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中心人物を欠いても力作をリリース!EMPTY TREMORの今の所の最新作をご紹介。

c0072376_22113910.jpgEMPTY TREMOR 「Iridium」'10

イタリア産キーボード入りツインギターの6人組プログレッシヴ・メタルバンドによる現在の所は最新の4thスタジオアルバムを今頃ご紹介。

申し訳ない! 実はとっくに解散しているものだと思ってました('A`)

なにせ3rdアルバム「The Alien Inside」'04でフロントマンに元AT VANCEで現在は自身のソロバンドで活躍中のドイツ人ヴォーカリスト Oliver Hartmannを迎えたものの、その後の活動が洋として聞こえてこず、オマケに Oliver Hartmannは自身のバンドで活発にアルバムをリリースしていたもので…

そもそも97年にデビューアルバムをリリースし、二十年以上に渡ってイタリアのプログレッシヴ・ミュージックシーンに身を置いてきたものの4枚のアルバムと1枚のアコースティックLIVE作しかリリースしていない、アルバム間のインターバルが長い非常に寡作なバンドだっていうのも影響してるんですよね(汗

先日、何気にWEB検索したら彼等が結成二十周年記念LIVE作「Slice of live」を15年にリリースしているのを知り、さらにその前にスタジオアルバムをリリースしていたと知って慌てて購入した次第でして…

で、バンドメンツを見てアラ、ビックリ! バンドの看板でもありソロ活動やKHYMERAの活動も好評だったリーダー&バンドの頭脳と思っていたキーボーディスト Daniele Liveraniの名が無く、ドラマーも Stefano Ruzziから Dario Ciccioniにチェンジしていたのだ。

さらに前作でフロントを務めた Oliver Hartmannの名は無く(まぁ、コレは予想通り)、脱退したはずのオリジナル・ヴォーカリストの Gio De Luigiが出戻りしていたのだからややこしい。

その後の二十周年記念LIVE作で Daniele Liveraniに引き連れられて脱退したオリジナル・ドラマー Stefano Ruzziはバンドに復帰している所を見るに、これってキーボーディスト Daniele Liveraniとフロントマン Gio De Luigiの衝突が原因で一度は脱退したけど『Daniele抜けたし、じゃあ戻るよ』って流れじゃ…と、穿った物の見方をしちゃいましよね(汗

ともあれ、今はキーボーディストのみ新人 Marco Scott Gilardiを迎えて他はオリジナルメンツで活動している彼等でした。

さて、このアルバムの内容ですが、デビュー当時は間違いなく夢劇場フォロワー・バンドの一つと言えるサウンドだったが、メロハー系バンドのフロントマンでもあった Oliver Hartmannを後にフロントへ迎え入れた事からも分かるように、よりメロディアスでキャッチー、そしてソウルフルで、時にはヘヴィ、そして複雑な楽曲でありつつコンパクトに纏められたヴォーカルの表現力にフォーカスした、インストパートより Gio De Luigiの情感豊かでマイルドな歌メロ中心の楽曲構成へ現在はバンドの方向性が変化したと言えるだろう。

無論、夢劇場の残り香は未だにそこかしこに散見するものの、イタリア産バンドらしいリリカルなメロディー、重厚でソリッドなリフ、ユーロ・プログレ界の中心地イタリアに相応しいドラマティックでスリリングな曲展開、さらにセンス良いテクニカルなインストパートが絡み、そして癖の無い幅広い歌唱力を持つヴォーカリストを組み合わせることでモダン・プログレッシヴHMバンドに欠かせないものが全て揃っているバランスの良い優等生的なアルバムなのは間違いなく、正直 Daniele Liveraniを欠いた後にこれだけの作品をリリース出来るとは完全に予想外でした。

確かにそのインストゥルメンタルセクションは世界で最もオリジナリティがあるとは(Marcoは新入りなので遠慮してるのか終始控え目なプレイ)言えないし、ヴォーカリストの歌唱力も絶品と言う訳ではないが、それにも関わらず彼等のスタイリッシュなサウンド(KANSASやJOURNEYっぽいメロディが聞こえる)は聞いていて実に心地よいのです(*´ω` *)

やはりヴォーカルハーモニー多目なのと、他のプログHMバンドに比べてインストパートやソロパートが非常に少なく、ヘヴィさよりテクニカルさより何よりメロディアスさに重きを置いているサウンド構成なのが、本家夢劇場を始めその他のグロプレHMバンドではグロプレというカテゴライズ故に余り聞く事が出来無いからだろう。

ただ、プログHMとして聞くとポップで楽曲がコンパクトすぎる、という不満をプログレッシヴ・メタルファンが持つのは当然だろうし、メタリック度やヘヴィさ、そして何よりイタリア産バンドなのに強烈な個性が感じられない!と嘆く諸兄もいらっしゃるかもしれないが、このモダンでスタイリッシュでシャレオツさも漂うバランス重視でコンパクトな叙情派プログレッシヴ・メタルサウンドの完成度は認めて欲しいですね。

次なるスタジオアルバムは7年以上のインターバルが開くのは確定(涙)してしまっているが、是非とも早く新譜を届けて欲しいものであります。


by malilion | 2017-09-28 22:05 | 音楽 | Trackback

音楽性の拡散!? 危険な賭けに出た北欧メロハー・バンドH.E.A.T.の新作!

c0072376_20335844.jpgH.E.A.T. 「Into the Great Unknown」'17

今や北欧新世代バンドの代表格と言っても過言ではない、スウェーデンが誇る5人組メロハー・バンドが三年半ぶりに新譜5thをリリースしたので即GET!

イマイチメンツが安定しない彼等だが再びバンド編成に変化があり、13年に脱退した Dave Daloneの代わりに加入した Eric Riversが脱退し、オリジナル・ギタリストの Dave Daloneが再びバンドに復帰しての初スタジオ・アルバムとなる。

で、毎度二年ほどのインターバルで傑作メロハー・アルバムをコンスタンスにリリースしてきた彼等だが、本作リリースまでに初めて若干長めのインターバルを設けたのはさらなるバンドの進化を試みる為だったらしく、その創作の試行錯誤の結果は本作のバラエティに富んだ幅広い音楽性に如実に表れていると言えるだろう。

冒頭のリードトラックはお得意のキャッチーでスピーディーな溌剌メロハー・ブライトサウンドな曲なものの、続いていきなりバラードが飛び出してきて『!?』となり、そしてお次は一気にポピュラーミュージックに寄った所謂普遍的オーソドックスなロック曲が飛び出してきた時点で『いつもとコレは何かが違う!?』とハッキリ分かる、いい意味での驚きを与えてくれた。

実際通してアルバムに耳を傾けてみると、ハードでエッジの立った派手でトリッキーなギターソロが姿を消し、リズムの緩急は多彩になったものの以前のような疾走感は失せ、殆どミッドテンポ中心の心地よいサウンドで固められた、よりヴォーカルとハーモニヴォーカルにクローズアップした只の大衆向けロック&AORまであと一歩、というギリギリで踏ん張っているメロハー・サウンドで、楽曲によっては片足ハードポップへはみ出しているものさえあるように聞こえる。

まぁ、いつまでも新人では無いし同一路線だけを突き進むのはマンネリズムに陥る自殺行為と分かっての音楽性拡大路線なんでしょうが、彼等の若々しくキャッチーで溌剌としたキレの良いメロハー・サウンドを好んでいたファンには、ちょっとタルく感じるかもしれない……

とは言え、楽曲にはフック満載だし、キャッチーでブライト、そして如何にも北欧バンドらしい透明感と爽快感あるメロディアスサウンドなのは変わりないので、彼等にスピードやハードさ、テクニカルさ“ダケ”を求めていたニッチなファン以外はきっと本作も変わらず気に入る事だろう。

後一番気になったのは、以前はバッチリとアルバム全編にフィーチャーされていた分厚く耳に突き刺さる人工的なヴォーカル・ハーモニーの量が減り、よりナチュラルなサウンドとヴォーカルで構成されている楽曲なのは、自身のサウンドと表現力の幅が一段と広がったヴォーカルスキルに対する自信の現れのように思える。

なんだかんだ言いましたが、短くないブランクの間に楽曲を磨き上げていた彼等の試行錯誤と、音楽性の幅を広げて新たな未知の領域へ果敢に足を踏み出した勇気、そして大きくスケールアップした楽曲の魅力を讃えたい(*´ω` *)

そうそう、アルバムラストに納められている日本盤ボートラ曲は意図的にかモロに旧来のメロハーな作風の楽曲で、アルバム全体の楽曲と聞き比べるとめちゃ浮いて聞こえるけど、まぁコレは日本向けなファンサービスって事で(w

今までで一番の冒険作である本作、彼等が提示した普遍的魅力あるオーソドックスなロックサウンドを気に入るかどうか、で旧来のファンか新しいサウンドも受け入れられるファンかを試される注目作なのは間違いない。

彼等の変化の程を確かめたい方は、後はご自身の耳でチェックして見て下さい!


by malilion | 2017-09-26 20:28 | 音楽 | Trackback

正統派の為の正統派による正統派のバンド、再始動!(≧▽≦)

c0072376_01465993.jpgNOCTURNAL RITES 「Phoenix」'17

北欧スウェーデンが誇るメロディックHMバンドの雄、NOCTURNAL RITESが十年ぶりとなる待望の再始動作9thを遂にリリースしたので即GET!

長かった…
前作が真っ向から王道メロディアスHMへ挑んだ、正に正統派HM作の名盤だったのに、急に彼等は活動を休止してしまったのだから…(つд`)

疾走チューンが姿を消し、フロントマンもチェンジし、デビュー当時の所謂マイナー調なメロスピ好きなファンはもう居ないかもしれないが、ここまで堂々たるモダンHMサウンドを披露されてはグゥの音も出まいし、つまらない戯れ言も必要ない。

太く力強い情熱的な歌声に、小賢しいテクに逃げずひたすらにエモーショナルで美しく、そしてソリッドでヘヴィなリフを刻むギターと、絶妙なアレンジの効いた楽曲に彩りを添える控え目なキーボードの音色や、ポップになり過ぎぬコーラス、鈍色のハードさと煌びやかなメロディアスさを巧みに交差させる哀愁を帯びたリリカルな美旋律に耳を傾ければいいのだ。

無駄の無いコンパクトな楽曲に凝縮され研ぎ澄まされた美メロと、屈強で強烈なフック、これでもかと攻めてくるドラマティックで隙の無いサウンド、その威風堂々たる作風も前作同様で、まるで十年の休止期間が幻だったかのよう('(゚∀゚∩

ただ、悲しいかな決して短くないインターバルでメンバーチェンジが起きてしまい、リードギタリストが Nils Norbergから Chris Rorland(現SABATON)へチェンジし、さらに再び Chrisから Per Nilssonへチェンジして本作は製作されているが、そのサウンドに大きな影響は窺えない。

たっぷり時間をかけて製作されたアルバムだけあって楽曲の充実ぶりは素晴らしく、ミッドテンポ系チューンで固められたアルバムなのに、時にミステリアスなムードを漂わせ、時にリズミックに、時にソリッドでダークネスなサウンドを響かせ、くどすぎず、さりとてアッサリでもない絶妙なアレンジの効いた00年代型モダンHM路線の楽曲の上を、Jonny Lindkvistの熱く男臭いザラついた歌声が伸びやかに轟き、あっという間にアルバムは終わってしまう。

HMの持つ勇壮さ、北欧HMの持つメロディの美しさ、ツボを押さえた泣きのGソロ、そして前作をも上回るサウンドスケールの大きさ…うーん、ホント素晴らしい快作だ…

荒削りでメタリックなリフをタフ&グルゥビィに奏でつつも、全体をモダンでコンパクトなサウンドで纏め上げつつ真っ向から正統派HMサウンドに挑み、厳しく困難極まりない王道を突き進むその姿といったら、もう格好良すぎでしょう♪

北欧HMとは思えぬドライなサウンドだが、その実ほのかにメロディに甘味が漂ってるとこがミソなんですよね(*´ω` *)

あー、興奮して解説だか紹介だか何が何だか訳分からなくなってきてるので、つまらん御託はここらでお終いにしておきます。

モダンなサウンドの正統派HMが好きな方なら、このNOCTURNAL RITESの再始動作は決して外せませんよ!

さぁ、後はご自身の耳でチェックしてみて下さい!





by malilion | 2017-09-24 01:38 | 音楽 | Trackback

HEEP&QUEEN成分マシマシでELO成分減のCATS IN SPACE新作!

c0072376_16035065.jpgCATS IN SPACE 「Scarecrow」'17

前作でそのキャッチーでポップなノスタルジック・サウンドが話題になった、SWEET、AIRRACE、MORTIZ等のバンドで活動してきた古強者達によって結成された英国産6人組メロディアス・ロック・バンドの待望の2ndがリリースされた!

メンツは前作と変わりなく、
Paul Manzi(現ARENA 現RAW GLORY 元OLIVER WAKEMAN BAND 元Andy Scott's SWEET:Lead Vocal、G、Key)
Greg Hart(元MORTIZ 元IF ONLY:G、Key、Vo)
Dean Howard(元BAD COMPANY 元IAN GILLAN BAND 元再結成AIRRACE:G)
Jeff Brown(元Andy Scott's SWEET 元STATETROOPER:B、Vo)
Andy Stewart(元MORTIZ 元IF ONLY:Key、Vo)
Steevi Bacon(元ROBIN TROWER BAND:Ds)
という、名うてのベテラン・ミュージシャン等で構成されているので、そのクオリティに些かの不安もありません。

因みに30年以上行動を共にしているという Greg Hartと Andy Stewartは再結成MORTIZにも復帰しているので現メンバーとも言えます。

しかし、改めて見ると Paul Manziって懐メロHRからダーティなHM系、そしてシンフォ系にまで幅広く在籍するとは、かなり器用な歌唱スキルを持っている如何にも仕事人って感じのプロフェッショナルなヴォーカリストなのでしょうね。

Andy Scott's SWEETでベースとリードヴォーカルを担当していた Jeff Brownの歌声も個人的には好きだったので、CATS IN SPACEではバッキングとコーラス&ハーモニーのみでしかその歌声を聞けなくなってしまったのは少々残念ですけど…

で、注目は前作の借り物臭さがどう変化したのか、またその手の問題を払拭出来たかどうかという点が気になる新作ですが、ある意味で予想を裏切る良作となったように個人的には感じました。

一番大きく変わったと感じるのは、前作で聞けたシャレオツでポップなELO風な雰囲気は薄れ、逆にHEEP風&QUEEN風なキーボードとコーラス、そして Brian May風なギターの割合(それ以外にも、かなり露骨なQUEEN臭が…)が増えて全体的にレイドバックした雰囲気とうっすらプログレ・テイスト(ポンプやシンフォじゃないトコがミソ)が漂っている、80年代風ハードポップ色が薄れて70年代後期風HR色が強まった点でしょう。

売りのメロディアスでポップな分厚いハーモニーヴォーカルが如何にもUK風(HEEP風)になって前作のアメリカン・テイストな朗らかなフィーリングが弱まり、さらにサウンド全体のヘヴィさとパワフルさが増してググッと骨太でドラマティックな70年代後期HR寄りになった感触だ。

90年代初期のHEEPに近いサウンド(コーラスはこっちのが断然綺麗)にSUPERTARNPやSTYX、そしてQUEEN風のキャッチーな70年代ロック・テイストをまぶし、叙情的で哀愁溢れるウェットなユーロピアン・メロディを保ちつつ、現代的なサウンドへ磨きをかけてモダンな今風サウンドに仕上げたイメージと言えば伝わるだろうか?

もっとぶっちゃけると1枚だけLIVE作を残して一年足らずで解散した再結成SWEETのスタジオ新曲のサウンド(ドライなサウンドだったけど)にかなり近い感触に思えるのだが、例えがマイナー過ぎて誰も分からないか…(汗

未体験故に憧憬を隠さずまんま70年代サウンドへ傾倒する新人バンドは結構耳にするが、微妙に80年代テイストも加味して古臭いのに新しいサウンドをクリエイトする居そうで余り居ないキャッチーな懐メロモダンHRサウンド路線を彼等は狙っているようで、90年代からのグランジーの波に呑まれなかったらシーンのメインストリームサウンドはどうなっていたのか? という失われた過去を描いている風にも聞こえて大変興味深いですね。

まぁ、狙っているその路線は当時売れなかったサウンドな訳で危険な賭けにも思えますが、今の耳で聞くと不思議と新鮮な感触を覚えるので、意外にこのモダン・ノスタルジック路線は多くのミュージシャンが無視している忘れられた路線で実は大穴かもしれません。

ただどうしてもどこかで聞いたようなフレーズだったりアレンジ、サウンドだったりが耳に付く(実は意図的?)のは前作と変わりなく、完全に借り物臭さを払拭出来たとは言い難い点が、出来のいい作品だし個人的にも好みであるだけに余計に残念な点であります。

後は前作でのELO風味が好きだった方にはちょっとガッカリな方向へ進んだとも言えますけど、まぁ、ELOの後追いは本家の元メンツでさえ苦労しているので絶対失敗(Jeff Lynneは偉大だ!)するのが目に見えているのだから、今回の選択は正しかったのじゃないかと…(汗

次作こそはオリジナリティという点をもうちょい考慮してさらにサウンドに磨きをかけて欲しい、そんな80年代、70年代好きにお薦めな懐かし系ポップ・ロックバンドですので、まだ彼等のサウンドを耳にした事がない方は是非一度チェックして見て下さい。



by malilion | 2017-09-20 15:56 | 音楽 | Trackback

さらにユーロピアン・シンフォサウンドに磨きをかけたDRIFTING SUNが新譜をリリース!

c0072376_16395112.jpgDRIFTING SUN 「Twilight」'17

以前のプロジェクト体制では寡作だったが、復活して以来コンスタンスに作品をリリースしてその創作意欲の高まりを知らしめているフランス人キーボーディスト Pat Sanders率いるユーロ・シンフォ・バンドの5thが1年ぶりに届けられた。

前作で一気に数段上のレベルへ駆け上がりやっとメンツが安定したかと思ったのも束の間、毎度お馴染みのメンバーチェンジが起こった模様で、ギタリストを Dan StoreyからPINK FLOYDやGENESISをルーツに持つシンフォ系マルチインストゥルメンツ・プレイヤー Franck Carducci(B、Key、G、Ds、etc)のバンドでリード・ギタリストを務めている Mathieu Spaeterへチェンジし本作は製作されている。

『ワンマンバンドだしギターが変わっても影響無いでしょ?』という予想を覆し、それまで主にキーボードの音色のみで構成(ワンマンバンドの弊害ですね…)されていた楽曲構成に、少しYES風な繊細でエモーショナルなリードギターが時に切なく咽び泣き、時にウットリするような優美なメロディを紡ぐ、そんな哀愁を帯びたウェットでデリケートな音色が加わって変化と深みが生まれ、さらにメロゥでキャッチーな歌メロや憂いを漂わすファルセット・コーラスも相まって、如何にもユーロ・シンフォバンドというリリシズムあふれる美しいサウンドとドラマチックな楽曲展開が頭から最後まで貫かれていて、前作で彼等の事を気に入った方ならば満足間違いなしな同一路線の痺れる一枚に仕上がっていもう最高♪('(゚∀゚∩

そんな Mathieu Spaeterのプレイに触発されたのか Pat Sandersのキーボードプレイにも変化が見られ、これまでややもすると自己主張の強い音の壁を築いてばかりいた彼だが、本作では一歩引いた優美で気品ある鍵盤サウンドを奏でることに注力しているようで、結果的にそれが“押しと引き”を引き立て、ユーロテイストたっぷりな楽曲の陰影を一層に際立たせる相乗効果を生み出しているように思えます。

ただ、前作と同一路線なものの若干ロック的なダイナミスク(このヴォーカルにシャウトは似合わない)やメタリックなテイストは減退し、その分楽曲のメロディアスさや優美さが強く押し出された、良く言えば繊細さが増した、悪く言えば軟弱になった、とも言えるので、その辺りで好みに差が出るかもしれません。

復活前は如何にもGENESISの傍流というフォロワー丸出しの凡庸なポンプサウンドだったが、前作からの急激な進化が更に進み、オリジナリティの確立とA級にあと僅かという極上のB級インディ・シンフォレベルへ到達しているのが大変喜ばしいですね(*´ω` *)

ヨーロピアンな優美さが光るシンフォ・サウンドがお好みの方ならチェックして置いて損はない一枚ですよ! 毎度お馴染み自主盤なので、お求めはお早めに!



by malilion | 2017-09-18 16:33 | 音楽 | Trackback

二人目の出戻りフロントマンを得て、UKプログHMバンドTHRESHOLDが新譜をリリース!

c0072376_22454611.jpgTHRESHOLD 「Legends Of The Shires」'17

UK古参プログレッシヴ・HMバンドの3年ぶり11枚目となる2枚組最新スタジオアルバムが発売されたのでGET!

久しぶりの新作なんですが、元々コンスタントにアルバムをリリースする彼等ですし、間にLIVE作を挟んでいるし、AUDIOPLASTIKやHEADSPACEやセッション等々で各メンバーは活発に各自活動していてるし、ボスの Karl Groomはサイドプロジェクトやプロデュース業で年中多忙でその名をしょっちゅう見かけるし、3年ぶりだなんて全く思えませんよね。

初期からメンツの入れ替わりが激しい彼等ですが、またまたメンバーに変動があった模様で、サイドギタリストの Pete Mortenが抜けて再びシングルギター編成の5人組になり、さらになんと二代目フロントマンの Glynn Morganが二十数年(!)ぶりに復帰しての2枚組コンセプト・アルバムとなっています。

2011年に夭逝した3代目フロントマン Andrew "Mac" McDermottに代わって初代Vo Damian Wilsonが出戻りした時は、一体いくつのバンドを掛け持ちしてるんだってくらいそこら中のプロジェクトやポンプバンドに参加して作品をリリースしている彼の事なので驚きはなかったのですが、加入して早々に音楽性の違いで袂を分かった Glynn Morganがまさか再びバンドへ出戻りするとは予想外でした。

で。内容の方ですが、のっけからガッツリ骨太なファストリフが飛び出すドライブ感バリバリのソリッドでメタリックなGと美意識溢れる繊細なアレンジを随所で聞かせる優美でテクニカルなKeyを軸に、英国叙情漂うウェットで重厚なメロディと心地よい爽快なコーラスが印象的な定番のTHRESHOLD節をキープしつつ、お馴染みの変則ビート&テクニカルなセクションで複雑に構築された躍動感溢れるドラマティックなサウンドでスリリングに攻め立て、随所で哀愁香る濃密なロマンティックさ、そして予想を上回るキャッチーなフックと一糸乱れぬアンサンブルを聞かせる、流石はベテランという安定感抜群な一作だ。

何より嬉しいのは、ここ数作のマンネリズムや閉塞感を打ち破る Glynn Morganの若々しく情感たっぷりな力強い歌声が新鮮な息吹を楽曲に呼び込み、初期のような瑞々しい艶やかさや煌めきがサウンドのそこかしこで感じられ、ベテランらしい構築美に満ちたアルバムの完成度もさることながらいつになくフレッシュでエモーショナル、そしてポップな感触が楽曲に満ちていて、間違いなくこの魅力的なバンドの屈指の傑作アルバムとなるだろう。

あと本業以上に忙しく裏方作業をこなしている成果か、Karl Groomのエンジニアリングとプロデュースが隅々まで行き届いた音の良いアルバムな点もファンならずとも嬉しい所ですね(*´ω` *)

メンバー自身がバンドの新章がスタートしたと語るに相応しい新鮮な輝きと魅力に満ちあふれているこの新作、いつものマンネリサウンドに飽き飽きしていた、っていう元ファンな方やテクニカル・グレHMバンド好きな方に是非一度チェックしていただきたいですね。



by malilion | 2017-09-15 22:39 | 音楽 | Trackback

ドイツのプログハードSARIS、久しぶりの新譜はスケール感マシマシでもポップでキャッチー♪

c0072376_12322834.jpgSARIS 「Ghosts Of Yesterday」'17

Derk Akkermann(G&Key)率いるドイツ産メロディック・ハード・プログレ・バンドの再結成後の3作目となる3年ぶりの自主制作4thアルバムをGET!

突如06年に復活してから断続的に音源をリリースする彼等だが、前作が5年のインターバル後のリリースだった事を考えると比較的早めに新譜をリリースしてくれた事になるのかな?

で、このインターバルでまたメンツ変動があった模様で、前作で影の薄かった復活後ツインヴォーカルの片割れ Thomas Hackmannが案の定姿を消して6人組から5人組バンドへ体制が変わっている。

と、言っても前作の時点でトリプルヴォーカリストを抱えるものの実質 Thomas Hackmannはバッキングヴォーカルでだけ参加の Henrik WagerとAnja Gunther嬢のツインヴォーカル状態だった訳だから、メンバーチェンジによるヴォーカルパートの大きな変化は聞き取れないのでファンはご安心を。

前作の時点でプログハードバンドとは言えコーラスパートをたっぷりフィーチャーしたキャッチーな歌メロが耳に嬉しいポップ寄りサウンドになっていた訳だが、本作でもホンプチックなシンフォニック・キーボードの比重は決して多くないものの、『ココ!』と言う所で美しいオーケストレーションが使われたりするので初期からの叙情的でクラシカルな美しいメロディを保ちつつ効果的に重厚さと荘厳さを巧く醸し出し、まだまだプログレ・ハード・バンドのスタンスを保っているのは見事の一言。

前作からより大衆向けサウンドへ接近し先行きに少々の不安を感じさせたが、続く本作では複雑で分厚いコーラスとネオプログレ的なドラマチックなインストパートでダイナミックなサウンドを紡ぎ出し、前作で垣間見えた軽薄さを払拭してスケール感を増したサウンドを聞かせる事に成功しているのは、ひとえに Derk Akkermannによる目立たないが効果的な絶妙のアレンジ力と七色に変化する印象的なキーボードの音色、そして楽曲にフックを生み出し惰弱になりがちなコーラスメインのサウンドを引き締めるハードなギターリフによるものだろう。

ドイツ産プログレハード・バンドに有りがちな生真面目で重苦しい鈍色なヘヴィ・サウンドのイメージは全く無く、むしろキャッチーで爽快感あるサウンドはドイツモノ好きな方からすると好ましくないのかもしれませんが、SAGAなどのカナダモノに近い柔和さと雄大なスケール感を漂わすドラマチックでありながら適度にポップなサウンドはよりメジャー指向が強く、耳にした方の多くが好ましく感じるに違いありません。

惜しむらくは、こんなにメジャー指向なサウンドなのにバンドの知名度が皆無に近いと言う事でしょうか…

個人的にはこの手の初期のサウンドイメージと違う変化してポップでテクニカルになったバンド(SWEETとかNAZARETHとか…)のサウンドって奴が大好物なのですが、この手の展開するバンドって必ずといっていい程売れないし顰蹙を買うんですよね…特にコアな支持層が地盤になるインディバンドだとソレが顕著で…(つд`)

もはやプログレのカテゴライズで語るべきではないバンドなのかもしれませんが、ポップ寄りなグロプレサウンドもいける、って方は是非試してみて下さい!


by malilion | 2017-09-10 12:25 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンの新世代ハイブリッドHRバンドDEGREEDが4thをリリース!

c0072376_19143191.jpgDEGREED 「Same」'17

一ヶ月前から予約してたのに見事にKONOZAMAを喰らいご紹介するのが少々遅れた(涙)が、北欧スウェーデン新世代ハイブリッドHRバンドが約二年ぶりに放つ新作フルアルバムを無事GET!

前作は何故かその高い完成度にも関わらず国内リリースが見送られたが、今回は無事に国内盤がリリースされ大変目出度い!
やっぱり一人でも多くの方に彼等の事を知って欲しいものね(*´ω` *)

前作でギターが一人抜けてフロントにVo兼Bを据えた4人組バンドになった彼等だが本作でのメンツの変動はなく、ファンは一安心といった所だろう。

レーベル移籍に伴い心機一転セルフタイトルのアルバムをリリースしたのだろうが、キャッチーでポップでありながらUSA系のような脳天気な朗らかさは薄く、ユーロテイスト漂うウェット感と北欧系特有のキラキラしたキーボードと透明感あるメロディ、メインリフでヘヴィに攻めつつサビでは突き抜ける爽快感とフック満点な分厚いコーラスというデビュー時からの方向性は変わる事なく、楽曲の完成度やアレンジの妙、そしてモダンなサウンド造りとバンドが持つ魅力をより一層に磨き上げ、さらにドラマティックさとダイナミックさ迸るサウンドスケールも一回り大きくメジャー級へと逞しく成長させた、正しくバンド名を冠したセルフタイトル・アルバムに相応しい彼等の“全て”を詰め込んだ現時点での最高傑作なのは間違いない。

前作からキーボードの割合が増えたように感じていたが、本作ではソロタイムもバッチリ収録とさらに煌びやかなキーボードの比重が増え、幾分テクニカルさ推しな要素が薄れて、よりストレートでスマートな楽曲構成になったのも聞きやすさとキャッチーさ、そしてシンプルな楽曲構成故にメロディの美しさが引き立つ効果を生み出しているように思う。

まぁ、シンプルになったと言ってもそれは以前と比べての話で普通のHMバンドと比べりゃ十二分以上にテクニカル(サラリ、とテクい事してるから分かりづらい…)だし、アグレッシブでありつつ美しいメロディを紡ぐ Daniel Johanssonのエモーショナルなギタープレイは、多くの要素を高い次元で融合させた極上のメロディアス・ハードサウンドをコンパクトでモダンな手法で聴かせているので、彼等のテクニカルな所に惹かれたファンの方でも決してガッカリする事はないでしょう。

相変わらず Robin Erikssonはパワフルに、そして時に繊細な歌声を聞かせてくれ、元々巧い唄に今まで以上に熱さとスマートさを兼ね添えた説得力を持たせているし、今回は今まで以上に Micke Janssonのキーボードが大活躍(楽曲の殆どを手がけてるのも大きい?)しているしで、ホント大満足な一枚です(*´ω` *)

しかし、ここまでレベルの高いスケールの大きいサウンドを叩き出す優良バンドが未だにメジャーレーベルに所属していないというのに驚かされる。
欧米のシーンじゃ彼等以下レベルのバンドがメジャー所属なのが、どう考えても理解出来ませんわ……

後は知名度アップくらいしか彼等の弱点は見当たらないので、新譜発売に伴う活発な活動を通してその名をシーンに轟かせて欲しいものです。


by malilion | 2017-09-07 19:06 | 音楽 | Trackback