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カナダ人メロハー・シンガー Rob Morattiのソロ第三弾『Renaissance』を今頃ご紹介。

c0072376_20211121.jpgROB MORATTI 「Renaissance」'19

様々なメロハー・プロジェクトへのゲスト参加やMORATTI、FINAL FRONTIER、SAGA、RAGE OF ANGELS等と参加するバンドを変えアルバム毎にハイトーンが冴える歌声のパワーと艶を増し、メロディアス・ロックシーンでその存在感を増してきたカナダ人シンガー Rob Morattiの、前作『Transcendent』から3年振りとなる待望のソロ三作目がリリースされたのを、かなーり遅れてGET!

前作が『超越』という大仰なタイトルのアルバムであったが、そのタイトルに偽りない高い完成度と優れた楽曲が詰め込まれた一枚であったのにメロディアス・ロックファンは異議を唱えないだろうが、続く本作タイトルが『ルネサンス(再生、復活の意)』とあって一体どんな変化が Rob Morattiの音楽に訪れたのかと少々心配したが、結局の所は音楽的に大きな変化は無く、過去2作のソロ作が気に入ったファンの期待を裏切る事無いだけでなく、幅広くメロディアス・ロック・ファンにアピール出来る安定安心な良作アルバムだ。

全ての楽曲に共通して、フックある美しいメロディーと爽快に突き抜けるコーラス、AOR風味が増し惰弱になりそうな楽曲をピリリと引き締めるツボを心得たエッジあるギタープレイと目立たぬバッキングで華麗に楽曲を飾り立てるキーボードのソツない伴奏、そしてそれらバックのサウンドを足がかりに縦横無尽にその美声を轟かせる Rob Morattiのヴォーカル・パフォーマンスが非常に優れているのは明らかであり、全体的にAOR風味の増したアルバムの楽曲の隅々にまで Rob Morattiの魅力が満載された一枚と言えよう。

アルバム制作陣は前作と同じで、ボスの Rob Moratti(Lead & Backing Vocals、Producer)をはじめ、Torben Enevoldsen(Lead & Rhythm Guitar、Keyboards:SECTION A、etc...)、Fredrik Bergh(Keyboards:STREET TALK、BLOODBOUND、etc..)、Tony Franklin(Bass:THE FIRM、BLUE MURDER、WHITESNAKE、Kate Bush、etc...)、Stu Reid(Drums:MORATTI)の五名となっており、特別なゲストなどは招かれておらず、プロデュースのみならずミックスやマスタリングまで Rob Morattiが手がけており、細部にまで自身の追求したいサウンドを創作するのに心血を注ぐ職人的な強いこだわり(の割に、楽曲フェードアウト部分がちょっとぞんざいじゃない?)が見て取れる。

ただ、何もかも手放しで褒め称えられるかと言うとそうでもなく、トリビュート・アルバムを創ってしまうくらいJOURNEY(と言うか、Steve Perryか)に影響を受けている Rob Morattiなので、彼の創作する音楽に80年代JOURNEYっぽさが漂うのは別段驚くに値しないのだが、前作は『タイトルに偽りなし!』な一作であったものの本作の楽曲の出来や音楽性の幅やバリエーションについては、この手のAOR風味なメロディアス・アルバムとしては少々典型的、類型的で、バックのメンツのプレイは総じて高いレベルで結実し文句の付けようがない高品質なのだけれど、如何せんこの手のジャンルに付きものな“独創性の欠如”や“未知のサウンドとの出会いや新鮮な驚きの欠如”という最大の弱点を覆い隠すには至らず、『アルバムタイトルに偽りあり』という印象が残ったのは少々残念でした…

とは言え、メロディアスでキャッチーな非常に強力な楽曲が最後まで途切れる事無く続くこのアルバムは多くの点で傑出しているのは疑いようもなく、その素晴らしい収録曲の多くにシングルヒットの可能性があり、AOR&メロハー・シーンだけでなくポピュラー・ミュージックシーンでも高い評価が得られるだろうハイクオリティーなサウンドであるのは間違いなく、JOURNEY、FOREIGNER、NIGHT RANGER、SURVIVOR、TOTO等のキャッチーなブライトサウンドが売りの80年代アリーナ・ロック系バンド好きな方ならば間違いなくチェックして損はない一枚と言えるだろう。

まぁ、Rob Moratti的には、煌びやかなアリーナ・ロックの本場であるはずのアメリカで、ラップやガレージロックに隅に追いやられて殆どその姿を消したロックバンド達に代わって、往年のサウンドを再生してる、決して焼き直しなんかじゃない、という意味くらいでアルバムタイトルを付けただけなのかもしれませんけど…(汗

文句の付けようのない高品質な楽曲だけれど、個人的にはもうちょい叙情的でウェットなメロディや陰影深いサウンドの“押し引き”な演出等が聴けると、本当に至極の一枚ってレベルになったように思うが、まぁ Rob Morattiの音楽的なバックボーンはUSAアリーナ・ロック的な部分が大きいのが丸分かりだし、見当違いなアーティストにユーロテイストを期待しちゃうのがそもそも間違っているのでしょう。

そうそう、やはり海外でも突き抜ける高音域を自信満々に歌う Rob Morattiの歌唱力はリスナーの多くを驚愕させるようで、Peter Cetera(ex:CHICAGO)や Jon Anderson(ex:YES)等のハイトーン・ヴォーカリストのビッグネームとも比較されるくらい知名度を上げて来た模様だが、反面あんまりにも高過ぎる天へ突き抜けるその歌声が“Mr.Autotune”と揶揄もされているようだ(笑




by malilion | 2019-09-30 20:14 | 音楽 | Trackback

ライオンは消えたまま…北欧スウェーデンのクリスチャンHMバンドNARNIAが約3年ぶりに8thアルバムをリリース!

c0072376_22525435.jpgNARNIA 「From Darkness To Light」'19

北欧スウェーデン産クリスチャンHMバンドが約3年ぶりとなる8thと最新LIVE盤『We Still Believe Made in Brazil』を収録した日本独自仕様となる2枚組アルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

デビュー当時はインギー張りの早弾きギターとキーボードのインタープレイが飛び交うド派手な様式美サウンドを奏でていたが、アルバムを重ねる毎によりテクニカルに、さらにヘヴィに、もっとモダンに、と音楽性の幅を半ば強引に拡げ、解散前には看板ヴォーカリストにして盟友の Christian Liljegrenと決別し、バンドコンセプトさえかなぐり捨ててヘヴィネスなダークサウンドにまで貪欲に手を広げた彼等だが、暫しの後の再始動作となる前作で一気に熟練度が増した、派手さの無い骨太なメロディアス・モダンHMサウンドを提示して初期からのファンを驚かせた訳だが、続く本作でも前作の流れを汲んだモダン・メロディアスHMサウンドを提示している。

また以前からイマイチ安定しないベーシストのポジションだが再び変動があった模様で、一度脱退し前作で復帰した Andreas Olssonが二度目の脱退をし、新ベーシストに Jonatan Samuelssonを迎えた以外は、リーダーの CJ Grimmark(Guitars、Backing Vocals)にデビュー作から相棒の Christian Liljegren(Vocals)に加え、2nd『Long Live The King』'98以来参加し現在はROYAL HUNTでも叩いているドラマー Andreas Johanssonの中心メンツに変動はなく本作は制作されているので、ファンの方には一安心といった所だろう(*´ω` *)

まぁ、MODEST ATTRACTION、DIVINE FIRE、GUILDER RESURRECTION等でも活躍する人気フロントマン Christian Liljegren脱退以上のメンバーチェンジの衝撃はもう誰が抜けようと無いでしょうから、ファンはそんなに驚かないか(w

前作の流れを汲んだ作風ではあるものの、初期テイストも残しつつ今風な鈍色北欧HMサウンドも取り込んだ、メランコリックでダークな雰囲気を漂わす、バランス重視のコンパクトな楽曲と、渋く隙無いツボを心得た手堅いプレイとメッセージ性の強い歌詞世界を繰り広げる王道ユーロピアンHM的なモダン・クリスチャンHMサウンドまんまと言う訳でもなく、以前挑んで巧く表現出来ず導入を断念したプログHM要素が再び本作には感じられ、明らかに複雑な楽曲構成でキーボードをプログHM的にフィーチャーしたDREAM THEATERやSPOCK'S BEARD等の影響が透け見える楽曲や、IRON MAIDENっぽさを臭わす楽曲もあり、それだけでなくグルーヴとテクノ風味をMIXした独特の雰囲気を持つパワー・メタルサウンドや、グルーヴィでありつつブルーズフィールあるサウンドなど、新たな試みにも果敢に挑んで叙情感ある北欧クリスチャンHMサウンドをさらに進化させようとしているのが分かる。

ライナーで Christian Liljegren自身が語っているように様々なアーティストの要素を取り込み、影響を受けつつして音楽性の幅を拡げる行動自体はアーティストなんだし当然だし、健全な行為なんだろうけど、以前の事があるのでちょっと心配になってしまいますね…(汗

LIVEアルバムの方は、信心深いお国柄と言う事もあってか熱狂的にバンドを迎え入れているのが伝わってくる一作で、バンドもそんな聴衆の熱気に導かれるように渾身のプレイを繰り広げており、聴衆との熱いやり取りや、大合唱に煽られるように熱が籠もっていく各メンバーのプレイといい、大層な盛り上がり(手拍子にオーレ~オレオレー♪って、サッカー会場かw)でこれだけ盛り上がってくれたらそりゃLIVE録音しちゃうよね、ってなアーティスト冥利に尽きる国なのは間違いないだろう。

しっかりしたバランスで録音されたLIVE作で曲間の編集もされており生々しさには少々欠けるかもしれないが、 CJ Grimmarkもアルバム以上に派手でエッジあるギタープレイを繰り広げており、Christian Liljegrenの安定した抜群の歌唱といい、力強くバンドサウンドを支える Andreas Johanssonのソリッドなドラムプレイといい、聴いていて実に爽快で、お手軽BEST的な聴き方も出来る一枚だ。

尚、日本盤にはボーナストラックを1曲追加収録予定とあったが、残念ながらボートラは追加されておらず Σ(゚д゚lll)ガーン 同梱のボーナスLIVEアルバムだけで我慢するしかないようだ。
まぁ、別売りされていたLIVEアルバム丸々一枚同梱してくれたんだし、そこは我慢しましょう(値段に文句は言いたいけど!)
でも輸入盤で既にLIVEアルバムを入手していた忠実なファン的には、8thもLIVEも輸入盤のままでOKって事になって買い直ししなくて済むと前向きに考えられるのかな?
価格的に手が出せない、って方はお安く輸入盤で済ませましょう。

妙な売れ線への色気を微塵も見せず、ヘヴィネス、パワー、そしてプログHM要素を巧みにMIXし、クリスチャンHM定番の分厚くパワフルで荘厳なコーラスをバッチリとフィーチャーしつつ真摯なメッセージを切々と歌い上げる、今時こんなに奇をてらわぬドストレートで勇壮な味わい深い王道ユーロピアンHMサウンドを聞かせる良いバンドもなかなか居ないので、クリスチャンHMと言うだけでも色眼鏡で見られるだろう彼等が無事活動を続けられる事を祈って、次作が一日も早く届けられるのを待ちましょう。



by malilion | 2019-09-29 22:44 | 音楽 | Trackback

新旧DANGER DANGERメンバー3人が結成したサイドプロジェクト・バンドTHE DEFIANTSが新作をリリース!

c0072376_17554436.jpgTHE DEFIANTS 「Zokusho」'19

DANGER DANGERの2代目ヴォーカリストにして“カナダのBON JOVI”なんて意地悪く囁かれる事もある Paul Laine(Vo&G)と、同じく2代目ギタリストとして現在もDDに在籍する Rob Marcello(G)、DDのオリジナルメンツにしてメイン・ソングライターのBruno Ravel(B)の、新旧DANGER DANGERメンバー3人が中心となり結成されたサイドプロジェクト・バンドの3年ぶりとなる日本先行リリースな2ndアルバムをちょい遅れてGET!

サウンドの方向性は全く変わりなく、DANGER DANGER要素と Paul Laineが持ち込んでいるだろうBON JOVI要素、そしてほんのりユーロテイストがまぶされた、デビュー作よりさらにビッグなコーラス、増々にキャッチーなフック、より華麗に弾きまくるギターと強力なヴォーカルが描き出すブライトなメロディにさらに磨きがかかった、日本人好みな適度にエッジの利いた爽快感抜群の安心安定なメロハー作だ('(゚∀゚∩

本作では前作より幾分か80年代要素は薄まって90年代初期DANGER DANGER要素なモダンさをサウンドに感じさせる箇所もあるが、抑えきれぬBON JOVI要素(笑)が上手い具合にミックスされた独特な明朗パワー・ポップサウンドへ巧みに仕上げられているのは、これまで各自が高評価を得ているソング・ライティングのテクニックを活かし良質のメロディック・チューンを書き上げてきたキャリアが伊達でない証明と言えるだろう。

一聴した時、アルバム前半の楽曲が出来は良いもののちょっと大人しめなサウンドに思えて『掴み弱くね?』と、戸惑わされるものの、聞き込むうちに新人バンドのようなハチャメチャな勢いやキレは無いけれど、プロフェッショナルな楽曲構成やアレンジ、プロダクションがしっかり効いた、耳に残る朗らか爽快メロディアスなパワー・ポップらしい楽曲から、哀愁香るブルージーな楽曲、AOR風味なヴォーカル推しな楽曲、ちょっとヘヴィでダーク目な楽曲、各楽器陣が巧みなプレイヤースキルを見せつける楽曲等々と、実に魅力的な楽曲が多種多様にズラリと並び、デビュー作よりさらにバラエティさを増し、尚且つ上の完成度を目指したバランス重視なアルバムだと分かる。

なお、本作の制作にはDANGER DANGERのドラマー Steve Westが参加しており、それによってよりDANGER DANGER風味が強まった一枚と言えるかもしれない。

このバンドにリスナーが求めるモノは斬新さや新人バンドのような勢いではないでしょうから、より完成度を増す方向性でモダン・パワー・ポップな楽曲の質を高めた本作をリリースしてくれたのは、まさにファンが求める通りな一枚と言えるだろう(*´ω` *)

なんか本家DANGER DANGERの活動が停滞気味っぽいから、どうせならこのままパーマネントなメンツを加えてバンドとして本格的に活動してもっと素晴らしい作品を届けて欲しいですねぇ~♪




by malilion | 2019-09-28 17:50 | 音楽 | Trackback

インドのシンフォ・バンド COMA ROSSIがデビュー作をリリース!

c0072376_09063032.jpgCOMA ROSSI 「Same」'18

プログレ未開の地と思っていたインド(!!)から、去年末にデジタル先行で配信を開始していた本格シンフォ・バンドのデビュー作が遂にプレスCDで入手可能になったのでご紹介。

Tom Borah(Vocals、Acoustic Guitar)、Gaurav Govilkar(Guitars)、Udayan Kashalikar(Bass、Vocals)、Juby Thomas(Keyboards、Samples & Pre-production)の4名からなるバンド編成に、セッショドラマーを2名招いてデビュー作は制作されている。

アルバム製作時の正式メンバーは4名だったがサイト等で5名のメンバーフォトが表示されており、アルバムリリース後に新ドラマー Anupam Pandaが正式メンバーへ迎え入れられた模様。

まず、ジャケがいいよね!('(゚∀゚∩

物悲しくもミステリアスな物語を連想させる幻想的でとても美しいデザインで、シンフォ系にピッタリなセンスあるジャケだ(*´ω` *)

で、注目のサウンドはと言うと、シンフォとフュージョンをミックスしてサイケ風味をまぶしたイメージのモダン・サウンドで、ロングトーンのギターやダークなトーンが主体なヴォーカルメロディや楽曲の方向性等からPINK FLOYDっぽさがそのサウンドから嗅ぎ取れるが、無論モロなフォロワーと言う訳ではなく一要素としてバンドサウンドに溶け込んでいて、コレという似たシンフォ系のバンドサウンドがちょっと思い浮かばない独特なサウンドを奏でている期待のニューカマーと言えるだろう。

エッジあるギタ-・リフやハードなディストーションサウンドを聞くに、間違いなく夢劇場等のプログレHM的な影響も Gaurav Govilkarが受けている模様で、歪んだHM的なギター・サウンドとソリッドなリズムが叩き出すグルーヴを覆い隠すようなキーボード主導によるミステリアスでムーディーなパッセージや不安感を煽るピアノ等に、憂鬱なイメージを醸し出す引きずるようなギターの残響音や無機質なループ音等のSEに加えサイケ風味が合わさって、単なるPINK FLOYDフォロワーでない、シンフォサウンドとフュージョン、さらに環境音楽的な要素まで混合させた独特な叙情感を伴ったサウンドを生み出している。

ドラムクレジットのない楽曲もあるが、この単調なリズムループは打ち込みを使用して意図的に無機質な感触を演出しているのだろう。

少し東欧シンフォっぽいアンビエントでミステリアスなムード漂うシンセとロングトーンのギターの音色がダークで霧深いサウンドを紡いでいくパートが聞けるが、東欧バンドのような凍てつくような寂寞感やシャープな感触は無く、少しサイケっぽいタッチも感じる深いエコーがかかったその柔和でディープなサウンドは、もっと壮大で濃厚な乳白色の濃霧が無限大に拡がっていくようなイメージを思い起こさせると言えば伝わりますでしょうか?

サウンドの感触的にアジア要素はほぼ無く、寧ろユーロ圏のシンフォサウンドに近いように思えますが、他のインドバンドやインド・シンフォバンドの音を知らないので、何とも言えないのが…(汗

また、英詞を歌うヴォーカルもミドルレンジ主体で朗々と歌い上げるパートが多いものの、時折HR風な熱くワイルドな歌唱も聞かせ、これだけ上手いヴォーカルなのにインストパートが多目な楽曲形態の為にその素晴らしい歌声(時々、声質のせいかARENAっぽく聞こえるんだよな~)を披露するパートが楽曲の長さに対して少ないのが実に勿体なく思える程だ。

サウンドは現代社会のカオス、機械世界、そして生命に関わる人間の存在を描写し、歌詞は、喪失感、悲しみ、及び人間関係に対する時間の影響を語っていて、ちょっと取っつき難い所謂一般受けするように思えぬ方向性なものの、歌詞は最終的に非常に希望が持てる結びになっているのが救いと言えば救いでしょうか…それでもちょっと一般受けはしにくい暗いイメージのサウンドと歌詞ですよね…(汗

欲を言えば、もっと分かりやすくインドらしいメロディやフレーズなんかが聞けると”インドのシンフォバンド”というワードに興味を惹かれたリスナーを簡単に満足させられると思うのですが、あえてそういった手法をとらぬサウンドを演っている所を見るに、英詞のヴォーカルといい彼等がインターナショナルでメジャーな活動を目指しているのが窺えるような気がします。

果たしてインドにプログレ&シンフォ・シーンが存在しているのか定かではありませんが、出来る事なら次なる作品を早く届けてもらいたいものです。




by malilion | 2019-09-25 08:59 | 音楽 | Trackback

メロハー系ハイトーン・ヴォーカリスト Tony Millsが死去…


メロハー系のプロジェクトやソロ、そして英HMバンドSHYや、ノルウェーのHMバンドTNTでの活躍で知られるヴォーカリストの Tony Millsが9月18日に死去した模様…


彼の妻リンダの声明によると、Tony Millsは今年4月に末期の膵臓癌と診断されていたらしい…享年57歳。

折しもSHYの初期アルバムが今年デジタルリマスターでリイシューされたばかりだと言うのに…

もう彼の真っ直ぐに突き抜けるハイトーン・ヴォーカルを聞く事は出来ない…R.I.P.



by malilion | 2019-09-19 14:14 | 音楽 | Trackback

STRYPERの弟分バンド、USクリスチャンHMバンドHOLY SOLDIERのデビュー作がデジタルリマスターでリイシュー!

c0072376_10535025.jpgHOLY SOLDIER 「Holy Soldier +2(2019 Remastered Limited 500)」'19

85年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成され“STRYPERの弟分”という振れ込みで活動し、強固なCCM系ファンベースを築いたツインギター5人組のUSクリスチャンHMバンドが90年にリリースし大ヒットしたファーストアルバムが、ボーナストラック2曲追加、Digital Remasteredで500枚限定(!?)の新装リイシューされたのをGET!

因みに、2ndアルバム『Last Train』も同じレーベルからDigital Remastered、500枚限定でリイシューされております。

90年と言えばSTRYPERは、徐々にメインストリームのサウンドが変化しつつあるのを敏感に察知したのか、マンネリズムから脱却する為か、クリスチャンHMスタイルからより幅広いHMサウンドへ音楽性を変化させ、トレードマークのストライプも捨て去った5thアルバム『Against The Law』をリリースし、結果的に旧来からのCCM系ファンベースから失望を買う失敗作となってバンドは解散の憂き目を見てしまう頃だ。

丁度、兄貴分がCCMファンベースを裏切る形のアルバムをリリースしたのも彼等に運が向いたのでしょうが、元から独自の音楽スタイルを保守的に護り続け、求め続けて来たクリスチャン系ファンの期待を一身に集め、初期STRYPER風なゴージャスで造り込まれた分厚いビッグサウンド、そしてストレートに朗らか爽快なアメリカンHMスタイルでファンが求める通りのサウンドを引っさげデビューした訳ですから、ダークで鬱なサウンドが主流になりつつあるポピュラーロック界の気配を身近に感じていたであろうCCM系ファンにとって、彼等は正に“救世主”に感じられた事でしょうね(*´ω` *)

クリスチャン系のバンドは大抵コーラスが分厚く綺麗だし、STRYPER風サウンドにピッタリなハイトーンのリードヴォーカルが甲高い声でシャウトしまくるハードでエッジがあるキャッチーな楽曲と、兄貴分のサウンドを研究しただろうコンパクトに纏められたそのサウンドは、まんま80年代風アメリカンHMスタイルなもののSTRYPERと比べると幾分ギタリストの弾く音符の数が少なく、どちらかと言うとブルージーさを感じさせるベーシックなアメリカンHR風なプレイをしており、トリッキーでド派手なギタープレイをギンギンに繰り広げる、というパートは少なく、歌パートをより重要視してバックの各パートがしっかりコンポーズされた楽曲バランスになっているように感じます。

パワフルでスピーディーな楽曲の時はSTRYPERとの類似点が多いドライなアメリカンHMサウンドになるが、一転ミッドテンポでしっとり歌モノ風な楽曲や、バラード風の楽曲ではブルージーさが滲み出てくる大陸的な大らかさ漂うアメリカンHR風サウンドになる点が彼等の独自色と言えなくもないかも?

後は、弟分とは言うけれど実際はSTRYPER程に分厚いコーラスとハイトーンでグイグイと派手にキャッチーに押しまくるオーバープロデュースぎりぎりなサウンドではない、比較的オーセンティックなHRサウンドスタイルな点も兄貴分との音楽性の差異と言えるだろう。

クリスチャンミュージックという特殊なファンベースが存在するアメリカの、当時の状況からCCM系で大ヒットを記録した実績はあるものの、よくよく聞くとそのメロディの質は兄貴分に及ばず、楽曲のフックもキャッチーさもA級クラスかと問われると、お世辞にもそうは言えぬレベルだと思うので、フォロワー的な情報の他にもそういった点故にか、ここ日本で彼等の知名度や人気がマイナーな存在とされるのも納得なのかもしれません…(汗

独自の流行とスタイルを貫いてきたクリスチャン系バンドの多くも、この後暫くして世間で流行っているダルくダークなグランジーサウンドなバンドばかりになっていく訳で、グランジーの暗黒に飲み込まれていなかった残された健全な音楽シーンであるCCM系で最後まで気を吐いた、ゴージャスで華やかなアメリカンHM最後の輝き、ヌーメタル時代の徒花のようですよねぇ…orz

ただ、グランジーの波が来なくとも彼等がその後も順調に活動出来たかどうかは、実際はかなり怪しかったように思えます。

何故なら、このバンドはメンバーチェンジが本当に激しかったのです……

85年、Andy、Jamie、Robbieを中心にバンドは結成される。

結成当時のラインナップは、
Andy Robbins(Bass、Guitar、Backing Vocals)
Jamie Cramer(Guitar、Backing Vocals)
Robbie Wolfe(Lead Vocals)
Chris Hyde(Drums、Backing Vocals)
Larry Farkas(Guitar、Backing Vocals)

85年にドラマーを Chris Hydeから Terry Russellへチェンジ。

86年に Larry Farkasから Michael Cutting(Guitar、Mandolin、Backing Vocals)へギタリストをチェンジ。

メジャーデビュー寸前の88年に、フロントマンを Robbie Wolfeから Steven Patrickへチェンジ。

この当時、ハリウッドサンセットストリップとその周辺でLIVEを繰り返し腕を磨き、Doug Aldrichが在籍していたLIONや、NIRVANA、NEW HAWK(THE BULLET BOYSの前身バンド)、GUNS N'ROSES、WARRANT等々の、多くの有名無名アーティスト達とステージを共にし、しのぎを削っていた。

89年、Word/A&Mのインプリントレーベルであるメジャー・クリスチャンレコードレーベル Myrrh Recordsと契約し、プロデューサーの David Zaffiroと6週間に渡りスタジオに籠もってアルバムを制作し、90年にセルフタイトルのデビューアルバム『Holy Soldier』をリリースする。

好評を博したデビューアルバムを引っさげ、ハードにLIVEサーキットを続けたバンドだが、ツアーの過酷さが原因でフロントマン Steven Patrickとギタリスト Michael Cuttingが脱退。

バンドはツアーを続けながら、フロントマンをシアトル出身のシンガー Eric Wayneへ、ギタリストを Scott Soderstromにチェンジさせる。

91年、再びフロントマンに Steven Patrickが復帰し、Eric Wayneが入れ替わりに脱退。

と、短期間の間にコロコロメンツが変動したのが順調なバンド活動の足を引っ張ったのは確実な上に、92年の2ndアルバム『Last Train』にして既にSTRYPERが音楽性を変化させたように、彼等もクリスチャン系HMのポリシーというか、CCM系というカテゴリーの存在意義である、神を称えるような歌詞から脱却し、所謂一般音楽市場向けな普通の歌詞の楽曲を収録して、兄貴分と同じようにCCM系リスナーから不評を買ってしまった訳で…('A`)

2ndのサウンドはよりオリジナリティが増した結果のSTRYPERサウンドからの脱却が感じられ、ピロピロと早弾きもフィーチャーした派手なギタープレイ・パートが増え、キャッチーでゴージャスなイメージより、よりタフでヘヴィになった骨太HMサウンドなイメージが強く、元々持っていたブルージーな要素もさらに強まり、コーラスの使い方やリズムアプローチ等より幅が拡がった楽曲の数々に、さらなる音楽性の進化を感じさせただけに残念でなりません。

結果、レーベルの期待する売り上げを果たせなかったのが原因でMyrrh Recordsから契約を切られてしまう。

メジャーからドロップしたのも影響したのか、94年にギタリストへ Michael Cuttingが復帰し、オリジナル・ギタリストのJamie Cramerが脱退する。

3rdアルバム制作前にフロントマンが Steven Patrickから Eric Wayneへ再びチェンジし、Eric Wayneが自身の低目な声域を活かした全米を席巻するグランジサウンドへバンドサウンドを移行するよう強く進言し、結局時流を鑑みて音楽性をガラリと変えたダークでヘヴィなダルサウンドの3rdアルバム『Promise Man』を95年にForeFront Recordsからリリースし、その他大勢の80年代風ブライトサウンドなバンド群と違い上手く時流にったサウンドを披露してラジオ等でシングルは好評で迎えられる。

だが、彼等の元々のファンベースであるCCM系リスナーはその転身を快く思わず、新たなサウンドは受け入れる事はありませんでした…

また好評だったアルバムに対するForeFront Recordsのサポートも不十分だった上に、CCM系ファンから求められるサウンドと流行のグランジーサウンドとのギャップもあってか、95年に Terry Russellが脱退し、ツアードラマーとして Jason Martinがバンドへ雇い入れられる。

結局、デビューアルバムがCCM系リスナーに余りにも受けてしまったが為に、その後に一般市場へ迎合したグランジーサウンドを器用に披露したものの、新たなレーベルからのバックアップ不足と元々のCCM系リスナーにニューサウンドが受け入れられ難かった事が、不運に次ぐ不運のように避けがたいダメージとなって彼等を襲ったのが致命傷になったのでしょう。

バンドはベーシストの Andy Robbinsプロデュースの元、彼自身のレーベルSpaceport Recordsから、フロントマンの Eric Wayneとオリジナル・ボーカリストの Steven Patrickの両名をフィーチャーしたLive Retrospectiveアルバム『Encore』を97年にリリースし、程なくして解散を迎える流れは、ある意味で必然だったと言えるかもしれません……

しばしの後、04年に Michael Cutting、Jamie Cramer、Steven Patrick、Andy Robbins、Terry Russellからなるメジャー・デビュー時と同じラインナップで一時的にリユニオンし、カリフォルニア州ロサンゼルスで特別な再会ショー『Up from the Ashes』を開催する。

05年に再びオリジナル・ラインナップでリユニオンが成され、ベネフィットコンサートやスタジオアルバム制作の話が持ち上がる中、たった3ステージを経ただけで三度 Steven Patrickが脱退し、急遽ドラマー Terry Russellの兄弟 Don Russellをフロントマンへ迎えて06年夏のフェスティバル等に出演したが、結局バンドはそのまま再び解散してしまった…

なんだか Steven Patrickに振り回されてるイメージしかないバンドなんですが(汗)、仮に彼が脱退しなければ器用にグランジーサウンドへ転身した3rdアルバムはリリース出来ず、その他大勢の80年代ポップメタルのバンドと同じく惨めな活動状況に陥って解散するしかなかったでしょうし、初期のままなクリスチャン系サウンドを固持していればバンドは存続したかもしれませんが、より一般的な認知度を高める事は出来ず兄貴分が陥ったマンネリズムに遠からず陥るのは目に見えていた訳で、簡単に言えば時代が悪かったって事になってしまうんですが、なかなかに有望な変化をしそうなサウンドを鳴らすバンドだっただけに、グランジーブームとメンバーチェンジの多さに祟られた不運なバンドだったなぁ、と今なら思えてしまいます。

後、Eric Wayneの歌声自体は枯れた味わいの埃っぽいアメリカンロックによくマッチする渋めないい声質してると思うし、実際アーシーなスライドギターが活躍するブルージーな楽曲やカントリー調な楽曲、そしてバラード調な楽曲等でその実力を遺憾なく発揮しているのでその辺りを鑑みて迎え入れたのかもしれませんが、だとしても何故にハイトーン・ヴォーカルがトレードマークな Steven Patrickの後釜として彼をフロントマンに迎え入れたのか、そこが疑問ですね…

元々ハイトーンが苦手っぽいんだよなぁ、Eric Wayneは…『やっぱりミスキャストだったんでは?』と、今ならそう強く思えます。

とまれSTRYPERが好きな方やハイトーンでコーラスばっちりなクリスチャンHMがお好みな方なら購入しても損はない一枚だと言えますので、ご興味あるようでしたらお早めにお求め下さい。



by malilion | 2019-09-11 10:41 | 音楽 | Trackback

北欧ハードポップBAD HABITの記念すべきデビュー作がリマスター&未発音源&デモ追加で限定リイシュー!

c0072376_00122798.jpgBAD HABIT 「After Hours(re-cap)」'19

今やAOR風味が強い穏やかでキャッチーな爽快サンドを奏でているスウェディッシュ・ハードポップバンドの彼等が、まだハードエッジなサウンドを轟かせていた頃の89年デビュー作『After Hours』が、新曲、デモを大量に追加して待望のオフィシャル再発されたのを、幾分遅れてやっとこ入手したのでご紹介。

『After Hours』はこれまでにも何度かリイシューされているのだが、未発音源追加盤というと00年リリースの『13 Years of Bad Habits』が思い出される訳だが、今回は『13 Years of Bad Habits』収録の1st未収録音源の一部をカットし、新たなボーナス曲を一曲追加、1stリリース後のデモ、さらに二曲の未発新曲も追加した充実の二枚組で、ギタリストの Hal Marabel本人によるリマスターも施されている決定盤と言えよう。

今聞いても心地よい1stのサウンドは、キラキラしたキーボードがフィーチャーされた80年代北欧ハードポップサウンドで、幾分アメリカナイズされた方向性なものの、哀愁漂うウェットなメロディとキャッチーなコーラス、そしてハードでテクニカルなギターもフィーチャーしたメロディアスでフック満載な楽曲がコンパクトにまとめられており、ホントにメロハー好きなら小躍りする事間違いない一枚だ(*´ω` *)

この後、全米がグラジーの波に覆われ彼等のようなキャッチーなブライトサウンドのバンドは軒並み姿を消してしまい、彼等も活動を一時中止せざるおえず、2ndの『Revolution』がやっと96年にリリースと、クソグランジブームの為のタイムロスが本当に悔やまれる…orz

因みに『13 Years of Bad Habits』の内容はと言うと、

BAD HABIT『13 Years of Bad Habits』'00

01.Living On The Edge
02.Rainbow
03.Don't Stop
04.Play The Game
05.More Than I
06.Rowena
07.Coming Home
08.Never Find Another You
09.Winner Thakes It All
10.More Than A Feeling

 87年リリースのEP『Young & Innocent』収録音源

11.Dreams Die Hard
12.Try Me
13.Young & Innocent
14.Let It Go

 シングル『More Than I』のB面曲

15.Need Somebody

 日本盤『Adult Orientation』収録のボーナストラック

16.I Live For You

 未発表セッション。エディットされている短縮バージョン。

17.I Never Knew What Love Could Do

となっている。

また、今回の二枚組リイシュー盤は、ジャケのデザインに少々手が加えられている。
そして、同名バンドが存在するので混同を避ける為か、バンド名の後ろにSwedenの文字が追加されている。
00年盤にはSwedenの文字は無かったんだけどなぁ…ジャケのセピアな色味もちょっと違うし…

BAD HABIT 『After Hours(re-cap)』'19

Disc1 『After Hours』
01.Living On The Edge
02.Rainbow
03.Don't Stop
04.Play The Game
05.More Than I
06.Rowena
07.Coming Home
08.Never Find Another You
09.Winner Thakes It All
10.More Than A Feeling
11.Dancin'(New Song)

Disc2 DEMO
01.Love Will Find a Way (2010 New Song)
02.Reach for You     (2010 New Song)
03.Rainbow        (1988)
04.I Never Knew What Love Could Do(1988)ノイズや音飛びがある。ノンエディット・バージョン。
05.Need Somebody     (1988)
06.Til the End      (1988)
07.Mystery        (1988)
08.Get Wild       (1990)
09.I Want It       (1990)
10.Lay Down        (1990)
11.Let's Get High     (1990)
12.Ramona         (1990)
13.Ridin' High      (1990)

新曲の音と1stの音が全然違って、プロダクションの差が激しいのに驚かされたが、まぁウン十年経ってるし仕方が無いけど(汗

デモ音源の方は、如何にもDEMOというこもったボトムな上にバランスが不安定な劣悪サウンドながら十分その楽曲は楽しめ、当時メジャーからドロップしていた彼等が次なるレーベルとの契約を目指して2nd用の楽曲を造り込んでいた痕跡なのだろう。

結果的に2ndにはこの楽曲は収録されずボツになってしまった訳だから、今回初披露されたメロディアスでキャッチーな楽曲の数々に耳を傾けながら、もし当時活動休止せずそのまま活動継続していたならばどんな2ndがリリースされたのか、と思いを馳せてしまう…

また、DLが主流になっている為か、今回のUSリイシュー盤は限定500枚(!?)との事なので、ファンは即GETしましょう!
音源自体はDLでお手軽に入手出来るけど、やっぱり現物を手元に置いてナンボですからねぇ(*´ω` *)


by malilion | 2019-09-10 00:06 | Trackback

35年ぶりに蘇った幻のUSメロハー・バンドFORTUNEが2ndをリリースしたのを遅ればせながらご紹介。

c0072376_09360969.jpgFORTUNE 「Ⅱ」'19

カリフォルニアをベースに活動し、85年にアルバムをメジャーシーンに放ったものの、プロモーション不足に加え所属レーベル倒産と言うアクシデントによって早々に解散した幻のKey入り5人組USメロハー・バンドFORTUNEの、35年ぶり(!!)となる2ndアルバムがリリースされたのを幾分遅れてGET!

そもそも彼等が注目された切っ掛けは、FORTUNEの元メンバーである L.A.(Larry)Greene(Lead Vocals & Guitars)と Roger Scott Craig(Keyboards & Backing Vocals)がUSメロハー・バンドHARLAN CAGEを結成し、そのAORテイスト香る憂いを帯びた叙情的なメロディとキャッチーなサウンドが日本でも受けて96年にデビュー作が国内盤でリリースされた事にはじまる。

HARLAN CAGEが好評となると、そのメンバーがかって在籍し、しかもメロディアス作の名盤をリリースしていというバンドFORTUNEの噂が知れ、当然の如く多くのメロハー愛好家がFORTUNEの唯一作を探し求めたんですが、当時はオリジナルアルバムはアナログLPでしか存在せず、しかも解散して既に十年近い歳月が流れていた為にプレミア価格でしか入手する事は叶わず、多くの愛好家が涙を呑んだのでした…(ノД`)

04年にGYPSY Rock RecordsなるUSAレーベルから、オリジナルリリースから20周年を記念してのCD化が成され、3曲の未発曲をボーナストラックとして収録したリイシューが成されるまで、長い間メロハー愛好家には手の出ない噂先行の幻のメロハー名盤アルバムでありました。

最も、04年のリイシューの前に、既に大量の板起こしブート『FORTUNE』CDが出回っていましたけど…(汗

ただ、3曲の未発曲を追加して記念盤をオフィシャルリリースしてくれたのは有り難かったのですが、GYPSY Rock Records盤は明らかに板起こしの音源でありました…('A`)グアァ

結局、11年にメロハー愛好家御用達なドイツのレーベルAOR Heavenで好評の『AOR HEAVEN Classix』シリーズの再発第9弾アルバムとして、オリジナル・マスターテープからのDigitally Remastered盤がリリースされるまで、ノイズ混じりな音でFORTUNEのアルバムを楽しむ他なかったんだよなぁ…

只、何か問題があったのか、オリジナルテープが見つからなかったのか、はたまたクオリティにメンバーが納得いってなかったのか、このAOR Heaven CLASSIX盤では、GYPSY Rock Records盤のボーナス3曲のうち2曲(2曲共にLIVE Track)がカットされ、1曲のみがボーナス曲として収録されておりますので、板起こし盤だからと言ってGYPSY Rock Records盤を無視も出来ないのがなんとも…

デビュー作のサウンドは、煌びやかでメロディアスなキーボードサウンド、エッジを保ちつつメロディ至上なプレイを奏でるギター、分厚くキャッチーなコーラスと、しっとり歌い上げるヴォーカル全てが、USバンドらしからぬウェットな美旋律を紡ぎ、メロディアスHRバンドのアルバムとして理想的なサウンドが詰め込まれた名盤と言え、ポップ系ならREO SPEEDWAGONやJefferson STARSHIP、HM系ならSAXON、Y&T、KEEL、LEATHERWOLF、Michael Schenker Group等々のプロデュース及びエンジニアリングを手がけた Kevin Beamishのビッグで光沢あるプロダクションによって、ブライトでキャッチーなサウンドに一層に輝きが与えられておりました。

タイプとしてモロに80年代アリーナロックの流れを汲むポップロックで、JOURNEY、STYX、SURVIVOR、FOREIGNER、ASIAと同じ系等のバンドと、当時は騒がれていたなぁ…

実際は、上記のバンドとは少し毛色の違うウェット感がより強いサウンドで、NEW ENGLANDやWHITE SISTER、初期のHOUSE OF LORDS等がお好みな方ならきっと気に入る、ユーロ風な香り漂うメロディとUSバンドらしいキャッチーなサウンドが楽しめるそんな一枚と言えば伝わりますでしょうか?

さて、長い長いインターバルを経て遂にリリースされた本作についてですが、残念ながらオリジナルメンバーでのリユニオンとはなりませんでした…(ノД`)

Richard Fortune(Lead Guitars & Backing Vocals)と Mick Fortune(Drums & Backing Vocals)のFortune兄弟は変わらず本作でも参加しており、フロントマンだった L.A.Greeneも今回のリユニオンに馳せ参じてくれておりますが、ベーシストに Ricky Rat、キーボ-ディストに Mark Nilanなる二人の新たなメンバーが加わっての再始動となっている。

まぁ、35年もインターバルがあった訳だし、L.A.Greeneはソロ名義で映画『Top Gun』や『Over the Top』のサントラに参加し知名度を上げ、HARLAN CAGEを Roger Scott Craigと共に結成して好評を博して未だに活動継続中な訳だし、オリジナル・ベーシストの Bobby BirchもWARPIPESなるメロディアスバンドで活動していたりで、それぞれ各自に音楽活動を継続していたのですから流石に完全なるリユニオンが成されると期待していたリスナーはそう居ないでしょうが、ソングライティング面で中心人物の一人であった Roger Scott Craigが今回メンバーに名を連ねていないのが非常に残念であります。

とは言っても、本作でも作曲やキーボード演奏で半数の楽曲に参加をしているので、彼自身も色々なプロジェクトや自身のバンドで活動をしている為、残念ながら今回メンバーとしては参加出来なかっただけ、と言う事なのでしょう。

同じくデビュー作でベースをプレイしていた Bobby Birchも本作ではメンバーではないものの一曲客演を果たしておりますので、Fortune兄弟と元メンバー達は今でも優良な関係のままなのが窺えます(*´ω` *)

ただ、バンド名が示している通りこのバンドは78年レコードデビュー当時(最初は Richard Fortuneと Richardの妻のデュオ編成で音楽性もAORセッション・プロジェクトだった)から Richardと MickのFortune兄弟が中心でありますし、オリジナルメンバーも二人を除いて82年のメジャーデビューに向けてのバンド再編成時点で他に居らず、1stのソングライティング面で中心人物だった L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人はその再編成時から参加したメンバーだった訳ですから、仮に L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人が今回のリユニオンに全く関わっていなかったとしてもバンド名はFORTUNEであっただろう事は予想出来ますけどね。

で、新作のサウンドですが、35年ぶりと言うのが嘘のようにデビュー作のままな音楽性で、よりモダンでシャープになったキャッチーでウェットなメロディが眩く輝くようなメロハー愛好家大興奮のサウンドを楽しませてくれる('(゚∀゚∩

懸念していた Roger Scott Craigの穴の影響は窺えず、自身のリーダーバンドである意地とでも言えましょうか、Richard Fortuneの頑張りが素晴らしく、デビュー作で幾分キーボードの煌びやかで分厚いサウンドに隠れていたきらいのあったギターサウンドが、美旋律に溢れたメロディアスHRサウンドの上で、伸び伸びとセンス良い、リフに、ソロにと大活躍しており、待ちに待たされた彼等のファンは歓喜する事間違いなしのウェットなメロディが心地よい、キャッチーでポップなコンパクトに纏め上げられたサウンドを披露している。

新加入の二人も控え目ながらソツないプレイを繰り広げ、デビュー作と比べると幾分裏方に回った感じなキーボードパートな配分の楽曲ではあるものの Mark Nilanがモダンでセンス良いキーボードプレイを聞かせている点も見逃せない。

まぁ、半数の楽曲に Roger Scott Craigのクレジットがあって、彼の関わった楽曲ではググッとキーボードが前に出てくるので、そう音楽性が変化する訳もないっちゃないんですけどね(汗

本作は彼等の1stアルバムを長く愛し続けてくれたメロハー・ファンへの感謝を表す意を込めてリリースされたらしく、今後バンドが本格的に活動を継続するのか幾分曖昧な状況ではありますが、出来る事なら是非このまま本格的な活動へつなげて欲しいものであります。



by malilion | 2019-09-09 09:30 | 音楽 | Trackback

LAメタル・リヴァイバルな80年代風バッドボーイズ・サウンドから、北欧サウンド要素追加でさらなる進化!? CRAZY LIXX

c0072376_20581074.jpgCRAZY LIXX 「Forever Wild」'19

スウェーデン出身のツインGを擁する5人組スリージーHRバンド2年ぶりの新作となる6thを遅れてGETしたのでご紹介。

前作からツイン・ギター2人をゴッソリ新メンバーへチェンジし、単なる80年代LAメタルリスペクトなバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドから北欧出身らしいウェットなメロディアス要素が加味されるサウンドを提示し俄然興味を惹いた彼等ですが、本作ではさらにスケールアップしたキャッチーでメロディアスな北欧スリージー・ロックンロールを披露している。

新世代北欧バッドボーイズ系バンド群に共通している、MOTLEY CRUE、GUNS N'ROSES、SKID ROW等の華やかでゴージャスなサウンドがトレードマークな80年代風アリーナ・ロック&グラムHMをルーツにするサウンドをベースに、アルバム毎に着実に音楽性の幅を拡げ楽曲のクオリティを上げてきた彼等だが、本作では前作で披露した哀愁漂う80年代風北欧HM&メロハーなタッチをエッジーなギターが縦ノリを刻むロックンロールに程良くまぶし、人工甘味料に包まれたキャンディの如く毒々しくも甘々なメロディを、よりキャッチーに、よりコンパクトに、より弾むリフと跳ねるリズムで、そして分厚いバッキングコーラスでさらに塗り固めたカッチリ造り込まれたプロダクションで、お手本の80年代LAメタルをよりモダンでシャープにしたバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドを屈託無く奏っている姿(馬鹿っぽいジャケも、お手本のマンマなんだよなぁ~)には苦笑するしかない(w

やはりギタリストがゴッソリ入れ替わった影響は大きかったのか北欧ミュージシャンである血は抑えられないのか、バッドボーイズ系ロックンロール・サウンドを演奏してはいるもののLAグラムHMが垣間見せたドライさやささくれたような荒々しいヘヴィさは弱く、キャッチーな80年代風グラムHM路線なハードライヴィンするタイプの楽曲では、より勢い良くキレあるポップサウンドを叩き出し、仄かに80年代風北欧メロディアスHM風な哀愁感が香るタイプの楽曲では、よりリリカルなメロディアスサウンドを披露と、前作から持ち込まれたウェット感あるマイナーなメロが光る80年代風北欧メロディアスHM要素がまだ初期の音楽性と完全に融合しておらず幾分混沌としていたが、本作では二つの要素が完全にMIXされてサウンドのメリハリがクッキリと浮かび上がり、より一層に他の北欧バッドボーイズ系ロックンロール・バンド群のサウンドとの差別化に成功していると思う。

とは言っても、まだまだ80年代LAメタルのビックネーム達の影響から抜け出せないフォロワー・サウンドなのに変わり無いので、オリジナリティ云々については、もう少しアルバムの枚数を重ねないとダメでしょうね……

個人的には、彼等が持っている北欧HM定番な煌びやかなキーボードや透明感ある爽快でキャッチーなメロディ等の北欧メロディアス・ロック要素がより強まれば、本当の意味でのオリジナリティの確立が成されると思っておりますが、ルックスやサウンドの方向性を含めてお手本バンド達への憧憬が未だに強い彼等は、なかなかそっち方面の音楽要素を強めないかもしれません。

また、前作で苦言を呈した Danny Rexonのちょっと音域狭い、ザラつき気味な歌声と歌唱力が不足して感じられる問題点は相変わらず解消されていないが、前作でちょっと抑え気味になった分厚いバッキングコーラスが再び復活し、さらに煌びやかなサウンドプロデュースでそういった弱点は覆い隠されているので、アルバムを聞く分には大きく目立つような事はないのが救いだろう。

純粋な80年代LAメタルリスペクトなバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドからは幾分サウンド傾向がズレ始めているので、ソレ系を求めている向きには不純物が混じったサウンドに思えて不満かもしれないが、このまま試行錯誤して自分達だけのオリジナルサウンドを見付けて欲しい、期待の北欧ロックンロール・バンドであります。





by malilion | 2019-09-04 20:51 | 音楽 | Trackback

LAの一流セッション・ギタリスト Michael Thompson率いるバンド作が久しぶりに新作をリリース!

c0072376_18062900.jpgMICHAEL THOMPSON BAND 「Love & Beyond 」'19

70年代末期から活動を開始し、今やLAの一流セッション・ギタリストとしての名声を揺るぎ無いものとしている実力派アメリカ人ギタリスト Michael Thompsonがリーダーバンドの3rdアルバムが、前作から約7年ぶりにリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

USポピュラー・ミュージックシーンの大物達だけでなく、日本の歌謡歌手のレコーディングにも参加と、有名無名問わずセッションやレコーディングに膨大な数参加してきたベテランだけあって、そのエモーショナルでフレキシビリティの高いギター・プレイは無論の事、サウンドの質や幅広い嗜好な楽曲の出来、そしてプロダクション等に問題など欠片も見当たらぬ、Michael Thompsonの癖がなく、それでいて円熟したギター・プレイが実に魅力的な、良く造り込まれた高品質メロディアス・ロックアルバムだ。

残念ながら前作と同一メンツは、前作でリード・ヴォーカルを担当した Larry Kingが数曲でその歌声(ちょっと苦汁声で、熱くイイ歌声なんだよなぁ~、ホントHR向き!)を披露するのみで、ほぼメンツは入れ替わっている。

まぁ、継続的に活動しているバンドでもないし“ソロ作には向かない Michael Thompsonが伸び伸びとギターを弾きまくる、お仕事のセッションでは抑えているギタープレイ欲を満たすロック寄りなサウンドを出すバンド作”というコンセプトだけ固持されていればいい、というようなスタンスのバンド作だろうから、毎回メンツが入れ替わるのはデビュー作からの恒例なのでコレは驚くに値しないだろう。

今回リードヴォーカルをとるのは、アメリカン・メロハーバンドUNRULY CHILDのベーシストでもある Larry Antoninoで、作詞でも全面的に本作に参加するだけでなく、無論ベースもプレイしている。

意外に Larry Antoninoのヴォーカルがイケていて、ちょっと甲高い掠れ気味なミドルレンジ主体のアメリカンロックに実によくマッチする穏やかながら力強い歌声を披露していて、今さらながらにUNRULY CHILDで彼の歌声が殆どフィーチャーされてこなかった(まぁ、Marcie Free“ex:Mark Free”の歌声の方が強力だし…)のが悔やまれる程だ。

その流れで、と言う訳でもないだろうがキーボードにもUNRULY CHILDの Guy Allisonが全面的に参加し、オルガンやピアノで小気味良いプレイを披露している。

また、2曲でHEART、CHEAP TRICK、REO SPEEDWAGON、BAD ENGLISH、John Waite、GIANT 、MR.BIG等に楽曲提供をしている他、プロデューサーとしても活動をするアメリカ人SSWの Mark Spiroが、その伸びやかな歌声を披露している。

ドラマーは複数参加で、楽曲のコ・プロデュースやミックス、そしてアルバムのプロデュースも複数の手によるものだが、そこはしっかり Michael Thompsonが陣頭指揮をとって不具合ない仕上がりに纏め上げられており、アメリカン・ロックをベースにしつつ、AOR風だったり、キャッチーな歌メロが際立ったHR風だったり、泣きのギターが心に迫るブルージーな作風だったり、ちょっとフュージョンぽいギターが聞けるモダンサウンドだったりと、実に幅広いサウンドの楽曲を取り揃えたアルバムで、インスト・ギター小曲(ちょっと日本っぽいメロディが聞けて、驚き)を小刻みに収録して Michael Thompsonの巧みでセンス良いギタープレイもタップリとフィーチャーしている構成も、実に隙がありません(*´ω` *)

裏方作業が長いベテランだから当然だけど、もうちょいバランスを無視した、意図的に完成度より勢いを優先して Michael Thompsonがハードにギターを弾きまくる楽曲なんかも収録されてたならば、とかあんまり出来が良いから無い物ネダリをしてみたりして(w

デビューしたての新人バンドのようなキレや勢いは無いけれど、円熟のプレイと完成度の高い楽曲が取り揃えられたハイクオリティな本作は、メロディアスなアメリカン・ロック好きやAORファンにお薦めな一作なのは間違いないので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみても損はしませんよ?


by malilion | 2019-09-03 18:00 | 音楽 | Trackback