人気ブログランキング |

<   2019年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧

クリスチャンHMバンドANGELICAのデビュー前音源、初代ヴォーカリスト Andy Lyonの歌声が聞けるデモテープがCD化リリース!


c0072376_12353705.jpgANGELICA 「The Demo Sessions」'19

後にソロアルバムも発表するカナダ出身のギタリスト Dennis Cameronが87年に結成、80年代後期から90年代初頭にかけてアルバム4枚をリリースしたクリスチャンHMバンドANGELICAの超レア発掘音源が限定リリースされたので即GET!

最近、1st、2ndが限定盤とは言えデジタルリマスター&リイシュー(残念ながら未発音源追加等のボートラは無い)されANGELICAファンは歓喜に沸いた事でしょうが、本作はそんなオリジナル・アルバムのリイシューと同時にリリースされた超目玉作です。

以前ここでも解説したと思うのですが、彼等のデビュー作のメンバークレジットは Andy Lyon(Vocals)、Scott Ernest(Drums)、Robert Pallen(Bass)、Dennis Cameron(Guitars)の4人なのですが、実際アルバムに納められている歌声はDRIVERプロジェクト(Rudy Sarzo、Tommy Aldridge、Tony MacAlpine、Rob Rock)でその歌声を披露していた、後にIMPELLITTERIで長らくフロントマンを務める事になる Rob Rockと何故か一曲だけ 当時SHOUTで活動中の Ken Tamplinが歌声を披露しているというクレジットとパフォーマーが一致していない怪作であったのですが、今回遂に1stアルバムでは聴く事の叶わなかったその Andy Lyonの歌声が納められた、デビューへ向けてのオリジナル・デモ音源が初CD化と相成りました!!('(゚∀゚∩

いや~、まさか30数年の時を経て幻の Andy Lyonの歌声がこうして聞ける時が来るとは、正に予想外のお宝音源の登場だ(w

さて本作についてですが、本アーカイヴ収録の9音源の楽曲は1曲を除き全てデビュー作に収録されており、デビュー・アルバムにしては12曲収録と多目なヴォリュームな処女作の、そのアレンジの変化や Ken Tamplinが関わる前と後での楽曲の仕上がりの違いを楽しむ事が出来ます。

デモ音源と言う事でテープの回転数のムラなのか音像が揺れっぱなしだったりバランスや音程が急変したりとボトムの音もスカスカ(後半音質は幾分か改善する)なのも相まってそう何度も聞きたいと思えるアーカイヴアルバムではないのですが、Andy Lyonの歌声は所謂アメリカンHMに良く居たちょっと苦汁声も交えたミドルレンジ主体のメロディアスでストレートな歌唱を聞かせ、デモなんでちょいヘナチョコ(笑)でキャッチーなコーラスハーモニーもフィーチャーしたスタンダードな80年代USロックに近い、デビュー前の時点でのANGELICAサウンドに良くマッチしている。

面白いのはデモ時点で Dennis Cameronのギタープレイは既にテクニカルで音数の多いプレイを披露しているものの、アルバム全体のバランスを気遣ったフューチャー具合(完成版はMIXで前に押し出されてるから?)で完成版より地味目なプレイと言え、後に見られる派手でトリッキーな自己主張の強いインギー張りなプレイへの変化はアドバイザーであった Ken Tamplinの助言(そういう時代だったんですよねぇ…)であったのでしょう(笑

屈託の無いアメリカの若者まんまな表情の Andy Lyonのフレッシュな歌声と若かりし頃の Dennis Cameronの、その時点で最高のアイディアとプレイ全てを詰め込んだ成功を夢見て才気走る情熱が封入された本デモの音源の方が、パワー満点で安定感抜群な Rob Rockの圧倒的な歌声をフィーチャーしたゴージャスな完成版の造り込まれたサウンドと違ってアマチュア臭いけども瑞々しい感性を感じさせ、デビュー前だからこその勢いや焦燥感のようなものがサウンドから滲み出しているようにも思えて、この後時を置かずして凋落していくメロディアスでキャッチー、そしてテクニカルなギターをフィーチャーした華やかなアメリカンHM最期の輝きのようで実に儚いのです……

もし、Andy Lyonがデビュー前に燃え尽きずその歌声を納めたアルバムを予定通りリリース出来ていたならば、恐らくANGELICAのデビュー作はB級USメロディアスHM程度の扱いでメディアにもそう注目されなかったかもしれないが、バンドとしては着実なステップを踏んでレベルを上げ長く活動を続けられたかもしれない、とも思うし、その後暗黒のグランジーの波が全米を覆う事を考えると脱退していなくてもバンド自体90年代を迎えずに解散するかシーンに埋没していたかもしれない、とも思え、Andy Lyonが脱退した事で Rob Rockと Ken Tamplinという抜群に歌の巧いヴォーカリストを迎えたデビュー作の話題性と注目をANGELICAにもたらし、バンドの寿命をとりあえずは延ばす要因となったと考えると、なんとも皮肉な運命の悪戯だと言わざるを得えませんね……

しかし、ANGELICAだけでなくTAMPLINやSHOUTのレコードも最近デジタルリマスター&リイシューされたようですが、CCM系のHMバンド再発ブームが来てるんですかね?

だったらもっともっとリイシューして欲しいアルバムが星の数ほどCCM系にはあるんだよなぁ~!

CCM系は独自のカテゴリーなのも影響してか、なかなか輸入盤が入ってこなかったりそもそもプレス数も少ないのか話題にならなかったりで、ホント昔から情報も無いし現物も無いという、なかなかに手強いジャンルなんスよねぇ…('A`)

歌詞の内容はお察しなものの、美麗で分厚いコーラスだったりキャッチーでブライトなサウンドが実に魅力的なバンドがホントCCM系は多いんだよなぁ…でも短命なバンドやプロジェクトなんか多くて音源は入手が困難で困難で…orz

ともかくANGELICAファンなら迷わず買い! な激レアアイテムなのは間違いないので、売り切れる前に早々に入手しておきましょう!

所で、なんでジャケにカタカナで『アンジェリカ』って、デカデカと表示されてるのか謎です…(汗


PS.8月にANGELICAの新作(!!)が27年ぶりにリリースされる模様なので、ANGELICAファンは刮目して続報を待ちましょう!('(゚∀゚∩


by malilion | 2019-07-23 17:43 | 音楽 | Trackback

70年代末期のカオスなUSプログ・サウンドを彷彿とさせるUS新人バンド GREAT WIDE NOTHINGがデビュー!

c0072376_22442357.jpgGREAT WIDE NOTHING 「The View From Olympus」'19

米国ジョージア州アトランタを拠点とする三人組 Daniel Graham(Lead Vocals、Rickenbacker Bass、Electric & Acoustic Guitars)、Dylan Porper(Moog、Korg M-3、Roland D-50)、Jeff Matthews(Drums、Percussion)による、70年代プログレッシヴ・ロックに完全にインスパイアされたキーボードメインでマニアックなヴィンテージ風味シンフォ・サウンドが展開されるデビュー・アルバムをGETしたのでご紹介。

当初、Daniel Grahamがソロ活動を開始し、彼の作った曲を演奏する為にアトランタ音大の卒業生である二人を迎え本格的にバンドとして16年頃に始動しだした模様で、当然リーダーはフロントマンの Daniel Grahamと言う事になるんでしょう。

主にヘヴィなオルガンと繊細なピアノをメインに音楽は展開し、ヴィンテージ感を醸し出すメロトロンや華麗なシンセソロで要所要所を彩られたサウンドを聞くまでもなく、今風のモダンでメロディアスなシンフォサウンドと古典的UKプログレサウンドをMIXさせた初期USプログ・ロックのカオスなパワーと勢いを感じさせるノスタルジックなシンフォニック・ロックには、定番所のEL&P、GENESIS、YES、SAGA、RUSH、KANSAS、IQ、MARILLION等の影響が見て取れるだけでなく、USシンフォのILUVATARやMANFRED MANN'S EARTH BAND、それに初期PALLASっぽい所や図太くワイルドなオルガン大活躍な事もあって70年代のDEEP PURPLE風な感触や、意外にギター・サウンドにはPINK FLOYDっぽさもあり、様々なバンドのテイストを感じさせつつ洗練された今風のカラフルで叙情的なサウンドへ纏め上げているのは、結成されて間もない新人バンドのデビュー作としては上々の出来と言えるだろう。

Daniel Grahamの掻き鳴らすアコギと力強く歌い上げるその野暮ったいヴォーカルは、決して音域が広いとか巧いとは言えないが、ヴィンテージ感あふれる本バンドの70年代風USプログ・ロックには良くマッチしていて、中途半端に高く、それでいて低過ぎもしない70年代末期から80年代初期のインディUSプログ・バンドのフロントマン達に良く居た不器用ながら情熱的で不安定な歌声が絶妙な味を生み出しているように思う。

Daniel Grahamが Glenn McLaughlin(ILUVATARのヴォーカル)と Greg Lake足してFishで割った風な独特な声な事や、爽快なコーラス等ポップでキャッチーなヴォーカルメロディが殆ど見当たらない所なんかも如何にも混沌としたアートロックと呼ばれていた頃の70年代末期USプログ風ながら、しっかり今風にモダンな感覚も付け足されているので、70年代発掘テープモノのような時代遅れなサウンドに聞こえはしないのでご安心を。

現代のバンドらしく、歌詞で扱う主題は精神的なものだったり社会的に敏感な問題をモチーフにしたりと些か重苦しいが、そこはUS産バンドらしくテクニカルでスリリングなインタープレイの絡みを押しだしたり、キーボード弾き倒しを見せつけたりとパワー圧しで強引に楽曲を展開させたり、一転、涼やかなシンセやエレガントで艶やかなピアノも絡め、豊かなメロディと絶えず変化する巧みなリズム運び、そして効果的に配されたギターの音色を使い、幅広い魅力を持つカオスチックでカラフルなサウンドを紡ぐ様は往年のアメリカン・プログレハードに迫る風格も感じさせる、聴き応え十分な力作だ。

そもそもUS系全般に希薄だけれど、叙情感という点で言うとかなりユーロ系シンフォ・バンドに劣ると言わざる得ないが、北欧70年代リヴァイバル・プログ勢のダークサウンドとも一味違う抜けの良いクリーンなモダン・サウンドの感触と壮大なスケール感は新人USバンドならではの持ち味だろう。

現時点ではヴォーカルスキルがC級に片足突っ込んだB級クラスなのがモロに弱点になっているものの、キーボーディストの奮闘やリズム隊、特にドラマーの頑張りはなかなかのモノだし全体的なサウンドの完成度は上々と言えるので、ギタリストを追加で迎えるか、巧いヴォーカリストを迎えでもしたら、ひょっとしたら大化けする可能性も無きにしも非ずな期待の新人と言えましょう。

70年代UKプログ・バンドや80年代初期USインディ・プログバンドがお好みな方はチェックしても損はない新人バンドと言えると思います、が…本作はR盤なのよね…orz

もう今やDL購入がメインな時代とは言え、ちゃんとデュプリしたレコードをリリースして欲しかったなぁ…('A`)
なんかノイズ入ってるんですよね、所々で…R焼いてる時に電子レンジでもつけたのかエアコンか…それともオリジナルテープにノイズが乗っているのか…orz




by malilion | 2019-07-22 22:38 | 音楽 | Trackback

Robert Berryを筆頭に凄腕ミュージシャン揃いなALLIANCEが十数年ぶりに新譜をリリース!

c0072376_10223922.jpgALLIANCE 「Fire And Grace」'19

欧米シーンを股にかけ、AORからプログレまで幅広いジャンルで活躍する Robert Berry(Vocals&Bass ex:3、ex:GTR、etc..)と Gary Pihl(Guitars ex:BOSTON、ex:Sammy Hagar、etc..)そして David Lauser(Drums ex:Sammy Hagar、ex:THE WABORITAS)によるメロディアス・ロックバンド ALLLIANCEが、前作『Road To Heaven』'08 以来、約十年ぶりとなる5枚目の新譜をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

久しぶりの新譜と言う事で残念ながらメンツに変動があり、前作に参加の Alan 'Fitz' Fitzgerald(keyboard ex:NIGHT RANGER、etc..)は本作に参加(Alanはロックシーンから引退してしまった模様…)しておらず、本作のキーボードパートは全て Robert Berryがプレイしている。

ただ、近年 Keith Emersonの遺作とも言える『3』の続編『3.2』を独力で完成させた事で元々マルチプレイヤーだった Robert Berryのキーボードプレイにも一層の磨きがかかったのか、兼任パートながら80年代メロディアス・ロックを思い出させるサウンドに満ちた本作の至る所で際だったシンセワークをタップリとフィーチャーし、Alan 'Fitz' Fitzgeraldの不在を全く感じさせない。

デビュー作はキャリアあるミュージシャン達が結成したスーパーバンド的な扱いで注目され日本盤もリリースされたりしたものの、派手さとは無縁な奇をてらわぬオーセンティックな正統派アメリカンHRをプレイしていた事もあって次第に注目度が落ち国内盤リリースも見送られるようになり、各自多忙を極める活動状況もあってか次第にALLIANCEの活動が停滞していった彼等だが、本作では幾分か以前よりハードでエッジを感じさせるサウンドなもののファンの期待通りのクラシック・スタイルなアルバムを提供してくれている('(゚∀゚∩

アルバムは80年代初頭のシンプルなメロディアスロックとAOR要素で構成されているが、流石に単なる懐古サウンドである訳はなく、経験に裏打ちされた名うてのミュージシャン3名の手による、至る所にフックが有る魅力的なメロディーとダイナミックなアレンジ、キャッチーな雰囲気とブルージーなタッチ、そして素晴らしいハーモニーとコーラスが満載な、タイトでソリッドなリズムとグルーヴの上に構築されたコンパクトな楽曲の、Robert Berryの力強く説得力あるメロディアスな歌声と Gary Pihlの如何にもアメリカン、というワイルドでストレート、そして急上昇するギターソロが爽快な、プログレ的な要素は全くないシンプルなプレイだけの組み合わせ(乾いたスライドギターの音色と跳ね踊るホンキートンク調のピアノが如何にもアメリカン! な上に、ファンキーなベースラインも最高♪)で過剰な装飾やドラマティックさが排除された、けれど心地よくポジティヴな雰囲気に満ちた80年代フィーリングの洗練されたモダン・アメリカン・ロックアルバムは、今の耳で聞くと妙に新鮮で個人的にも大満足であります(*´ω` *)

もしALLIANCEのサウンドをご存じない方でも、幾分商業的な色づけのされたシンプルなアメリカンHRがお好みな方なら、本作はきっとお気に入りな一枚となる事でしょう。

Robert Berryをはじめ各自多様なプロジェクトやツアーで多忙を極める売れっ子ミュージシャンなのは承知しているけれど、出来る事ならば次のアルバムまで今回程長いインターバルを彼等が開ける事なく良い知らせを届けてくれる事を祈って…




by malilion | 2019-07-09 10:15 | 音楽 | Trackback

HOUSE OF LORDSのフロントマン James Christianのソロ第四弾『Craving』をご紹介。

c0072376_18485089.jpgJAMES CHRISTIAN 「Craving」'18

US産メロディアスHMバンド HOUSE OF LORDSのヴォーカリストとして長きに渡り活動を続ける実力派シンガー James Christianの、前作『Lay It All On Me』'13 から4年半振りとなるソロ4作目がリリースされたのを、遅れに遅れ今頃にGET。

近年の James Christianのソロアルバムは、Frontiers Recordsの全面的なバックアップと外部ライターの導入により優れた楽曲ばかりが集められる、まぁ言ってみればある一定以上のクオリティが保障された“プロフェッショナル集団によるプロの仕事な一枚”ですので、慌てず後回しにしててこんなに遅れてしまいました…('A`)スマヌ…

さて、本作についてだが、アルバムの音を耳にする前に目につくのが楽曲タイトルで、“渇望”なるタイトルのアルバム名だし、ジーザスだとかエイメンだとか妙に宗教色を感じさせるタイトルや単語が並んでいるので、もしや難病から回復したアーティストにありがちな、神への感謝を語ったりこれまでの半生を振り返る系の自省的で地味な方向性のアルバムかと思いきや、なんて事はなくいつも通りな穏やかで朗らかなポップ寄りメロディアス・ロックで一安心。

James Christian自身のヴォーカルについて今さら何だかんだと文句もあるわけもなく、いつも通りのハスキーだけど甘い声質を活かしたソウルフルでエモーショナルな歌唱、そしてキャリアに裏打ちされた抜群な熟練の歌い回し、圧倒的な表現力に些かの不安も無く、ファンが彼のソロ作に望む通りな素晴らしい歌声を聞かせてくれております(*´ω` *)

そうなってくると後は参加しているバックのメンツの方に注目が行くのは当然で、前作はHOUSE OF LORDSの面々が演奏陣で参加しておりましたが、今回は北欧オタスケマン Tommy Denander(今回は複数曲で楽器全般を担当、加えて流麗なギター・ソロも披露)をはじめ、Frontiers企画モノではお馴染みの Alessandro Del Vecchio、Chris Pelcer、Jimi Bell、Richard Hymas、Charlie Mason、Jeff Kent、そしてAOR系のビックネーム Clif Mag-ness(!!)と、メロハー系&AORリスナーなら一度は目にした事があるだろう名がズラリと並び、それら有名メンバー等による作曲、客演でバッチリとアルバムは隙無くサポートされている('(゚∀゚∩

サポートメンバーが豪華なのはいいけれど問題が無いわけでもなく、大勢のライターが関わった作品なので楽曲のバラエティは富んでいて幅広い音楽性を感じさせるが、反面統一感に乏しく、各自がそれぞれに作曲し個別に録音したと思われるバックのサウンドやプレイにも明らかにバラついて聞こえる箇所があって、どうにも複数の有能スタジオミュージシャンが創った出来の良い楽曲のカラオケをバックに James Christianが巧い唄を聞かせている、例えるならサントラにゲストで参加している有名アーティスト達の“やらされている楽曲風”に感じられてしまう点(通常なら James Christianが歌わないだろう歌メロ等、歌わされている風に感じられる曲調もあるのが…)があって、そこが少々残念だ。

今回のソロ作の新基軸としては、多少アコースティックギターが多目に導入されている点くらいで、他はいつも通りにキャッチーなコーラスと魅力的な力強いメロディーを持つミッドテンポな楽曲が殆どと安定感抜群ながら、前作と比べると曲調が暗め(前作は妙に明る過ぎる気もするけど…)なのと、各ライターが売れ線を意識したからなのか制約があったからなのか展開に驚きのあるような楽曲もなく、やや平坦で似た曲調の楽曲が多く感じられ、その点も本作の出来の印象を弱めているように感じる。

とは言え、抜群に歌の上手いヴォーカリストのソロ作で、安心の良質メロハー&AOR作をお求めの方なら、迷わず本作を購入しましょう!


Line-Up:
James Christian      : Lead Vocal, Acoustic Guitar, Background Vocals
Billy Seidman       : Additional Acoustic Guitars
Tommy Denander: Guitars, Bass, Keys (Wild Boys, Love Is The Answer, Sidewinder, I Won’t Cry)
Jimi Bell         : Guitars (Black Wasn’t Black)
Pete Alpenborg       : Guitars and Bass (Jesus Wept)
Alessandro Del Vecchio   : Keyboards (Jesus Wept)
Clif Magness        : All Instruments (Craving)
Josh Freese        : Drums (Craving)


by malilion | 2019-07-05 18:42 | 音楽 | Trackback

唯一無二の強烈なハイトーン・ヴォーカル再び! STEELHEARTがLIVE作をリリース!

c0072376_14330493.jpgSTEELHEART「Rock'n Milan -Deluxe Edition CD+DVD-」'18

90年初頭にUS産HMシーンの中で新人離れした実力とフロントマン Mike Matijevic(後に Miljenko Matijevicへ改名)の強烈なハイトーン・ヴォーカルを武器に圧倒的な存在感を放ち、米国コネチカット州で1981年に前身バンド“RED ALERT”が結成され、メジャー契約時にバンド名を“STEELHEART”へチェンジしてリリースしたデビュー作から早々に『I'll Never Let You Go』や『She's Gone』等のヒットシングルが生まれ、ここ日本でも絶大な人気を誇ったSTEELHEARTの、2017年4月にイタリアで熱演を繰り広げる模様を収録した二枚組LIVE作(CD+DVD)をちょい遅れて購入したのでご紹介。

90年代後半からLIVE中の大怪我やバンドの長期の活動停止、そしてバンド解体を経て活動も人気も低迷していたが01年に公開され人気作となった米映画『ROCK STAR』の挿入歌を(STEEL DRAGONなる架空のバンドとして)歌った事が幸運を呼び、再びSTEELHEARTを率いるフロントマン Miljenko Matijevicに注目が集まるものの、4th『Good 2B Alive』リリース後に家族の不幸に見舞われたりレーベルの財政難問題に遭遇し碌なプロモーションも無くアルバムは全く世間に知られることない存在に…と、公私共に不運続きな Miljenko Matijevicであったが、近年は韓国で人気者となりTVドラマ等に楽曲を提供したりして精力的に活動を続けているのだが、正直ここ日本での現在の知名度は地に落ち、人気も殆ど無い状況なのが悲しいデス…(ノД`)

オリジナルメンツはもう Miljenko Matijevic以外残っておらず、オリジナルはツインギターの5人編成だったが、本作を含め現在はシングルギター編成の4人組なのがデフォ状態の模様で、LIVEでは最新スタジオアルバム『Through Worlds of Stardust』'17と同一メンツでの演奏を披露している。

人気作となった米映画『ROCK STAR』の挿入歌と、デビュー作の楽曲を中心に構成されたセットリスト(実際は2ndの楽曲もプレイされたかもしれないが未収録)で、同梱のDVD映像作の方は1曲多く『Live to Die』(from 3rd『Wait』、日本盤はボートラとしてCDに楽曲が収録されている)が収録されているものの、17年リリースの5thアルバムのプロモーションのはずのLIVEなのにコレでいいのかとちょっと疑問に思う選曲だ…(汗

最新作の紹介でも述べたと思うが、既に初期の音楽性とはバンドサウンドが様変わりしており、以前のようなキャッチーでコンパクトな如何にもUS産HMと言うブライトでメロディアスなサウドではなく、かなりZEPPELIN風なイメージが加わった重々しく引きずるようなリズムとスリリングに斬り込んでくるギターがメインなダークなサウンドが身上となっていて、時折垣間見せるアコースティカルだったり民族音楽風なサウンド(この辺が特にZEPPELIN臭いんだよなぁ)やリードギターの Kenneth Kanowskiとのツインヴォーカルのハモり・コーラスなど初期には聴く事が出来なかった独特な味わいがLIVEサウンドからも感じられるようになっている。

LIVEなので当然だが時々ヨレたり息切れやピッチが狂っている箇所も多々あるものの、Miljenko Matijevicが操るレンジの広い強靱な喉は未だ健在で、本作でも衰えを感じさせぬ強烈なハイトーンヴォーカルを変幻自在に轟かせ、彼こそがSTEELHEARTそのものなのだ、と言うインパクトをしっかりとアルバムに刻みつけているのは見事の一言だろう。

ただ、ボスが Miljenko Matijevicな為当然なのだろうが、ヴォーカルばかり目立つように感じるLIVEアルバムなのは如何ともしがたく、観客との掛け合いだったりドラムソロが収録されたりはしているものの、総じてバックのメンツの演奏の印象は薄く、個性も余り感じられないのは悲しい…orz

最新作の向いている方向性のままだと、ここ日本や世界中のメロハー系リスナーの間で人気が再燃するのは難しいと思われるけれども、どうにか末永く活動して欲しいバンドの一つではあります……

Track List:

01. Blood Pollution     (STEEL DRAGON Song)
02. Livin' The Life      (STEEL DRAGON Song)
03. Gimme Gimme      (from 1st『Steelheart』)
04. Like Never Before    (from 1st『Steelheart』)
05. My Dirty Girl      (from 5th『Through Worlds of Stardust』)
06. She's Gone        (from 1st『Steelheart』)
07. Cabernet         (from 3rd『Wait』)
08. Drum Solo
09. Everybody Loves Eileen (from 1st『Steelheart』)
10. Rock 'N' Roll      (from 1st『Steelheart』)
11. I'll Never Let You Go  (from 1st『Steelheart』)
12. We All Die Young     (from 3rd『Wait』& STEEL DRAGON Song)


by malilion | 2019-07-01 14:25 | Trackback