人気ブログランキング | 話題のタグを見る

スパニッシュ正統派HMバンドRAVE IN FIREの待望のデヴュー・アルバムを今頃ご紹介。

スパニッシュ正統派HMバンドRAVE IN FIREの待望のデヴュー・アルバムを今頃ご紹介。_c0072376_15270502.jpg

RAVE IN FIRE 「Sons Of A Lie」'22

HMマニアの間で噂のスパニッシュ・メタル・バンドKRAMPの元ギタリスト Jonjo Negreteが2015年にドラマー Jaime "Jimi" Susannaと共に結成した4人組スペイン産正統派HMバンドによるデヴューEP『Chronicle Of A Timeless End』'18 に続く待望の1stフルレンス・アルバムを、去年の春頃にリリースされていたのに今頃ご紹介(汗

うっかり購入チャンスを逃して後手後手に回り、結局今頃にバンドから直接購入するハメ(汗)になってしまったのですが、意外にマーチャンダイズ担当なのか美貌のベーシスト Sara Carretero嬢と丁寧なメールで何度かやり取り出来たのが嬉しい誤算でした(*´ω`*)

さて、インディ・レーベル The Fish FactoryからリリースのCD-R製デヴュ-EP『Chronicle Of A Timeless End』では男性ヴォーカリストを擁するツインギター5人編成バンドでしたが、このデヴュー・アルバム作制作前にメンバーチェンジが勃発した模様で、声質も歌い方もモロにJUDAS PRIESTの Rob Halfordフォロワーな Guillermo Alonso (ex:NEMESIS)に代わって同郷のゴシック・フォーク・メタルバンドDUENDELIRIUMで現在も男女ツイン・フロントマンを務めている強面な姐御シンガー Selene Perdiguero嬢が迎え入れられ、さらに相方ギタリストが抜けてシングルギター編成になり、ベーシストも Alejandro RamosからKRAMPにまだ在籍中の女性ベーシスト Sara Carretero嬢へチェンジと大幅なバンド編成改革が行われた様だ。

まぁ、元々ツインギター編成時代から相方ギタリストが安定しなかったりと Jonjo Negreteと Jaime "Jimi" Susannaの中心二人さえ居ればOKな状況だった模様なので別段メンバーチェンジに今さら驚く事もないのだろうが、モロにJUDAS PRIESTの影響を感じさせるオールドスクールでストレートな80年代正統派HMサウンドを演っていただけに Rob Halfordフォロワーな Guillermo Alonsoの離脱は痛手かと思ったら、後任の Selene Perdiguero嬢はフィメール・ヴォーカルと思えぬ堂々とした迫力ある歌いっぷりで、JUDAS PRIESTからWARLOCKへサウンド・イメージが変化したものの同じくブリティッシュHMの影響を感じさせるストレートな正統派HMサウンド(アルバム・イントロ聴けばJUDASの影響大とモロ分かり)を演っているので、デヴュー作で彼等の80年代ブリティッシュHMバンド群を思わせるいぶし銀サウンドが大好きだったメタルヘッドな諸兄も一安心な事だろう。

ちょっと掠れたハスキーでパワフルな歌声を聴かせる Selene Perdiguero嬢の、ガチムチの大柄な体躯の圧巻の佇まい(汗)と正統派HMバンドのフロントマンに相応しい伸びやかでストロング・スタイルなヴォーカルに加え、髭面の野郎ばかりでムサ苦しくイマイチ垢抜けなかったバンドのルックスを、新ベーシストの Sara Carretero嬢の美貌と共に華やかにする効果をもたらしていて、サウンド以上にバンドにメジャー感を与える大きな貢献しているように思えます。

DUENDELIRIUMでは仮装や仮面や中世風ドレスを身につけた芝居がかったステージングや大仰なサウンド、そして朗読するかの如きヴォーカルやオペラチックな歌唱スタイルなどを聴かせ、こんなにバリバリにパワフルでストロングなHMヴォーカルを Selene Perdiguero姐御が歌えるとは思えぬイメージだったのですが、ちょっと面倒臭いアプローチな歌唱をメインにしてるDUENDELIRIUMと違って思うがままにガナリ立てられる(汗)RAVE IN FIREでのヴォーカル・パフォーマンスの方が、心なしか活き活きして聴こえるのは私の気のせいですかね?(w

ミッドテンポでどっしりヘヴィに攻めるJUDAS PRIESTスタイルのEPからスピーディーでよりメロディアスな要素とモダンなタッチが加味された本作、フィメール・ヴォーカルをフロントマンにした事でEPに無かったしなやかでクリーンな歌声が加わり、さらに Sara Carretero嬢のテクニカルでブイブイ唸りを上げるメロディアスなベースが大幅に楽曲の質を向上させ、些かマイナーでアンダーグラウンンドな臭いを漂わせていたEPのサウンドより一気にメジャー指向とブライトな感覚がサウンドに増しており、EPが好きだった方は70年代~80年代初期のJUDAS PRIESTのサウンドが好きだった方向けだが、本作は80年代中期以降から90年代に入る前のJUDAS PRIESTサウンドや80年代WARLOCKがお好きな方に嬉しいサウンドと言えるだろう。

やはりツイン・リードに拘っていたEPのギター・サウンドより、シングル・ギターになって自由奔放に弾きまくれる事が功を奏したのか、本作での Jonjo Negreteのギター・プレイの方が勢いを感じ、スピードとテクニックを兼ね備えた変幻自在な切れ味鋭いリフやアグレッシヴなバッキング、そして耳を惹きつけるグルーヴィーでメロディアスな叙情感あるフレーズ、さらにキメキメなギター・ソロパートの格好良さとスリリングさは格段に上がっており、その意味でも80年代中期以降のメジャー・シーンを席捲した派手なギター・ヒーロー的アプローチも楽しめる、80年代黄金期HMを愛するメタル・ファンなら誰でも破顔するだろう素晴らしい演奏を披露してくれている。

無論、RAVE IN FIREはJUDAS PRIESTとWARLOCKのコピー・フォロワー・バンドではないので、NWOBHMのバンド達やDOKKEN、DIO等の80年代メジャー・シーンを湧かしたオールドスクールな米国HMバンド群からも影響を受けたメタル・サウンドなのが垣間見えるだけでなく、やはり大きいのは Selene Perdiguero嬢が持ち込んでいるだろう朗らかでメジャー指向なキャッチーでフックある英詞のエモーショナルな歌メロで、バックの正統派80年代ブリティッシュHMサウンド要素と上手い具合にMIXされ、さらに現代風なモダンなタッチも随所で隠し味的に顔を出す事でRAVE IN FIREならではの2020年代に相応しいユーロ圏バンドらしいウェットな叙情が漂うダークでヘヴィな正統派HMサウンドを構築する事に成功しているように思えます。

強面だけど意外にセンチメンタルで穏やかな歌声も聴かせる Selene Perdiguero姐御のヴォーカルが思いの他にマイルドな感触や繊細なタッチ、そして引きの優美な叙情感を楽曲に生んで押し一辺倒でない様々な表情を楽曲に与えているのは、髭面な野郎だけのバンドには無いフィメール・ヴォーカルならではの強みでもあるだろう。

唯一苦言を呈するとしたら、サウンドは格好良いんだけどアルバム・ジャケのチープなセンスだけはいただけませんなぁ…もうちょいジャケット・デザインにも気を使って欲しいなぁ~(´д⊂)

残念な事に本作はポーランドのSkol Recordsのサブ・レーベルIron Oxide Recordsより500枚限定リリースとなっておりますので、DL嫌いの現物主義な方は早々に購入せねば入手不可能なレア・アイテムと化してしまう、インディ・バンド故のバジェット問題とは言え素晴らしい出来栄えのアルバムが多くの人々の手に行き渡らぬ状況は悲しい事ですネ…

音だけ聴くとスペイン産バンドとは思えぬブリティッシュ・テイストや80年代正統派欧米HMバンドを思わす英詞ヴォーカルやメロディアス・サウンドを鳴らすバンドなので、マニア受けで終らすには惜しいメジャー指向な格好良い彼等のHMサウンドを是非一度チェックしてみて下さい。

Tracks Listing:
01. Shout
02. Sons Of A Lie
03. Bite The Fire
04. The Healer
05. Never Forget
06. Set Me Free
07. Memories
08. The Last Night

RAVE IN FIRE Line-up:
Jonjo Negrete     (Guitars)
Jaime "Jimi" Susanna  (Drums & Backing Vocals)
Sara Carretero     (Bass)
Selene Perdiguero   (Lead Vocals)



# by malilion | 2023-01-21 15:30 | 音楽 | Trackback

80年代中期USカルト・メロディアス・バンドMERE MORTALSの遺したアルバム2枚がオフィシャル・リイシュー!!

80年代中期USカルト・メロディアス・バンドMERE MORTALSの遺したアルバム2枚がオフィシャル・リイシュー!!_c0072376_00595536.jpg

MERE MORTALS 「Omnia In Numeris Sita Sunt. + 4」'22

メロディアス愛好家の間では有名な短命に終った米国カルト・バンド、キーボード入りツインギターの5人組ニュー・ヨーク産メロディアス・ロックバンドが1986年、87年に残した2枚のレアなアルバムがマニア御用達レーベルHeaven & Hell Recordsより500枚限定オフィシャル初CD化リリースしたのを少々遅れてご紹介。

一説には1986年にNYのIce Productionsレーベルからプライベート・プレスで1000枚発売された同年にCDもリリースされていたという話があるらしいのですが、Bootなのかレコード会社向けのプロモ盤なのか何もかも未確認な情報なので真相は闇の中であります(汗

今回のリイシュー盤はちゃんと元メンバーでリーダーの Bob Francis Acquavivaがコメントを寄せているオフィシャル盤な上に当時未収録であった1st『Omnia In Numeris Sita Sunt.』録音時の未発楽曲がボーナストラックで4曲追加収録されていますし、2nd『Immortalized』の方にも当時のコンピレーション・アルバムへ提供されたアルバム未収録曲が1曲追加収録されているので、レアなオリジナルLP盤をお持ちな方も見逃せぬオフィシャル・リイシュー&リマスター盤となっているのでチェックをお忘れなく。

元々、80年代初期にニューヨーク州北部のクラブサーキットで活動していたマイナーなインディHMバンドLUFTWAFFEがMERE MORTALSの原点であった。

LUFTWAFFEでの活動に限界を感じていたリーダーでギタリストだった Bob Francis Acquavivaは、バブリーで華やかな時流に即したキーボードを中心としたキャッチーなフックとハーモニーのある楽曲を中心に、より大人向けなAOR要素も加味した新しい方向のサウンドを演るバンドを新に立ち上げようと画策し、当時のドラマー Carl Ambtoselliが怪我をしていた為ヘルプのドラマー Tony Stoneを招いて1985年夏に最後のギグを行うとバンドは解散し、そのまま Carl Ambtoselliは抜けてヘルプだった Tony Stoneをドラマーに迎えた新バンドは活動を開始する。

最初、新バンドの名はWHITE NIGHTとなる予定であった。

リーダーでギタリストの Bob Francis Acquaviva、ベーシストに Paul St. James、ヴォーカルに David Paul SlifeのLUFTWAFFEラインナップはそのままに、ドラマーに Tony Stoneを加え、スタジオで新曲の録音を友人の助けを借りて開始する。

最初、バックコーラス要員として Vince Cavoをレコーディングに参加させるが結局メンバーになり、キーボーディスト兼ギタリストとしてバンドサウンドの質を上げアレンジの協力に大きく貢献する重要なメンバーになった事や、当初レコーディングした曲はどれもヒットする気がしなかったので気分転換にリゾート地へ出かけて『Laura』なるシングル向けの曲を捻り出した等々、Bob Francis Acquavivaによってブックレットの回顧録で語られている。

レコーディング終了後、ベーシストの Paul St. Jamesが脱退し、代わってニューヨークで人気ツアー・バンドのメンバーだったベーシスト Bill Carmanを迎え入れ、バンド名を“(神に対して)普通の人間”という宗教的なテイストを感じさせるものに正式に決め、アルバム・タイトルもラテン語で“全てが数に覆われている”という当時 Bob Francis Acquavivaが数秘術にハマっていた事からミステリアスなバンド・イメージを与える目的で決めたと本人が明け透けに語っていて面白い。

記念すべきデヴュー作は、総じてアメリカ産バンドらしいドライな感触のサウンドながら、お洒落なキーボードもさりげなくフィーチャーされた翳りのあるアーバンテイストな洗練されたメロディアスなサウンドで、TRAPEZEやURIAH HEEPのフロントマンを務めた英国人シンガー Peter Goalbyをちょっと甲高くしたような声質でミドル・レンジ主体に歌い上げるフロントマン David Paul Slifeの太く伸びやかな歌声や分厚く爽快なハーモニー・バッキングコーラスも涼やかで、弾きすぎる事ないメタリックなギターが奏でるハードタッチさもそこそこのハード寄りなAORサウンドと言える本作は、インディ・バンドのデヴュー作にしては幅広い音楽要素と次なるトレンドが定まっていない状況での創作故に混沌さを感じさせる中々面白い仕上がりとなっており、短命に終ったカルドバンドのデヴュー作ながらこうして今回リイシューされたのも頷ける、当時のUSインディーズ・メロディアス・ロックを絵に描いたようなアルバムと言えましょう。

当時レコーディングは14曲されており、1stのオリジナルLPには10曲収録のみでその時収録されなかった4曲は同じ方向性の佳曲で、今回のリイシューでの追加は嬉しいボーナスであります。

Bob Francis Acquavivaの目論み通りシングル曲『Laura』と Benny Mardonesのヒット曲のカバー『Into the Night』は好評で、多くの地域のラジオ局で取り上げられ、デヴュー作の話題作りに貢献した。

話題が消えぬ間に、と既にステージで披露していた新曲で構成された2ndアルバムの制作を、デヴュー作リリースから3ヶ月後にスタジオへ戻り開始する。

さらにキーボード主導の華やかでフックのあるよりポップなメロディアス・サウンドへと大きくサウンドを進化させ、他のバンドメンバーは嫌っていたが Bob Francis Acquavivaは強引にキャッチーで軽快なダンス・チューンまで収録した2ndアルバム『Immortalized』を87年にリリースする。

Bob Francis Acquavivaの目論み通り2ndも好評で、Patti Smyth、Benny Mardones、Taylor Daneなどの全米ツアーのオープニング・アクトに抜擢されたり、TVに出演し演奏するなどバンド活動は順調に思えたがフロントマンの David Paul Slifeが突如脱退を表明しバンドは混乱に陥るものの、2ndのプロモには David Paul Slifeは協力してくれる事に。

『Immortalized』リリース後に、ローカルNYバンドの曲を集めたコンピレーション・アルバムにアルバム未収録曲『Woman That I Know』を提供、それが今回2ndアルバムにボーナストラックとして収録されている。

David Paul Slife脱退後、幾人もヴォーカリストをオーディションするも後任はなかなか決まらず、思案した挙句にキーボーディストの Vince Cavoをフロントマンへチェンジさせ新たなキーボーディストに地元で有名な鍵盤奏者 Tim Mishalanieを迎えようとするも Vince Cavoはフロントマンに乗り気でなく、また Tim Mishalanieもバンドへ加入しなかった為、結局はNY出身の Steams Bulenと言う若いヴォーカリストを加入させLIVE活動を続行するが、新フロントマンの声は元QUEENSRYCHEのシンガー Geff Tateスタイルのハイトーンで金属的な歌声だった事もありバンドの楽曲にマッチしなかった。

3枚目のアルバムの楽曲を新ラインナップでステージで試してみると聴衆には好評だったが、それは Bob Francis Acquavivaの追求しようと思っていた音楽とは違っていた為、1988年1月1日に惜しまれながらたった3年の活動を終え潔くバンドを解散させてしまう…

1stの翳りあるアーバンテイストなメロディアス・ロックからググッとブライトでキャッチーな爽快度の増した典型的USサテイストを感じさせる大きな進化を果たした2ndのサウンドは、変わらずインディ・バンドらしからぬ洗練さがそおかしこかから感じられるが、意図的にかちょっとアホっぽいアメリカン・テイストと言いましょうか晴れやかな陽気さも強く感じられ、当時のバブリーで華やかなメインストリームを賑わしていたHMムーヴメントへ接近し、さらなるバンドの成功を Bob Francis Acquavivaが目論んだのでしょうが、それがバンド本来の持ち味をスポイルさせていると感じたのか、それとも自身の趣味じゃないと感じたのか、強引な Bob Francis Acquavivaの行いに嫌気が差したのか、フロントマン David Paul Slifeの脱退を引き起こしてしまうとはなんとも皮肉な展開であります…orz

改めて今の耳で2nd『Immortalized』を聴いてみると、そんなにブライト過ぎる事もなく、ちゃんとデヴュー作で感じられた翳りのあるアーバンテイストも残っているし、新しい試みなのかファンキーなテイストもあり、ギタリストがリーダーにも関わらずキーボードのフィーチャー具合が増しより効果的なアレンジの活かされ完成度の上がったフックあるキャッチーで爽快なコーラスと歌メロが聴ける楽曲を演っていたと思え、もうちょっと David Paul Slifeが我慢していてくれれば、と幻の3rdアルバムがどんなにキャッチーでヒットポテンシャルを秘めた素晴らしいアルバムだったのだろうかとの想いが止まりません…

本作と全く関係ないけど、ちょっと2ndのサウンドが米国進出を目指し、無理矢理ポップでキャッチーになっていた古参ファンから大不評だった頃の80年代URIAH HEEPっポク聴こえる所が David Paul Slifeの歌唱スタイルの為か多々あって個人的に彼等のアルバム、嫌いになれないんだよなぁ~(汗

USバンドらしからぬ少し翳りのあるメロディと洗練されたアーバンテイストを感じさせるメロディアスUSロックがお好きな方ならチェックしても決して損はしない、カルト作として人知れず終らすには惜しいアルバムありました。

Tracks Listing:
01. With You, Without You
02. Laura
03. Into the Night
04. I'll Be There
05. Once in A Lifetime
06. Hero
07. Love is Real
08. Always Gone Want You
09. Lost inside of You
10. Touched by the Son

Bonus tracks:
11. Night Without Stars
12. Life Alone
13. The Gamble
14. Diamond Cut Glass

MERE MORTALS Line-up:
Bob Francis Acquaviva   (Guitars、Backing Vocals)
David Paul Slife       (Lead Vocals)
Vince Cavo         (Keyboards、Guitars、Backing Vocals)
Bill Carman        (Bass、Vocals)
Tony "Bartolotti" Stone   (Drums)






# by malilion | 2023-01-20 01:02 | 音楽 | Trackback

南米ボリビアで活動するネオクラHMバンドGLORIUSが自主制作デヴュー・アルバムをリリース!

南米ボリビアで活動するネオクラHMバンドGLORIUSが自主制作デヴュー・アルバムをリリース!_c0072376_15191262.jpg

GLORIUS 「Same」'22

チリの右上、ブラジルの左下に位置する、中南米ボリビアで2019年に結成され、去年末にデヴュー・アルバムをリリースしたキーボード入り5人組ネオ・クラシカルHMバンドをご紹介。

紹介しておきながらなんですが、スペイン語圏バンドと言う事やまだデヴュー作リリースしたてと言う事や、明らかに今の流行りでない古式ゆかしいネオクラHM路線なマイナー・インディ・バンドだからかネットを余り活用していないからなのかイマイチ情報が少なく、彼等の詳細なバイオ等不明であります(´д⊂)

シンフォニックに盛り上げるクラシカルなキーボードサウンド、音数多目に弾きまくる速弾きギター、線が細く女性かと間違うハイトーン・ヴォイスで物悲しい哀愁漂うスペイン語の歌詞を歌い上げるヴォーカル、スピーディーにドコドコとツーバスを連打するボトム、とまるで80年代後期にここ日本のインディ・シーンで蠢いていたB級ネオクラ・バンドの作品を聴いているような錯覚に陥るそのマイナー調でウェットな美旋律と華麗で繊細なメロディ、御多分に漏れず私も大好物です(w

楽曲によってサウンドの質にバラつきがあったりノイズが聴こえたりとインディ作なのでお世辞にも高品質なプロダクションの作品と言えませんが、その目指す方向やどんな欧米のバンドに影響を受けて来たのかモロ分り(イングヴェイ大好きなんだなぁ~)なクラシカルなメロディの洪水、軽やかに乱舞するシンセ・ワークとバッキングの野郎コーラスが弥が上にもエピカルな雰囲気を盛り上げる等々、Mandrake Root Recordsから80年代末期にリリースされていたアルバムと言われても疑わない日本人受けするモロ80年代風ネオクラHMサウンドが2022年にもなって新人バンドと共に欧米シーン以外から飛び出してくるなんて本当に嬉しくて堪りません♪

オリジナリティに些か問題がある事や、まだまだパワー不足でフラつく箇所が散見されるヴォーカル、今となっては古臭い音楽性や、少々単調なきらいのあるリズム・パターン、そしてどうしてもフォロワー感が強くインギー丸パクに聴こえるネオクラシカルな速弾きギターのフレーズと音色、と問題的を指摘しだしたら止まらないんですが、それでも尚彼等の演る今や天然記念物ばりにレアなネオクラHMサウンド、借り物臭い所ばかりだけど憎めないし時代遅れと分かっていてもやっぱり嫌いになれないんだよなぁ~♪

大仰なオーケストレーションと流暢でクラシカルな速弾きギターが絡み合い、マイナー調の物悲しいダークなメロディを高速で奏でながら徐々に昇天するが如き上昇感ある疾走パートなんて、ホント堪りませんから(゚∀゚)

さらなるメジャーな展開を狙うならスペイン語歌詞を英語に変え朴訥で調子っぱずれになるヴォーカル・スキルを今以上に向上させる事や、音楽性にもっとモダンなタッチを加えるなど改善策は色々あるのだろうが、そうなってしまうと彼等の80年代北欧ネオクラ風な持ち味がスポイルされてしまう恐れがあるので、おいそれとサウンドをいじる事は出来ないんでしょうねぇ…

逆に言えば流行りに毒された欧米の音楽シーンから距離があったからこそ、彼等のようなピュアなネオクラHMサウンドを演るバンドがこうして今頃に生まれてくる土壌がボリビアには残っていたとも言えるし、メジャーな展開を目論むのはバンド的に自殺行為に等しいのかもしれません。

フォローする訳じゃありませんが、ネオクラ宗家のイングヴェイに無い要素も幾らか彼等のサウンドからは感じ取れ、土地柄故かアルバム・イントロの荘厳なオーケストレーションや悲壮なバラード曲等にそこはかと宗教色が感じられるなど、北欧HMとも典型的ラテン的なサウンドとも、欧米のサウンドとも毛色の違う、南米HMバンドならではの独特な持ち味も彼等は十分に内包している事が伺える。

後はナイーブでメロディアス、それでいて儚げな独特の節のある歌メロが特有な味わいを醸し出しており、この辺りも欧米のメジャーシーンで活躍するバンド群ではなかなか聴けないポイントなので、そういった独自性を武器に更なる活躍を目指して欲しいものです。

次作ではもう少しプロダクションの向上と音楽性の幅が多少広がる事を願って、是非このまま堅実に活動を続けて欲しいものであります。

メロディアスでテクニカルな80年代ジャパメタやイングヴェイ系のネオクラシカルHM、そして70年代から続く様式美ロックがお好きな方にお薦めな期待の新バンドだ。

Tracks Listing:
01. Preludio
02. Sueno Perdido
03. El dragon
04. Tu Adios
05. Amor Eterno
06. Ilusion
07. Recuerda
08. Glorius

GLORIUS Line-up:
Dhussan   (Bass)
Cristian    (Drums)
John Pavlo  (Guitars)
Mauricio    (Orchestrations、Piano)
Victor     (Vocals)



# by malilion | 2023-01-16 15:24 | 音楽 | Trackback

90年代末から活動を続けるベテラン・イタリアン・メロパワ・バンド新生HIGHLORDの第二弾作がリリース!!

90年代末から活動を続けるベテラン・イタリアン・メロパワ・バンド新生HIGHLORDの第二弾作がリリース!!_c0072376_19021507.jpg

HIGHLORD 「Freakin' Out Of Hell」'22

典型的80年代ジャーマン病を発症し臭メロを奏でシンフォニックで大仰なキーボードも高らかに激走するB級パワメタ群の1バンドとして1997年にイタリア北部の都市トリノで結成されたキーボード入り5人組バンド HIGHLORDの通算9枚目のアルバムが、前作『Hic Sunt Leones』'16 以来6年半ぶりにリリースされたのをちょい遅れてご紹介。

99年アルバム・デヴュー当時から国内レーベル SOUND HOLICからのリリースを重ね、6thアルバム『The Death Of The Artists』'09 も当初同レーベルからリリース予定ながら土壇場でレーベル消失(涙)、紆余曲折あってRUBICONレーベルから無事国内盤がリリースされるが続く7th『The Warning After』'13 は国内盤リリースは敢え無く見送られ、さらに8th『Hic Sunt Leones』'16 ではアルバム・デヴュー前の結成時から長らく唯一のオリジナル・メンバーであったギタリストでリーダーの Stefano Droettoが脱退(!?)してしまい、オリジナル・メンバーが誰一人として在籍せず(同郷のプログHMバンドDGMも同じ境遇ですね)鍵盤奏者も含まぬ4人組編成で作成され、当初のシンフォニックで大仰なキーボードをフィーチュアする臭メロ・イタリアン・パワメタから鍵盤サウンドが完全に添え物になった上にデス・ヴォイスやフィメール・ゲストヴォーカルもフィーチャーし、よりヘヴィでモダン、そしてタフでワイルドな音像へ進化した彼等にとって最大の問題作で勝負作は、それまでアニメ曲を幾度もカヴァーしたりと陽気なイタ公な上に無邪気なヲタクのイメージだったのが完全に払拭され大きくシリアスに傾いた音楽性の変化やメンバー・チェンジも影響したのか再び国内盤リリースを見送られてしまう。

思えば6th『The Death Of The Artists』制作時からキーボーディスト Alessandro Muscioが脱退し、鍵盤奏者を補充せず Stefano Droettoがキーボードとドラム・パートまでもプログラミングを用いてカヴァーするなど彼のソロ作色が強まった創作体制はファン的に少し心配だったが、続く7th『The Warning After』でもプログラミングを用いる創作体制ながらも専任鍵盤奏者 Lele Mr. Tritonが迎えられ定番の5人組編成に戻ったものの、前作『Hic Sunt Leones』では Stefano Droettoが抜け、新加入の Lele Mr. Tritonも抜け、デヴュー以来長らくベースを務めてきた Diego De Vitaまでも姿を消すという、長期安定だった編成が一気に崩壊する予兆は6thアルバムの時から既に現れていたのだと今なら分かり、マイナーな臭メロB級イタリアン・パワメタから出発して徐々にベーシックでオーセンティックな音像へシフトし成功を目指して懸命に頑張っていた Stefano Droettoの突然の脱退は、その心境に何らかの変化が訪れたのだと思う他ありませんね…

因みに Stefano DroettoはHIGHLORD脱退後にどこのバンドにも加入もせず、新バンドも立ち上げていない模様なので、もしかして懸命に創作しても一向に報われない音楽業界から足を洗ってしまったのかもしれませんし、四十代も半ばを過ぎて家庭生活に重きを置く事にしたのかもしれませんが詳細は一切不明です(´д⊂)

さて、結果的に二代目フロントマン Andrea Marchisioが率いる事となったHIGHLORDですが、制作体制は前作『Hic Sunt Leones』で新加入したメンツに変化は無く、さらに新たに鍵盤奏者 Davide Cristofoliが迎え入れられ当初からのキーボード入り5人組編成へ戻っており、大仰なキーボードが高らかに鳴り響くイタリアン・シンフォ風なメロ・パワを愛する諸兄にとっては嬉しいメンバー補充と言えるだろう。

バンドコメントによると『全員でこれらの曲をベストな形に仕上げていく作業は喜びだった。全体的なテーマは、ネガティヴな思考が芽生え、雪だるま式に大きくなって行き、最後には死に繋がっていくというもの。『Freakin' Out Of Hell』ではヘヴィさと攻撃性の平均レヴェルを少し上げている。これはハッピー・メタルなアルバムではなく、ヘヴィ・メタルそのものの定義に則った作品だ』との事なので、やはり初期から彼等が有していた陽気でバカっポイ、ある意味B級マイナーだけど親しみが湧くFUNでアンダーグラウンドな感覚(元々、日本アニメ・ファンだったのは Stefano Droettoだしネ)は完全に切り捨てられた模様ですね。

長らくプロダクション等に問題を抱えていた彼等だが、前作に引き続き本作でもそういった負の要素は脚を引っ張る事はなく上々な環境で創作が行われた模様で、パンデミックの影響もあって完成に時間を要した模様だが、その時間的余裕が本作の完成度を引き上げる事にプラスに働いたと思しき素晴らしい切れ味と疾走具合の硬質でヘヴィなメロディック・パワー・メタル・サウンドが鳴り響いており、図太くアグレッシヴなメタリック・サウンドを聴くに以前のマイナーなB級の雰囲気は霧散し一気にメジャー感とモダンな感触が増した充実作だと実感します。

自身が率いる事になったからなのか、このインターバルで新たに血肉となる糧を得たのか、Andrea Marchisioのヴォーカル・アプローチや歌メロにも大きな変化が伺え、無理に力む事ないリラックスした普通のロックを歌い上げる風な歌唱スタイルや、如何にもHMらしいアグレッシヴでパワフルな怒号、それに加えて突き抜けるハイトーン・ヴォイス等々、以前のような勢い任せでない歌心を感じさせるパートが多く感じられ、これまでにも増して多彩で伸びやかな歌声を披露しヴァラエティに富んだイメージとエモーショナルな表情を楽曲に与える事に成功しているのは嬉しい驚きでした。

ただ、一気にヴォーカルアプローチの幅が広まった為なのか、所々でちょっと歌メロがバックのサウンドに乗り切れていない不安定な箇所やチグハグ感が拭えぬパートなども散見するが、これは新しい試みに挑んだが為の作用で次作ではきっとそんな否定的な印象がキレイサッポリと消え失せている事でしょう…多分…

Stefano Droettoの後任ギタリスト Marco Malacarneは若いだけあってこれまでのHIGHLORDで聴けなかったテクニカルでモダンな感性のギター・サウンドを伸び伸びと聴かせ、どちらかと言うとバランス重視で楽曲を盛り上げるフレースやメロディを紡ぎ、新キーボーディストの Davide Cristofoliもシンフォニックな音色を弾くものの、以前よりB級マイナー臭さを助長していた大仰さは控えめで、モダンな感性のシンセ・サウンドやピアノでエピカルな雰囲気を増すのを重視したような、楽曲の魅力をトータルに上げる事に力を注いでいるように思えるプレイに終始し、その為もあってか以前のアルバムより断然楽曲やサウンドの完成度が上がって聴こえ、ベテラン・バンドらしい上品さや艶やなか音色も聴かせるアルバムの質を上げるのに一役買っているのは間違いない。

加えてイタリアン・シンフォニックHMバンドSOUND STORMにも在籍するベーシストの Massimiliano Flakが本作のレコーディング、ミキシング、マスタリング、プロデュースを担当した事も、今まで Stefano Droetto中心で完成されてきたバンド・サウンドから大きく飛躍し、プロダクションの向上とモダンなサウンドへと大幅に進歩した要因なのは本作のサウンドが証明している。

初期のマイナーB級パワメロ特有の臭い臭いメロディの洪水やキラキラしたキーボード・サウンドに包まれた身を捩る(笑)ような官能的な美旋律、そして愚直でがむしゃらな疾走感を愛していたメタル・ヘッドな諸兄にとってはすっかり別バンドになったように思えるかもしれないが、ファンタージー映画のサントラの如き勇壮で荘厳な野郎合唱からヘヴィでソリッドなボトムが強調された怒涛の疾走パートへ雪崩れ込むイントロを耳にすれば、イタリアン・バンドらしい胸焼けしそうに濃厚な美旋律、スケール感増し増しの大仰なシンフォニック・テイストが未だ健在なのがお分かり戴けるだろう。

デジタリーでメカニカルなタッチのモダンな音像を使う現代的なアプローチや、硬質でソリッドなリズムワークでグイグイと正攻法に攻め続けるオーセンティックなHM的手法、そしてお約束のツーバス・ドコドコの疾走パートも織り交ぜ、以前よりさらに緩急を活かした立体的な楽曲構成が楽しめ、殆どメンバーが違っているのだから当然なのだが今まで聴いた事のない音使いやアレンジ、プログHMっぽいリズムチェンジや複雑な楽曲展開の妙が楽しめる好盤に仕上がっているので、彼等に見切りをつけてしまった従来のファンにこそ是非もう一度本作をチェックして欲しいものであります。

イタリア産バンドらしい濃厚な美旋律とウェットな音使いが素晴らしい、かなり良い出来なパワー・メタル・アルバムなのですが今の所国内盤リリースの情報は無い模様で、残念ながら前作と同様に国内盤リリースは見送りっポイのが悲しいですね…(´A`)

Tracks Listing:
01. Prelude To Hell
02. Soul Sucker
03. Freakin' Out Of Hell
04. Sweet Unknown
05. Off The Beaten Path
06. Hollow Space
07. If You Say Yes
08. Eyes Open Wide
09. The Devil's Doorbell
10. Fallen From Grace
11. One Eyed Jack

HIGHLORD Line-up:
Andrea Marchisio     (Vocals)
Massimiliano Flak     (Bass)
Marco Malacarne      (Guitars)
Davide Cristofoli      (Keyboards)
Luca 'T-1000' Pellegrino  (Drums)


# by malilion | 2023-01-11 19:06 | 音楽 | Trackback

DREAM THEATER系英国プログHMバンドLOST IN THOUGHTの2ndアルバムを今頃にご紹介。

DREAM THEATER系英国プログHMバンドLOST IN THOUGHTの2ndアルバムを今頃にご紹介。_c0072376_19314806.jpg

LOST IN THOUGHT 「Renascence」'18

18年に7年振りとなる再結成第一弾作である2ndアルバム『Renascence』を自主制作盤でリリースして以降とんと音沙汰の無かった彼等ですが、再び解散したのかと思っていたらちゃんと活動を継続していた模様で、なんと年末の12月26日に新シングルを前シングルから2年振りにリリースしたので慌てて本作をご紹介。

英国Wales出身のミュージシャン5人によってSwanseaで2007年後半にギタリスト David Greyとベーシスト Simon Pikeを中心に結成され、08年にセルフタイトルのEP『Lost In Thought』を自主盤でリリース、その後11年に満を持してスウェーデンのInnerWound Recordsからデヴュー・アルバム『Opus Arise』をリリースし、そのDREAM THEATERから影響を受けたと思われるテクニカルでハードながら叙情感ある美旋律とキャッチーな歌メロのアルバムは、新人バンドのデヴュー作と思えぬクリーンでモダンなメロディアス・サウンド満載な、フロントマン Nate Loosemoreの何処までもストレートに突き抜ける強靭な喉と広いレンジを無理なく堂々と歌い切るパワフルなハイトーン・ヴォイスが聴く者を虜にする素晴らしさもあって“英国からのDREAM THEATERへの返答”とも言われた期待の新世代プログHMバンドだったのですが、続く2ndアルバムの方向性を巡ってバンド内が紛糾し、最終的にアルバム制作を断念、バンドは分裂、呆気なく解散してしまったのです…orz

DREAM THEATERがヘヴィでダークな美旋律の失せた如何にもアメリカンな無駄なテクとドライで音圧ばかり過剰なサウンドのゲンナリする糞みたいな作品をリリースし続けて辟易していた私のような者にとって、2nd時のDREAM THEATERを彷彿とさせるテクニカルさとメロディアスさを両立したプログHMサウンドを奏でる彼等の存在は大変嬉しく『これでもう糞みたいに成り果てた夢劇場なんて要らないぜ!』と喜んでいただけに、期待していた彼等の解散は非常に非常に残念でした…

飛び切り独創性のあるサウンドではない典型的なプログHMサウンドの範疇なのは間違いないけれど、テクニックとメロディの配分でやはり評価は大きく変るものですし、最終的にはやはりヴォーカルの歌唱力と奏でる旋律の美しさ如何でオリジナリティあるサウンドかどうかの問題もかなり払拭出来ますからね。

その点についてはさすがプログレの本家本元、誇り高き大英帝国産バンドだけあってリリカルでウェットな美旋律が満載な若き次世代バンドらしいモダン・サウンドを披露してくれニンマリだったのに…(´A`)ドウシテ…

無論、フォロワー丸出しなサウンドは如何にテクニックや歌唱力が優れていようとも単なる劣化コピー・バンドでしかありませんから90年代にイタリアを中心に雨後の竹の子みたいに湧いて出た一連の夢劇場フォロワー・バンドは言うに及ばずで低評価なのは世界共通でしょうけど。

16年1月にシンガー Nate Loosemoreとギタリスト David Greyを中心に新なメンツを補充して再結成し、途中で再びオリジナル・ドラマーの Chris Billinghamも戻り(11年に交通事故に遭いバンドを脱退せねばならず、回復して再結成に馳せ参じた)、果たせなかった2ndアルバムの制作に取り掛かった、という情報を目にした時は嬉しかったなぁ~

けれど、その後すぐ16年11月、看板ヴォーカリストだった Nate Loosemoreがバンドを脱退し、暗澹たる想いに囚われてしまったのは私だけじゃなかったと思うのですが、初期にバンド・ラインナップがまだまだ未完成だった頃に一度フロントマンを務めていた Deane Lazenbyが再びバンドに出戻りで戻って来て被害を最小限に止め、不安定であった鍵盤奏者の席も17年6月に Diego Zapateroが加入してやっとバンドラインナップが完成し、待望の2nd『Renascence』制作へ突入したという情報を目にした時は胸を撫で下ろしたものでした。

看板シンガーの脱退や、2ndを出すまでに幾度もバンドラインナップでゴタつきがあり、かなりの時間が掛かってしまったのが悔やまれますが、結果的にギタリスト David Greyが率いる新生5人組編成の英国プログHMバンドとして生まれ変わった彼等は、デヴュー作の音楽的要素を受け継ぎつつも現在の音楽シーンを考慮してかよりモダンでヘヴィ、ダークでアグレッシヴに成った、デジタル・サウンド的なモダンなアレンジも貪欲に取り込んだ技巧派サウンドな2ndアルバムを披露したのがつい先日のように思い起こされます。

Nate Loosemoreの脱退は確かに痛手でしたが、後任の Deane Lazenbyも伸びやかで太く力強いヴォーカルを聴かせ、1stよりダークさの増した2ndアルバムのサウンドに良くマッチしているように思えましたし、低音域の歌声の味わいや艶やかさ、そして優し気で涼やかな歌声は Deane Lazenbyの方が勝っていると思え(Nate Loosemoreの歌声は少々耳に痛かったのも事実)て彼等の将来は明るい、と勝手に納得し喜んでいたんですけどね…

やはり自主制作盤でのリリースという事でプロモーションが脆弱だったのかイマイチ彼等の復帰作は話題にならかったように思えますし、時間的にかなりの間隔が空いてデヴュー作の時に構築したファンベースもとっくに消え失せていたのか、既に時代がシンフォ系だったりDREAM THEATERフォロワー達も違う方向性へ進化していった頃合いだったからなのか、どうにも彼等の活動は芳しくなかった模様なのが折角復帰してくれたのに切ないですな…(´д⊂)

英国プログレッシヴ・ミュージックの伝統を継承しつつ現代的にメタリックにパワフルにサウンドを進化させた如何にも現在進行形な英国産プログレ・バンドのデヴュー作といった感触のあった音楽から、ググッとモダンさとデジタリーさが増して、ヘヴィさメタリックさの増加で叙情感が薄れ、以前聴けたキャッチーさも少し後退した風に聴こえるのがマズかったのか…いや、メロディのフックや一糸乱れぬアンサンブル、華麗なキーボード・ワークとテクニカルなギター・ワークが絡み合いリリカルな美旋律を巧みに奏でる様や剛柔細やかで小技の効いた絶妙なアレンジ、そして緩急ある劇的な楽曲展開などデヴュー作にも勝るとも劣らずな待った甲斐のある素晴らしい仕上がり具合だったと個人的には思っているのですが、ウーン…

20年にも『Coming Home』なる速弾きギターばかりな何やら試行錯誤しているのが伺える完成度はイマイチなアルバム未収録曲をシングルでリリースしていたものの、その後パタリと音沙汰なくなってしまい、てっきりまた解散しのか…と思っていた所に久しぶりとなるシングル音源『We Are The One』リリースなのですが、折角固まったと思っていたバンドメンツにこのインターバル期間で再び変化が訪れた模様で、キーボーディストが Diego Zapateroから Niall Templeへ17年にチェンジし、折角復帰したオリジナル・ドラマー Chris Billinghamも抜けて現在は Sam Sandersなる新ドラマーが迎え入れられている模様だ。

なんと言うか技量的に問題は欠片も無いのですが、どうにもバンドメンツが不安定でイマイチ活動が軌道に乗り切れない典型的なインディ・バンドあるあるな症状のように思え、彼等の秘めたるポテンシャルが人的影響で十分に発揮出来ていない状況がなんとも歯がゆくありますね…

シングル音源を聴く限りは2ndの音楽性を継承しつつ、ちょっと1stの時の叙情感が戻ってきた感のある流麗なキーボードプレイが楽しめるモダン・テクニカル・サウンドでしたが、果たして来るべき3rdアルバムでは何か新しい変化があるのか? 今から楽しみであります(*´∀`*)

70年代英国プログレの伝統を受け継ぎリリカルな美旋律を織り成しながら、モダンなテイストやデジタリーな音像も臆する事無く取り入れ、HMらしい技巧と楽曲展開に富んだ演奏をガッチリとパワフルにテクニカルに一糸乱れずプレイする彼等はインディで人知れず燻っていて良いレベルのバンドではないのは明白ですから、どうか最新シングルが少しでも話題になり、まだ見ぬ3rdアルバムをどこかのレーベルと早急に契約を交わしてリリースし、今以上に聴衆の耳へ届くよう環境を改善してより知名度を上げて欲しいのを願って本作を今さらながらご紹介してみました。

Tracks Listing:
01. A New Life
02. Ascendance
03. The Promise
04. Save Me
05. Don't Fear Me
06. Open Your Eyes
07. Delirium
08. Legacy
09. Absolution

LOST IN THOUGHT Line-up:
Deane Lazenby  (Vocals)
David Grey    (Guitars)
Diego Zapatero  (Keyboards)
Josh Heard    (Bass)
Chris Billingham  (Drums)


# by malilion | 2022-12-27 19:32 | 音楽 | Trackback