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カナダのMARILLIONことRED SANDが1年ぶりに新作をリリース!!

カナダのMARILLIONことRED SANDが1年ぶりに新作をリリース!!_c0072376_00140818.jpgRED SAND 「The Sound Of The Seventh Bell」'21

“カナダのMARILLION”ことカナダはケベックのネオプログレ・バンドRED SANDが、前作から1年ぶりとなる10thアルバムをリリースしたのを少々遅れてGET!

前作で再びバンドメンツに変動があってトリオ編成になり、本作も前作と同じ顔ぶれで制作されていて、前作から一層にリーダーでギタリストの Simon Caron(Guitars、Bass、Piano、Keyboards)のワンマン体制が強化されたイメージのままなアルバムとなっている。

前作リリース後にオフィシャルサイト等でLIVE要員として参加した Andre Godbout(Bass)と鍵盤奏者 Jean Benoit Lemire(Piano & Keyboard)の名前が公表れていたがどうやら彼等はそのままバンドメンツに迎えられる事はなかった模様だ…とは言え、未だにLIVE要員として採用されてはいるので、もしかしたら次作で、という事はあるかもしれない。

デヴュー以来、MARILLIONのメロゥな部分だけ抽出して煮詰めたかのような“泣き”とメロディアスさのみを追求した木訥で真摯なプレイとサウンドが実に甘美だった彼等だが、前作から一気にPINK FLOYDカラーが強まり、所々でCAMELやGENESIS、そしてPENDRAGON等のポンプ系要素が顔を出す、Simon Caron個人が影響を受けた音楽要素が色濃く反映された繊細でセンチメンタルなサウンドへ変化したが、本作でもその路線に変化はなくMARILLIONよりPINK FLOYDカラー(非サイケ)の幽玄なテイストの方を強く感じるリリカルでウェットなメロディが味わい深い叙情感あふれるシンフォニック・サウンドが心地よい作風ながら歌詞は重い『七つの大罪』をテーマにしたコンセプトアルバムとなっている。

これからは“カナダのMARILLION”じゃなく“カナダのPINK FLOYD”って呼ばないといけないなぁ…(汗

朴訥なヴォーカルはいつものままに、テクニックよりフィーリングやエモーショナルさに重きを置いたアコギや歌うようにメロディアスなベースは意外な程に爽快感があって驚かされるが、一方で Simon Caronの操るメイン楽器であるエレクトリック・ギターはこれまで通りにメランコリックなやるせない雰囲気とロマンチシズム漂う儚く気怠げでムーディーな美旋律を繊細に紡ぎ続け、哀愁へと淡い幻想色に楽曲を染め上げていくMARILLION風からPINK FLOYD風へカラーが変化したもののRED SANDファンにとっては変わらず嬉しいサウンドと言えるだろう。

これまでどちらかと言うとゆっくりめのテンポでキャッチーでないナイーヴなメロディの楽曲ばかりだった彼等のサウンドに少々変化が見て取れ、幾分かテンポがアップし、さらにキャッチーでポップな感触が増したのと、切なくノスタルジックな情景を描き出すギターの後ろで良く動くベースと甘いシンセの旋律、そして今までに余り聴かれなかった変拍子や洒落たアレンジなどが相まってこれまで以上にサウンドから歌心が感じられ、そんな要素が不思議な化学反応を引き起こしたのか古臭いともモダンとも言い表し難い淡いドラマティックさ漂う80年代末期ポンプっぽいシンフォニック・サウンドを聴かせてくれている。

個人的に興味深かったのは、シンフォ・バンドだからと音楽形態にこだわらず、所々でヴィンテージ・タッチでメランコリックなメロディと朴訥な歌声のみで綴られるシンプルな楽曲も演奏して見せるなど、ポップス、ロック、プログレ要素を全てエレガントにMIXしつつサウンドに多様性を持たせ、テンポやリズムチェンジが多い魅惑的で起伏があって変化に富んだメロディを構築して見せる、如何にもプログレ系という実験的で挑戦的な試みを聴かせてくれた事でしょうか。

ただサウンドのクオリティがアップしたのと反比例するように、前作でも苦言を呈したが本作でもヴォーカルパートの印象が薄く、まぁシンフォ系なんだから別段驚くようなポイントでもないし実際ヴォーカルはしっかりフィーチャーされているし歌ってもいるけれど、Simon Caronのギターとキーボードが全編に渡って大活躍しまくる為か Steff Dorvalの巧い歌声が活躍しているイメージは薄く、ヘタウマなヴォーカリストが多い凡百のシンフォ・バンドに反してちゃんと歌えるフロントマンを擁していながら実に贅沢な使い方をしているなぁと思うわけです。

前作より明らかに楽曲の完成度の上がった甘々にメロゥで感傷的な美旋律シンフォ・サウンド系がお好みな方や初期MARILLION、PENDRAGON、ARENA、そしてPINK FLOYD等がお好みな方や叙情派ドラマティック・サウンド好きには見逃せぬシンフォ・バンドなのは間違いないので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。

RED SAND:Line-up
Simon Caron   (Guitars、Bass、Piano、Keyboards)
Steff Dorval    (Vocals)
Perry Angelillo  (Drums)




# by malilion | 2021-11-15 00:14 | 音楽 | Trackback

英国ワンマン・メロハー・バンドNEWMANが1年ぶりに新作をリリース!!

英国ワンマン・メロハー・バンドNEWMANが1年ぶりに新作をリリース!!_c0072376_17413968.jpgNEWMAN 「Into the Monsters Playground」'21

イギリス人マルチ・プレイヤー Steve Newman(Vo、G、Key)率いる英国産メロディアスHRバンドの1年ぶりとなる13th(LiveとBEST含まず)がリリースされたのを、今度こそ日本盤あるかもしれないとちょっと待ってみたけどそんな気配が無い(涙)ので遅れて今頃GET!

プログレッシヴHMバンドCOMPASSの立ち上げでNEWMANの方の活動が滞るのかと思ったら全くそんな事もなく、予想以上に早くコンスタントに新譜が届けられてメロハー・ファンな諸兄には嬉しい事でしょう。

製作メンツはいつも通り、今回も06年作からずっとアルバム収録に名を連ねるドラムス Rob McEwenのみ引き続き参加しているだけなワンマン体制に変化はなく、前作にバッキングヴォーカルでゲスト参加していた元PRAYING MANTISのヴォーカルだった Mark Thompson-Smithのクレジットも無い、殆ど Steve Newman独力で制作されたアルバムだ。

前作から幾分AOR風味抑え気味でハードエッジを際立たせた、メロディアスでキャッチーなサウンドに傾きはじめたが本作でもその路線を継承しており、ツボを心得た弾き過ぎぬテクニカルでセンスあるギターをメインに据え、小気味よく煌びやかなキーボードと練られたアレンジ(そこはかとTOTOっポサが匂う)が光る、フックの効いたヴォーカル・メロディを前面に押し出した高品質なメロディアスHRサウンドを届けてくれている。

伸びやかでエモーショナルな Steve Newmanの熱唱とAOR経由でより洗練されたメロディアスなHRサウンドがアルバム全編を彩っており、メロハー・ファンにお馴染みな安心安定の高品質サウンドに仕上がった本作は、斬新な試みや新たな音楽的要素を加える事もなくアル意味で楽曲展開も大抵が予想がつくマンネリ作とも言えるが、同一路線のまま手を変え品を変えよりハイレベルでコンポーズされた楽曲をプロデュースし創作し続けるのは至難の業である事はAOR&メロハー系ファンにならば周知の事実でありますので、彼の作品をこれまで購入し支えて来たファンにとって本作の出来に些かも否定的な評価を下す要因にはならないでしょう。

一聴してNEWMANと分かるキャッチーなコーラス、活気に満ちたフック、そしてブライトなメロディーと、コンパクトなモダン・サウンドへ進化した80年代後期USAロック風な楽曲という定番路線をキープしつつ、シンプルでありながら繊細な美旋律と絶妙のアレンジが施された、より骨っぽくエッジの効いた歯切れの良いサウンドを前面に推し出しながら突き抜ける爽快感と熱い躍動感を巧みに交差させ、ぱっと聴きシンプルでストレートな楽曲ながらその実しっかり隅々まで練り込まれたヒットポテンシャルの高い楽曲がズラリと並ぶ本作は、間違いなくメロハー・ファン歓喜の一作であります(*´ω` *)

まぁ、余りにバランスを重視した完成度に重きを置いた創りなので『メロハーの会心作か?』と問われると少々刺激が足りぬアルバムという難癖はつけられるかもしれないし、些か楽曲やサウンドの幅が狭いと感じてしまうかもしれません…やはりワンマン体制ではビックリする斬新な変化というのは難しのかもしれませんね。

とまれ、NEWMANは常に良いキャッチーなメロディアス・ロック作を保証してくれているし、この手の音楽ファンならば盲目的に本作を購入しても、決して失望する事はないと断言できます。

これだけ優れたアルバムをクリエイトしているのにも関わらず国内盤が見送られているのは、やはり97年にデヴューしてからずーっと Steve Newmanのソロ・プロジェクトという本バンドのスタンスやメンバーが固定でない状況が何らかの要因になっているのでしょうか…?

メロハーファンならずとも彼等のファンにとっても安心の一作なのは間違いありませんので、ご興味あるようでしたら是非一度チェックしてみて下さい。



# by malilion | 2021-11-14 17:41 | 音楽 | Trackback

スペインの美神 AMAROKが11thをリリース!!

スペインの美神 AMAROKが11thをリリース!!_c0072376_21262138.jpgAMAROK 「El Ojo Del Mundo」'21

艶やかで透明感ある美声フィメールヴォーカルをフロントに据え、リリカルなフルートと繊細なアコギ、そして優美なピアノを交えてミステリアスなメロディを叙情感タップリに紡ぐエキゾチックかつファンタジックなフォーキー・サウンドでその名を知られた、スペインはカタルーニャを拠点に活動するシンフォニック・フォークバンドの新作が6年振りにリリースされたのを、かなーり遅れてGET!

1994年デビュー以来幾度もメンバーチェンジを繰り返してきた彼等だが、前々作『Sol De Medianoche』'07リリース後にバンド内で何やらゴタゴタがあった結果、中心人物 Robert Santamariaが別バンドを始めるなどLIVE盤リリースで活動がひと段落したのかのようにAMAROKの活動が停滞し、8年ぶりにリリースされた前作『Hayak Yolunda』'15でもメンツが大きく変わっていたが、6年ぶりにリリースされた本作でも再びメンツが大きく入れ替わっており、ヴォーカル、キーボード、ベース、フルートが残留し、本作では再びギターレスの編成な上にハーディ・ガーディ(フランスの民族音楽や現代ハンガリー音楽で使用される機械仕掛けの手回しヴァイオリン)奏者とトランペット奏者を新メンバーとして迎え、さらに新ベーシストが加入した新生7人編成での制作となっている。

新たに迎えた専任奏者が操る楽器を見るだけで本作のサウンドの毛色がこれまでと些か違うのが予想出来るが、前作までは着実に音楽性の幅を広めつつデヴュー以来研鑽を続けてきた地中海音楽やJAZZ、民族音楽等の多種多様な要素等を取り込んだフォーキー・シンフォ・サウンドに、本作は変拍子を交えたパーカッシブなボトムにJAZZ風味が増し、さらにこれまでにも聴けたメロディアスで叙情的なシンフォニック・ロックをベースに、妖艶なフィメール・ヴォーカルと繊細で朴訥な響きの生楽器を多用しつつ、スペイン産バンドらしい情熱的なメロディと哀愁を湛えた美旋律とバナキュラーなリズムを交えた異国情緒香るアコースティカル・サウンドの新境地を展開する意欲作だ。

ちょっと聴きシンフォなテイストが薄れてアラビックでエキゾチックな非エレクトリックの民族音楽か何かのように聴こえて驚かされるが、聴き込むとしっかりとお馴染みのメロトロンも唸りを上げるシンフォ・テイストなキーボードが細部でフィーチャーされており、これ系統では中々お目にかかれない土着音楽系フォーキー・シンフォの傑作アルバムなのは間違いない('(゚∀゚∩

音圧低めで楽器の自然な鳴りを活かした隙間が感じられるフォーキー・サウンドは、フルート、シンセ、ピアノ、アコギ、ハーディ・ガーディ、シタール、ハープ、ヴァイオリン等に加え、本作のサウンドを異国情緒に染め上げているトルコの弦楽器カーヌーンを始め、サントゥール、サズ、タールが奏でるトルコ風味やイラン風味もゲスト奏者も招いて交え、さらにトランペットやパーカッションなど多彩な楽器が織り成す驚く程に色鮮やかで繊細なサウンドで、民族音楽をベースにありとあらゆる手法を駆使して変拍子やプログレッシヴなアレンジをも巧みに融合させた、これまでのシンフォ・ベースなバンドサウンドから民族音楽ベースなサウンドへ全体の比重を大きく傾けたキャリア27年にして果敢に挑んだ実験作と言えるだろう。

軽やかなフルートと鄙びた音色を響かせるハーディ・ガーディ、そして艶やかなヴァイオリンに導かれるようにしてファンタジックに展開していく本作で一番分かり易いこれまでのアルバムとの差異は、明らかに Marta Segura嬢のヴォーカル・アプローチが変化している点で、これまでのロック的なソウルフルな歌唱やシンフォ系定番な透明感あるソプラノをメインにせず、朗読のような滔々と歌い上げる祝詞や讃美歌風の神秘的なイメージを漂わせつつ、それでいてどこか妖艶で奇声やスキャットも交えた扇情的な歌いまわしがエキゾチックなサウンドに絡みつく旋律のように響き渡り、それが土着的な匂いを振り撒くフォーキー・サウンドと交わってミステリアスで幻想的な雰囲気を一層に増させ、これまで知らなかった Marta Segura嬢の新たな一面を初めて耳にする事が出来て実に新鮮な驚きでありました(゚∀゚)

これまでAMAROKがその他の凡百のフィメールヴォーカル・シンフォバンドと違っていたのは、スペイン特有なパッションを感じさせる激しいリズムとハードロックばりの熱唱を聴かせる Marta Segura嬢のパワフルさも内包した幅広い歌唱がその他のシンフォ・バンド達とひと味違う所だった訳だが、本作ではそういったシンフォ系プログ・バンド達と決別した新世界へ足を踏み入れた感があるヴォーカル・アプローチへ挑戦している点も聴きどころの一つでしょう。

幾分かこれまでのアルバムより民族音楽要素が強く感じられる一作ではありますが、彼等のファンならば間違いなく本作の独創的でミステリアスな美旋律に魅せられる事でしょうし、彼等の作品を耳にした事が無い方でも、エキゾチックなフィメール・ヴォーカルものファンな方や美しいフォーキー・サウンドがお好みな方なんかにもお薦めな一枚でありますので、ご興味あるようでしたら是非一度チェックしてみて下さい。


AMAROK:Line-up
Marta Segura     (Vocals)
Robert Santamaria  (kanun、Saz、Tar、Santur、Keyboards、12 String Guitar、Autoharp、Glockenspiel、Accordion、Percussion)
Manel Mayol     (Transverse Flute、Didgeridoo)
Pau Zanartu     (Drums、Electronic Hang)
Marc Egea      (Hhurdy-Gurdy)
Tarik Smith      (Trumpet)
Miguel Arce      (Bass)

With:
Victor Estrada   Theremin
Coloma Bertran   Violin
Nuria Martinez   Palms



# by malilion | 2021-10-30 21:26 | 音楽 | Trackback

アメリカン・メロディアスHRバンドVALENTINEがデヴュー作リリース後の90年代にレコーディングしていたDEMO音源がリリース!!

アメリカン・メロディアスHRバンドVALENTINEがデヴュー作リリース後の90年代にレコーディングしていたDEMO音源がリリース!!_c0072376_11203097.jpegVALENTINE 「Demos From The Attic -Limited Edition-」'21

1986年にニューヨーク州ロング・アイランドで結成されたキーボード入り5人組アメリカン・メロディアスHRバンドがセルフタイトルのデヴュー作を1990年にリリースし、アルバム・フォローアップ・ツアー終了後に2ndアルバムの為にレコーディングしていた89年~92年制作の未発表DEMO音源13曲が、90年代のLIVERショウとプロモ・ヴィデオのメイキング映像を収録したDVD付きの2枚組み仕様で500枚限定リリースされたのを、少々遅れてGET!

デヴュー作リリース後にレーベルの指示でバンド名をOPEN SKYZへ変更(デヴュー作のリリースもレーコード会社のゴタゴタで一年遅れと、どうにも彼等はツイてなかった…)して、産業ロック風味が強まった作風のアルバムを93年に制作する前にバンド創設者の一人であるオリジナル・ドラマーの Neil Chrstopherは既に脱退しセッションで参加しており、08年に突如ドラムスを除くオリジナル・メンバーで再結成しリリースした『Soul Salvation』でも彼は参加していないので、本作が彼の叩くドラム音源の最終作となってしまったのは残念だ。

暗黒のグランジー時代に彼等のようなメロディアスHRバンドの居場所が無かったのは既に何度も述べて来たが、バンド消滅後フロントマンの Hugo Valentiは英国のレーベルと契約しソロアルバムを現在までに三枚リリースしており、そのソロアルバムには旧友であるVALENTINEのメンバーがゲストで招かれて華を添えてきたが、それ以外で元メンバーの活躍を再結成まで聞く事はなかった訳だからVALENTINE再結成は Hugoファンのみならずバンドメンツのプレイが気に入っていたファンにも嬉しい事だろう。

アメリカのVALENTINE(オランダのQUEENマニアな“彼”がこのバンド名を欲しがったのは有名)と言うと、フロントマンの Hugoのヴォーカル・スタイルが元JOURNEYの Steve Perryにそっくりなハイトーン主体の歌唱なのが話題(個人的に黒っぽさも薄く、よりシャープでストレートな Hugoの歌唱はそんなに似てるように聴こえないんだが…)になりがちだったバンドだが、その辺りも考慮してか本作に収録されている音源での歌唱は Steve Perryっポイ歌唱から幾分か距離を取ったヴォーカル・アプローチも聴かれ、チラチラとLED ZEPPELINの Robert Plantっポイ歌唱やシャウトや様々な歌唱スタイルを披露し、彼のバックボーンが Steve Perryだけじゃないのがハッキリと分るDEMO音源と言えよう。

本作収録の楽曲の方向性は明らかにデヴュー作と同系統な、DOKKEN風な小気味の良く切れ味鋭いバッキング・プレイとメロディアスなリードギターに煌びやかなシンセが絡んで楽曲を飾り立てる、Hugo の透明感あるハイトーン・ヴォーカルをメインに据えたコンパクトでキャッチーなメロディアス・アメリカンHRで、米国バンドらしいドライな叙情感と80年代から続く爽快コーラスをフィーチャーした王道アリーナロック・スタイルの楽曲が収められており、バンド創設者の一人であるオリジナル・ギタリストの Adam Hollandが語る所によるとデヴュー前からの古い楽曲も含まれていると言う事なので意識せずともバブリーでキャッチーな80年代風のアメリカンHRテイストが楽曲に漂っているのだろう。

またライナーには二曲サントラに1st後の新曲(アルバム未収録曲)を提供したとメンバーが語っているが、詳しい情報が無いので仔細判明しません…orz

再結成作の『Soul Salvation』は時代を考慮してかモダンなフィーリングが全編に渡って増しており、また Hugoのヴォーカルのキーも経年の影響か意図的にか低く以前のような突き抜けるハイトーンを余り聴かせてくれないなど、まんま80年代後期の空気を刻みつけた本作の楽曲より楽曲の完成度やアレンジの巧妙さ、そしてスケール感や成熟度は増しているが、やはり彼等には本DEMO作のようなブライトで朗らかな80年代風のメロディアスなアメリカンHRを演って欲しいと思ってしまうのはファンの悲しい性ですかね(汗

因みに本作に2021年リリースのシングル曲『Heart Of The City』が収録されており、再結成作の流れを汲むミッドテンポな佳曲でちょっとソコだけは残念だけど、まだちゃんとバンドが存続している事を示してくれている。

てか、再結成作は意図してかHugoのヴォーカルに Steve Perryっポイ風なヴォーカル・アプローチがやたら耳につく(なんで今頃!?)のがホントいただけないんだよなぁ…

OPEN SKYZは激変した90年代中期のメジャー・シーンの潮流に抗うべくメロハーからよりポピュラリティーの高いコンテンポラリー・ミュージックやエスニックなアレンジ、そしてカントリー・ミュージックへの接近のみならずグランジーなダルさも取り込んだヌー・メタル風味までもある幅広い音楽性の意欲作ではあったと思うが、アメリカが最悪なグランジーの闇に覆われなければ今回リリースされたDEMOの方向性で2ndがVALENTINEとして別レーベルからリリースされていたのかと思うと、こんな素晴らしい音楽が長年屋根裏で埃をかぶって放置されていたという事実と今の糞みたいなラップに支配されたアメリカのミュージック・シーンのあり方に疑問を感じてしまいますね。

DEMO音源なので所々でヨレやノイズ、左右のバランスがおかしかったり音質が優れない箇所も有りますが、栄光の80年代の残り香をまとったメロディアスでそこはかと哀愁を漂わす素晴らしい楽曲の出来栄えになんら悪影響を与えてはいないので、彼等のファンのみならず90年代初頭のメロディアス・アメリカンHR好きな方は迷わず本作を先頃デヴュー作もリマスターでリイシューされたのと合わせて入手しておきましょう。


VALENTINE Line-Up:
Hugo        (Lead Vocals)
Neil Christopher   (Drums)
Adam Holland    (Guitars)
Craig Pullman     (Keyboards)
Gerard Zappa    (Bass)


# by malilion | 2021-10-26 11:20 | 音楽 | Trackback

北欧メロディアスHRバンドの古豪、M.ILL.IONがアルバム・デヴュー30周年記念盤BESTを10年ぶりに復活リリース!!

北欧メロディアスHRバンドの古豪、M.ILL.IONがアルバム・デヴュー30周年記念盤BESTを10年ぶりに復活リリース!!_c0072376_19202744.jpgM.ILL.ION 「Back On Track」'21

90年代の昔、今は亡きゼロコーから国内盤アルバムがリリースされていた B.J Laneby(Bass)率いるキーボード入りツインギター6人組の北欧スウェーデン産メロディアスHRバンドM.ILL.IONの、前作『Sane & Insanity』'11 以来約10年ぶりとなる再始動第一弾アルバムをちょい遅れてGET!

89年にバンドを結成し、デヴュー・アルバムを92年にリリースとすっかりベテランの域な彼等ですが、どうも前作リリース後に再びバンドに危機が訪れ、この長い長いインターバルの間は活動停止状態であった模様だ。

これまで幾度もレーベルを移籍しているバンドは、その都度にBEST盤や新曲と旧曲のアコースティツク・ヴァージョンによるEP等、リリース済みの音源に未発曲やヴァージョン違い等を追加し装いを変えてアルバムをリイシューしたり企画盤をリリースしてきたが、今回の再始動にあたって、三曲の新曲と、二曲のデヴュー・アルバム収録曲のリ・レコーディング&リ・アレンジ、さらに日本盤2ndのボーナストラックだった楽曲や、最初の3枚のアルバム『No.1』『We、Ourselves & Us』『Electric』の楽曲をリミックス&リマスターを施した音源を含む、デヴュー・アルバム・リリース30周年記念企画2021年度BEST盤をドイツの有名レーベルAOR Heavenと契約し、ユーロ圏でいち早くリリースしたのが本作となっている。

注目なのは、89年のバンド結成以来常にメンバーが流動的であった彼等だが、唯一のオリジナル・メンバーでボスある B.J Laneby(Bass)を中心に再始動にあたって再びメンバーチェンジが行われており、Hans Dalzon(Vocals)、CT Rohdell(Guitars)、Marcus Berglund(Keyboards)、B.J Laneby(Bass)というオリジナルメンバー4人が再集結し、そこに新顔である Henrik Andersson(Guitars)、Magnus Rohdell(Drums) の2人が加わった新6人組編成で本作は制作されており、初期M.ILL.IONファンにとっては見逃せない情報だろう。

前作『Sane & Insanity』で新たに加わったメンツの姿やメロディアス・ロック不遇の90年代から00年代のバンドを支えたメンツの姿が無いのが少々残念ではあるが、フロントマンも含めて総取り換えでリユニオンを B.J Lanebyが画策したと思われるし、この長いインターバルをバンドの為にじっと待っている訳にも行かなかっただろうから、これは仕方がないですよね…

さて、待望の新曲の方はと言うと、わざわざオリジナルメンツを含む新編成で制作されたファンの望む通りなサウンドと言え、彼等が初期に披露していたDEEP PURPLEやRAINBOW、WHITESNAKEなどのオーセンティックでオールド・スタイルなHRサウンドをベースに北欧的なエッセンスをまぶしつつ、今のバンドらしいモダンな感触も付け加えられたハードドライヴィンなメロディアスHRサウンドで、時代を考慮してか幾分かヘヴィでメタリックなハード・サウンドに寄せているが、お約束の重く歪んだオルガン・サウンドがウネって大活躍し、彼等お得意の分厚く爽快なコーラスやギターとキーボードのユニゾンもしっかりフィーチャーされており、新メンバーである Henrik Anderssonの弾く初期RAINBOW風なミステリアスなフレーズや、URIAH HEEPを彷彿とさせる粘っこいギター・サウンドが実にいい味を出していて、如何にも80年代北欧風なそのウェットなメロディアスHRサウンドが実に堪りませんデス♪(*´∀`*)ハイ

新曲はちょっと聴き90年代にユーロ路線へ回帰しだした当時のURIAH HEEPっポク聴こえ(Hans Dalzonのヴォーカルが経年の為か以前にも増して Bernie Shawっポク聴こえるんだよなぁ)たりして、HEEPファンでもある自分としては是非このモダンでキャッチーな方向性で次なる正式な再始動アルバムを制作して欲しいと願ってしまいました('(゚∀゚∩

1stの再録曲の方はオリジナルとの違いが顕著に表れており、最も違って聴こえるのはヴォーカルの Hans Dalzonがオリジナルで聴けたような溌剌としたハイトーン・ヴォールで歌っておらず、バンドも彼のキーの下がったヴォーカルに合わせてダウンチューニングしたサウンド(煌びやかなシンセも消えてる…)を鳴らしており、今風のヘヴィで図太いサウンド・アプローチとも受け取れるが、オリジナルの如何にも洗練されていない青臭く不器用で朴訥な歌やサウンドより断然今回の再録の方がサウンドもプレイもレベルは上なものの、個人的には今回の再録曲の仕上がりは爽快感のあったオリジナルに及ばないイマイチな出来だと思えます…

既発曲のリミックス&リマスターの仕上がりの方は、いずれも高い評価を得ているアルバムからチョイスされただけあって耳を惹くメロディやアレンジ、そして売りの分厚いコーラスがちょっと強調されている風に聴こえ、アップデートされて今風にヘヴィなエッジとボトムを増した骨太サウンドも相まって、まさに不遇の90年代を生き抜いたクラシック・メロディックHRサウンドの輝きに満ちており、彼等を知らぬ今の若いHRファンに本作の80年代から脈々と受け継がれてきた北欧HRサウンドを是非聴いて欲しいものだ。

今風なリミックスやリマスターを施した為か、当時は余り感じなかった彼等の持つメランコリックな北欧バンドらしいウェットで叙情感あるメロディや、小洒落たアレンジがより一層に引き立って新鮮な感動をもたらしてくれ、彼等のオリジナル・アルバムをお持ちの方も是非に本作のクリアーでソリッドに生まれ変わったサウンドを一度チェックして頂きたいものであります(゚∀゚)

Track List:
01. Back On Track     (New Song)
02. Rising           (New Song)
03. Circle Of Trust     (New Song)
04. 90-60-90        (2021 Re Recording Track)
05. Sign Of Victory     (2021 Re Recording Track)
06. Judgement Day     (Remastered 2021)
07. Eye Of The Storm    (Remastered 2021)
08. Narrow Mind Land   (Remastered 2021)
09. Lovely Eyes       (Remastered 2021 -Only Japan Bonus Track at The Time )
10. Burn In Hell      (Remastered 2021)
11. Doctor Loov      (Remastered 2021)
12. Mother Earth      (Remastered 2021)
13. Get Down To Biz    (Remastered 2021)
14. Tear Down The Walls  (Remastered 2021)
15. Candyman       (Remastered 2021)

M.ILL.ION Line-Up:
B.J“Berra”Laneby    (Bass Guitar)
Hans Dalzon     (Lead Vocals)
CT Rohdell       (Rhythm Guitars、Backing Vocals)、
Marcus Berglund   (Keyboards)
Henrik Andersson   (Lead Guitars、Backing Vocals)
Magnus Rohdell    (Drums、Percussion、Backing Vocals)

P.S.
所でフロントマンの Hasse Johanssonだが、現在のバイオグラフィーでは Hans Dalzonという名前となっており当時と何故名が違うのか理由は不明だ。



# by malilion | 2021-10-11 19:20 | 音楽 | Trackback