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この時期TV放送が多いので、思い出して…オランダのポンプバンドMARATHONの最終作。

c0072376_18441560.jpgMARATHON 「Marathon Live」'98

オランダの5人組ポンプ・バンドの最終作にして唯一のLIVE作をご紹介。

イタリアとドイツに同名同ジャンルの2バンドが存在(なんでこんなバンド名が人気なの?)するが、こちらはオランダのバンドなので混同されぬようご注意を。

94年にデビュー作『The First Run』をリリースし、96年に2nd『Norm』をリリース、そして最終作の本作をリリースする前にバンドは解散してまった、じわじわ生き長らえるポンプ系バンドが多い中たった4年で消えた短命バンドだ。

デビュー作は一聴して即カナダのプログレ・ポップバンドSAGA(特にギタリストの Erik Ten Bosが Ian Crichtonのプレイやフレーズの影響をモロ受け)の影響が分かり、さらにRUSHのフレーバーを全体にまぶしつつポンプ特有の柔和なキーボードサウンドで煌びやかに飾り立て、ここぞという所でMARILLIONの Steve Rothery張りな泣きのロングトーン・ギターが哀愁を漂わせる、というなかなかポンプ系好みな爽快感も併せ持つUK産ポンプとUSA産プログレのいいトコ取りしたようなキャッチーなクリアー・サウンドであった(*´ω` *)

続く2ndでは自主製作からドイツのSPVレーベルからのリリースとなった影響でか、ドラムスを Willem van der Horstから Ferry Bultへチェンジした影響か、SAGA風味が薄れてオリジナリティを感じさせる比重とサウンドのヘヴィさが増したものの、その反動でかメロディの質やキャッチーさ、楽曲のフック等が軒並み後退してまい、デビュー作でも感じられた楽曲の出来のバラつきもという問題も解決出来ぬままの惜しい一作に終わってしまう…

ただ、それでもこのバンドを有象無象なポンプバンドより好ましく思わせるのは、当時のポンプ系に多かった楽器兼任ヴォーカリストや専任ヴォーカリストなのにヘッポコな歌声を聞かせてサウンドをブチ壊してバンドをC級クラスへ貶めて辟易させるような事がなく、PALLASの Alan Reed っぽい歌声を聴かせる Erik ten Bosの癖のない声質と力強く歌い上げるキャッチーな歌メロやバンドコーラスが優れていた点が大きいだろう。

その他にはポンプ系にしては楽曲がコンパクトに纏まってスタイリッシュなサウンドだったのと、Tony ten Woldeが奏でるキーボードが控え目で幾分かハード寄りなサウンドだったのも、その他の70年代プログレの焼き直しが多いポンプ系サウンドとの差別化を大きくしたかもしれない。

まぁ、この辺りは大抵のポンプ系がお手本にする70年代ブリティッシュ・バンド達でなかったという出発点の違いによって意識せずとも生み出された差異かもしれないけれど…(汗

そして最終作である本作だが、2枚のアルバムから適切にチョイスされた楽曲で構成された、ある意味でBEST的な楽曲構成のアルバムとも言え、アコギアレンジした楽曲をしっとり聴かせたり、LIVEならではのラウンドさとラフさを十分に表現しつつ、堅実なバンドアンサンブルと優れたミュージシャンシップを感じさせる優等生的な創りとなっている。

デビュー作と程よくシャッフルされて構成された楽曲の並びのせいか、LIVEで試行錯誤を重ねてよりブラッシュアップされた成果か、実はスタジオでは上手くサウンドを表現出来無ていなかったのではないかと思うくらい良く2ndの楽曲が1stの楽曲に馴染んでいて、欠けていたポップなフィーリングやクリアーな感覚が本作では十分表現されているのは嬉しい驚きだろう。

聴衆の歓声や手拍子等が余り聞き取れぬ点は少々残念な点ではありますが、スタジオアルバムでは余り自己主張しない Ferry Bult(Ds)と Jacques Suurmond(B)のリズム隊のタイトな激しいプレイや、バランスを重視して抑え気味で控えめなプレイの Tony ten Woldeが思う存分派手にキーボード鳴らしまくっているのが聞ける(コーラス再現も頑張ってる!)点など、LIVE作ならではの聞き所も多い一枚と言えましょう。

海外では、SAGA、WINGS OF STEEL、FOR ABSENT FRIENDS、EGDON HEATH等のファン向けと紹介されているが、幾分かAORっぽいキャッチーさとメロディアスさも加味した彼等のメインストリーム寄りなポンプ・サウンドは、実際はもっとより広い層に受け入れてもらえるポテンシャルを十分に秘めていたように思える。

惜しむらく短命に終わったのは、ポンプ系というカテゴライズとインディな活動がメインであった為、そしてバンドが進もうとする方向性故に必要であったシングルヒットするようなキラーチューンが創れなかったのが大きな要因ではなかったかと予想します…(つд`)

ポンプの隆盛から来る次のシンフォ・ブームの間に生まれ、ネクストウェーブが来る前に消えてしまったバンドではありますが、もし短命に終わらずあのまま次のシンフォサウンドへの流れへ乗っていたなら一体どんなスタイリッシュでキャッチーなサウンドを届けてくれたのだろうか、と遂想像してしまう、そんなバンドの1つでありました。




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by malilion | 2018-02-26 18:37 | 音楽 | Trackback

頑固一徹、時代が移ろうとも決してサウンドがブレぬ英国シンフォの雄 JADISがアニバーサリー盤をリリース!

c0072376_13373285.jpgJADIS 「More Than Meets The Eye 25 ~25th Anniversary Collectors Edition~」'17

英国メロディック・シンフォニック・バンドJADISの、2nd『More Than Meets The Eye』'92 のアルバムリリース25周年記念盤を即GET!

2005年にもデビューアルバムとの2in1でREMIX&REMASTER盤がアメリカのINSIDEOUTレーベルからリリースされた事があったが、本作はバンドのリーダーでありバンドそのものとも言える Gary Chandler(Vo&G)のみの手によって新たにREMIX&REMASTERが施された新規音源を使用した新装アニバーサリー盤である。

05年盤に負けず劣らず本作もボーナス音源を多数収録した注目の二枚組盤で、オリジナル盤の2ndや05年REMIX&REMASTER盤をお持ちの方でも手を出しても損はない(INSIDEOUTのは10年以上前の音源だしね)自主製作盤です。

しかし、25年記念って…もう四半世紀もなるんですねぇ…彼等のサウンドを初めて耳にして、もうそんなになるのか…感慨深いですわぁ…

今回はディスク2に、2nd収録曲のアコースティックバージョンを新録で2曲、93年のオランダでのライヴ2曲、当時アルバムに先駆けてリリースされたEP『ONCE APON A TIME』'93 収録の3曲(の、コンピ盤MEDIUM RARE収録のREMASTERver)、そしてデビュー作『Jadis』'89 収録曲のアコースティックバージョン1曲を収録しているので、前回のREMIX&REMASTER盤を買い逃した方や、EPの音源を耳にした事が無い方などにお薦めと言えるでしょう。

まぁ、新録音源はアコースティックバージョンの3曲とLIVE音源のみと、厳密な意味での新曲は収録されておりませんが、この記念盤に手をだす大多数の方はJADISの忠実なファンでしょうから、その辺は大した問題じゃないよね?(w

今回こうして改めて『More Than Meets The Eye』を聞き直して思うのは、つくづく Gary Chandlerの爽快感あふれるクリアーでキラキラとした美旋律を奏でるギターの圧倒的な存在感と、当時から他のUKポンプ勢とは一線を画していたシンプルでストレートでありながら他では聞けぬメロディアスでキャッチーなポップ・センスはズバ抜けていたんだなぁ、とREMIX&REMASTERが施されて一層に輝きをましたそのサウンドに感動しきりです(*´ω` *)

IQの Martin Orford(Key)と John Jowitt(B)が参加して生まれた新ポンプ・バンドとして当時注目を集めたのと、英国産らしいリリカルで湿り気を帯びた叙情感も漂わせる Martin Orfordのキーボードとフルートがフィーチャーされた事などで、プログレ&シンフォ系のカテゴリーで当初から語られて来た彼等ですが、改めて今じっくりと聞き返すとそのサウンドはHRサイドからポンプ&シンフォ系へアプローチしたTWELFTH NIGHTと同じようにフュージョンサイドからポンプ&シンフォ系へアプローチして変異したモダン・メロディアス・シンフォロックではなかったのか、と独断と偏見を交えて断言しましょう!(汗

まぁ、出発点がどこだろうと結局聞こえてくるその軽やかでコンパクトなサウンドは、爽やかに歌い上げる歌モノ・ハードポップ・バンド的な実にポピュラリティの高いサウンドだと言う事は動かしがたい事実なんだし、どうだっていい事なんですけどね♪

この2nd、二回もリイシューするなんて Gary Chandlerの大のお気に入りアルバムなのかもしれませんが、今度は新スタジオアルバムを是非に届けて欲しいものであります。



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by malilion | 2018-02-24 13:31 | 音楽 | Trackback

激渋ブルーズから路線を変え、ちょい甘メロ有のメジャー路線ブルーズHR作をRIVERDOGSがリリース!

c0072376_22462759.jpgRIVERDOGS 「California」'17

USA産ブルーズHRバンドRIVERDOGSの6年ぶりとなる再結成第二弾にしてスタジオ作としては通算4枚目となるアルバムを、かなーり遅れてGET!

Vivian Campbellは知っての通り現在はDEF LEPPARDで活動してる訳だし、元DIOメンツ集めてDIOトリビュートバンドLAST IN LINEなんかも始めてしまって、こりゃぁRIVERDOGSの新作は望み薄かなぁ…なんて勝手な想像をしておりましたが、裏切られる事なくちゃーんと新作が届けられてファンの皆さんは喜色満面でしょう(*´ω` *)

03年に再結成した、という情報が流れたものの一向に新譜リリースの報は届かず、なんだかんだと難産の末生み出された前作は、あの Vivian Campbellがバンドに復帰したという話題性があったものの、その余りの渋ぅ~い音楽性故か日本盤リリースは見送られましたが、本作で再び日本盤リリース(しかも日本先行リリース!)と相成った模様でこれは何より目出度いですね。

製作メンツは前作と同じく、Rob Lamothe(Vo&G)、Nick Brophy(B&Key)、Vivian Campbell(G&Vo)、Marc Danzeisen(Ds&Vo)の四人で、どうやらメンバーチェンジ等のゴタゴタはなかった模様で一安心と言った所でしょうか。

で、その新作ですが、のっけからノリノリなアメリカンHRが飛び出してきて度肝を抜かれました(w

『あぁ、前作の方向性じゃ余りにも玄人向け過ぎて売れなかったから軌道修正してきたかぁ』と思いつつ聴き進めていくと、次第にいつもの渋ぅ~いブルーズフィール濃密なサウンドが飛び出してくるものの前作程の枯れた埃っぽい乾いたサウンドではなく、幾分ポップフィールも感じさせる如何にもアメリカンというアーシーなギターサウンドが響き渡る、贅肉を削ぎ落としたシンプルでドストレートなロックサウンドが展開され、丁度メジャーな1stのサウンドと前作のレイドバックしたサウンドを上手くMIXした(彼等にとっては)中庸サウンドのように感じられなかなか好印象です。

2ndで Vivian Campbellが抜け、一気に飾り気の無い泥臭いブルーズ路線へ傾倒していった彼等ですが、もしあの脱退劇が無くそのまま活動を続行させていたなら、きっとこんな豪快なギターサウンドが聴けるメジャー路線寄りのメロディを充実させつつ味わい深いブルーズHRアルバムをリリースしていたのじゃないだろうか、と思わせるようなモダンサウンドなアルバムだ。

DEF LEPPARDでのポップでドメジャーな歌モノサウンドを追求している現在の活動とLAST IN LINEでのピロピロ派手に弾きまくるピッキングハーモニクスを多用したワイルドなプレイが影響したのか Vivian CampbellはHR寄りの自由奔放でフックあるメロディアスなプレイと哀愁タップリな泣きのギターサウンドをアルバムへたっぷりと刻みつけているし、個人的にお気に入りのヴォーカルである Rob Lamothe(Vo&G)のデビカバ張りのソウルフルでハートウォーミングな渋い歌声と、今では彼のソロ作で聞く事の叶わぬポップ寄りなヴォーカルメロディが久しぶりに堪能出来て、前作の反省をふまえてか幾分メジャー・ロック路線へ近づいた本作のサウンドは個人的に大満足な一枚と言えましょう('(゚∀゚∩

まぁ、本作の方向性は、そもそもFrontiers Recordsから連絡があってキャッチーで洗練されたHRサウンドにブルーズ・テイストを融合させたデビュー・アルバムと同じスピリットやスタイルの新作を製作する、という話から出発した訳だから新譜のサウンドがこうなるのも当然の帰結とも言えるんですけどね。

LAST IN LINEでのメタリックな如何にも80年代ブリティッシュHMなギターヒーローかくあるべしという弾き倒しプレイとは一味違う、よりレイドバックしたアーシーでドライなサウンドでありながら、フックが効いた感傷的でエモーショナルなギタープレイや疾走感溢れるドライヴィングするギターを気持ち良く弾き倒す迸るプレイが全編に渡ってフィーチャされているので、Vivian Campbellのファンやギターキッズにとってはそこも聴き逃せぬポイントでしょう。

次作がいつになるか分かりませんが、是非ともこの方向性で新作を届けて欲しいものです。



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by malilion | 2018-02-19 22:42 | 音楽 | Trackback

英国産メロハー・バンドNEWMANの新作はワンランク上のレベルへ!

c0072376_03054602.jpgNEWMAN 「Aerial」'17

イギリス人マルチ・プレイヤー Steve Newman(Vo,G,Key)率いる英国産メロディアスHRバンドの2年ぶりとなる11th(LiveとBEST含まず)がリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

まぁ、このワンマンバンドにあっては1997年に結成されて以来、常にメロディアスでキャッチーなHRサウンドという一貫性と品質を提供して来た訳だし、Steve Newmanのエモーショナルかつソウルフルな歌唱と洗練されたAOR風メロディを軸とした美旋律作という方向性やサウンドがガラリと変わるまいと安心して購入を後回しにしてたんですけどね…

予想通り音楽性には特に大きな変化は無かったものの、バンド結成20周年作と言う事もあってかタップリ八ヶ月の時間をかけて製作されたのと、ご存じカナディアン・メロハーバンド筆頭のHAREM SCAREMの Harry Hessがマスタリングした成果か、今まで以上に造り込まれ細部にまで気を遣われ録音された事が分かる高品質なアルバムで、ややもすると薄ッペラで奥行きが乏しくなりがちだったNEWMANのサウンドがググッと分厚くタイトでヘヴィになっていたのは嬉しい予想外でした。

製作メンツはいつも通り、今回も06年作からずっとアルバム収録に名を連ねるドラムス Rob McEwenのみ引き続き参加しているだけなワンマン体制に変化はなく、ゲストで元PRAYING MANTISのヴォーカルだった Mark Thompson-Smithが二曲でバッキングヴォーカルに参加している以外、これといったゲストは招かれておりません。

これまでNEWMANのアルバムは滅多にメロハー・ファンを失望させて来なかった訳ですが、本作では前作の紹介時にも述べたマンネリ感をどう払拭してくるのかという点に個人的に注目しておりました。

で、一聴してNEWMANと分かるキャッチーなコーラス、活気に満ちたフック、そして楽しく朗らかなメロディーと、コンパクトでよりモダンなサウンドへ進化した80年代後期USAロック風な楽曲という定番路線をキープしつつ、よりメロディの充実度を図りながら、以前からヘヴィ・ロック、AOR、プログレッシヴ・ロック、シンフォ・ロックの要素を巧みに散りばめてきた試みを更に推し進め、より複雑でありながら繊細な美旋律と骨太なタフさが絶妙にブレンドされた、一段レベルの上がったメロハー会心作が届けられたのには少々驚かされました(*´ω` *)

ただ、問題視していたマンネリズムを完全に払拭するには至っていないのと、ヘヴィさと分厚いサウンド造りが強調された為か、本作には以前からこのバンドの持ち味として個人的に気に入っていた突き抜ける爽快感と軽やかなAORテイストが薄れて感じられる点だけが個人的には残念に思うポイントですかね…

まぁ、ここまで優等生的にバランスの取れた各種音楽要素を組み合わせたサウンドのアルバムにケチをつけるなんて、それこそ難癖みたいな些細なポイントでしかないんですけどね(苦笑

プレイヤーのミュージシャンシップも優れ、サウンドの質も高く、音楽性も上品、そしてアートワークもセクシーでありつつエレガントと、メロディアスHR作に求める要求を高い次元で満たす本作は、NEWMANの新たなスタンダードと呼ばれる一作と言っていいでしょう。

相変わらず録音メンツとLIVEバンドのメンツは全然違う、完全にバンド体制に興味ないワンマン体制は変わることないのも、ちょっと残念ではあります…このままネタ切れにならなきゃいいけど…




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by malilion | 2018-02-18 03:00 | 音楽 | Trackback

STYX待望の新作『The Mission』を、待ち疲れて外盤で購入…

c0072376_02080779.jpgSTYX 「The Mission」'17

去年6月にリリースされていた本作だが、ユニバーサルから日本盤が出るかな~、と待って待って待ち続けて、遂に諦めて外盤を今頃購入しました…(つд`)

USAメロディアス・ロックバンドのベテラン6人組(Bが2人いる…)STYXによる、17年に自主レーベル Alpha Dog 2Tを設立して初となる待望新作の登場だ!('(゚∀゚∩

スタジオアルバムのリリースは05年のカヴァー集『Big Bang Theory』以来で、オリジナル・アルバムとしては03年の『Cyclorama』以来14年ぶり(間にClassic Styx Songsの再レコーディング作『Regeneration』'13があるけど)となる通算16作目で、本作は2033年の初の有人火星探査をテーマにしたコンセプト・アルバムになっている。

オリジナルメンバーは2人、メジャーになってからを入れても3人しか全盛期メンツはおらず、その内1人 Chuck Panozzo(B)は健康問題等でフルタイムの活動を控えるようになっている現状や、かってのリーダーだった Dennis De Young(Key&Vo)との決裂等の話や、半ばドサ周りの懐メロバンド状態とも言える近年の活動を知るファンは、なかなかリリースされる事のなかった新作の情報を知っても、その出来には期待より不安の方が大きかったのじゃないだろうか?

ご安心下さい。
久々のコンセプト・アルバムという事で触発されたのか、07年から15年の間、DEF LEPPARD、FOREIGNER、BOSTON、REO SPEEDWAGON、38 SPECIAL、YES、TESLA等のバンド達とツアーに継ぐツアーを続けたのが影響したのか、本作で聞けるキーボードの音色やコーラス、そして楽曲の方向性等、明らかにプログレの残り香を漂わせていた頃の中期STYXサウンドで、産業ロック過ぎるきらいのあった活動休止前のサウンドより断然STYXらしさが溢れた仄かにユーロテイストを感じさせる叙情感あるメロディアスサウンドで、初期から彼等を支持し続けてきたファンは大歓喜間違いない出来となっております(*´ω` *)

Tommy Shaw(Vo&G)と長年のコラボレーターであり本作ではプロデュースも務める Will Evankovich(SHAW/BLADES、THE GUESS WHO)が共作した全14曲が収録されるという前情報を耳にしておりましたが、確かにそのサウンドは中期STYX的作風なものの Tommy Shawカラーが全面に押し出されたアルバムで、もう一人のオリジナルメンバーである James "JY" Young(G&Vo)の影がいささか薄く感じる点を除けば、新たに加わったメンバー、特に Lawrence Gowan(Key&Vo)がコンポーザーとしてもプレイヤーとしても大活躍しており、前任者である Dennis De Youngの不在を全く感じさせぬパワフルな歌声(かなりDennis De Youngっぽいw)と華麗なキーボードプレイを聞かせ、新生STYXのニューカラーを強く主張するモダンでメロディアス、そしてカラフルなコーラスが活きる、クオリティの高い楽曲が光る一品に仕上がっていると言えよう。

現状のメジャーシーンでの彼等の訴求率は決して高いとは言えないだろうが、ベテランの彼等が無理して今風のヘヴィなサウンドのアルバムをリリースしてやらかすより、多少ノスタルジックな作風の完成度の高いアルバムを披露してくれる方がなんぼか精神衛生上よろしい、というのが偽らざるファンとしての心境ですよね(汗

ただ、諸手を挙げて大歓迎って事もなく、コンセプト・アルバムと言う事もあってか各楽曲のキャッチーさやコンパクトさは活動休止前に及ばない感は否めず、ちょっと聞き古っぽいサウンドに聞こえるけど実はしっかりモダンサウンドになっているものの、これでもう少し James "JY" YoungのカラーであるHR風味が全体に効いていれば文句無しだったのになぁ、とないものねだりをしてみたりして…

とまれ、このノスタルジア路線を続けていくと完全に懐メロバンドに成り下がってしまうので、せっかくリズム隊は新しい血を導入して若返り、キーボーディストも多彩なサウンドを奏でる派手なパフォーマンスが得意(w)な新人カナダ人へチェンジしたんだし、個人的にHR風味マシマシで大好き(Glen Burtnik大好き!)な90年作『Edge of the Century』を超えるハードドライヴィンなギターが活躍する彼等なりのメロハー・アルバムを是非とも聞かせて欲しいものです。

旧曲のリレコーディング作やカヴァー作でタップリ肩慣らしは済んだだろうし、今度はこんなに待たせず新体制の新作を届けてくれるのを祈って、今暫くこのアルバムを聞き込みますかね。



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by malilion | 2018-02-15 01:59 | 音楽 | Trackback

冬の寒空に癒やしを求めて…アルゼンチン産トラッドユニット RHAGAIR

c0072376_14553669.jpgRHAGAIR 「Prologo」'02

……とにかくクッソ寒いっ!!!

隙あらば雪が舞い踊るこの数日、余りの寒さに布団からなかなか抜け出せませぬ…('A`)

んで、そんな凍てつき荒んだ心を癒やすアルバムに本日は耳を傾けておりました。

メランコリックなハープのトーンが美しくも儚い、淡く繊細なその音色が心安らがせる、クラシックハープ、ヴァイオリン、フルート、フィメール・ボーカリスト、そして朗読者の5人からなるアコースティック・トラッドユニットの唯一作をご紹介。

お馴染みのトラッド音楽を奏でているこのケルトユニットですが、なんとアルゼンチン産の音楽集団で驚かされます。

ヴォーカル入り楽曲は12曲中4曲と殆どインスト作なアルバムですが、この穏やかなフルートに華麗なハープの爪弾き、そして艶やかなヴァイオリンが描き出す繊細でメランコリック、そして朗らかな伝統的なケルト楽曲スタンダードの数々を演奏する作風にピッタリで、少しも気になりません。

むしろ、全くヴォーカルが無かったとしてもこの癒やし満載のアルバムの評価を下げる事にはならないでしょう。

まぁ、フィメールヴォーカル・ファンな方なら、ここで聞ける Eva Triguero嬢のしっとりとした美しく艶やかな歌声をもっと聞かせろ! と思われるかもしれませんけど(w

Lorrena Mc Kenittのカヴァーなんぞも含みアルバムタイトルがプロローグなので、きっとオリジナル楽曲で固められた次作がすぐにリリースされるものと思っておりましたが、現在に至るまで新たな音源はリリースされておりません。
残念ながら、既にこのトラッドユニットは現存していないと思われます…orz

ブックレット最後にアイルランドの伝説的な盲目のハープ奏者にして作曲家である Turlough O'Carolanの詳細が明記されている所を見ると、サウンドの主導権を握っている Edith Gorini嬢が敬意を表したのかもしれません。

残念ながらこのユニットの詳細については良く分かっておりませぬ。
ポルトガル語じゃなきゃ、もうちょい色々分かったのかもしれませんけど…スマヌ(汗

Musico:
Edith Gorini(Arpa clasica:クラシックハープ)
Patrica Avila(Flauta Transversa:フルート)
Ruben Monni(Violin:ヴァイオリン)
Eva Triguero(Voz:ヴォーカル)
Natalia Marcet(Narracion:ナレーション)

Musico invitado:ゲストミュージシャン
Andy Grimsditch(Bodhran:アイルランドの打楽器(小太鼓?))



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by malilion | 2018-02-12 14:47 | 音楽 | Trackback

えぇ!? MR.BIGのドラマー、Pat Torpeyが2月7日、死去…だと…!?


訃報は続くもの、って…そんなまさか…

USA産HRバンド MR.BIGのドラマー、Pat Torpeyが2月7日、パーキンソン病の合併症のため死去。64歳でした。

えー、遂この前、MR.BIGが新譜をリリースしたばっかじゃん…orz

確かに前々から、パーキンソン病と見られる症状があらわれ始めてる、とは公表されてはいましたけど…

これでオリジナルメンバーでの再結成は、本当に幻となってしまった訳ですね…

Pat Torpey...R.I.P.


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by malilion | 2018-02-09 19:46 | 音楽 | Trackback

ウリ・ジョン・ロートの実弟、ZENOのジーノ・ロートが死去…


ガーン!!

スカイギターを操る仙人と渾名されるSCORPIONSの初期メンバーとしても有名な Uli Jon Rothの実弟で、メロハー・バンドとしてマニア以外にもその名を轟かせたZENOなどの活躍で知られるギタリスト Zeno Rothが2月5日に死去していた…

ええええ…ZENOの3rdアルバム『Runway To The Gods』'06 を最後にとんと音沙汰の無かった彼のニュースが、まさかこんな形で耳に入ってくるとは…

寡作な彼だけど、いつかは新作を届けてくれると信じていたのに…メロハーの名バンドZENOの新作アルバムは…もうこれで本当に幻となってしまった…

長年の病気が原因らしいですが…61才とは…早すぎる…

Uli Jon Rothが伝える所によると、Zeno Rothは昨年のクリスマス前に新曲3曲のデモを作っていたらしく、その楽曲を Uli Jon Rothが完成させてリリースしたい模様だ。

去年もそうだったけど、年が変わってからも訃報が相次ぐなぁ…

その最期に Zeno Rothが残してくれた楽曲が届けられる事を静かに待ちたいですね…

Zeno Roth…R.I.P.


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by malilion | 2018-02-08 19:46 | 音楽 | Trackback

80年代風バッドボーイズが80年代風北欧HMサウンドへ変化!? CRAZY LIXX

c0072376_17191945.jpgCRAZY LIXX 「Ruff Justice」'17

スウェーデン出身のツインGを擁する5人組スリージーHRバンド3年ぶりの新作となる5thを1年遅れでご紹介。

個人的にそれ程バッドボーイズ系ロックンロール定番のスリージー・サウンドが好みでないので余りこの手のバンドをチェックしたり購入したりしないので、前々からご紹介しようと思っていたのですが遂々今の今まで遅れてしまいました。

既にココでも紹介している“北欧のSKID ROW”こと DYNAZTYの09年デビュー作をチェックした時に同一路線で一足先に06年にデビューを果たしていた同郷バンド CRAZY LIXXもチェックしアルバムも購入済みでしたが、まぁこの手のL.A METAL系をよりお好きな方が他サイトで紹介してるし、わざわざロックンロール系が主食じゃない自分が浅い紹介せんでもいいか、とっずっとアルバムを購入してたのに怠慢ブッコいていただけなんスけどね(汗

デビュー以来メンバーチェンジが絶えず、出戻りがあったりリズム隊がゴッソリ抜けたりと落ち着かぬ状況が多い彼等ですが、本作も Chrisse Olsson と Jens Lundgrenへゴッソリとギタリストをチェンジしてのスタジオ作となっております。
デビュー10周年作である本作を聞くまでもなく、リーダーでバンドの顔である Danny Rexon(Vo)さえ居ればバンドの態は保てるという事はこれまででも証明されているんですけど…

新世代の北欧バッドボーイズ系バンドに共通している、そのサウンドのルーツがMOTLEY CRUE、GUNS N'ROSES、SKID ROW等の華やかでゴージャス感あるサウンドがトレードマークな80年代風アリーナ・ロック&グラムHMである事は疑う余地もない訳だが、アルバム毎に着実に音楽性の幅を拡げ楽曲のクオリティを上げてきている彼等が、本作ではサウンドの方向性を哀愁漂う80年代風北欧HM&メロハー・サウンドへググッと接近させたのでここでご紹介せねば、と思った次第です。

これまでのアルバムはメインがキャッチーな80年代風グラムHM路線なハードライヴィンする楽曲で、その楽曲に仄かに80年代風北欧メロディアスHM要素の哀愁感が香る作風だったとすれば、本作はギタリストの交代が大きく影響したのかウェット感あるマイナーなメロが光る80年代風北欧メロディアスHM路線な楽曲がメインで、端々に80年代風アリーナ・ロック&グラムHM要素が散りばめられた、という風に大きくバランスが変化した作風で、北欧HM定番な煌びやかなキーボードと透明感ある爽快でキャッチーなメロディだけ聞いているとECLIPSEやH.E.A.Tと同ジャンルのバンドじゃないかと思える程で驚かされました。

個人的には北欧HM要素が増えるのは大歓迎なんですが、彼等の元からのファン層であるバッドボーイズ系ロックンロール定番のタフでスリージなサウンドが好みな方からすると、コーラスも控え目になったし勢いも緩んで曲調もマイルドになった上、小綺麗になり過ぎて少々ダーティーさやワイルドさが減退したように感じられ不満に思われるかもしれません。

まぁ、とは言ってもデビュー当時からUSA産バッドボーイズ達が奏でるドライなサウンドでも、無軌道で馬鹿みたいにマッチョでパワフルな毒のあるサウンドって訳でもなかったんで、ソレ系がお好みな方は最初っから“紛い物”でないUSA産バンドのみを聞いてたかもしれないけど…

そのルックスからバッドボーイズ系な要素ばかり注目される彼等ですが、元からBON JOVIを筆頭にDANGER DANGERやFIREHOUSE等のブライト感ある80年代風アリーナ・ロックも大きなサウンド要素であったのは周知の事実なので、そこへ北欧要素が結びつく事でよりキャッチーでフック満載なメロディアス・サウンドへ接近するのは何ら驚く事でないのかも(*´ω` *)

ただ、勢い重視なダーティー・ロックンロールならさほど問題にならないんですが、歌唱力や声質なんかも問題視される北欧HMサウンドへ接近すればする程に Danny Rexonのちょっと音域狭い、ザラつき気味な歌声と歌唱力が不足して感じられてしまうという新たな問題点が本作で浮き彫りにされてしまったのがなんとも……(汗

とは言えバンドの顔のみならず、作詞作曲、そしてプロデュースも引き受ける Danny Rexonは今やバンドの頭脳、バンドそのものとも言える立場なので、メンバーチェンジで早々に解決、ってな訳にはいかないんですよねぇ…('A`)

せっかく本作で合成っぽい分厚いバッキングコーラスを控え目(Danny Rexonがヴォーカルに自信を持ったって事かな?)にした彼等にこう言うのも何なんですが、新たに歌えるギタリストか歌えるベーシストを加入させハモらせるか、もしくはMOTLEY CRUEみたいにバックコーラス・ガールをズラリと従えでもしないと、現状のままでは北欧風味も香る80年代風アリーナ・ロック&グラムHMな方向性の楽曲を完全に歌いきれるヴォーカル・パートは聞けないんじゃないかと、個人的には思いますね。

なぁーんてこんな失礼な心配をよそに、あっさり前作の合成コーラス満載な人工甘味料的グラムHM風へ回帰するかもしれないし、まさかの Danny Rexonのヴォーカルスキルが劇的に上達して音域が拡がったりって事もなきにしもあらずなんで、ここは静かに次作を待つとしましょうか…



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by malilion | 2018-02-04 17:11 | 音楽 | Trackback

カンダの一人プログ・ポップバンドAnton Evansの爽快キャッチー3rdソロ作をご紹介。

c0072376_00161940.jpgAnton Evans 「Outliers」'17

カナダ産プログレッシヴ・ポップ・アーティストの7年ぶりとなる3rdソロアルバムが去年末頃にリリースされていたのですが今頃ご紹介。

Anton Evansは94年に1stソロアルバム『Eye』でデビュー(ヨーロッパではMega Rockレーベルのサポート)して以来、20数年以上にわたってプログレッシヴ・ポップ・ミュージックをクリエイトしてきたソングライターで、10年には待望の2nd『Ever heard the one abou..』を北米のインディレーベルVillage Works Canadaからリリースし、本作も同じレーベルから再びリリースしている。

基本的に Anton Evansがヴォーカル、キーボード、ドラム&ベースプログラミングを駆使してサウンドをクリエイトしていて、その他は少数のゲストを招いている程度で、ほぼ全てを一人で手がけているワンマン・プロジェクトだ。

ただしワンマンにありがちな自己中なインタープレイのひけらかしは無く、Anton Evansのマイルドな声質ながらロック系の熱唱が活きる分厚いヴォーカルハーモニーが爽快な歌モノバンド的なポップでキャッチーなサウンドが基本で、時折見せるテクニカルなGENTLE GIANT&YES風コーラスワークや屈折したリズム・アプローチ、そして複雑な楽曲展開やキーボードとギターにKANSAS風なプログレ・テイストが仄かに感じられる明らかに80年代後期USAプログ・ハードサウンドが音楽的バックボーンと分かり、さらにカナダ産らしい適度にウェット感のあるユーロ圏の香りもするメロディアス・サウンドと言えば伝わるだろうか?

90年代ならZEROコーポレーション辺りから日本盤が出ていそうな適度にポップでキャッチー、だけどポンプ&プログレっぽいとこもあるB級メロディアスHRバンドに近いサウンド、と言った方が分かりやすいかもw

実際、デビューソロ作はハードポップ系と言う事で輸入盤が雑誌等で紹介され、そこそこ好評だったように記憶しておりますし、比較的簡単に入手出来ました。

因みに本作では、夢劇場フォロワーのUSAプログHMバンドTHE QUIET ROOMの元ギタリスト George Glascoが3曲でソロプレイを披露している他、カナダのフォーク&カントリーバンドTANGLEFOOTの元ヴァイオリニスト Sandra Swannell嬢が1曲だけヴァイオリンで参加している。

ただ今回はそのゲストの影響が思いの外に大きかったのか、George Glascoのハードエッジなギターが効果的にフィチャーされているのみならず全体的にこれまで以上にハード寄りなサウンドになっているのと、エスニックなギターのメロディとリズムが導入されているのが1st、2ndで聞けなかった大きな変化と言えよう。

ヴォーカルとキーボード主体の爽快なポップサウンドと聞くと軟弱なイメージを抱きがちだが、以前から意識してなのか適度にギターによるハードタッチなサウンドを楽曲に織り込んで来たので惰弱なサウンドには一切聞こえず、プログレチックな緊張感もソコソコ感じるバランス感覚あるAnton Evansのコンパクトにまとめられたサウンドはメロハー好きな方にもきっと好評だろうと思う。

まぁ、打ち込み系サウンド(特にドラムは、ね…それ以外もドライ気味なサウンドなのは否めない)がどうしても許せないって方には“生”っぽさは希薄なので受け入れ難いサウンドかもしれない('A`)

残念な事にゴリゴリのHM系からもポップなAOR系からも、そしてプログレ系からもソッポを向かれてしまう中庸サウンドな上に情報が入って来にくいカナダ産ソロアーティストという事もあってここ日本での知名度は皆無に近い状況ですが、一度チェックしてみても損はないアーティストです。

例によって例の如く音源は簡単に公式からDL購入できますので、気になる方はポチってみて下さい。


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by malilion | 2018-02-01 00:09 | 音楽 | Trackback