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北欧ブリテイッシュ(ナニソレ!?)シンフォHRバンドMAGIC PIEが4年ぶりに新譜リリース!

c0072376_09360663.jpgMAGIC PIE 「Fragments Of The 5th Element」'19

着実にスキルアップとサウンドスケールを拡げる北欧ノルウェー産ツイン・リードヴォーカルを擁するHR風味な6人組シンフォ・バンドが4年ぶりに5thアルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

相変わらずシンフォ系では珍しい濁り声で熱唱するリードVoをフロントマンに据えている彼等だが、久しぶりとなる本作は前作からのメンツに変動が無く、変わらぬオッサン6人組によるトリプルVoを活かしたメンバーが一丸となってのブ厚いコーラス・ハーモニーが実に爽快だ。

一時期シリアスなシンフォ路線へサウンド傾向が変化したものの、オリジナル・キーボーディスト Gilbert Marshallが脱退してシンフォ風味タップリな新バンドELEPHANT PLAZAを結成するのを横目に、新たなキーボーディスト Erling Henangerを迎えて初期からのブリティッシュHR風味なハードドライヴィンするシンフォ・ロックへ再び軌道修正した訳ですが、待望の本作では立体的に交差するSPOCK'S BEARD張りなブ厚いコーラス・ハーモニーはそのままに、時に官能的なメロディを紡ぎ時に切なく咽び泣きまくりと大活躍するハードエッジなギターと、HR風な刻むオルガンや煌びやかでシンフォ風味なシンセサウンドでセンス良くバンドサウンドを飾り立てるテクニカルなキーボードがスリリングにせめぎ合いながら北欧特有の美旋律を織り成し、ちょっとQUEENっぽい華麗な香り漂うドラマチックサウンドが駆け抜ける様が”正にHRバンド!”ってなスリリングなサウンドを叩き出しております('(゚∀゚∩

前作は軌道修正の意味もあったのか、常より強めにクラッシックなブリティッシュナイズされたHRサウンドっぽいタッチが楽曲のそこここから薫り立っておりましたが、バンドメンツが久しぶりに安定し活動も順調なのも影響したのか本作ではブリティッシュHR風味なサウンドをベースに、よりメロゥで繊細な音使いでリリカルさを増した感傷的なシンフォサウンドや、繊細な美旋律が如何にも北欧という寂寞感を漂わせる翳りある妖しいメロディがセンチメンタルな叙情を醸し出す楽曲等、これまで以上にバンドサウンドの幅を拡げた冒険作のように思える。

勿論、ブルージーな泣きのギターと訴えかけるハモンドが胸に迫る殆どHRな楽曲もキープしつつ、定番の変拍子&高速キメ&ハッタリの畳み掛けアンサンブル等々を垣間見せる弾き倒しプレイで疾走感バリバリに押しまくるパートもしっかり楽しめるので、彼等の初期からのコンパクトな楽曲と駆け抜ける鮮烈なブライト・サウンドが気に入っている方も安心だ(*´ω` *)

また、本作の多様なスタイルの楽曲を歌い上げる為か、音楽性の幅が拡がった故か、いつものダミ声シャウトを抑えた歌唱スタイルを Eirikur Haukssonが多用しており、ブ厚く複雑に交差するコーラス・ハーモニーとより一体化したヴォーカル・アプローチがこれまで以上に優美な感触を楽曲に与え、どちらかと言うとパワフルな“圧し”要素が多く耳についた彼等のサウンドに優美な“引き”の繊細さや気品という要素が加わって、より一層にバンドサウンドの“深み”と“格”が上がった印象を受けました。

この Eirikur Haukssonのヴォーカルスタイルの変化は、もしかしたら同郷のシンフォバンドKERRS PINK『Mystic Spirit』'13 にヴォーカリストとして加入したのと、今やブリティッシュHRの生き字引的存なURIAH HEEPでお馴染みな Ken HensleyのLIVEバンドであるLIVE FIREにフロントマンとして参加し、KEN HENSLEY & LIVE FIRE『FASTER』'11、『LIVE!!』'13 と、スタジオ作とLIVE作にそのパフォーマンスを残したバンド外の経験も、何らかの影響(今頃?)を与えたのかもしれない。

聞き込んでいくと気がついたのだが、売りのブ厚いコーラス・ハーモニーのスタイルが、以前はMOON SAFARIのようなYESに影響を受けたシンフォ系バンド定番な優美なコーラスではなく、パワー押しなSWEETのようなUKバブルガム・バンドの朗らかコーラスやHEEPばりの妖しさ満点な裏声コーラスを絡ませるスタイルだったのですが、本作では所謂普通のシンフォ系で良く聞かれるYES風な繊細コーラス要素が強まったように思え、それもバンドサウンドの優美さが増して聞こえる要因なのかもしれません。

デビューしたての頃は、SPOCK'S BEARDやTHE FLOWER KINGSの影響ばかり取り沙汰されておりましたが、ことここに至ってはGENESIS、KANSAS、EL&P、DREAM THEATER等の影響も伺えつつ、それら全てをブリティッシュナイズされたHRサウンドと北欧シンフォサウンドを絶妙にMIXして、他の誰でもないオリジナリティあるサウンドを確立するに至った彼等。

前作で活動十周年を迎え、まだまだ伸びしろを感じさせるそのダイナミックな北欧シンフォHRサウンドを一層に進化させ、末永く楽しませて欲しいものであります。

変拍子&高速キメ&畳み掛けのテクニカルでソリッドな演奏や、ブリティッシュHR好きでメロディアス、そしてキャッチーでブ厚いコーラス好きな方は彼等の新譜を是非チェックしてみて下さい!





by malilion | 2019-08-30 09:28 | 音楽 | Trackback

ハープサウンドをメインに据えた特異なアメリカン・プログレバンドART IN AMERICAが35年ぶりに2ndアルバムリリース!

c0072376_19063703.jpgART IN AMERICA 「Cloudborn」'19

USAミシガン州デトロイトをベースに活動したアメリカン・プログレバンドの、Ruetenikファミリー(Flynnは芸名みたいなもの)の3人兄弟(Chris Flynn:Lead Vocals & Guitars 、Shishonee Flynn:Harp & Vocals、Dan Flynn:Drums & Percussion)を中心としたShishonee嬢の操るハープをバンドサウンドのメインに据える特異なスタイルの83年デビュー作に続き、正式なフルアルバムとしては35年(!!)ぶりとなる2nd自主制作アルバムがリリースされたのを即GET!

デビュー作はプロデュース&エンジニアをEL&PやYESの仕事で知られる Eddy Offordが手がけた事や、キーボードにDIXIE DREGSやJAZZ IS DEADでの仕事で知られるジャズロック&フュージョン界で著名な Terry "T" Lavitzを迎え、アレンジとギターソロに Steve Morse(DIXIE DREGS、DEEP PURPLE)が参加と玄人好みなトピックも今となっては懐かしいですが、続く本作はGENESIS、QIEEN、RENAISSANCE、Elton Johnとの仕事で知られるイギリス人プロデューサー David Hentschelによるキーボード、プロデュース、エンジニアリングに加え、ベース奏者に Tony Levin(KING CRIMSON、Peter Gabriel、ABWH)が招かれ、再びプログレ好きなリスナーにしっかりアピールするポイントをおさえた一作となっております(*´ω` *)

ただ、本作は純然たる新作と言う訳でなく、13年に一度自主リリースされた『Hentschel Sessions - 2013』なる David Hentschelが手がけたロサンゼルスでの新録音源(Track 1~6 バンドは同時期に16曲作曲している模様で次作に収録予定だとか)に加え、過去のアルバム未収録曲のLIVE音源1曲とデモ音源3曲を収録した新旧音源のアーカイヴ作をベースに、デモ曲やLIVE曲を外して05年から15年にかけての間に作曲され録音された新曲を追加しフルアルバムに再構成した一枚(デモ曲の再録はされていない)となっており、デビュー作と同じくFlynn兄弟が中心ながら収録時期が長期に渡る(少なくとも5年の間がある)バラつきの影響でキーボーディストやベーシストが複数参加(プロデュースも Hentschel Sessionsに加え、Track 7~10は Chris Flynn、Track 11~13を元ベーシストの Jim Kuhaが手がけている)な上に、AISA、SAGA、90125YES、そして80年代の後期GENESISの影響が窺える80年代風モダンポップと70年代風プログレッシヴ・ロックのハイブリッドサウンドだったデビュー作と比べて音楽性の幅がググッと拡がり、バンドサウンドが大きく変化しているのが分かる。

と、言っても全く別バンドサウンドに変わってしまった訳ではないので、ファンの諸兄はご安心を。

これだけ前作からインターバルが開いたのだから当然同じサウンドの訳がない、と誰だって予想するものの、意外な程に1st風のハープをメインに据えた初期GENESISを彷彿とさせる繊細なアコースティカルサウンドをベースに、一切シャウトする事なく70年代プログバンドのフロントマンの多くがそうであったように、切々と歌い上げる Chris Flynnの穏やかな歌声と典雅なサウンドタッチはデビュー作と変わる事なく、巧妙なアレンジメントが施された如何にもプログレという長いインストゥルメンタルパートが軽やかに交差する、ユーロサウンドとアメリカンサウンドが絶妙に混ざった独特なプログレ・ポップサウンドがこの新作でも多く耳にする事が出来て、実に嬉しくなってしまいました(*´ω` *)

逆に新たに追加された要素としては、カントリー風のアーシーな乾いたスライドギターの音色が鄙びた味を醸し出すブルージーな楽曲だったり、ハープが少し抑え目になり普通のプログレバンドのようにキーボードサウンドがメインな楽曲や、デジタリーなパーカッションが活きるサントラ風な楽曲に、Tony Levinのプレイが活かされた幾分ヘヴィなリズムを強調した楽曲、そしてワールドミュージックな雰囲気漂うダンサンブルなリズムが強調さた楽曲等々、終始爽やかなイメージを保ちつつ、長い長いインターバルの間に培われた様々な音楽的要素が彼等の楽曲に色濃く窺える一作となっております。

とは言え、サウンドイメージは総じて爽快でポップ、そしてアコースティカルで繊細な叙情が美しい艶やかなメロディが秀逸なサウンドなのは少しも変わり無いので、デビュー作が気に入っていた方や繊細でリリカルなハープサウンドが活かされたユーロ風味ある独特なアメリカン・プログレサウンドが気になる方は是非とも本作を購入してみて下さい。


因みにオリジナルである『Hentschel Sessions - 2013』の内容の方はと言うと、c0072376_19072601.jpg『Hentschel Sessions - 2013』に収録されていたTrack 1~6は、David Hentschelによるプロデュース。

米国カリフォルニア州Woodland HillsのScott Frankfurt Studioで録音され、ドラムトラックだけはカリフォルニア州BurbankのGlenwood Place Studioで録音された。
ベースは Tony Levinによるプレイ。
英国で David Hentschelがキーボードサウンドを追加録音し、最終的にサウンドをミックスしている。

Track 7『Can't Stop It』は、1st未収の未発表曲で、83年に米国Michigan州FlintでバンドがLIVEプレイした際に録音したもの。
Track 7のベースプレイは1st録音にも参加し、当時メンバーだった Jim Kuhaによるプレイで、キーボードは Kent Richardsによるプレイ。

Track 8『Not Like That』は、Chris Flynnの手によるホームDEMO。

Track 9『Fields』は、米国フロリダ州MiamiのCriteria Studiosで、Ron&Howard AlbertによるプロデュースのDEMO曲。

Track 10『Lathe of Adonai』は、米国カリフォルニア州 Newbury Parkの Mitch Crane Studioで Mitch CraneによるプロデュースのDEMO曲。
Track 10のリズムパートは Mitch Craneによるベースとドラムのプログラミング。

と、83年のLIVEトラックに加えて、3つの未公開DEMOで締めくくられている。

今となっては入手困難なレア自主制作盤だが、このまま活動が軌道に乗って彼等の人気が再び復活すれば、なんらかの形でリリース、または収録されるかもしれないので、未入手な方々はその時をひたすら待っていましょう……('A`)

PS.デビュー作で控え目にプログレチックなセンス良いキーボードプレイを聞かせてくれていた Terry "T" Lavitzは、2010年に天に召されてしまったので再びの参加は叶わなかった…R.I.P


by malilion | 2019-08-29 19:01 | 音楽 | Trackback

現URIAH HEEPのキーボーディスト Phil Lanzonが2ndソロ作をリリース!

c0072376_18240225.jpgPHIL LANZON 「48 Seconds」'19

GRAND PRIX、Grant&Forsyth、SAD CAFE、John Lawton、LIONHEART、Mick Ronson、Chris Spedding、SWEET等のセッションマンやサイドメンバーとして幾多の英国バンドを渡り歩いて来た現URIAH HEEP(87年加入)のキーボーディストである Phil Lanzonの2ndソロ自主制作アルバムがリリースされたのをちょい遅れてGET!

70年代後半から活動してきた、その長い長いミュージシャン歴にも関わらず前作が初めてのソロ作であった訳だが、そのデビューソロ作が好評だったのに気を良くしたのか、精力的に活動する本体バンドURIAH HEEPのスケジュールの合間を縫うようにして制作された新作が、2年ぶりという比較的早いインターバルで届けられた。

本作は1906年のサンフランシスコ地震をメインテーマにしたダイナミックなオーケストラ・ポップ作で、前作同様に John Mitchell(ARENA、FROST*、IT BITES、KINO、LONELY ROBOT、THE URBANE)と Andy Makin(Adrian Smith's PSYCHO MOTEL)の二人をメイン・ヴォーカリストに据え、同じく Phil Lanzon自身の歌声も少しフィーチャーしつつ、複数のゲストギタリスト、ゲストキーボーディスト、ドラマーを基本に、London Telefilmonic Orchestraによるストリングス・オーケストラ、サックスやトランペット等のゲスト管楽器奏者、そして男女混声合唱をバックに従え、クラシック、ロック、プログレ、ポピュラー音楽などなど雑多な音楽要素が程良くMIXされたポップでキャッチーなだけでなく英国ミュージシャンらしい叙情感漂うメランコリックなメロディが美しいスケールの大きいシンフォニック・サウンドを展開していく。

前作同様、MARILLIONのプロデュースで知られる Simon Hanhartがプロデュース、そして映画音楽等のアレンジャーで有名な Richard Cottle(CHARLIE、KEATS、Alan Parsons Project、John Parr)がアレンジ協力と、バックのプレイヤー・メンツだけでなくプロデュース・メンツも抜かりない、自主制作盤ながらすこぶる高品質な、まさにプロのソロ作と言えよう。

テーマがテーマなだけに男女混声合唱の分厚いコーラスと、ストリングス・オーケストラによる艶やかでスケールの大きいダイナミックなサウンドが抜群の効果を生んでいるのに加え、歌パートだけ注目すると意外な程にポップでキャッチーなのに決して軽薄さは感じさせない、ある種宗教音楽的な深みと安らぎを紡ぐ絶妙なアレンジの施された楽曲と隙無く緻密に構築されたサウンドが実に耳に心地よいのです(*´ω` *)

ストリングス・オーケストラや管楽器、そして男女混声合唱が交差する為か、ちょっとミュージカル(ゴスペルというか黒っぽいんだなコーラスとかが)っぽくも聞こえ、Phil Lanzonの操るキーボードも流麗なピアノパートはあるものの、どちらかと言うとシンフォニックなサウンド傾向で固められているので前作のようなポピュラーミュージック要素が気に入っていた方には少々取っつき難く感じるかもしれないし、前作で聞かれたような派手なキーボード・ソロやインタープレイの応酬だったり、プログレ的なテクニカルなプレイ部分なんかを期待していた向きにもお薦め出来ないが、ソロ作と思えぬ壮大なスケールと完成度、そして艶やかで美しいメロディアスなサウンドの数々は、流石は第一線を長年渡り歩いてきたベテランミュージシャンの放つアルバムだと納得しきり。

Phil Lanzon  (Keyboard & Lead Vocals)
John Mitchell  (Lead Vocals)
Andy Makin  (Lead Vocals)

Richard Cottle (Additional Keyboard、Saxes)
Neal Wilkinson (Drums)
Adam Goldsmith (Guitar)
Mick O'Donohue (Guitar)
Miriam Grey  (Lead vocals、Background Vocals)

Phoebe Street、Andy Caine、Andy Playfoot (Background Vocals)
Tom Walsh  (Trumpets)
Clare Mcinerney(Saxes)
Neil Sidwell  (Trombones)

Chris Haigh  (Violin solo)
Richard Harwood(Cello solo)
Levine Andrade (Viola solo)

London Telefilmonic Orchestra Violin 1、Violin 2、Viola、Cello、Double Bass





by malilion | 2019-08-24 18:18 | 音楽 | Trackback

サイケでレトロな風味もあるUSA産ヘヴィ・シンフォ・バンドMOON LETTERSがデビュー!

c0072376_09442076.jpgMOON LETTERS 「Until They Feel The Sun」'19

アメリカ西部ワシントン州のシアトルを拠点とする幾つかのローカル・プログバンドのメンバー達5名が集って新たに結成された、J.R.R.Tolkienでお馴染みな『The Lord of the Rings』に登場するドワーフが発明した秘密文書法からバンド名をとったUSA産ヘヴィ・シンフォ・バンドが自主制作でデビューアルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

垢抜けぬイモ臭ささ炸裂なヒッピー染みた髭面のメンバーのルックス(笑)まんまに、60年代風のレトロなフォントのバンドロゴやファンタジックな香り漂うバンド名に相応しい、クラシックなプログレ・サウンドに強く影響を受けたサイケデリック風味もあるシンフォ・ロックを演っている。

本デビュー作は北極海の民間伝承に触発されたストーリーがベースとなっているコンセプトアルバムで、大雑把に言って初期GENESIS+YESなシンフォ系に良く居るサウンドをベースにしつつ、KANSAS、RUSH、KING CRIMSON等の影響がチラつく音楽を奏でている訳だが、彼等がその他のシンフォ系バンドと毛色が違って聞こえるのは、より70年代初期風に寄せたレトロっぽいサウンドタッチなのと、フロントマン Michael Trewがフルートも奏でる事によってJETHRO TULLっぽいイメージ(特にLIVE映え的に)がサウンドに加味されている点や、キーボーディスト John Alldayとベーシスト Mike Murphyが揃ってトランペットも演奏し、オーケストラのようなアレンジを施した管楽器サウンドをバンドへ持ち込んでいる点も大きいのだろう。

また、Michael Trewのヴォーカルスタイルはシャウトしない歌い上げる風の非ロック系(非ガブリエル・スタイル)なのと、バッキングヴォーカルも務めるキーボーディスト John Alldayとベーシスト Mike Murphy二人も同様に非ロック的な妖しいスキャットやハミングを聞かせるスタイルなので、分厚いヴォーカルパートなのにアメリカン・ロック的な爽快さや軽薄さは無く、USヴィンテージ系なのに70年代初期アメリカン・プログレ定番なJAZZっぽさやカオスな雰囲気を醸し出すヘヴィなパワー圧しな所も見せない、かなり意図的に70年代ユーロ・プログレな音像へ接近した、サイケ風味も漂わすダイナミクスと凝った楽曲展開と高度なテクニックが交差する完全なプログレッシヴ・スタイルと言える最近珍しい正統派サウンドなのが、その他のモダンな解釈のサウンドを加えた新世代シンフォ系バンド(実際、進歩的なのはその他のバンドの方なんだけど…)と違って聞こえる面白い所と言える。

無論、単なるリヴァイバル・サウンドではないので現代のバンドらしいモダンなテイストがサウンドのそこかしこから感じられるし、複雑なメロディーが交差するヘヴィなインストゥルメンタル・パートがメインなものの、フルート、ギター、シンセがソロタイムで牧歌的でマッタリとソフトなメロディを奏でるパートも多く聞かれ、前衛的なパッセージを繰り出すややトリッキーなリズムと変化し続ける細やかなメロディーを渦巻くシンセと繊細なギターと軽めのボーカルラインが豊かに奏でるだけでなく、シアトリカルさとヒネリを加えられた歌メロは実に独創的で、アルバムを聞き終えた時に全体的に見て牧歌的なものからヘヴィ・シンフォなサウンドも含めてメロディは複雑過ぎず、けれど十分にダイナミックな展開とキャッチーさは無いけれど妙にメロディが耳に残るという、デビュー作としては上出来な魅惑的なシンフォ・サウンドなのは間違いない。

後はUSバンドながらサウンドの叙情感はかなりユーロ圏バンドに迫っており、その点でUSインディ系シンフォを毛嫌いしている方にもお薦め出来る期待の新バンドとも言えるだろう。

既に海外のプログレ系ファンジンやメディアには好評を博している模様な彼等のデビュー作だが、幾分楽曲展開が唐突に感じる点がある事や、もうちょいヴォーカルパートに爽快さとキャッチーさが欲しいし、楽曲もコンパクトな方が好みだけれども、今の時代にこれだけ個性的で正統派なプログレ・サウンドに真っ向から挑んでいるバンドは珍しいので、是非ともこの路線で長く活動を続けて欲しいものであります(*´ω` *)




by malilion | 2019-08-12 09:38 | 音楽 | Trackback