (Guitars、Keyboards、Backing Vocals)
Rob McEwen   (Drums & Percussion)

Produced by Steve Newman & David Forbes


# by malilion | 2023-09-08 10:17 | 音楽 | Trackback

四代目歌姫 Sertari嬢を迎えて新作を8年ぶりに英国シンフォ・バンド KARNATAKAがリリース!!

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KARNATAKA 「Requiem For A Dream -Limited Special Editon-」'23

英国ウェールズ産シンフォ・バンドの再結成第三弾作で通算6枚目となるアルバムが前作から8年振りに自主盤リリースされたのを、ちょい遅れてGETしたのでご紹介!

既にオリジナルメンバーは Ian Jonesのみで、本作は四代目フロントマンとなる妖艶な美貌の英国人フィメール・シンガー Sertari嬢を新たに迎え入れたまではいいものの前作時に加入したメンツはもう誰一人在籍しておらず、KARNATAKAは完全に Ian Jonesのソロ・プロジェクト体勢となった模様だ。

まぁ、前作の時点でそれまでRIVERDANCEやLord Of The Danceなどでワールドワイドに活躍し、ソロ活動も注目されてきた美貌の英国人フィメール・ヴォーカリスト Hayley Griffiths嬢がこのまま次作でもフロントに留まってくれているとは到底思えないとここで述べていましたが、ゴシックロックに急接近した新生KARNATAKAサウンドを美しくも優雅に彩った美声の Hayley Griffiths嬢は先頃ソロ・アルバムをリリースして意欲的に活動を続けており予想通り既にバンドにその姿は無い訳ですね…

代わってフロントを務めるのはイギリス領キプロス島(島半分はトルコ領)出身なフィメール・ヴォーカリスト Sertari嬢で、既に英国でソロ活動中で自主EPアルバムもリリースしメディアにも注目されシンガー・ソングライター賞や多数の賞を手にし、Michael Jackson、LED ZEPPELIN、Kate BushやNIGHTWISH、WITHIN TEMPTATION等といった様々な音楽的影響を受けながら、ダイナミックで美しい伸びやかなヴォーカル、ドライヴ感のあるギター、雰囲気のあるシンセ、ビートを駆使したエモーショナルで独特なエレクトロ・ポップ・ロックを情熱的なステージングを交えてのパフォーマンスで現在注目度が急上昇中な新進気鋭のアーティストで、その噂に違わぬ広い音域から繰り出される太くパワフルで可憐な美声と出身地故か他の英国人女性シンガー達とは一風変わった妖艶でエキゾチックな雰囲気が実に個性的で、Hayley Griffiths嬢を失った穴を埋める処かそれ以上の存在感と圧巻の歌唱力でKARNATAKAへ鮮やかな新風をもたらし、バンドサウンドをさらに一段上のレベルへ押し上げている。

前作『Secrets Of Angels』'15 ではゴシック風シンフォ・サウンドを披露しその新基軸サウンドで旧来からのファンを驚かせたが、本作ではKARNATAKA本来の持ち味である英国情緒香るモダン・シンフォニック・ロックへ再び軌道修正しているものの Sertari嬢が曲作りやアレンジにも全面参加している為もあってかこれまで殆ど聴かれなかったエキゾチックでどこか旅情漂わす美旋律が奏でられる楽曲や、フォーク&トラッド由来の繊細で美しい情緒を紡ぐ楽曲、そして甘く切ないストリングス・アレンジも交えた重厚且つ壮大なスケール感で魅了するシンフォニック・ロック等、今まで以上にキャッチーでポップな美しくたおやかな歌メロと曲想に合わせて甘くキュートに、ミステリアスで妖艶な、儚くも物憂げに、繊細で清らかな、と様々にアプローチを変化させる Sertari嬢の力強くも清涼感を纏った美声の数々が、どこかマイナーな雰囲気を漂わせていたKARNATAKAサウンドを一気にメジャー寄りの華やかでスタイリッシュなイメージへ様変わりさせているのに驚かされました。

無論、ベースとなる憂いを漂わす叙情的英国シンフォ・サウンドをベテランらしく隙無く構築し多彩な楽器を全て演奏し、アレンジ、プロデュースまでこなしている Ian Jonesの力量と音楽性の素晴らしさは言うまでもなく、さらに壮麗なシンフォニック・サウンドの土台をしっかりと支える強固なリズムセクションや魅力的でエモーショナルな音色を紡ぐギター・プレイ等の脇を支えるゲスト奏者達の味わい深く優れた演奏が有ってこそで、本作のオーケストレーションも交えた美しくもドラマチックな“これぞKARNATAKA!!”という定番要素と様々な音楽要素が溶け合った優美で気品あり幻想渦巻く英国シンフォ・サウンドが紡がれているのは誰の目にも明らかだろう。

THE TANGENT、ILLUMINAEで活躍する Luke Machin (Guitars)や前作にも参加していたNIGHTWISHの Troy Donockley (Pipe、Whistle)等が今回もゲスト奏者として招かれアルバムに美しい彩りと艶やかな響きを加え、物悲しくもダークでロマンチックな美旋律と奥行を際立たせているので彼等のファンは見逃せませんね。

唯一の不安と言いましょうか Hayley Griffiths嬢の時と同じでソロ活動の方がメインっぽい Sertari嬢もいつまで本バンドに在籍してくれるのか、と…皆さんも容易く予想つくと思いますが、恐らく次作ではその姿がないんじゃないかなぁ…(汗

尚、限定盤にはボーナスDVDが付属する3面開き紙ジャケット二枚組仕様となっており、約1時間のメイキング映像を中心に6コンテンツを収録し、合計80分を超えるボリュームとなっているのでファンの方はチェックお忘れなく。

定番の英国フォーク&トラッド系ファンな方やMAGENTA、MOSTLY AUTUMN等のフィメール・シンフォ作がお好みな方、伸びやかでエキゾチックな女性ヴォーカルの美声に心惹かれる方なんかにもお薦めなKARNATAKAの久しぶりの新作を是非一度ご自身の耳でチェックしてみてください。

Tracklisting:
01. Road To Cairo
02. Because Of You
03. Poison Ivy
04. Forbidden Dreams
05. Borderline
06. Fairytale Lies
07. Feels Like Home
08. Secrets Of Angels

KARNATAKA Line-Up:
Ian Jones (Bass、Keyboards、Piano、Orchestration、Bass Pedals、Acoustic Guitar、Programming)
Sertari   (Vocals、Backing Vocals、Choir)

With:
Luke Machin   (Lead & Rhythm Guitars)
Chris Allan     (Drums & Percussion)
Troy Donockley  (Uilleann Pipes、Low Whistles)
Gonzalo Carrera (Additional Keyboards)

Recorded & Produced by Ian Jones



# by malilion | 2023-09-04 00:04 | 音楽 | Trackback

南米エクアドルで一人気を吐くHMギタリスト Sage Zavageが新HMバンドBITTER VELVETのデヴュー作をリリース!

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BITTER VELVET 「Unleashed Fears」'23

南米エクアドルで一人気を吐くHMギタリスト Sage ZavageがCURSE BREAKER、BLADE'S EDGEに続いて新たに立ち上げた新プロジェクトHMバンドのデヴュー作が300枚限定リースされたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

フィーメル・ヴォーカリストがフロントマンと言う事で Alen Van Tassel嬢がフロントマンを務めるオールドスクールなHMバンドCURSE BREAKERと殆ど音楽性も似通った新プロジェクト作ですが、一応こちらの方は Sage Zavageのガールフレンドで美貌のシンガー MaliKce(Malixe)嬢をフロントに据えている事と、ジャケットやリードトラックのイントロ等でちょいちょいフィーチャーされているホラー・テイストなカラーがアルバム全体にあしらわれており、よりオールドスクールな80年代風米国HMタッチが色濃くゲスト奏者も招いて邪悪でミステリアスなストリングスをフィーチャーしたダークサウンドなのがCURSE BREAKERとの差異でしょうか?

あ、CURSE BREAKERは一応ツイン・ギター編成なのでツインリードの美しいハモリや官能的なツイン・ギターの絡み等をフィーチャーしている点も弾きまくりのエネルギッシュなシングル・ギターのBITTER VELVETサウンドとの大きな差だと Sage Zavageもそう意識してるに違いない、多分(汗

また、意外に MaliKce嬢の歌いっぷりが逞しく、初期WARLOCK、HELLION、CHASTAINといったバンドが脳裏を掠める華やかでパワフルなヴォーカル・パフォーマンスは他バンドでもその歌声を披露し活動して来ただけあって上々で、ナスティで疾走感あるLAメタルに近いテイストなBITTER VELVETのドライ・サウンドに実に良くマッチしており Sage Zavageとのコンビ・プロジェクトなのが惜しいくらいで、バンド体勢で演っているCURSE BREAKERのフロントマンに MaliKce嬢を据えた方がバンドポテンシャルも見栄え的(どっちも気の強そうな面構えで、好みの差はありますねw)にも良いのでは? とも思えるのですが、そこは Sage Zavage的にも拘りがあって別デュオ作で歌わせているんでしょうね、きっと・・・

CURSE BREAKERの Alen Van Tassel嬢は頑張ってHMらしくガナリ立てる荒々しいヴォーカル・アプローチを保っている為に余り感じられないが、BITTER VELVETでは甘いフェミニンな雰囲気を漂わす MaliKce嬢のキュートなヴォーカルが垣間見える点も差異の一つなのは間違いないだろう。

Sage Zavageのギタープレイは何時もの通り、メロディアスでテクニカルでユーロHMの影響というかJUDASテイストを強く感じさせる官能的でパワフルなリードプレイと切れ味鋭いフック満載のリフで激しくスピーディに攻め立てる華やかな80年代ギターヒーロー風スタイルで、何もかも全部自分でこなそうとするインギー的な独りよがりな所さえ少し控えればエクアドルを飛び出して米国HMバンドへ加入して容易くその名をシーンに轟かせそうに思えるものの、まぁ今の米国メインストリームを考えると古臭過ぎるギター・スタイルなので現実的にそれは難しいのは分かっているのですが、南米エクアドルでアンダーグラウンドな存在に甘んじるには惜しい個性的で才能豊かなギタリストだと個人的には思っとります。ハイ。

ヴォーカルメロディのキャッチーさ加減的にCURSE BREAKERよりも Sage Zavageのワンマン・バンドBLADE'S EDGEに近しいイメージの楽曲が収められている本作ですが、やはりしっかり歌える可憐なフィメールヴォーカルがもたらすサウンドイメージの違いは大きく、少しだけ米国ホラー・テイストを加えた差別化は本人的には大きな差かもしれないが実際はその差異は殆ど感じられないサウンドですので、既述のバンドのファンな方やCURSE BREAKERとBLADE'S EDGEが気に入ったダイハードなHMファンな方程にオールドスクールな本作のストレートでノスタルジックなB級マイナー80年代風HMサウンドを気に入る事だろう。

Sage Zavageのギター・サウンドばかり目立っていますが、実は本作の派手なメタリック・サウンドを陰で支えるベースプレイがなかなかに味わい深く本作のサウンドに目立たないがしっかりと良効果を与えていて、ゲストで手を貸している Omarchetzを是非とも正式メンバーに迎えて欲しい所だ。

Sage Zavage関連の音源ではお馴染みな、ミックスもマスタリングもプロデュースも Sage Zavage本人が一手に引き受けているワンマン制作体勢なのですが、クリーンなプロダクションなのは良いのですが全体的に至る所でチリチリとノイズが聴き取れるので、やはり複数の音楽プロジェクトを同時進行で演奏とスタジオ作業を何もかも自分一人でこなすには少し仕事量が多過ぎ(現在5つのバンドに在籍して平行活動を行っているらしい!)たのかもしれませんね…マスタリングかプロデュースの単純ミスかもしれませんが…

まぁ、終始騒がしいメタリックでヘヴィ・サウンドが鳴り響いているのでノイズもそう気にならないし、ノイズさえ味わいとして捉えて貰えるノスタルジックでアンダーグラウンドな音楽スタイルなのでそう騒ぎ立てる程の事でもないのかもしれません。

オールドスクールな80年代米国HMに強い影響を受けた今のご時世なかなかお目にかかれぬ弾きまくりのフラッシーなギター・プレイがフィーチャーされた可憐でパワフルな歌声を轟かすフィーメル・ヴォーカリストがフロントマンの疾走感満載なメロディアスHMがお好みな方に是非お薦めしたい本作であります。

Tracklist:
01. A Monster In Disguise
02. Princess Within
03. The Long And Lonely Fight
04. Heavy Metal Bomb
05. Whispers Of You
06. Tangled Web
07. Illumination
08. Bad Girl

BITTER VELVET Line-Up:
MaliKce       (Lead Vocals & Backing Vocals)
Sage Zavage   (All Instruments、Except Bass & Cello、Backing Vocals)

with:
Omarchetz    (Bass、Cello、Backing Vocals)


# by malilion | 2023-09-03 02:09 | 音楽 | Trackback

YES+ASIA×UKポップスなDOWNES BRAIDE ASSOCIATIONの待望5thアルバムがリリース!!

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DOWNES BRAIDE ASSOCIATION 「Celestial Songs」'23

元々はMTVで派手なデヴューを飾ったUKポップ・デュオBUGGLESのオリジナルメンバーで、惜しくも先頃解散したASIAのキーボーディストでもあり、近年はYESにも在籍する、プログレ系ミュージシャンとしてだけでなくポップ・ヒットメイカーとして80年代初期から第一線で活動を続ける Geoff Downesが、Christina Aguilera、David Guetta、Lana Del Reyといったアーティスト達の楽曲を手がけるトップ・プロデューサー、ソングライターとして活躍する英国人シンガー Chris Braideと組んだUKポップ・ユニットが前作より2年ぶりにCherry Red Recordsから3面デジパック仕様で5thアルバムをリリースしたのをちょい遅れてGET!

デヴューした当時は、プログレ、ポップ、ニューウェーブをベテランの風格たっぷりにMIXしたアダルト&モダンでシャレオツなメジャー路線の80年代への憧憬も露わなUKポップ・ロックを披露していたが、Geoff Downesのバックグラウンド的にプログレ&シンフォ的なアプローチのサウンドが徐々に色濃くなりつつあった流れが本作で加速し、メロウなヴォーカル・オリエンテッド路線を基軸にしつつも淡く英国叙情漂うウェットなモダン・サウンドが壮大なスケールで響き渡る、どこかノスタルジックで仄かにセンチメンタルな雰囲気漂うデジタリーなサウンドプロダクションが完全に叙情的で瑞々しい生音の数々に溶け込んでナチュラルでアコースティカルな感触の強い、プロフェッショナルな妙技の数々が活かされた軽快なシンフォ・ポップを披露してくれている♪ (*´ω`*)

意図的に音数を抑え、ゆったり柔らかな陽光が差し込むようなイメージのレトロで穏やかな感触に包まれる、まるで往年の名曲を耳にしているかの様な心の琴線を刺激しまくるポップでキャッチーな良曲が詰め込まれ隙無くコンポーズされたアルバムで、端々にモダンなタッチやアレンジが顔を出すものの総じて80年代回帰を思わすアナログ・サウンドの雰囲気と高揚感を漂わせているのが本当に素晴らしい。

巷に溢れる単なる80年代サウンドを表面的になぞった劣化コピー・サウンドまみれなシンセウェイヴ作等とは一線を画す、プロフェッショナルらしいハイレベルなスタジオ・ワーク、スタイリッシュで洒落たアレンジ、ハイクオリティで鮮やかなプロダクション、完全にシンフォ・ロックを一要素として楽曲に過不足無く落とし込みコンポーズしたサウンド、細部にまで気を払った出しゃばり過ぎぬ英国人ミュージシャンらしい気品とエレガント漂うプロデュ-スと、本当に文句の付けようがありません (゚∀゚)

単なるスムースなUKエレ・ポップ作として聞き流しても少しも雰囲気を壊す事が無いし、注意深く細部まで聴き込む程に新しい驚きや発見が隠されているシンフォ風味の隠されたスケール感の大きいヴォーカル・オリエンテッド作としても楽しめる、流石はキャリアもスキルも一級品な名うてのミュージシャン2人が揃ったコンビ作と納得しきりであります。

しっかりと前作同様にナレーションも導入してプログレ&シンフォっぽい物語性を高めつつも歌モノな印象の方が強い、けれど甘いストリングスに柔らかく包まれたノスタルジックなアルバムを聴き進めて行くとトータルで関連性あるコンセプトアルバムを聴き終えたかの様な満足感もある、単なる歌モノ・アルバムでは味わえない巧妙な仕掛けも施されている流石な仕上がり具合だ。

お馴染みの英国ミュージシャン達が前作同様に脇を支えておりますが、今回は新たに元IT BITESの英国人ヴォーカリスト兼ギタリストの Francis Dunneryがギターで客演するだけでなく楽曲創作にも一曲だけ関わっており、彼のファンだけでなく各ミュージシャンのファンな方々も見逃せぬ一作となっている。

やはり特筆すべきは前作から参加し、今回も随所で泣きまくりのエモーショナルなソロ・プレイやセンチメンタルでフックあるメロゥなフレーズ、絶妙なトーンコントロールの数々で楽曲に素晴らしい彩りと英国作らしい叙情香る陰影を生み出しているUKシンフォ&トラッド・バンドIONAのリーダーであり、CELESTIAL FIRE、THE STRAWBSにも在籍している Dave Bainbridgeの変幻自在なギター・プレイで、もう準メンバーと言って良いくらい本ユニットのサウンドに多大な貢献を果たしているように思えます。

プログレ、ポップ、ニューウェーブ風味だけでなく、マッタリとマイルドなAORアルバム的なタッチやレトロで枯れた味わいも楽しめる、80年代風サウンドに包まれたエモーショナルなフックと陰影が随所に刻まれた深みあるUKポップ・サウンドはなんとも言えぬ独特の魅力を放っており、分かり易いスピードやヘヴィさに刺激を求める若いロック・ファンには些か大人しく穏やか過ぎるアルバムに思えるかもしれませんが、ある程度年齢を重ねた80年代を知るロック・ファンな方ならば本作の堪らなく刺激的で心地よい完成度高いハイクオリティ・サウンドの虜になる事請け合いでありますので、ポップスやAORファン、メロディアス・ロック・ファンだけでなく穏やかなシンフォ系を好む方なんかにも是非聴いて欲しい、一線級のミュージシャンのプロの素晴らしい仕事ぶりで構築された本作は私の詰まらん御託なんぞ一ミリも必要ない、文句の無い傑作だ!

Tracks Listing:
01. Look What You Do
02. Clear Light
03. Keep On Moving
04. Darker Side Of Fame
05. Hey Kid
06. Will To Power
07. Heart Shaped Hole
08. Dear Petra
09. On The Run
10. Goodbye To You (Sister Shame)
11. Beyond The Stars

MUSICIANS:
Geoff Downes (Piano、Keyboards、Programming)
Chris Braide (Vocal、Piano、Keyboards、Programming)

With:
Andy Hodge       (Fretted & Fretless Bass)
Ash Soan        (Drums)
Dave Bainbridge     (Electric & Acoustic Guitars、Bouzouki、Mandolin、Keyboard Solo on Track 3)
Marc Almond      (Vocals、Duet Vocals on Track 4)
Tim Willer        (Additional Drums on Track 1、9、10)
Barney Ashton-Bullock  (Narration)
Francis Dunnery     (Arpeggio Guitar on Track 3)


# by malilion | 2023-09-02 02:03 | 音楽 | Trackback