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John ElefanteのKANSAS好きにお薦め! 元ANGELICAの Jerome Mazz率いる新プロジェクトPINNACLE POINTがデビュー!

c0072376_17404430.jpgPINNACLE POINT 「Winds of Change」'17

以前ここでも紹介したCCM系USHMプロジェクトANGELICAの2ndに参加していた二代目ヴォーカリスト Jerome Mazzが新プロジェクトを立ち上げ、KASNASファンをはじめ80年代USAプログ・ハード好きな諸兄なら気に入る事間違いないなアルバムをリリースしていたとの情報を今頃(汗)小耳に挟み、1年遅れで購入してみた。

最近のJerome Mazzのトピックは、Steve Walshの久しぶりのソロ作にゲスト参加した事だと思っていたら、新プロジェクトを立ち上げてちゃんと自身のキャリアも追求していたんですね。

しかも、つい最近アノ北欧オタスケマンTommy Denanderのバックアップの元にソロアルバムもリリースしてるし…アンテナ低すぎだろ…自分…orz

本作は、ANGELICA以降セッションシンガーとして大手会社のCMソングなどで美声を披露していたもののロックシーンからは遠ざかっていた Jerome Mazz(Vocals、Keyboards)が、ACACIA AVENUE、SECTION A、FATE等の様々なバンドやプロジェクトで精力的に活動を続けているギターリスト Torben Enevoldsen(Guitars、Keyboards、Bass)と意気投合して2015年に二人を中心に結成されたニュー・プロジェクトのデビュー作で、気になる参加メンツは、ドラムに Torben Enevoldsenのバンドやプロジェクト等でお馴染みな Dennis Hansenが迎えられ、この三人がコアメンバーとなり、楽曲により複数のキーボーディストや Cara-C嬢なるヴァイオリニストを迎えて収録曲は録音されている。

基本的にほぼ全ての作曲をベテラン Torben Enevoldsenが手がけている事もあって、Jerome Mazzの John Elefanteによく似たクリアーで甘口なハイトーン・ヴォーカルの魅力を十二分に活かした、ポップでキャッチーでありながらAOR風な軟弱なサウンドへ傾ききらぬようしっかりハードなエッジで楽曲がピリリと引き締められた極上のメロディック・ロックサウンドによってアルバムは埋め尽くされていて、KANSAS、STYX、JOURNEY、TOTO、YES、ASIA、EL&P、さらにDEEP PURPLEやRAINBOW等の影響まで窺える、産業ロック&プログレ・ハード好きが小躍りするだろう、良く練り上げられたベテランの技とキャリアがしっかり封入された、爽快感抜群なコーラスやスリリリングでテクニカルなプレイや、薫り立つような叙情感豊かでフック満載な楽曲群には、本当に素晴らしいという手放しの賞賛の言葉しか思い浮かばないのであります(*´ω` *)

CCM系と言う事でかイマイチ知名度が低く、ANGELICAがマイナーな存在だった事や、プロモーションも精力的でないせいもあってか余りにも注目度が低すぎる新プロジェクトではありますが、上記の影響を感じさせるバンド達の名前や、John ElefanteのKANSAS好き(もうKANSASチックなヴァイオリンが最高!)な80年代中期USAプログレ・ハード愛好家に是非ともお薦めしたい、そんな一枚なのです♪('(゚∀゚∩

ユーロ圏ロックよりリリカルさが少々足りないとか、ドライでレンジが狭いサウンドが好みじゃない、とか色々とKANSAS臭過ぎるとか、多々難癖つける事は出来るでしょうけど、個人的にはこのアルバムには大満足しております(*´ω` *)

しかし、本作のヒットポテンシャルの高い爽快サウンドと艶やかで情感深い Jerome Mazzのクリアーな歌声を聞くにつけ、KANSASは Steve Walshの後釜に、元SHOOTING STARの Ronnie Plattじゃなくて彼を迎え入れれば良かったのに…とか、勝手な事を宣ってしまいたくなってしまいます…

まぁ、余りにも Steve Walshや John Elefanteっぽい歌声だから、あえて避けたとも考えられるけど…(汗



by malilion | 2018-12-31 17:34 | 音楽 | Trackback

John Payneの別名義ASIA? いいえ、新バンドDUKES OF THE ORIENTのデビュー作です。

c0072376_15453563.jpgDUKES OF THE ORIENT 「Same」'18

後期ASIA、GPSのヴォーカリスト兼マルチ・プレイヤーである John PayneとLANA LANEや90年代に数多くのプログレ・プロジェクトやプロデュース業で名を馳せたキーボーディスト Errik Norlanderによる双頭プロジェクトのデビュー作(メンバー・フォトではツインギター&キーボード入り5人組)がリリースされたのを、かなぁーり遅れてGET!

本作がリリースされるまでのゴタゴタやバンド名についての一連の騒動、そして新譜情報だけは John Payneの口から伝えられるのに一向にリリースされる気配もなく、内容と全く関係ない権利関係やメンバーの入れ替わり問題ばかりが話題になっていたアルバムがやっとリリースされ John Payneファンな方々は今頃は胸を撫で下ろしている事でしょう。

一時期 John PayneのASIAとオリジナルメンツが再集結したASIAが存在してファンが困惑したり、後期ASIA在籍メンツによる新バンドGPS(キーボードはSPOCK'S BEARDの奥本亮)が結成され新譜がリリースされたり、GPSとは別にASIA featuring John Payne(キーボードは Errik Norlander)なる別名義で新譜『Americana』をリリースする、という情報やらが錯綜し、結局ASIA featuring John Payneはカヴァー・アルバムしかリリース出来ず、オリジナルASIAは順調に新譜をリリース(Geoff Downesの裏切りっぷりが、また…)する、というなんともドロついた政治力が蠢いているのが透け見える状況やらに、不遇な90年代のASIAを支えてきた John Payneに対して余りな仕打ちじゃ無いか、と憤慨していたファンは少なくないはず。

結果から言って John Wettonを中心に再集結したオリジナルASIAは期待に反して碌なモンじゃないアルバムしかリリース出来ず、そうこうする内にJohn Wettonが鬼籍になってオリジナルASIAは終わり、という皮肉めいた結末(Carl PalmerはEL&Pの方を取った訳だ。そりゃボスになれるんだし、当然か)を迎えた事を考えると、一連の騒動に足を引っ張られて思うような活動が出来無かった John Payneには、今度こそ頑張って活動してもらいたいと願わずにはおれないのです…

さて、本作はASIA featuring John PayneからDUKES OF THE ORIENT(東洋の公爵達)に改名したかのような作品で、これまでに後期ASIA、GPSに関わったメンバーばかり(ギタリストがズラリ、勢揃い)がアルバムにはクレジットされている。

音楽性もAOR風味の増した後期ASIAから、そのまま音楽性を引き継いでHMテイストを加味したGPSのサウンド要素を多分に含んでいて、実際本作を耳にした方なら『コレなら改名する必要があったの?』と、素朴な疑問を誰でも抱く事だろう。

まぁ、ASIAの名前は権利的に面倒だし、さっさと新バンドとして活動を開始した方がいい、と踏んでの名義変更だろうが、GPSがイマイチ受けなかったからとは言え、見切りが早いなぁ、とビジネスライクな行動にちょっと感心してしまう…(汗

で、そういった内容以外の話題に事欠かない本作だが、その内容の方はと言うと、後期ASIAからお馴染みな John Payneの持ち味であるAORテイストを多分に含み、ハスキーな声で力強く歌い上げるディープ・ヴォイスの魅力が活かされたメロディックでキャッチーなUKプログレッシヴ・ポップロック的音像に、Errik Norlanderらしい壮大でシンフォニックなキーボード・オーケストレーションを加えた音楽性で、コンパクトでありながら叙情的な美旋律を全面に押し出した初期ASIAテイストも幾分か感じさせる(確実に Errik Norlanderは確信犯だ)ドラマティックでハードなスケールの大きいサウンドは、劇的な展開とベテランならではの構築美で隙無く纏め上げられており、もしASIAがオリジナルメンツでの再結成などという愚行を行わなかったならば、きっと『Silent Nation』'04 に続く新譜はこんなサウンドになったんじゃないか、と想像させるに十分なクオリティと完成度だ。

良く言えば後期ASIAを受け継いだ、悪く言えば後期ASIAの焼き直し、とも言えるが、最早 John Payneと Geoff Downesの和解は無いだろうし、必要も無いだろうし、John Payneファンとしては、彼がAORテイストあるウェットでメロディアスな良質のロック・アルバムをリリースさえしてくれさえすればもうメンツに拘らないので、願わくばどうかこの十数年の空白を埋めるような精力的な活動を John Payneには続けて欲しいものであります…



by malilion | 2018-12-24 15:38 | 音楽 | Trackback

米国産モダン・シンフォIZZの女性シンガー LAURA MEADEの11年ぶり初のフル・アルバム!

c0072376_20464495.jpgLAURA MEADE 「Remedium」'18

米国産ハイブリッド・モダンシンフォ・ロックバンドIZZ(ツイン・女性ヴォーカルの片割れ)や、RENAISSANCEのキーボーディスト Jason Hart率いるシンフォ・バンドI AND THOUのメンバーとして活動する、ミュージカル系バックグラウンドを持つ女性シンガー&シンガーソングライターの1stソロ・アルバムがリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

フィメール・ヴォーカルものが得意でない自分ではありますが、07年に5曲入りEP『LAURA MEADE』をリリースして以来11年ぶりとなる初のフル・アルバムである本作、前作に続きIZZの J.Garando(Bass、Guitars、Keyboards、Drums、Programming、Backing Vocals、Ukulele) が作詞作曲、演奏等で全面的にバックアップするだけでなく、THE FRIDGEの Rabdy Mcstine(Guitars)やRENAISSANCEの Jason Hart(Keyboards、String Arrangement)も制作に参加しているとあっては購入せぬ訳にはいかないでしょう。

女性ヴォーカルのソロ作と言う事で当然、演奏パートがメインではない歌モノ・アルバムで、IZZでも味わえる清楚さと透明感がありつつ、どこかコケティッシュさも漂わす可憐な歌声を活かした、ピアノ独奏での弾き語りや、アコギバックに切々と情感タップリに歌い上げるオペラティックな歌唱も楽しめる、シンプル且つメロディアス、そしてリリカルで華麗な楽曲が詰め込まれたポピュラー寄りなサウンドのアルバムだ。

勿論、J.Garandoが制作に関わっているので、YES、GENESIS等のプログレ系や Kate Bush等の歌姫系な影響も窺えるサウンド・アプローチだったり、音色の断片だったりが全編に渡って散りばめられていて、プログレ&シンフォ好きは、きっとニヤリとする事でしょう。

深いエコーのかかったドリーミィで、けれどその実ダークな情感も露わなゾクリとするような楽曲や、シットリとした優しげな歌声や朗らかな歌声が活かされたカラフルな楽曲が楽しめたりと幅広くバラエティに富んだ内容な上に、ソロ作と言う事もあってかIZZでは余り聞く事のない Laura Meade嬢の表情豊かで軽やかなポップス寄りな歌唱もフィーチャーされた米国産アーティスト作と思えぬウェットなメロディ満載なアルバムなので、シンフォ&プログレ抜きにしてもユーロ圏のメロディアスな作品がお好みな方なら文句無しに楽しめる良作だ。

プログレ&シンフォ系バンドに所属してるヴォーカリストのソロ作って、地味にバンドメイトが参加していて良作が多かったりするんだけど、余り知名度ないからか即廃盤になったりするので、ご興味ある方はお早めにね(*´ω` *)





by malilion | 2018-12-12 20:39 | 音楽 | Trackback

まさかの23年ぶりの復活! オランダ産ポンプメタル・バンドDILEMMAが強力布陣で再結成し、新譜をリリース!

c0072376_16024294.jpgDILEMMA 「Random Acts Of Liberation」'18

まさかの復活! オランダ産ポンプメタル・バンドの23年振り(!)となる3rdアルバムがリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

アンダーグラウンド・シーンはシンフォ・サウンドという新風の奥にポンプの残り香がまだ幾分か漂い、メジャーシーンではプログレMHが一大シーンを形成していた95年当時、SI MUSIC(後にRoadrunner Recordsがディストリビュート)から『Imbroccata』にてアルバムリリースを果たすものの、その後音源を残せず02年に解散していたバンドが、オリジナルメンバーのキーボーディスト Robin Zuiderveldを中心に再結成され新作をリリースした。

オランダのアムステルダムで93年に結成され、同年カセットオンリーのデビュー・アルバム(現物未確認)『Trapped』をリリースし、その後95年に2nd『Imbroccata』にてCDデビューを果たすが、その時点で既にアルバム2枚分のマテリアルが存在するという事で、続く新作はすぐにも届けられるものと誰もが思っていた(ポンプ系やHM系のインディバンドでこの手の話は定番ですね)ものの一向に音沙汰は無く、いつの間にやらバンド名をUNDERNEATHへと変え、そのまま忘却の彼方へ消え去っていた彼等がまさかメンツを殆ど入れ替えて蘇るとは…

なぁ~んて、バンドHP覗いて偉そうな事今頃宣っちゃってる完全に知ったかぶりです。ハイ。

実際は2nd(当時、何故か日本盤もリリースされていた…)聞いて『なーんかSHADOWLANDのヘッコポ版みてぇでイケてないなぁ…』と思い、完全に記憶の彼方へ消し飛んで行って、ついぞ思い出す事の無かったバンドでした(汗

全く関係ないけど、DALI'S DILEMMAって、いう夢劇場フォロワー系なUSカリフォルニア産プログHMバンドと似た名前なので混同しがちで、コッチの方も同じく1作のみで解散しており、DILEMMAって名前はツキに見放されるよろしくないバンド名なん? と、以前思った事がありましたねぇ…

後に英国のIONAへ加入(00年アルバムから)し活躍する Frank Van Essen(Drums&Violin)が元在籍していた、との知名度のみが僅かに残るマイナー・バンドであった訳だが、まさか Robin Zuiderveld(Key)を中心に、DILEMMA末期メンバーとして活動し、今はKAYAK、AFFECTOR、Neal Morse BAND等で活躍するCollin Leijenaar(Ds&Vo)、Paul"Cray-Z"Crezee(G)等により10年に再結成されていたとは、本作リリース・インフォを見るまで全く知りませんでした。

しかも、本作ではヴォーカル&ギターに Dec Burke(元DARWIN'S RADIO、元FROST*、AUDIOPLASTIK)、ベースに Erik Van Der Vlis(元SINISTER STREET)を迎える強力布陣に加え、オリジナルメンバーであるIONAの Frank Van Essenもヴァイオリンで2曲に参加し、変わらぬその艶やかで美しい美旋律で再結成作に華を添えております。

2nd『Imbroccata』は、フロントマンの Danny Butlerの声質や歌い方、そしてHM要素とポンプ要素をMIXしたような、当時の時流で言う“普通にメロディアスなユーロ・ロックサウンド”でイマイチバンドサウンドの特徴が弱く、そのせいでか Karl Groom& Clive Nolan率いるSHADOWLANDの劣化版バンドのように聞こえていた彼等の音楽だが、本作に置いてはオリジナルメンツは Robin Zuiderveld(Key)残すのみだし、時代も変わったし、で殆ど別バンドとも言える、ミステリアスな雰囲気と妖しい気配を漂わすサウンドを新基軸に、プログレHM的なギターとキーボードのド派手な高速ユニゾンや手数の多い弾けるドラミングの上で熱いインタープレイを交差させつつ、しっかりポップなフィーリングを失うこと無くテクニカルに複雑に大展開するモダン・ユーロ・シンフォ・ロックサウンドを新たに披露している。

23年という決して短くない時間を経てのバンド創作物なので、方向性やサウンドの質等々、当然以前とは全く違うと言っても過言ではなく、フロントマンが Danny Butlerから Dec Burkeへチェンジしている事で楽曲の情感の幅や、表現力の深み、繊細な歌メロ、そして、センチメンタルなサウンドのタッチや、単純に歌唱力や演奏技術が大幅にアップしているのも大きな新作の話題点だが、それ以上に見逃せないのが、タイトでソリッド、そしてテクニカルなリズムを刻むドラムを始め、Loops、Percussion、Additional Keyboards、Sound Design、Urban Sampling(SEの事?)、Programming、Backing Vocals、と以前と違って全編からモダンでデジタリーさを漂わす彼等のニューサウンドへ多岐に渡って貢献し、さらに本作のプロデュースまで担っている Collin Leijenaarの八面六臂(さすが電子音楽の本場オランダで活躍してるだけありますね)の活躍が本作に置いては最も大きな創作面でのプラス要素であったと言わざる終えないだろう。

実際、唯一のオリジナルメンバーである Robin Zuiderveld(Keyboards、Grand Piano、GEO Synthesizer)の印象は、以前のポンプ的ハッタリプレイばかりを聴かせていたプレイと比べ、バランス重視でバンドサウンドに絶妙にキーボードプレイやキーボードサウンドが溶け込んでいる事もあってか総じて薄く、寧ろポップな歌メロとトリッキーなギタープレイを聴かせる Dec Burkeと変拍子をはじめテクニカルな技を見せつけつつしっかりと楽曲に即したセンスある小気味よいドラムプレイを聴かせる Collin Leijenaarが結成した新バンドへ Robin Zuiderveldの方が後から加入した、くらいのサウンドバランスに聞こえるのだから、どうしてDILEMMAの名前に拘ったのか、その理由の方が気になるくらいだ(汗

また、無名ながら Paul"Cray-Z"Crezeeのギタープレイも実にそつなく、泣きのフィーリングや哀愁漂うアコギ、ハードタッチでエッジある攻撃的リフや、しっかりと音の厚みを出す為のバッキングや、モダンなタッチの透明感あるメロディを紡ぐクリアートーンの流暢な演奏等、悪目立ちする事なくしっかりとバンドサウンドを支え多様な彩りをもたらしている点も見逃せない点だろう。

キャリアを重ねたのが無駄でなかったのと、強力なメンバーを迎えられた事が予想以上に素晴らしい化学反応を引き起こしたのか、テクニカルなプレイを織り交ぜつつ、メロディアスでキャッチーな面も垣間見せる、以前と比べものにならないくらいリリカルでハイレベルな、実にオランダらしいモダンでクリアー、それでいて時折垣間見せるダークなメロディや楽曲展開を隠し味に、貪欲に実験的なデジタリー・サウンドも導入して古色蒼然とした70年代プログレの巨人達のサウンド・エミュレートから脱却して見せたセンスは、まさにポンプメタルから新世代ユーロ・シンフォ・ロックバンドへ彼等が生まれ変わった証と言えよう。

勿論、全く斬新なサウンドと言う訳ではなく、所謂80年代ネオプログレや90年代以降のプログレHM、さらにFLOWER KINGS、SPOCK'S BEARD、Neal Morse BAND等からの影響が聞き取れるものの露骨なフォロワー臭は無く、即効性のある強烈に個性的なシンフォ・サウンドと言えないけれども、アコギの爪弾きや艶やかなヴァイオリン、センチメンタルで軽やかなピアノ等々のサウンドで如何にも叙情的ユーロ・サウンドといったウェットな感触も保ちつつ、SEやプログラミング等の如何にもデジタリーで冷ややかなサウンドを交差させ、誰かに似ているようで誰にも似ていない独特な寂寞感の漂う世界観と隙間があるようで実際はジックリと造り込まれたサウンドが漣のように紡がれゆくのに耳が惹きつけらっぱなしだ(*´ω` *)

スタンダードでオールドスタイルのシンフォ・サウンドではないし、幾分かHMチックなサウンドや、ポップでキャッチーな点も多々あって説明するのが難しく、さして知識がある訳でないので分かり易い例えバンドが思いつかず申し訳ないが、是非このカラフルで軽やか、それでいてミステリアスで不可思議なサウンドにユーロ・シンフォ・ファンな方ならば一度触れてみて欲しい、そう願わずにおれません。

メンツがメンツだし、このま安定して活動出来るのか定かではありません(汗)が、是非とも次なる新作を今度こそ早めに届けて欲しいものであります。






by malilion | 2018-12-09 15:55 | 音楽 | Trackback

若き日の Dan Swanoが挑んだ北欧プログレ・ポップバンドUNICORNの幻の音源がリリース!

c0072376_12235284.jpgUNICORN 「A Collection Of Worlds ~Resurrectio~」'18

90年代にMELLOW RECORDSへ2枚のアルバムを残している、若き日の Dan Swano(Lead Vocals、Drums)が率いていた、Peter Edwinzon(Piano、Synthesizers、Vocals)、Anders Mareby(Guitars、Flute、Vocals)、Per Runesson(Bass)の4名からなる北欧スウェーデン産プログレ・ポップバンドのフルアルバムデビュー前に残していたデモテープがリミックス&リマスターを施されリリースされたので即GET!

メロディアス・デスHMバンドEDGE OF SANITYやゴシック・ロックバンドNIGHTINGALEのリーダーにしてマルチプレイヤー、音楽プロデューサーとして著名な北欧メロデス界の重鎮、スウェーデン人ミュージシャン Dan Swanoが10代の頃に結成し、活動していたHRバンドから発展した、EDGE OF SANITYの活動と並行し断続的に2枚のフルアルバム(イタリアのMELLOW RECORDS盤、マニア泣かせ…)、2枚組コンピ(『A Collection of Worlds PartⅡ』と3rdデモテープ『The Weirdest of Tales』'91を収録)、4枚組CDのBOXセット・コンピレーション音源集、そして4本のカセット・デモテープを、90年代後期に活動停止するまでに残した北欧プログレ・ポップバンドの、最初期のデモテープ『A Collection of Worlds PartⅠ』'88と『A Collection of Worlds PartⅡ』'89の音源をまとめた、まさに幻の音源のリリースだ。

今や北欧メロデスのみならず多岐に渡って精力的に活動している Dan Swanoのブレイク前のプレイ(ヴォーカルとドラム)が聞ける幻の音源とあってか、インディ・レーベルからながら初期のデモテープ音源はこれまで幾度かCD化されて来たが、本作は単なる発掘音源CD化ではなく、『A Collection of Worlds PartⅡ』の音源の曲順を変化させ、17年リミックス&リマスター、さらにヴォーカル・パートのみ11年再録音源に差し替えてのリイシュー作となっている。

本作のサウンドは、後にMELLOW RECORDSよりリリースされる2作のサウンドと比べるまでもなく特異で、若さ故に才気走るのが抑えきれぬのかハッタリ連続のテクニカル押しな上、スピィーディでパワフルなHR的要素が強く、さらに80年代初期に英国で唸りを上げたポンプ・ムーブメントの影響(間違いなくIQとMARILLION)が垣間見え、如何にもプログレ、という複雑な構成の楽曲(Dan Swanoは70年代プログレッシヴ・ロック愛好家)が実に個性的で、そこへ Dan Swanoの中域メインなヴォーカルを活かしたASIA的キャッチーな歌メロ要素やメンバー全員からなる分厚く爽やかなコーラスを加え、さらに後の活動が予見出来る Dan Swanoの自己主張が強くテクニカルで頑張り過ぎ(汗)なドラムスが目まぐるしい変拍子をそこかしこに叩きつけながら強引に楽曲を推し進める、破綻スレスレながら怒濤の勢いで駆け抜けていく、一種爽快感さえある手に汗握る展開に継ぐ展開な楽曲に、燃え上がるような創作意欲が迸る、ティーンエイジャーのアマチュア・ミュージシャン達の剥き出しな情熱と渇望が漲るサウンドだ。

80年代後期USAインディ・シーンに大量に居たテクニカル・スラッシュメタルバンド達に通じる複雑怪奇で強引な楽曲展開なのだけれど、途中で聞く気が失せてしまうUSA勢と違って彼等は爽快なコーラスやポップでキャッチーな歌メロと一丸となったメンバー達のアンサンブルでなんとか楽曲が破綻しないように力業で纏め上げていて、そんな所は如何にも清涼感あるメロディ創りが得意な北欧ミュージシャン達のプレイだと感心してしまうが、如何せん全体的なサウンドの完成度は低く、勢いとキャチーさで聞き通せるもののプログレ的な艶やかさや構築美、さらにオリジナリティといった点でまだまだ至らず未完成なバンドサウンドなのは否めないだろう。

しかし、10代でこれだけ強力なサウンドと次に何が飛び出してくるか分からぬ怒濤の楽曲展開、そしてタイトでソリッドなプレイを自主制作のデモテープに残している時点で、やはり Dan Swanoは只者じゃなかったと、改めて感心させられますね。

後にデビュー・フルアルバム『EVER SINCE』'93 に再録収録(この時点でベーシストは不在でゲストのプレイ)される楽曲のオリジナル・ヴァージョンを収録している点や、本デモではフルートを効果的に使ってプログレ的なサウンドの彩りと艶やかさをバンドにもたらしていた Anders Marebyが以降はフルートをプレイしなくなり、代わってCelloをプレイ(何故かゲストでフルート奏者を招く…)するようになるという変化や、よりスタイリッシュなバンドサウンドへ変化し、Peter Edwinzonのテクニカルで情熱迸るHR的プレイは影を潜め、代わってセンスあるシャレオツでモダンなキーボードプレイや華やかな音色のシンセでサウンドの整合感を上げていくようになる変化が分かったり、一番の大きな違いは Dan Swanoのド派手で騒々しいドラムプレイが大人しくなってタイトさに重きを置いたシンプルなプレイへと変化した点(w)等の、軽めなサウンドなMELLOW RECORDSのアルバムとの差異を楽しめるのでファンは勿論、ポンプからシンフォへ向かう過渡期のHR風味あるハードシンフォ好きな方にもマストアイテムと言えるだろう。

後にさらにモダンさとポップでキャッチーさが上がって、テクニカルさを抑えて整合感と北欧ならではの透明感が増していく彼等のサウンドですが、その変化は英米問わずこの時期のメジャーへの展望を画策するポンプ系バンド全般に言える事なので苦言を呈する気も無いし、軽やかなポップ度が上がって聞きやすくなった方が個人的には好みなので大歓迎だったのですが、本作で聞ける北欧バンドらしいHR要素を含みつつ変拍子を巧みに活かした、爽快なコーラスとフックある歌メロが心地よい、パワフルな疾走感を備えたテクニカルな初期シンフォ・サウンドが、もしそのまま発展したのなら一体どういったユニークで面白いサウンドへ進化したのだろうか、とか、間違いなく後のプログレHMバンドの先駆となりえたのに…惜しい! などなどと、妄想せずにはおけません(*´ω` *)

しかし、気になるのはアルバムタイトルに“Resurrectio(復活)”って入っている事で、これはUNICORNとして再び活動してくれるって事なんですかね?

今までの再発は旧音源のCD化でしかなかったけれど、本作はちゃんと新たに再録しているパートもある訳だし、きっと Dan Swano的にも若き日に成功を夢見て活動していたバンドに愛着はあるでしょうから、是非このまま本格的に活動再開して欲しいものです。

因みに、ジャケットのデザインは4枚組BOXセット『A Recollection Of Worlds』'01 の目を惹く人物(メチャ、目立つww)をピックアップしてトリミングしたリデザインされたものとなっている。



by malilion | 2018-12-06 12:12 | 音楽 | Trackback