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フランスのシンフォ・プログHMバンドADAGIOの5作目を今頃!

c0072376_17495514.jpgADAGIO 「Life」'17

フランス出身のネオクラ系ギタリスト Stephan Forte率いる6人組シンフォニック・プログレッシヴHMバンドによる8年ぶりとなる通算5作目を今頃にご紹介。

正直、とっくに解散してると思ってました……(汗

フランスのHMは情報が殆ど届かないので…勉強不足でした…orz

ネオクラ系ギタリストがリーダーなバンドの常なのか、このバンドもフロントマンが安定せずアルバム毎にヴォーカリストが代わっている印象で、初代フロントマン David Readmanを4年でチェンジしたのを皮切りに、二代目に Gus Monsantoを迎えるものの同じく4年で脱退(後に元STRATOVARIUS Timo Tolkki率いるREVOLUTION RENAISSANCEへ参加)、三代目に Christian Palin(RANDOM EYES、ESSENCE OF SORROW、etc...)を迎えるが2年程で早々に脱退し、後任の四代目には北欧HMでお馴染みな大物ヴォーカリスト Mats Leven(TREAT、CANDLEMASS、YINGWIE MALMSTEEN、AT VANCE、THERION、etc...)を迎えるものの1年少しで脱退し、五代目に Michael Amott率いるSPIRITUAL BEGGARSへ加入した Apollo Papathanasio(MAJESTIC、TIME REQUIEM、FIREWIND)のヘルプ要員としてFIREWINDのLIVEへ招集されていたアメリカ人ヴォーカリスト Kelly“Sundown”Carpenterが迎えられて(07年来日時にサポート・シンガーを務めていたが、そのまま08年に正式加入した模様)本作は制作されている。

いずれも実力派揃いのフロントマンの後任とあってその力量が注目されるが、Kelly“Sundown”Carpenterは Mats Levenに似た濁り声が基本の上も下も幅広くカバーする抜群の歌唱力を本作で披露しており、少し荒れた歌声で熱唱する所などちょっと Mike Vescera(OBSESSION、LOUDNESS、YINGWIE MALMSTEEN、etc...)っぽいイメージと言えば伝わるだろうか?

他にもこのバンド、ドラムスやキーボーディストも今までに幾度かチェンジしていて、オリジナルメンツはリーダーの Stephan Forteとベーシストの Franck Hermannyしかおらず、さらに最新作である本作から新たにヴァイオリン奏者 Mayline Gautie嬢を迎えた6人体制になって初めてのアルバムとなっているのです。

オールドスタイルな北欧様式クラシカルHM的ダーク・メロディを基本に、モダンでドライサウンドの欧州的鈍色ヘヴィサウンドを組み込みつつ、緻密に構築されたアンサンブルと高度なテクニカルプレイ、そしてシンフォニックで重厚な音の壁が渾然一体となって劇的な物語を描きだしていく基本路線は本作でも変わっていない。

なんと言っても本作からヴァイオリン奏者がメンバーに名を連ねているので、今までキーボードオンリーだったシンフォニックなサウンド創りに厚みと艶が生まれているのは大きなプラス要素と言えるだろう。

ただ、デビュー当時から感じていた弱点も未だに克服出来ておらず、これだけ長い間をあけミッチリと作曲に時間をかけた故にか、テクニカルなプレイ中心で楽曲構成が複雑であったり、唄メロがイマイチ耳に残りにくいキャッチーなシンフォHMでない事もあって著しくポピュラリティが低く、相変わらず曲単位として決め手に欠けるといったマイナス印象は変わりないのが残念でならない。

要所要所での切れ味鋭いスリリングなメロディや圧巻の楽曲展開、ふっと現れるメランコリックで繊細なメロディ、そしてクラシカルでロマンチックな美旋律や、荘厳なシンフォ・アレンジ等々、耳を惹くパートが散りばめられているだけに、全体的にダークで難解、そして無愛想なイメージがリスナーを遠ざけているように思えるんですよねぇ…うーん、勿体ない…

もう少し楽曲をシンプルにするか、キーボードとギターの音数を減らして、せっかく加入したヴァイオリニストにもっと活躍の場を与えて、サウンドに艶やかさや甘味を与えた方が一般受けすると思うんですが、まぁ、そうするとバンドのアイデンティティにも関わってくるんで、早々簡単に方向性を変化させられないのかもしれないけど…

月並みだけど、次作こそもうちょい一般受けしそうな路線へ変更してメンツの変動なく新譜を届けて欲しいですね。




by malilion | 2019-01-31 17:42 | 音楽 | Trackback

John ElefanteのKANSAS好きにお薦め! 元ANGELICAの Jerome Mazzがソロアルバムをリリース!

c0072376_21005483.jpgJEROME MAZZA 「Outlaw Son」'18

元KANSASのフロントマン Steve Walshの最新にして最終(これで引退なんて嘘だと言って欲しい…)ソロアルバム『Black Butterfly』'17 に参加し、数曲でその John Elefanteによく似た甘いハイトーン・ヴォイスを披露したCCM系USヴォーカリスト Jerome Mazzaの初ロック・ソロアルバムをちょい遅れて紹介!

Steve Walshのソロ作への参加、そしてPINNACLE POINTで素晴らしいメロハー作をリリースした Jerome Mazzaをメロハー・レーベル Escape Musicが放っておく訳もなく、こうしてソロ作リリースへの運びとなったのは我々メロハー愛好家にとって実に目出度い事であります(*´ω` *)

PINNACLE POINTでは Torben Enevoldsen(Guitars&Keyboards)を相棒にアルバム制作に臨んだ Jerome Mazzaですが、本ソロでは Steve Walshのソロ作でも尽力した北欧AORオタスケマン Tommy Denander(Guitars&Keyboards)と Steve Overland(Backing Vocals)の二人の助けを借り、本人も語るようにKANSASの影響大なキャッチーでハードタッチ、そして叙情感あるAOR風味バッチリなUSAメロディック・ロックで、お得意の爽快感抜群なハイトーンヴォーカルと分厚く美しいコーラスを存分に堪能させてくれ、ANGELICAでの彼を知るHMファンには懐かしくも嬉しい一枚と言えるでしょう。

一時HM業界から身を引きCMソング等の仕事をしてきた事もあってAORオタスケマン Tommy Denanderとの相性は抜群で、PINNACLE POINTより幾分テクニカルさやシンフォニックさは抑え目で、キャッチーさとポップさ、そして楽曲の整合性に重点を置いた、TOTO等の産業ロックテイストが多目な本作のモダンロック・サウンドは、モロに後期KANSASっぽく聞こえる所も多々あって個人的に近年希に見る堪らない好盤であります('(゚∀゚∩

まぁ、クレジットを見る限りEscape Music主導で Tommy Denanderと Steve Overlandの二人に楽曲を用意させて久しぶりにHM界へ復帰した Jerome Mazzaに、売れ線で彼のイメージにピッタリなハードタッチなCCM系楽曲を歌わせた企画モノ、ってトコが本作の正体なんでしょうが、届けられたアルバムの出来が良いんだから Jerome Mazzaが作曲に関わっていようといまいと些細な問題じゃないですか。ねぇ?

Jerome Mazzaが語る所によるとPINNACLE POINTの2ndの制作も殆ど終わっていて19年中にはリリースされるとの事なので、Jerome Mazzaファンとメロハー・ファンは、PINNACLE POINTの新作を首を長くして待っている事にしましょう。

John ElefanteのKANSAS好きや80年代後期USAメロディアスロック、そして90年代AORハード等がお好きな方なら一度チェックしてみても決して損はしない、そんな一枚であります。

しかし、本人もSteve Walshの後釜でKANSASへ加入したかったのね…残念だったでしょうねぇ…




by malilion | 2019-01-29 20:57 | 音楽 | Trackback

三度再始動を果たした英国AORハードAIRRACEの3rdを今頃購入!

c0072376_07220405.jpgAIRRACE 「Untold Stories」'18

11年に27年ぶりとなる再結成作の2ndをリリースしてAOR愛好家を歓喜させたものの、その後の活動は洋として知れず再び歴史の闇に消えたものと思っていた彼等が、メンツを一新して三度再始動を果たし7年ぶりにリリースした3rdアルバムを半年遅れで(今頃!)購入!

前作の27年ぶりに比べれば7年は短い(?)と捉える事も出来るけれど、正直とっくに解散したと思ってたました…(汗

まぁ、その予想は遠からずって感じで、中心人物にして唯一のオリジナルメンバーは Laurie Mansworth(G、Vo)を残すのみで、新たに女性キーボーディスト Linda嬢を含む新編成の5人組バンドへ生まれ変わっていた訳ですから。

新メンツでまず目を惹くのは、Michael Schenker率いるMSGの後期に在籍し、その他セッション参加やオタスケマン的に英米問わず様々なバンドのアルバムにそのプレイを残している、古くはAIRRACEと同期バンドLIONHEARTに在籍し、再結成したLIONHEARTに現在も在籍する Rocky Newton(B)と、Laurie Mansworthの実の息子 Dhani Mansworth(Ds)の二人でしょうか。

また注目のフロントマンの交代ですが、後にMAMA'S BOYSのフロントマンになる Keith Murrell(Vo)がAIRRACEのバンドの顔であり彼の如何にもAORにマッチするクリアーなハイトーン・ヴォーカルに代わって本作で歌声を聞かせるのは Adam Payneなる無名のヴォーカリストで、幾分かハスキーな濁り声なものの高域も無理なくカバーするパワフルな歌声を聞かせ、Keith Murrell不在を悲観する従来のファンも安心な Laurie Mansworthが見込んだ実力者と言えましょう。

アルバム聞き進む度に『この声、どっかで聞いた事ある声だなぁ』と思ってたんですが、自分にはマイナーな存在ながらメロディアスな良作をリリースしてきたUSAメロディアス・ロックバンドHYBRID ICEの初期フロントマン Galen Toye Folkeっぽい歌声(分かりにくい例えで申し訳ない!)に似て(良く聞くとそんなに似てないけど…)聞こえました。

Adam Payneの声の方が音域は幅広いし、パワフルでハスキーな濁り声なんですけどね(汗 まぁ、どうでもいいか(w

これだけインターバルが開いたにも関わらずバンドの音楽性にほぼ変化はなく、以前と変わらず産業ロック寄りの耳障りのいいメロディアスHR&AORハード作なサウンドで、UK独特のちょっと湿り気のある脳天気に成りきれぬメロディや、爽やかなフックありまくりの艶やか且つソウルフルなVoメロと分厚いヴォーカルハーモニー、今回は煌びやかさは幾分控え目なキーボードサウンド、そしてツボを心得た印象的なGリフと、派手さは無いもののポップでキャッチーでありつつ叙情感や哀愁を感じさせる美旋律満載な、正にベテランの技が随所に活かされた隙無い完成度も相変わらずで、ファンなら確実に満足する安全牌作なのは間違いなしな出来で嬉しくなってしまいました(*´ω` *)

フロントマンの声質が変化したからなのか、幾分これまでよりブルージーなテイストが強く感じられる楽曲や、ムーディな雰囲気を持つ楽曲が多く収録されているように感じられるものの、デビュー当時とは時代も違うし既にメンツも全員違うんだし当然っちゃあ当然な訳で、むしろ洗練され過ぎた産業ロック&AORサウンドに、今まで余り感じさせなかった若干ワイルドでダーティーなHRテイストが新しくバンドサウンドに加えられた事によって、アルバム全体がパワフルでナチュラルなトーンの印象を持ち、新たなイメージの音像を得る事に成功しているように思う。

FOREIGNERをはじめお馴染み産業ロック系全般や、LIONHEART、FM、SHY、GRAND PRIX等のUKメロハーバンド群、そして新たに加わったテイストとしてWHITESNAKEやLED ZEPPELIN風味も実に興味深く、メロディアス系愛好家な方はきっと耳を惹くメロディがある良作ですので迷わず購入して間違いはありませんよ、って半年も経って何を今更な話ですな(w

願わくば今度こそ精力的な活動を維持して欲しいものであります。




by malilion | 2019-01-28 07:14 | 音楽 | Trackback

オセアニアン・シンフォの新星ANUBIS、活動15年の節目にユーロ・ツアーの模様を伝えるLIVE作をリリース!

c0072376_16210105.jpgANUBIS 「Lights Of Change (Live In Europe 2018)」'19

オーストラリアというプログレ&シンフォ不毛の地からデビューした期待の新星で、key入りトリプルG編成6人組の、前作の再録アルバムより1年ぶりとなる新譜は、15年リリースの十周年記念LIVE盤に続くLIVE盤が早くもリリースされ驚かされた!

なんだかんだで既に活動15年目を迎える彼等も中堅的存在になりつつある訳だが、後続でめぼしいバンドが続かないので未だに期待の新星扱いなのが、ちょっと悲しい…

さて、本作は故郷に錦を飾った十周年記念LIVE盤とは違い、18年のユーロ・サマーツアーの模様から抜粋された2枚組LIVE盤で、Disc1にはドイツでの野外フェス(7/15、Loreley Amphitheatreで開催されたProg Festivalでのほぼ全セットを収録)での熱演を、Disc2にはソールドアウトとなったオランダの有名クラブt Blok(7/8、Nieuwerkerkで開催されたProgfrog公演の後半を収録)での模様を収録した、ある種彼等にとっての海外遠征記念盤と言えよう。

メンツは前作と変わらず不動の6ピース(現体制になって5年目)で、バンド一丸となってロマンチックな情感を織り成すアンサンブル、売りの分厚く華麗なコーラスやトリプルギターの利を活かした分厚いバッキング、そしてLIVEだと二割増しで大活躍する David Eatonのリリカルで優美、そしてシンフォニックで柔和なキーボードの音色が、アルバムより一層にハードタッチな色合いが強くなるLIVEサウンドに潤いと艶やかさ、さらに透明感を与え、スタジオアルバムとまた趣を変えた一味違うスリリングでラフな魅力あるサウンドを奏でる様子が伝わってくる好盤だ。

MARILLIONっぽいロングトーンの透明感ある繊細なギターの音色の裏で邪悪に蠢くHR的なベースの存在感や、頑張ってアルバムの再現を保っている Robert James Mouldingのハイトーン・ヴォーカル、そして手数よりタイトさやグルーヴに重きを置いたシンフォ&プログレ系的には異端なHR的ドラムス(なのに音が軽ぅいのは…MIX具合のせい?)と、いい意味でLIVEならではの味やノリが変拍子やテクニカルなプレイを巧みに交差させ複雑な展開をみせるサウンドに勢いを与えていて、近作でのシンフォ度が増してマッタリ感ばかりを強く感じるサウンドに少々残念な思いもあった彼等でしたが、初期からの持ち味であったHR的スピードや攻撃性が本LIVE作ではチラリチラリと垣間見えて個人的には大変嬉しかったですね(*´ω` *)

また、本LIVE作の最大の売りは、デビュー作の映画サントラみたいなイマイチなサウンドに一気にHRタッチが加わってパワフルなハード・シンフォサウンドを奏でるバンドへ生まれ変わり彼等の人気に火がついた、個人的にも大好きな2nd『A Tower Of Silence』'11 をアルバム順通りプレイする丸ごと再現というバンド史上初のフルパフォーマンスを収録しており、スタジオ作以上にロマンチックでセンチメンタル、そしてLIVEを経て磨き抜かれ、より神秘的で完成度の高まった美しくもシャープなシンフォサウンドを奏でる見事な様は、正にファンならずとも感無量といったところでしょう。

シンフォ系のLIVE作なんだから当然なんですが、LIVE作と言うには余りにお行儀が良く、ついHRバンドのワイルドで熱くアグレッシヴなLIVE作と比べてしまう自分が間違っていると重々承知(けどメンバーの風貌はハードロッカー臭いんだよなぁw)しておりますが、もうちょいLIVEならではの原曲の崩しやアレンジをガラリと変えたLIVEバージョンの楽曲なんかの熱演も聞きたかったなぁ、なんて無い物ネダリをしてしまうくらいしか文句のつけようがない本作ですので、ファンなら勿論のこと、透明感ある壮大なオセアニアン・シンフォ好きな方や、ユーロ・シンフォ程暗くシリアスでなく、USAシンフォ程パワフルでヘヴィでもない一風変わった彼等の生の音を、是非ともシンフォ好きな方に一度チェックして貰いたいですね。



by malilion | 2019-01-27 16:15 | 音楽 | Trackback