久しぶりのPEO新譜。溌剌北欧ハードポップを期待したら、届いたのは枯れた味わいブルーズ作だった…

c0072376_10151684.jpgPEO 「Orbit Of Dreams」'18

古くは北欧HRバンド AXIAのヴォーカリストとしてマニアには知られた存在な、スウェーデン・ソロアーティスト Peo Petterssonの10thソロアルバムが2年ぶりにリリースされたのでそそくさとGET!

ここの所、他アーティストとのコラボ作だったり北欧ミュージシャンによるプロジェクトバンドや蔵出し音源等のリリースが続いたが、今回は純然たるソロ新作だ。

例によって例の如く詳しい情報は皆無ですが、恐らくは全て自身がプレイした音源(もしかしてPALのメンツが参加してる?)を使用していると思われます。

毎度お馴染みとなったPeoお手製のCD-Rとラミネート加工されたペーパースリーブには楽曲名のみクレジットされていて、参加メンツ等の詳細な情報は一切記されておりませんので録音時期を含め全く確認のしようが…(汗

これまでアコースティカルなポップ路線やキャッチーな北欧ハードポップ路線、またはポピュラーミュージック寄りのAOR路線や、レイドバックした70年代風味な渋いHR路線等々とソロ作毎にサウンドの方向性を変えた作品をリリースしてきた訳だが、本作はベーシックなHR路線とブルージーなクラシック・ロック路線の楽曲が混在したアルバムとなっており、個人的に彼のアルバムで大のお気に入りな初期ソロ作の放つキャッチーでメロディアスで溌剌とした爽快感や疾走感は楽曲から全く感じられないのが残念で仕方が無いが、変わって落ち着いた大人のロックとも言うアーシーで渋めなサウンドが終始リラックスして繰り広げられ、年を経て一層に成熟したその歌声はブルーズフィール漂うロックを歌うに相応しい渋みと説得力を持っていて、コレはコレで十分に愉しむ事が出来ました。

まぁ、この渋ぅ~いブルーズ路線とインディ丸出しの薄ッペラな打ち込みサウンドでは当然の事ながら国内盤なんて夢また夢ですね。

自主製作盤だしR盤なんだし細かい事言いだしたらキリ無いとは分かってるものの、所々でノイズが入ってるのもマイナスポイントですわ…orz

終盤にちょとだけ初期風なポップフィールが心地よいメロハー・サウンドな楽曲が飛び出してきて、出来ればこの路線でいって欲しかったなぁ…(つд`)

正直、ソロになる前に彼が参加したAXIAやLEVITICUSや彼の初期ソロ作のサウンドでファンになったメロハー・ファンには殆ど訴求せぬサウンドのアルバム(涙)ではありますが、彼個人のファンは見逃せぬ新譜ですし、リラックスしたブルーズAOR作が楽しめる方にならお薦めは出来る一品です。

しかし“夢の軌跡”なるちょっとトキメキを感じさせるセンチなタイトルなアルバムなのに、この無愛想なPeoの顔ドアップな灰色のジャケデザインは如何なものかと…まぁ、ブルージーなサウンドをイメージしての渋めなデザインとも言えなくも無いんですけど…ちょっとなー('A`)

例の如く少数生産な自主製作盤の模様なので、お求めの方はお早めにね!



# by malilion | 2018-05-14 10:06 | 音楽 | Trackback

先行き不安な北欧メロハー・プロジェクト W.E.T.の3rdアルバムが酷評されてるけど、本当に?

c0072376_11545272.jpgW.E.T. 「Earthrage」'18

ご存じメロハー・レーベルFRONTIER RECORDSが音頭を取り、Jeff Scott Soto(Vo TALISMAN,etc...)、Erik Martensson(G,B,Key,Vo ECLIPSE)、Robert Sall(G,Key WORK OF ART)という北欧HM好きならずともその筋では実力者として知られる彼等が組んだ北欧メロハー・プロジェクト・バンドによる、前作『Rise Up』から約5年振り(14年にLIVE作『One Live-in Stockholm』をリリース済み)となる3rdアルバムをちょい遅れて今頃GET!

例によって例の如く、彼等の事だから慌てて購入せずとも当然良作をリリースするさ、と楽観視して他のバンドのアルバムをチェックしていた訳ですが、この新譜…なんか巷の評判が宜しくないっぽい…(マジスカー

北欧らしい透明感ある甘口のメロディアスさ、そしてエモーショナルなプレイとAOR風味バッチリな整合性ある高品質でキャッチーな楽曲、全編に配されたフックに富む湿り気ある北欧メロハーの極上チューンが隙無く詰め込まれたデビュー作の出来が余りにも素晴らしかったが為か、彼等のこれまで所属していたバンドのキャリアやそれぞれクリエイトしてきたアルバムのクオリティを思えばどうしたって期待値が高めに設定されてしまうのは分かっていましたが、今回も2nd『RISE UP』同様ファースト作の衝撃を超えられなかった、だとか、ECLIPSEの曲を Jeff Scott Sotoが歌っているだけ、とか、3人プロジェクトなハズなのに Robert Sallが作曲で全く関わっていない『W』抜き残念作、等々の散々な酷評の嵐でちょっと手を出すのが躊躇われてしまいました('A`)

まぁ、Jeff Scott Sotoは念願叶って、ドラムにMike Portnoy、キーボードにDerek Sherinianという元DREAM THEATER組に加え、ギターに元GUNS N' ROSESの Ron "Bumblefoot" Thal、ベースに Billy Sheehan(MR.BIG)という、泣く子も黙るスーパー・プレイヤー達が集結したUSプログHMバンドSONS OF APOLLOのフロントマンに収まった事もあってインディ同然な北欧HM系プロジェクトをもう重要視する必要も無く(涙)創作意欲高くなかったんかなぁ、とか、散々FRONTIER RECORDSの圧力で色々な所へ引っ張り出されてワーカホリック気味な Erik Martenssonの作曲能力も流石にもうネタ切れかな、とか、Robert Sall(WORK OF ARTは現在新作の準備中!('(゚∀゚∩ヤター)は米国AOR系へ楽曲提供がメインへ移行してこのプロジェクトにもう情熱注いでくれなくなったんかなぁ、とか色々ネガティヴな情報多くてアルバムを聞く前に勝手に納得してしまいがちだった訳ですが、実際アルバムのサウンドに耳を傾けてみると『え? コレ、そんなに酷評する程に駄作か!?』って、のが第一印象の良質なメロディアス・ハード作でした(笑

本作にキーボードプレイや少々のヴォーカルで僅かに加わるだけの Robert Sallが語る所によると1stと2ndの中間のような音楽的方向性を目指したらしい本作ですが、確かに酷評が溢れかえる巷の評価通り、北欧バンドらしい叙情的な美旋律のメロディアスな楽曲、というポイントは満たしているもののイマイチ楽曲が持つフックが乏しく感じたり、北欧独特の透明感の減退や、全体のAOR風味が強まった為かHMというよりHRカラーが強く感じられ、適度なメタリック度はあるものの総じて楽曲は非常に聴き易く、彼等の作品としては最も万人受けする作品と言えるかもしれないが、ソレが没個性に繋がってしまいファンが期待している彼等が放つ独特の北欧HM風味というか“臭み”のようなものが薄れて感じる一作とは言えるだろう。

要は1st路線の再現を強く望むファンにとっては、ポピュラー寄りになった少々お洒落に成りすぎたサウンド、って事なのかもしれない。

まぁ、個人的にも2ndで聞こえた力み過ぎの空回り感はいただけないと思っていたので、1st路線を当然自分も期待していた口ですけどね。

本作で感じる“アクの弱さ”の最大の要因は、勝手な想像だがソロバンドだったりソロアルバムだったりで硬柔使い分けて必死に売り上げを求めてあがいていた Jeff Scott SotoがSONS OF APOLLOという安住の地を得た結果、W.E.T.のアルバムの完成度をスポイルしがちだったインプットが減退し、只の歌い手という存在(汗)に落ち着いた(実際は作詞でこれまで以上に参加しているが、サウンド的なスポイルはなかったという事?)為と、多くの方が指摘しているように Robert Sallが1st、2ndのように Erik Martenssonとがっつりコラボレートしなくなったのが大きく影響しているように感じます。

Jeff Scott Sotoの放つソウルフルな要素や Robert Sallの磨き抜かれたAOR的職人芸のコンポーズ能力が消え、Erik Martenssonの持つ要素ばかりが目立つアルバムと言うとW.E.T.ならではの3人による濃密なコラボレーションを期待していた方々には少々3人が生み出すマジックやエネルギッシュさが不足して感じるのも十分に理解出来るが、そういったマイナス要素を踏まえてさえ本作が良質なメロディアス・アルバムである事には些かの疑いもないと言える。

これまでの Jeff Scott Sotoの発言や Robert Sallの本作への関わりようを見ると、本プロジェクトが次なる新作をリリースしてくれるのか少々疑問に感じるものの、駄作と評されるのは明らかに間違いな本作が最終作となるような悲しい顛末だけは避けて欲しいですね。



# by malilion | 2018-05-13 11:47 | 音楽 | Trackback

地味で目立たないけどソロキャリア25年超えなPENDRAGONベーシスト PETER GEEがソロ作をリリース!

c0072376_15350288.jpgPETER GEE 「The Bible」'18

英国ポンプバンドの雄PENDRAGONのベーシスト Peter Geeの7作目となるソロアルバムがリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

PENDRAGONというとリーダーの Nick Barrett(Vocals、Guitars)やポンプ界のみならずHM界まで幅広く活躍し、自身のメインバンドやサイドバンド、さらにプロデュース業も盛んな Clive Nolan(Keyboards)の活動がやたら目に付くわけだが、その二人に比べて地味ながら Peter Geeのソロキャリアも93年デビュー作リリースから数えて25年になるのです。

本作はタイトルが示す通り「聖書」をテーマにした自身初となるコンセプト・アルバムで、イングランド教会の牧師の息子で敬虔なクリスチャン(キリスト教信仰について2冊の本まで出版している)である Peter Geeとしては避けては通れぬ創作題材という事もあってか、サウンドの方もこれまでのソロ作の集大成的な多様性と真摯な信仰を現すかのようなクオリティを誇る良作だ。

これまでのソロ作同様、Peter GeeはBass、Guitar、Keyboards、Piano、Percussion、Programmingとほぼ全てのインストゥルパートを手がけ、さらにComposer、Arranger、そしてco-producerも担っている。

また、数作前から自身の歌声を披露するのは止めたようだが、まぁ、コレは専任ヴォーカリストをゲストで迎えた方が作品全体の質が上がるからという賢明な判断だろう。

で、今回招かれているのは、まずお馴染みのドラマー Steve Christy(John Wetton、JADIS)と、メインで歌声を聞かせるのは USAクリスチャン・ロックバンドのヴォーカリスト Josh Brown(DAY OF FIRE、ex-THE VOODOO HIPPIES、ex-FULL DEVIL JACKET)で、その他数曲で透き通る美声によるハミングやスキャットを聞かせるBecky Brannigan嬢、そして英国カントリーミュージック・ソロアーティストでヴォーカリストの Hayley Oliver嬢がバッキングヴォーカルで全面的に参加し、ややもすると真面目過ぎて重苦しくなりがちなコンセプトのサウンドに女性の美しい歌声が華を添えている。

その他にも、厳かで渋い語り口のナレーター、優美で艶やかなヴァイオリン、高らかに鳴り響くトランペット等のプレイヤーをゲストに迎え、英国叙情漂うメランコリックでメロディアス、そして荘厳な美しさを感じさせる、一大歴史絵巻を忠実にサウンドへ置き換えたシンフォニック・ロック作となったと言えよう。

PENDRAGONの『The World』『The Window Of Life』『The Masquerade Overture』等のファンタジックなジャケットを手がけたイラストレーター Simon Williams氏による聖書の有名な場面を散りばめた美しいジャケットに包まれた本作のプロデュースはIQ、BIG BIG TRAIN等を手掛ける Rob Aubreyで、如何にも英国産といった湿り気を帯びた気品あるサウンドに仕上げられている。

テクニカルなインタープレイやスリリングでハイテンションなリードプレイの応酬なんて影も形も見当たらない、心安らかになれる癒やしに満ちたサウンドは、“ド”シンフォニック・ロック好きには少々たるく感じるかもしれないが、音楽に美しさや癒やしを求める向きならばきっと気に入る事受けあいな一作ですので、クリスチャン系ロックと毛嫌いせず是非一度お試しあれ。


# by malilion | 2018-04-28 15:28 | 音楽 | Trackback

イタリアン・フォーキー・シンフォ・プログレ・デュオANCIENT VEILのデビュー作がREMIX&REMASTERでリイシュー!

c0072376_20082522.jpgANCIENT VEIL 「New ~The Ancient Veil Remastered~」'18

叙情派イタリアン・シンフォバンドERIS PLUVIAの Alessandro Cavatori[Serri]((G&Vo)によるソロ・プロジェクト作で、フォーキー・シンフォ・プログレ・デュオによる95年デビュー作が、REMIX&REMASTERに加え新装ジャケットにてリイシューされたのを、ちょい遅れてGET!

オリジナルはプレス数少なく即廃盤行きで有名(汗)なMELLOWレコードリリースだったので、地味なジャケ(個人的には新ジャケより元の方が好きだ)も相まって、余り話題にならずその存在さえ知られていない隠れた名盤であった本作だが、装いも新たにリイシューされ再びファンの方々が手に取るチャンスを得られた事がなにより喜ばしい(*´ω` *)

オリジナル盤を所有の方も、本作はオリジナルサウンドに新たな録音とアレンジが施され、さらにREMIX&REMASTERが成されているので見逃せぬリイシュー作と言えましょう。

また、オリジナルの95年盤から4曲カット(!?)され、ラストに新たな未収曲が1曲追加(厳密には未発曲ではなく、カットした4曲を順番を変えてメドレーで繋ぎ新録部分も加えた組曲)されているので、音源マニアとしても外せぬ一品であります。

しかし、リイシューしても同一内容じゃないのでオリジナル盤の価値(個人的には今回の組曲風な4曲の再編はイマイチな印象デス)は相変わらず高いまま、ってトコが如何にもプログレ系って感じですねぇ('(゚∀゚∩

こうして再び磨かれた旧作のサウンドを耳にして、内省的で民族音楽やジャズ、そしてクラッシック要素の多いアコースティカル過ぎる内容や、余りにも繊細で美しく儚げな珠玉の楽曲の数々が納められた絶品(オーボエとサックスの絡みGRYPHONっぽくて最高!)の一作という感想がいっそうに強まりました。

最近ではイタリアの映画監督 Vittorio De Sistiやジェノヴァ出身のコンポーザーでありベーシストでもある Fabio Zuffanti Biography等との創作活動も知られる管楽器奏者のEdmondo Romano(Sax)をフィーチャーしつつ、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを配し、ギター、シンセ、ピアノ、ハモンド、ムーグの音色がモザイク画のように緻密に絡み合い朗々と優美なメロディが奏でられていく、壊れ物のようなデリケートなサウンドに格調高いクラシカルさが薫る正に絶品のフォーキー・シンフォ・プログレ作となっているので、もし彼等のサウンドを耳にした事がない方で、ひたすら美しく繊細なメロディと古音楽風サウンドがお好きな方なら是非この機会にチェックしてみて下さい!


# by malilion | 2018-04-27 20:01 | 音楽 | Trackback

ベテラン・ブリティッシュHRバンドMAGNUMが新譜をリリース('(゚∀゚∩

c0072376_02041113.jpgMAGNUM 「Lost On The Road To Eternity」'18

レコーディング・デビュー40周年を迎えたベテラン中のベテランHRバンドにして大英帝国の誇り、ブリティッシュHRの生ける伝説と謳われるMAGNUMの、通算20枚目のアルバム(19thオリジナル・アルバム)がリリースされたので速やかにGET!

コンピレーションやBEST、EPやレア音源集、そしてLIVEアルバムなんかも多数(日本未発多数)あるので実際のところ彼等のオリジナルアルバムが何枚目なのかちょっと判断尽きかねましたけど…(汗

毎回MAGNUMは、アルバム未収録音源を多数収録しているシングルをリリースしてくるので音源マニア泣かせなバンドなんですよねぇ…あ、コレは今は関係ない話でしたね(汗

ここ数年、少々マンネリ気味だった彼等が久しぶりに放った渾身の快作であった前作『Sacred Blood ”Divine”Lies』'16 に続く約2年振り(17年1月に新録4曲を含む日本未発売のバラード・コンピレーション・アルバム『The Valley of Tears』をリリース済みだが)の新作は『永遠への道に迷って』と彼等らしい意味深なタイトルだが、音楽性はもはや変わりようもない安定安心のメロディアスなブリティッシュHRで、本作もいつものように Bob Catley(Vocals)の絶品の歌唱と Tony Clarkin(Guitars)の熟練のソングライティングから成る鉄壁のコンビネーションに些かの揺るぎも無く、いつにも増してエモーショナルなギター・サウンドが冴え渡る充実の一品に仕上がっている。

再結成して活動再開してからベテランとは思えぬハイペースで新譜をリリースし、各アルバムが一定以上の水準をしっかり保っている上に、未だにLIVE活動も疎かにしていないという、彼等のプロフェッショナルな志の高さには本当に恐れ入りますね。

さて、そんな風にいつも安定した高クオリティの楽曲を提供し我々ファンを愉しませてくれている彼等ですが、長く彼等のファンをしている者ならばバンドロゴが商業的ビッグヒットを記録する以前の、3rd『Chase The Dragon』'82 時の初期デザインに戻っている事に気がついて、何かしらの変化をアルバムを聞く前から予想したのではないだろうか?

残念な事に長く安定していたメンバー構成に変化が起きた模様で、バンド結成以来不動のコンビ、Bob Catley(Vocals)と Tony Clarkin(Guitars)、そして01年から在籍するAl Barrow(Bass)は引き続き参加だが、82年から長きに渡りMAGNUMサウンドを支えて来た職人キーボードプレイヤー Mark StanwayとTHUNDERに在籍しながら、その力強いドラミングでバンドの屋台骨を支えて来た Harry JamesがTHUNDERへ離脱した為に失い、代わって今作から新たに加入した Rick Benton(Keyboards)と Lee Morris(Drums ex:MARSHALL LAW ex:PARADISE LOST ex:TEN)の二人を迎えた新体制で製作されている。

ファンならずとも長きに渡って堅実にMAGNUMの音像を盛り立てて来た Mark Stanway離脱の影響が一番の気がかりだろうが、セッション作業やミュージカルディレクターとして幅広く活躍してきたキャリア30年超えの Rick Bentonの軽やかで華やかなキーボードワークとHM畑出身の Lee Morrisのヘヴィでソリッドなドラミングがバンドを刺激したのか、常に幅広い音楽性の楽曲をバランス良く収録したアルバムをリリースしてきた彼等にして、予期せぬファンキーなリズムだったりダンサンブルでヘヴィなリズムだったりと今まで耳にしなかった毛色の楽曲アプローチや80年代頃を思わせるキャッチーな懐かしいブライト・サウンドだったりといつになく楽曲のバラエティが豊かで、古き良きMAGNUMワールドを維持しつつ(長めの曲が多いのもイイ!)新たに躍動するパワフルでタイトなHRサウンドにリフレッシュされたアルバムに仕上がっているのが嬉しい(*´ω` *)

新メンバーのプレイに触発されてか Tony Clarkinのギター・プレイにも控えめなブルーズ・フィール漂うハードロック・スピリットがいつにも増して溢れており、Bob Catleyの憂いに満ちた説得力ある歌声はハードロッキンな楽曲でもバラードでもシンフォニックな楽曲でも相変わらず絶品で非の打ち所が無く、Rick Bentonの操るカラフルなキーボードの音色は控え目ながら実にそつなく楽曲を飾り立て、効果的なアレンジでもってバンドサウンドのレベルを引き上げ Mark Stanwayの不在を忘れさせ、若返ったリズム隊は驚くほど激しくドライビングする揺らめくボトムを分厚くタイトに固めた、全MAGNUMファンの期待に応えるフック満載なキャッチーでドラマチックなHRサウンド成分を満たすさすがはベテランという充実した仕事振りだ('(゚∀゚∩

今作のゲストに Tobias Sammet(EDGUY、AVANTASIA)と Lee Small(ex:SHY、LIONHEART、etc)のヴォーカリスト二人が、それぞれデュエットとバッキング・ヴォーカルで参加しているのもファンには見逃せない情報だろう。

なお、日本盤ボーナス・トラックとして、17年リリースのバラード・アルバム『The Valley Of Tears』収録の「Back In Your Arms Again」と「Broken Wheel」の2曲のリ・レコーディング・ヴァージョンを追加収録している。

MAGNUMのジャケでは定番となっている、ファンタジーと伝説的な生き物の神秘的な世界を反映したアートワークを担当しているのは、お馴染みイングランドが誇るイラストレーター Rodney Matthewsだ。

ベタ褒めでまるでどこかの回し者みたいだが(笑)、典型的なMAGNUMのサウンドを求める古参ファンもきっと納得するであろう、素晴らしいメロディーとフックが渦巻く美旋律と幻想的で華麗なファンタジー・サウンドが力強く生まれ変わったその程を、是非ともチェックして見て下さい!



# by malilion | 2018-03-28 01:55 | 音楽 | Trackback

UKシンフォ界のスーパー・グループ KINOが13年ぶりに復活!!

c0072376_00231892.jpgKINO 「Radio Voltaire ~Limited Special Edition~」'18

幻の如くアッという間にその姿を消したUK産モダン・ポンプ&メロディアスロック・バンドKINOが、まさかの13年ぶりとなる2ndをリリースしたので即GET!!

各メンバー達は有名バンドに所属しているし、常々本人達から『KINOを復活させることは考えていない』と語られていただけに、長い長い空白期間の後のまさかの復活に欣喜雀躍なポンプ&シンフォ・ファンは多いのではないでしょうか?

ただ念願の新作なのですが、残念な事に完全なるリユニオンは叶わず John Mitchell(G,Vo)と Pete Trewavas(B,Vo)は前作に引き続き参加し中心的な役割を担っているものの、John Beck(Key,Vo)はFISHとの仕事の為にゲスト参加扱い(本作のキーボードパートの大部分はJohn Mitchellがプレイ…なので、残念ながら1stのような華麗なプレイは少ない)となり、ドラマーの Chris Maitland は不参加で、本作では Craig Blundell(Ds:FROST*、Steven Wilson、ex:PENDRAGON)が新たに迎えられているが、サウンドの方はファンの皆が待ち焦がれていたアノのKINOサウンドに間違いないのでご安心を!('(゚∀゚∩

04年、John Mitchell(G,Vo:ARENA、FROST*、IT BITES、etc)、John Beck(Key,Vo:IT BITES)、Pete Trewavas(B,Vo:MARILLION、TRANSATLANTIC)、Chris Maitland(Ds:PORCUPINE TREE)等によって突如として結成されたUKシンフォ界のスーパー・グループKINOは、名うての猛者揃いというインフォに恥じぬ、そのコンパクトでキャッチーながらインテリジェンスで洗練されたテクニカル・メロディアス・サウンドが大絶賛されながらも、たった一枚のアルバム『Picture』'05 とデモや未発音源、そしてLIVE音源を収録したコンピレーション・アルバム『Cutting Room Floor』'05 を残して呆気なく姿を消してしまう。

で、久しぶりの2ndとなる本作だが、“私は君の意見に反対だ。しかし、君がそれをいう権利は生命をかけて守って見せる。”とか“男がありとあらゆる理屈を並べても、女の一滴の涙には勝てない。”なんていう名言が有名なフランスの哲学者、文学者、歴史家であるヴォルテール(Voltaire)こと、本名フランソワ=マリー・アルエ(Francois-Marie Arouet)の、言論の自由と宗教の自由を支持した思想やヴォルテール自身が死に魅了されていたという逸話にインスピレーションを受け製作され、さらに政治全般のような見える虚偽を切り取って人々へ伝える、人生観を反映したラジオ局というコンセプトに導かれてアルバムは幕を開ける。

因みにドイツ人文学者フーゴー・バルによって1916年にスイスで開店したキャバレーの名前は、キャバレー・ヴォルテール(Cabaret Voltaire)で、作家や各国から亡命者が多く集い、反芸術運動(ダダイスム)の発祥の地となった事で有名。

さらにさらに、その名前をまんまバンド名にしたのが、70年代の英国産インダストリアル・ミュージック・グループCABARET VOLTAIREで、後にエレクトロニック・ダンス・ミュージックユニットへ転じた。

本作の『ラジオ局ヴォルテール』なるアルバムタイトルには、この辺りの事も当然関係していると John Mitchellがインタビューで語っております。

そういったコンセプチャルな要素を含みつつ、デビュー作でのコンパクトでキャッチー、そしてスタイリッシュなテクニカル・メロディアス路線を踏襲しながら、ハートフルなヴォーカルをフィーチャーしたメランコリックでミステリアスな浮遊感と壮大なスケールを感じさせる、複雑な構築美が活かされた英国叙情漂うシンフォ・サウンドをしっかり聴かせ、さらにタイトなギターを前面に押し出したシャープ且つ洗練されたギター・オリエンテッドな作風に幾分か変化していて、John Beckが本格的に参加していない事も大きく影響してか、かなり John Mitchellのカラーが大きくフィーチャーされた(楽曲クレジットも殆ど John Mitchell)サウンドだと一聴してすぐ分かるだろう。

たた、それでも John Mitchellの関わる他のバンドやソロ作のサウンドとは明らかな差異があって、このユニット独特のカラーとも言える、クリア且つスタイリッシュなメロディアスさにハードエッジなエネルギッシュさとマジカルでモダンなブリティッシュ・ポップサウンドが奇妙に交錯する唯一無二な陰影がクッキリとサウンドに浮かび上がり、ダイナミックでスケールの大きなサウンドや独特の浮遊感あるデジタリーなアンビエント具合も相まって、焦がれ続けたKINOサウンドがタップリと味わえる、待たされたファンの期待を裏切らぬ復活作に相応しい一作に仕上がっていると言えましょう。

デビュー作からしてそうだから当然だが、この手のスーパー・バンドが陥りがちな各メンツの腕前を見せつけるような稚拙さは微塵もなく、当初のネオ・プログサウンドを00年代に相応しくモダンにアップデートさせるというポイントをしっかり堅持しつつ、より音楽性の幅とクオリティを上げたテクニカルでスタイリッシュなサウンドの完成度はかなりなものながら、耳に残るのはどこか懐かしく親しみやすいキーボードの音色やエモーショナルなギターのメロディー、そして John Mitchellのハートウォームで深みあるボーカルとコーラス、それら全てのハーモニーが織り成すロマンチックで繊細な美旋律には英国バンドらしい気品が漂う、という80年代黎明期から続く第二世代ポンプ・ミュージシャン達の才能と手腕が遺憾無く発揮された“洗練の極み”とも言える渾身の一品なのは間違いない。

まぁ、ポップさで言うと前作の方がキャッチーだったし細かなアレンジも効いていたのは確かですが、新作は新作でまた違ったティストとストレートな勢いを感じさせ実に小気味良いサウンドが堪らんのですよ。ええ。

なんだかんだと小難しく考えずとも、この心地よいメロディに身を任せて素晴らしい楽曲を愉しめばいいのです(*´ω` *)

3面開きデジパック仕様の限定盤にはBonus Tracksが4曲追加収録されているので、音源マニアは当然こちらをGETしましょう。

因みにBonus Tracksは、Temple Tudor(Piano Mix)、The Dead Club(Berlin Headquarter Mix)、Keep The Faith(Orchestral Mix)、そしてThe Kino Funfairの4曲となっております。

『13年したら、また再結成するよ』と、冗談めかして John Mitchellが語るように、今後本ユニットが継続して活動するのか甚だ不透明ではありますが、出来る事なら John Beckを早く呼び戻してLIVE活動や次なるスタジオ・アルバムの製作をしてもらいたいものです。



# by malilion | 2018-03-26 00:17 | 音楽 | Trackback

フランス産コンテンポラリー寄りシンフォバンドDELUSION SQUARED、待望の新作は大変化!?

c0072376_01432390.jpgDELUSION SQUARED 「Anthropocene」'18

ゴシック系要素も多分に含むクロスオーバ系ながらシンフォニックタッチなプログレッシヴ・ロックを聴かせるフランス産ユニットの4年振りとなる4thがリリースされたので即GET!

前作でデビュー作から続いていた三部作構成のコンセプト作が完結した訳だが、続く新作も再びコンセプト・アルバム(汗)となっている。

アルバムタイトルはノーベル化学賞受賞のドイツ人大気化学者、パウル・クルッツェンによって提案された造語で、人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった近年の地質学的な時代(人新世:ひとしんせい、という意味)を表している。

まぁ大雑把に言っちゃうと、タイトルが物語るように近年の物質主義な人類に警鐘を鳴らす的(人類の黄昏をイメージしてのジャケデザイン?)な如何にも彼等らしいコンセプト作、という事だ。

デビュー以来、複数の組曲から構成されるコンセプチュアルな大作志向のアルバムばかりリリースしてきた彼等なので本作がコンセプト作なのに驚きはないが、一番のトピックはデビュー作からこれまで物憂げでアンニュイな美声でフロントを務めてきた Lorraine Young嬢(Vo,G)が、17年に自身のプロジェクトを追求する為に脱退し、本作から Emmanuel de Saint Meen(Bass,Keyboards,Backing Vocals)と Steven Francis(Vocals,Guitars,Drums)の二人だけによるユニットになってしまった事だろう。

前作で三部作が完結したから、って事なんでしょうかね?
まさか、ここに来て三人ユニットにヒビが入るとは思いも寄りませんでした……

看板だった Lorraine Young嬢を失ってからの初のアルバムと言う事で、ある意味で本作は彼等の勝負作(バンドロゴも変わってるしね)でもあると言えましょう。

その勝負作っぽさを一層際立たせているのが、メンバーの補充を行わなかった、これを機にメンツを固めて正式なバンド体制へも移行しなかった事で、フィメール・ヴォーカル・トリオから男性ヴォーカル・ユニットへ移行した為にサウンドイメージが大きく変化し、可憐で物憂げなフィメール・ヴォーカル好きだったファンにとっては少々いただけない状況かもしれない。

自分的には余りフィメール・ヴォーカルは好みではないんですが、穏やかな歌声なものの Steven Francisが全編で少々抑揚の少ないヴォーカルを聴かせている点は、大きなマイナス要素だとは思いますけど……

一応、フルートとバッキングヴォーカルを担当する Emilie De Neef嬢がゲスト参加してサウンドに華を添えているので、以前のようなフィメール・ヴォーカルが完全に消え失せてしまった訳ではないのがフィメール・ヴォーカル好きなファンにとっては救いかも?(汗

そういった外的要因の変化があったものの、サウンドの方は従来通りにアコースティック・サウンドとメタリック・サウンドを活かした優美で技巧的なギターが楽曲を主導し、ダークでミステリアスなゴシック系のアンサンブルや叙情的でロマンチックな香りたっぷりのシンフォ系キーボードが控え目に、しかししっかりと活躍する、随所でデジタリーなアンビエント・サウンド要素も交錯させつつ前作より接近したポスト・ロック的な感触が初期の作風よりさらに大きくなった、イギリスのPORCUPINE TREEからメタリックっぽさを薄めたメランコリックなモダン・サウンドを聴かせてくれている。

フィメール・ヴォーカル好きなファンには悪いですが、今回の脱退劇で耳に心地よく響く可憐なフィメール・ヴォイスが消え失せた事によって、これまで裏方になりがちだったアコギの陰鬱なアルペジオやメロディアスなフレージングに彩られたゴシック・ハード調のアンサンブルやギターのナチュラルな味わいが浮き彫りになり、インストゥル・パッセージの繊細さや、楽曲構成の妙などがよりストレートに伝わりやすくなったとも言えるのじゃないだろうか?

まぁ、あのままだとずーっとPORCUPINE TREEが引き合いに出されただろうし、オリジナリティ確立の強化という意味では、このユニット化の選択は正解…なのかな…?

ただ、バンドサウンドとして見ると総合的な表現力の幅は確実に低下したと思うので、早急にメンツを補充した方が良いとは思うんですけどね…

海外では、PORCUPINE TREE、ANATHEMA、PINEAPPLE THIEF、AYREON、PHIDEAUXのファンにもお薦め、と紹介されておりますので、このバンド名でピピッと来た方は一度チェックしてみてもいいかもしれません。



# by malilion | 2018-03-25 01:36 | 音楽 | Trackback

ベテラン英国キーボーディスト PHIL LANZONが初ソロ作をリリース!

c0072376_14561459.jpgPHIL LANZON 「If You Think I'm Crazy」'17

GRAND PRIX、Grant&Forsyth、SAD CAFE、John Lawton、LIONHEART、Mick Ronson、Chris Spedding、SWEET等のセッションやサイドメンバーとして幾多の英国バンドを渡り歩いて来た現URIAH HEEP(87年加入)のキーボーディストの初のソロ・アルバムがリリースされたのでGET!

70年代後半から活動してきたその長いキャリアの割に今回初めてのソロアルバムという事実に驚かされが、裏方作業が長かった事もあって多種多様な音楽作業に携わってきたベテラン中のベテラン(実際、もうかなりのお爺ちゃんだ…)が放つ処女作は、ハートフルな自身のヴォーカルもフィーチャーしつつ、複数のシンガーと数多くのミュージシャンを招いて織り成されたゆったり穏やかな楽曲に英国情緒が色濃く漂うドラマチックなシンフォニック・ポップロック作で、そのキャリアに裏打ちされた楽曲やプレイは自主製作盤と思えぬ良い音と高い完成度で流石の一言。

まず Phil Lanzonのヴォーカルだが、本ソロ作では2曲でその歌声を披露している。

URIAH HEEPで長らくコーラスを担当して喉が鍛えられている事もあってか中音域中心なマイルドでジェントリーな歌声で、穏やかな楽曲に実に良くマッチしたなかなかの歌唱力だ。

キーボーディストのソロ作なので当然、ハモンドB3、ピアノ、ローズ、シンセ等を駆使した鍵盤モノが中心のサウンドになり、他にもオーケストラ、ストリングスセクション、混声合唱団を導入したシンフォニック・ロックなども聞けるものの基本は歌モノ的楽曲が殆どで、無駄にキーボードを弾き倒してテクをひけらかすようなみっともない真似をしでかさないのも楽曲中心な考えのベテランらしい余裕を感じさせる(*´ω` *)

注目のゲスト陣だが、まずギターと2曲のリード・ヴォーカルで英国シンフォ界きってのオタスケマン John Mitchell(ARENA、FROST*、IT BITES、KINO、LONELY ROBOT、THE URBANE)が参加し、4曲でリード・ヴォーカルを取っているのはAdrian Smith's PSYCHO MOTELの2ndで歌った Andy Makinが参加、さらにドラムスに Craig Blundell(FROST*、ex:PENDRAGON)を迎えるなど長いキャリアに相応しく多数の凄腕ミュージシャンが招かれている。

アルバム中盤からGRAND PRIX時代を彷彿させる畳みかけるようなスリリングなキーボード・プレイとダイナミックに楽曲が展開するのが楽しめ、その一方でAORテイストやプログレ・テイストも垣間見せるスケールが大きくリリカルでドラマチックな気品漂うメロディアスなサウンドには、JADISやARENA、そしてIT BITES等のポンプサウンドや、MAGNUMや当然の如くURIAH HEEPといったブリティッシュHRサウンドの面影も感じられ、ポンプ、シンフォ・ロック、メロハー等のファンも満足するだろうバランスの取れた充実の作品で、英国ロック好きに是非お薦めしたいアダルティックな一品です。

Musicians:

Phil Lanzon:Hammond B3、Piano、Electric Piano[Rhodes]、Programmed & Lead Vocals(tracks4,10)

James Graydon:Acoustic Guitar
Laurence Cottle:Bass
Craig Blundell:Drums

John Mitchell:Lead Guitar & Lead Vocals(tracks1,3)
Andy Caine:Lead Vocals(tracks8)
Andy Makin:Lead Vocals(tracks2,6,7,9)

Sarah Jory:Pedal Steel Guitar、Banjo
Joe Atkins:Piccolo Trumpet

Andy Caine、Andy Playfoot、Miriam Grey、Phoebe Street:Backing Vocals

The London Telefilmonic Orchestra:
Bozidar Vukotic:Cello
Richard Harwood:Cello
Levine Andrade:Viola
Roger Chase:Viola
Patrick Savage:Violin [Leader]
Adam Hill:Violin
John Mills:Violin
Matthew Scrivener:Violin
Oli Langford:Violin
Peter Fisher:Violin
Richard Smith:Violin
Robert Gibbs:Violin

Andrew Playfoot、Annie Skates、CJ Neale、Kate Graham、Lance Ellington、Lucy Potterton、Mary Carewe、Phoebe Street:Choirs
Annie Skates:Chorus Master
Richard Cottle:Conductor
Levine Andrade:Contractor




# by malilion | 2018-03-24 14:46 | 音楽 | Trackback

生まれ変わった豪快アメリカンHMバンドSTEELHEART

c0072376_01203147.jpgSTEELHEART 「Through Worlds of Stardust」'17

アメリカはコネチカット州出身のHMバンドの、復活第一弾作となった『GOOD 2B ALIVE』以来、9年ぶりの新作となる通算5作目が去年夏頃に出ていたのを今頃にGETしたのでご紹介。

例によって例の如く、どうにも巷の評判がイマイチっぽいので購入を後回しにしていたのです…(スマヌ

HMファンなら良くご存じだろうがメンバー全員が新人バンドらしからぬ凄腕ミュージシャン揃いな上、その中でも飛び抜けて個性的な驚異のハイトーンヴォーカルを誇る Miljenko Matijevic(旧名マイケル・マティアヴィッチ Michael Matijevic)の歌声が話題をさらい、まさに鳴り物入りでデビューしたSTEELHEARTであったが、2ndアルバムリリースに伴う1992年のツアー中に舞台事故が起き、看板だった Miljenkoが大怪我を負った為にバンドは活動休止に追い込まれ、時を同じくして全米で吹き荒れたグランジ旋風の為にいつしか彼等の活躍する場はなくなってしまう…

人気バンドが解散し、その後に復活した際リリースする作品は大抵2パターンで、解散前のイメージなままの作風か、新しい今の時代に合わせた作風な訳だが、彼等が選んだのは後者だった。

で、プライドの為か集金目的の懐メロバンドじゃねぇぞ! という気概でかチャレンジングな後者を選択するベテラン勢は実際かなり多い訳だが、まぁ、大抵の場合は届けられた新譜によって熱心に復活を待ち望んでいた古参ファン達が失望のドン底へ突き落とされるんスよね('A`)

復活と言っても彼等の場合はリユニオンではなく、残念な事に今や完全にメンツの違う Miljenko Matijevic(Lead Vocals、Acoustic Guitar、Guitars、Ebow Guitars)率いるSTEELHEARTというソロ・プロジェクトという態なのが実際のところなのが少々寂しい限りではあります。

まぁ、08年リリースの再々始動作である『GOOD 2B ALIVE』より前の96年リリースの再始動作である3rdアルバム『Wait』時点で既にメンバーは Miljenko Matijevic以外全く変わっていた訳だし、その内容自体もグランジー風味な、1st、2ndで聞かせたタフで豪快なアメリカンHMというサウンドから大きく様変わりしたZEPPELIN臭のするダークで内省的なモノだった事を考えれば、本作においては幾分か初期の作風を感じさせてくれるのは嬉しいポイントと言えるだろう。

で、本作だが Uros Raskovski(Guitars)、James "Rev" Jones(Bass)、Sigve Sjursen(Bass)、Mike Humbert(Drums)は前作『GOOD 2B ALIVE』から引き続き参加し、本作から Jesse Stern(Bass)、Randy Cooke(Drums)が新たに制作に加わっている。

また前作でもゲスト参加したキーボーディスト Edward Harris Rothが、新たに加わったキーボーディスト Daniel Foucheと一緒にピアノとシンセをプレイし目立たないながらもしっかりとアルバムを盛り立てている。

再々始動作である『GOOD 2B ALIVE』は『Wait』の後遺症か、ダークなグランシジー路線を引きずったままのZEPPELIN臭がするヘヴィ&ドライ・サウンドだった訳だが、本作においてはヘヴィさはそれ以上に、けれど幾分かウェットなメロディを感じさせつつ、より骨太でグルーヴィ、そしてハードエッジなサウンドがタフにマッチョにひたすら突き進む、初期のストレートなアメリカンHMサウンドを望んでいるファンには前作同様に少々キツい内容かもしれないが個人的には十分に豪快なアメリカンHMの快作と言えると思う。

特に注目したいのは、以前は太く高く良く伸びる力強い歌声と強靱なハイトーンシャウトばかり取り沙汰され、けれど少々一本調子になりがちだった Miljenko Matijevicの歌唱力も本作に至っては、低い唸りや囁き、ダーティーなロートンや一転優しげで儚く甘い呟き等々と、まさに変幻自在に七色の歌声を操り、アルバムの方も初期のキャッチーなものの圧し一辺倒気味でメタリックだったサウンドから一層にLED ZEPPELIN化を強め、その為か幅広く様々な音楽性を感じさせる深みあるサウンドへと進化を遂げていて、衰えを全く感じさぬ Miljenkoのマルチオクターブの歌声を遺憾なく発揮するに相応しいサウンドへ生まれ変わっているのが良く分かるだろう。

今やSTEELHEART=Miljenko Matijevicな訳で、メジャーデビュー前からLED ZEPPELINの楽曲をカヴァーしていたと言う話だから、『Wait』から『GOOD 2B ALIVE』でまたメンツが総入れ替えされたのに未だにZEPPELIN風味なサウンドがアルバムで聞けるという事は、つまり全て Miljenkoの嗜好という事になるんでしょうね。

個人的にはZEPPELIN風味は隠し味的な扱いだった初期サウンドの方が断然好みではありますが、もう時代が当時とかなり違いますし、かえってこのZEPPELIN風味なサウンドを漂わせる方がオリジナリティ(ZEPクローンって、もう古臭い部類に入るか?)を感じさせて今となってはいいのかもしれません…

そう言えば、最近は何故か韓国(!?)での活動がお盛んらしい Miljenko Matijevicですが、去年久しぶりの来日を果たしたものの旧譜のリイシュー等はなかったのが少々寂しい限りであります…

国内発売はあったものの弱小インディ扱いで殆どプロモーションしてもらえなかった『Wait』や国内盤未発の自主製作盤『GOOD 2B ALIVE』を今こそ国内リイシューしてもいい頃合いなんじゃないんですかねぇ?

そうそう、アルバムタイトルの『星屑の世界を通って』と美しい夜景のジャケをひっかけたアイディアは、大人の魅力を加味して深みと渋みの増した今のSTEELHEARTサウンドのイメージにピッタリあっていて、以前の無骨でストレート過ぎるアルバムジャケを思うとなかなかモダンでお洒落で宜しいと思います。

初期の彼等のサウンドを求める人は手を出すのは間違いなく危険なアルバムだが、より逞しく幅広い嗜好のサウンドを表現出来る驚異の音域を誇る抜群に上手いヴォーカリストの歌声を求めている方にはもってこいの一作ではないでしょうか?


# by malilion | 2018-03-20 01:12 | 音楽 | Trackback

QUEENSRYCHE+FATES WARNING×イタ公プログレ÷DREAM THEATER=TIME MACHINE

c0072376_19442935.jpgTIME MACHINE 「Eternity Ends」'98

今やイタリアのインディ・レーベル LUCRETIA Recordsのオーナーとしての方が有名かもしれない Lorenzo Dehoがかって率いていた5人組イタリア産プログレッシヴHMバンドをご紹介。

90年代初めに Lorenzo Deho(Bass、Keyboards、Vocals)を中心に Ivan Oggioni(Rhythm Guitar)と Andrea Ruggeri(Lead Vocals)の3人で結成され、以降常に流動的なメンバー構成でシングルやEP、企画盤、そして旧譜リイシューやアルバムを多数発表していく事になる。

上記の3名にセッションプレイヤーとゲストプレイヤーを迎え、自主製作EP『Project:Time Scanning』で93年にデビューを果たす。

デビュー作ながら組曲を含む大仰なキーボードをフィーチャーしたテクニカルで忙しないリズムチェンジを繰り返す楽曲は、如何にもユーロ・プログHMの典型と言うダークで難解なサウンドで、レンジの狭い劣悪な音質の自主製作盤ながらこの時点で既に後の片鱗を伺わせる一作であったと言えよう。

まぁ、安っぽい打ち込みドラムみたいな軽いボトムの音や、歌メロのイマサン具合やトッ散らかった展開の楽曲構成はいただけないけど…

また、バンドがプレイしている音楽がプログレッシヴHMでデビューが93年となると、92年から世界で吹き荒れた夢劇場症候群の一派と思われるかもしれないが、そのサウンドは明らかにQUEENSRYCHEやFATES WARNINGといった一連のUSテクニカルHMの影響が顕著で、この時点ではまだ彼等は夢劇場サウンドの洗礼を受けていないのは明白であった。

因みにこのデビューEP、Lorenzo Deho的に記念作だしお気に入りなのか、この後97年に1曲ボートラ付きでジャケをカラフルにしてリイシューし、再び99年にもデビュー当時のドイツ盤アナログEPにのみ収録されていたトラックをさらに1曲追加してデジタルリマスターを施し、ジャケデザインも新たにスタイリッシュに手直しされリイシューされている。

1994年、『Dungeons of the Vatican』なるEPを限定500枚で自主リリースする。

EPと言っても1曲を除きデビューEP収録曲を再度収録した3曲入り盤で、「Dungeons of the Vatican」はバンドが最初に作曲した楽曲で、蔵出し的に旧曲を再録リリースしたマニア向けアイテムと言え、デビュー前の彼等の姿を伺い知る事が出来る興味深い一枚と言えよう。

因みにこのEPも後に大量のLIVEテイクを追加されてリイシューされている。

この時のメンツは Lorenzo Deho(B、Key)、Ivan Oggioni(Rhythm G)のみ残留でフロントマンに Jonathan Lavino(Vo)、Mirko Criscione(Key)、Fabio Brigliadoro(Ds)、Joe Taccone(G)のキーボード入りツインギターの6人編成となっている。

1995年、バンドメンツを整え満を持して初のフルアルバム『Act II:Galileo』をリリース。

この時のメンツは Lorenzo Deho(B、Key)、Ivan Oggioni(G)、Joe Taccone(G)のみ残留で、新たなフロントマンに Folco Orlandini(Lead & Backing Vocals)、Antonio Rotta(Ds)のツインギター編成5人組となりゲストにテナーサックス・プレイヤーとキーボーディストを招いて製作されている。

ただ、私の所有しているオリジナル・イタリア盤のブックレットにはメンバー直筆サインが入っているのだがドラムスだけサイン(メンバーフォトはある)が無く、さらに本作には Mark Allegriなるドラマーがヘルプで参加している所をみると、製作途中でドラマーが抜けたのかもしれない。

この後、このファーストアルバムもボーナスディスク付きでリイシューされるのだが、そこでは Nicola Rossetiなるドラマーの名前とメンバーフォトがあるので、アルバム完成後に新ドラマーが迎えられたと言う事なのだろう。

タイトルが示す通り地動説で有名なイタリアの天文学者ガリレオをテーマにしたコンセプト・アルバムで、SEやナレーション等を導入した映画的なスケールの大きいサウンド造りになっており、デビューEPの暗さやテンションが消え、唐突なリズム展開やテクニカルで長尺なリード・ソロが控えられた、よりコンパクトでメロディアスな歌メロもキャッチーになって大幅に楽曲の質が向上した、オペラティックなヴォーカルをはじめイタリア的な叙情感や艶やかな美旋律が随所で光る、ある意味でストレートなユーロHM的サウンドのアルバムと言えるかもしれない。

本作に置いては明らかに夢劇場の影響(みんなサックス使いたがるよねぇ…)が伺え、以前のQUEENSRYCHEやFATES WARNINGといった一連のUSテクニカルHMのカラーが薄れ、ドライ気味なサウンドだったのがウェットなユーロ系HMサウンドへシフトしている点が大きな変化だろう。

本作で、彼等は晴れて日本盤デビューを果たし、アルバムの高評価を受けてバンドはイタリア国外での初LIVEを体験する。

1997年、再びメンツに変動が起こり、編成も新たにEP『Shades Of Time』をリリースする。

まず『Act II:Galileo』製作時にゲストプレヤーだった Stefano Della Giustina(Tenor Sax)が正式メンバーに迎え入れられ、新たなフロントマンに Morbyなる人物が迎え入れられている。

Morbyはこの後にイタリアン・プログHMバンドLABYRINTHへ加入する事になるが、デビュー後すぐに脱退した Joe Terry(Fabio Lione)から二代目フロントマン Rob Tyrant(ex:NEW TROLLS ex:VANIXA)へチェンジするまでに2nd製作のリハーサルに参加していたヴォーカリスト Giacomo Jeanflancinの事と思われる。

本作のみで脱退した Morbyの歌声は Joe Terry(Fabio Lione)的なハイトーンも歌いこなす如何にもユーロHM系メタルシンガーというイメージで、個人的にはカバーする音域も広いしなかなか上手いヴォーカリストでバンドにもマッチしていたと思うだけに残念ではあります。

まぁ、TIME MACHINEとLABYRINTH天秤にかけて、よりストレートなHMサウンドのLABYRINTHが自分の好みだと脱退したんでしょうね…

サックスプレイヤーを正式メンバーに加えた事で彼等の作品中で唯一といっていい程にサックスの音色とプレイがフィーチャーされたEP作であるのと、新曲とデビューEP曲の97年Version、そしてBLACK SABBATHのちょいプログ風カバー“Heaven And Hell”で構成された、よりメロディアスでストレートなHMサウンドを披露する異色作で、そう言う事もあってか本作の音源はボーナストラック等で他のアルバムへ収録される事はなく、この後リリースされる二枚組レア音源集である『Hidden Secrets』にしか収録されていない。

因みに本作もREMIX&REMASTERされボーナストラックを追加されて後にリイシューされている。

98年、恒例のメンバーチェンジが起き、編成も新たにシングル『Secrets Oceans Part 1』をリリースする。

まずフロントマンを Nick Fortarezzaへチェンジし、創設メンバーであったギタリスト Ivan Oggioniが抜けてシングルギターの5人組編成バンドとなる。

元よりキーボードを弾いていた Lorenzo Deho(Bass、Aditional Keyboards)に加えサックスプレイヤーの Stefano della Guistina(Keyboards、Tenor sax)もキーボードを奏でるツインキーボード体制となったのが影響したのか、以前にも増して非常に良いキーボード・パッセージがフィーチャーされたバンドサウンドとなり、リード楽器としてサックスのプレイも十分にフィーチャーされていて、シングル収録の“Behind the Cross(Ocean version)”と“Never-ending Love(1998 version)”で巷に溢れる夢劇場フォロワー達とは一味違う演奏を聴かせてくれる。

この時点で既にかなりテクニカルなインタープレイを見せつけるプログレ的テイストは希薄になりつつあり、出発点であったQUEENSRYCHEやFATES WARNINGといった一連のUSテクニカルHMの影響は消え、代わってDREAM THEATER的なヘヴィさとイタリアンバンドならではの艶やかさと大仰さの表現にバランスが傾いているように思える。

シングル発表のメンツ編成のまま、待望の2ndフルアルバム『Eternity Ends』が98年にリリースされる。

1stアルバムに続き本作もコンセプトアルバムで、題材はイタリアン・バンドらしく“イエス・キリストの生涯”で、特にイエスの人生の様々な瞬間やその後の思いについて厳かに艶やかにサウンドで綴られていく。

本作のサウンドはコンセプトに引っ張られたのか、今まで一番艶やかで壮大なスケールを感じさせるバンドサウンドとなっており、ヘヴィさやテクニカルさ、そしてスピードやパワーなどよりも如何にそのイエスの生涯を克明に描き出すかに情熱が注がれており、アコースティックギターや厳かなコーラス、そして情景を描き出す重厚にしてリリカルなキーボードワーク等の全てが実に古典プログレ的な繊細な表現がなされていて、彼等の作品中最もHM的サウンドから遠いアルバムなのは確かだろう。

この題材の為ならダブルキーボード体制も必然と言える程にサウンドのスケールが実に雄大で、ゆったりと美しいメロディを新フロントマン Nick Fortarezzaがその美声でしっとりとオペラティックに歌い上げ一大歴史絵巻を描ききっている本作は、個人的に彼等の最高傑作ではないかと思う。

同じプログHMバンドと言っても、聖書という題材をここまで優美に雄大にサウンドで綴ることはユーロ圏のバンド、特にイタリアのバンドにしか出来ぬように思え、事ここに至っては夢劇場の影響など些細でしかないと言えよう。

またイタリアでLUCRETIA Recordsがディストリビューションしている関係でかANGRAのヴォーカリスト Andre Matosが一曲でその伸びやかな歌声を披露しているのと、脱退したギタリスト Ivan Oggioniも一曲でギターを客演しているのもファンには嬉しいサプライズだろう。

アルバムリリース後、Andre Matosをフィーチャーしたシングル『Secrets Oceans Part 2』'98 がリリースされる。

“I Believe Again (Ocean version)”なるキーボード増量MIX版と“Behind the Cross (Radio edit)”の二曲が収録されていて、共にアルバムに未収録曲なのでTIME MACHINEファンはチェックし忘れないようご用心を。

次に2000年にリリースされたのは『Hidden Secrets』なる二枚組編集盤であった。

この作品はフォーラムでバンド・ファンが選んだレア・ソングやデモ、未発表曲、そして旧曲を収録したコンピレーション・アルバムで、TIME MACHINEファンには外す事の出来ぬマストアイテムと言えよう。

バンドの1992年から1999年までの9種類あるラインナップの音源を全て収録しているアンソロジー作であり、これまでにリリースされた楽曲や、または未リリースのレコーディングされたトラックのデモ、LIVEトラック、既発曲のアンプラグド・ヴァージョン等のレアトラックを数多く収録した内容は質、量、共に充実していて、なかでも聞き所は"1000 Rainy Nights"のオリジナルバージョンである "Will You Remember"なる楽曲や“I hold the key”と“Prisoner of dreams”のアンプラグド・ヴァージョン、そして録音状況は劣悪なものの、スタジオ作では聞く事の出来ぬ激しくクランチーなギターがワイルドに暴れまくる"Never Ending Love"のオフィシャル・ブートレッグ等、スタジオ作では決して聞けない彼等の新たな一面を知る事が出来る非常に興味深い一作だ。

しばしのインターバルの後、アルバムリリースに先駆けて5曲入りEP『Aliger Daemon』を2001年にリリースする。

恒例のメンバーチェンジが勃発し、ボスの Lorenzo Deho(Bass、Keyboards)は当然として Joe Taccone(G)のみ残留し、新フロントマンに Pino Tozzi(Vo)、ギタリストにGianluca Ferro(G)、ドラムスにCludio Riotti(Ds)とほぼバンドメンツが一新されている。

5曲中2曲のみが新曲で、それ以外は既発曲だが、リードトラックの“Eyes of Fire(Daemon mix)”と“Army of the dead(Daemon mix)”は後にリリースされるアルバム収録曲とミックス違いなのと、アルバム裏面では“Eyes of Fire”が“Kiss of Fire”とタイトルが変更されている。

ただ、ブックレットの歌詞とタイトルは未だに“Eyes of Fire”と明記されているので、初回限定の縦長デジパック盤(Underground Symphonyお得意のアレ!)だけタイトルを表記ミスしたと言う事だろう(笑

因みに本EPと次のフルアルバムのみ同郷のインディレーベル Underground Symphonyとレーベル提携した為かUnderground SymphonyのCD番号とレーベルロゴが見受けられる面白盤です。

たった2曲の新曲ではあるが、この時点で既にかなりバンドサウンドが変化している事が見て取れ、『Eternity Ends』'98の影響が大きかったのか巷の流行を意識したのか一気にシンフォHMへ接近した音像に様変わりしている。

続く02年、満を持して3rdフルアルバム『Evil』がリリースされる。

毎度同じくコンセプト・アルバムで、今回の題材は『Bone Chilling』なるイタリアの人気小説に基づいたアルバムだ。

メンツはEPリリース時と変更なしのツインギター5人組編成ながら、EPの時に予感出来た通り大々的にキーボードをフィーチャーした壮大なシンフォニック・サウンドがスピーディーに高らかに突き進み、夢劇場の呪縛から解き放たれイタリアン・バンドらしい濃密なオリジナリティを確立したと思ったら今度はオペラティックな分厚い男女混声合唱まで披露する北欧シンフォHMな呪縛に囚われる事になるなんて…と、いうのが初めて本作を耳にした時の印象でした(汗

新フロントマンの Pino Tozziの歌声はしっとり系で典型的なメタル系シンガーのようにダーティにガナったり金切り声でシャウトしたりするタイプではないので旧曲を歌うには少々苦しいかもしれないが、『Eternity Ends』以降のバンドが目指す叙情感あるダークなユーロピアン・シンフォHMには実に良くマッチした伸びやかな歌声と甘い声質だと思う。

しかし、ここまで分厚いキーボードサウンドをフィーチャーするのにツインギター編成のキーボードレスって、ちょっと編成に無理あるよなぁ…と、思いつつブックレットを見ると、ゲストに同郷臭メタルのシンフォ・バンドSKYLARKのキーボーディスト Eddy Antonini(!)が参加し、他にも Roberto Gramegnaなるキーボーディストにオーケストレーションまで任せているのを知って、成る程ソレでこんなにシンフォに急接近した臭メタルチックなサウンドになったのかと納得しきりでした('A`)

まぁ、初期から大仰なキーボードはフィーチャーしていたバンドサウンドでしたので、それがシンフォへ発展したと考えれば当然の流れなのかもしれませんね…でも、ここまで全面にキーボードサウンドを押し出すなら何故専任キーボーディストをメンバーにしないの?(汗

因みにこの後 Pino Tozzi(Vo)は当然のように脱退し、以前ここでもご紹介した ORA NOMBROなるイタリアン・シンフォ・グレHMバンドで2008年にデビューを飾ることになるのだが、サウンドのモダンさや完成度は断然こちらの方が上なもののそのサウンドの原点はTIME MACHINEの『EVIL』にあると言えるかもしれない。

しばしのインターバルの後、現在の所の最新作にして最終作(?)と思われる4thアルバム『Revivi Scence(Liber Secundus)』を04年にリリースする。

4thフルアルバムは、今日における世界の悪(テロ)にメインにしつつユダヤとパレスチナの紛争を含む中東の終わりなき闘争をテーマにしたコンセプト・アルバムでない(!)普通のアルバムだ。

まぁ、大きく見れば中東がコンセプトとも言えるけど、一応今までのようなコンセプト・アルバムじゃない、って事で。

そして恒例のメンバーチェンジで、ボスの Lorenzo Deho(B、Key、programming)は当然として Gianluca Ferro(G、Key、programming)のみ残留し、新フロントマンに Marco Sivo(Vo)、ギタリストにGianluca Galli(G)、ドラムスにSigfrido Percich(Ds)と再びほぼバンドメンツが一新されている。

まず一聴して即分かるのが、前作でのキーボードの過剰な登用で活躍する場を奪われたギタリスト達への贖罪なのか反省なのか、本作では若い二人のギタリストがこれでもかと所狭しとアルバム全編に渡って目一杯に流暢な早弾きプレイを披露し、キーボーディスト不要を高らかに叫ぶかの如く音符の嵐を怒濤の如く詰め込んでいて、シンフォHMから一気にスピードHMへバンドサウンドが変化している。

新フロントマンの Marco Sivoはマイルドな声質で良く伸びる歌声を披露しながらも、ダーティなガナりやシャウトも織り交ぜてメタルソングもしっかりと歌えるスキルを持っている、タイプとして元HELLOWEENの Michael Kiskeっぽいタイプに近いかもしれない。

また、テーマが中東という事でかこれまで彼等のアルバムで聞く事がなかったオリエンタルなフレーズやメロディが所々で顔を出すのと、二人のギタリストの過去のバンドイメージを一切考慮しない自由奔放でトリッキーなプレイの影響でか、これまでダークで硬質なイメージだったバンド・サウンドに今までになくブライトでクリアーなイメージが加わって、良い意味でキャッチーでメロディアスになったように思える。

ただ、多くの新要素がバンドサウンドに持ち込まれフレッシュなサウンドへリメイクされたのと、シンセサイザーが控え目になって添え物的な扱いになった事もあって、これまで良くも悪くもユーロ系のテイストをプンプンと漂わしていたバンドサウンドが、一気にドライなテクニカル・スピードHMやシンフォ・スピードHMの類型的サウンドに接近してしまったのは間違いなく大きなデメリットだろう。

まぁ、テクニカルでスピーディなプレイが効いたモダン・サウンドってヤツと、艶やで優美なサウンドってのはなかなか両立させるのは難しいですから、思い切って古臭いサウンドを捨てて新しいサウンド創りへ挑んだ、って事なんでしょうね…

以前のサウンドアプローチの方が好きか、新たなモダン・スピードHMサウンドの方がしっくりくるか、はリスナー側の受け取り方次第って事でしょうから、後は実際耳にして是非の判断をして頂くのがいいだろう。

はじめにギターだらけのアルバムだと申しましたが、本作にもゲストでキーボーディストが二名参加しており、そつなく短い時間で印象的なプレイやパッセージを聞かせ、実は歴代一番のシャレオツでモダンなキーボードサウンドとセンス抜群なプレイを聞かせているという事実に少々驚かされます。

また、再びANGRAのメンバーが本作にゲストで招かれていて、Rafael Bittencourt(G)と Kiko Loureiro(G)の2人のリードギタリストの華麗なプレイがフィーチャーされているので彼等のファンの方は一度チェックしてみて下さい。

正直、デビュー当初からメンツが変わりまくりだし音楽性も変化しまくりでイマイチこのバンドならでは、という個性が掴みにくい事やリイシュー作の多さや再録多目なEP等々もあってファンを混乱させ、どうにもマイナーな知名度のインディ・バンドではありますが、その時々で高品質なサウンド創りへ挑み続けて来た Lorenzo Dehoのクリエイトする音楽、決して嫌いじゃありません。

大雑把に夢劇場フォロワーと捉えられがちな彼等ですが、ちゃんとアルバムを聞けばその影響から早い段階で脱している(そもそもフォロワーじゃないし)恐れず変化し続ける事が個性とも言えるオリジナリティのあるバンドですので、ご興味ありましたら一度チェックしてみても決して損にはならない、そんなイタリアン・プログHMバンドなのです。

所で一度2007年に次なるフル・アルバムのレコーディングが開始されるとアナウンスされたが、その後一向に情報がないまま、バンドサイトも消滅して現在に至るんですが…やっぱりもう解散して、バンドは存在していないんですかね?

まぁ、Lorenzo Dehoさえ居ればいつでも活動再開出来るんでしょうけど…


# by malilion | 2018-03-12 19:40 | Trackback

早すぎたオランダ産ポンプ・バンドYWIS

c0072376_23013937.jpgYWIS 「Leonardo's Dream」'95

MARATHON、FOR ABSENT FRIENDS、TIMELOCKと来たらこのオランダ産バンドを紹介せぬわけにいかないでしょう。

バンドのルーツは1975年まで遡る古参のバンドであったが Julian Driessen(Key)を除くメンツが流動的でバンド名も常に変化していて、82年にやっとメンツが固定されYWISが創設される。

83年に自主製作デビューアルバム『Ywis』をリリースした当時のメンバーは、

Geert van de Burg (Lead Vocals、Keyboards)
Rinus Hollenberg (Guitars、Vocals)
Herman Ruijters (Drums、Vocals)
Eric Stap (Bass)
Julian Driessen (Keyboards)

の5人で、Julian Driessenと Rinus Hollenbergはこの後、バンド分裂の後再びTIMELOCKで合流する訳ですね。

デビュー作のサウンドは、基本はポップロックなものの Julian DriessenのSAGAの影響モロなキーボードプレイとキーボードサンプルの音色と、Rinus HollenbergのRUSHの Alex Lifsonの影響モロなギタープレイとギタートーンのせいでか、SAGAとRUSHの影響を強く受けたオランダ産ポンプ・バンドの草分け的な扱いを受けてしまう。

実際、SAGA+RUSH×ポンプ+STYXばりの分厚いバッキングコーラス、というなかなかメジャー路線な方向性のサウンドなんですが、John Wettonと Greg Lakeを足して二で割ったようなマイルドな声質でミドルレンジ中心な歌声の Geert van der Burgの歌唱スキルがイマイチで、どうにも淡泊な上に一本調子な歌メロがバンドサウンドの足を大きく引っ張っていた感は否めないんですよね…

英国でポンプ・ムーブメントが盛り上がり始めたばかりの時期に既にポンプを予見するかのような先見性のあるバンドサウンドだった事もあってかオランダを中心にユーロ圏で好評を博したものの、1985年にメンバー間の音楽性の違いを理由に解散してしまう。

その後、各メンツは銘々に音楽活動を続けていたが、1993年にSI Musicが彼等のデビューアルバムを発掘し、Remix&Remasterしてリイシューする事を記念して十年ぶりにメンバーが集まり、そのまま再結成、そして新譜製作の流れになる。

そうして製作されたのが本作である2ndアルバムな訳だが、残念な事に既にTIMELOCKとして交わしている契約に縛られ Julian Driessenのみがこのリユニオンへ参加出来ず、代わって Rene van Spanjeなるキーボーディストが迎えられ、元々のバンドリーダーが居ない状況で製作される事になってしまう。

ただ、そのメンツ変動が影響したのか、それとも解散後の各自の経験が活きたのか、この2ndは1stの今一つ煮え切らぬ出来が嘘のような快作に仕上がっている。

その理由としては、まずイマイチの歌唱力だった Geert van de Burgの歌唱スキルが大幅に向上し、ダーティーにガナったり、吐き捨てるように歌うワイルドさを感じさせるHR的な歌唱法を取り入れた為に大きく歌メロの質と幅が改善されたのが一点。

続いて、若干古臭いHR的なプレイを聴かせ(時代的に当然なんだけど…)ていた Julian Driessenに代わって Rene van Spanjeが奏でるキーボードが所謂典型的なポンプ&シンフォ・スタイルな為に、1st時に感じられたSAGA臭が消え去って一気にスタイリッシュでモダンなサウンドに変化し、サウンド全体のクオリティを引き上げる助けになったのが一点。

そして、十年のバンド外活動で歌唱力に自信をつけたのか、Rinus Hollenbergと Herman Ruijtersが本作ではそれぞれ一曲づつリードヴォーカルを担当していて、そのせいもあってか1stを凌ぐ分厚くキャッチーなバッキングコーラスを披露して新たにAORテイストも加味されたサウンドの華やかさを倍増させている点が、2ndの質を一気にレベルアップさせた理由だろう。

なかでもギタリスト Rinus Hollenbergの歌が予想以上に上手く、歌唱力が問われるバラードでその歌声を聞かせている事からも自身のヴォーカルスキルにかなりの自信があるのが窺えるし、Geert van de Burgより高いキーの歌声を堂々と披露しているのに驚かされました。

相変わらずRUSH臭いギタープレイとトーンなんですが、まぁソレが消えちゃうとYWIS印が皆無になっちゃうとも言えるので、コレはコレで残しておかないと折角の再結成作の意味が昔からのファンにとってなくなってしまうしね…

所で、Geert van der Burgの歌声がちょっと Clive Nolan(PENDRAGON、SHADOWLAND、etc...)の歌声に似て聞こえるのって私だけ? いや、勿論 こっちの方が本職のヴォーカリストなんで上手い…かな?(汗

バンドのサウンドの方向性は1stと同路線のポップでキャッチーながら、しっかりとポンプテイストを感じさせるメロディアスなギターとシンフォニックなキーボードの音色がフィーチャーされつつ分厚いコーラスも活かされた楽曲にもフックがありコンパクトに纏め上げられた隙無いアルバムだが、時期的に考えてもう少しメタリックなテイストやサウンドが聞こえた方がよりメジャーなサウンド(夢劇場のブレイクは92年)に近かったんでしょうが、元々HMバンドでもないし、プレイヤー的にもそちら側のサウンドをクリエイトしていた訳でもなかったので、まぁ頑張ってHR要素を感じさせている程度が精一杯だったのかもしれません。

そもそもメンバー自身がYWISのサウンドをポンプとしてプレイしはじめた訳ではないのは時期的に明白ですから、そう考えるとHRサイドからプログレへ接近したポップロック、というスタンスが一番バンドサウンドを現す言葉に近いだろうから、再結成作であるこの2ndも多分にそのマインドを引き継いでいると考えれば、この2ndの方向性も当然なのでしょうね。

元リーダーの Julian Driessenがこのリユニオン作の製作に関わっていたなら、TIMELOCKで聴かせてくれたより進化したポンプテイストを感じさせるまた違ったサウンドになっていたかもしれませんけど……

かなり出来の良いアルバムが仕上がったものの、残念なことに既にバンドに実体は無く、バンドによる有力なプロモーションもないまま『Leonardo's Dream』は1995年にリリースされてしまう。

解放パーティーと解散ライブが予定されたが、これらの計画も諸般の事情によって全て中止されYWISはすぐに解散してしまった。

せっかくいいアルバムを残してきたYWISですが、どうにも運が無かったようです…

もしデビューがあと数年遅れていたなら、ポンプ・ムーブメントにのってYWISはどんな活動を見せたのか、とか再結成作にちゃんと Julian Driessenが参加出来ていたなら、とか色々と妄想してしまいます…

もし彼等のサウンドに興味を持たれた方がいるなら、どちらのアルバムも国内盤がリリースされていますので、中古盤店をチェックしてみれば比較的簡単に入手出来るハズです。

まぁ、もっとお手軽にDLすれば音源は入手出来ますけどね。



# by malilion | 2018-03-08 22:53 | 音楽 | Trackback

SHOOTING STARの中心人物 Van McLainが死去…


ガーン! なに!? なんなのこの連続の訃報は!?

なんで自分のお気に入りのアーティストが続々と鬼籍になっちゃうんだよぉ…orz

KANSASフォロワーとして80年代にメジャーデビューして以来、そのメロディアスでキャッチーなサウンドが個人的に大のお気に入りであった米カンザス・シティ出身のメロディアスHRバンドSHOOTING STARの中心人物にして唯一のオリジナルメンバーでありギタリストである Van McLainが死去してしまった…

なんでも2015年にウエストナイル熱に感染し、以後、闘病生活を送っていらしいが…まさか、こんな最悪な結末になるとは…

最近はフロントマンだった Ronnie Platt(Vo&Key)が本家KANSASのフロントマンへ大抜擢されるなど余り良い情報を耳にしていなかったが、すぐ次なるヴォーカリスト Todd Pettygroveを迎えてこれまで通り地道に活動を続けているものだとばかり思っておりました…

これをもって1980年1月デビューから今日まで、長きに渡って活動してきたSHOOTING STARは解散する事に相成った模様です。
まぁ、リーダーが居なくなっては致し方が無いですかね…

期待の新フロントマン Todd Pettygroveを迎えての第一弾アルバム『Into The Night』を15年に発表したのが最後になってしまうなんて…

今夜はSHOOTING STARのアルバムでも聞きますかね…


R.I.P Van McLain





# by malilion | 2018-03-05 22:51 | 音楽 | Trackback

凡作の前作からの沈黙、そして華麗に蘇った北欧メロハーIMPERAがソロ・プロジェクトとして再始動!

c0072376_16354869.jpgJohan Kihlberg's IMPERA 「Age of Discovery」'18

スウェーデン人ドラマー J.K.Imperaを中心に名うての強者が揃ってしっかりとしたバンド編成で活動してきたメロハー・バンドの3年ぶりとなる新譜がリリースされたので即GET!

2012年デビュー以来、毎年1枚とコンスタンスに新作をリリースして来た彼等だが、前作から日本盤リリースは見送られ、続く新譜の報も無いままで少々心配しておりましたが、届けられた新譜のタイトルを見て何があったか納得という4thを、どうせ国内盤リリースはないだろうと予想して早々に買い込んでみました(汗

前作まで J.K.Impera(Ds)を筆頭に、ソウルフルな名シンガー Matti Alfonzetti(Vo:JAGGED EDGE、SKINTRADE、DAMNED NATION他)、北欧メロディック・ロック界随一のお助けマン Tommy Denander(G:RADIOACTIVEを筆頭にAORセッションやプロジェクト多数)、そして Mats Vassfjord(B:VINNIE VINCENT、GRAND DESIGN他)の4人でガッチリとメンツを固めバンドらしくマイナーながら地道な活動を続けていた訳ですが、まぁ、売れっ子のメンバーが売れないマイナーバンドに何時までも在籍してくれるはずもなく、残念な事に本作から Johan Kihlberg名義のソロ・プロジェクトとなってしまった…(つд`)

で、ソロ・プロジェクトになったからか心機一転、多彩なゲストを招いた各メンツのファンならずとも俄然興味を持たれるだろう、実にゴージャスなラインアップからなるメロハー・アルバムとなっております。

基本構成は、

Johan Kihlberg (Drums、Keyboards)
Lars Chriss (LION'S SHARE:Guitars)
Mats Vassfjord (220 VOLT:Bass)

という、80年代から90年代にかけて北欧HMを好んで聴いてきたHMファンなら間違いなく目を惹くメンツを基本バンドにし、曲毎にメロディアスHMファンやメロディアス・ハードポップ・ファンにお馴染みな実力派メンツが目まぐるしく入れ替わってキャッチーでブライトなモダン・メロハー・ロックを演っていて、ソロ・プロジェクトならではの賑やかで華やかなサウンドが実に素晴らしい♪('(゚∀゚∩

で、その注目のゲスト陣ですが、
Michael Sadler(SAGA:Lead & Backing Vocalss on Track.8)
Goran Edman (ex-Yngwie Malmsteen、ex-John Norum、etc:Lead & Backing Vocals on Track.6)
Nils Patrik Johansson (ex-LION'S SHARE、ASTRAL DOORS:Lead & Backing Vocals on Track.2、3)
Mick Devine (SEVEN:Lead Vocals on Track.3、5、9 Backing Vocals on Track.3、7、9)
Nigel Bailey (BAILEY:Lead Vocals on Track.7、10 Backing Vocals on Track.5、10)

Mattias IA Eklundh (FREAK KITCHEN:Guitar solo on Track.9)
Kay Backlund (LION'S SHARE:Keyboards on Track.1、3、6)
Anders Rybank (COASTLAND RID:Keyboards on Track.8)
Michael J. Scott :Lead & Backing Vocals on Track.4

プロデュースは、Johan KihlbergとLION'S SHAREのギタリスト、Lars Chrissが担当、という事で全面的に北欧プログHMバンドLION'S SHAREのメンツがバックアップしているのが見て取れる。

2ndまで80年代後期~90年代初期フィール漂う叙情的なメロディー重視のキャッチーでコンパクトでメロディアスなAOR&メロハーといった優等生サウンドだったが、前作はギターが前面に押し出されたダークでハードなテイストを強く感じさせる硬質なHMサウンドへ接近し、メロディの質やキャッチーさが後退した凡作なのが残念であったが、ソロ・プロジェクト化しJohan Kihlbergの奏りたいサウンドを100%クリエイト出来るようになったからか本作では再び初期で顕著だった北欧バンド特有の叙情性と湿り気を帯びた美旋律が眩いメロハー・サウンドな方向へ軌道修正し、前作のダークネス要素は気の迷いであったかのように影を潜め以前のドストレートなポップフィーリングが戻ってきていて、これには初期ファンも欣喜雀躍だろう(*´ω` *)

Johan Kihlberg曰く、KISSやQUEEN、ABBAやTHE BEATLESのような多様で幅広い音楽性のバンドに習って本作の幅広く華やかなサウンドのアルバムを製作したそうですが、その目論みはバッチリと果たされたと言えましょう。

前作で問題点だった印象に残らない凡庸なメロディや楽曲構成も、豪華ゲスト陣を迎える事で各キャリアの持つテクやスキル、そして際立つ個性でもって難なく払拭し、万華鏡のように華やかに変わる歌声やソロプレイヤーのサウンドでもって音楽性の幅も一気に押し広げるという禁じ手を早々に使って新作のレベルをドーピング気味に一気に爆上げ(w)した Johan Kihlbergですが、こうなると心配なのはLIVEと次作はどうするのか、って事ですよね…

出来る事ならちゃんとメンツを固めて再びバンドとして活動して欲しいですが、今後もこのゲストを迎えるパターンで行くんですかねぇ?

AYREONやTHERIONは別として、この手の豪華ゲストゾロゾロ参加な北欧ソロ・プロジェクトって、昔からなかなか長続きしないんだよなぁ…(汗

次作が早く届けられる事を祈って、今は音楽性の幅が一気に拡がったこの賑やで彩り豊かな新譜のサウンドに耳を傾けますか…



# by malilion | 2018-03-04 16:27 | 音楽 | Trackback

爽やかポンプから荘厳シンフォへ生まれ変わったオランダ産シンフォバンドTIMELOCK。

c0072376_01535526.jpgTIMELOCK 「Buildings」'08

なんだかんだでMARATHONやFOR ABSENT FRIENDSを聞き直していて止まらなくなり、オランダのポンプバンドを片っ端から引っ張り出しておりました(w

一般的にはマイナーながら実にポップでキャッチーなメロディを奏でる、上記2バンドよりさらにメロディアスでクリアーな爽快サウンドが個人的に大変気に入っていたオランダ産の5人組ポンプバンド(同名別バンドが存在するのでご注意を)をご紹介。

92年に『Louise Brooks』でSIミュージックレーベルからアルバムデビュー(カタログナンバーは20)を飾った当時、TIMELOCKもMARATHONと同じくカナダのプログレ・ポップバンドSAGAからインスパイアされたポンプバンドの一つでしかありませんでした。

ただ、デビュー当初からその他の同時期にデビューした凡百のポンプバンドより数段上のレベルのプロフェッショナルなサウンドを奏でていました。

そう思わせた一番の要因は、リーダーの Julian Driessen(Key)と相棒の Rinus Hollenberg(G、Key、Drum programming、Vo)からなる元YWIS組が作曲する楽曲が、ややもするとアマチュア臭い楽曲やサウンドが多いポンプ勢の中で群を抜いてレベルが高く、そのスタイリッシュでモダンなサウンドはポンプうんぬん抜きにして非常にメロディアスでキャッチーなロックサウンドだったのは無論ですが、何より素晴らしかったのはフロントマンの Ruud Stokerのクリアーなどこまでもよく伸びるハイトーン・ヴォーカルによるポップでキャッチーな歌メロによる所が大きかったのは間違いありません。

カンダのプログHMバンドTILESのヴォーカル Paul Rarickによく似た声質で、80年代中期USA産プログ・ハード・バンドで多く聴かれた甘い声質でハイトーンも楽々カバーするタイプなその歌声は絶品で、抜群の歌唱力は他のポンプ勢に比べ強力なアドバンテージでありました(*´ω` *)

またバンドサウンドもSAGAの完全なるフォロワー・サウンドではなく、ギタリストの Rinus Hollenbergのプレイには明らかにRUSHの Alex Lifsonの影響が強く伺え、他にも Steve Hackettや Robert Fripp等の影響が断片的に垣間見えるプレイが実に興味深く、リーダーの Julian Driessenのキーボード・プレイはバンドがギター主導で楽曲を展開させていく為か終始控え目なものの、その実しっかりと抜けのいい爽快感抜群なバンドサウンドを盛り立てる演奏で全体を引き締める、実に手堅い創りでした。

続く2nd『The Dawn』を94年に同じくSIミュージックレーベル(カタログナンバーは65)からリリースするが、ここで打ち込みドラムからドラムスに Rob Louwersを迎え入れてリズム隊を固め、よりポンプ的な壮大なサウンドのアルバムを披露する。

デビュー作の造り込まれた感が薄れ、よりロック的なナチュラルな感触の奥行きのあるサウンドのアルバムであったが、全体的にデビュー作より楽曲のキレが鈍って聞こえるのが個人的には少々いただけなかったですね……

まぁ、ポンプ的なアプローチをすればどうしたって展開の複雑な長尺曲が多くなるし、楽曲構成的にもインストパートが増えるので、爽快感抜群なデビュー作のようなコンパクトサウンドに仕上がらなかったのは当然ですが('~')

ただ、激しくスリリングなキーボードとギターのソロパートやバトル、そして高速ユニゾンプレイがフィーチャーされたり、テクニカルなインタープレイだったり複雑に展開する緻密な楽曲構成の聞き所等が盛り沢山なので、1stは普通のハードポップ過ぎると思っていたグレ好きな諸兄には、やっとポンプらしいサウンドになったと喜ばれた方も多かったかもしれない(汗

Ruud Stokerのクリアーなヴォーカルやバンドのポップなコーラスは変わらずキャッチーで、Rinus Hollenbergのメランコリックなメロディを奏でるギター・プレイと繊細なトーンも相変わらず素晴らしく、楽曲構成が複雑になった事でデビュー時のSAGA風味よりRUSH風味の方が強まったのが2nd、と個人的には思っております。

その8年後、長いインターバルの後に3rdアルバム『Circle of Deception 』'02 をリリースする。

既にSIミュージックもポンプ勢もシーンから姿を消し、プログレ系の世界では次のムーブメントであるシンフォサウンドが盛り上がりを見せつつありました。

この空白期間の影響で、ドラマーの Rob Louwersの名は既に無く、またバンド創設よりサウンドのイニシアチブを握っていたギタリスト Rinus Hollenbergの姿もそこにはありませんでした(つд`)

新たに Martin Hendriksなるギタリストが迎えられ、よりヘヴィーなギターサウンドを前面に押し出すつつ、シンフォサウンドに接近したアルバムをリリースした訳だが、Rinus Hollenbergの抜けた穴は予想以上に大きく、せっかく待望の新譜を届けてくれたにも関わらず、その楽曲のアレンジや構成レベルは今まで一番低く、歌メロもイマイチなどうにも散漫な印象の退屈なアルバムとなってしまう…orz

今までどちらかと言えばギターを盛り立てる全体的に引き立て役なプレイ中心だった Julian Driessenが初めて前面に出て華麗なキーボードプレイをこれでもかと派手に(今回はギターが裏方的なバッキングプレイが主体)聴かせ頑張っているものの、どうにもピリっとしないのがまた…

シンフォサウンドへ接近した証か、キーボード主導の12分オーバーの五部構成からなる組曲を収録しているが、唯一その楽曲だけは以前のようなキレとメロディに輝きがあり、前半の中途半端にヘヴィでシンセシンセしたマッタリ気の抜けた楽曲は一体なんだったのかと首をひねってしまいます('A`)

またお手本であったSAGA風味もRUSH風味もそのサウンドから既に薫る事はなく、何者でもないTIMELOCKサウンドなるオリジナリティというものが確立された事だけは朗報と言えましょう。

ソレが面白く興味を惹かれるサウンドかどうかは、全くの別問題ですけど…

そして再び6年の後、現在までの所最新作である4thアルバム『Buildings』'08 をリリース。

再びの空白期間の影響で、Martin Hendriksの姿は無く、新たなギタリストとして Ronald Demiltが迎えられ、前作はセッションドラマーを起用してアルバムが製作されたが、本作では再びドラマー Mike Boekhoutをメンバーに迎えて製作されている。

サウンドの方は完全にシンフォサウンドへ移行していて、前作の中途半端なヘヴィさは姿を消し、Julian Driessenのキーボード主導で楽曲がテクニカルに展開する形態がメインとなっており、そのウェット感ある壮大なサウンドは完全に初期とは違うバンドサウンドとして確立されているのが分かる。

また前作ではイマイチこなれていなかったギターサウンドも本作ではバッキングをメインにしつつしっかりとエモーショナルで印象的なプレイを聴かせてくれ、前作のダメダメな出来が嘘のようなスタイリッシュでモダンなサウンドが構築され、前作で落胆したファンを再び裏切る事のない出来になっているのが何より嬉しいですね(*´ω` *)

ただ、サウンド全体のスケール感が増した為なのかマッタリ感がかなり強い穏やかなサウンドがメインになってしまい、初期サウンドで聴けた好ましいサウンドのキレやコンパクトさや、Ruud Stokerは変わらず良い声を聴かせくれているのですが、ポップでキャッチーな歌メロという要素は著しく影を潜めてしまった為、個人的には余り好意的に聴けないアルバムなのが悲しい……

海外では、TILES、ENCHANT、USA産プログロックのファンにお薦め、と紹介されているが、それは初期のサウンドを指してで今現在の彼等のサウンドの方向性とはかなり外れたバンド名と言えるだろう。

もし彼等のサウンドに興味を持たれた方がいるなら、まずは初期の2枚のアルバムを聞いてみて気に入ったなら他のアルバムも聞いてみるといいのではないでしょうか?

もう10年近く何の音沙汰もないけど、一応バンドは存続している模様なので、そろそろ新譜を届けて欲しいものであります…


# by malilion | 2018-03-03 01:47 | 音楽 | Trackback

バンド名が誤解を与えた悲劇(?)のバンド。メロディアス・ロックバンドFOR ABSENT FRIENDS。

c0072376_16051912.jpgFOR ABSENT FRIENDS 「Square One」'06

MARATHONを聴いていて思い出したので同郷オランダの5人組ポップロック・バンドFOR ABSENT FRIENDSの最終作をご紹介。

GENESISの『Nursery Cryme』'71 収録のアコースティックバラードからバンド名を拝借しているが、彼等の奏でるサウンドはポンプバンドお約束な典型的コテコテGENESISフォロワーではないのが面白い点と言えましょう。

無論、MARILLIONのファンクラブの集いでカヴァーバンドとして彼等は演奏をしていた訳だから、MARILLIONが絶大な影響を受けたGENESISの影響も当然の如く受けているからこそのバンド名なんでしょうけどね(汗

1987年にオランダのロッテルダムで結成され、88年に自主盤シングル『Let Me In』でデビュー、続く3曲入り自主EP『Illusions』を90年にリリースし、次いで91年にポンプ総本山レーベルSIミュージックから『Both Worlds』(カタログナンバーは10番)でアルバムデビューを果たす。

94年リリースの2ndアルバム『Running In Circles』は、なんと日本盤もリリース(!)されるという快挙を成し遂げているが、その後はバンドの音楽性の変化の為か日本盤は一切リリースされる事はなかった…(つд`)

彼等はこれまでに6枚のスタジオアルバムと1枚の二枚組BEST、及び5枚のシングルをリリースしている。

音楽性の変化もあるし、そもそも Edwin Roes(G)も Peter de Jong(Key)も派手でテクニカルなプレイに走る訳ではない、プログレ&ポンプ臭の薄い強烈な個性のない木訥なサウンドなのが災いしてか、ここ日本や欧米のポンプ&シンフォ系のファンには今一つの人気(そもそもポンプとさえ認められてない節がある)のバンドでしたが、唯一例外はフランスで、なんと本国以上に彼等の人気が高かった(ANGEに迫る人気だったとか…マジ!?)事が知られております。

カテゴライズとしてポンプとして語られる彼等だが、Alex Toonenの線は細いものの灰汁の無い良く伸びる歌声がポンプGENESISフォロワーお約束のガブリエル臭いヴォーカルでない点からも窺える、むしろPENDRAGONやJADIS、そしてMARILLION等のバンドが持つ最もメロディアスな要素を集めた、コンパクトでストレートなメインストリーム寄りのサウンドを奏でるポップロック・バンドと言った方が正しくもあり、実際ポンプ色の強いサウンドはHR的要素も加味した2nd『Running In Circles』'94までで、95年リリースの半LIVE半アコースティック曲構成の『FAF Out Of HAL』から一気に音楽性がポピュラー・ミュージックへと傾倒していった、ポンプサウンドは実は活動初期のみなのに以降もバンド名故にポンプバンドとして語られる、というチグハグさが今から考えると彼等の人気を阻害していた一因かもしれません…

HR要素とポンプ要素のより洗練されたブレンドを『Running In Circles』で果たしたバンドは、以降ますますポップでメロディアスさに磨きをかけ、よりコンパクトでモダンなサウンドへ突き進む訳だが、初期に彼等がカヴァーでプレイしてきたIQ、MARILLION、ASIA、SAGAといったバンドの持つメロディアスな要素を以降もちゃんと受け継いでいったのと同様にプログレ的要素も捨て去らなければ、きっとポンプファンベースでも長らく支持されたんでしょうにねぇ…orz

続く96年リリース『Tintinnabulation』でも Edwin Roesが刻むダイナミックでエモーショナルなエッジあるギター、Alex Toonenが歌い上げるナイーヴなヴォーカル、Peter de Jongの奏でるコンパクトで無駄ない華麗なキーボード、そして力強くキャッチーなメロディとベーシスト Rene Bacchusがバッキングヴォーカルでカバーするポップなコーラスに焦点を当て、ますますバンドはアンサンブルの洗練度を上げていく。

そのサウンドは大仰な展開等のポンプ要素は僅かに残るのみで、全ての楽曲は非常にメロディアスな上にブライトで殆どポップと言っても差し支えないモダンポップロック作(リリースもSIレーベルからでなくなる…)であった。

またアルバムタイトルが示す通り、ポップでメロディアスな楽曲だけでなく、仄かにフュージョンテイストを漂わすサウンドだったり、ノスタルジックでメランコリックなサウンド等々、実にバラエティに富んだ穏やかな楽曲が詰め込まれたバランス良い一枚に仕上がっていて、バンドの作曲能力の高まりの程が如実に示されていると言えよう。

ただ、ポップバンドとしてそのバランスの取れた上品なサウンドを聴くと、その他大勢のポップバンドのサウンドと比べてフックも抑揚もイマイチな、刺激が乏しく扇動力や即効性の低いサウンドだったというのは否めないけれど……

バンド自体がそのウィークポイントを理解していたかは定かではないが、続く5thアルバムでサウンドの変化はさらに加速する。

このまま普通のポップバンドになるかと思われた矢先、98年に Alex Toonenがバンドを脱退し、代わって Hans van Lintなる新フロントマンを迎え、新生FOR ABSENT FRIENDS第一弾作『The Big Room』を01年にリリースする。

幾分か線の細い歌声なものの甘いメロディ主体のバンドサウンドにフィットしていた Alex Toonenの穏やかな歌声を捨てて新たに獲得しただけあって Hans van Lintの歌声は前任者と似た声質ながらもよりフレッシュでパワフル、そしてよりディープで感傷的な歌声を披露し、フロントマンの交代劇を心配するファンを安堵させた。

この最大の転機を“攻め時”と考えたのか、バランス重視だったサウンドがよりパワフルなサウンドへ移行し、また Hans van Lintの振り幅の広い表現力(ある意味ガブリエル的)ある歌唱スキルと力強くクリアーな歌声を活かす為か、ニューウェーブにも片足突っ込んだような90年代初期ブリティッシュ・テイストがそこかしこから強烈に発散されるモダン・ロックサウンドへスタイリッシュに様変わりするとは当時随分驚かされたものです(*´ω` *)

バンドロゴがモダンなデザインに変わった事を見ても明らかなように、事ここに至って初期から持っていたポンプ的な大仰さや音楽要素は完全に姿を消し、コンパクトでモダンなロックサウンドを披露する完全に別バンドになってしまった……

センチメンタルでメロゥなサウンドはそのままに、よりハードなロック寄りにサウンドが偏った為 Edwin Roes(G)のギターが活躍する場面が一気に増え、その分 Peter de Jong(Key)の表現出来る領域が減ったのは当然の帰結であったが、メロディアスでリリカルなソロパートや印象的なイントロ、効果的なバッキングに楽曲のスケールを増すSE的なサウンド等々でアルバム全体に華を添えるプレイをみせ、以前にも増して細やかな活躍をする Peter de Jongの演奏からは、次に起こる転機を誰もこの時は予想し得なかっただろう。

音楽の方向性故か、バンドサウンドに対する理想像のズレ故か、長らくバンドサウンドに華を添えてきたオリジナルメンバー Peter de Jongが02年にバンドを脱退し、代わって Ron Mozerなる新キーボーディストを迎え最終作『Square One』は製作され、06年にリリースされた。

さて、本作の内容だが、バンドサウンドを支えてきた両輪の片方を失った影響は思いの外に大きかったのか、バンド内の発言力のバランスが変化した為か、ハードでノイジーなギター中心で展開していくシンプルでヘヴィな楽曲というパターンが殆どで、これまでのようにキーボーディストの活躍の場は与えられず殆どバッキング的な扱いに終始している。

むしろ楽曲がさらにシンプルでストレートになった為か、流暢なギター・プレイと相まってリズム隊の活躍の方が目立っているくらいで、確かにこの方向性へ進んでいたら Peter de Jongも遠からず鍵盤をブン投げて脱退していただろうと納得するサウンドだ(汗

ただ Ron Mozerが持ち込んだキーボードプレイのスタイルが、所謂ポンプらしい柔和なキーボードサウンドによるキラキラするシンセシンセしたサウンドがメインのプレイで、ここに来てバンドサウンドが完全にポンプの影を払拭しているのにキーボードだけポンプっぽいテイストを露骨に感じさせるギャップが面白いと言えば面白い点かもしれない。

巷で流行するグランジのサウンドを横目に Edwin Roesなりにハードでメタリックなサウンド要素を加えバンドサウンドの進化を試みたのだろうが、如何せん元より穏やかなプレイが中心だった彼にHM的なヘヴィサウンドを表現出来るはずもなく、いくらノイジーなギターを掻き鳴らそうともスリリングさは今一つなどこか居心地の悪さを終始感じさせるサウンドになってしまったのは残念な結果と言えるだろう……

まぁ、このグランジ風味なポンプサウンドっていう変わり種が聴衆に受け入れられていたならばその後の展開も変わったのかもしれないが、彼等の内包していないサウンド要素である夢劇場のようなドヘヴィなテクニカル・プログレサウンドでしか当時は生き残れなかったのは皆さんご承知でしょうから、彼等が提示した方向性は選択ミスであったんですよね。

せめてポップでメロディアスな要素だけは変わらず堅持してくれれば良かったのですが、どうしたって新たに模索したヘヴィでドライなサウンドの方向性とは相性が悪く、結局のところヘヴィさも中途半端な上にメロディアスさもイマイチというどっちつかずな今まで彼等の売りであったサウンドをスポイルするだけの結果となってしまったのが致命的だったと今ならハッキリ言えます。

その後、Ron Mozerに代わって同郷ポンプ・バンドTIMELOCKの元キーボーディスト Julian Driessen(ex:The Last Detail、Dreamcarnation)を迎えて活動を続行するも、程なくしてバンドは解散してしまう……

ポンプではないけれど完成度の高い『The Big Room』の方向性のまま、シンプルなポップサウンドへ進む方向なら今しばらく彼等はメインストリームで活躍出来ていたかもしれないのが悔やまれますが、変化を恐れず常に自身のサウンドを発展させてきたFOR ABSENT FRIENDSは本当の意味での“プログレ”するバンドであったと言えるのかもしれません。

本作はフランスインディの大手MUSEAレーベルのディストリビュートだったので、比較的今でも容易に入手可能と思われますので、ご興味のある方は中古盤屋等をのぞいて見るといいかもしれない。
まぁ、音源自体はDLすりゃすぐ手に入るんですけどね。

個人的には『The Big Room』が彼等の目指したサウンドの最終到達点にして最高傑作だと思うので、FOR ABSENT FRIENDSのサウンドを聴いてみたいという方はまずこの辺りを試してみるのをお薦めします。


# by malilion | 2018-03-02 15:58 | 音楽 | Trackback

この時期TV放送が多いので、思い出して…オランダのポンプバンドMARATHONの最終作。

c0072376_18441560.jpgMARATHON 「Marathon Live」'98

オランダの5人組ポンプ・バンドの最終作にして唯一のLIVE作をご紹介。

イタリアとドイツに同名同ジャンルの2バンドが存在(なんでこんなバンド名が人気なの?)するが、こちらはオランダのバンドなので混同されぬようご注意を。

94年にデビュー作『The First Run』をリリースし、96年に2nd『Norm』をリリース、そして最終作の本作をリリースする前にバンドは解散してまった、じわじわ生き長らえるポンプ系バンドが多い中たった4年で消えた短命バンドだ。

デビュー作は一聴して即カナダのプログレ・ポップバンドSAGA(特にギタリストの Erik Ten Bosが Ian Crichtonのプレイやフレーズの影響をモロ受け)の影響が分かり、さらにRUSHのフレーバーを全体にまぶしつつポンプ特有の柔和なキーボードサウンドで煌びやかに飾り立て、ここぞという所でMARILLIONの Steve Rothery張りな泣きのロングトーン・ギターが哀愁を漂わせる、というなかなかポンプ系好みな爽快感も併せ持つUK産ポンプとUSA産プログレのいいトコ取りしたようなキャッチーなクリアー・サウンドであった(*´ω` *)

続く2ndでは自主製作からドイツのSPVレーベルからのリリースとなった影響でか、ドラムスを Willem van der Horstから Ferry Bultへチェンジした影響か、SAGA風味が薄れてオリジナリティを感じさせる比重とサウンドのヘヴィさが増したものの、その反動でかメロディの質やキャッチーさ、楽曲のフック等が軒並み後退してまい、デビュー作でも感じられた楽曲の出来のバラつきもという問題も解決出来ぬままの惜しい一作に終わってしまう…

ただ、それでもこのバンドを有象無象なポンプバンドより好ましく思わせるのは、当時のポンプ系に多かった楽器兼任ヴォーカリストや専任ヴォーカリストなのにヘッポコな歌声を聞かせてサウンドをブチ壊してバンドをC級クラスへ貶めて辟易させるような事がなく、PALLASの Alan Reed っぽい歌声を聴かせる Erik ten Bosの癖のない声質と力強く歌い上げるキャッチーな歌メロやバンドコーラスが優れていた点が大きいだろう。

その他にはポンプ系にしては楽曲がコンパクトに纏まってスタイリッシュなサウンドだったのと、Tony ten Woldeが奏でるキーボードが控え目で幾分かハード寄りなサウンドだったのも、その他の70年代プログレの焼き直しが多いポンプ系サウンドとの差別化を大きくしたかもしれない。

まぁ、この辺りは大抵のポンプ系がお手本にする70年代ブリティッシュ・バンド達でなかったという出発点の違いによって意識せずとも生み出された差異かもしれないけれど…(汗

そして最終作である本作だが、2枚のアルバムから適切にチョイスされた楽曲で構成された、ある意味でBEST的な楽曲構成のアルバムとも言え、アコギアレンジした楽曲をしっとり聴かせたり、LIVEならではのラウンドさとラフさを十分に表現しつつ、堅実なバンドアンサンブルと優れたミュージシャンシップを感じさせる優等生的な創りとなっている。

デビュー作と程よくシャッフルされて構成された楽曲の並びのせいか、LIVEで試行錯誤を重ねてよりブラッシュアップされた成果か、実はスタジオでは上手くサウンドを表現出来無ていなかったのではないかと思うくらい良く2ndの楽曲が1stの楽曲に馴染んでいて、欠けていたポップなフィーリングやクリアーな感覚が本作では十分表現されているのは嬉しい驚きだろう。

聴衆の歓声や手拍子等が余り聞き取れぬ点は少々残念な点ではありますが、スタジオアルバムでは余り自己主張しない Ferry Bult(Ds)と Jacques Suurmond(B)のリズム隊のタイトな激しいプレイや、バランスを重視して抑え気味で控えめなプレイの Tony ten Woldeが思う存分派手にキーボード鳴らしまくっているのが聞ける(コーラス再現も頑張ってる!)点など、LIVE作ならではの聞き所も多い一枚と言えましょう。

海外では、SAGA、WINGS OF STEEL、FOR ABSENT FRIENDS、EGDON HEATH等のファン向けと紹介されているが、幾分かAORっぽいキャッチーさとメロディアスさも加味した彼等のメインストリーム寄りなポンプ・サウンドは、実際はもっとより広い層に受け入れてもらえるポテンシャルを十分に秘めていたように思える。

惜しむらく短命に終わったのは、ポンプ系というカテゴライズとインディな活動がメインであった為、そしてバンドが進もうとする方向性故に必要であったシングルヒットするようなキラーチューンが創れなかったのが大きな要因ではなかったかと予想します…(つд`)

ポンプの隆盛から来る次のシンフォ・ブームの間に生まれ、ネクストウェーブが来る前に消えてしまったバンドではありますが、もし短命に終わらずあのまま次のシンフォサウンドへの流れへ乗っていたなら一体どんなスタイリッシュでキャッチーなサウンドを届けてくれたのだろうか、と遂想像してしまう、そんなバンドの1つでありました。




# by malilion | 2018-02-26 18:37 | 音楽 | Trackback

頑固一徹、時代が移ろうとも決してサウンドがブレぬ英国シンフォの雄 JADISがアニバーサリー盤をリリース!

c0072376_13373285.jpgJADIS 「More Than Meets The Eye 25 ~25th Anniversary Collectors Edition~」'17

英国メロディック・シンフォニック・バンドJADISの、2nd『More Than Meets The Eye』'92 のアルバムリリース25周年記念盤を即GET!

2005年にもデビューアルバムとの2in1でREMIX&REMASTER盤がアメリカのINSIDEOUTレーベルからリリースされた事があったが、本作はバンドのリーダーでありバンドそのものとも言える Gary Chandler(Vo&G)のみの手によって新たにREMIX&REMASTERが施された新規音源を使用した新装アニバーサリー盤である。

05年盤に負けず劣らず本作もボーナス音源を多数収録した注目の二枚組盤で、オリジナル盤の2ndや05年REMIX&REMASTER盤をお持ちの方でも手を出しても損はない(INSIDEOUTのは10年以上前の音源だしね)自主製作盤です。

しかし、25年記念って…もう四半世紀もなるんですねぇ…彼等のサウンドを初めて耳にして、もうそんなになるのか…感慨深いですわぁ…

今回はディスク2に、2nd収録曲のアコースティックバージョンを新録で2曲、93年のオランダでのライヴ2曲、当時アルバムに先駆けてリリースされたEP『ONCE APON A TIME』'93 収録の3曲(の、コンピ盤MEDIUM RARE収録のREMASTERver)、そしてデビュー作『Jadis』'89 収録曲のアコースティックバージョン1曲を収録しているので、前回のREMIX&REMASTER盤を買い逃した方や、EPの音源を耳にした事が無い方などにお薦めと言えるでしょう。

まぁ、新録音源はアコースティックバージョンの3曲とLIVE音源のみと、厳密な意味での新曲は収録されておりませんが、この記念盤に手をだす大多数の方はJADISの忠実なファンでしょうから、その辺は大した問題じゃないよね?(w

今回こうして改めて『More Than Meets The Eye』を聞き直して思うのは、つくづく Gary Chandlerの爽快感あふれるクリアーでキラキラとした美旋律を奏でるギターの圧倒的な存在感と、当時から他のUKポンプ勢とは一線を画していたシンプルでストレートでありながら他では聞けぬメロディアスでキャッチーなポップ・センスはズバ抜けていたんだなぁ、とREMIX&REMASTERが施されて一層に輝きをましたそのサウンドに感動しきりです(*´ω` *)

IQの Martin Orford(Key)と John Jowitt(B)が参加して生まれた新ポンプ・バンドとして当時注目を集めたのと、英国産らしいリリカルで湿り気を帯びた叙情感も漂わせる Martin Orfordのキーボードとフルートがフィーチャーされた事などで、プログレ&シンフォ系のカテゴリーで当初から語られて来た彼等ですが、改めて今じっくりと聞き返すとそのサウンドはHRサイドからポンプ&シンフォ系へアプローチしたTWELFTH NIGHTと同じようにフュージョンサイドからポンプ&シンフォ系へアプローチして変異したモダン・メロディアス・シンフォロックではなかったのか、と独断と偏見を交えて断言しましょう!(汗

まぁ、出発点がどこだろうと結局聞こえてくるその軽やかでコンパクトなサウンドは、爽やかに歌い上げる歌モノ・ハードポップ・バンド的な実にポピュラリティの高いサウンドだと言う事は動かしがたい事実なんだし、どうだっていい事なんですけどね♪

この2nd、二回もリイシューするなんて Gary Chandlerの大のお気に入りアルバムなのかもしれませんが、今度は新スタジオアルバムを是非に届けて欲しいものであります。



# by malilion | 2018-02-24 13:31 | 音楽 | Trackback

激渋ブルーズから路線を変え、ちょい甘メロ有のメジャー路線ブルーズHR作をRIVERDOGSがリリース!

c0072376_22462759.jpgRIVERDOGS 「California」'17

USA産ブルーズHRバンドRIVERDOGSの6年ぶりとなる再結成第二弾にしてスタジオ作としては通算4枚目となるアルバムを、かなーり遅れてGET!

Vivian Campbellは知っての通り現在はDEF LEPPARDで活動してる訳だし、元DIOメンツ集めてDIOトリビュートバンドLAST IN LINEなんかも始めてしまって、こりゃぁRIVERDOGSの新作は望み薄かなぁ…なんて勝手な想像をしておりましたが、裏切られる事なくちゃーんと新作が届けられてファンの皆さんは喜色満面でしょう(*´ω` *)

03年に再結成した、という情報が流れたものの一向に新譜リリースの報は届かず、なんだかんだと難産の末生み出された前作は、あの Vivian Campbellがバンドに復帰したという話題性があったものの、その余りの渋ぅ~い音楽性故か日本盤リリースは見送られましたが、本作で再び日本盤リリース(しかも日本先行リリース!)と相成った模様でこれは何より目出度いですね。

製作メンツは前作と同じく、Rob Lamothe(Vo&G)、Nick Brophy(B&Key)、Vivian Campbell(G&Vo)、Marc Danzeisen(Ds&Vo)の四人で、どうやらメンバーチェンジ等のゴタゴタはなかった模様で一安心と言った所でしょうか。

で、その新作ですが、のっけからノリノリなアメリカンHRが飛び出してきて度肝を抜かれました(w

『あぁ、前作の方向性じゃ余りにも玄人向け過ぎて売れなかったから軌道修正してきたかぁ』と思いつつ聴き進めていくと、次第にいつもの渋ぅ~いブルーズフィール濃密なサウンドが飛び出してくるものの前作程の枯れた埃っぽい乾いたサウンドではなく、幾分ポップフィールも感じさせる如何にもアメリカンというアーシーなギターサウンドが響き渡る、贅肉を削ぎ落としたシンプルでドストレートなロックサウンドが展開され、丁度メジャーな1stのサウンドと前作のレイドバックしたサウンドを上手くMIXした(彼等にとっては)中庸サウンドのように感じられなかなか好印象です。

2ndで Vivian Campbellが抜け、一気に飾り気の無い泥臭いブルーズ路線へ傾倒していった彼等ですが、もしあの脱退劇が無くそのまま活動を続行させていたなら、きっとこんな豪快なギターサウンドが聴けるメジャー路線寄りのメロディを充実させつつ味わい深いブルーズHRアルバムをリリースしていたのじゃないだろうか、と思わせるようなモダンサウンドなアルバムだ。

DEF LEPPARDでのポップでドメジャーな歌モノサウンドを追求している現在の活動とLAST IN LINEでのピロピロ派手に弾きまくるピッキングハーモニクスを多用したワイルドなプレイが影響したのか Vivian CampbellはHR寄りの自由奔放でフックあるメロディアスなプレイと哀愁タップリな泣きのギターサウンドをアルバムへたっぷりと刻みつけているし、個人的にお気に入りのヴォーカルである Rob Lamothe(Vo&G)のデビカバ張りのソウルフルでハートウォーミングな渋い歌声と、今では彼のソロ作で聞く事の叶わぬポップ寄りなヴォーカルメロディが久しぶりに堪能出来て、前作の反省をふまえてか幾分メジャー・ロック路線へ近づいた本作のサウンドは個人的に大満足な一枚と言えましょう('(゚∀゚∩

まぁ、本作の方向性は、そもそもFrontiers Recordsから連絡があってキャッチーで洗練されたHRサウンドにブルーズ・テイストを融合させたデビュー・アルバムと同じスピリットやスタイルの新作を製作する、という話から出発した訳だから新譜のサウンドがこうなるのも当然の帰結とも言えるんですけどね。

LAST IN LINEでのメタリックな如何にも80年代ブリティッシュHMなギターヒーローかくあるべしという弾き倒しプレイとは一味違う、よりレイドバックしたアーシーでドライなサウンドでありながら、フックが効いた感傷的でエモーショナルなギタープレイや疾走感溢れるドライヴィングするギターを気持ち良く弾き倒す迸るプレイが全編に渡ってフィーチャされているので、Vivian Campbellのファンやギターキッズにとってはそこも聴き逃せぬポイントでしょう。

次作がいつになるか分かりませんが、是非ともこの方向性で新作を届けて欲しいものです。



# by malilion | 2018-02-19 22:42 | 音楽 | Trackback

英国産メロハー・バンドNEWMANの新作はワンランク上のレベルへ!

c0072376_03054602.jpgNEWMAN 「Aerial」'17

イギリス人マルチ・プレイヤー Steve Newman(Vo,G,Key)率いる英国産メロディアスHRバンドの2年ぶりとなる11th(LiveとBEST含まず)がリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

まぁ、このワンマンバンドにあっては1997年に結成されて以来、常にメロディアスでキャッチーなHRサウンドという一貫性と品質を提供して来た訳だし、Steve Newmanのエモーショナルかつソウルフルな歌唱と洗練されたAOR風メロディを軸とした美旋律作という方向性やサウンドがガラリと変わるまいと安心して購入を後回しにしてたんですけどね…

予想通り音楽性には特に大きな変化は無かったものの、バンド結成20周年作と言う事もあってかタップリ八ヶ月の時間をかけて製作されたのと、ご存じカナディアン・メロハーバンド筆頭のHAREM SCAREMの Harry Hessがマスタリングした成果か、今まで以上に造り込まれ細部にまで気を遣われ録音された事が分かる高品質なアルバムで、ややもすると薄ッペラで奥行きが乏しくなりがちだったNEWMANのサウンドがググッと分厚くタイトでヘヴィになっていたのは嬉しい予想外でした。

製作メンツはいつも通り、今回も06年作からずっとアルバム収録に名を連ねるドラムス Rob McEwenのみ引き続き参加しているだけなワンマン体制に変化はなく、ゲストで元PRAYING MANTISのヴォーカルだった Mark Thompson-Smithが二曲でバッキングヴォーカルに参加している以外、これといったゲストは招かれておりません。

これまでNEWMANのアルバムは滅多にメロハー・ファンを失望させて来なかった訳ですが、本作では前作の紹介時にも述べたマンネリ感をどう払拭してくるのかという点に個人的に注目しておりました。

で、一聴してNEWMANと分かるキャッチーなコーラス、活気に満ちたフック、そして楽しく朗らかなメロディーと、コンパクトでよりモダンなサウンドへ進化した80年代後期USAロック風な楽曲という定番路線をキープしつつ、よりメロディの充実度を図りながら、以前からヘヴィ・ロック、AOR、プログレッシヴ・ロック、シンフォ・ロックの要素を巧みに散りばめてきた試みを更に推し進め、より複雑でありながら繊細な美旋律と骨太なタフさが絶妙にブレンドされた、一段レベルの上がったメロハー会心作が届けられたのには少々驚かされました(*´ω` *)

ただ、問題視していたマンネリズムを完全に払拭するには至っていないのと、ヘヴィさと分厚いサウンド造りが強調された為か、本作には以前からこのバンドの持ち味として個人的に気に入っていた突き抜ける爽快感と軽やかなAORテイストが薄れて感じられる点だけが個人的には残念に思うポイントですかね…

まぁ、ここまで優等生的にバランスの取れた各種音楽要素を組み合わせたサウンドのアルバムにケチをつけるなんて、それこそ難癖みたいな些細なポイントでしかないんですけどね(苦笑

プレイヤーのミュージシャンシップも優れ、サウンドの質も高く、音楽性も上品、そしてアートワークもセクシーでありつつエレガントと、メロディアスHR作に求める要求を高い次元で満たす本作は、NEWMANの新たなスタンダードと呼ばれる一作と言っていいでしょう。

相変わらず録音メンツとLIVEバンドのメンツは全然違う、完全にバンド体制に興味ないワンマン体制は変わることないのも、ちょっと残念ではあります…このままネタ切れにならなきゃいいけど…




# by malilion | 2018-02-18 03:00 | 音楽 | Trackback

STYX待望の新作『The Mission』を、待ち疲れて外盤で購入…

c0072376_02080779.jpgSTYX 「The Mission」'17

去年6月にリリースされていた本作だが、ユニバーサルから日本盤が出るかな~、と待って待って待ち続けて、遂に諦めて外盤を今頃購入しました…(つд`)

USAメロディアス・ロックバンドのベテラン6人組(Bが2人いる…)STYXによる、17年に自主レーベル Alpha Dog 2Tを設立して初となる待望新作の登場だ!('(゚∀゚∩

スタジオアルバムのリリースは05年のカヴァー集『Big Bang Theory』以来で、オリジナル・アルバムとしては03年の『Cyclorama』以来14年ぶり(間にClassic Styx Songsの再レコーディング作『Regeneration』'13があるけど)となる通算16作目で、本作は2033年の初の有人火星探査をテーマにしたコンセプト・アルバムになっている。

オリジナルメンバーは2人、メジャーになってからを入れても3人しか全盛期メンツはおらず、その内1人 Chuck Panozzo(B)は健康問題等でフルタイムの活動を控えるようになっている現状や、かってのリーダーだった Dennis De Young(Key&Vo)との決裂等の話や、半ばドサ周りの懐メロバンド状態とも言える近年の活動を知るファンは、なかなかリリースされる事のなかった新作の情報を知っても、その出来には期待より不安の方が大きかったのじゃないだろうか?

ご安心下さい。
久々のコンセプト・アルバムという事で触発されたのか、07年から15年の間、DEF LEPPARD、FOREIGNER、BOSTON、REO SPEEDWAGON、38 SPECIAL、YES、TESLA等のバンド達とツアーに継ぐツアーを続けたのが影響したのか、本作で聞けるキーボードの音色やコーラス、そして楽曲の方向性等、明らかにプログレの残り香を漂わせていた頃の中期STYXサウンドで、産業ロック過ぎるきらいのあった活動休止前のサウンドより断然STYXらしさが溢れた仄かにユーロテイストを感じさせる叙情感あるメロディアスサウンドで、初期から彼等を支持し続けてきたファンは大歓喜間違いない出来となっております(*´ω` *)

Tommy Shaw(Vo&G)と長年のコラボレーターであり本作ではプロデュースも務める Will Evankovich(SHAW/BLADES、THE GUESS WHO)が共作した全14曲が収録されるという前情報を耳にしておりましたが、確かにそのサウンドは中期STYX的作風なものの Tommy Shawカラーが全面に押し出されたアルバムで、もう一人のオリジナルメンバーである James "JY" Young(G&Vo)の影がいささか薄く感じる点を除けば、新たに加わったメンバー、特に Lawrence Gowan(Key&Vo)がコンポーザーとしてもプレイヤーとしても大活躍しており、前任者である Dennis De Youngの不在を全く感じさせぬパワフルな歌声(かなりDennis De Youngっぽいw)と華麗なキーボードプレイを聞かせ、新生STYXのニューカラーを強く主張するモダンでメロディアス、そしてカラフルなコーラスが活きる、クオリティの高い楽曲が光る一品に仕上がっていると言えよう。

現状のメジャーシーンでの彼等の訴求率は決して高いとは言えないだろうが、ベテランの彼等が無理して今風のヘヴィなサウンドのアルバムをリリースしてやらかすより、多少ノスタルジックな作風の完成度の高いアルバムを披露してくれる方がなんぼか精神衛生上よろしい、というのが偽らざるファンとしての心境ですよね(汗

ただ、諸手を挙げて大歓迎って事もなく、コンセプト・アルバムと言う事もあってか各楽曲のキャッチーさやコンパクトさは活動休止前に及ばない感は否めず、ちょっと聞き古っぽいサウンドに聞こえるけど実はしっかりモダンサウンドになっているものの、これでもう少し James "JY" YoungのカラーであるHR風味が全体に効いていれば文句無しだったのになぁ、とないものねだりをしてみたりして…

とまれ、このノスタルジア路線を続けていくと完全に懐メロバンドに成り下がってしまうので、せっかくリズム隊は新しい血を導入して若返り、キーボーディストも多彩なサウンドを奏でる派手なパフォーマンスが得意(w)な新人カナダ人へチェンジしたんだし、個人的にHR風味マシマシで大好き(Glen Burtnik大好き!)な90年作『Edge of the Century』を超えるハードドライヴィンなギターが活躍する彼等なりのメロハー・アルバムを是非とも聞かせて欲しいものです。

旧曲のリレコーディング作やカヴァー作でタップリ肩慣らしは済んだだろうし、今度はこんなに待たせず新体制の新作を届けてくれるのを祈って、今暫くこのアルバムを聞き込みますかね。



# by malilion | 2018-02-15 01:59 | 音楽 | Trackback

冬の寒空に癒やしを求めて…アルゼンチン産トラッドユニット RHAGAIR

c0072376_14553669.jpgRHAGAIR 「Prologo」'02

……とにかくクッソ寒いっ!!!

隙あらば雪が舞い踊るこの数日、余りの寒さに布団からなかなか抜け出せませぬ…('A`)

んで、そんな凍てつき荒んだ心を癒やすアルバムに本日は耳を傾けておりました。

メランコリックなハープのトーンが美しくも儚い、淡く繊細なその音色が心安らがせる、クラシックハープ、ヴァイオリン、フルート、フィメール・ボーカリスト、そして朗読者の5人からなるアコースティック・トラッドユニットの唯一作をご紹介。

お馴染みのトラッド音楽を奏でているこのケルトユニットですが、なんとアルゼンチン産の音楽集団で驚かされます。

ヴォーカル入り楽曲は12曲中4曲と殆どインスト作なアルバムですが、この穏やかなフルートに華麗なハープの爪弾き、そして艶やかなヴァイオリンが描き出す繊細でメランコリック、そして朗らかな伝統的なケルト楽曲スタンダードの数々を演奏する作風にピッタリで、少しも気になりません。

むしろ、全くヴォーカルが無かったとしてもこの癒やし満載のアルバムの評価を下げる事にはならないでしょう。

まぁ、フィメールヴォーカル・ファンな方なら、ここで聞ける Eva Triguero嬢のしっとりとした美しく艶やかな歌声をもっと聞かせろ! と思われるかもしれませんけど(w

Lorrena Mc Kenittのカヴァーなんぞも含みアルバムタイトルがプロローグなので、きっとオリジナル楽曲で固められた次作がすぐにリリースされるものと思っておりましたが、現在に至るまで新たな音源はリリースされておりません。
残念ながら、既にこのトラッドユニットは現存していないと思われます…orz

ブックレット最後にアイルランドの伝説的な盲目のハープ奏者にして作曲家である Turlough O'Carolanの詳細が明記されている所を見ると、サウンドの主導権を握っている Edith Gorini嬢が敬意を表したのかもしれません。

残念ながらこのユニットの詳細については良く分かっておりませぬ。
ポルトガル語じゃなきゃ、もうちょい色々分かったのかもしれませんけど…スマヌ(汗

Musico:
Edith Gorini(Arpa clasica:クラシックハープ)
Patrica Avila(Flauta Transversa:フルート)
Ruben Monni(Violin:ヴァイオリン)
Eva Triguero(Voz:ヴォーカル)
Natalia Marcet(Narracion:ナレーション)

Musico invitado:ゲストミュージシャン
Andy Grimsditch(Bodhran:アイルランドの打楽器(小太鼓?))



# by malilion | 2018-02-12 14:47 | 音楽 | Trackback

えぇ!? MR.BIGのドラマー、Pat Torpeyが2月7日、死去…だと…!?


訃報は続くもの、って…そんなまさか…

USA産HRバンド MR.BIGのドラマー、Pat Torpeyが2月7日、パーキンソン病の合併症のため死去。64歳でした。

えー、遂この前、MR.BIGが新譜をリリースしたばっかじゃん…orz

確かに前々から、パーキンソン病と見られる症状があらわれ始めてる、とは公表されてはいましたけど…

これでオリジナルメンバーでの再結成は、本当に幻となってしまった訳ですね…

Pat Torpey...R.I.P.


# by malilion | 2018-02-09 19:46 | 音楽 | Trackback

ウリ・ジョン・ロートの実弟、ZENOのジーノ・ロートが死去…


ガーン!!

スカイギターを操る仙人と渾名されるSCORPIONSの初期メンバーとしても有名な Uli Jon Rothの実弟で、メロハー・バンドとしてマニア以外にもその名を轟かせたZENOなどの活躍で知られるギタリスト Zeno Rothが2月5日に死去していた…

ええええ…ZENOの3rdアルバム『Runway To The Gods』'06 を最後にとんと音沙汰の無かった彼のニュースが、まさかこんな形で耳に入ってくるとは…

寡作な彼だけど、いつかは新作を届けてくれると信じていたのに…メロハーの名バンドZENOの新作アルバムは…もうこれで本当に幻となってしまった…

長年の病気が原因らしいですが…61才とは…早すぎる…

Uli Jon Rothが伝える所によると、Zeno Rothは昨年のクリスマス前に新曲3曲のデモを作っていたらしく、その楽曲を Uli Jon Rothが完成させてリリースしたい模様だ。

去年もそうだったけど、年が変わってからも訃報が相次ぐなぁ…

その最期に Zeno Rothが残してくれた楽曲が届けられる事を静かに待ちたいですね…

Zeno Roth…R.I.P.


# by malilion | 2018-02-08 19:46 | 音楽 | Trackback

80年代風バッドボーイズが80年代風北欧HMサウンドへ変化!? CRAZY LIXX

c0072376_17191945.jpgCRAZY LIXX 「Ruff Justice」'17

スウェーデン出身のツインGを擁する5人組スリージーHRバンド3年ぶりの新作となる5thを1年遅れでご紹介。

個人的にそれ程バッドボーイズ系ロックンロール定番のスリージー・サウンドが好みでないので余りこの手のバンドをチェックしたり購入したりしないので、前々からご紹介しようと思っていたのですが遂々今の今まで遅れてしまいました。

既にココでも紹介している“北欧のSKID ROW”こと DYNAZTYの09年デビュー作をチェックした時に同一路線で一足先に06年にデビューを果たしていた同郷バンド CRAZY LIXXもチェックしアルバムも購入済みでしたが、まぁこの手のL.A METAL系をよりお好きな方が他サイトで紹介してるし、わざわざロックンロール系が主食じゃない自分が浅い紹介せんでもいいか、とっずっとアルバムを購入してたのに怠慢ブッコいていただけなんスけどね(汗

デビュー以来メンバーチェンジが絶えず、出戻りがあったりリズム隊がゴッソリ抜けたりと落ち着かぬ状況が多い彼等ですが、本作も Chrisse Olsson と Jens Lundgrenへゴッソリとギタリストをチェンジしてのスタジオ作となっております。
デビュー10周年作である本作を聞くまでもなく、リーダーでバンドの顔である Danny Rexon(Vo)さえ居ればバンドの態は保てるという事はこれまででも証明されているんですけど…

新世代の北欧バッドボーイズ系バンドに共通している、そのサウンドのルーツがMOTLEY CRUE、GUNS N'ROSES、SKID ROW等の華やかでゴージャス感あるサウンドがトレードマークな80年代風アリーナ・ロック&グラムHMである事は疑う余地もない訳だが、アルバム毎に着実に音楽性の幅を拡げ楽曲のクオリティを上げてきている彼等が、本作ではサウンドの方向性を哀愁漂う80年代風北欧HM&メロハー・サウンドへググッと接近させたのでここでご紹介せねば、と思った次第です。

これまでのアルバムはメインがキャッチーな80年代風グラムHM路線なハードライヴィンする楽曲で、その楽曲に仄かに80年代風北欧メロディアスHM要素の哀愁感が香る作風だったとすれば、本作はギタリストの交代が大きく影響したのかウェット感あるマイナーなメロが光る80年代風北欧メロディアスHM路線な楽曲がメインで、端々に80年代風アリーナ・ロック&グラムHM要素が散りばめられた、という風に大きくバランスが変化した作風で、北欧HM定番な煌びやかなキーボードと透明感ある爽快でキャッチーなメロディだけ聞いているとECLIPSEやH.E.A.Tと同ジャンルのバンドじゃないかと思える程で驚かされました。

個人的には北欧HM要素が増えるのは大歓迎なんですが、彼等の元からのファン層であるバッドボーイズ系ロックンロール定番のタフでスリージなサウンドが好みな方からすると、コーラスも控え目になったし勢いも緩んで曲調もマイルドになった上、小綺麗になり過ぎて少々ダーティーさやワイルドさが減退したように感じられ不満に思われるかもしれません。

まぁ、とは言ってもデビュー当時からUSA産バッドボーイズ達が奏でるドライなサウンドでも、無軌道で馬鹿みたいにマッチョでパワフルな毒のあるサウンドって訳でもなかったんで、ソレ系がお好みな方は最初っから“紛い物”でないUSA産バンドのみを聞いてたかもしれないけど…

そのルックスからバッドボーイズ系な要素ばかり注目される彼等ですが、元からBON JOVIを筆頭にDANGER DANGERやFIREHOUSE等のブライト感ある80年代風アリーナ・ロックも大きなサウンド要素であったのは周知の事実なので、そこへ北欧要素が結びつく事でよりキャッチーでフック満載なメロディアス・サウンドへ接近するのは何ら驚く事でないのかも(*´ω` *)

ただ、勢い重視なダーティー・ロックンロールならさほど問題にならないんですが、歌唱力や声質なんかも問題視される北欧HMサウンドへ接近すればする程に Danny Rexonのちょっと音域狭い、ザラつき気味な歌声と歌唱力が不足して感じられてしまうという新たな問題点が本作で浮き彫りにされてしまったのがなんとも……(汗

とは言えバンドの顔のみならず、作詞作曲、そしてプロデュースも引き受ける Danny Rexonは今やバンドの頭脳、バンドそのものとも言える立場なので、メンバーチェンジで早々に解決、ってな訳にはいかないんですよねぇ…('A`)

せっかく本作で合成っぽい分厚いバッキングコーラスを控え目(Danny Rexonがヴォーカルに自信を持ったって事かな?)にした彼等にこう言うのも何なんですが、新たに歌えるギタリストか歌えるベーシストを加入させハモらせるか、もしくはMOTLEY CRUEみたいにバックコーラス・ガールをズラリと従えでもしないと、現状のままでは北欧風味も香る80年代風アリーナ・ロック&グラムHMな方向性の楽曲を完全に歌いきれるヴォーカル・パートは聞けないんじゃないかと、個人的には思いますね。

なぁーんてこんな失礼な心配をよそに、あっさり前作の合成コーラス満載な人工甘味料的グラムHM風へ回帰するかもしれないし、まさかの Danny Rexonのヴォーカルスキルが劇的に上達して音域が拡がったりって事もなきにしもあらずなんで、ここは静かに次作を待つとしましょうか…



# by malilion | 2018-02-04 17:11 | 音楽 | Trackback

カンダの一人プログ・ポップバンドAnton Evansの爽快キャッチー3rdソロ作をご紹介。

c0072376_00161940.jpgAnton Evans 「Outliers」'17

カナダ産プログレッシヴ・ポップ・アーティストの7年ぶりとなる3rdソロアルバムが去年末頃にリリースされていたのですが今頃ご紹介。

Anton Evansは94年に1stソロアルバム『Eye』でデビュー(ヨーロッパではMega Rockレーベルのサポート)して以来、20数年以上にわたってプログレッシヴ・ポップ・ミュージックをクリエイトしてきたソングライターで、10年には待望の2nd『Ever heard the one abou..』を北米のインディレーベルVillage Works Canadaからリリースし、本作も同じレーベルから再びリリースしている。

基本的に Anton Evansがヴォーカル、キーボード、ドラム&ベースプログラミングを駆使してサウンドをクリエイトしていて、その他は少数のゲストを招いている程度で、ほぼ全てを一人で手がけているワンマン・プロジェクトだ。

ただしワンマンにありがちな自己中なインタープレイのひけらかしは無く、Anton Evansのマイルドな声質ながらロック系の熱唱が活きる分厚いヴォーカルハーモニーが爽快な歌モノバンド的なポップでキャッチーなサウンドが基本で、時折見せるテクニカルなGENTLE GIANT&YES風コーラスワークや屈折したリズム・アプローチ、そして複雑な楽曲展開やキーボードとギターにKANSAS風なプログレ・テイストが仄かに感じられる明らかに80年代後期USAプログ・ハードサウンドが音楽的バックボーンと分かり、さらにカナダ産らしい適度にウェット感のあるユーロ圏の香りもするメロディアス・サウンドと言えば伝わるだろうか?

90年代ならZEROコーポレーション辺りから日本盤が出ていそうな適度にポップでキャッチー、だけどポンプ&プログレっぽいとこもあるB級メロディアスHRバンドに近いサウンド、と言った方が分かりやすいかもw

実際、デビューソロ作はハードポップ系と言う事で輸入盤が雑誌等で紹介され、そこそこ好評だったように記憶しておりますし、比較的簡単に入手出来ました。

因みに本作では、夢劇場フォロワーのUSAプログHMバンドTHE QUIET ROOMの元ギタリスト George Glascoが3曲でソロプレイを披露している他、カナダのフォーク&カントリーバンドTANGLEFOOTの元ヴァイオリニスト Sandra Swannell嬢が1曲だけヴァイオリンで参加している。

ただ今回はそのゲストの影響が思いの外に大きかったのか、George Glascoのハードエッジなギターが効果的にフィチャーされているのみならず全体的にこれまで以上にハード寄りなサウンドになっているのと、エスニックなギターのメロディとリズムが導入されているのが1st、2ndで聞けなかった大きな変化と言えよう。

ヴォーカルとキーボード主体の爽快なポップサウンドと聞くと軟弱なイメージを抱きがちだが、以前から意識してなのか適度にギターによるハードタッチなサウンドを楽曲に織り込んで来たので惰弱なサウンドには一切聞こえず、プログレチックな緊張感もソコソコ感じるバランス感覚あるAnton Evansのコンパクトにまとめられたサウンドはメロハー好きな方にもきっと好評だろうと思う。

まぁ、打ち込み系サウンド(特にドラムは、ね…それ以外もドライ気味なサウンドなのは否めない)がどうしても許せないって方には“生”っぽさは希薄なので受け入れ難いサウンドかもしれない('A`)

残念な事にゴリゴリのHM系からもポップなAOR系からも、そしてプログレ系からもソッポを向かれてしまう中庸サウンドな上に情報が入って来にくいカナダ産ソロアーティストという事もあってここ日本での知名度は皆無に近い状況ですが、一度チェックしてみても損はないアーティストです。

例によって例の如く音源は簡単に公式からDL購入できますので、気になる方はポチってみて下さい。


# by malilion | 2018-02-01 00:09 | 音楽 | Trackback

自主製作にして高品質、ただ一つの欠点を除けば…

c0072376_00374797.jpgCOS 「The Turning Around」'02

米国出身マルチ・ミュージシャン Mark W. Costosoによるワンマン・ユニットの自主製作デビュー盤をご紹介。

確か購入した時は、お店の“プログレッシヴ・ポップ作”とかいう本作の売り文句に惹かれて手を出したように覚えております。

Mark W. Costoso自身が語る所によると、13歳でピアノに興味を持ちJAZZを学びだしたのを切っ掛けに、高校でも4年間クラシック音楽理論を学びつつ作曲も始めた頃からギターもプレイするようになり、いくつかのローカルクラブバンドでの演奏を始めたのがミュージシャン歴(作曲とピアノの準学士号を持つギタリスト)の始まりだったそうだ。

10代後半から20代初めにかけて、様々なロック、ダンス、クラブ、結婚式のバンド等でキーボードとギターを演奏しながら、結局自身の音楽的欲求を満たすバンドに居たことがなかった為、ソロ・プロジェクトを立ち上げアルバムを製作する事にしたらしい。

で、本作だが、影響を受けたバンドは、YES、KANSAS、GENESIS、KING CRIMSON、GENTLE GIANT、UTOPIA、らしいが、アルバムにはプログレ系の影響は余り窺えず、むしろUTOPIA(というかTodd Rundgrenか)やTOTO、そしてAOR系の影響の方が強く感じられる。

テクニカルで軽やかなピアノやキーボード・プレイにKANSASっぽさ、コーラスパートにYESっぽさを感じるものの、入り組んだ変拍子展開等にプログレの香りが僅かにするだけで所謂プログレ系やシンフォ的な要素は微弱で、基本はシンセサイザーをはじめ鍵盤系のメロディアスなサウンドで楽曲を形作り、透明感あるポップでメロゥなコーラスや歌メロで飾り立てつつギターで全体を引き締めるというイメージの、実にバランスが取れた楽曲構成もハイソで完成度も高く、ある一点を除いてソロ・プロジェクトとは思えぬ高品質な80年代風ポップアルバムに仕上がっていると言えよう。

まぁ、その一点がデカいんですが…

どうしてそんなに素晴らしいミュージシャンのアルバムがマイナーで殆ど知名度が無いか、って考えると察する方もいらっしゃるかと…

色々なカバーバンドやジャンル問わずに様々な裏方経験を積んだ結果か、楽曲の出来はポップでキャッチーでコンパクトで個人製作の自主盤にしてはかなりのレベルにあるのですが、その素晴らしい楽曲のレベルを著しく下げてしまっている Mark W. Costoso自身の、高音が出ないSTYXの James“JY”Youngがガナってるみたいなイケてない野太い歌声が非常に非常に残念で仕方がありません…('A`)

お得意のピアノが活きるバラード系の楽曲ならその違和感も少なくて済むし、もっとドプログレな方向性で殆どインスト作みたいなアルバムならこのヘッポコなヴォーカルでもなんとかなったかもしれませんが、如何せん目指す方向性がコーラスたっぷりのブライトなポップ系で歌メインな楽曲なのでどうにも避けて通れないウィークポイントなんスよね。

実際、海外でも楽曲を褒める声は多々聞こえるものの、総じて批評する皆がそのヴォーカルに苦言を呈してますから…

14年ぶりに『COS』'16 なる2nd(残念ながらR盤…)をリリースしたのですが、その2ndでせめて巷の批評に耳を傾けて歌えるヴォーカリストを招いてくれていれば、間違いなくAOR&ポップ系の話題作(そこはかとRUSHっぽいイメージもある!)になっていただろうに…2ndでも、なぁーんも変わってませんわ…orz

アルバム全体の雰囲気や楽曲、インストルメンタル・パートのプレイやサウンドは総じて心地よいものの、コーラス厚塗りしてみてもC級な歌声が全てをダメにしまっているという悲しい例ですね。

スタジオでのエンジニアリングが忙しそうですが、もし3rdがあるなら、今度こそ専任ヴォーカリストを迎え入れてアルバムを製作して(後、もうちょい音良くして…)欲しい、切にそう願う惜しいアーティストであります。

彼の楽曲をお求めの方は今なら手軽にDL出来ますが、同名のバンドやプロジェクトが多数多ジャンルに渡って数多く存在するので、その際はお間違いのないように。


# by malilion | 2018-01-31 00:30 | 音楽 | Trackback

そのまま活動を続ければ、間違いなく好リリースを記録したのに…正統派メロディックHMバンドPORTRAIT。

c0072376_01542949.jpgPORTRAIT 「Same」'90

またラックから懐かしいアルバムが転がり出てきたので本日はコレを聞いておりました。

アメリカ出身マルチ・プレイヤー Gordon W. Chapman(Vo、G、B)率いる正統派メロディックHMバンドが'90年に自主盤でリリースした唯一作をご紹介。

なんだかオリジナル盤はレア盤(当然、今は廃盤)扱いらしいですけど近年リプロ盤が出回っているとの事で意外に簡単に中古盤も見つかるかも?
それに音源は今なら簡単に公式音源をDL購入出来ます(いい時代になったなぁ…)ので、別に幻の音源って訳でもありません。

まぁ、購入した当時はそんなレア盤になるなんて予想もつくわけもなく、伝え聞いていた情報ではすぐに2ndがリリースされると言われていたんですが、結局待てど暮らせど今日まで2ndはリリースされませんでした…(つд`)

さて、このバンドですが、Gordon W. Chapman(Vo、G、B)の他は John Garett Gormanなるドラマーが製作に関わっているだけで、ゲストで一曲ベーシスト Chris Olsenがベースを弾いているのみの完全ワンマン・プロジェクト(プロデュースもGordon W. Chapman自身とエンジニア)というのが実情のようです。

アメリカ産バンドでありながら、そのサウンドはウェット感あるブリティッシュHM臭と透明感ある北欧様式美HMの影響が強く感じられるシンプルな正統派メロディックHMで、Gordon W. Chapmanのヴォーカルが意外と上手く、癖のない声質の歌声でキャッチーでメロディアスな歌メロを無理なく歌いこなしており、強引に金切り声を張り上げるヘッポコギタリスト兼任ヴォーカルなレベルでないのが嬉しい誤算でしょう。

US産HMながらリフとスピードで推し通すゴリゴリのストロング・スタイルではなく、憂い有るマイナーな甘いメロディが疾走する楽曲が中心な哀愁や叙情を湛えた80年代初期北欧系HMスタイル故か、リリース当時輸入盤店でそこそこ話題になって良いセールスを記録したという逸話も残っている実に日本人受けするサウンドなので、是非2ndを届けて欲しかったなぁ…orz

ギタープレイにはインギーの影響も窺える、所謂ネオクラシカル・フレーズをフィーチュアした早弾き系のプレイが基本なものの、テクを見せびらかす(そもそもテクはそんなに…)自己満プレイに陥っておらず、しっかりと楽曲を聴かせようという意識(初期インギー作をよりバランス重視にしたイメージに近いかな?)が窺えるなかなかの佳曲が揃っております。

また、自主制作盤アルバムなのにプロダクションもしっかりしており、当時としてはかなり良い音を聴かせてくれているのもポイントでしょう。

今回、久しぶりに彼等のサウンドを耳にして、ちゃんとしたフルメンバーによるバンド体制でのアルバムを聞いてみたかったプロジェクトだと再び思ったのでした。

Gordon W. Chapmanはこの他『Gelatinous Goo』なるソロアルバムを1枚リリースしているのと、近年は SARAHKX & Gordon W Chapmanなるバンドで活動している模様ですが、詳細はよく分かっておりません。




# by malilion | 2018-01-30 01:47 | 音楽 | Trackback

まさかの先祖返り!? GALAHADが壮大な組曲1曲のみのコンセプトNEWアルバムをリリース!

c0072376_13444674.jpgGALAHAD 「Seas Of Change」'18

同期が次々と姿を消しゆく中で未だ激しく気を吐き続け、UK産第二世代ポンプ・バンドの代表格になりつつある彼等のオリジナルフルアルバムとしては5年ぶりとなる11thアルバムを即GET!

近年はプログメタルに接近したり、ダンサンブルなアレンジの楽曲も含んだ前作『Beyond The Realms Of Euphoria』をリリースしたり、去年は旧曲のアコースティックアレンジBEST盤『Quiet Storms』を出したりとサウンドの幅とモダン化を加速的に拡げていた彼等だが、本作は70年代プログレバンドが盛んに試みた手法と同じくアルバム全てを使った大きな組曲1曲(43分!)のみで構成されているシンフォニック・コンセプト・アルバムへ挑んでいる。

そして再びメンバーチェンジがあった模様で、去年アコ-スティックメインによる旧曲BESTをリリースした際に最初期のベーシスト Tim Ashton が復帰したが、今度はバンド立ち上げメンバーにして長らくギタリストの座をつとめていた Roy Keyworthが脱退し、代わって迎えられたのは一時期バンドに在籍していたにも関わらず公式から存在を抹消されていた、現在はソロ活動も盛んな Lee Abrahamが本作ではベーシストとしてではなくギタリスト(!)として復帰(17年春から復帰していた模様)し、デリケートだったりパワフルだったりと、変幻自在なギターワークをモダン・サウンドに乗せてセンチにエモーショナルに響かせている。

ベーシストが昔からこのバンドはなかなか定まらなかったのは周知の事実ですが、まさか初期からずっと安定していた(と思っていた)ギタリストの交代劇が30周年を迎えた後に起こるとは正直驚きでした。
GALAHAD脱退後のソロ活動を見るに、恐らく Lee Abrahamはあくまでギターをプレイしたかったもののバンドにはベーシストとして迎えられ、結果的にフラストレーションが溜まって脱退した、だけどバンド側はその才能を高く評価していたのでギタリストが抜けた際に即連絡して迎え入れた、というような顛末な気がします。
今回のギタリストの交代劇でバンドサウンドが一層に若返る事に成功したと思うので、これは双方にとってWin-Winな結果でしょう。

遂に黒歴史から開放されたんやな…良かったなぁ、Lee Abraham…(つд`)

さて、組曲1曲のみの本作サウンドについてだが、その形態からの察せられるように最初期の如何にもポンプ然としていたGALAHADサウンドを思い起こさせるメロトロン系キーボードやオーケストレーションも加えた伝統的プログレ要素と、彼等の初期に顕著だった牧歌的な要素を組み合わせ、近年のプログメタルな方向性の壮大なシンフォニック・サウンドでコーティングしつつ、二十年前から試みていた現代的なテクノ風キーボードサウンドも隠し味にピリリと利いている、如何にも英国風な湿り気を帯びた繊細でドラマチックな叙情感とパワフルでモダンなダイナミズムがハイブリッドに融合した新生GALAHAD第一弾に相応しい意欲作と言えるだろう。

同じようにコンセプトアルバムをリリースしている長らく彼等のお手本であったMARILLIONが、枯山水的な仙人世界へ旅立ってしまったのと比べると、彼等のサウンドは未だに俗っぽくそしてパワフルで生々しいロック・スピリット(スケール感では負けてるけど…)を感じさせるのが実に興味深く、そして個人的には嬉しい点でもあります。

また、一大コンセプト作なものの大勢のゲストプレイヤーを招くような事はなく、バンド曰く“長期名誉メンバー”と讃える Sarah Bolter(元Sarah Quilter)嬢(最初期アコースティック作『Galahad Acoustic Quintet: Not All There』'94 から断続的に製作に参加している)による、コーラス&バッキングヴォーカル、フルート、クラリネット、ソプラノサックスのみを加えて本作は製作されている事からも、新生GALAHADのポテンシャルにメンバーが絶対の自信を持っている事が窺える。

ここ数作のようなコンパクト感とメタリックなタッチは若干後退して感じるものの、それはアルバム形態によるものでしょうから不安材料とはならないでしょう。
寧ろ Lee Abrahamを迎えた事により、新生GALAHADのサウンドはポップ度とキャッチーさ、そしてモダンさを今後ますます増していくのじゃないかと予想出来ますね。

プロデュース、ミックス、マスタリングは、00年代に消えかけていた彼等を華麗に復活させたお馴染み Karl Groomが手がけているので品質に些かの疑いもないのでご安心を。

初回デジパック盤は限定なのか不明ですが、組曲内の曲2曲がエディット版でボートラとして収録(つまりアルバムには3曲収録されてる)されております。

そうそう、限定でCD付きターコイズカラー&ピクチャーLPも同時期にリリース(プログレ的なマニアックさですねぇ~)される模様なので、アナログマニアな方は是非そちらの方もチェックしてみて下さい。



# by malilion | 2018-01-27 13:37 | 音楽 | Trackback

如何にも気品漂う英国ポップス♪ DOWNES BRAIDE ASSOCIATIONの3rdをご紹介。

c0072376_12295779.jpgDOWNES BRAIDE ASSOCIATION 「Skyscraper Souls(DBA3)」'17

御存知ASIAのキーボーディストにして近年はYESにも在籍する、プログレ系ミュージシャンとしてだけでなくポップ・ヒットメイカーとして80年代初期から第一線で活動を続ける Geoff Downesが、英国人シンガー Chris Braideと組んだUKポップ・ユニットが2年ぶりに3rdをリリースしたのをちょい遅れてGET!

前作の80年代USポップス風なレトロなジャケデザから一転、YESでお馴染みの Roger Deanの手によるジャケ画を見るだけで今回は前作と違う路線と予想出来る新作だ。

で、聞いてみると、基本路線は以前からの2人のソング・ライターとしての才能が発揮された、プログレ、ポップ、ニューウェーブをベテランの風格たっぷりMIXしたアダルト&モダンでシャレオツなメジャー路線の高品質UKポップ・ロックなのだが、今回はその基本スタンスを護りつつシンフォサウンド寄りにアプローチしたサウンドというイメージで、タイトルトラックが約18分の長尺曲でプログレお約束な構成曲なものの全体的に若干シンフォテイスト(フロイド風?)を感じる程度の変化なので前作までの親しみやすいポップでキャッチーなサウンドを気に入っていた方でも問題なく楽しめるプロフェッショナルなアルバムと言えよう。

また本作から、Geoff DownesとChris Braide2人のキーボード、ピアノ、プログラミング、ヴォーカルに加え、ギターや可憐で幻覚的なフィメール・バッキングヴォーカルや男女デュエット、さらに各曲毎に米英の著名なゲスト・プレイヤーやゲスト・ヴォーカリストを多数迎えつつ、打ち込みを捨てて生演奏のリズム・セクションを取り入れたよりバンド・サウンドへ近いサウンドとなっており、さらに深みと華麗さの増した美旋律が薫るサウンドへと進化したシンフォニック・コンセプト・アルバムとなっている。

ゲスト陣の中で特に注目なのは、XTCの Andy Partridgeだろう。
アルバム全9曲のうち4曲(tracks 1,3,8 & 9)のギター・パートをプレイしていて、本作の淡く英国叙情漂うウェットなモダンサウンドのテイストを決定づけている立役者とも言えるのは間違いない。

また、BIG BIG TRAINの三代目フロントマン David Longdonがヴォーカル&フルートで参加したtrack5では、Chris Braideと David Longdonのツインヴォーカルが聞けるドラマチックで気品溢れるUKポップサウンドも聞き所の一つだろう。

しかしギタリストの参加でここまでサウンドにエモーショナルでハードなフックと陰影が生まれるとは驚きでした。
前の2枚のアルバムとは異なり、Ash Soan(Ds)、Andy Hodge(B)、Dave Colquhoun(G)のコアバンドで本作は製作されており、次作でも同じ構成で是非バンドサウンド寄りの魅力的なアルバムを製作して欲しいものです(*´ω` *)

MUSICIANS

Geoff Downes (Keyboards & Vocals)
Chris Braide (Vocal & Keyboards)

with:

Andy Hodge (Bass)
Ash Soan (Drums:イギリス人名セッションドラマーで Trevor Horn、Squeeze、Adele、Robbie Williams、Gary Barlow等の仕事で知られる)
Dave Colquhoun (Guitars:Rick Wakemanのソロアルバムに多数参加しているギタリスト)

Andy Partridge (Guitar & Mandolin :XTCのリーダーでVo&G)
Kate Pierson (Vocals USAニュー・ウェイヴ・バンド:The B-52'sのシンガー)
Matthew Koma (Vocals USAのミュージシャン、シンガーソングライター)

David Longdon (Vocals & Flute :UKシンフォバンドBIG BIG TRAINのフロントマン)
Tim Bowness (Vocals イギリスのミュージシャン、シンガーソングライター)
Marc Almond (Vocals イギリスのミュージシャン、シンガー)



# by malilion | 2018-01-24 12:21 | 音楽 | Trackback

HMプロデューサー&レコーディングエンジニアのクリス・タンガリーディスが1月7日に死去…R.I.P

まさかの新年早々の訃報…orz

メタル系を愛聴する諸兄なら数々の名バンドのアルバムで一度はその名を目にした事もあるはずのベテランプロデューサーにしてエンジニア、Chris Tsangaridesが逝ってしまわれた…

個人的にはANTHEMのアルバムでいつもその名を目にしていただけに、途方も無くショックです…

彼が手がけたバンドは、ANGRA、ANVIL、BLACK SABBATH、COLOSSEUM II、EXODUS、HELLOWEEN、JUDAS PRIEST、MAGNUM、Yngwie Malmsteen、Gary Moore、PRAYING MANTIS、TNT、UFO等々、上げていったら枚挙にいとまがありません…


R. I. P Chris.
# by malilion | 2018-01-08 12:19 | 音楽 | Trackback