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進化系北欧デジタル・シンフォが更に進化して、BROTHER APEが通常バンド作をリリース?!

c0072376_15092956.jpgBROTHER APE 「Karma」'17

真の意味で“プログレス”し続ける、時代の最先端サウンドを模索し続ける北欧スウェディッシュ・モダン・シンフォバンドの、4年ぶりとなる7thアルバム(デジタルEPは含まず)がリリースされたので即GET!

お馴染みのトレードマーク(?)顔色鮮やかな霊長類マンドリルがジャケに描かれたこの新作、2nd以降トリオ編成になってもう随分になるキャリア10年超えの彼等だが、本作でもメンツに変動はなく盤石の体制で製作されている。

一聴して驚かされるのが、これまでまるで“刺身のつま”状態が多かったヴォーカルが普通のバンド作のようにメインに据えられた楽曲形態だという事。

そしてこれまで数作かけて模索してきたデジタリーでアンビエントな打ち込み風フュージョン・サウンドな色が今回は薄く、所謂通常のバンドがだすバンドサウンドな音像がメインのアルバムだと言う事だろうか。

とは言っても、トレードマークの邪悪にウネるベースとソリッドでヘヴィなドラムスは未だパワフルでバンドサウドの要だし、トリオ編成ながら Stefan Damicolas(G,Lead Vo,Key)と Gunnar Maxen(B,Key,Vo)が操るオーケストラ・ストリングスのプログラミング等、これまで培ってきた打ち込み系サウンドとプレイヤーが奏でる生サウンドのアンサンブルとが濃密に絡み合い、独自カラーとも言える浮遊感がありつつハードエッジなギターをメインに据えた奇妙なモダン・サウンドをドラマチックに展開するのに変わりない。

さらに、北欧プログレ系バンドが出す音にしてはサウンドがドライで一聴して分かるような叙情感や艶やかさに乏しいけれど、その実サウンドの端々や裏ではしっとりとした詩情や物憂げな哀愁が仄かに漂っているのが、彼等のサウンドを一際オリジナリティあるものにしているポイントだろう。

バンドサウンドに再び接近したと言っても、初期のようなKANSAS風味は皆無なのが少々残念だが、トリオ編成と思えぬ隙無く造り込まれたそこはかと仄暗く美しいスタイリッシュなモダン・サウンドは、以前の所謂シンフォさの欠片もないデジタリーサウンドより誇張なしに百倍増しで良く、正直その路線を突き進むなら遠からずフォローするのを止めるだろうと予想していただけに、本作のバンドサウンド寄りになった新機軸サウンドの独自性とクオリティは見事という他なく、期待以上の出来だ。

所で今まで気がつかなかったが、しっとり落ち着いた叙情感あるヴォーカル曲だと、 Stefan Damicolasの歌声とサウンドがちょっとBOOM BOOM SATELLITESっぽく聞こえ、個人的に面白いなぁ、と思いました(*´ω` *)

ただ問題点がない訳でもなく、今作は特に歌メロがイマイチな為か余計にそう強く感じるのかもしれないが、所謂普通のバンドサウンドに接近すればする程、デビュー作から一貫してのヴォーカルパートの貧弱さ(デジタル処理無しだと露骨)は如何ともし難く、その点に関しては未だにB級レベルなのがいただけないけれど…(汗

一般的な北欧グレ&シンフォ系の音からは遠く、ソレ系を求める向きには全くお薦め出来ぬものの、『プログレとは本来こうあるべき!』と現在進行系で音楽ジャンルをボーダーレスに跨いで複雑怪奇に展開するスピーディーなソリッドサウンド、実にハイセンスで小気味よいです。




by malilion | 2017-03-31 15:03 | 音楽 | Trackback

一服の清涼剤のような爽やかメロディアスサウンド♪ ALAN REEDが2ndソロをリリース!

c0072376_01082429.jpgALAN REED 「Honey On The Razors Edge」'17

UKポンプ黎明期に活躍し、今なお活動中であるPALLASの2代目フロントマンであった英国人シンガー Alan Reedの5年ぶりとなるソロ第二弾(EP、LIVE含むと4枚目)がリリースされたので即GET!

引き続きソロデビュー作同様に自ら作詞作曲、Vo、G、B、Ds Prog等を担当し、同じく豪華なゲストを多数迎えて製作にあたっているので各プレイヤーのファンも要チェック作だ。

注目のゲスト陣は、現PENDRAGONのドラマー Scott Higham、Clive Nolanと Karl Groomの双頭バンドCASINOや John Wettonと Geoffrey DownessのICONプロジェクトやUSAギタリスト Jeff Greenとの活動で知られるキーボーディスト Mike Stobbie、その Jeff Greenはリードギターで参加し、元GENESISのギタリスト Steve Hackettはハーモニカのみをプレイ、フランチ・プログレバンドLAZULIの Claude LeonettiはLEODE(ギターとシンセとヴァイオリンをMIXしたような音を出すカスタムメイドのエレクトリック・デヴァイス)をプレイし、バッキング女性ヴォーカルにUKプログ・バンドMAGENTAの Christina(Murphy)Booth嬢とスパニッシュ・プログ・バンドHARVEST(イタリアン・プログHMとは別バンド)の Monique van der Kolk嬢、フレンチ・プログレバンドWEEND'O の Laetitia Chaudemanche嬢といった多国籍からなる布陣となっている。

で、新譜の方向性はと言うと、前作は歌モノらしく情感豊かなヴォーカルが耳を惹きつけるトラッド・シンフォとでも言える清涼感あるシンフォニック・サウンドでしたが、この2ndも同路線の爽やかでキャッチーな歌メロとちょっとポンプ風キーボードサウンドが嬉しいコンパクトな楽曲が基本路線で、ゲストヴォーカルを多数迎えている為かヴォーカルハーモニーが分厚い点と全体的にサウンドがかなりシンプルでモダンさが増したのが目新しい変化でしょうか?
代わりに前作にあったトラッド要素やシンフォ要素は薄めになり、その分アコースティカル要素とアジアン・フィーリングな民族音楽的要素が増えている点もすぐ気がつく違いと言えましょう。

また、前作以上に Mike Stobbieのキーボードが大活躍していて、シンセをはじめメロトロン系やオルガン等で多彩なプレイを聞かせ、シンプルながらも英国叙情あるモダン・ポップ・フィーリングな楽曲を弾きすぎる事なくバックから様々に飾り立てている点も見逃せないだろう。

シンプルにアコギを爪弾くのがメインな楽曲が多いながらも、よく造り込まれているウェットな叙情感ある美しい楽曲はモダンで隙がなく、そして Alan Reedの甘く爽やかな声質とポップな歌メロも相まって実に心地よい、期待を上回る充実した高品質作だ。

所謂PALLASのような“ド"シンフォサウンドを求める方にはお薦め出来無いが、美しいメロディとアコースティカルな楽器の響き、そしてモダンでポップながらもウエットで如何にも英国然とした巧い歌声をお求めな方になら、間違いなく満足する事を保障出来る一品です。



by malilion | 2017-03-22 01:01 | 音楽 | Trackback

古典プログレ+プログメタル風味×クラシカルフレーバー = CASTが新作リリース!

c0072376_19223284.jpgCAST 「Power And Outcome」'17

メキシコで1978年に結成され未だに活動を続ける、今やメキシカン・プログレの雄のみならず南米グレ界の盟主と言っても過言ではない確固たるキャリアを誇る、Luis Alfonso Vidales(Key)率いるヴァイオリン入り7人組バンドの新作20th(BESTやLIVE含むと24作?)アルバムが2年ぶりにリリースされたので即GET!

以前からスペイン語だったり英語だったりとヴォ-カルアプローチがイマイチ定まらない彼等だが、本作は英語で歌われている。

フルート奏者が抜け、ベーシストがチェンジしてはいるものの、売りである2ndヴォーカリスト Lupita Acuna嬢とヴァイオリンの Roberto Izzo(NET TROLLS、GNU QUARTET)は健在で、Luis Alfonso Vidalesが弾き倒すシンフォニックで派手なキーボードワークと、Roberto Izzoの奏でる艶やかで趣あるヴァイオリンの音色をバックに、高らかに男女ツインヴォーカルが歌い上げる、これまでにも増して優美にして煌びやか、そして重厚にして壮大なスケールを感じさせる仕上がりとなっており実に素晴らしい!

冒頭から11分越えの大作で幕を開けるこの新作、一時期プログレ・メタルへ肉薄するハード・シンフォサウンドを披露して歓喜させてくれた彼等だが、案の定その方向へは進まず(涙)旧来からの定番なまったりシンフォ路線へ軌道修正しつつ、ここ数作で模索しているキーボードとストリングスのアンサンブルを活かしたクラシカルで叙情感ある哀愁のテクニカル・メロディアスサウンドに一段と磨きがかかっており、Luis Alfonso Vidalesの自信の程が窺える、これまでと一味も二味も違う気品さえ感じさせる美しいサウンドだ!('(゚∀゚∩

ややもすると緩いプレイを聴かせがちな Luis Alfonso Vidalesが、本作では古典イタリアン・プログレを彷彿させるようなダイナミックでドラマチックな、時に邪悪な雰囲気を漂わすダークでテクニカルなキーボードプレイで畳みかけ、ヴァイオリンが奏でる美しく繊細なメロディが優雅に薫り立ち、要所要所でスリリングなプログHM風ギター・プレイが楽曲をピリリと引き締める、ハード・シンフォサウンドと旧来の古典プログレサウンドをMIXさせたかのような、如何にもプログレ作らしい複雑な展開の重厚な楽曲に、テクニカルなプレイと美旋律がたっぷりと堪能出来る、デビュー以来のサウンド大変革作とも言える「Art」'11 を凌ぐ“勢い”と“熱さ”を感じさせる久々の傑作アルバムと言えよう。

ただ、せっかくのツインヴォーカルを備えた編成なのに本作のヴォーカルパートは余りにも少なく、殆どインスト作のように思えるバランスの悪さには少々疑問を呈したい。

まぁ、プログレ作のヴォーカルパートなんて70年代当時から添え物程度の扱いじゃないの、って言われればそうなんですけどね…(汗

とまれ、リリカルでメロディアスな70年代風UK&イタリアン・プログレ・サウンドを今風にモダン・アップデートし、プログ・メタル要素を加えたクラシカル風味テクニカル・シンフォサウンドが好きな方なら、迷わず買いの一品なのは間違いありません。お薦めですよ!



by malilion | 2017-03-19 18:43 | 音楽 | Trackback

爽快キャッチーなAOR&メロハー作! LIONVILLEが新譜をリリース!

c0072376_00375476.jpgLIONVILLE 「A World Of Fools」'17

イタリア人ギタリスト Stefano Lionetti(G,Vo,Key)率いる5人組イタリアン・メロハーバンドの5年ぶり3作目がリリースされたで即GET!

メロハーファンにはお馴染みのFrontiers Recordsへレーベル移籍したのを期にバンドロゴも一新した彼等の新作は、前作以上の高品質メロディアス・ロックで、重厚なコーラスと透明感あるキーボードをフィーチュアしたフック満載の美旋律とキャッチーな爽快サウンド目白押しの力作だ('(゚∀゚∩

元々AORプロジェクトからバンド形態へ移行した彼等だがこのインターバルで再びメンツに変動があった模様で、情感豊かな歌唱と伸びやかでクリーンな爽快コーラスを披露するWork Of Artの Lars Safsund(Vo)と Stefano Lionetti(G,Vo,Key)のみ残留し、本格的なLIVE活動を考慮してか前作までの有名助っ人プレイヤーの名は消え(作詞参加や客演は変わらず有り)残りパート(B,G,Ds)のメンツが一新されている。

さらに前作2作をプロデュースしキーボーディストとしても参加していた Alessandro Del Vecchio(Edge Of Forever,Eden's Curse,Glenn Hughes,Axe)は今回ミックスとマスタリングのみで、楽曲には1曲の参加のみとなり、遂に Stefano Lionettiが本格的にバンドの舵を取り、より理想のサウンドを具体化する事を追求しはじめたようだ。

そのせいもあってか前作までの露骨なTOTO臭さが薄れ、よりバンドサウンドの纏まりと楽曲の完成度、そしてオリジナリティの向上が聞き取れ、2ndまでの問題点を見事に払拭している。

スタート時点から高品質でレベルの高い作品をクリエイトしてきた Stefano Lionettiだが、満を持して放つこの新譜にはAORアルバムに必要な要素が全て揃っているアルバムだと言えるでしょう('(゚∀゚∩

素晴らしいハーモニーとフック、透明感ある美しいヴォーカルと分厚いコーラス、アレンジの練られた磨き抜かれたメロディの楽曲、ウェストコースト風の爽快サウンド要素、そしてややもすると軟弱になりがちな楽曲をエッジあるギターでピリリと引き締めている、本当にメロハー&AORアルバムの教科書のようなちょっと優等生すぎる作品だ。

まぁ、ロックの生っぽさやスピード、迸るパッションやナチュラルなグルーヴのようなものは、この整合性あるサウンドからは余り感じられないので、その手を求める向きにお薦め出来無いが、もう3作目にもなる彼等にソレを求める方はこのバンドに興味ないでしょうしね(w

メロハー・ファンでまさか彼等のアルバムをまだ耳にした事がない方は居ないと思いますが、もし居るなら TOTO、Richard Marx、GIANT、BAD ENGLISH、SURVIVOR、BOULEVARD、がお好きな方もこのアルバムはホントお薦めですぜ!

後の問題は、LIVEでどれだけこの美しく隙の無いサウンドを再現出来るのか、という点のみでしょう。



by malilion | 2017-03-15 00:29 | 音楽 | Trackback

HOUSE OF LORDSの新譜はキーボーディスト不在を痛感! 出来が良いだけに…orz


c0072376_22345019.jpgHOUSE OF LORDS 「Saint of The Lost Souls」'17

'00年に再結成して以来、解散前にも増して勢力的活動を続ける4人組USAメロディアス・HMバンドの前作「Precious Metal」に続く約3年ぶり通算10枚目となるNEWアルバムを即GET!

バンドの看板でもあり現在のリーダーでもある James Christianの健康状態などが心配だったが、こうして無事新譜を届けてくれた事を祝いたい。

前作は深刻な闘病生活が影響したのか、あえて逆に前向きでポジティブな内容と躍動感溢れるダイナミックでブライト感の強いメロディアスサウンドが強調された楽曲が目白押しにアルバムへ詰め込まれていて初期からのファンを歓喜させたが、本作ではそういった状況がある程度安定したのか、再結成以降定番なミステリアスでムーディな要素が強いミッドテンポ中心な、ややもすると少々退屈に感じてしまう落ち着いた作風に戻ってしまって、そこは残念かな…

とは言え、凡庸な楽曲でさえも James Christianの抜群の歌声と絶品の歌唱力が、フックあるメロディと重厚なハーモニーが交差する叙情感たっぷりな80年代風HMサウンドへ変えてしまうので、そこらの凡百のUSメタルバンドが敵うはずもない高レベルなアルバムなのだが、それだからこそ余計にもっと楽曲に凝った展開や気の利いたアレンジが加われば、さらにレベルの高い作品を届けてくれるのが分かって妙に歯がゆいんですよね…

特にそれを強く感じたのが、アルバム冒頭のキーボード主導で始まるちょっと不気味なイントロから初期RAINBOW風のミステリアスなキーボードが楽曲主導権を握って独特な雰囲気を引き立て活躍する楽曲が、モロに再結成前のシネマティックHMを目指していた初期サウンドに感触が近く、ああ、やっぱりこのバンドには凄腕キーボーディスト(いくらいつもたっぷりキーボードがフィーチャーされていようと刺身のツマ状態じゃねぇ…)が必要だ、と再確認させられました。

因みにその一曲目のみ客演で、現在は白蛇へキーボーディスト(!)として参加している抜群の歌唱力を誇るイタリア人シンガー Michele Luppi(ex:Vision Divine,SECRET SPHERE,LOS ANGELES,Michele Luppi's HEAVEN,etc...)がスリリングなプレイを聞かせてくれているんですよねぇ…是非、パーマネントなメンバーを加入させて欲しいなぁ…

同じくイタリア人でEDGE OF FOREVERを率いる、と言うよりプロデュース業やFrontiers Records絡みのプロジェクト等への楽曲提供の方が今や忙しい Alessandro Del Vecchioも5曲目で楽曲共作しキーボードをプレイしている他、10曲目で北欧メロディック・ロック界随一のお助けマン Tommy Denander(G:RADIOACTIVEを筆頭にAORセッションやプロジェクト多数)も楽曲共作しギターをプレイしてアルバムに華を添えている。

また繰り返しになるが、総じてアルバムの出来は良いものの、80年代から活動を続けている大ベテランにも関わらず未だに強力なキラー・チューンがないという持病は未だ健在で、やっぱり耳はド派手なオーケストレーションを高らかに奏でる Gregg Giuffriaの自己主張の強い(汗)キーボードサウンドを探してしまうのが悲しい…



by malilion | 2017-03-12 22:11 | 音楽 | Trackback

新世代北欧メロハーの旗手 ECLIPSEが新譜をリリース!('(゚∀゚∩


c0072376_22350646.jpgECLIPSE 「Monumentum」'17

北欧スウェーデン産メロハー・バンドの二年振り6作目となる待望の新作がリリースされたので即GET!

W.E.T.をはじめFrontiers Records絡みのプロジェクトだったり他レーベルのメロハー・プロジェクトやメロハー・アーティストのソロ作への客演だったり楽曲提供だったりで四六時中彼の名前を目にしていたので全く二年振りと思えぬ(笑)ワーカホリックな Erik Martensson(Vo&G)率いる彼のメインバンドによる新作な訳だが、従来のユーロHM的ウェットなメロディと叙情感、そしてアメリカンHM的キャッチーな爽快感と疾走感をMIXさせた躍動感あふれる折衷メロハー路線をさらに推し進めた充実作で、従来のファンのみならずメロハーファンならば大抵の方には御満足頂ける出来と言えるだろう。

ドラムスのみ本作から Philip Crusnerへチェンジしているものの、初来日も果たしたメンツと同一編成で製作されたこの新譜に、全くその影響はサウンドに現れていない。

前作と比べてもキャッチーさでは全く見劣りしないこの新作、若干ヘヴィさというか重厚さがサウンド全体に感じられる程度で、適度にテクニカルだけどノリ抜群な、コンパクトでクリアーなモダン・メロディアスHMサウンドに些かの翳りもないのが嬉しいですね(*´ω` *)

この手のバンドってLIVE経験を積むと妙に力んで無理矢理感あるヘヴィさだったりダークさを加味しようとし出したりするのがいただけないんですよねぇ~

その点、Frontiers Records関係の“お仕事”を大量にこなしている影響からなのか、キッチリ売れ線と自身のポジションを理解して、ファンの望む通り、いやそれ以上の良質なアルバムを届けてくれる仕事人 Erik Martenssonはもっともっと評価されてもいいと個人的には思います。

まぁ、そーいうAOR系アーティストみたいな巧さや整合性でなく、HMミュージシャンらしい迸る情熱や後先考えない“勢い重視なアホさ&アマチュア臭さ”みたいなものを求める向きには“作り物”臭いアルバムと捉えられてしまう点が、強いて上げるとマイナス要因なのかもしれませんけど…

とは言え、未だにUSAで成功を収めた白蛇風なサウンドだったりが相変わらず楽曲やギタープレイに露骨に顔を出してる(笑)ので、本人達はそんなに意識してクレバーな作品にしようと策を巡らしてるんじゃないと思うんですけどね(w

ともあれ、メロハー・ファンなら間違いなしにお薦めな一枚です♪

しかし…また日本先行発売なんだよな…また、Frontiers盤でボートラ大量追加でリリースで買い直し確定なのかなぁ…orz


by malilion | 2017-03-10 17:09 | 音楽 | Trackback

伝説のバンド再び!MAXOPHONEが新譜をリリース♪


c0072376_22354247.jpgMAXOPHONE 「La Fabbrica Delle Nuvole」'17

時代背景やお国柄という事情があるにしても、イタリアン・プログレバンドにはたった一枚不屈の傑作アルバムを残して解散してしまうという不運な名バンドがやたら多く、彼等もそんなバンドの一つとしてその名を長らく語り継がれてきた訳だが、この度目出度く42年振り(!!)の(14年に日本で再結成LIVEを披露し、同年にLIVE作もリリース済み)オリジナル・スタジオアルバムである2ndアルバムをリリースしてくれた。

Sergio Lattuada(Piano,Key,Vo)と Alberto Ravasini(G,Key,Lead Vo)のキーボーディストとヴォーカリストのみオリジナルメンツで、他メンツが一新されている(LIVE作の時と同じメンツ構成)のが少々残念ではあるが、何はともあれこうして再結成作を届けてくれた事を喜びたい。

まぁ、彼等のサウンドを特徴づけていたフルート奏者やホルン奏者が今回の再結成メンツに含まれていないのは、今のテクノロジーならばシンセ等で十分に再現可能と思ったからなのかどうかは定かではないが…(汗

再結成前の唯一作(英語Vo版もあったけど)では、当時のイタ公の定番ともいえる重厚なオーケストレーションやオペラチックな要素は薄めで、どちらかと言うと軽やかな管弦楽器の響きをメインに、リリカルなピアノが絡むという繊細にして優美な叙情的サウンドがどう変化しているのか興味津々だった訳ですが、あの当時彼等が届けてくれた繊細で優美なサウンドのまんま!('(゚∀゚∩

勿論、テクノロジーの進化も関係しているのか幾分モダンなサウンドになっておりますが、彼等の音のファンだった方ならば決して期待を裏切られる事のない、巧みな職人芸が活きる緻密なアンサンブルとじっくりと練り上げられた楽曲構成に、仄かに地中海風なイタリアンな歌メロが乗っかる“あの”柔和で軽やかなプログレッシブ・サウンドです♪

しかし、下手に当時を体験していない今の懐古思想の強い新バンドより、実体験している彼等の方が妙なヴィンテージサウンドへの拘りがなくてモダンでスマートなサウンドを届けてくれていると言うのがなんとも面白いですね(苦笑

フルート奏者やホルン奏者の奏でるリリカルなサウンドは聞こえてこないのは残念だけれど、代わりにヴァイオリンやアコギを効果的にフィーチャーして旧来のMAXOPHONE節を残しつつモダンでスマートさに磨きをかけた事によって、近年のPFMにも通じるモダン・シンフォサウンドへ進化したように聞こえるのは予想していなかった面白い効果といえましょう。

ところで、アルバムタイトルの『雲の工場』と、工場の煙突から排出される煙が描かれたジャケがなんともシニカルさを感じさせるが、もしかしたら1stの美しい水辺のジャケと現在の世界を表した対比なのだろうか?

また、その排出される煙には「声、川、単語、水、道路、風、毛、月、火、恐怖、海、女、季節、夢、手、夏、巨人、中庭、思考、雷、凧、刀…」等々の抽象的な単語が連ねられてたなびいており、この古ぼけた工場自体がバンドの象徴という意味なのかもしれない。

何はともあれ、70年代イタリアン・ロック・ファンは勿論、モダン・イタリアンシンフォ・ファンにもお薦めな一枚です(*´ω` *)


by malilion | 2017-03-06 22:04 | 音楽 | Trackback

元IQフロントマン Paul Menelが新バンドを率いて帰還!

c0072376_22381035.jpgPAUL MENEL & THE ESSENTIALS 「Spare Parts For Broken Hearts」'17

80年代UKポンプ勃興期から未だ第一線で気を吐き続けるUKポンプ&シンフォ・バンドIQの2代目フロントマンだった Paul Menelが5年ほど前に発掘リリースされた94年作PAUL MENEL&THE GREAT OUTDOORSに続いて組んだ3ピースバンドの自主製作デビューアルバムがリリースされたので素早くGET!

アルバムは、リーダーの Paul Menel(Vo&G)を筆頭に、Steve Swift(B)、Tim Churchman(Ds)のトリオ構成を基本にし、キーボード、ヴァイオリン、トランペット、アコーディオン、サキスフォン、フルート、アコギ等々の多数のサポートメンを迎えて製作されているだけでなく打ち込みも多用されていて、各楽曲は実にバラエティ豊かな彩りと複雑な表情を見せ、デビューソロ作や前リーダーバンド作と同じように最後まで飽きる事なく聞き通せる力作だ。

サウンドの大きな方向性としては、ナチュラルな楽器の響きをメインに据えた飾り気の少ないシンプルでモダンな音像で楽曲は構成されていて、彼のほんのりPhil CollinsっぽいUKニューウェーブ系な穏やかな歌声を中心にしつつ実に英国的なウェットなメロディ・センスが堪能出来る軽快なポップ・ロック作となっている。

ただ、これまでの Paul Menelの作品で個人的に好ましく感じられていた90125YES路線のカラフルでモダン且つメタリックでソリッドな音色とエレ・ポップ風サウンドや、ニューウェイブ感(相変わらず本人の歌声は深めエコー有りのニューウェイブ風だけど…)がググッと後退している点と、フィメールヴォーカルのゲスト等を迎えてよりポピュラー音楽に接近した音像であるという事と、以前は感じられなかったダークでヘヴィなテイストのロックサウンドがアルバム全体に感じられ、そしてもっとも不満に感じるのは以前より歌メロのキャッチーさが減っていて、少々ガッカリな感があるのは否めない……

まぁ、現在IQは初代フロントマン Peter Nichollsを呼び戻して順調に活動を続けておりますし、彼の在籍していた売れ線狙いのIQサウンドが当時からファン受けが宜しくなかった事もあってか、Paul Menelの人気や知名度が今一つなのが悲しいですが、個人的には彼のクリエイトするUK風味なモダン・ポップロックは好みなので、出来れば今度こそこのまま順調に活動を続けて、今度こそはよりキャッチーな作品を届けて欲しいものであります。



by malilion | 2017-03-05 18:04 | 音楽 | Trackback