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カナダのメロディアスHRバンドBOULEVARD、27年ぶりの新譜がイイ出来♪('(゚∀゚∩

c0072376_21352422.jpgBOULEVARD 「Boulevard IV ~ Luminescence」'17

サックスプレイヤーを含む6人組カナディアンAOR&メロディアスHRバンドの27年ぶりとなる再結成第一弾、通算三枚目のアルバムがリリースされたので、ちょい遅れてGET!

BOULEVARDは1991年に解散する前に、88年のセルフタイトルのデビューアルバムと90年の「Into the Street」の二枚のアルバムをMCAからリリースしていたドイツでシングルをリリースしてスタートしたカナダのバンド(スウェーデンにも同名の80年代風メロハー・バンドあり)で、それもあってデビュー当時からユーロ圏のAORファンやメロディアスHRファンに好評であり、居をカナダへ移してGLASS TIGERやBOSTONともツアーをして益々バンドの名声は高まったものの、時流の変化も影響してかメジャーな成功を収めるには至らなかった…

常にメロディアスロック・ファンの間では再結成の噂が囁かれてきた彼等だが、遂に14年に再結成し、その年のFirefestへ出演して好評を博す。
そして再結成作をリリースするより一足先に14年のLIVEを納めたDVD作「Live From Gastown」を15年にリリースしていた訳だが、待ちに待ったフルアルバムが満を持して今回届けられた訳だ。

因みに本作のタイトルに「Ⅳ」の文字があるのは、その映像作品も含めて四作目という事だろう。

このバンドを特徴付けている最大のポイントはサックス奏者をメンバーに含む事で、再結成作である本作にもオリジナルメンバーである Mark Holden(Saxophone)がちゃんと在籍して以前にも増して大活躍しているのでファンは一安心でしょう。

ただ、さすがにこれだけ時間が経っての再結成なのでオリジナルメンバーでのリユニオンは叶わず、デビュー作から2ndリリースの間にもリズム隊がゴッソリ入れ替わったが本作でもメンツに変動があり、オリジナル・ギタリストだった Randy Gouldに代わって Dave Cormanが迎えられ、2ndからベーシストだった Tom Christiansenに代わって Cory Curtisが新たに迎えられている。

作曲の中心人物であった Randy Gouldが抜けたのは痛手なものの、このバンドの顔である David Forbes(Vo)やサウンドのキーマン Mark Holden(Saxophone)や Andrew Johns(Key&Vo)は健在で、これまでのバンドサウンドを再現するだけでなくより現代的で魅力的なサウンドにリニューアルされた、カナダ産バンドらしい哀愁を交えた心地よくウェットなメロディ満載のアルバムを届けてくれているのが嬉しい。

以前のマイルドで甘い声質の David Forbesの優しい歌声に幾分か渋みが増してはいるが、分厚く爽快なハーモニー・ヴォーカルやソリッドで情熱的なリズム、そして煌びやかな美旋律を描き出すキーボードの音色の涼やかさは相変わらずで、ラジオフレンドリーでキャッチーなモダンサウンドが、ムーディーで優雅なサックスの音色を交えてシャレオツな調べに乗って繰り広げられるユーロティストな楽曲の数々は、長い長いブランクが嘘のような素晴らしい仕上がりだ(*´ω` *)

無論、さすがに90年代初期のようなポップでブライトなサウンドまんまではなく、長い創作活動を経て円熟味の増したサウンドにはAORテイストが多分に感じられ(特にキーボードとサックスに)るが十分に今でもロックのエッジを保っているし、経てきた年月が彼等のサウンドに渋みと枯れた味わいをもたらしているけれど、以前からのファンの期待にこたえるサウンドなのは間違いない。

ゲストで長年 Bryan Adamsバンドのギタリストを務めてきた Keith Scottが「Slipping Away」で如何にもといったワイルドでアーシーな音色を聞かせてくれているのもカナディアン・ロックファンにとっては話題の一つと言えるだろう。

またカナダはヴァンクーヴァーのスタジオエンジニアで裏方作業メインの Al Vermueなる人物もギターで「Slipping Away」に客演しているのは、解散後の各自の創作活動で地元で知り合った親しい友人を招いて、という事だろうか?

決してメロハー&AORのA級メジャー最高傑作とは言わないが、クラッシック・タイプのメロディロック・ファンやAORファンであるなら正しくこのアルバムは「必携」作で、併せてTOTOやCHICAGOなどの産業ロック系ファンにもお薦め出来る一枚とも言えるでしょう。




by malilion | 2017-11-23 21:29 | 音楽 | Trackback

バンドは鈍色、ソロは華やか、ってハッキリ鮮明。JEFF SCOTT SOTOが久しぶりにソロ作リリース。


c0072376_23212303.jpgJEFF SCOTT SOTO 「Retribution」'17

相変わらず多忙なセッションワークの他、自身のリーダーバンドでのアルバム発表がここの所続いていたが、ソロとしてのアルバムは5年ぶりとなる7作目がリリースされたのをちょい遅れてご紹介。

自身のリーダーバンドSOTOが、ヘヴィでダーク、そしてマッチョで男臭い今風モダンHMな方向性であり、バンドで存分に時流とUSマーケットを意識したサウンドを披露している事もあってか、ソロ作は全く別の方向性、もっと言えば彼のこれまでのキャリアの主戦場であったオールドタイプのメロディアスHM路線を前作に引き続き本作でも追求したアルバムを製作してくれて、これは彼の旧来からのファンにとっては正に望んでいた通りの新譜と言えるだろう。

多彩な音楽的バックボーンを持つ Jeff Scott Sotoのソロ作はいつもバラエティに富んだ楽曲が収録されているが、本作もその例に漏れず、ちょい今風なハードサウンドな楽曲や、お約束のポップなAOR風だったり、これまた定番のしっとりバラードだったりと、彼の幅広い歌唱力を存分に活かしたキャッチーでコンパクトなメロハー風楽曲を楽しむ事が出来る、安心印がバッチリのアルバムだ。

まぁ、その分意外性だったり強烈な刺激だったりは希薄だけれども、彼のソロ作にソレを求める向きは居ないだろうから何の問題もないでしょうけど。

本ソロ作は、Jeff Scott Sotoを中心に、初期からJeffのソロ作に参加し、TAMPLINやALCATRAZZに在籍し、TVコマーシャルや映画のサントラ等でその手腕をふるってきた凄腕ギタリストで、本作でもその華麗なギターワークを披露するのみならず Jeffと共同プロデュースも行っている Howie Simon(G、B)、そしてSOTOのドラムスでもあり、以前からソロ作にも参加しているJeffのお気に入りドラマー Edu Cominato(Ds)の三人を基本構成として、多数のゲストを迎えて製作されている。

有名所では、Dennis De YoungのSTYX曲演奏LIVEに参加していたギタリスト Stephen Sturmや、ダブルベース・プレイヤーの名手でジャズ、ポップ、ファンクとジャンルを超えて多数のセッションに参加している Carlos Costa、そして元々北欧バンドのドラマーだったファンク系ギタリストで、本作ではキーボードやベースもプレイし、その多彩な才能で愉しませてくれる Paul Mendoncaだろうか?

収録曲の『Retribution』のPVでは、バックに美貌のベーシスト Julia Lage嬢を筆頭に美人ドラマー Emily Dickinson嬢やJeffの奥様 Elena Sotoがキーボードを担当した華やかでセクシーなバンドを従え軽やかな歌声を披露する Jeff Scott Sotoの姿に驚かされたけれど、まぁメジャーで明るいイメージのソロ作ならでは、って感じの画面構成で、憤怒の顔で轟音が叩きつけられる中、燃え上がらんばりにシャウトを張り上げる暗いイメージのSOTOでの姿とのギャップにちょっと苦笑してしまいました(w

とまれ、ファンは当然ですが80年後期から90年代スタイルのサウンドで、抜群に上手いヴォーカリストの歌が聴けるキャッチーでメロディアスなサウンドを好む諸兄に安心してお薦め出来る一枚なのは間違いないでしょう。



by malilion | 2017-11-17 23:16 | 音楽 | Trackback

ポーランドから再び! BELIEVEの哀愁漂う優雅な美メロに酔え!

c0072376_15125753.jpgBELIEVE 「Seven Widows」'17

前身バンドCOLLAGEから数えると、既にキャリア25年以上になるベテラン・ミュージシャンからなるポーランドのヴァイオリン入り5人組ネオ・プログレバンドが待望の新譜6thを4年ぶりにリリースしたのでGET!

元COLLAGEメンバー Tomek Rozycki(Vo)とMirek Gil Sieradzki(G)と、最初期のCOLLAGEメンバーであった Przemek Zawadzki(B)等によって結成されたCOLLAGEの持つメランコリックなメロディ要素を集めたようなネオ・プログレバンドとして06年にデビューして注目を集めた彼等だが、長い活動の中で度々メンバーチェンジが起こり、今作ではドラムスとヴォーカリストが再びチェンジし、新たに Lukasz Ociepa(Vo)と Robert "Qba" Kubajek(Ds)の二名が迎えられている。

結局、オリジナルメンツで残っているのはリーダーの Mirek Gilと Przemek Zawadzkiのみとなってしまった。

まぁ、COLLAGEはこの Mirek Gil率いるBELIEVEと Robert Amirian率いるSATELLITEに分裂したようなモノなので、デビュー以降もお互いバンドメンバーだったりゲスト参加だったりとポーランドのグロプレ・シーンが狭いせいか人脈がかなり重なっているんですよね。

これでフロントマンは三度目のチェンジなのでメンツ変動にそう驚かないが、何よりこれまでバンドサウンドに艶と優美さを与えていた、前作「The Warmest Sun In Winter」'13 で脱退していたオリジナルメンバーの日本人女性ヴァイオリニスト Satomi嬢が無事バンド復帰し、さらに本作からキーボードもプレイ(専任キーボーディスト Konrad Wantrychは脱退)して一層にバンドサウンドのキーマンと呼ぶに相応しい立ち位置になっているのが大変に喜ばしい('(゚∀゚∩

で、注目の新フロントマンですが、マイルドな声質の中域メインな歌唱でシンフォ系にマッチした優しげな歌声(個人的には前任者の歌声の方が好みだけど…)なので、メンバーチェンジの一報に心配していたファンの方はご安心を。

前作まではフルートとヴァイオリンのクラシカルで優美な調べに絡む穏やかで甘美なピアノの音色と心くすぐるメロウさが売りの、淡い物悲しさが漂う仄暗い叙情的なシンフォニック・ロックだった訳ですが、メンバーチェンジも影響したのか全体的なサウンドの方向性や感触に変わりないものの、幾分かサウンドがパワフルになった印象を受けました。

そして、復帰した Satomi嬢のヴァイオリンがしょっぱなからタップリとフィーチャーされていて、その信じられない程にロマンチックでセクシーな音色は壊れ物のようにデリケートで美しく、バンドがゆったりと奏でるほろ苦く切ない哀愁と優雅さ漂うメロディアスなサウンドと相まって、薫り立つようなクラシカルな美メロが胸に迫る、その柔和でモダンなシンフォサウンドは正に絶品だ!('(゚∀゚∩

注目すべきは、スリリングさやテクニカルさよりもシンプルさと美しさを何よりも追求する、LatimerやHackettに肉薄する Mirek Gilの渾身のリードソロがここぞという所で冴え渡り、その全ての感情と情熱を解き放つかの如き儚くも美しい音色が淡く幽幻なシンフォサウンドに眩い輝きを与え、改めてスピードやテク、そしてパワーといったロック要素が無くとも甘美でメロゥなサウンドだけでここまで人を惹きつけ感動せしめるのだと驚かせてくれる。

サウンドの艶やかさや優美さの殆どを紡ぎ出しているのは Satomi嬢のヴァイオリンなものの、彼女の操るキーボードが奏でる控え目なストリングスや柔らかなシンセのアレンジが実に的確で(同一人物がプレイしているのだから当然だが)互いの楽器の音色を邪魔せぬ絶妙のバランス(前作よりもキーボードは控え目)も実によろしく、もし専任キーボーディストが在籍したままだったならば、果たしてここまで高い完成度のアルバムになっただろうかと考えてしまいますね。

個人的にはポップさやモダンさでは前作の方が上ですが、本作の方が優美でセンチメンタルなメロディの質という点で大きく勝っているように思います。

東欧故かどこか冷ややかで、けれど甘く切ない美旋律が詰め込まれたシンフォニック・ロック作ですので、メロディアス・ロック愛好家なら絶対押さえておいて損はない一品ですよ! 是非!

そうそう、近年COLLAGEの方も再結成されLIVE活動を行っているので Mirek Gilは“元”ではなく、現メンバーって事になりますね。

BELIEVEやソロ、そしてCOLLAGEと大忙しの Mirek Gilですが、次はどんな形態でか分かりませんがまた素晴らしい作品をそんなに待たせず届けて欲しいものです。





by malilion | 2017-11-13 15:04 | 音楽 | Trackback

米国シンフォ・ロック・バンドGLASS HAMMERがデビュー25周年記念スペシャル・アルバをリリース!

c0072376_00313481.jpgGLASS HAMMER 「Untold Tales」'17

現YESのフロントマン Jon Davisonが在籍していたインディ・バンドとして一躍メジャーシーンにその名を知らしめた米国産シンフォニック・ロック・バンドのデビュー25周年を記念したスペシャル・アルバをGET!

前作が個人的に彼等のディスコグラフィ中で最悪な出来だっただけに新譜リリース情報にも及び腰でしたが、蓋を開けてみれば結成25周年を記念し未発音源を集めたメモリアル・コンピレーション・アルバムとの事で、安心して手を出してみました。

93年~17年の間に録音されていた8曲の未発スタジオ&レア・トラックを中心に、キーボードを大きくフィーチャーしていた70年代UKロックバンドARGENTのカヴァー曲(メリーランド州ボルチモアのProgscape'96で、初めてこの曲のカヴァーをLIVE披露した)とTHE BEATLES(09年に「Three Cheers For The Broken Hearted」のセッション中に録音された。いくつかのLIVEのアンコール曲として披露された事がある)を2曲、既発曲に一部手を加えた新録曲を1曲、そして脱退前の Jon Davisonの歌声をフィーチャーした16年リリースのアルバム未収録の最新シングル1曲、さらに最新LIVEからの未発音源を1曲を加えた計13曲から成る、まさにバンド史を彩る音源を連ねた記念碑的な内容となっている。

Fred Schendel(Key)と Steve Babb(B)を中心に'92年に結成され90年代以降の米国産シンフォニック・ロック・シーンを代表するバンドになるまでの25年の間に残してきた未発音源というその内容の希少度もさる事ながら、長いキャリアの中で大きく変遷してきた音楽性(出発点はゲームBGMだったんですよね…)の多様さや意外な音楽的影響まで、アルバム製作に参加した多岐に渡るメンバーの数々や、ゲストプレイヤーのプレイ記録を改めて再確認できる献身的なGLASS HAMMERファン必携のマストアイテムだ。

こうして古い未発音源を今聞き直してしみじみ思うのは、やはり個人的には初期のエマーソンへの憧憬を隠さぬドプログレな渦巻くキーボードサウンドの洪水と怒濤のオーケストレーションがリスナーの耳を容赦なく攻め立てていた時代のエネルギー、ダイナミズム、そしてフックが炸裂するテクニカル・サウンドが一番好ましく、今は随分と音楽性が拡散し変容してしまった彼らの音楽の本質を如実に現しているなぁ、と…

プログレスするのがプログレ・バンドなんだし、初期からどんどん音楽性が発展変容(最近の露骨なYESフォロワーっぷりは辟易だった)するのは当然な事なので、このイチャモンはナンセンスでファンの身勝手なエゴであるとは重々承知していますけどね(汗

それと、やはり個人的にフィメール・ヴォーカルは好みじゃないので初期のような男性フロントマンのみで構成されているバンド形態のEL&P+YESだったサウンド時代の方が好ましい、としみじみ思えました。

興味深いレアトラックばかりの中でもとりわけ注目を集めるのは、あのカナダの至宝RUSHのドラマーにして詩人 Neil Peartが音楽制作用ソフトウェア・メーカー SONIC REALITYの音源サンプル・ライブラリーの製作中に残したドラム・トラックを用いたRUSH風な未発曲や、12年企画コンピレーション・アルバム「THE STORIES OF H.P. LOVECRAFT: A SYNPHONIC COLLECTION」に提供したアルバム未収録のシングル曲「Cool Air」に、17年北米Tennessee公演にて現メンバーの繰り広げる15分近くに及ぶドラマティックでスケールの大きな最新LIVE音源は聴きものだろう。

Tracks Listing:
01.Shadows of the Past 2008(2008 Re-recording of "Shadows of the Past" from Journey of the Dunadan)
02.Infusion(Originally released on the album "Love Changes - Featuring Glass Hammer" by artist Tracy Cloud)
03.Identity Principle
04.Hold Your Head Up(ARGENT cover)
05.Babb's Bach
06.And Then She Sighed
07.Eiger Dreams
08.It's All Too Much(THE BEATLES cover)
09.Troll
10.A Grain of Sand
11.Cool Air(from The Stories of H.P. Lovecraft)
12.The Impulsive Type(Featuring Neil Peart)
13.No Man’s Land(2017 Live performance of "No Man's Land" from Valkyrie)


Line-up:
Steve Babb (Bass、Keyboards、Vocals)
Fred Schendel (Keyboards、Guitars、Vocals)
Kamran Alan Shikoh (Guitars)
Aaron Raulston (Drums)
Susie Bogdanowicz (Vocals)

Former Member:
Walter Moore (Vo)
Jon Davison (現YES) (Vo)
Carl Groves (現SALEM HILL) (Vo)
Laura Lindstrom (Vo)
David Wallimann (G)
Matt Mendians (Ds)

しかし、近年Jon DavisonのYES絡みな話題でプログレ界を賑わせた彼等が、まさか Neil Peartのドラム音源を流用した異色曲という隠し球を放ってくるとは…これはRUSHファンならずとも興味惹かれるレア音源ですよね? 是非チェックしてみて下さい。

GLASS HAMMERはこのアーカイブ作でこれまでの活動の総括をした訳で、今度こそ次なる新作スタジオ・アルバムで期待に見事に応えて欲しいものです。



by malilion | 2017-11-01 00:23 | 音楽 | Trackback