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オランダ最古参HMバンドPICTUREの未CDアルバムが遂に再発!

c0072376_13191423.jpgPICTURE 「Every Story Needs Another Picture + Marathon」'86 '87

近年再結成され現在も活動中の、79年結成とオランダ初のHMバンドと言われている今やベテラン中のベテランバンドの長らくCD化が待たれていた6thアルバムが当時リアルタイムで唯一CDリリース作であった7thとカップリング2in1CD(楽曲カット無しで一枚へ完全収録!)にて待望のオフィシャル再発(!)となったので、そそくさとGET!

オフィシャル再発は目出度いのだが、残念な事にデジタルリマスターでもなく、当然リミックス等の作業も行われておらず、ピチパチノイズが入る所をみるとマスター消失からの板起こし盤な疑いが強い残念な再発盤だ…orz

まぁ、海賊盤を抜きにしてこれまでCDで聞く事が叶わなかった6thがこうしてリリースされたんだし、それだけでも良しとしましょう…

これで彼等の再結成前のオリジナルアルバム7枚は全てCD化された事になるので、ともかく今の若いHMリスナーでも彼等の音楽に気軽に触れる事が出来るようになったのは喜ばしいですね(*´ω` *)

なにせ他のオランダ産HMバンド達と比べキャリアでは一日の長がある彼等ですが、如何せん知名度が低いのです。ここ日本では特に。

オランダのHMバンドでここ日本で最も知名度があるのは、後に白蛇へ加入する Adrian Vandenberg(G)が率いていた日本人好みな哀愁のメロディと全世界的に旺盛を極めていたポップHM的キャッチーな楽曲が耳を惹くVANDENBERG、そして今やヨーロピアン・ロック・オペラプロジェクトとしてその名を轟かすAYREONを率いる Arjen Anthony Lucassen(G&Vo)が在籍していたVENGEANCEくらいで、あと幾つか有望なバンドが存在するもののさらにマイナーな扱いであった事は否めないだろう…

PICTUREはそれらのバンド達より1世代は前のキーボード入り5人組バンドで、当初は70年代風な野暮ったいチープなHRサウンドを鳴らしていたが、NWOBHMの影響を受けてか2nd以降は作を重ねる毎によりハードエッジでウェットなメロディが冴えるユーロピアンHMサウンドへサウンドが磨かれ練度が上がり、そのままHM街道を愚直にひたすらファスト&ヘヴィに突き進むのかと思いきや、'85年リリースの5thアルバム『Traitor』でサウンドが一気にメジャー指向へ激変し、ポップ度とメロディアス度が増すと言う世界的な時流である煌びやかでキャッチーな産業ロック&ポップHM的サウンドへと様変わり(今から考えるとソレ程ポップでもキャッチーでも無い音なんスけどね…)し、デビュー当時からのファンを失意のドン底(汗)へ突き落としたのも今となっては懐かしい話ですね…

6th、7thアルバムはバンドがその売れ線のアメリカナイズされたサウンドへ最も接近していた時期のアルバムなので、これ以前のアルバムはマイナー・ユーロHMサウンドでイマイチ好みでない、という方でも所謂80年代的華やかでキャッチーなメロディアスHMがお好きな方なら気に入るだろうサウンドだと言えます。

もうお気づきかと思いますが、彼等がマイナーな存在であった理由の一つはこの音楽性の変化も大きな原因であったのは間違いないでしょう。

初期の彼等のサウンドが好きなファンは、ゴリゴリなハードドライヴィンでもない甘々にドポップでもない程々にメロディアスでスピーディな楽曲、男らしい無骨さとタフさが漲る単純明快なリフ主体の、メジャーレーベルがこぞってHMバンドを売り出していたメタル全盛期であるアメリカンでバブリーなイメージの80年代直前にだけ存在した、純粋で無垢、そして不器用で実直な、アンダーグラウンド臭も漂うオールドスタイルなユーロHMサウンドに胸焦がれたんでしょうから、ソレが一気に売れ線狙いなサウンドへ変化しては目も当てられなかった事でしょうねぇ…

また彼等が今一つマイナーな存在に留まらざる終えなかった最大の要因は、バンドメンツの入れ替えが激しかった(立ち上げメンバーの Jan Bechtum(G)が追い出されたり、最終的にベーシスト Rinus Vreugdenhilだけ残る…)のに加え、アルバム毎にフロントマンが変わる、と言える程にヴォーカリストの変遷が激しいかったのが最大の要因なのは疑いようもありません。

実際、三代目ヴォーカルの Pete Lovellは『Eternal Dark』'83 『Traitor』'85に歌声を残して脱退(EMERGENCYへ加入)し、続いて四代目フロントマンとして迎え入れられたのが元VANDENBERGのリードボーカルだった Bert Heerink(6th時点では正式加入ではない…謎)で、彼の持ち込んだ音楽的影響が大きかったのか彼のブライトな歌声がそうさせたのか、『Every Story Needs Another Picture』'86からアルバムのメロディアス度がまるで別バンドのように一気にアップし、キャッチーでフックあるメジャーな80年代HMバンドに相応しいメロディアスHMサウンドを披露するに至ったのだが、これだけのサウンドの変化とバンドの変節についていける古参ファンは少なかったのか、さらにメジャー志向が強まった続く7th『Marathon』では、キーボードを大々的にフューチャーしたゴージャスなLAメタル風サウンドを披露したもののファンの支持は失せ、売り上げ的にも望む結果が得られなかった(そもそもレーベルがバンドに売れ線を要求しプレッシャーをかけたのが低迷の原因なのに…)のか、バンドはその活動を一端終える事に…

個人的には初期サウンドも後期サウンドも気に入っていたので、今回の再発はまさに待望、って感が強いのですが、改めてこうして本作に耳を傾けると、ZZ TOPのパクリ的なノリや、モロにDEEP PURPLEをパクったりが耳について思い出し笑いのような苦笑せざる終えませんでした(w

今になって思うのは、リフ主体の攻撃的な楽曲をベースにしつつ、女性バックコーラス等も活かし、如何にもメジャー的なアメリカンHM風要素を巧みに組み込み、ベースがマイナー・ユーロHRだったバンドがメンツを変え、フロントマンを変えして不器用ながら苦心してサウンドを流行にマッチさせ、アルバムの完成度を上げして、メジャーシーンの激流へ挑んだ作品と捉える事も出来て、実に感慨深いものがありますねぇ…

初期サウンド云々抜きにして、80年代のメジャーシーンを賑わしたポップでキャッチーなHMがお好みな方は一度チェックしてみても後悔はしないと思いますよ。

ここで述べましたように(未だに)マイナーバンドな彼等の旧作リイシューですので、そうプレス数も多くないでしょうから、入手困難になる前に素早くGETしておくのをお薦めします。

因みに三代目ヴォーカリスト Pete Lovellを擁するメンツで再結成を果たし、LIVE活動も行っていた彼等の最新のラインナップは、

Ronald van Prooijen(Lead Vocals):初代ヴォーカリスト
Rinus Vreugdenhil(Bass Guitar):唯一のオリジナル・フルメンバー
Jan Bechtum(Guitars):バンド創設者
Appie de Gelder(Guitars)
Laurens “Bakkie” Bakker(Drums):オリジナルドラマー

と、なっている。

もう皆いいお爺ちゃん、って風貌だが、気合い入りまくりでHMを今でも演奏し続けてくれているのが嬉しいですね(*´ω` *)



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by malilion | 2018-10-11 13:11 | 音楽 | Trackback

北欧メロハー SNAKES IN PARADISEが再始動作を16年ぶりにリリース!

c0072376_17564682.jpgSNAKES IN PARADISE 「Step Into The Light」'18

北欧スウェーデン産メロハー・バンドの再始動第一弾となる16年ぶりの4thアルバムがリリースされたので、ちょい遅れてGET!

一度脱退したものの今回バンドへ復帰した Stefan Berggenが、さらに円熟味の増した絶品のソウルフルなディープヴォイスを期待通りに披露してくれて、もう最高デッス♪('(゚∀゚∩

キーボード入りツインギターの6人編成で94年にデビューアルバムをリリースし、キャッチーながらソウルフルな Stefan Berggenの歌唱スタイルと“軽めなデビカバ”ってな感じのディープヴォイスを活かしたメロディアスでキラキラした所謂北欧系HMなサウンドと程良くアメリカンなポップメタルをミックスしたサウンドが実に日本人好みで当初注目された彼等ですが、時代はグランジーにシーンが席巻されつつあった為に彼等の活動は順調とは言えず、同時期にデビューしたオールドスタイルなメロディアス北欧HMサウンドを演るバンド達と同様にサウンドの路線変更やダーク系サウンドを取り入れる事を余儀なくされ、いつしかシーンからその姿を消していく事に…

特に彼等の場合は同時期デビューの同郷バンド達より、よりアコースティカルでオールドスタイルなサウンドだった事と Stefan Berggenのソウルフルな歌唱を中心に据えた楽曲スタイルだった事も影響してか時流になかなか合わせる事が出来ず、挙げ句にその Stefan Berggenが3rd『Dangerous Love』'02 リリース後に脱退してしまったのが致命的でした…

まぁ、その呼び水となったのはバンドへ在籍しつつ、初期白蛇の両輪だった Bernie Marsden(G)と Micky Moody(G)によって結成されたTHE SNAKESが発展した別バンドCOMPANY OF SNAKESのフロントマンとして Robert Hart(ex:BAD COMPANY)~ Gary Barden(ex:MSG、etc)の後釜として00年に参加しファーストアルバムをリリースした事なのは間違いないしょう。

そもそも2ndリリース後に別名義(バレバレだけどw)でFOUR STICKSなるレイドバックした70年代スタイルのHRバンドでアルバム『Electric Celebration』'97をSNAKES IN PARADISEのメンバーと一緒にリリース(ジャケがモロ昔風!)しているのを見ても、1stリリース以降のバンドの音楽性の変化に不満があったのは予見できた事でしたけどね…

以降、SNAKES IN PARADISEの名前をシーンで聞く事はなくなり、代わって Stefan Berggenはそのデビカバ風な歌唱スタイルが認められ、元EMPIRE、元MAJESTYの Rolf Munkes等によって結成されたオールドスタイル北欧HMバンドRAZORBACKへ加入し、三枚のアルバムでその歌声を残したり、ドイツのメロハーレーベル AVENUE OF ALLIES企画による Stefan Berggenの歌声主導なプロジェクトバンドREVOLUTION ROADでアルバムをリリースしたり、14年の元URIAH HEEPの Lee Kerslake(Ds&Vo)とのコラボバンドによる渋いブリティッシュHR作リリースと精力的な活動を続け、そのREVOLUTION ROADへSNAKES IN PARADISEのメンバーがゲストで招かれていた事が切っ掛けになったのか、メロハー系バンド御用達レーベルFrontiers Records主導の元、再びSNAKES IN PARADISEが始動する事になり、今回のアルバムリリースと相成った模様です。

嬉しい事に活動休止前のメンツにおおよそ変化はなく、唯一キーボーディストの Thomas Janssonのみバンドメンツから外れているものの、本作でもレコーディングで2曲そのプレイを聞かせてくれている(*´ω` *)

と、言う訳で現在はツインギターの5人編成バンドになった彼等だが、休止前は作を重ねる毎にグランジーな影響がチラつき鬱陶しかったが、再始動作となった本作ではその影が綺麗サッパリなくなり、さらに各メンバーがこれまでの休止期間で培ってきた経験も加味され、初期WHITESNAKEっぽさを残しつつ、よりAOR風なポップフィールやアダルトな落ち着き、メロハー的なキャッチーさとハードエッジなフィーリング、お得意のアコースティカルな軽やかさ、そしてしっとりブルージーな味わいと豊かな楽曲の表情等々、シンプルでストレートでありつつジックリ熟成されバランスの取れた隙無いサウンドが冴え渡る、デビュー当時からの『AORやってる白蛇』というイメージなサウンドに一層に磨きが掛かり、完成度が上がった、ブルージーな北欧メロディアスHRの快作を久しぶりに届けてくれたのが本当に本当に喜ばしい!('(゚∀゚∩

北欧HM的なキラキラ感や朗らかブライト感、そして新人メロハー・バンドのような溌剌ドポッピーな所謂北欧的な透明感ある爽快サウンドを求めると肩透かしになるが、WHITESNAKEや70年代風ブルージーなモダンロック、そしてメロディアスなAORロック等がお好きな方になら是非にお薦めしたい一枚だ。

もうシーンを覆うグランジーな暗雲は晴れたのだし、出来る事ならこのまま順調に活動を続け、来たるべき新作を早く聞かせて欲しいものであります。



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by malilion | 2018-10-10 17:48 | 音楽 | Trackback

怒濤の勢い止まるを知らず! 新世代イタリアン・プログレバンドSYNDONEが再び傑作をリリース!

c0072376_15515597.jpgSYNDONE 「Mysoginia」'18

前作で70年代の古典プログレ・バンド群と肩を並べる創作レベルへ到達した、正に破竹の勢いと言える新世代イタリアン・プログレバンドの復活後第5弾、通算7枚目となる前作より2年ぶりの新譜がリリースされたのでご紹介。

復活後メンツがイマイチ安定していなかった彼等だが、本作に置いては前作とメンツの変動がなく、Vibraphone(鉄琴)とXilophone(木琴)を操る女性Keyプレイヤー Marta嬢を含む6人組なままなのですが、前作のギターも含むトリプルキーボード編成は流石にやり過ぎと思った(今更!?)のか本作では Riccardo Ruggeriは一切ギターをプレイせず歌唱のみに集中し、従来のギターレスのツインキーボード体制に戻り、また Marta Caldara嬢は鉄琴、木琴、パーカッションのみの演奏となっている。

まぁ、前作でもストリングス・カルテットをゲストに迎えて重厚なサウンド造りに心血を注いでいましたが、本作ではそれをさらに推し進め、ブダペスト・シンフォニー・オーケストラや合唱団をフィーチャーした、如何にもイタリアン・プログレという胸焼けしそうに濃密な味わいと壮大なスケール感を誇るアルバムとなっているので、キーボードが三人も要らなかった、というか恐らく居ては邪魔になるという判断なんでしょう。

ギターレスながらハモンド、シンセ、メロトロン、ムーグ、ピアノ等々の多彩なキーボード類を今回もふんだんに織り交ぜつつ、シンフォニー・オーケストラの分厚いストリングや荘厳な美声を響かせる合唱団をフィーチャーして前作での本物の大聖堂パイプ・オルガンを使った重厚なサウンドに負けず劣らずの超弩弓に壮大で複雑、そして華麗なシンフォニック・サウンドを炸裂させるその様は、何世紀にも渡って続く女性達への性犯罪や時代や権力に翻弄され犠牲になった悲劇のヒロイン達を題材にした、重苦しい社会テーマを扱ったコンセプト・アルバムなものの、まるでオペラか映画のサントラかという圧巻の一大絵巻のようで、下卑た感触や後ろめたさを微塵も感じさせず、これでもかと暑苦しいイタ公の熱気ムンムンに豪快に、時に密やかに、繰り広げられていく。

復活後は初期のような押しまくるスピードやけたたましいパワーといったテクニカルHMバンドの如きサウンド要素が消え失せ、リーダー Nik Comoglioの創作とミュージシャン・レベルが上がった証とばかりに、引きのサウンドの美しさや優雅でアーティスティックな要素が前面に押し出されていた彼等だが、メンツが充実し安定したからなのか前作で初期曲を再録したりと初期のパワー圧しの片鱗を感じさせ、本作では初期のパワフルさも随所で感じさせる暑苦しさ(主にシアトリカルなヴォーカルが)も効かせつつ、復活してから積極的に表現していた地中海音楽や中世音楽等の古典要素も巧みに楽曲に織り込みながら、リリカルに優雅に気高く磨き抜かれた極上の美旋律が紡がれ唯一無二のSYNDONEワールドが構築されていく様からは、正に70年代の巨人達を追い抜かんばかりの熱い息吹と勢いがヒシヒシと感じられ、ホント感無量であります(*´ω` *)

NEW TROLLSの Vittorio De Scalzi(Flute)やARTI E MESTIERIの Gigi Venegoni(Electric Guitar)といった有名所がゲストで参加してアルバムに華を添えている以上に、イタリアン・ポップス歌手の Viola Nocenzi嬢(Banco del Mutuo Soccorsoと繋がりが深い)が可憐な歌声でフロントマンの Riccardo Ruggeriとデュエットしたりバックコーラスを聞かせたりとアルバムの華麗さが増すのに一役買っているのも見逃せぬポイントでしょう。

そうそう、Marta Caldara嬢がキーボードプレイを止めて鉄琴、木琴のプレイに集中したせいか、思いの外軽やかな鉄琴や木琴のサウンドがキーボードとは一味違った音色を豊かに響かせ、このバンドならではの特色になっているのに今回改めて気付かされましたね(*´ω` *)

唯一の不満は、こんなにスケールのデカイサウンドのアルバムなのに、アッサリと終わってしまう、ってトコでしょうか?
いや、長ければいいってもんでもないんで、綺麗にまとまって終わる方がいいんですけど、もっと聞きたい! っていう欲求の方が大きいのですよ…

アルバムのサウンドが重厚であればある程に、フッと訪れるピアノの軽やかな独奏やクラシカルな味わい深い音色を紡ぐ様は本当に美しく、キーボードサウンド・ファンやイタリアン・プログレファンは勿論のこと、モダン・シンフォ好きな方にも是非お薦めしたい一枚であります。



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by malilion | 2018-10-02 15:45 | 音楽 | Trackback

80年代LEPSフォロワー? いいえ、USポップメタルの進化サウンドです。USA一人バンドDALLASが遂にアルバムデユー!!

c0072376_11405162.jpgDALLAS 「Same」'18

2012年にEP『Over The Edge』をデジタル配信オンリーながらリリースしたカリフォルニア州サンフランシスコのソロ・ロックアーテイスト Bryan Dallas(Vox&Guitar)が、今回6年ぶりにやっとフルアルバムであるデビュー作をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

独力で製作したEPリリースの後、メンバーを募り3人組バンドDALLAS(Bryan Dallas:Vo&G、Zac Curtis:Ds、Matt Feifert:Key)を結成して活動開始した(ベーシストだけLIVだけヘルプ?)ものの、その後の活動がトント聞こえてこなかったのですが、今回やっとフルアルバムをリリースしたにも関わらず、この短くないインターバルの間に案の定でバンドメンツは誰も居なくなり、再びソロ状態に戻ってしまっている…

NEWMANもそうだけど、この手のマルチプレイヤーって、ソロバンド立ち上げるんだけど、結局全部自分でプレイしてアルバムも録音しちゃうからバンドメンツが長居しないんですよねぇ…後、エゴの問題(自身のリーダー・バンドに拘って他バンドからの加入の誘いを断り続けていたって言うし…)もあるのかも…(汗

そういう訳で本作収録の楽曲は全て Bryan Dallasの手による演奏だが、EP収録曲を今回3曲再収録していて、再録した際に以前在籍していたドラマー Zac Curtisの手によるドラムプレイでリレコーディングした音源に差し替えたものを収録し、また別名義VON HINERでリリースした2曲入りシングル音源の楽曲も1曲本作に収録しており、それら以前の音源全てをリマスタリングして本作に収録しているので、シングルやEPの音源そのままが再収録されている訳ではないのでご注意を。

因みに間もなくリリースされるUK盤にも日本盤と同じくボーナストラックが収録されおり、4曲中3曲(EP収録曲を1曲含む)が日本盤(日本盤はボートラ5曲)と違う楽曲が収録され、これによって1曲を除き全てのEP楽曲が1stに再収録される事になっているので、音源マニアの方はお見逃し無く(*´ω` *)

で、内容の方ですが、EP時点で既に濃厚な80年代テイストが香る、FIREHOUSE、DEF LEPPARD、BON JOVI、ALICE COOPERといった有名所だけでなく、CRYSTAL ROXXやBIG BAD WOLF、LOUD AND CLEAR、RESTLESS等々のマイナー所(再発の雄、MTMレーベル愛好家なら分かるよね!)や、一連の00年代北欧メロハー系やユーロ系メロハーバンドであるH.E.A.T.、FAIR WARNING、WORK OF ART、BROTHER FIRETRIBE等からの影響も窺えるエネルギッシュで朗らかキャッチー&ブライトなHRチューンが詰め込まれた魅力的なメロディアスロック・サウンドだった訳ですが、続く待望の本作でもその方向性に些かの迷いも見えず、DEF LEPPARDカラーが強く感じられる、80年代HRファンやメロハー・ファンなら間違いなく気に入るだろう分厚くオーバーダビングされたサビのコーラスが特徴的な煌びやかでフック満載な、如何にもアメリカンロックというカラッと爽快で、ほんのりスリージー・ロックンロールっぽい味わいが隠し味の、人工甘味料的メロディアスなキャッチーさが光る創り込まれたHR/HMサウンドを披露している。

コーラス処理がモロに『Hysteria』時のDEF LEPPARD風なものの音楽的にはLEPSの影響下にあるサウンドでないのは明白で、あくまでLAメタルを中心に80年代にポップメタルと言われたブライトなUSメタルがサウンドの中核になっており、それでいてUSバンドに顕著なドライ過ぎる事も無くウェットなメロディもしっかり保ちつつ、デジタリーな味付けで一ヒネリを加えてオリジナリティをちゃんと感じさせる、単なる80年代リバイバルではない新世代サウンドに仕上がっているのは流石の一言。

とは言え、まだまだ強烈なオリジナリティを確立しているとは言い難いし、Bryan Dallasのヴォーカルやギタープレイが超個性的で絶品の巧さ、と言う訳でもないものの、デビュー作にしてここまでハイレベルな完成度とバランスの取れたアルバムを独力で創作した事を見ても Bryan Dallasが只者ではない事は明白で、続く新作が早くも気になってしまう。

EP当時は26歳だったが今は32歳になっている訳だし、もう若者という年齢でもないのだから、出来るならばちゃんとバンドメンツを集めてしっかりと落ち着いた活動を継続させて欲しいなぁ~(*´ω` *)

ここ十数年USAを中心にHM界で猛威を振るったダークでファストでヘヴィな鈍色メタリックサウンドは皆無なので、ソレ系をお求めの方には全く駄目な作品と言えましょう。
まぁ、ここまで読んでおいて、このアルバムを購入するとは思いませんけどネ(w

DEF LEPPARD好きは無論、LEPSフォロワー好きや派手で軽目な80年代USロック好きに是非お薦めしたい一枚であります。


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by malilion | 2018-10-01 11:31 | 音楽 | Trackback