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IZZ 「Everlasting Instant」'15 ![]() 寡作が定番なグロプレ界隈では珍しくコンスタントに良作を発表してくれる彼等の、「Crush Of Night」'12以来となる7thがリリースされたのでGET! 本作では以前メンバーだった Laura Meade嬢を10年ぶりに再びバンドへ迎えてトリプルVo、ツインDsにKey入り7人組(05年の編成へ戻った)の大所帯モダン・シンフォニック・ロックバンドとなっている。 前作もENGLANDっぽかったが、本作もYES張りな技巧性とSPOCK'S BEARD風の優美なメロディアスさをMIXしたような、とても米国東海岸拠点バンドと思えぬブリティッシュ・ナイズされたシンフォニック・ロックを、時にキャッチーに、時にしっとり、と緩急の効いた押し引きの間合いも絶妙にフルートとチェロをフィーチャーして叙情感たっぷりに美しく描き出してくれて大歓喜! 凡百のモダン・シンフォ作じゃ聞けないクラシカル風味満載なピアノの調べが堪らんのですよ!('(゚∀゚∩ 大所帯な割に音の隙間ある造りになっている楽曲のせいでか、モダン・シンフォ系に有りがちな作り物っぽい息苦しさを感じさせず、実にナチュラルな音の響きを感じさせてくれるのも、流石はベテランと言った所でしょうか。 US産の抜けの良いキャッチーさとユーロ系の艶っぽさや叙情感のどちらも感じられ、無駄なくコンパクトに纏め上げられている彼等のアルバムは、耳の肥えたグロプレ・ファンのみならずグロプレ初心者な方にも本当にお薦めです。 ▲
by malilion
| 2015-04-25 01:50
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ANEKDOTEN 「Until All The Ghosts Are Gone」'15 ![]() ANGLAGARDと並んで90年代プログレ・リバイバルを象徴する北欧スェーデンが誇るダーク・シンフォニックの雄 ANEKDOTENの、「A Time Of Day」'07 以来、実に8年ぶりとなる6thがリリースされたのでGET! キーフ風な如何にもな粒子の粗い写真のような独特の色合いのジャケを見て、思わずニヤリとなったファンは多いはず。 彼等がこんな薄気味悪いジャケの作品をリリースするのは1st以来だろうか? もうこのジャケを見ただけで、ファンならどんな音が飛びだしてくるのか大抵の方は察したんじゃないかな? 実際、一曲目のイントロの妖しくも不穏でダークなメロディがスピーカーから囁くように聞こえてきた時点で「ああ、やっぱりね」と、なるはず。 デビュー以来変わらぬクリムゾンベースのダークなヘヴィ・シンフォニック・ロックが、耽美なヴィンテージ・サウンドの塊となって邪悪に蠢きながら蕩々と流れていく… 今回もメンツに変化はないが、20年以上活動しているバンド故に変化を外部に求めたようで、THE TANGENTの Theo Travis(Flute)や元ALL ABOUT EVEの Marty Willson-Piper(G)、サックス・プレイヤーらのゲストを一部に交えて楽曲は録音されている。 もっとも変化らしい変化はあまり感じられず、輪郭のボヤけたメランコリックなメロディと荒涼とした甘みの少ないモノトーンな楽曲が繊細に、陰鬱に紡がれていく様にファンなら「待ってました!」と、ばかりに歓喜する事だろう。 久しぶりの新作は、ファンの期待を裏切ることない傑作であるのは間違いない。 ▲
by malilion
| 2015-04-23 00:10
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ANUBIS 「Behind Our Eyes」'15 ![]() 1stからは1曲のみで、残りは2nd、3rdからのチョイスによるバンド結成10周年(結成は04年)を記念してのLIVE盤で、シドニーのメトロ・シアターを満員にした2014年のLIVEツアーからの音源がリリースされたのでGET。 ブックレットにも記されているように、ベース兼ヴォーカルに Anthony Stewartを新たに迎えた事がバンドに良い刺激をもたらしたようで、通算4作目にしてLIVE盤をリリースする事からも彼等が今乗りに乗ってる事が窺える、オーストラリア期待の新星だ。 key入りツインG編成でツインVoの6人組バンド構成からも窺えるようにLIVEではアルバム以上にタイトでハードな音を出し、バックでプログレチックな音色のメロトロンだったりソフトなシンセが鳴っていなければ完全にHRバンドな硬質サウンドで、個人的には大変好ましい(*´ω` *) プログレ・ファン的には叙情感だったりテクニック的に言いたい事はあるだろうが、LIVE映えするメロディアスな哀愁の泣き泣きドラマチック・サウンドは実に甘美で堪らないので今後も是非この方向性で進んで欲しい!('(゚∀゚∩ 1stのイメージもあってプログレ系で紹介される彼等だが、ポンプの軟弱さやプログレの難解さも彼方へ吹っ飛ばしてソフトになり切らずHR的な硬質サウンドで踏ん張ってドライヴ感ある演奏をコンパクトに繰り広げているトコが他との差を生み出しているポイントだろう。 まぁ、このメロディアスな甘口サンドならもうちょっと音に艶っぽさだったり繊細さがあってもいいんだろうが、そこまでベタベタにならないドライさが保たれているのは、やはり土地柄から来るユーロ系との差だろうか? 次なるスタジオ作に俄然期待が高まる、そんなLIVE盤なのでした。 ▲
by malilion
| 2015-04-22 21:06
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LONELY ROBOT 「Please Come Home」'15 ![]() IT BITES、FROST*、ARENA、KINO等々のバンドでヴォーカリストを務めるのみならず、グレ系大御所のツアーサポート、レコーディングエンジニアやプロデューサーとしてUKロックバンドのアルバムに関わるなど、ここ数十年UKプログレッシヴ・ロック・シーンに留まらず常時なにかしら活動をして注目を集めているマルチ・ミュージシャン John Mitchell(Vo,G,B,Key)。 今作はドラム以外ほぼ全ての楽器を自ら演奏し、アレンジ、プロデュースも行っている実質的なソロ・プロジェクトにあたるユニットのデビュー作の、ミックス違いの三曲のボーナス・トラック入り限定ヴァージョンをGET! アルバムは John Mitchell(Vo,G,B,Key)、Craig Blundell(Ds FROST*, PENDRAGON)、Nick Beggs(B IONA,LIFESIGNS)の三人が基本ユニットなものの、サウンドの方向性としては、KINO、IT BITESに通じるバラエティーに富んだ歌モノ的メロディック・ロック路線であり、実はそれほどシンフォニック度は高くない。 ただ、KINOや John Mitchell加入後のIT BITES系統のサウンドなのはファンならば一聴してすぐ分かる通りで、バンド名やジャケで表されているイメージ通り壮大でスペーシーなサウンドを従えて歌われる情感豊かな歌メロも印象的で、爽やかで耳を惹きつけるキャッチーなメロディーの楽曲と相まって、実に英国的な湿り気ある叙情美を湛えた調べと展開を優美に紡いでいく。 他のプロジェクトやバンド作との差別化もあってだろうがインタープレイと呼べるようなソロプレイや派手でテクニカルなパートは見当たらないが、本作品はミュージシャンとしての側面以上にソングライターとしての John Mitchellの魅力が遺憾なく発揮された一枚と言えるだろう。 プログレッシヴ・ロック界隈で長く手広く活動してるだけあってゲスト陣は実に多彩で豪華で、MARILLIONの Steve Hogarthがピアノとバッキング・ヴォーカルで、FROST*の Jem Godfreyがキーボード等で、元MOSTLY AUTUMNの Heather Findley嬢がデュエットで歌声を、元GO WESTの Peter Coxがヴォーカルなどで参加し、華を添えてくれているのでそれぞれゲスト陣のファンの方ならチェックしても損はないかも。 彼が語る所によるとIT BITESはkeyプレイヤの Jhon Beck がFISHとの長いツアーに出てしまった為、開店休業状態らしいので、その空き時間を有効利用したいと、本作を制作したらしい。 しかし、Jem Godfrey 主導のFROST* の方も完全に活動休止中らしいし、Clive Nolan主導のARENAも余り動きは無いし、なんだかんだと彼が関わっているバンドは寡作なバンドが多いですねぇ… まぁ、そのお陰でこうして素晴らしい一作が生み出されたんだから、そこは感謝したいですけどね。 ▲
by malilion
| 2015-04-15 18:57
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KANSAS 「Miracles Out Of Nowhere」'15 ![]() 再結成KANSASの首謀者であり牽引者であった Steve Walsh(Vo&Key)の脱退で昨今ファンを騒がせた彼等の、デビュー40周年ドキュメンタリーDVD+サントラCDの2枚組完全生産限定盤セットがリリースされたので素早くGET! DVDは、エミー賞ノミネート経験のある Charley Randazzo監督によるバンドのこれまでの軌跡をアーカイヴ映像やインタビューなどで振り返ったドキュメンタリー作品を収録。 CDにはKANSASのプロデューサーを長年務めた Jeff Glixmanとバンマスでありドラマーである Phil Ehartの監修のもと、映画から抜粋された音声と共に、お馴染みのヒット曲やラジオチャートを賑わしていないし認知度も低いが名曲なのは間違いない楽曲やLIVEテイク等々を収録。 今回のドキュメンタリー制作にあたり、彼ら結成の地 KANSAS州トピカに30年ぶり(!!)にオリジナル・メンバー6人が集まって最新インタビューを敢行し、ツアーからソングライティングやレコーディングまで、これまで語られることのなかった貴重な証言の数々が収録されているんですが…いやぁー…もうね、オリジナル・メンバーが一同に会する画を見ただけでもうファンとしては涙、涙なのですよ…(つд`) 内容の方はファンしか手を出さない、出してはいけない素人は楽しめないハードコア(w)な作品なので、万人にお薦めしかねるし結成40年を迎える初老バンドの姿が巷を騒がすって事にはならないのは分かっているけれど…もうね! 感無量!('(゚∀゚∩ それにしても二度目となる Steve Walsh脱退騒動だが、まさか元SHOOTING STARのヴォーカリストが迎え入れられるとは思っても見なかったなぁ… KANSASと同郷のSHOOTING STARは元々KANSASフォロワーから始まったバンドだが、アルバム毎によりメジャー路線へサウンドが露骨に変化していき、90年代以降の活動停滞期前に至っては殆どHR要素は消えてAOR寄りなポップロックになってしまっていたんですよね。 そんな彼等がJOURNEY好きなメロハー&AORファンにお馴染み(w)のKevin Chalfantを迎え『CIRCLES』'06 をリリースした訳だが、大方の予想通りすぐ脱退し、後任に迎えられたのが Ronnie Platt(Vo&Key)だった。 そんなSHOOTING STARのVoだった男が、今や本家KANSASの三代目フロントマン(SHOOTING STARは既に後任に Todd PettygroveなるVoを迎えている)に収まっているのだから面白い(w と言うわけで、つまらん説明はいらない! ファンならマストアイテム! 即買え!! それ以外の奴は手を出す必要は皆無。 寧ろ、後から来るまだ見ぬファンの為に、市場にこのアーカイヴ作を残しておいて上げて下さい(*´ω` *) ▲
by malilion
| 2015-04-12 16:32
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KARNATAKA 「Secrets Of Angels - Special Edition -」'15 ![]() まさかの復活作から5年ぶりとなる新作が、ボーナスDVD付キ2枚組3面開きデジパックのスペシャル・エディション仕様でリリースされたので即GET! 再結成後の二作目となる本作だが、前作から引き続き参加しているのはリーダーの Ian Jones(B,Key)を除いてギタリストのみで、他のメンツは総入れ替えとなっている。 どうやらKARNATAKAは 完全にIan Jonesのソロ・プロジェクト・バンドとなったようですね。 まぁ、元々復活するはずもなかったんだし、ソレはソレでいいか… Hayley Griffiths(Vo)、Cagri Tozluoglu(Key)、Matt McDonough(Ds,Per)を迎えた新編成第1弾となる本作は、前作とは打って変わってダークで重厚なジャケのイメージそのままに、今までKARNATAKAでは余り聞かれなかったミステリアスでヘヴィなゴシック・ロック要素に加え、ストリングス・オーケストレーションの優美で分厚い音の壁をバックに、恰も暗闇に差し込む月光の如く煌びやかな Hayley Griffiths嬢の透き通る美声が華麗に舞い踊り、幽幻でドラマチックな叙情派サウンドを新たに描き出す事に成功している。 これまでどちらかというとパワーよりリリカルさにウェイトを置いていたKARNATAKAのマイナー調プログレ・サウンドがここまで重厚な所謂ゴシック・ロック路線なコンテンポラリー・サウンドに近づくとは正直予想外でした。 まぁ、メンツが殆ど違うんだし、当然っちゃ当然だけど……NIGHTWISHの Troy Donockley(Pipe,Whisle)がゲスト参加しているのも納得なサウンドですわ。 前作までの如何にもUKプログレ系サウンドと言った独特の翳りや耽美さ感じさせるマイナーながら繊細で儚げな路線が好きだったが、よりメジャー路線に近づいたこの新生ヘヴィ・ゴシック・サウンドも嫌いじゃない……うーん、なんとも評価しづらい…(汗 ケルト風味が後退した感はあるものの、しっかりとシンフォ的要素を堅持しつつ新要素を加えて生まれ変わった新生KARNATAKA・サウンドなので、これまでのファンにも十分訴求するアルバムだとは思います。 しかし、RIVERDANCEやLord of the Danceなどで活躍し、ソロ活動も注目されてきた美声ヴォーカリスト・ヘイリー嬢がこのまま次作でもフロントに留まってくれてるとは到底思えないんだよなぁ…あーあー、またメンバーチェンジかぁ~('A`) ▲
by malilion
| 2015-04-02 16:11
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BLUE SHIFT 「Levels of Undo」'15 ![]() 米国産プログレ・バンドがアメリカ然としたYES系シンフォ・サウンド作の自主制作盤で97年にデビューし注目を集めたもののその後全く音信不通になっていた彼等が、突如再結成して18年振り(!?)となる2ndアルバムをリリースしたので慌ててGET! 「Not the Future I Ordered」'97 をたった1枚リリースしただけ(後でジャケ変えMusea盤で出し直した)で消え去ると言う70年代から続く典型的アメリカン・プログレバンドの流れを汲んでいると思っていた彼等が、まさか復活するとは……最初アルバム・リリースのインフォを見た時、ちょっと信じられませんでしたから(汗 ![]() ただメンバーチェンジは流石に起こってしまったようで、Jon Anderson似のハイトーン・ヴォーカルを聞かせてくれた Stewart Meredithの姿は無く、今回は新たに Denise Chandlerなる女性Voを迎え入れて新作を届けてくれました。 それ以外のメンツに変化は無いので1st作を気に入っていた諸兄はご安心を。 やっぱりバンド名だけ同じでオリジナル・メンツが一人二人しか残ってない復活は、復活と素直に思えないしねぇ('A`) で、新作の方だがこの長いインターバルにも関わらず、オルガンやシンセなどを目まぐるしく弾き倒すキーボードを軸に、複雑な楽曲構成ながらHR的にドライヴする爽快サウンドを伴って親しみ易くキャッチーなメロディをダイナミックに聞かせてくれる定番のYES系リスペクトなアメリカン・プログレ・サウンドを基本に展開している点に変化が無いのは嬉しい驚きでした♪('(゚∀゚∩ その上、アンニュイな雰囲気を漂わす魅力的で甘い歌声のフィメールVo Denise嬢にチェンジした事で露骨なYES臭が薄まり、今まで聞け無かったアメリカンお得意のレイドバック感バリバリなスペィシー・サイケ風サウンドや、シャレオツなJAZZ&フュージョン、RENAISSANCEテイストなバロック音楽風サウンド、そしてコンテンポラリー・サウンドに接近したような音も聞け『単なる懐古趣味での再結成だけじゃないんだぜ!』との主張が感じられて尚よし! なのですよ♪ そうそう、プログレ系には珍しくデビュー作でLED ZEPPELINのカバーを披露していたのが如何にもアメリカン・バンドと言った感じだったが、今回はストーンズのカバーを披露してくれていてソコも聞き所の一つ…かな?(w ともあれ、彼等の帰還を歓迎したいですね! 次作はこんなに待たせず、すぐに届けて欲しいものです。 ▲
by malilion
| 2015-04-01 01:25
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