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オランダ最古参HMバンドPICTUREの未CDアルバムが遂に再発!

c0072376_13191423.jpgPICTURE 「Every Story Needs Another Picture + Marathon」'86 '87

近年再結成され現在も活動中の、79年結成とオランダ初のHMバンドと言われている今やベテラン中のベテランバンドの長らくCD化が待たれていた6thアルバムが当時リアルタイムで唯一CDリリース作であった7thとカップリング2in1CD(楽曲カット無しで一枚へ完全収録!)にて待望のオフィシャル再発(!)となったので、そそくさとGET!

オフィシャル再発は目出度いのだが、残念な事にデジタルリマスターでもなく、当然リミックス等の作業も行われておらず、ピチパチノイズが入る所をみるとマスター消失からの板起こし盤な疑いが強い残念な再発盤だ…orz

まぁ、海賊盤を抜きにしてこれまでCDで聞く事が叶わなかった6thがこうしてリリースされたんだし、それだけでも良しとしましょう…

これで彼等の再結成前のオリジナルアルバム7枚は全てCD化された事になるので、ともかく今の若いHMリスナーでも彼等の音楽に気軽に触れる事が出来るようになったのは喜ばしいですね(*´ω` *)

なにせ他のオランダ産HMバンド達と比べキャリアでは一日の長がある彼等ですが、如何せん知名度が低いのです。ここ日本では特に。

オランダのHMバンドでここ日本で最も知名度があるのは、後に白蛇へ加入する Adrian Vandenberg(G)が率いていた日本人好みな哀愁のメロディと全世界的に旺盛を極めていたポップHM的キャッチーな楽曲が耳を惹くVANDENBERG、そして今やヨーロピアン・ロック・オペラプロジェクトとしてその名を轟かすAYREONを率いる Arjen Anthony Lucassen(G&Vo)が在籍していたVENGEANCEくらいで、あと幾つか有望なバンドが存在するもののさらにマイナーな扱いであった事は否めないだろう…

PICTUREはそれらのバンド達より1世代は前のキーボード入り5人組バンドで、当初は70年代風な野暮ったいチープなHRサウンドを鳴らしていたが、NWOBHMの影響を受けてか2nd以降は作を重ねる毎によりハードエッジでウェットなメロディが冴えるユーロピアンHMサウンドへサウンドが磨かれ練度が上がり、そのままHM街道を愚直にひたすらファスト&ヘヴィに突き進むのかと思いきや、'85年リリースの5thアルバム『Traitor』でサウンドが一気にメジャー指向へ激変し、ポップ度とメロディアス度が増すと言う世界的な時流である煌びやかでキャッチーな産業ロック&ポップHM的サウンドへと様変わり(今から考えるとソレ程ポップでもキャッチーでも無い音なんスけどね…)し、デビュー当時からのファンを失意のドン底(汗)へ突き落としたのも今となっては懐かしい話ですね…

6th、7thアルバムはバンドがその売れ線のアメリカナイズされたサウンドへ最も接近していた時期のアルバムなので、これ以前のアルバムはマイナー・ユーロHMサウンドでイマイチ好みでない、という方でも所謂80年代的華やかでキャッチーなメロディアスHMがお好きな方なら気に入るだろうサウンドだと言えます。

もうお気づきかと思いますが、彼等がマイナーな存在であった理由の一つはこの音楽性の変化も大きな原因であったのは間違いないでしょう。

初期の彼等のサウンドが好きなファンは、ゴリゴリなハードドライヴィンでもない甘々にドポップでもない程々にメロディアスでスピーディな楽曲、男らしい無骨さとタフさが漲る単純明快なリフ主体の、メジャーレーベルがこぞってHMバンドを売り出していたメタル全盛期であるアメリカンでバブリーなイメージの80年代直前にだけ存在した、純粋で無垢、そして不器用で実直な、アンダーグラウンド臭も漂うオールドスタイルなユーロHMサウンドに胸焦がれたんでしょうから、ソレが一気に売れ線狙いなサウンドへ変化しては目も当てられなかった事でしょうねぇ…

また彼等が今一つマイナーな存在に留まらざる終えなかった最大の要因は、バンドメンツの入れ替えが激しかった(立ち上げメンバーの Jan Bechtum(G)が追い出されたり、最終的にベーシスト Rinus Vreugdenhilだけ残る…)のに加え、アルバム毎にフロントマンが変わる、と言える程にヴォーカリストの変遷が激しいかったのが最大の要因なのは疑いようもありません。

実際、三代目ヴォーカルの Pete Lovellは『Eternal Dark』'83 『Traitor』'85に歌声を残して脱退(EMERGENCYへ加入)し、続いて四代目フロントマンとして迎え入れられたのが元VANDENBERGのリードボーカルだった Bert Heerink(6th時点では正式加入ではない…謎)で、彼の持ち込んだ音楽的影響が大きかったのか彼のブライトな歌声がそうさせたのか、『Every Story Needs Another Picture』'86からアルバムのメロディアス度がまるで別バンドのように一気にアップし、キャッチーでフックあるメジャーな80年代HMバンドに相応しいメロディアスHMサウンドを披露するに至ったのだが、これだけのサウンドの変化とバンドの変節についていける古参ファンは少なかったのか、さらにメジャー志向が強まった続く7th『Marathon』では、キーボードを大々的にフューチャーしたゴージャスなLAメタル風サウンドを披露したもののファンの支持は失せ、売り上げ的にも望む結果が得られなかった(そもそもレーベルがバンドに売れ線を要求しプレッシャーをかけたのが低迷の原因なのに…)のか、バンドはその活動を一端終える事に…

個人的には初期サウンドも後期サウンドも気に入っていたので、今回の再発はまさに待望、って感が強いのですが、改めてこうして本作に耳を傾けると、ZZ TOPのパクリ的なノリや、モロにDEEP PURPLEをパクったりが耳について思い出し笑いのような苦笑せざる終えませんでした(w

今になって思うのは、リフ主体の攻撃的な楽曲をベースにしつつ、女性バックコーラス等も活かし、如何にもメジャー的なアメリカンHM風要素を巧みに組み込み、ベースがマイナー・ユーロHRだったバンドがメンツを変え、フロントマンを変えして不器用ながら苦心してサウンドを流行にマッチさせ、アルバムの完成度を上げして、メジャーシーンの激流へ挑んだ作品と捉える事も出来て、実に感慨深いものがありますねぇ…

初期サウンド云々抜きにして、80年代のメジャーシーンを賑わしたポップでキャッチーなHMがお好みな方は一度チェックしてみても後悔はしないと思いますよ。

ここで述べましたように(未だに)マイナーバンドな彼等の旧作リイシューですので、そうプレス数も多くないでしょうから、入手困難になる前に素早くGETしておくのをお薦めします。

因みに三代目ヴォーカリスト Pete Lovellを擁するメンツで再結成を果たし、LIVE活動も行っていた彼等の最新のラインナップは、

Ronald van Prooijen(Lead Vocals):初代ヴォーカリスト
Rinus Vreugdenhil(Bass Guitar):唯一のオリジナル・フルメンバー
Jan Bechtum(Guitars):バンド創設者
Appie de Gelder(Guitars)
Laurens “Bakkie” Bakker(Drums):オリジナルドラマー

と、なっている。

もう皆いいお爺ちゃん、って風貌だが、気合い入りまくりでHMを今でも演奏し続けてくれているのが嬉しいですね(*´ω` *)



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by malilion | 2018-10-11 13:11 | 音楽 | Trackback

北欧メロハー SNAKES IN PARADISEが再始動作を16年ぶりにリリース!

c0072376_17564682.jpgSNAKES IN PARADISE 「Step Into The Light」'18

北欧スウェーデン産メロハー・バンドの再始動第一弾となる16年ぶりの4thアルバムがリリースされたので、ちょい遅れてGET!

一度脱退したものの今回バンドへ復帰した Stefan Berggenが、さらに円熟味の増した絶品のソウルフルなディープヴォイスを期待通りに披露してくれて、もう最高デッス♪('(゚∀゚∩

キーボード入りツインギターの6人編成で94年にデビューアルバムをリリースし、キャッチーながらソウルフルな Stefan Berggenの歌唱スタイルと“軽めなデビカバ”ってな感じのディープヴォイスを活かしたメロディアスでキラキラした所謂北欧系HMなサウンドと程良くアメリカンなポップメタルをミックスしたサウンドが実に日本人好みで当初注目された彼等ですが、時代はグランジーにシーンが席巻されつつあった為に彼等の活動は順調とは言えず、同時期にデビューしたオールドスタイルなメロディアス北欧HMサウンドを演るバンド達と同様にサウンドの路線変更やダーク系サウンドを取り入れる事を余儀なくされ、いつしかシーンからその姿を消していく事に…

特に彼等の場合は同時期デビューの同郷バンド達より、よりアコースティカルでオールドスタイルなサウンドだった事と Stefan Berggenのソウルフルな歌唱を中心に据えた楽曲スタイルだった事も影響してか時流になかなか合わせる事が出来ず、挙げ句にその Stefan Berggenが3rd『Dangerous Love』'02 リリース後に脱退してしまったのが致命的でした…

まぁ、その呼び水となったのはバンドへ在籍しつつ、初期白蛇の両輪だった Bernie Marsden(G)と Micky Moody(G)によって結成されたTHE SNAKESが発展した別バンドCOMPANY OF SNAKESのフロントマンとして Robert Hart(ex:BAD COMPANY)~ Gary Barden(ex:MSG、etc)の後釜として00年に参加しファーストアルバムをリリースした事なのは間違いないしょう。

そもそも2ndリリース後に別名義(バレバレだけどw)でFOUR STICKSなるレイドバックした70年代スタイルのHRバンドでアルバム『Electric Celebration』'97をSNAKES IN PARADISEのメンバーと一緒にリリース(ジャケがモロ昔風!)しているのを見ても、1stリリース以降のバンドの音楽性の変化に不満があったのは予見できた事でしたけどね…

以降、SNAKES IN PARADISEの名前をシーンで聞く事はなくなり、代わって Stefan Berggenはそのデビカバ風な歌唱スタイルが認められ、元EMPIRE、元MAJESTYの Rolf Munkes等によって結成されたオールドスタイル北欧HMバンドRAZORBACKへ加入し、三枚のアルバムでその歌声を残したり、ドイツのメロハーレーベル AVENUE OF ALLIES企画による Stefan Berggenの歌声主導なプロジェクトバンドREVOLUTION ROADでアルバムをリリースしたり、14年の元URIAH HEEPの Lee Kerslake(Ds&Vo)とのコラボバンドによる渋いブリティッシュHR作リリースと精力的な活動を続け、そのREVOLUTION ROADへSNAKES IN PARADISEのメンバーがゲストで招かれていた事が切っ掛けになったのか、メロハー系バンド御用達レーベルFrontiers Records主導の元、再びSNAKES IN PARADISEが始動する事になり、今回のアルバムリリースと相成った模様です。

嬉しい事に活動休止前のメンツにおおよそ変化はなく、唯一キーボーディストの Thomas Janssonのみバンドメンツから外れているものの、本作でもレコーディングで2曲そのプレイを聞かせてくれている(*´ω` *)

と、言う訳で現在はツインギターの5人編成バンドになった彼等だが、休止前は作を重ねる毎にグランジーな影響がチラつき鬱陶しかったが、再始動作となった本作ではその影が綺麗サッパリなくなり、さらに各メンバーがこれまでの休止期間で培ってきた経験も加味され、初期WHITESNAKEっぽさを残しつつ、よりAOR風なポップフィールやアダルトな落ち着き、メロハー的なキャッチーさとハードエッジなフィーリング、お得意のアコースティカルな軽やかさ、そしてしっとりブルージーな味わいと豊かな楽曲の表情等々、シンプルでストレートでありつつジックリ熟成されバランスの取れた隙無いサウンドが冴え渡る、デビュー当時からの『AORやってる白蛇』というイメージなサウンドに一層に磨きが掛かり、完成度が上がった、ブルージーな北欧メロディアスHRの快作を久しぶりに届けてくれたのが本当に本当に喜ばしい!('(゚∀゚∩

北欧HM的なキラキラ感や朗らかブライト感、そして新人メロハー・バンドのような溌剌ドポッピーな所謂北欧的な透明感ある爽快サウンドを求めると肩透かしになるが、WHITESNAKEや70年代風ブルージーなモダンロック、そしてメロディアスなAORロック等がお好きな方になら是非にお薦めしたい一枚だ。

もうシーンを覆うグランジーな暗雲は晴れたのだし、出来る事ならこのまま順調に活動を続け、来たるべき新作を早く聞かせて欲しいものであります。



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by malilion | 2018-10-10 17:48 | 音楽 | Trackback

怒濤の勢い止まるを知らず! 新世代イタリアン・プログレバンドSYNDONEが再び傑作をリリース!

c0072376_15515597.jpgSYNDONE 「Mysoginia」'18

前作で70年代の古典プログレ・バンド群と肩を並べる創作レベルへ到達した、正に破竹の勢いと言える新世代イタリアン・プログレバンドの復活後第5弾、通算7枚目となる前作より2年ぶりの新譜がリリースされたのでご紹介。

復活後メンツがイマイチ安定していなかった彼等だが、本作に置いては前作とメンツの変動がなく、Vibraphone(鉄琴)とXilophone(木琴)を操る女性Keyプレイヤー Marta嬢を含む6人組なままなのですが、前作のギターも含むトリプルキーボード編成は流石にやり過ぎと思った(今更!?)のか本作では Riccardo Ruggeriは一切ギターをプレイせず歌唱のみに集中し、従来のギターレスのツインキーボード体制に戻り、また Marta Caldara嬢は鉄琴、木琴、パーカッションのみの演奏となっている。

まぁ、前作でもストリングス・カルテットをゲストに迎えて重厚なサウンド造りに心血を注いでいましたが、本作ではそれをさらに推し進め、ブダペスト・シンフォニー・オーケストラや合唱団をフィーチャーした、如何にもイタリアン・プログレという胸焼けしそうに濃密な味わいと壮大なスケール感を誇るアルバムとなっているので、キーボードが三人も要らなかった、というか恐らく居ては邪魔になるという判断なんでしょう。

ギターレスながらハモンド、シンセ、メロトロン、ムーグ、ピアノ等々の多彩なキーボード類を今回もふんだんに織り交ぜつつ、シンフォニー・オーケストラの分厚いストリングや荘厳な美声を響かせる合唱団をフィーチャーして前作での本物の大聖堂パイプ・オルガンを使った重厚なサウンドに負けず劣らずの超弩弓に壮大で複雑、そして華麗なシンフォニック・サウンドを炸裂させるその様は、何世紀にも渡って続く女性達への性犯罪や時代や権力に翻弄され犠牲になった悲劇のヒロイン達を題材にした、重苦しい社会テーマを扱ったコンセプト・アルバムなものの、まるでオペラか映画のサントラかという圧巻の一大絵巻のようで、下卑た感触や後ろめたさを微塵も感じさせず、これでもかと暑苦しいイタ公の熱気ムンムンに豪快に、時に密やかに、繰り広げられていく。

復活後は初期のような押しまくるスピードやけたたましいパワーといったテクニカルHMバンドの如きサウンド要素が消え失せ、リーダー Nik Comoglioの創作とミュージシャン・レベルが上がった証とばかりに、引きのサウンドの美しさや優雅でアーティスティックな要素が前面に押し出されていた彼等だが、メンツが充実し安定したからなのか前作で初期曲を再録したりと初期のパワー圧しの片鱗を感じさせ、本作では初期のパワフルさも随所で感じさせる暑苦しさ(主にシアトリカルなヴォーカルが)も効かせつつ、復活してから積極的に表現していた地中海音楽や中世音楽等の古典要素も巧みに楽曲に織り込みながら、リリカルに優雅に気高く磨き抜かれた極上の美旋律が紡がれ唯一無二のSYNDONEワールドが構築されていく様からは、正に70年代の巨人達を追い抜かんばかりの熱い息吹と勢いがヒシヒシと感じられ、ホント感無量であります(*´ω` *)

NEW TROLLSの Vittorio De Scalzi(Flute)やARTI E MESTIERIの Gigi Venegoni(Electric Guitar)といった有名所がゲストで参加してアルバムに華を添えている以上に、イタリアン・ポップス歌手の Viola Nocenzi嬢(Banco del Mutuo Soccorsoと繋がりが深い)が可憐な歌声でフロントマンの Riccardo Ruggeriとデュエットしたりバックコーラスを聞かせたりとアルバムの華麗さが増すのに一役買っているのも見逃せぬポイントでしょう。

そうそう、Marta Caldara嬢がキーボードプレイを止めて鉄琴、木琴のプレイに集中したせいか、思いの外軽やかな鉄琴や木琴のサウンドがキーボードとは一味違った音色を豊かに響かせ、このバンドならではの特色になっているのに今回改めて気付かされましたね(*´ω` *)

唯一の不満は、こんなにスケールのデカイサウンドのアルバムなのに、アッサリと終わってしまう、ってトコでしょうか?
いや、長ければいいってもんでもないんで、綺麗にまとまって終わる方がいいんですけど、もっと聞きたい! っていう欲求の方が大きいのですよ…

アルバムのサウンドが重厚であればある程に、フッと訪れるピアノの軽やかな独奏やクラシカルな味わい深い音色を紡ぐ様は本当に美しく、キーボードサウンド・ファンやイタリアン・プログレファンは勿論のこと、モダン・シンフォ好きな方にも是非お薦めしたい一枚であります。



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by malilion | 2018-10-02 15:45 | 音楽 | Trackback

80年代LEPSフォロワー? いいえ、USポップメタルの進化サウンドです。USA一人バンドDALLASが遂にアルバムデユー!!

c0072376_11405162.jpgDALLAS 「Same」'18

2012年にEP『Over The Edge』をデジタル配信オンリーながらリリースしたカリフォルニア州サンフランシスコのソロ・ロックアーテイスト Bryan Dallas(Vox&Guitar)が、今回6年ぶりにやっとフルアルバムであるデビュー作をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

独力で製作したEPリリースの後、メンバーを募り3人組バンドDALLAS(Bryan Dallas:Vo&G、Zac Curtis:Ds、Matt Feifert:Key)を結成して活動開始した(ベーシストだけLIVだけヘルプ?)ものの、その後の活動がトント聞こえてこなかったのですが、今回やっとフルアルバムをリリースしたにも関わらず、この短くないインターバルの間に案の定でバンドメンツは誰も居なくなり、再びソロ状態に戻ってしまっている…

NEWMANもそうだけど、この手のマルチプレイヤーって、ソロバンド立ち上げるんだけど、結局全部自分でプレイしてアルバムも録音しちゃうからバンドメンツが長居しないんですよねぇ…後、エゴの問題(自身のリーダー・バンドに拘って他バンドからの加入の誘いを断り続けていたって言うし…)もあるのかも…(汗

そういう訳で本作収録の楽曲は全て Bryan Dallasの手による演奏だが、EP収録曲を今回3曲再収録していて、再録した際に以前在籍していたドラマー Zac Curtisの手によるドラムプレイでリレコーディングした音源に差し替えたものを収録し、また別名義VON HINERでリリースした2曲入りシングル音源の楽曲も1曲本作に収録しており、それら以前の音源全てをリマスタリングして本作に収録しているので、シングルやEPの音源そのままが再収録されている訳ではないのでご注意を。

因みに間もなくリリースされるUK盤にも日本盤と同じくボーナストラックが収録されおり、4曲中3曲(EP収録曲を1曲含む)が日本盤(日本盤はボートラ5曲)と違う楽曲が収録され、これによって1曲を除き全てのEP楽曲が1stに再収録される事になっているので、音源マニアの方はお見逃し無く(*´ω` *)

で、内容の方ですが、EP時点で既に濃厚な80年代テイストが香る、FIREHOUSE、DEF LEPPARD、BON JOVI、ALICE COOPERといった有名所だけでなく、CRYSTAL ROXXやBIG BAD WOLF、LOUD AND CLEAR、RESTLESS等々のマイナー所(再発の雄、MTMレーベル愛好家なら分かるよね!)や、一連の00年代北欧メロハー系やユーロ系メロハーバンドであるH.E.A.T.、FAIR WARNING、WORK OF ART、BROTHER FIRETRIBE等からの影響も窺えるエネルギッシュで朗らかキャッチー&ブライトなHRチューンが詰め込まれた魅力的なメロディアスロック・サウンドだった訳ですが、続く待望の本作でもその方向性に些かの迷いも見えず、DEF LEPPARDカラーが強く感じられる、80年代HRファンやメロハー・ファンなら間違いなく気に入るだろう分厚くオーバーダビングされたサビのコーラスが特徴的な煌びやかでフック満載な、如何にもアメリカンロックというカラッと爽快で、ほんのりスリージー・ロックンロールっぽい味わいが隠し味の、人工甘味料的メロディアスなキャッチーさが光る創り込まれたHR/HMサウンドを披露している。

コーラス処理がモロに『Hysteria』時のDEF LEPPARD風なものの音楽的にはLEPSの影響下にあるサウンドでないのは明白で、あくまでLAメタルを中心に80年代にポップメタルと言われたブライトなUSメタルがサウンドの中核になっており、それでいてUSバンドに顕著なドライ過ぎる事も無くウェットなメロディもしっかり保ちつつ、デジタリーな味付けで一ヒネリを加えてオリジナリティをちゃんと感じさせる、単なる80年代リバイバルではない新世代サウンドに仕上がっているのは流石の一言。

とは言え、まだまだ強烈なオリジナリティを確立しているとは言い難いし、Bryan Dallasのヴォーカルやギタープレイが超個性的で絶品の巧さ、と言う訳でもないものの、デビュー作にしてここまでハイレベルな完成度とバランスの取れたアルバムを独力で創作した事を見ても Bryan Dallasが只者ではない事は明白で、続く新作が早くも気になってしまう。

EP当時は26歳だったが今は32歳になっている訳だし、もう若者という年齢でもないのだから、出来るならばちゃんとバンドメンツを集めてしっかりと落ち着いた活動を継続させて欲しいなぁ~(*´ω` *)

ここ十数年USAを中心にHM界で猛威を振るったダークでファストでヘヴィな鈍色メタリックサウンドは皆無なので、ソレ系をお求めの方には全く駄目な作品と言えましょう。
まぁ、ここまで読んでおいて、このアルバムを購入するとは思いませんけどネ(w

DEF LEPPARD好きは無論、LEPSフォロワー好きや派手で軽目な80年代USロック好きに是非お薦めしたい一枚であります。


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by malilion | 2018-10-01 11:31 | 音楽 | Trackback

UKメロハー・バンドNEWMANが未発音源満載のBEST盤第二弾をリリース!

c0072376_14574018.jpgNEWMAN 「Decade II」'18

イギリス人マルチ・プレイヤー Steve Newman(Vo,G,Key)率いる英国産メロディアスHRバンドが、10年前にリリースされたBEST盤に続く二枚組BESTの第二弾をリリースしたので即GET!

第一弾はリ・レコーディング音源を含むBEST盤であったが、今回のBEST第二弾は未発表音源12曲に加え『Under Southern Skies』の日本盤ボートラであった2曲も収録した、計17曲という大盤振る舞いだ。

Disc1には『Primitive Soul』'07、『The Art Of Balance』'10、『Under Southern Skies』'11、『Siren』'13、『The Elegance Machine』'16のスタジオ5作品(最新作『Aerial』は除外)からからそれぞれ3、4曲づつ17曲を選曲し収録、Disc2には、2011年以降の貴重な未発表曲を中心に17曲が収録されており、他アーティストの為に書かれた楽曲が3曲、日本盤オンリーのボーナストラックだった2曲、『The Elegance Machine』'16 製作中にセッション録音された未発曲6曲と、『Aerial』'17 製作中にセッション録音された未発曲が6曲収録されている。

『The Elegance Machine』時のセッション音源が多いのは『The Elegance Machine』制作時にちゃんとバンドメンツを集めて録音作業した為と思われるが、『Aerial』で何時もの如くワンマン録音体制へ戻ってしまっているので『Aerial』セッション音源は、ドラムスだけいつものお気に入りドラマー Rob McEwenが参加してデモに合わせてスタジオで録音した音源(ドラムは打ち込みかも)かもしれませんね…

Disc1の方の既発曲は、いつもの通りな英国バンドらしからぬ爽快でキャッチー、そしてフックあるメロディアスな楽曲のAOR寄りなメロハー・サウンドの詰め合わせで、さすが選りすぐりな楽曲だけあって幅広い曲調の楽曲を収録している為、毎度の弊害であるマンネリ感が薄く最後まで飽きが来ないハイレベルな一枚となっていて、近年のハードさは抑え目だがAOR的な完成度を上げたクリアーで心地よいメロディアス・サウンド(ボトムはかるぅいけど…)は、初期の勢いのあった頃のNEWMANサウンドの方が好みな自分でさえ、この10年でLIVEや創作活動で磨き抜かれた Steve Newmanのキャリアが十分に活かされたプロフェッショナルな仕事ぶりの結晶だと感心させられてしまいます。

さて、注目のDisc2の未発音源集だが、元々ワンマンバンドで作詞作曲、歌はおろか殆どの楽器演奏も Steve Newmanがこなしてしまう為、ドラムが打ち込みなデモ音源はバンド結成前から延々と造り続けてきただろうし、最近はなんでもコンピューター上で楽曲が合成出来てしまう上にそのデモのレベルもメチャ高い為か、今回収録されている未発表曲は、所謂よくアーカイヴものなどに収録される発掘音源のような“作りかけ感”は皆無なので、その点を期待していた方々にはちょっと肩透かしかもしれません。

それでも『The Elegance Machine』制作時のセッション音源が完成度の高い所謂バンドサウンドっぽい出来なのと比べ、『Aerial』セッション時の未発音源は、恐らく Steve Newmanが独力で製作したものと思われ、ギターを中心にした弾き語りをベースに楽曲を組み立てて肉付けしていったサウンド(リズムの楽曲に対する絡みが弱い)なのが伝わってきて、これはこれで興味深い発見が聞き取れ面白いですね。

ただ一つハッキリしているのは、未発音源でも徹頭徹尾メロディアスで爽やかキャッチーな楽曲だと言う事で、幾つかの楽曲はそのまま完成度を上げてアルバムに収録してもおかしくない良いメロディの楽曲なのが驚きで、どうしてコレを仕上げてアルバムに収録しなかったんだ!?と、いらぬお節介な不満が込み上げてしまいます(w

◆Disc 2
Track List:
01.Breaking the Barrier
02.Girl Found Love
03.Liar
04.One More Night With You
05.Fight No More
06.She's the Woman
07.Nightmare
08.Angel
09.World Keeps Turning
10.In Too Deep
11.The More I Love
12.Crossed My Heart
13.A Witness to Love's Decline
14.Does It Feel The Same?
15.Race of a Lifetime
16.Never Becomes Again
17.My Fantasy

なお本作は1000枚のみの限定盤なので、お求めの方はお早めにお求め下さい!

NEWMANファンのみならず、爽やかメロハー好きな方なら見逃せないアイテムですので、一度チェックしてみて下さいね(*´ω` *)



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by malilion | 2018-09-30 14:48 | 音楽 | Trackback

UKポンプ黎明期バンドIQが華麗にシンフォ・バンドへ生まれ変わった重要作が、25周年記念盤が未発音源大量追加でリリース!

c0072376_15002404.jpgIQ 「EVER 25th Anniversary Collector's Edition」'18

未だ英国シンフォ界で気を吐き続ける重鎮シンフォ・バンドの93年リリース5thが、発表25周年を記念しCD2枚+DVDの豪華3枚組、4面デジパック仕様の限定盤がリリースされたので即GET!

MARILLIONを旗頭に、英国ポンプ・ロックを代表するGENESISフォロワー・バンドの1つとしてPENDRAGON等と共に80年代初頭に唸りを上げてシーンを賑わした新鋭バンドであった彼等も、メジャー契約を果たしフロントマンの交代を挟んでメインストリームへ進出すると思いきや、短期間で趨勢が減じたシーン変化の果てにメジャーをドロップ、暫しの活動休止を挟んで自主レーベルGiant Electric Peaを立ち上げインディ活動ながら満を持して放つ、再び初代ヴォーカルの Peter Nichollsを復帰させ、初期風なバンクス風キーボードやハケット風ギターを強く意識して幻想的で優美なサウンドで綴った、これぞ英国叙情という気品とダークでミステリアスな陰鬱さ漂う、新たに高まりつつある潮流(当時)であったシンフォニック・プログレサウンド(十分ポンプなテイストを残してはいるけれど…)で、分厚く複雑、そして荘厳に、多種多様な鍵盤楽器を用いて劇的に描ききった、久しぶりのコンセプト・アルバムでありました。

今回はその5thアルバムであるDisc1を現メンバーである Neil Durant(Key)によるオーヴァーダブ(実際はマスターテープの劣化とオリジナルの24トラック音源に不具合等があり新たにキーボードの再録音が必要な箇所が多々あった為)と Mike Holmes(G)による新規Remix(本人的にはリミックスに反対だった…)を施した'18年ヴァージョン(当時とはキーボードが Martin Orfordから Neil Durantへ、ベースが John Jowittから Tim Esauへチェンジしている)へ音源をブラッシュアップし、さらに2曲のボーナス曲を追加収録、Disc2には18年2月ドイツAschaffenburg:Colos-Saalにて行われた現メンバーの手によるタイト且つダイナミックなサウンドのLIVE音源から『EVER』収録曲をピックアップして収録、DVDにはCD1&CD2の5.1 Surround Sound Mixに加え、今回初出となる28曲に及ぶ『EVER』制作時の未発表デモ、アウトテイク、未使用アイデアの断片、リハーサル音源等などを多数収録したファン垂涎の一品だ。

この手の発売ン周年記念盤って奴は大抵がデジタルリマスターされた(それすら無いのもある!)だけで、後は未発表曲が数曲オマケについてくる程度で新譜と同じ値段取ろうとするファンから金を搾取するのが目的なだけの悪辣な商品が多い中、ファンサイドに立って価値ある音源をタンマリ封入してリリースする姿勢は流石インディ活動でファンベースを拡げてきたバンドだけありますねぇ(*´ω` *)

そして、オリジナル盤と音源が違うという、今回のアニバーサリィ盤さえ所有していればいい、という訳ではなくちゃーんとオリジナル盤(マスターテープが劣化してる訳だから、この音源盤は貴重って事か…)にも価値を持たせているとこも心難いポイントであります。

また、ブックレットにはアルバム、シングル盤ジャケットやFunzine写真や販促、プライヴェートフォト、スタジオ&LIVEショット等の貴重写真及び本作発表前後の活動を追った新規バイオグラフィー、元メンバーの John Jowitt(B、Backing Vo)、Martin Orford(Key、Mellotron、Synths、flute、Backing Vo)を含むメンバーの新規回想録を掲載した豪華装丁盤となっている。

アルバム内容については今さらここで語る必要はないだろうが、GENESIS系サウンドが好きなUKポンプ~シンフォ・ファンなら見逃せないアニバーサリィ盤なのは間違いないので、限定盤と言う事なのでお求めの方はお早めにね!

Track List
◆Disc1 -Ever 2018 Remix-
01 The Darkest Hour
02 Fading Senses
03 Out Of Nowhere
04 Further Away
05 Leap Of Faith
06 Came Down
07 Came Down-The Solos That Got Away(Bonus Track)
08 Lost In Paradise(Bonus Track)

◆Disc2 -Ever Live At The Colos-Saal,Aschaffenburg,February/10/2018 Stereo Mix-
01 The Darkest Hour
02 Fading Senses
03 Leap Of Faith
04 Came Down
05 Further Away
06 Out Of Nowhere

◆DVD -Ever 2018 Remix-Dolby Digital 5.1 Surround Sound Mix-
01 The Darkest Hour
02 Fading Senses
03 Out Of Nowhere
04 Further Away
05 Leap Of Faith
06 Came Down

-Ever Live At The Colos-Saal,Aschaffenburg,2/10/2018 Dolby Digital 5.1 S Sound Mix-
07 The Darkest Hour
08 Fading Senses
09 Leap Of Faith
10 Came Down
11 Further Away
12 Out Of Nowhere

-Album Demos-
13 The Darkest Hour
14 Fading Senses
15 Unholy Cow(Out Of Nowhere)
16 Further Away(Intro)
17 Further Away(Full Demo)
18 Leap Of Faith
19 Came Down

-Studio Outtakes(Instrumental)-
20 The Darkest Hour
21 Fading Senses
22 Out Of Nowhere
23 Further Away
24 Leap Of Faith
25 Came Down

-Unused Ideas-
26 Waltzy Song
27 Echo Song
28 The Blues Riff
29 Bassy Track
30 Guitar Thing
31 Quiety Demo
32 Some Chordage
33 Monks

-Rehearsals-
34 The Darkest Hour(Part 2)
35 Fading Senses(Jamming The Riff)
36 Fading Senses(#2)
37 Unholy Cow(developed)
38 Further Away(Jamming The Riff)
39 Further Away(Arrangement)
40 Came Down(Different Intro)
41 Sad Chords

デモだとモロにポンプっぽいサウンドだったんだなぁ、とかアウトテイクだと9割同じっぽいけど細かなフレーズやタイミング、展開のズレや変化だったり、後で付け足される楽器の音色がいくつか無かったりと、色々と本編との相違を見付けて一喜一憂できるのは未発音源ならではの楽しみ方ですねぇ(*´ω` *)

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by malilion | 2018-09-27 14:54 | 音楽 | Trackback

8年ぶりの来日! RENAISSANCEが織り成すクラシカル・シンフォサウンドが室内管弦楽団を加え一段と美しく!

c0072376_17373914.jpgRENAISSANCE 「A Symphonic Journey」'18

去る9月中旬に8年ぶりの来日公演を東京で披露した記憶もまだ新しい、英国プログレッシヴ・ロック及びクラシカル・ロックを代表するバンド RENAISSANCEの、2017年10月アメリカ・ペンシルヴァニアでの『A Symphonic Journey』ツアーの模様を収録したDVD映像+2CDの豪華3枚組、4面開きデジパック仕様盤(UK盤)をちょい遅れてGET!

ここの所アーカイヴ的な過去のLIVE作リリースが続き、スタジオアルバムは Michael Dunfordも途中まで制作に関わっていた『Symphony of Light』'13以降リリースされていない事を見ても、長らくバンドの音楽的中心であった Michael Dunford(G、Acoustic G)を失ったバンドの痛手の程がありありと分かりますね…(涙

90年代中頃に Michael DunfordがRENAISSANCEを復活させたのに呼応するように、Annie Haslam(Vo)率いるRENAISSANCEが始動し、一時2つのRENAISSANCEが存在してファンを混乱させた事がありましたが、後に和解し再び円満に活動を共にするようになった彼等、まさかその Michael Dunfordが12年に逝去し、二度と再び揃って活動する姿を見る事が叶わなくなってしまうとは……(涙

さて、ここの所続いた発掘過去LIVE音源ではなく去年のLIVEの程を納めた、久しぶりに“今の彼等”の姿を伝えてくれる本作だが、『Symphony of Light』時のメンツ(そう言えば、John Wettonも参加して Annieとデュエットたんですよね…)から変動が見られ、今や誰憚ること無く盟主の座に着いた歌姫 Annie Haslamは当然として、リズム隊がゴッソリ入れ替わっているのとツインキーボードの片割れが Jason Hartから Geoffrey Langleyへ変わり、新たに Michael Dunfordの後任ギタリストとして Mark Lambert(Guitar、Backing Vocals)が迎えられたツインキーボードの6人新編成へとなっている。

これまでにリリースした全アルバム収録曲から選曲された楽曲を、新編成バンドに加え9人編成の室内管弦楽団をゲストに迎えて一糸乱れず織り成される、アルバムタイトル通りに優美にして艶やかなストリングスをタップリとフィーチャーした豪華で重厚なシンフォニック・サウンドを従え、昔から変わらぬ5オクターヴを誇る美声を響かせ往年の名曲を熱唱する歌姫 Annie Haslamのパフォーマンスが存分に楽しめる、正に来日公演を彷彿とさせる一作に仕上がっており、久しぶりの公演に駆けつけたファンの方々も納得の出来だろう。

また、本作はLIVE音源としては初となる「KALYNDA」や、Annie Haslamと Michael Dunfordが加入する前のオリジナルRENAISSANCEで Jane Relf(Vo)が歌った「ISLAND」も披露されるなど、アーカイヴLIVE作とは一味違った選曲もなされているのも見逃せない点だ。

付属の映像DVD作は、Annie Haslamの圧巻の歌唱のみならずオープニングMCを含む開幕からアンコールまで、公演の全貌を完全収録したファンには堪らないアイテムとなっており、これまでの過去のLIVE映像作を入手して来たファンならば今すぐGETせねばならぬファン必携の1枚なのは間違いない。

まぁ、正直言うと経年でさすがに Annie Haslamの透き通る歌声も少々パワーの衰えが見えたり、テクニックで補っているもののどうしたって若かりし頃と較べて艶やかさが失われているのが分かるのですが、ファンにとっちゃそんなの些細な事でしかないのであります!(`・ω・´)

プログレ・ファンならば、そこらのポッと出のB級新人シンフォ・バンドのアルバム買うくらいなら、大本命のこのアルバムを買いましょう!



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by malilion | 2018-09-26 17:31 | 音楽 | Trackback

残暑にはラテンフレーバーなサウンドがよく似合う♪ MATT BIANCOの初期作リイシューをご紹介。

c0072376_17455345.jpgMATT BIANCO 「Indigo: 3CD 30th Anniversary Deluxe Edition」'18

残暑と蒸し蒸しする長雨、そして連続して襲い来る台風にグッタリな最近ですが、少しでも気分良くしようと本日はコレに耳を傾けておりました。

独自のラテン・ソウル&ポップスをベースに、JAZZ、ファンク、ブラックコンテンポラリー等の要素を融合させた作風で人気を博すUKポップデュオ、だったのですが16年、その両輪の一人 Mark Fisherが死去(RIP...)してしまったが、現在は Mark Reilyのソロ・プロジェクトとして再始動し、去年17年にJAZZ色を強めた新譜『Gravity』をリリースしたばかり。

そんな彼等の初期作が15年頃からリマスター&ボートラ大量追加で順次リイシューされ始めて(Cherry Red Recordsバンザイ!)おりまして、今年6月にリリースされた88年にリリースされた3rdアルバムの発売30周年を記念した3枚組デラックスエディションが本作であります。

近年CMのテーマソングに使われたりしていたので彼等のポップでラテンフレーバーあふれる朗らかサンシャイン・サウンド(笑)を耳にした事のある方も少なくないと思いますが、初期作ではまだそこまでアダルトなラテンフレーバー色も強くなく、幾分80年代UKポップス寄り(WHAM!っぽい打ち込みとかモロに聞こえる)なアーバンでデジタリーなダンサンブル・ポップサウンドが心地よい作風でした。

で、当時はディスコ~クラブブームもあって7インチや12インチ・ヴァージョンとかダンス・リミックヴァージョンとかEDIT、USリミックス、DUBヴァージョン等々やたらと別ヴァージョンが作られていた訳ですが、その手の一体幾つあるのか判別つかないくらいシングルに収録されリリースされたアルバム未収録音源をタップリ3CDに収録した本作は、当時を知る者としてはこの上ない音源集だ(*´ω` *)

軽やかなピアノやダンサンブルな打楽器、そしてフックあるファンキーなメロディとキャッチーな歌メロ、そこへ流れるムーディーで艶やかなサックスの音色が実に心地よく、スムースなリズムを刻むUKポップサウンドが南国の風が吹き込んでくるかのように実に爽快で、このウザイ湿気たんまりな一日でダルだった気分をリフレッシュさせてくれますん♪

新規リマスタリングされたオリジナル・アルバム収録曲に加え、アルバム未収録曲、シングル・ヴァージョン、リミックス・ヴァージョン等々レアな音源満載なボーナストラックを37曲(!)も追加したお得盤ですので、彼等のファンで彼等の一連のリイシュー盤がリリースされたのを知らない方はお求めになっても決して損はしませんぜ!

ヴァージョン違いの楽曲の中には、全く別メロ、別リズムの、殆ど別曲っていうような仕上がりのオリジナルよりグンと出来が良いトラックもあったりして、嬉しい発見満載です('(゚∀゚∩

Track List
◆CD 1
01. Don’t Blame It On That Girl
02. Nervous
03. Slide
04. Say It’s Not Too Late
05. Wap Bam Boogie
06. Good Times
07. R&B
08. Hanging On
09. Jack of Clubs
10. Indigo

ここまでオリジナル盤収録曲

Bonus Tracks-Single Version & B-Sides
11. Wap Bam Boogie (7”Edit)
12. Good Times (New Version)
13. Tumbao (Edited Version)
14. Nervous (Re-Recorded Version)
15. Say It’s Not Too Late (7”Version)
16. R&B (Brad Davis 7”MIX)
17. Poolside

◆CD 2
Bonus Tracks-Additional Recordings
01. Fire In The Blood(7”Version)
02. We’ve Got The Mood (Matt's Mood'90) (7”Version)

Bonus Tracks-Remixes & Alternate Versions
03. Don’t Blame It On That Girl (Extended Mix)
04. Wap Bam Boogie (Latin Remix)
05. Good Times (New Long Version)
06. Tumbao (Long Version)
07. Nervous (Extended Re-Recorded Version)
08. R&B (Bastone 12″Mix)
09. Don’t Blame It On That Girl (Rare Groove Mix)
10. Good Times (Miami Mix)
11. Nervous (Extended US Mix)
12. Hanging On (Extended Version)
13. Indigo (Alternate Version)
14. R&B (Bastone Dub)

◆CD 3
Bonus Tracks-More Remixes & Alternate Versions
1. Don’t Blame It On That Girl (Rare Groove Mix Edit)
2. Wap Bam Boogie (The Sok It To Me Mix)
3. Nervous (Flute Version)
4. R&B (Brad Davis 12″Mix)
5. Fire In The Blood (Caliente) (Club Mix)
6. We’ve Got The Mood ?(Matt's Mood'90) (12”Version)
7. Don’t Blame It On That Girl (Rare Groove Sax Edit)
8. Wap Bam Boogie (Alternate 7″Edit)
9. Nervous (Fish Mix)
10. R&B (Bastone 7″Mix)
11. Say It’s Not Too Late (Edit)
12. Don’t Blame It On That Girl (Gail"Sky"King Edit Of 12")
13. Wap Bam Boogie (The Sok It To Me Mix Edit)
14. Nervous (US Mix)
15. Fire In The Blood (12" Version)
16. Slide (Instrumental)


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by malilion | 2018-09-07 17:39 | 音楽 | Trackback

遂に英国プログ・バンドENGLANDの41年ぶりとなる新譜がリリース!

c0072376_14574663.jpgENGLAND 「Box Of Circles」'18

アルバム1枚とシングル1枚だけ残して消えた幻の4人組英国プログレ・バンドとしてその名が長らく囁かれ続けてきた彼等の、再結成第一弾作が遂にリリースされたので即GET!

正式なスタジオアルバムとしては77年の1stに続きこれで2作目になるが、幻の2nd用未発音源集リリースだったり、30年ぶりに再結成して06年に日本での演奏を納めた新曲を含むLIVE作や、待望の1stデジタルリマスター紙ジャケ盤や、アルバム未収録のシングルB面曲をボートラに加えた1stの大判紙ジャケ再現リマスター盤、さらにGolden EditionなるLIVE音源やシングル音源、未発音源を加えた豪華装丁1stの2枚組盤が本作リリースまでに幾度も発売(その都度、買い直したなぁ…)されていたので、未発音源集を入れても『スタジオ作はまだ3枚目だったっけ!?』と、今更ながらに驚かされました(汗

それにしても、1stリリース時に既にバンドは分解状態でLIVEを衆目に披露した事のなかった彼等が、オリジナルメンツではないものの初めてLIVEを披露し、幻のベールを脱いだのがここ日本だったというのが実に感慨深いですねぇ…

しかし、長かった…待望の再結成作が出る出ると言われ、どれだけ待たされた事か…(´・ω・)

実際、2010年に本作のプロモとして4曲入りEP(本作に同曲が収録されているがNEW MIX版だ)がリリースされたものの、それ以降一向にアルバムがリリースされる気配がなかったのだから……8年は(プロモの意味ねぇ…)いくらなんでも待たせ過ぎじゃない? ねぇ?

さて、まず注目はバンドメンツについてだが、再結成LIVE時とラインナップが変わっており、LIVE時はオリジナルメンツは Robert Webb(keyboards,Vocals,Guitar)と Martin Henderson(Bass,Vocal)の二名のみで、後は新規メンツ3名を加えた編成だったが、本作制作にあたって Franc Holland(Guitars,Vocal)と Jode Leigh(Drums,Percussion,Vibes,Vocal)の二名が復帰し、オリジナルメンツ4人揃ってのリユニオン作となっている('(゚∀゚∩

また、LIVE時の新規メンツに加え、RIVERSEAの Marc Atkinson(Acoustic Guitar)をはじめ多数のゲストプレイヤーや、Robert Webb参加の未発音源『Rare Bird In Rock』がCD化されたばかりの女性ヴォーカリストの Jenny Darren嬢等を含むバッキングヴォーカリストを多数迎えて制作されているのも、これまでの彼等の作品との違いと言えるだろう。

で、サウンドの方だが、さすがにデビュー作のような先走った様なパワーや爽快感あるキャッチーさ、如何にもプログレというテクニカルな畳みかけは影を潜めているものの、ENGLANDなるバンド名に恥じぬ英国風味香るシンフォニックで穏やか、そしてクラシカルで気品ある、紛う事なき70年代直系UK・プログレサウンドを、分厚く複雑、そして荘厳なヴォーカル&コーラスを筆頭に、多種多様な鍵盤楽器(Mellotron、Hammond、Mini-Moog、Harpsichord、Piano、etc…)が繊細に、華麗に、格調高く、甘く切ないメロディをリリカルにファンタジックに織り成してゆく美しい様は、まさに“アノ”ENGLAND節以外の何物でもなく、実に素晴らしくて、本当に本当に感無量(つд`)

まぁ、冷静になって聞き直すと、繊細な美しさは申し分ないが、やはりデビュー作で聞けたようなキャッチーさやポップさ、そして他のUKプログ・バンドには余り見受けられなかった爽快感や開放感をもっと感じさせてくれれば文句は皆無だったのになぁ、などとモダン度が増して枯れた味わい系に傾いている彼等の現状のサウンドへ無い物ネダリしたくなる訳だが、これだけ時間が経過して当時と同じ心境で創作が出来る訳もないし、プログレ終焉期に彼等が最後の輝きを放った当時と時代背景も全く違う現状に置いて、これは仕方が無いと諦める他ないでしょうね……

もし彼等の作品に触れたことのない方がおられましたら、70年代直系UK・プログレサウンドなものの、妙に難解でもなく暗くアンキャッチーでもない、ポップでカラフルな親しみやすい柔和なメロディアス作にして驚異の完成度を誇る彼等の記念すべきデビュー作を一度チェックされる事を強くお薦め致します。

そうそう、ジャケのデザインが違う、センサーシップ対応版と丸見え(って程に猥雑な画でもないけどさ…)版がある(?)ようですが、私が購入したのは対応版でした。

c0072376_14580752.jpg1stのジャケは秀逸だっただけに、本作のイマイチなイラストのジャケには苦言を呈したい所はありますが、何はともあれやっとリリースされた新譜にこれ以上なんだかんだと言うのは無粋なので止めておきます…(-_- )



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by malilion | 2018-09-01 14:49 | 音楽 | Trackback

英国の古楽プログ・バンドGRYPHONが41年ぶりに再結成第一弾作をリリース!

c0072376_15352403.jpgGRYPHON 「ReInvention」'18

イギリス王立音楽院出身の Richard Harvey(Recorders,Soprano,Alto & Tenor Krumhorns,Organ,Harpsichord,Harmonium,Glockenspiel,Mandolin,Classical Guitar,Vocals)と Brian Gulland(Bassoon,Bass & Tenor Krumhorns,Recorders,Keyboards,Vocals)を中心に71年結成され、73年にアルバム・デビューを果たし、77年の解散までに五枚のユニークな作品を残した、宮廷風味の強い古楽スタイルのフォーク・ロックとポップス、そしてプログレ(特にYES)の影響を消化し、中世~ルネサンス音楽とプログレッシヴ・ロックを融合させ再構築した唯一無二のオリジナリティ・サウンドを誇った英国産古楽プログレ・バンドの再結成作が遂にリリースされたので即GET!

オリジナルメンツによるリユニオンは15年頃に成ったものの創作活動は遅々として進まず、結果的にオリジナルメンバーであり中心人物でもあった Richard Harveyが多忙を理由に脱退してしまったが、75年作『Raindance』を最後に脱退していたオリジナル・ギタリストの Graeme Taylor(Guitars,Acoustic Guitars,Vocals)が43年ぶり(!)にバンドに復帰しており、オリジナル・スタジオアルバムとしては41年ぶり(!!)となる本作にも参加しているのが昔からのファンには嬉しいトピックだろう。

なお、Brian Gullandと Graeme Taylor、そして Dave Oberle(Drums,Percussion,Lead Vocals)のオリジナルメンバー三名に加え、Graham Preskett(Violin,Mandolin,Keyboards,Harmonica)と Andy Findon(Flute,Piccolo,Soprano Krumhorn,Soprano Sax,Clarinet.Sweetheart Fife)、そして Rory McFarlane(Bass)の新規メンバー三名を含む6人組バンドとして本作は制作されている。

73年のデビュー作以降、75年の4th『Raindance』まで主要四名は変わらず、ベーシストだけ不安定だったのが彼等5人組バンドだと覚えているが、売りであった古楽的フォーキーさが激減し、一気にポップ度と一般的なプログ・ロック度が増したサウンドが賛否両論な最終作5th『Treason』では Richard Harveyと Brian Gulland、そして Dave Oberleの三名のオリジナルメンバー以外に、新たにベース、ギター、専任ドラマーの新規メンツ三名を迎え、初めて6人組編成で制作された経緯があったのを、41年ぶりとなる本作の制作状況もソレに似たものがあるなぁ、などとフッと思い出してしまいました。

惜しくもアルバムリリース前に中心人物が脱退したというニュースにガックリきた昔からのファンな方も多いだろうが、往年のGRYPHONを彷彿させる本作の素晴らしい出来を耳にすれば、代役の大任を担った Andy Findonのプレイは Richard Harvey不在を一切感じさせぬ軽やかで艶やかなサウンドとテクニカルさを十二分に発揮し、再結成作の出来を少しも損なう事ない見事な仕事ぶりだと理解するのに時間は要すまい。

さて、本作の内容だが、飛び出してきた軽やかで忙しないピッコロの調べに艶やかなアコギの爪弾きが絡み合い、まさに“アノ”GRYPHONサウンドが展開されていくのに耳を傾けるだけでもう十分に幸せで満足な気持ちになれる待ちに待たされたこの新譜、やはり再現されているのはポップ度とエレキのパワーを借りたロック度の増す前の初期から中期、『Midnight Mushrumps』頃の古楽をメインにして活動していた時分のサウンドで、メンバー一同何を周りから求められているかをしっかりと理解している(理解してない再結成の多い事…)流石の方向性なものの、やはりこれだけ時が経過している為か全く“まんまのサウンド”という訳でもなく、幾分かモダンなタッチがサウンドのそこかしこから感じられるのと、Richard Harveyが不在だからこそ外側から見て“GRYPHONてこういうサウンドが特徴だったよね?”的な新規メンツによる故意的な再現やインプットも関係してか“古臭いんだけど妙に聞いた事のない新しい音”というような不思議な感覚に陥ることがしばしある一作と言えよう。

個人的にも、まんまの再現ではセルフパロに陥ってしまうし、全く過去を顧みないサウンドを展開されても期待外れ作になるのは確実だったろうから、本作のような懐古趣味的な再現を果たしつつ、新しいサウンドも気付かぬ内にしたたかに組み込まれている、というような難しい顧客の要求に応える優等生なサウンドは、さすがのキャリアと英国ミュージシャンの気概を感じさせてくれて大変気に入っております(*´ω` *)

まぁ、この奇跡的なサウンドバランスに仕上がったのは Richard Harvey不在だからこそとも言え、もしオリジナルリユニオン状態のままで創作が進んでアルバムが完成していたなら、果たして一体どのような方向性だったのか、幾分か今風に変わっていたのか、どんな完成度だったのか、と尽きぬ妄想が膨らんでしまいますよね。

そうそう、本作収録の10曲目のトラックと以前リリースされていた『The Collection II』'95 収録のアルバム未収録曲と同名曲ですが作曲者が違う別曲ですので、お間違いのないように。

尚、本作は日本先行発売、紙ジャケット仕様、SHM-CD、さらにボーナス・トラックを1曲収録となっており、海外盤ではまた収録内容が変化するかもしれませんので、ファンの方は今後のリリース情報から目が離せません。

古楽器を用いた異色の編成で中世音楽を演奏するフォーク・スタイルから出発し、ポップスやロック要素を加えつつYESとの接触で一気にプログレ度を増大させ、ジェントリーなヴォーカルによる穏やかなコーラス、フォーキーだったりトラッドだったりと様々にその色を変えながらリズミカルに展開していく控え目だが着実にバンドサウンドの要所を押さえている繊細なギター、古楽風のフレーズを交え細やかに宮廷風な雅を奏でる気品ある多彩なキーボード、そして古楽で鍛えた精緻なアンサンブルの如何にもプログレらしいスリリングな演奏を披露し、独特のサウンドを展開し続けた何者にも似ていないGRYPHONサウンドを、もしまだ耳にした事が無い過多がおられるなら、これを気に一度彼等の作品に触れてみる事をお薦め致します。



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by malilion | 2018-08-30 15:30 | 音楽 | Trackback