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UKポンプ・ロックの代表的バンドTWELFTH NIGHTが最新メンツでのLIVE作をリリース!

UKポンプ・ロックの代表的バンドTWELFTH NIGHTが最新メンツでのLIVE作をリリース!_c0072376_10523530.jpgTWELFTH NIGHT 「A Night To Remember ~Live At The Barbican 2012~」'19

ロンドンの名門バービカンシアターで友人や招待客を招いて12月に行なわれた特別なLIVE、2012年のファイナル・ギグから7年、ようやく二枚組LIVE音源として本作がリリースされたのをちょい遅れてGET!

MARILLION、IQ、PALLAS、PENDRAGON等と並び80年代UKポンプ・ロックの代表的バンドの一つであり、近年活動を再活性化させているものの活動休止以降は蔵出し音源や旧作のリマスター、そして蔵出しメモリアルLIVE音源のリリースなどなど、旧曲を再録したシングル『Sequences』以外は殆ど新規音源では無く、ある種の懐メロ・バンドのようで一抹の寂しさを感じさせる彼等だったが、そんな彼等が久しぶりに新規音源をリリースしてくれた。

オリジナルメンバーの Andy Revell(Lead Guitars、Voice)や Brian Devoil(Drums、Percussion)が語る所によると旧譜音源のリマスター作業や蔵出し音源の作業等で時間が取られて本作リリースがここまで遅れたらしいが、それにしたって遅れすぎでは…?(汗

音源だけを耳にしているととてもそうは思えぬが、当時スタッフの間で風邪が流行っていたらしく、ヴォーカリストとして致命的な事に Mark Spencer(Lead Vocals、Guitars、Keyboards)も喉頭炎に苦しんでおり、気分も優れぬ状態で正直話すことさえ苦痛な状況でLIVEへ挑む事になってしまったという裏話がブックレットで明かされており、けれどアドレナリンとプロ根性でタフで困難な状況を見事に乗り切った顛末に驚きを隠せない。

そういう裏話を知って本作を耳にすると、確かにいくらか高音域での歌声が苦しそうに思えるが、LIVEではどんなヴォーカリストでも同じ様な状況になるし、逆にアルバム通りまんまに見事な歌声を聞かせるヴォーカリストの方が少ないのをロックファンならば誰でも知っているので特別彼の身にそんなアクシデントが起こっているとは思えないくらい情熱的に数々の名曲を見事に歌いきっている。

また、Mark Spencerの体調を考慮したのか全体的にインストパートが長めに演奏され、インストメインな初期曲も演奏されているのだが、元々TWELFTH NIGHTはヴォーカルレスのインストバンドとして結成されたのをファンならば良く知っているし、ポンプバンドの楽曲がインストパート長めなのを誰も疑問に思わぬだろうから、Mark Spencer的には不調の喉の負担を減らせ、ファン的も初期の代表曲を楽しめる、という誰も不満を持たぬ結果だけが残ったというのも面白い。

そういう経緯もあってか本LIVEでの Mark Spencerのヴォーカルはミドルレンジ主体で、以前のLIVE作『MMX』で聞けた Geoff Mannを多分に意識したシアトリカルでオーバーな振り幅広い感情表現を聞かせる歌唱スタイルではないが、それでも所々で Geoff Mann張りなお約束の素っ頓狂な叫びやシャウト、唸りや不気味な囁き等のエキセントリックなパフォーマンスを垣間見せている。

実際の所、シアトリカルな歌唱抜きなのが Mark Spencer本来の歌唱スタイル(声質は非常に良く、Geoff Mannにも似て聞こえる)なのだろうし、だからこそシンフォ・アレンジされた旧曲を伸び伸びと穏やかなディープヴォイスで歌い上げていて、モダンなタッチの増えた旧曲にもマッチしており別段違和感は感じない。

同時リリースのブルーレイ映像作では、Geoff Mannでお馴染みな第一次世界大戦時の英国兵のカーキ色の戦闘ジャケットを身に纏ってのパフォーマンスや、血塗れの白衣、ゴム手袋、サングラスを着用し、狂気を漂わす囁きやくぐもった唸りを響かせファンを湧かせる Mark Spencerの姿が確認出来る。

フロントマンは喉にトラブルを抱えていたが各バンドメンバーは猛者揃いなので演奏はいつものように素晴らしく、やっと復帰してくれた Clive Mitten(Bass、Acoustic Guitar、Keyboards、Voice)のしなやかなベースプレイと Brian Devoilのパワフルでタイトなドラムスが織り成す安定したリズムセクションの上で、Andy Revellは耳馴染みあるリフやメロディをクールに紡ぎ、GALAHADのキーボーディスト Dean Baker(Piano、Keyboards)もお得意なシンフォニック・アレンジを効かせたサウンドを操って楽曲のスケールを一段と壮大にし、時にアコースティカルで繊細な調べ、時にパンキッシュでハードな疾走するサウンド、と『Fact And Fiction』をはじめ有名曲の数々を和やかな雰囲気が満ちた会場で余裕タップリに繰り広げていく様は見事の一言に尽きるでしょう。

内輪向けのLIVEであった事もあって新曲等のお披露目はされなかったし、通常の聴衆を相手にした熱狂が伝わる白熱のLIVE作と言う訳でもなく、セットリスト的にも新鮮味と言う点でいささか欠けるきらいはあるものの、ファンにとっては当然入手して然るべきアイテムだが、もしTWELFTH NIGHTを知らぬ方には、時にドラマチックで、時に叙事的、そしてエキセントリックなアイデアと感情が渦巻き弾け飛ぶ、高品質なプログレッシブ・ロックをお好みであるなら是非チェックしてみて欲しい一作であります。



by malilion | 2020-01-28 10:43 | 音楽 | Trackback

80年代後期に活動したクリスチャンHMバンドANGELICAが久しぶりに新譜をリリース!!

80年代後期に活動したクリスチャンHMバンドANGELICAが久しぶりに新譜をリリース!!_c0072376_13430074.jpgANGELICA 「Without Words」'19

カナダ出身のギタリスト Dennis Cameronが87年に結成、80年代後期から90年代初頭にかけてアメリカ・シーンで活躍し、アルバム4枚をリリースしたクリスチャンHMバンドANGELICAの約27年ぶりとなる新譜、5thアルバムがリリースされたのでGET!

去年、1st、2ndのデジタルリマスターでのリイシューに合わせてデビュー前のデモ音源をオフィシャル・リリースしてファンを歓喜させた Dennis Cameronですが、予告していた通り夏の終わりにデジタル先行でリリースしていた新作が現物でやっと入手可能になりました。

ただ、せっかくの久しぶりの新作なのですが、残念ながら名義がANGELICAなだけでほぼ Dennis Cameronが独力で創り上げたタイトル通りなインストゥルメンタル・アルバムなので、以前のメロハー・サウンドを期待している方には少々肩すかしな内容となっております……

クリスチャンHMバンドの、そのギタリストのソロ作と言えるアルバムなので購入前は下手をするとスーパーマーケットのBGM(汗)に成り下がっているような穏やかで柔和な心地よさ重視で、知らない間にアルバムを聞き終えている最悪なパティーンのアルバムになるのでは、と危惧しておりましたが、意外や意外、予想以上にダークでヘヴィなテイストもあるザクザクしたリフ圧しのトリッキーなプレイが切り込んで来る楽曲がしょっぱなから飛び出してきて安心させられました。

この辺りのダークなテイストは悲しいかな90年代グランジーの波を経験しているUSプレイヤーにとって、今となっては当然なギタープレイなんでしょうねぇ…

後半カントリーっぽい楽曲やブルーズテイスト漂う楽曲だったりも飛び出してきて、如何にも陽気なアメリカン・サウンドなのにニンマリさせられます。この手のテイストやプレイはユーロ圏のミュージシャンでは敵いませんね、やっぱり(w

とまれ、相変わらずなハードでエッジあるテクニカルで流麗な早弾きプレイもしっかりフィーチャーしつつ、歌心あるメロディアスで爽快なプレイが全編に渡って披露されており、彼個人の技巧派ギタープレイのファンな方にとってはこれ以上ないくらい満足いく作品と言えるでしょう。

彼のキャリアや交友関係的に幾らでも歌の巧いクリスチャン・シンガーを招いて往年のANGELICA"らしい"アルバムを創る事は出来たのでしょうが、敢えてシンガーを招かず、彼自身のプレイのみで全てを語り表現する作風に挑んでいる点を見ても、以前とは違い自身のプレイに絶大な自信を持って本アルバムの制作に至ったのだと察せられます。

キーボードやドラムは殆ど打ち込みと思われますが、ベーシストとドラマーの二人がスペシャル・ゲストで招かれているので、打ち込みでは無機質に成り過ぎる箇所等でプレイを披露しているのかもしれません。

逆に言うと殆ど打ち込み臭さを感じさせない自然なフィーリングのサウンドだとも言え、この辺りは以前と違って近年のテクノロジーによる所が大きいのでしょうね。

個人的に Neil Peartの一件があっただけに、このアルバムに少し癒やされました…(つд`)

CCM系は独自のカテゴリーなのも影響してか、なかなか輸入盤が入って来ないしそもそもプレス数も少ないので、ともかくANGELICAファンなら迷わず買い! なアイテムなのは間違いありませんから売り切れる前に早々に入手しておきましょう!

P.S.
それとCD裏面に明記されてたんですが、どうやら Dennis Cameronはフルタイムのプロミュージシャンとしての活動は断念し、現在は開業医(!?)となっている模様なので、今後ANGELICAの新譜はなかなかリリースされる事は無い、もしくは本作と同じようなインスト作で彼個人が満足出来るような作風になるのではないかと思われます…

まぁ、ミュージシャンとして成功出来なくても人生は続くんだし、彼は彼なりに次のステージへ進んだって事なんでしょうね。堅実に。





by malilion | 2020-01-19 13:37 | 音楽 | Trackback

RUSHのドラマー、Neil Peartが死去…


RUSHの頭脳にしてドラマーであった Neil Peartが1月7日、米カリフォルニア州サンタモニカにて死去した模様。

死因は脳腫瘍とのこと。

3年半にわたる闘病の末に亡くなった。享年67歳。R.I.P

RUSHはもうLIVE活動しないと近年発表していたが、腱鞘炎だけでなくこれが隠れた大きな原因だったのかも…orz

奥さんや娘さんで辛い思いをしつつ、それでも創作活動を再開してくれたNeil Peartに感謝だったのですが、やっとこれで彼も安らかになれたんだと思うしかありませんね……

今日はRUSHのアルバムを引っ張り出して夜通し聞き倒しますか…(T-T)



by malilion | 2020-01-16 12:49 | 音楽 | Trackback

新アメリカ人キーボーティストを迎え、劇的に生まれ変わった北欧シンフォ・バンドTHE FLOWER KINGSが新譜をリリース!

新アメリカ人キーボーティストを迎え、劇的に生まれ変わった北欧シンフォ・バンドTHE FLOWER KINGSが新譜をリリース!_c0072376_17594323.jpgTHE FLOWER KINGS 「Waiting For Miracles ~Limited 2CD Digipack~」'19

北欧スウェーデンの大御所プログレ・ギタリスト Roine Stolt率いるシンフォ・バンドが6年ぶりとなる新譜をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

去年 Roine Stoltはソロ名義のRoine Stolt's THE FLOWER KINGとしてアルバムをリリースしているので、バンド作としてそんなに間隔が開いていたのかと、今さらながら驚かされた方もいらっしゃるかも?

95年デビュー以来幾度もメンバーチェンジを行ってきたバンドだが、今回の大きなトピックとしては長らく Roine Stoltの盟友としてバンドに在籍し、サブリーダー的な立ち位置だった Tomas Bodin(Keyboards)が本作では脱退し、代わって新キーボーディストにUS産テクニカル・シンフォ・バンドAN ENDLESS SPORADICを率いる天才的作曲家にしてマルチ・プレイヤーの名手 Zach Kaminsを迎えた事だろう。

地味にドラマーも Felix Lehrmannから Mirko DeMaioへチェンジしているが、このバンドはリズム隊が昔から良く変わっているので、それは驚くには当たらないでしょう。

しかし、面白いのはRoine Stolt's THE FLOWER KINGにも Zach Kaminsはゲスト参加しており、その時の演奏が気に入って Roine Stoltが新たなキーボーディストに彼を招いたのではないだろうか?

まぁ、Tomas BodinをはじめTHE FLOWER KINGSのメンツ達と新たなバンドTHE SEA WITHINを立ち上げアルバムを既にリリースしているので、Roine Stoltとしてはバンドごとのサウンドの差異をハッキリさせる為にも、あえてメンツを変更したとも考えられますね。

実際、Tomas Bodinはデビュー作から長らくTHE FLOWER KINGSのキーボーディストの座に有り続けバンドサウンドのカラーを決めていた大きな要素であった訳だから、バンドサウンドが同一方向性のままで大きく分かり易い変化を付けるならリーダーでギタリストの Roine Stoltか、彼を代えるのが一番てっとり早いでしょうから。

活動歴が長いバンドがマンネリズムに陥るとやらかす、同一メンツのまま妙な新要素を追加してダンサンブルになったり、ダークでヘヴィなグランジーさを加味したり、妙にデジタリーなサウンドへ接近したりと今風要素を無理くり追加するような試行錯誤をされるくらいなら、主要メンツをチェンジしてバンドサウンドをリフレッシュしてくれた方がファンとしては安心…かなぁ?(汗

さて、その主要メンツをチェンジして初となるアルバムのサウンドは、お馴染みな70年代回帰型のレトロ風味なHR寄りのプログレッシヴ・ロックを現代風なモダン要素を加えブラッシュアップしたスケール大きいサウンドで、ソリッドでヘヴィなサウンドとシンフォニックな優美さと艶やかなサウンドを絶妙のバランスで交差させており、その上で何時ものようにヴォーカルと分厚いコーラスは歌心があって実にキャッチーで聞きやすく、北欧プログレお得意のビンテージ感漂う哀愁のメロディとエモーショナルながらも透明感あるギター・サウンドが終始耳を捉えて放さないのは同じなのだが、バンドサウンドが明らかに変わった事を示すのに十分な程に異なっているのが分かる。

Tomas Bodinも多彩な鍵盤楽器を操ってTHE FLOWER KINGSのサウンドを鮮やかに飾り立てていたが、本作の Zach Kaminsに至っては、メロトロンやハモンド、ムーグやシンセ、ローズ・ピアノ、ハーモニウムなどのヴィンテージ・キーボード類だけでなく、鉄琴やマリンバ、ギター、テルミン(!)、オーケストレーションに至るまで多種多様な楽器を操り、その的確でハイセンスなテクニカル・プレイと絶妙のアレンジで、幾分かマンネリズムに陥りかけていたTHE FLOWER KINGSのサウンドに新鮮な風を持ち込み、一気にバンドサウンドのレベルを一段引き上げ、さらにモダン化を加速させる事に成功していると言えよう。

若手プレイヤーの発奮が呼び水になったのか、Roine Stoltを始め他メンバーのプレイも切れ味鋭い渾身のプレイを披露しており、まるでデビュー作のような迸る熱くスリリングなプレイがそこら中から飛び出してきて、Zach Kaminsというアメリカ人プレイヤーがベテラン北欧バンドに与えた影響が如何に絶大だったのかを物語(メンバー・フォトのど真ん中に陣取ってるのが象徴的だw)っているようだ。

そんなベテラン・プレイヤー達に囲まれ Zach Kaminsは少しも臆する事なく、如何にもプログレ的なテクニカルなプレイやエモーショナルなプレイ、そして素早く派手なリックをダイナミックに繰り広げており、幾分かこれまでのアルバムよりサウンド全体の北欧的な透明感や叙情感は薄れた印象はあるものの、逆にこれまで余り感じられなかったムーディーでミステリアスな雰囲気や民族音楽的なテイストなどが持ち込まれるなど、THE FLOWER KINGSサウンドを再び輝かせた起爆剤が Zach Kaminsが操る鍵盤類サウンドであるのは間違いなく、キャリアあるシンフォ・バンドが新たなキーボーディストを迎えた事で、ここまで劇的に変化するものなのかと驚かされっぱなしな一作と言えるだろう。

そういった人事的なトピックを知らぬリスナーが本作に耳を傾けたとしても、その緻密に作り込まれたスリリングでメロディアスなギターと重厚で壮大なシンフォニック・アレンジが聞く者を魅了するエモーショナルでファンタジックなサウンド、そして圧倒的な演奏力と説得力ある歌声だけでリスナーを完全にバンドの音世界へ連れて行ってしまえる力量は、ベテランバンドの風格未だ衰えず、と言った所でしょう。

ポップスや古典的なロックソングも含む多様なプログレ要素がクロスオーバーされた幅広い音楽性とテクニカルでスリリングなプレイが飛び交う重厚にして壮大なサウンドの中にあって、フッと訪れるソフトなアコースティック・パートが織り成す“圧し”だけでない“引き”の美しい叙情感は、ユーロ圏バンドに特有な上に、キャリアあるバンドでなければ表現の難しい音数は少ないけれど胸に訴えかけるエモーショナルなサウンドという奴で、本作でもしっかりとその柔和なサウンドが、瞬間的にキラリと清涼な輝きを放つ様が実に美しいのです(*´ω` *)

毎度同じ方向性でちょっとマンネリだなぁ、と彼等のサウンドに飽きてしまった旧来のファンの方々や、スリリングでモダンな上にキャッチーで安定感抜群という北欧シンフォ・サウンドがお好みな方なら、是非本作をチェックして見て下さい。



by malilion | 2020-01-03 17:54 | 音楽 | Trackback