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待ち人来る……けど…


STRATOVARIUS「Polaris」'09c0072376_533354.jpg

前作発表後、空中分解してしまったストラトヴァリウスだが、結局騒動の元凶である中心人物が脱退して、残されたメンバーが新作を発表する運びとなったわけだ。

中心人物が脱退してバンドは残り、残存メンバーで新譜を発表、と聞くと真っ先に思い浮かぶのがパープルのリッチー脱退後のアルバムの一件だったりするし、最近だとブラジルの至宝アングラで同じように中心人物が脱退してバンドが分裂した、なんて事も記憶に新しい訳ですが、今回彼等の新譜も丁度それと同じような状況で発表されたわけです。

で、聞く前からこの新譜は2パターンのどちらかだろうと予想をしてましたが……かなり…いや、当たって欲しくない予想が当たってました。
誰でも予想するのがパープルのように、以前のイメージを捨てて残されたメンバーでガラリと新しい事をするパターンと、以前のイメージをセルフカバーするように踏襲する、というパターン、そのウチの後者を彼等は選択した訳なんですけど…

一聴して感じるのが、非常に整合性の取れたクリーンでソツの無い、音楽的な中心人物が脱退した事を感じさせまいと頑張ってる、みんなが求める「彼等」なまんまのメロディックなアルバムである、ということ。

新人ギタリストが加入したわけだけど、前任者より若くてテクニカルなわけで、当然の帰趨としてバンド演奏は技術的には高度さを増し、それを前面に押し出してるイメージがかなりするせいでか、アルバムを通して聴いてみると従来より若干プログレ色が強まっているような印象を受けた。

と、言っても上記でも言ってるように、あくまで旧来の「STRATOVARIUS」像からはみ出る事なく忠実に自分自身のフォームを踏襲する、という事を心がけているだろうから、お約束のスピード・チューンからキャッチーな曲、美しいバラード、そして組曲形式の大作、と至れり尽くせりでバラエティに富んだアルバムに仕上がってるわけだ。

で、結論から言うと、中心人物であるGが抜けた穴をこれほどデカく感じるとは思わなかった、リフ等でGの印象が薄いイマイチなアルバムで、正直彼等の新作でこんな安全パイを狙ったセルフコピー作を聞きたく無かった……

元々前作でも感じたけれど、初期の彼等が持っていた北欧メタル然としたマイナー臭さが残る、独特の哀感に満ちた叙情性が劇的に減少しているのも、そう感じる要因かもしれない。
……と、いうかブッチャケて言うとダメダメ。
心に迫るアノ、甘美な迄の哀メロディーが皆無。
別に懐古主義なわけじゃないけど、コレは無い。
彼等の事を好きになって今までずっと応援してきた、アノ一番の要素が消え失せているのだ。
待たされた挙げ句、コレじゃ……正直、コレなら彼等のフォロワーの方が胸を締め付ける美メロを奏でると思う。

臭さが薄れてポップで明るくなった、ある種メジャーへすり寄った感のあるこの音が、代りに幅広いリスナーにアピール出来る事を考えての選択だとしたら、それは先人達が犯してきた過ちと同じ選択に思えてならないのだが…

とはいえ、新人君がいきなりバンドの主導権を握れる訳もないので、次作でこそガッツリとGが前にでた曲を奏でてくれる事を願って止まないのです。
by malilion | 2009-05-24 05:39 | 音楽 | Trackback