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UK産ZEP系バンド? いいえ、イタリア産70年代指向ブルースHRバンドなSILVER HORSESデス

c0072376_16445066.jpgSILVER HORSES 「Same (Digital Remaster Version)」'16

後期BLACK SABBATHの6代目元ヴォーカリスト Tony Martinが参加した4人組イタリアン・ブルーズHRバンドのデビュー作がリマスター&ボートラ2曲+ビデオクリップ1曲追加で16年にリイシューされていたのに今頃気づき、慌てて購入したのでここでご紹介(汗

元々12年にリリースされていたデビュー作ですが、17年に2ndがリリースされるのに先駆けて再発されていたんですね…チェック不足でした…orz

BLACK SABBATH脱退以降、ソロ作だったり色々なプロジェクトにゲストに招かれたり、他アーティストのソロ作やトリビュート作等々に参加しつつも、基本的にマイペースでゆっくりした活動を続ける寡作な Tony Martinですが、本作は久しぶりにちゃんとしたバンドメンバーとして最初から参加した新バンドでした。

Tony Martin以外は、Gianluca Galli(G:イタリアンHMバンドMANTRAの元ギタリスト。TIME MACHINEの最終作『Reviviscence Liber Secundus』'04で新加入したギタリストの片割れ)、Andrea Castelli(B:イタリアのグラム系HRバンドSHABBY TRICKの元ベーシスト)、Matteo "Bona" Bonini(Ds:イタリアン・モダンHMバンドMGRBの元ドラマー)という何れも他バンドでアルバムをリリースしたキャリアを持つイタリア人ミュージシャン達でバックが固められているので、日本では知名度が殆ど無いバンドばかりながら厳密には全くの新人バンドと言う訳ではありません。

インディ・レーベルからのデビューながら、そのサウンドを聞けば駆け出しのアマチュアミュージシャンが出せるはずもない音なのは一目瞭然で、WHITESNAKEやLED ZEPPELIN、そしてDEEP PURPLE等の一連の70年代ブリティッユ・ブルーズHRバンドに影響を受けた玄人好きする典型的な枯れたサウンドを鳴らしており、虚仮威しが効かぬ実力がストレートに反映されるサウンド形態故にヴォーカリストに相応の歌唱力とバックのプレイヤーに熟練した演奏技術が求められる訳だが、派手さはないものの各プレイヤーの余裕ある演奏(ZEPやSABBATH臭っ!)が実に味わい深く、いつも以上にロートーンを中心とした Tony Martinの久しぶりの歌唱も抜群で、70年代指向のブルース・ロックなサウンド故かデビカバ風な渋く穏やかな歌声が実に艶やかで、今まで参加してきたMH作等では余り聞く事のなかった彼の歌声の新たな魅力を教えてくれる良作だ。

Ronnie James Dio的な歌声をBLACK SABBATHで求められ、脱退した後も同様の歌声を各方面から求められていた Tony Martinですので、実はこんなに渋く豊かな低音ヴォーカルも披露出来たのか、とBLACK SABBATH時代のシャウトしていた彼しか知らぬHMファンは驚かされる事請け合いな一作と言えましょう。

よく動く蠢くような太いベースラインに乗って、グルーヴィーでヘヴィなギターがカリッカリの乾いたサウンドを掻き鳴らすシンプルでストレートなZEP風ダークサウンドに噛みつくような Tony Martinの Robert Plant風な歌唱や、初期ZEP風の風変わりで奇妙なリフとメロディのブルーズサウンドに乗って、朗々とちょっとサイケっぽい鼻歌を歌いつつコーラスとか、ちょっとおどけた感じで歌う、なーんて曲は、今まで彼の参加してきたプロジェクトやゲストの仕事では聞けませんでしたから(w

ブルーズロックの記号的にハモニカやピアノ、アコギにバンジョー等の音が聞こえるものの、まんま70年代リバイバル・サウンドでなく、ちゃんと今のサウンドとしてモダンさも加味(意図的にBLACK SABBATH風なボトムのサウンドに寄せてる?)しているHRサウンドなので『古臭いロックは苦手』という最近ロックを聞き始めた若いファンの方々の耳にも十分訴求するストレートでシンプルなロックサウンドなのでご安心を。

ボーナストラックの13曲目「Me」は奇妙なオリエンタル風のリズミックな楽曲がAcoustic Versionになる事で、より一層にオリエンタル風なメロディと枯れた味わいが強まった初期ZEP風の曲で、14曲目「The Song That Never Was」はストリングスが活かされた、風変わりなZEP風の短いインスト曲で、恐らく1stのアウトテイクなのだろう。

バンドは17年に『Tick』なる2ndアルバムを5年ぶりにリリースしたが、残念な事に Tony Martinは既に脱退(あぁ、またか…)しており、新たにイタリアンHMバンドMASTERCASTLEで近年バッキングヴォーカルを聞かせた、イタリアン・パワメタ・バンドODYSSEAの元ヴォーカリスト Andrea“Ranfa”Ranfagniを後任に迎え、バンドメンツ全員がイタリア人の布陣に落ち着いた模様です。

因みにMASTERCASTLEは、元LABYRINTH、NECRODEATH、ATHLANTIS他の Pier Gonella(G)と、元SHADOWS OF STEEL、ATHLANTISの Steve Vawamas(B)等による女性ヴォーカリストをフロントに据えたイタリアン・ネオクラHMバンドなので、ご興味ある方は一度チェックしてみると宜しいかと。

また、この2ndでは2曲だけ Tony Martinがゲストで歌声を披露しており、他にも1曲SNAKES IN PARADISEのヴォーカリスト Stefan Berggrenがゲストで歌声を披露しておりますので、彼の脱退でガッカリしたファンの方も『だったらもう2ndは要らないや』と聞かずにSILVER HORSESの2ndを無視するのはお薦め出来ません。

個人的には、この2ndにSNAKES IN PARADISEの Stefan Berggrenがゲスト参加していた事が全く予想外な嬉しい驚きでした。

恐らくイタリアン・メロハー・バンド作を数多くリリースしているドイツのメロハーレーベル AVENUE OF ALLIES企画による Stefan Berggen参加のプロジェクトバンドREVOLUTION ROADの制作時にイタリア人ミュージシャンが招かれていた経緯で Stefan Berggrenとイタリア人ミュージシャンのコミュニティに繋がりが出来、その関係で元白蛇メンバー等によるバンドTHE COMPANY OF SNAKESでの活動や元URIAH HEEPのドラマー Lee KerslakeとのコラボHRバンドBERGGREN KERSLAKE BANDでの70年代ブリティッシュHRサウンドにドンピシャなイブシ銀の魅力漂う歌唱スタイルが Gianluca GalliをはじめSILVER HORSESの面々の耳にとまってゲスト参加を打診、みたいな流れなんでしょう。きっと。

もしかしたら Tony Martinの後釜に、同じように既に知名度のあるミュージシャン Stefan Berggrenを迎え“売り”にしようとしたバンド及びマネジメント側の策(実際、数曲の歌詞と歌メロが彼の手による)だったのかもしれませんけどね。

まぁ、2ndのZEPテイストが強まったサウンド(モロZEPなリフや、パーシーまんまなシャウトは如何なモノかと…)には、Robert Plant風ハイトーン・シャウトを頑張って聴かせる(地味に数種類の歌声を使い分ける器用系?) Andrea Ranfagniの方が結果的にはマッチしていると思うので、仮に Stefan Berggrenが加入していても2ndの方向性にはマッチしなかったでしょうけど…

サウンド全般のモダンさが増しているのと、オルガンが鳴る典型的70年代風の楽曲や、女性バッキングコーラスがいい味を出してる曲、お約束なオリエンタル風メロディのバナキュラー臭が香るアコースティックでミステリアスな楽曲、ゴスペル風な分厚いコーラスをバックに従えたリズミカルなブルーズ・ベースなサウンド、ムーディーで雰囲気ある古典的なブルージー・サウンド、定番のZEP風ハードブルーズ、そしてアコースティカルな楽曲等々と1st以上に幅広く様々な趣と味わい深い70年代指向サウンドを聞かせ、何より大きな変化であるフロントマンの交代がもたらした影響でか、Andrea Ranfagniの歌声は Tony Martinのようなロートンの魅力は劣るものの、逆に Tony Martinでは出せぬストレートに伸びる甲高い金属的な歌声が特徴的で、強引に例えるならばデビュー作がLED ZEPPELIN+WHITESNAKE風なら、2ndはブルーズをベースに音楽性が拡散したLED ZEPPELIN風へバンドサウンドが移行(ジャケがモロにZEP風なのはヤリ過ぎw)した、そんな風なイメージと言えば伝わりますでしょうか?

1st、2nd共にお気に入りなアルバムですが、どうにもプロモーション不足と言いましょうか、売りだった Tony Martinが既に居ないという現状や、新人バンドなんだけど派手さ皆無なサウンド、しかもイタリアお得意のプログレや臭メタルじゃなく70年代風ブルーズHRって…という状況もあってか、イマイチSILVER HORSESの存在自体がHR/HMファンに知られていないようで悲しいのが現状であります…orz

日本じゃ全く知名度皆無な彼等ですが、TIME MACHINEで披露したネオクラ早弾きプレイが嘘のように、Gianluca Galliが泣き泣きの枯れた渋いブルーズギターを切なく掻き鳴らしていて、70年代HR好きには堪らないンすよ~♪(*´ω` *)

殆どその存在と情報が日本へ伝わってこないイタリアン・ブルーズHRバンド群ですが、本作自体の出来は決して他のユーロ圏のバンドに劣る訳ではありませんので、是非ともこのまま堅実に活動を続けて欲しいものです。

それにしてもジャケデザインはオリジナルの方が雰囲気もあって格好良かったのに…なんでこんなWHITESNAKEかSNAKES IN PARADISEのBOOTかパチモンみたいな劣化激しいチープなデザインのジャケでリイシューしたんですかね…謎すぎる…

確かにオリジナルのデザインはモダン過ぎて70年代ブルーズHRっぽくないと言えばそうかもだけど、だからってコレは無いよなぁ…('A`)c0072376_16455689.jpg

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by malilion | 2018-10-29 16:36 | 音楽 | Trackback

オランダHMバンドPICTUREの問題作の5thって、SWEETっぽくね? って実は思ってたりして

c0072376_20481443.jpgPICTURE 「Traitor +3」'85

PICTUREの『Every Story Needs Another Picture』をお薦めしたので、コレも合わせてご紹介。

既に述べたように、本作はオランダが誇る最古参の正統派HMバンドによる'85年リリースの5thアルバムな訳ですが、本作を堺に彼等のファンを止めた、というメタルヘッドな諸兄が多々居ると言われる(今から考えると、裏切り者ってタイトル、自身の変節を自覚してたって事なんですかね…)曰く尽きの一作だ。

因みにマイナーMHバンド発掘再発でその筋には有名なDivebomb Recordsによる初CD化(今までブートが出回ってましたねぇ…)で、なんとリマスター&ボーナストラック3曲追加収録での再発となっているのでオリジナル・アナログ盤をお持ちの方でも手を出しても安心な一品に仕上がっております。

『Every Story Needs Another Picture』は板起こしなのに、こっちはマスターがあったんですね…orz

初代ヴォーカリスト Ronald van Prooijenに代わって新たにフロントマンに招かれた、DIO風な野太い歌声を聞かせたイスラエル人ヴォーカリスト Shmoulik Avigalはファンに好評だったものの、マネジメントと衝突したのが原因で3rd『Diamond Dreamer』'82のみでバンドを解雇され、続く4thアルバム制作前にLIVEでのサウンドの厚みを増強する為にとセカンドギタリスト Chriz Van Jaarsveldを迎えたツインギター5人組編成となり、三代目フロントマンに Pete Lovellを新たに招き『Eternal Dark』'83 は制作される予定であったが、個人的な理由(諸説あり。追い出され説もある…)により創作面での中心人物であったギタリスト Jan Bechtumが脱退し、ツインギター体制を維持する為に新たなギタリストに Henry van Manenが加入して4thは制作される事に。

2人の新ギタリストは技術的に Jan Bechtum以上のスキルを持ち合わせていた事もあって、それまで単純明快なリフで押す無骨で男臭い垢抜けぬマイナー臭さプンプンなサウンドだったのが、よりヘヴィでテクニカル、そしてメロディアスでファストなサウンドへ大幅に音の質が変革し、結果的にPICTUREバンド史上最もウェットなメロディとスピーディさ、そしてダークでスリリングな新たなユーロHMサウンドを提示し、バンドレベルをワンランクアップさせる事に成功する。

最もHMファンに支持されるこのファストなユーロHMサウンドをさらに発展させたメタリックサウンドを披露するかと思われた彼等だが、USAを中心に盛り上がりを見せるグラム臭のするLAメタルムーブメントや、全世界を席巻するポップで華やかな産業ロックが持て囃されるバブリーな情勢を意識したのか、レーベル側からのプレッシャーがあったのか、これまで不器用ながらもひたすら真摯にハードサウンドを奏でてファンベースを拡げてきた彼等が、まさかのポップロックへ急接近し、バンドカラーを変更した軽めな産業ロック寄りのサウンドを披露したバンド史上最大の問題作であり、バンドの命運の分岐点でもあったのが本作である5thアルバムだ。

以前の荒々しくもダークでファストな彼等のサウンドを愛していた古参ファン達から総スカンを食らった本作だが、今の耳で改めて聞き直してみると、散々叩かれる程にポップでもなく、ちゃんとメタリックなエッジをサウンドに残しつつ、歌メロをよりポップで朗らかな方向性へ寄せたサウンドで、正直そこまでドポップ(てか、コレでポップって、じゃあ今までどんだけマイナーで売れ線からたハズレたサウンドだったんだ、っていう…)でも“売れ線”でもない、ぶっちゃけ『産業ロックに魂を売った!』なぁーんて罵られるのが不思議なくらいしっかりHMらしさのあるノイジーでエッジある流暢なギタープレイやタイトなボトムが響いている良作だと思えるのです…

個人的には Pete Lovellの少し荒れたストレートでパワフルな歌唱や、ポップなコーラス、ハモリを多用した流暢なギターといい、ドタバタした畳みかけるドラムといい、ちょっとSWEETっぽく聞こえたりして、本作に悪印象は全くありません。

それにしても、本作を最後に脱退した Pete Lovellが続いて加入したEMERGENCYで披露したサウンドの方がヴォーカルアプローチもバンドサウンドの完成度も断然上な産業ロック風味増し増しのキャッチーでメジャー指向なHMサウンドなのが、皮肉と言えば皮肉ではありますね。

続く一気に産業ロック&ポップHM化が加速するアルバムの完成度や華やかさに比べ、初期からのダークなHMサウンドと新たな流行のポップHMサウンドの折衷案的な中途半端さが残るサウンドで、スリリングさも今一つ、キャッチーさのキレもイマイチなのは否めないものの、やはりバンドのこれまでのファンベースに支持されていたサウンドを考えると、そんなに器用でない彼等が器用に変わり身をして時流へ乗ろうとして乗り切れなかった……簡単に言うと“タイミングが悪かった”って言葉に集約されるような気が今ならする一枚ではないでしょうか……

因みにボ-ナストラックは、Fantasies (Long Version)、Bombers (1985 Version)、Rock On Tonight、の3曲となっているので、オリジナルLPをお持ちの方でもリマスターでクッキリ鮮やかになったアルバム本編に加え、オリジナルLPには未収録の音源もありますので、以前のネガティヴな感情や記憶を今一度整理し、もう一度本作をチェックして見てもいいのでは?

この後、Rinus Vreugdenhil(B)と一緒にバンドを立ち上げ長らく活動を共にして来た Laurens Bakker(Ds)は、妻や双子の子供を抱えながらのツアースケジュールの厳しさや、レーベル側からの商業的成功に対するプレッシャーに耐えきれずバンドを脱退してしまい、オリジナルメンツは Rinus Vreugdenhil唯一人となってしまう。

Rinus Vreugdenhilのみ残ってからバンドがリリースしたアルバムには既に初期の作風は残っておらず、レーベルが指示する売れ線狙いなサウンドの要求に Rinus Vreugdenhilはウンザリしてしまい、結局7thアルバム『Marathon』を最後に残しバンドは89年に解散した。

この業界でよく耳にする、レーベルの意向でバンドの音楽性がおかしくなり、遂には活動もままならずに解散、という悲劇のバンドの典型的な流れに涙を禁じ得ませんね…(つд`)

その後のPICTUREについて少し記しておくと、実は88年に元メンバーが密かに集い、再結成を画策するのですが、この時はマネージメントの下手な仕事で再結成の話は立ち消えになり、しばしの時を経て、07年にクラシックラインナップでの再結成が再び試みられ、オリジナル・ヴォーカリストの Ronald van Prooijenが尽力するものの、マネジメントには Shmoulik Avigalか Pete Lovellでの再結成を要求さてれしまう…('A`)

翌、08年に Jan Bechtum(G)、Rinus Vreugdenhil(B)、Laurens Bakker(Ds)、Rob van Enkhuizen(G)、Pete Lovell(Vo)という以前のメンツを中心としたラインナップで再結成が成され、バンドはヨーロッパでのツアーを開始し、その時の様子が後に限定盤ライブアルバム『Live 2008』'08としてリリースされる。

09年10月1日にMarsMountainsレーベルから再結成第一弾スタジオアルバム『Old Dogs、New Tricks』がリリースされ、順調に活動が続くかに思われた矢先、09年12月に Jan Bechtumがバンドを再び脱退(!)し、後任に Peter Bourbonなる新人ギタリストが迎えられた。

こうなってくると色々と雲行きが怪しくなってきて、翌年10年初頭に Rob van Enkhuizenもバンドを脱退し、後任に Gert Nijboerなるギタリストが迎えられ、再結成バンドのツインギターがそっくり入れ替わってしまう事態に。

11年には、その Gert Nijboerがアメリカ人ギタリスト Mike Fergusonにチェンジとラインナップは一向に安定しないものの、次なるスタジオアルバムの制作に取りかかり、再結成第二弾アルバム『Warhorse』'12が無事リリースされる。

再びツアーが始められるものの Peter Bourbonが脱退し、すぐオランダ人ギタリスト Len Ruygrokが加入するものの、数ヶ月後には彼も脱退し、初期バンドメンバーであったギタリスト Andre Wullems(G)がバンドへ加入、と本当にギタリストの座が安定しない状況へ…

この状況に嫌気がさしたのか、16年3末日に Pete LovellはLOVELL'S BLADEなる新バンドを結成する為に Andre Wullemsと Mike Fergusonの二人のギタリストを引き連れてバンドを脱退。

残された Rinus Vreugdenhil(B)と Laurens Bakker(Ds)は、Ronald van Prooijen(Vo)とJan Bechtum(G)を再びバンドへ迎え入れ、加えて新人ギタリスト Appie de Gelderを加入させ、初期バンドに一人ギタリストを加えた新たなツインギター編成のバンドとして活動を今も継続させている。

因みに再結成に関わっていない二代目ドラマー Jacques“Shake”van Oevelenは、16年7月に鬼籍になってしまった…R.I.P.



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by malilion | 2018-10-25 20:42 | 音楽 | Trackback

半年遅れで購入、PRAYING MANTISの新作『Gravity』デス

c0072376_00124433.jpgPRAYING MANTIS 「Gravity」'18

英国NWOBHMムーヴメントを代表する哀愁の叙情派ツイン・リードギターHMバンドの約3年ぶりとなる待望の新作を今頃(汗)購入したので、ご紹介。

いつでも安心安定な“マンティス節”を披露してくれる彼等の新譜、そう焦らずとも大丈夫と、後回しにしまくってたら毎度の事ながらこんな事になってしまいました(スマヌ

前作でフロントマンとドラムスが John“JayCee”Cuijpersと Hans in't Zandtのオランダ人二人へチェンジした彼等ですが、なんと久しぶりにメンバーチェンジが行われず(!)本作は前作と同じメンツでのアルバム制作となっており、一体いつ以来の快挙なのかと驚かされましたよ(汗

そして、そんな充実したメンバー間の信頼があってこそなのか、本作のサウンドはある意味でこれまでで一番の問題作とも言える変化を示した冒険作と言えましょう。

前作の紹介の時にも述べたが、IRON MAIDENのトリビュートバンドで歌っていた姿と歌声がバンド勧誘への切っ掛けになっただけあって John“JayCee”Cuijpersの如何にもHMバンドのフロントマンと言うワイルドな風貌と、その野太く朗らかな王道HMヴォーカル・スタイルに違和感が隠せなかった訳ですが、本作ではAOR要素も巧みに取り込んでさらに音楽性が進化し、ストレートな80年代風HM歌唱を活かした、よりブライトでポップ、そしてキャッチーでフック満載な本作の楽曲は、これまでのマイナー調の憂いと翳り、そして哀愁のメロディが売りだったMANTISサウンドを一気に陽気さ漂うメジャーサウンドへ塗り替えてしまった、バンド始まって以来最大の異質さとさえ言える王道HMなイメージが色濃い作品となっており、旧来からのファンにとっては前作で薄々感じていた違和感が突如として巨大な壁になって目の前に迫って来たかのように思えるのじゃないだろうか?

ただ、個人的にはこのメジャーサウンドへ接近したポップ感とAOR風味増し増しの新機軸なMANTISサウンド、嫌いじゃありません。
っていうか、大好物な甘々サウンドだー♪(*´ω` *)

再結成以降、未だ彼等の最高傑作アルバムと呼ばれ続ける3rd『A Cry For The New World』'93 で示した哀愁の美旋律サウンドと繊細でウェットなメロディアスHMの方向性にいつまでも縛られる事なく、遂にここまでバンドサウンドを変化させた勇気と、さらなる進化を恐れなかった Tino&Chris Troy兄弟の飽くなき探究心に拍手喝采を送りたい。

勿論、全く以前の音楽性が失せた訳ではなく、本作でもセンチメンタルなメロディを奏でる華麗なツイン・リードが炸裂する“マンティス節”と疾走するHRテイスト、そして美しいコーラスを特徴とする湿り気を帯びたマイナー調のブリティッシュHM的メロディアスさは健在だが、本作に置いてはメインの音楽性として表現されてはおらず、この新譜では前々作からその影響の色濃さを増しつつあったAOR風味な柔和でコンパクトな楽曲、メンバー全員がコーラスを取るキャッチーで分厚いフックある歌メロ、さらにワイルドで朗らかな John“JayCee”Cuijpersのパワフルなガナリ声とHMらしいシャウトがもたらすメジャー路線でブライトな音楽性がアルバム全体のカラーを決定づけており、以前の哀愁のMANTIS節が程良くブレンドされた徹底的にヴォーカル・ライン重視の甘口メロハー&AORサウンドがバンドサウンドの基本へと生まれ変わっていて、そこには最早マイナーで不運続きだった日陰者なイメージもNWOBHM臭も失せている。

このサウンドの変化の影の立役者なのは『Sanctuary』'09 制作時より加入しバンドに馴染んできた Andy Burgess(G、Key)の一層の音楽的貢献が大きいのは楽曲制作クレジットを見れば明らかで、John“JayCee”Cuijpersという野太い歌声のパワフルな典型的HMシンガーを得た事によって Andy Burgessのインプットが加速し、結果的にそれらの影響を Tino&Chris Troy兄弟が否定せず受け入れ、よりポップでメジャーな方向へサウンドを変化させ、突き進むのを躊躇わなかった英断がなによりも評価されるべき事だろう。

古参ファン程、この新譜の方向性には戸惑いを覚えるに違い無いが、いつまでも同じ音楽性に留まっている事は死を意味するし、守りに入ったマンネリ作品を延々ファンに買わせるなんて不誠実過ぎると Tino&Chris Troy兄弟ならずともアーティストを自覚するミュージシャンならば誰もがそう思うはずだ。

メンバーが不安定なまま日陰者のマイナー調メロハー・アルバムを息も絶え絶えに再びいつ解散するかと危機感と不安に苛まされながら活動する彼等の姿を見るより、イメージチェンジしてでもメジャー志向なサウンドでメンツを安定させてバリバリ活動して欲しい、そう応援したくなるいつもいつもアンラッキーにつきまとわれている彼等なのです。

しかし、一度目の解散の後、新バンドを立ち上げメジャーレーベルと契約する為に四苦八苦し、音楽性もメンツも幾度もブレさせてさえ欲し試行錯誤し遂に手にする事が適わず歴史の闇へ消えたと思っていたメジャー指向なサウンドが、これだけの年月と苦難を経てまさか本作で結実しその姿を現す事になろうとは…古くから彼等の活動を追うファンならば涙無しには本作を聞けませんよね…(つд`)

当然、変化の代償に失ったものの大きさはファンならば即理解するでしょうし、幾分サウンドに深みや艶やかさが薄れ、若干楽曲にメリハリが欠ける感やHRバンド的にインタープレイが少な目だったり全体的にサウンドのエッジや勢いが失せた等々の不満点を上げだしたらキリがないが、願わくばこのまま安定したメンツで一日でも長く活動を続け、早めに次作を届けて欲しい、そう切に願うバンドなのでした……



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by malilion | 2018-10-23 00:07 | 音楽 | Trackback

北欧の夢劇場超えプログHMバンドSEVENTH WONDERの新譜をご紹介!

c0072376_21195965.jpgSEVENTH WONDER 「Tiara」'18

スウェーデン期待の新星としてその活動が注目されていた5人組プログレッシヴHMバンドの8年ぶりとなる5htアルバムがやっとリリースされたのをちょい遅れてGET!

遅ればせながら前作から彼等の活動を追いかけはじめた訳だが、ドライでゴリゴリにヘヴィなサウンドへ様変わりして幻滅させられ続きな夢劇場に2nd以降は進んで欲しかった、ユーロ圏バンド特有のウェット感と美しいメロディアスさが光るキャッチーでコンパクトな楽曲が詰め込まれ、ヘヴィなエッジもしっかり保ったHMアルバムの傑作に出会え、『このバンドが居るなら、もう夢劇場なんていらねぇ!』と、歓喜していただけに、まさかこんなに新作を待たされるとは思ってもみませんでした…orz

USパワー・メタルバンドKAMELOTのフロントマン Roy Khanが療養の為、LIVEの助っ人としてノルウェーのCIRCUS MAXIMUSのフロントマン Michael Eriksenと並んで抜擢されツアーに助っ人参加していた二代目フロントマン Tommy Karevikが、まさかの Roy Khan脱退後にKAMELOTのフロントマンとして電撃加入(!?)する事になるとは…

しかも、Tommy KarevikはSEVENTH WONDERには在籍したままでのKAMELOT加入というのが事態をややこしくする…

悲しいかな知名度的にも商業的成功的にもKAMELOTの方が上な現状、どうしたって Tommy KarevikはKAMELOTの活動を優先せざるおえぬ状況になり、SEVENTH WONDERの新譜制作が遅れに遅れて、まさかのBOSTONばりな8年の間隔が空いてしまった模様だ。

それだけ待ってでも Tommy Karevikはバンドとして手放したくない得がたい人材なのは分かるけど、SEVENTH WONDERファンとしちゃ堪ったモンじゃないよねぇ('A`)

しかも、同じ年にKAMELOTも新譜をリリースした為、既に完成に漕ぎ着けていた本作のリリースを遅らせ(られ)たなんて事まで分かってしまうと尚更でしょ?

つーか、正直このままだと、遠からず彼は脱退するんじゃないのかなぁ…とか、思ったりして…(汗

そんなリリースに至るまでのすったもんだはあったものの完成までにタップリ時間をかけられた為か、待望の新作である本アルバムは前作以上に丁寧に造り込まれた感が強く、KAMELOTでの短くない在籍期間で培った経験も活かされたのか、Tommy Karevikの一層に多彩さの増した表現力と抜群の歌唱力が光る一作と言え、お得意のコンセプトアルバムである事も手伝って、テクニカルでスリリング、それでいてコンパクトでキャッチーという複雑な要素が高次元でモザイク画のように結実した、神秘的で叙情感タップリなプログレッシヴHMサウンドが圧巻のスケール感を伴って展開され、本当に待ちに待った甲斐のある素晴らしいアルバムの一言に尽きる仕上がりだ。

人類を太古から監視していた上位の存在と、人類を救うためにつかわされた少女を軸に独自の世界観が構築され物語が展開していく本作、ある意味で定番のプログレ的SFストーリーであり、HMバンド的見ても予想外と言えぬ終末世界観的コンセプトながら、当然そこは彼等なりのオリジナルな展開や楽曲構成でもって表現していく訳だが、キャッチーでメロディアスな歌メロと重厚でテクニカルな楽曲という基本路線は変わらぬものの、本作はその壮大なコンセプトに引っ張られたのか、フロントマン不在で思うように進まぬ活動によるフラストレーションを抱えたままでの長期(過ぎる)制作期間であった事も影響したのか、それともさらなるメジャー展開を狙ってなのか、幾分かサウンドの質が変わったように思えるのです。

初期の北欧バンド特有なマイナー調な翳りというか垢抜けぬインディ臭のようなものは既に前作で姿を消し、代わって提示された高度に精錬された美旋律と隙無く紡がれる叙情詩、そしてテクニカルな演奏技術との融合は、A級バンドへ名乗りを上げても少しも違和感ない完成度だったのですが、本作はパワメタなサウンドのKAMELOTとの差別化を意識したのか、幾分軽めでスマートな耳障りの良いサウンドへ纏め上げられており、特に顕著なのが Johan Liefvendahlのプレイするギターサウンドからメタリックさとヘヴィなエッジの感触が減ったように聞こえ(意図的にMIXで引っ込めた?)るのと、代わって壮大でミステリアスな世界観を表現するのに大活躍なのが Andreas "Kyrt" Soderinの操るキーボードで、SEに情景描写にと物語の独特な雰囲気を伝える為の重要なキーポジションを占めていて、これまで以上に幻想的で華麗なサウンドメイキングへの貢献度が上がっているのが一聴して分かり、さらにメインでコンセプトを構築しメインソングライターでもある創設メンバーにしてリーダーの Andreas Blomqvistのトリッキーでタイトなベースプレイも今までに増して前面へ押し出されており、巧妙で緻密な構成が施された楽曲の上でリズムに、メロディにと、抑えきれんばかりなエネルギーを刻みつけているのがビンビン伝わってきて実に小気味良いんだなぁ~(*´ω` *)

期せずして不穏な空気を孕んだバンド内の雰囲気を反映したかのような危機感(ファン的には嬉しくないが…)の募るコンセプト作である新譜がやっとリリースされたばかりで気の早い話なのは重々承知しておりますが、前作以上に複雑さとキャッチ―さの両立を高次元で成し遂げつつ、より一層に聴き易くなるようなポピュラリティの高いメジャー寄りなサウンドへ磨き抜かれた本作の方向性が、コンセプト作の本作のみで終わるのか、それとも次作でさらにこの路線を推し進めるのか、実に興味は尽きませんね。

出来る事なら次なる新作はこんなに間を空けず、そしてフロントマン Tommy Karevikの熱い歌声が聞こえる傑作アルバムが届けられる事を祈って……

そうそう、そう言えば外盤のジャケデザが違うようですが、まぁコンセプト作としては日本盤の方が分かりやすいですよね。c0072376_21202889.jpg

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by malilion | 2018-10-22 21:13 | 音楽 | Trackback

オランダ産幻のメロハー・バンドEMERGENCYの唯一作をご紹介。

c0072376_14460479.gifEMERGENCY 「Martial Law」'88

'86年に結成されたオランダ産キーボード入り5人組メロディアスHRバンドによる'88年リリースの唯一作(スイスにも同名別HMバンドが存在する)がPICTUREの再発でお馴染みなマニア御用達レーベルDivebomb Recordsより16年に500枚限定でリイシューされていたのを思い出してご紹介。

少数プレスの限定盤だったはずだが、実は最近でも購入する事は可能な模様で、実際はその後も幾度か追加プレスされて最終的に1000枚以上は出回っているのじゃないだろうか?
まぁ、売れると分かっている商品をたった500プレスで終わらすような愚かな商売人はいないものね。でも、限定の意味ねぇ…('A`)

本作はリマスターが施されているもののリイシュー盤の常と言えるボートラや未発曲等の類いが追加収録されていない。残念…orz

ZINATRA、DEF LEPPARD等を手掛けた Erwin Musperのプロデュースの下、メジャーレーベルARIOLAからリリースされた本作は当時からメロハー愛好家の間では有名な一枚で、北欧HM風なキラキラしたキーボード、透明感あるメロディ、青さ丸出しだが爽快感ある分厚いコーラス、そして Pete Lovellのフックある歌メロとハードエッジがありつつスピーディでキレのあるコンパクトにまとまったキャッチーな楽曲と、ウェストコースト要素の正反対なマイナー調のウェットなメロディがメインなユーロ風AOR作や、ALIEN、TREAT、TALK OF THE TOWN、初期BAD HABIT、ZINATRA、SHY、初期EUROPE等にも通じるウェット感ある甘口のメロディアスHMな作風は実に日本人好みで、80年代北欧HMとNWOBHM風な荒々しさが程良くMIXされAOR風味がまぶされた、それらの要素が他の作風要素を一切スポイルすることなく奇跡のバランスで結実したサウンドは評価が高いのも納得の出来と言え、本作だけを残して歴史の闇へ消えてしまったのが本当に残念でなりません。

PICTUREの4th『Eternal Dark』と5th『Traitor』に歌声を残して脱退した Pete Lovellが本作に参加し、そのストレートでパワフルなヴォイスを遺憾なく発揮しているが、当時PICTUREが所属するレーベルからのプレッシャーで所謂産業ロック的な“売れ線”を強要され、嫌気がさして脱退したと聞いていたのに同じようなキャッチーでメロディアスなサウンドを演るEMERGENCYへ加入!? と、驚いたものですが、そのサウンドを今になって聞き比べてみると、PICTUREの『Traitor』は些かぎこちなさの残る産業ロック路線へ接近した中途半端なメロディアスHMだったのに対して、EMERGENCYの方はキャッチーながらも未だモダン化しておらぬ荒削りなNWOBHM臭がそこかしこに漂うオブスキュアなメロディアスHRサウンド、今で言う80年代北欧B級HM群に通じるマイナー臭漂うユーロテイストなメロハー・サウンドに近く思え、まぁ、確かに方向性が違うのですが…その微妙な差が Pete Lovell的に重要だったのかも…?

実際の所はきっと創作活動における自主的か強制されてか、というポイントが重要で、メロディアスなHMサウンドの方向性自体に嫌気がさした、って訳ではなかったのは、本作でのキャッチーでメロディアスな楽曲での、PICTUREでの活動を吹っ切るかのような生き生きした歌いっぷりを耳にすれば誰もが納得するのじゃないでしょうか?

今の耳で聞くと只の欧州風ハードポップなんですが、ギターだけちょっとメタリックな音を立てているサウンド、って程度で、スピーディな楽曲もメチャ速い(そもそもスラッシュメタルが市民権を得る前だし)なんて事はなく、昨今のハードだヘヴィだ、スピード&ファスト! なーんてゴリッゴリのHMサウンドの前では軟弱極まりないサウンドに分類されちゃうんですが、当時はDEF LEPPARDの『Pyromania』'83が全米でブレイクし、シングル「Photograph」が世界中でガンガンかかるのを皮切りにキャッチーでポップな耳障り良いブライトサウンドなHMが持て囃されていたバブリーで華やかな時代だったので、EMERGENCYのサウンドでも十分にハードなHMサウンドとポップサウンドの折衷HMサウンドとして通用したんですよねぇ~(*´ω` *)イイ時代だったなぁ…

あっさり解散していなければ輸入盤で評判になって、絶対に後々で日本盤もリリースされただろうに…活動ベースがオランダでなければワンチャンあったかもしれないと思うと、本当に残念でなりません。

メジャーレーベルからリリースされたのが災いしたのか、近年までリイシューされる事がなかった名盤ですが、今なら比較的確実に入手する事が可能な一作ですので、ご興味ある方は一度チェックしてみて下さい。

精巧なリプロ盤(海賊コピー盤)も存在するようですので、Divebomb RecordsのCDかどうかチェックした上でご購入下さい。


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by malilion | 2018-10-18 14:31 | 音楽 | Trackback

オランダ最古参HMバンドPICTUREの未CDアルバムが遂に再発!

c0072376_13191423.jpgPICTURE 「Every Story Needs Another Picture + Marathon」'86 '87

近年再結成され現在も活動中の、79年結成とオランダ初のHMバンドと言われている今やベテラン中のベテランバンドの長らくCD化が待たれていた6thアルバムが当時リアルタイムで唯一CDリリース作であった7thとカップリング2in1CD(楽曲カット無しで一枚へ完全収録!)にて待望のオフィシャル再発(!)となったので、そそくさとGET!

オフィシャル再発は目出度いのだが、残念な事にデジタルリマスターでもなく、当然リミックス等の作業も行われておらず、ピチパチノイズが入る所をみるとマスター消失からの板起こし盤な疑いが強い残念な再発盤だ…orz

まぁ、海賊盤を抜きにしてこれまでCDで聞く事が叶わなかった6thがこうしてリリースされたんだし、それだけでも良しとしましょう…

これで彼等の再結成前のオリジナルアルバム7枚は全てCD化された事になるので、ともかく今の若いHMリスナーでも彼等の音楽に気軽に触れる事が出来るようになったのは喜ばしいですね(*´ω` *)

なにせ他のオランダ産HMバンド達と比べキャリアでは一日の長がある彼等ですが、如何せん知名度が低いのです。ここ日本では特に。

オランダのHMバンドでここ日本で最も知名度があるのは、後に白蛇へ加入する Adrian Vandenberg(G)が率いていた日本人好みな哀愁のメロディと全世界的に旺盛を極めていたポップHM的キャッチーな楽曲が耳を惹くVANDENBERG、そして今やヨーロピアン・ロック・オペラプロジェクトとしてその名を轟かすAYREONを率いる Arjen Anthony Lucassen(G&Vo)が在籍していたVENGEANCEくらいで、あと幾つか有望なバンドが存在するもののさらにマイナーな扱いであった事は否めないだろう…

PICTUREはそれらのバンド達より1世代は前のキーボード入り5人組バンドで、当初は70年代風な野暮ったいチープなHRサウンドを鳴らしていたが、NWOBHMの影響を受けてか2nd以降は作を重ねる毎によりハードエッジでウェットなメロディが冴えるユーロピアンHMサウンドへサウンドが磨かれ練度が上がり、そのままHM街道を愚直にひたすらファスト&ヘヴィに突き進むのかと思いきや、'85年リリースの5thアルバム『Traitor』でサウンドが一気にメジャー指向へ激変し、ポップ度とメロディアス度が増すと言う世界的な時流である煌びやかでキャッチーな産業ロック&ポップHM的サウンドへと様変わり(今から考えるとソレ程ポップでもキャッチーでも無い音なんスけどね…)し、デビュー当時からのファンを失意のドン底(汗)へ突き落としたのも今となっては懐かしい話ですね…

6th、7thアルバムはバンドがその売れ線のアメリカナイズされたサウンドへ最も接近していた時期のアルバムなので、これ以前のアルバムはマイナー・ユーロHMサウンドでイマイチ好みでない、という方でも所謂80年代的華やかでキャッチーなメロディアスHMがお好きな方なら気に入るだろうサウンドだと言えます。

もうお気づきかと思いますが、彼等がマイナーな存在であった理由の一つはこの音楽性の変化も大きな原因であったのは間違いないでしょう。

初期の彼等のサウンドが好きなファンは、ゴリゴリなハードドライヴィンでもない甘々にドポップでもない程々にメロディアスでスピーディな楽曲、男らしい無骨さとタフさが漲る単純明快なリフ主体の、メジャーレーベルがこぞってHMバンドを売り出していたメタル全盛期であるアメリカンでバブリーなイメージの80年代直前にだけ存在した、純粋で無垢、そして不器用で実直な、アンダーグラウンド臭も漂うオールドスタイルなユーロHMサウンドに胸焦がれたんでしょうから、ソレが一気に売れ線狙いなサウンドへ変化しては目も当てられなかった事でしょうねぇ…

また彼等が今一つマイナーな存在に留まらざる終えなかった最大の要因は、バンドメンツの入れ替えが激しかった(立ち上げメンバーの Jan Bechtum(G)が追い出されたり、最終的にベーシスト Rinus Vreugdenhilだけ残る…)のに加え、アルバム毎にフロントマンが変わる、と言える程にヴォーカリストの変遷が激しいかったのが最大の要因なのは疑いようもありません。

実際、三代目ヴォーカルの Pete Lovellは『Eternal Dark』'83 『Traitor』'85に歌声を残して脱退(EMERGENCYへ加入)し、続いて四代目フロントマンとして迎え入れられたのが元VANDENBERGのリードボーカルだった Bert Heerink(6th時点では正式加入ではない…謎)で、彼の持ち込んだ音楽的影響が大きかったのか彼のブライトな歌声がそうさせたのか、『Every Story Needs Another Picture』'86からアルバムのメロディアス度がまるで別バンド(メンバーはレーベルの命令が不服で殆どのテイクをスタジオミュージシャンがプレイしたって噂、ホントなんですかねぇ?)のように一気にアップし、キャッチーでフックあるメジャーな80年代HMバンドに相応しいメロディアスHMサウンドを披露するに至ったのだが、これだけのサウンドの変化とバンドの変節についていける古参ファンは少なかったのか、さらにメジャー志向が強まった続く7th『Marathon』では、キーボードを大々的にフューチャーしたゴージャスなLAメタル風サウンドを披露したもののファンの支持は失せ、売り上げ的にも望む結果が得られなかった(そもそもレーベルがバンドに売れ線を要求しプレッシャーをかけたのが低迷の原因なのに…)のか、バンドはその活動を一端終える事に…

個人的には初期サウンドも後期サウンドも気に入っていたので、今回の再発はまさに待望、って感が強いのですが、改めてこうして本作に耳を傾けると、ZZ TOPのパクリ的なノリや、モロにDEEP PURPLEをパクったりが耳について思い出し笑いのような苦笑せざる終えませんでした(w

今になって思うのは、リフ主体の攻撃的な楽曲をベースにしつつ、女性バックコーラス等も活かし、如何にもメジャー的なアメリカンHM風要素を巧みに組み込み、ベースがマイナー・ユーロHRだったバンドがメンツを変え、フロントマンを変えして不器用ながら苦心してサウンドを流行にマッチさせ、アルバムの完成度を上げして、メジャーシーンの激流へ挑んだ作品と捉える事も出来て、実に感慨深いものがありますねぇ…

初期サウンド云々抜きにして、80年代のメジャーシーンを賑わしたポップでキャッチーなHMがお好みな方は一度チェックしてみても後悔はしないと思いますよ。

ここで述べましたように(未だに)マイナーバンドな彼等の旧作リイシューですので、そうプレス数も多くないでしょうから、入手困難になる前に素早くGETしておくのをお薦めします。

因みに三代目ヴォーカリスト Pete Lovellを擁するメンツで再結成を果たし、LIVE活動も行っていた彼等の最新のラインナップは、

Ronald van Prooijen(Lead Vocals):初代ヴォーカリスト
Rinus Vreugdenhil(Bass Guitar):唯一のオリジナル・フルメンバー
Jan Bechtum(Guitars):バンド創設者
Appie de Gelder(Guitars)
Laurens “Bakkie” Bakker(Drums):オリジナルドラマー

と、なっている。

もう皆いいお爺ちゃん、って風貌だが、気合い入りまくりでHMを今でも演奏し続けてくれているのが嬉しいですね(*´ω` *)



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by malilion | 2018-10-11 13:11 | 音楽 | Trackback

北欧メロハー SNAKES IN PARADISEが再始動作を16年ぶりにリリース!

c0072376_17564682.jpgSNAKES IN PARADISE 「Step Into The Light」'18

北欧スウェーデン産メロハー・バンドの再始動第一弾となる16年ぶりの4thアルバムがリリースされたので、ちょい遅れてGET!

一度脱退したものの今回バンドへ復帰した Stefan Berggenが、さらに円熟味の増した絶品のソウルフルなディープヴォイスを期待通りに披露してくれて、もう最高デッス♪('(゚∀゚∩

キーボード入りツインギターの6人編成で94年にデビューアルバムをリリースし、キャッチーながらソウルフルな Stefan Berggenの歌唱スタイルと“軽めなデビカバ”ってな感じのディープヴォイスを活かしたメロディアスでキラキラした所謂北欧系HMなサウンドと程良くアメリカンなポップメタルをミックスしたサウンドが実に日本人好みで当初注目された彼等ですが、時代はグランジーにシーンが席巻されつつあった為に彼等の活動は順調とは言えず、同時期にデビューしたオールドスタイルなメロディアス北欧HMサウンドを演るバンド達と同様にサウンドの路線変更やダーク系サウンドを取り入れる事を余儀なくされ、いつしかシーンからその姿を消していく事に…

特に彼等の場合は同時期デビューの同郷バンド達より、よりアコースティカルでオールドスタイルなサウンドだった事と Stefan Berggenのソウルフルな歌唱を中心に据えた楽曲スタイルだった事も影響してか時流になかなか合わせる事が出来ず、挙げ句にその Stefan Berggenが3rd『Dangerous Love』'02 リリース後に脱退してしまったのが致命的でした…

まぁ、その呼び水となったのはバンドへ在籍しつつ、初期白蛇の両輪だった Bernie Marsden(G)と Micky Moody(G)によって結成されたTHE SNAKESが発展した別バンドCOMPANY OF SNAKESのフロントマンとして Robert Hart(ex:BAD COMPANY)~ Gary Barden(ex:MSG、etc)の後釜として00年に参加しファーストアルバムをリリースした事なのは間違いないしょう。

そもそも2ndリリース後に別名義(バレバレだけどw)でFOUR STICKSなるレイドバックした70年代スタイルのHRバンドでアルバム『Electric Celebration』'97をSNAKES IN PARADISEのメンバーと一緒にリリース(ジャケがモロ昔風!)しているのを見ても、1stリリース以降のバンドの音楽性の変化に不満があったのは予見できた事でしたけどね…

以降、SNAKES IN PARADISEの名前をシーンで聞く事はなくなり、代わって Stefan Berggenはそのデビカバ風な歌唱スタイルが認められ、元EMPIRE、元MAJESTYの Rolf Munkes等によって結成されたオールドスタイル北欧HMバンドRAZORBACKへ加入し、三枚のアルバムでその歌声を残したり、ドイツのメロハーレーベル AVENUE OF ALLIES企画による Stefan Berggenの歌声主導なプロジェクトバンドREVOLUTION ROADでアルバムをリリースしたり、14年の元URIAH HEEPの Lee Kerslake(Ds&Vo)とのコラボバンドによる渋いブリティッシュHR作リリースと精力的な活動を続け、そのREVOLUTION ROADへSNAKES IN PARADISEのメンバーがゲストで招かれていた事が切っ掛けになったのか、メロハー系バンド御用達レーベルFrontiers Records主導の元、再びSNAKES IN PARADISEが始動する事になり、今回のアルバムリリースと相成った模様です。

嬉しい事に活動休止前のメンツにおおよそ変化はなく、唯一キーボーディストの Thomas Janssonのみバンドメンツから外れているものの、本作でもレコーディングで2曲そのプレイを聞かせてくれている(*´ω` *)

と、言う訳で現在はツインギターの5人編成バンドになった彼等だが、休止前は作を重ねる毎にグランジーな影響がチラつき鬱陶しかったが、再始動作となった本作ではその影が綺麗サッパリなくなり、さらに各メンバーがこれまでの休止期間で培ってきた経験も加味され、初期WHITESNAKEっぽさを残しつつ、よりAOR風なポップフィールやアダルトな落ち着き、メロハー的なキャッチーさとハードエッジなフィーリング、お得意のアコースティカルな軽やかさ、そしてしっとりブルージーな味わいと豊かな楽曲の表情等々、シンプルでストレートでありつつジックリ熟成されバランスの取れた隙無いサウンドが冴え渡る、デビュー当時からの『AORやってる白蛇』というイメージなサウンドに一層に磨きが掛かり、完成度が上がった、ブルージーな北欧メロディアスHRの快作を久しぶりに届けてくれたのが本当に本当に喜ばしい!('(゚∀゚∩

北欧HM的なキラキラ感や朗らかブライト感、そして新人メロハー・バンドのような溌剌ドポッピーな所謂北欧的な透明感ある爽快サウンドを求めると肩透かしになるが、WHITESNAKEや70年代風ブルージーなモダンロック、そしてメロディアスなAORロック等がお好きな方になら是非にお薦めしたい一枚だ。

もうシーンを覆うグランジーな暗雲は晴れたのだし、出来る事ならこのまま順調に活動を続け、来たるべき新作を早く聞かせて欲しいものであります。



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by malilion | 2018-10-10 17:48 | 音楽 | Trackback

怒濤の勢い止まるを知らず! 新世代イタリアン・プログレバンドSYNDONEが再び傑作をリリース!

c0072376_15515597.jpgSYNDONE 「Mysoginia」'18

前作で70年代の古典プログレ・バンド群と肩を並べる創作レベルへ到達した、正に破竹の勢いと言える新世代イタリアン・プログレバンドの復活後第5弾、通算7枚目となる前作より2年ぶりの新譜がリリースされたのでご紹介。

復活後メンツがイマイチ安定していなかった彼等だが、本作に置いては前作とメンツの変動がなく、Vibraphone(鉄琴)とXilophone(木琴)を操る女性Keyプレイヤー Marta嬢を含む6人組なままなのですが、前作のギターも含むトリプルキーボード編成は流石にやり過ぎと思った(今更!?)のか本作では Riccardo Ruggeriは一切ギターをプレイせず歌唱のみに集中し、従来のギターレスのツインキーボード体制に戻り、また Marta Caldara嬢は鉄琴、木琴、パーカッションのみの演奏となっている。

まぁ、前作でもストリングス・カルテットをゲストに迎えて重厚なサウンド造りに心血を注いでいましたが、本作ではそれをさらに推し進め、ブダペスト・シンフォニー・オーケストラや合唱団をフィーチャーした、如何にもイタリアン・プログレという胸焼けしそうに濃密な味わいと壮大なスケール感を誇るアルバムとなっているので、キーボードが三人も要らなかった、というか恐らく居ては邪魔になるという判断なんでしょう。

ギターレスながらハモンド、シンセ、メロトロン、ムーグ、ピアノ等々の多彩なキーボード類を今回もふんだんに織り交ぜつつ、シンフォニー・オーケストラの分厚いストリングや荘厳な美声を響かせる合唱団をフィーチャーして前作での本物の大聖堂パイプ・オルガンを使った重厚なサウンドに負けず劣らずの超弩弓に壮大で複雑、そして華麗なシンフォニック・サウンドを炸裂させるその様は、何世紀にも渡って続く女性達への性犯罪や時代や権力に翻弄され犠牲になった悲劇のヒロイン達を題材にした、重苦しい社会テーマを扱ったコンセプト・アルバムなものの、まるでオペラか映画のサントラかという圧巻の一大絵巻のようで、下卑た感触や後ろめたさを微塵も感じさせず、これでもかと暑苦しいイタ公の熱気ムンムンに豪快に、時に密やかに、繰り広げられていく。

復活後は初期のような押しまくるスピードやけたたましいパワーといったテクニカルHMバンドの如きサウンド要素が消え失せ、リーダー Nik Comoglioの創作とミュージシャン・レベルが上がった証とばかりに、引きのサウンドの美しさや優雅でアーティスティックな要素が前面に押し出されていた彼等だが、メンツが充実し安定したからなのか前作で初期曲を再録したりと初期のパワー圧しの片鱗を感じさせ、本作では初期のパワフルさも随所で感じさせる暑苦しさ(主にシアトリカルなヴォーカルが)も効かせつつ、復活してから積極的に表現していた地中海音楽や中世音楽等の古典要素も巧みに楽曲に織り込みながら、リリカルに優雅に気高く磨き抜かれた極上の美旋律が紡がれ唯一無二のSYNDONEワールドが構築されていく様からは、正に70年代の巨人達を追い抜かんばかりの熱い息吹と勢いがヒシヒシと感じられ、ホント感無量であります(*´ω` *)

NEW TROLLSの Vittorio De Scalzi(Flute)やARTI E MESTIERIの Gigi Venegoni(Electric Guitar)といった有名所がゲストで参加してアルバムに華を添えている以上に、イタリアン・ポップス歌手の Viola Nocenzi嬢(Banco del Mutuo Soccorsoと繋がりが深い)が可憐な歌声でフロントマンの Riccardo Ruggeriとデュエットしたりバックコーラスを聞かせたりとアルバムの華麗さが増すのに一役買っているのも見逃せぬポイントでしょう。

そうそう、Marta Caldara嬢がキーボードプレイを止めて鉄琴、木琴のプレイに集中したせいか、思いの外軽やかな鉄琴や木琴のサウンドがキーボードとは一味違った音色を豊かに響かせ、このバンドならではの特色になっているのに今回改めて気付かされましたね(*´ω` *)

唯一の不満は、こんなにスケールのデカイサウンドのアルバムなのに、アッサリと終わってしまう、ってトコでしょうか?
いや、長ければいいってもんでもないんで、綺麗にまとまって終わる方がいいんですけど、もっと聞きたい! っていう欲求の方が大きいのですよ…

アルバムのサウンドが重厚であればある程に、フッと訪れるピアノの軽やかな独奏やクラシカルな味わい深い音色を紡ぐ様は本当に美しく、キーボードサウンド・ファンやイタリアン・プログレファンは勿論のこと、モダン・シンフォ好きな方にも是非お薦めしたい一枚であります。



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by malilion | 2018-10-02 15:45 | 音楽 | Trackback

80年代LEPSフォロワー? いいえ、USポップメタルの進化サウンドです。USA一人バンドDALLASが遂にアルバムデユー!!

c0072376_11405162.jpgDALLAS 「Same」'18

2012年にEP『Over The Edge』をデジタル配信オンリーながらリリースしたカリフォルニア州サンフランシスコのソロ・ロックアーテイスト Bryan Dallas(Vox&Guitar)が、今回6年ぶりにやっとフルアルバムであるデビュー作をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

独力で製作したEPリリースの後、メンバーを募り3人組バンドDALLAS(Bryan Dallas:Vo&G、Zac Curtis:Ds、Matt Feifert:Key)を結成して活動開始した(ベーシストだけLIVだけヘルプ?)ものの、その後の活動がトント聞こえてこなかったのですが、今回やっとフルアルバムをリリースしたにも関わらず、この短くないインターバルの間に案の定でバンドメンツは誰も居なくなり、再びソロ状態に戻ってしまっている…

NEWMANもそうだけど、この手のマルチプレイヤーって、ソロバンド立ち上げるんだけど、結局全部自分でプレイしてアルバムも録音しちゃうからバンドメンツが長居しないんですよねぇ…後、エゴの問題(自身のリーダー・バンドに拘って他バンドからの加入の誘いを断り続けていたって言うし…)もあるのかも…(汗

そういう訳で本作収録の楽曲は全て Bryan Dallasの手による演奏だが、EP収録曲を今回3曲再収録していて、再録した際に以前在籍していたドラマー Zac Curtisの手によるドラムプレイでリレコーディングした音源に差し替えたものを収録し、また別名義VON HINERでリリースした2曲入りシングル音源の楽曲も1曲本作に収録しており、それら以前の音源全てをリマスタリングして本作に収録しているので、シングルやEPの音源そのままが再収録されている訳ではないのでご注意を。

因みに間もなくリリースされるUK盤にも日本盤と同じくボーナストラックが収録されおり、4曲中3曲(EP収録曲を1曲含む)が日本盤(日本盤はボートラ5曲)と違う楽曲が収録され、これによって1曲を除き全てのEP楽曲が1stに再収録される事になっているので、音源マニアの方はお見逃し無く(*´ω` *)

で、内容の方ですが、EP時点で既に濃厚な80年代テイストが香る、FIREHOUSE、DEF LEPPARD、BON JOVI、ALICE COOPERといった有名所だけでなく、CRYSTAL ROXXやBIG BAD WOLF、LOUD AND CLEAR、RESTLESS等々のマイナー所(再発の雄、MTMレーベル愛好家なら分かるよね!)や、一連の00年代北欧メロハー系やユーロ系メロハーバンドであるH.E.A.T.、FAIR WARNING、WORK OF ART、BROTHER FIRETRIBE等からの影響も窺えるエネルギッシュで朗らかキャッチー&ブライトなHRチューンが詰め込まれた魅力的なメロディアスロック・サウンドだった訳ですが、続く待望の本作でもその方向性に些かの迷いも見えず、DEF LEPPARDカラーが強く感じられる、80年代HRファンやメロハー・ファンなら間違いなく気に入るだろう分厚くオーバーダビングされたサビのコーラスが特徴的な煌びやかでフック満載な、如何にもアメリカンロックというカラッと爽快で、ほんのりスリージー・ロックンロールっぽい味わいが隠し味の、人工甘味料的メロディアスなキャッチーさが光る創り込まれたHR/HMサウンドを披露している。

コーラス処理がモロに『Hysteria』時のDEF LEPPARD風なものの音楽的にはLEPSの影響下にあるサウンドでないのは明白で、あくまでLAメタルを中心に80年代にポップメタルと言われたブライトなUSメタルがサウンドの中核になっており、それでいてUSバンドに顕著なドライ過ぎる事も無くウェットなメロディもしっかり保ちつつ、デジタリーな味付けで一ヒネリを加えてオリジナリティをちゃんと感じさせる、単なる80年代リバイバルではない新世代サウンドに仕上がっているのは流石の一言。

とは言え、まだまだ強烈なオリジナリティを確立しているとは言い難いし、Bryan Dallasのヴォーカルやギタープレイが超個性的で絶品の巧さ、と言う訳でもないものの、デビュー作にしてここまでハイレベルな完成度とバランスの取れたアルバムを独力で創作した事を見ても Bryan Dallasが只者ではない事は明白で、続く新作が早くも気になってしまう。

EP当時は26歳だったが今は32歳になっている訳だし、もう若者という年齢でもないのだから、出来るならばちゃんとバンドメンツを集めてしっかりと落ち着いた活動を継続させて欲しいなぁ~(*´ω` *)

ここ十数年USAを中心にHM界で猛威を振るったダークでファストでヘヴィな鈍色メタリックサウンドは皆無なので、ソレ系をお求めの方には全く駄目な作品と言えましょう。
まぁ、ここまで読んでおいて、このアルバムを購入するとは思いませんけどネ(w

DEF LEPPARD好きは無論、LEPSフォロワー好きや派手で軽目な80年代USロック好きに是非お薦めしたい一枚であります。


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by malilion | 2018-10-01 11:31 | 音楽 | Trackback