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ブルガリアのHMバンド?? ブルガリアン・プログHMバンドMUSIC STATIONの唯一作。

c0072376_02302026.jpgMUSIC STATION 「Shaping」'03

ラック漁っててまた転がり出てきた懐かしのアルバムをご紹介。

ブルガリア産ツインG&Keyを擁する6人組メロディアス・プログレッシヴHMバンドによる'03年リリースのデビュー・アルバムにして唯一作だ。

ブルガリア共和国はバルカン半島に位置し、北にルーマニア、西にセルビア、マケドニア共和国、南にギリシャ、トルコと隣接し、東は黒海に面している文化の交差点とも言える国で、その首都ソフィアでバンドは02年に結成されている。

一聴して分かるのが、彼等は夢劇場のフォロワー・サウンドがバンドの出発点だと言うこと。

ただ、既に夢劇場の影響から大方は脱しており、剛柔様々な声色を使い分け艶やかで見事な歌唱を披露する Pavilin Manevのヴォーカルスタイルに James LaBrieの影響が窺えるものの、バックのサウンドは所謂定番の夢劇場フォロワーではなく、特にキーボーディスト Boris Zashevの古典的ユーロ・プログレやクラッシックの影響を窺わせる軽やかでテクニカルな鍵盤捌きや、リズム隊のエスニックな香り漂わす音色やプレイ、そして一風変わったリズムパターンやJAZZっぽいプレイは本家夢劇場で聞けぬテイストで十分にオリジナリティを感じさせ、メロハーとプログHMをMIXさせたような上品さとキャッチーさのある爽快なサウンドは独特で、これ一作でバンドが終わってしまったのが実に残念でならない。

逆にリーダーでギタリストの Ventzy Velev(G)と Jordan Donov(G)のテクニカルなプレイやヘヴイなフージングが幾分か類型的プログレHM的と言え、一番夢劇場的な要素を臭わせているように思う。

ただ、彼等がデビューしたのが03年と、夢劇場症候群バンド達が触発された92年作の『Images & Words』との時間的距離が幸運にも空いている事もあってか、本家もサウンドを変化させていた事もあるし、92年以降世界中で雨後のタケノコの如く出現した露骨な夢劇場フォロワー群と同じ亜流サウンドへは成りにくかったとも予想出来る。

ブルガリアのシングルレーベルUBPからのリリースだった事や、予算の都合上で約1週間でレコーディングを終了させ、約一ヶ月でミックスダウンとマスターリングを完了させたアルバムにも関わらず、インディ・レーベルもののプログHM作品としてはかなりの上物、隠れた名作と言えるだろう。

実際、当時ディストリビュートされた日本やアメリカのローカルラジオ番組等でかなり好意的にアルバムは迎えられ、勢いバンドはプロモーションLIVEを首都ソフィアで計画したものの、残念ながら Boris Zashev(Key)と Radoslav Haralampiev(Ds)がLIVE活動を拒否した為、バンドはアルバム1枚をリリースしたのみで空中分解してしまったらしい…(つд`)

まぁ、バンドサウンドのイニシアチブを握り独特なカラーを創りだしていたその二人が居なくなっては、アルバムのサウンドの再現も難しかったでしょうから、活動継続を断念したのもむべなるかな、ですかね…

今となっては入手困難かもしれませんが、フランスのMuseaがディストリビューションに関わっていたので意外に輸入盤取り扱い店で未だにストックしていたり、中古盤で転がってる事もありますので、もしご興味あるなら一度チェックしてみて下さい。

そう言えば東京で営業中のブルガリア・レストランの音楽好きな日本人オーナーがバンドのデモを聞いてコンタクトを取り、本作の制作に尽力(プロデューサーのクレジットに注目!)したと言うのも、本作を一層に特色づけているトピックでもありますね。

以降、ブルガリアからのプログHMやプログレ系バンドのニュースは聞かないんですが、もしかしてまだ見ぬ未完の大器や、期待の新鋭インディ・バンドなんかがここ日本に全く知られる事なく精力的に活動しているのかもしれませんし、多文化が入り交じる地域的にプログレ系に有利なんじゃないかと思うので、またその日本人オーナーさんが有力バンドなんぞをガンガン紹介してくれると嬉しいなぁ(*´ω` *)



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by malilion | 2018-08-15 02:24 | 音楽 | Trackback

ドイツ産だけどアメリカンロック?  E・Martinがゲスト参加なHARTMANNの新譜がリリース!

c0072376_09401388.jpgHARTMANN 「Hands on The Wheel」'18

元AT VANCEのフロントマン&ギタリスト Oliver Hartmann率いる4人組ドイツ産AOR&メロディアス・ロックバンドの2年ぶり通算6作目がリリースされたので即GET!

ドイツ産バンドなのに如何にもアメリカンなAOR風ロックサウンドが身上の彼等だが、前作よりカントリー・テイストも取り入れる事により益々アメリカン風味が増した彼等だが、本作もその路線は変わらず、言われなければドイツ産バンドのアルバムとは決して思わぬアーシーで埃っぽい枯れたサウンドが味わい深いオールド・アメリカンスタイルが顕著なメロディアスな作品だ。

サウンドがアメリカン路線だからか、以前から白蛇のデビカバ風っぽかったりMr,BIGの Eric Martin風っぽかったりの抜群に上手い歌心に満ちた渋いヴォーカルを披露する Oliver Hartmannだが、今作では遂にMr,BIGの Eric Martin(!)がゲストで一曲に参加となって、一気にバンドサウンド及びヴォーカル・スタイルの焦点が絞り込まれた感が強まっている。

それにしても Eric Martinをフィーチャーしての楽曲で、堂々と対等に渡り合ってデュエットしているのを聞くと Oliver Hartmannはホントに歌が上手いんだなぁ、とハッキリ再確認させてくれました。

これでギターの腕前もリードギタリストを兼ねられる程のテクニカルな技巧派ってのが、ホントに嘘みたい(*´ω` *)

無い物ネダリなのは分かっちゃいるけど、デビュー当初のHMバンドに相応しいハイトーンのパワフルシャウトで喉を唸らせていた Oliver Hartmannの歌声が実に格好良く好きだっただけに、この激渋路線の穏やかで深みある歌声ばかり披露する路線が少々残念だが、まぁ騒々しくスピーディーなHMサウンドと決別してソロバンドを立ち上げたんだし、今さらそれを言うのは野暮ってもんでしょうね…('A`)

埃っぽくアーシーなオールドスタイルのアメリカン・ロックをベース(EAGLESみたいなサウンドが飛び出してきて苦笑)にしつつ、AOR風なヴォーカルアプローチやカントリーテイストも隠し味に、少々メロハーっぽいギターサウンドやプレイなんかでダレそうになる楽曲を程良くキリリと引き締めてエッジとフックを加味したバランス抜群なそつ無いサウンドって、一番近いのはポピュラー系ポップスなんだろうけど、こちらの方が断然にサウンドが持つ躍動感が上だし、歌メロだったりバックの演奏に隠し味的にユーロティストが漂ってキャッチーさとウェットさも忘れていない、US産ポップアーティストには無い深い味わいが実に素晴らしい欲張りなバンドサウンドを披露してくれる。

バンドメンツに変動はなく前作と同一なものの、前作は意図してかカントリーっぽい乾いたギターの音色といい、かなりアメリカン・ポップスを意識したドライな音創りが耳を惹いた訳だが、本作ではもう一度以前のアメリカン路線だけどウェットさを残した音に戻っているのは微妙ながら個人的に気になるポイントでした。

まぁ、あんまりやり過ぎると只のアメリカン・ロックの劣化コピーになってしまうので、ユーロ圏バンドとしてのアイデンティティも保ちつつな各種要素をMIXさせてモダンに仕上げた音、ってスタンスなのかもしれませんね。

バランス重視で刺激強めな音楽性って訳でもないし、前作と同じくミッドテンポとバラードな楽曲が多く、ややもすると今時の若いロックリスナーにはダレて聞こえる渋過ぎなサウンドかもしれないが、適度にアップテンポな楽曲も挟みつつ、幅広い音楽性と抜群に上手い歌声の妙で聞く者の耳を惹きつけ、最後まで飽きさせぬのはお見事と言う他ないでしょう。

これだけ見事なアルバムをリリースしているのに知名度がイマイチなのは、やっぱりモダンでシャレオツな音楽性に反してムサい鬚ズラなオッサン達の風貌(汗)なせいなのか、分かりやすい刺激に乏しい味わい深い系AOR&ロックなせいでしょうか……(´・ω・)

そうそう、前作にあったアルバム本編が終わってからの隠しトラックを今回も期待しましたが、流石に二作続けてはありませんでした(w

白蛇好きな方やMr,BIG系のアメリカン・ロック好きな方は、ドイツ産と思えぬポップでキャッチーな高品質アメリカンAORサウンドですので是非チェックしてみて下さい('(゚∀゚∩





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by malilion | 2018-08-14 09:33 | 音楽 | Trackback

英国メロディアス・ロックバンドDAREがデビュー作30周年を記念し、リレコーディング作としてリリース

c0072376_19513461.jpgDARE 「Out Of The Silence II」'18

記念すべきデビュー作『Out Of The Silence』リリース30周年を祝し、88年作を再録音したAnniversary Special Editin盤がリリースされたのでGET!

再録とは言っても当時のメンバーはもうリーダーでフロントマン、そしてキーボーディストの Darren Whartonと復帰したオリジナルギタリストの Vinny Burnsしか居ないので当然サウンドのタッチも変わる訳だが、新曲があるわけでなし、プロダクションもプレイもオリジナル盤に及ばないという、本当に熱心なファンから集金する為だけの再録記念盤と言えよう。

オリジナルにあったメロハー的なエッジや瑞々しい清涼感、そしてロック的なダイナミクスや雄大さがすっかり失せ、どっぷりとソフトケイスされ奥行きの無いサウンドのAOR作と言っても過言ではない実に穏やかに美しいメロディが蕩々と終始流れていく…('A`)

唯一評価出来るのは Darren Whartonのヴォーカルスキルが向上している点と、オリジナルより一段と円熟味の増した深みあるプレイや絶妙な“泣き”のフレージングを Vinny Burnsが垣間見せてくれる点で、その差を聞く為だけのアルバムと断言してもいい。

あ、7曲目の“King of Spades”だけExtended Editionとなって、オリジナルは4分後半台だったが6分30秒と大きく楽曲タイムが長くなっております。

手厳しい事を述べましたが、近年のすっかり牙が抜けて惰弱なAORバンドに成り下がってしまった彼等のアルバムしか知らぬファンの方ならば十分に受け入れられる穏やかで優しいメロディが終始奏でられている内容なので、実は未だにオリジナル1stが入手出来ていない、という方にはこの記念盤は嬉しいサプライズなのかもしれない…

元THIN LIZZYの Darren Wharton率いる新鋭ハードロックバンドのデビュー作! って、売り文句で当時は紹介されてたなんて、今のサウンドからは全く想像出来ないよなぁー…

いや、その前にオリジナル盤をリイシューすればよくね? やっぱレコード会社的な契約で再発出来無い、ってヤツですか? そんなにメチャクチャ売れた訳でもあるまいし、そう版権高くもないっしょ? ああ、権利どこぞの再発レーベルが買い取ってくれないかなぁ…('A`)

80年代末期のゴージャスでバブリーなHM全盛期の残り香を纏った期待の新鋭バンドだった頃の彼等を知る身としては、今の気の抜けたコーラみたいなサウンドが唯々悲しいのですが、まぁ、長い時を経て彼等はAORバンドになったんだ、と割り切れればそう本記念盤も悪い出来ではない…のかな…?

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しかし、このいバンドって再録が好きですねぇ。

以前も3rdアルバム『Calm Before The Storm』を再録してましたが、初期のロックテイストがあった楽曲を今の軟弱AORサウンドへ改変しないと気が済まないんでしょうか?

それともデビュー作故に色々と心残りがあって、それでこの穏やかなサウンドに?? それこそ、何故に??

つーか、この内容で Vinny Burnsは納得しているの? TENよりソフトなバンドに、どうして未だに在籍するの??

……これ以上何か述べても懐古ジジィの戯言みたいにしかならないので、本作の評価についてはどうぞ各自ご自身の耳で判断して下さい。




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by malilion | 2018-08-04 19:47 | 音楽 | Trackback

テクニカル・オセアニアン・モダン・シンフォバンドの期待の新星SOUTHERN EMPIREが待望の2ndをリリース!

c0072376_13060077.jpgSOUTHERN EMPIRE 「Civilisation」'18

解散・分裂したオーストラリアのメロディアス・シンフォニック・バンドUNITOPIAのキーボーディスト Sean Timmsが新たに結成した5人組技巧派モダン・シンフォバンドの15年デビュー作に次ぐ2ndが3年ぶりにリリースされたのをちょい遅れてGTE!

デビュー作はスタジオLIVE映像を収録したボーナスDVD付きの2枚組豪華仕様と大盤振る舞いだったが、続く本作もデジパック仕様なもののボーナスDISC等は付属していない通常の1枚ものだ。

洋上を行く帆船だったジャケデザ(KANSASっぽいサウンドかな?と期待したのは内緒だ)が、本作ではFINAL FANTASYを連想させる幻想的でSFチックな飛行船へ変更されており、その如何にもプログレ系という月夜を進む飛行船の美しくファンタジックな姿に弥が上にも期待が高まるが、そんな想いに応えるハード&テクニカル志向のスケール感抜群な上に爽快なキャッチーさ満点のプログHM&シンフォ・ロックサウンドを今回もバッチリ披露してくれている(*´ω` *)

デビュー作の触れ込みで比較されたバンドは、TRANSATLANTIC、MOON SAFARI、CIRCUS MAXIMUS、MIND'S EYE等だったが、それらのバンド群をより一段とモダンでシャープ、そしてフュージョンにも通じるテクニカル志向へシフトさせたそのサウンドは、Danny Loprestoのミドルメインでちょっと高域で掠れるけれど、ストレートで朗らか、そしてパワフルな歌声が実に魅力的で、US産バンド群より幾分ウェット感あるサウンドの上をしっかりとキャッチーな歌メロやメンバー達の流暢なコーラスがフィーチャーされていて、インディ・プログ系バンドがしでかすメロディそっちのけで無駄に展開が凝っているだけの楽曲を延々と披露するような自己満足的なアマチュア臭さは皆無な、冒頭から最後の一音に至るまでプロフェッショナルなミュージシャンシップが炸裂するメロディアス且つドラマティックな傑作でありました。

バンドを創設までしたのだから当然だが、デビュー作では華麗で煌びやかな Sean Timmsの軽快なキーボードプレイが俄然目立って耳を惹きつけていたが、シンフォ系定番のクラシカルで重厚な音の壁をキーボードが構築するような三流ポンプバンドのような無粋はせず、JAZZやAORっぽいムーディーさだったりエキゾチックなムードのフレーズやリズミカルなプレイが実に新鮮で、若干メタルテイストあるプレイやフレージングを聞かせる Cam Bloklandのテクニカル且つエモーショナルなギタープレイを筆頭に実力派インスト陣が織りなす巧みなプレイも総じてハイレベルで、歌モノ楽曲のようなヴォーカルをメインに据えたキャッチーさも兼ね添えたフュージョンチックでモダンな楽曲構成の一癖も二癖もあるスピーディーな切り返しや、バンド一丸になって畳みかける疾走感ある怒濤のアンサンブルは手に汗握るスリリングさで圧巻の一言('(゚∀゚∩

本作でもその妙は変わらず楽しめ、前作の音楽性を踏襲しつつダイナミックさと繊細さに更なる磨きを掛けたテクニックとセンス共に申し分なく聴き応え抜群なアルバムで、下手をすると前作以上に軽快で独特なファンキーでダンサンブルでさえあるリズミカルな楽曲が巧みなコーラスも配されたシャレオツなヴオーカル・オリエンデッドな作風で展開され、彼等が単なるバカテク集団なだけでない、まず第一に楽曲と歌をしっかりと聴かせる事に注力している本当の意味でプロフェッショナルなミュージシャン集団なのだと再確認させてくれる。

キャッチーでメロディアスなフックある Danny Loprestoの華やかな歌メロをメインにメンバー全員で幾重にもうっすらとコーラスを時間差で重ね織り成すポップスのような様や、デビュー作で要所要所をピリリと引き締めていたメタル・テイストなギターサウンドが減退している為か、全体的に前作よりサウンドがソフトになったかのようなイメージを一聴して受けるが、シンフォ度は本作の方が断然上で楽曲のスケールも一段と増し、所々に配されるKANSASチックなストリングスが紡ぐメロディは極上の美しさで、ハッタリ抜群のキメ技連打や高速ユニゾン・バトルも控え目ながらしっかりとフィーチャーされており、前作より引きのパートが多く感じるものの(ミステリアスなフレーズやリズムがイイ!)それがより一層にアルバムが語るストーリーのイマジネーションを掻き立て、随所で光るリーダー Sean Timmsの操る鍵盤が紡ぐシンフォ・アレンジもハイソで嫌味無く、実にモダンで優美なバンドサウンドの気品を増す一役をさり気なく担っているのは見事の一言に尽き、全てが高い次元で結実した結果、バンド2作目にして驚きの完成度を誇る爽快ドラマティック・サウンドなアルバムに仕上がったのだろう。

いやホント、これだけテクニカルでシンフォニックなサウンドなのにユーロ圏のバンドのような重厚さは程々でスタイリッシュに纏め上げられ、それでいてキャッチーな歌モノな印象が大きく残るモダン・ロックサウンド、尚且つ米国産バンドのようなドライさやポップスのような軽薄さは皆無に仕上げられているのは生半可なセンスやコンポーズ能力じゃ不可能ですよ。ええ。

ぶっちゃけ、このバンドのアルバムの国内発売が何故見送られているのか謎過ぎます(ツд`)

SPOCK'S BEARDやTRANSATLANTIC、MOON SAFARI等が国内盤リリースされているのなら、同じ客層に絶対に受けると言うのに…

近い将来、必ず国内盤がリリースされるだろう期待の新鋭バンドとして、是非皆さんも今は外盤を購入して彼等を応援してあげて下さいね。

また、前作に引き続き多国籍なメンバーが名を連ねるTHE SAMURAI OF PROGからヴァイオリン&フルートを操る Steve Unruhがゲストに招かれアルバムに華を添える、華麗にして艶やかなプレイを披露しているのもデビュー作を気に入った方には朗報ですね。




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by malilion | 2018-08-02 13:01 | 音楽 | Trackback

3の2nd? いいえ、3.2なる新ユニットだけど、実質 Robert Berryのソロ作みたいなアルバムです。

c0072376_11211654.jpg3.2 「The Rules Have Changed」'18

米国プログレッシヴ・ロック界でも名うてのマルチ・プレイヤー、Robert Berryが Keith Emerson(Key)と Carl Palmer(Ds)とで88年に結成し短期間で消滅してしまった3を復活させて新作をリリースしたので即GET!

……したはいいけど、うーん…なんていうか、レビューするのに困ってしまう一枚なんですよね。

モヤモヤした気分を抱えて何度か繰り返し聞き続けて見たんですが…

“あの3”の続編という触れ込みで情報が飛び込んで来たものの、実際には Keith Emersonと Robert Berryのみのコラボレートで、そこに Carl Palmerは一切関わっていない、“3.2”なる新名義ユニットの作品という事実。

Robert Berryとのコラボレーション途中で Keith Emersonが自殺してしまった為に楽曲のアイディアが完成しているのは数曲のみ(Keith&Robertのクレジットからなる楽曲は全9曲中4曲のみ)で、まだまだアルバムは未完成だったという事実。

残されたアイディアや楽曲構想を Robert Berryが独力で再構築し、全ての楽器を演奏し、歌い上げ、まさに八面六臂の活躍でアルバムを完成させた、Keith Emersonのプレイは一切収録されていない、実際の所は Robert Berryのソロ作に近い状況な作品だという事実。

こういった情報を耳にすると、どうしたって感傷的な気分になるし、Keith Emerson生前最後の楽曲という価値も手伝って、本作を無下に出来かねる状況にならざる終えない訳なんですが…(汗

上記の情報を一切排除してアルバムの音だけに耳を傾けてみると、実際キーボードのフィーチャー具合もなんだかイマイチな、意図して3のデビュー作っぽいキーボードサウンドを再現しているけれどソレは結局音だけだというチグハグな部分(Keith Emersonっぽい音で他人が中途半端な再現度の演奏をしている、という印象)を感じる点や、盟友の死というヘヴィな状況を乗り越えてアルバムを完成させた疲労や苦悩からなのか Robert Berryの歌声が所々でいつになく疲れて荒れたような印象を受け、その為か肝心な歌メロも彼の他のソロ作と比べてキャッチーさや艶やかさが欠けて聞こえ、オマケにサウンドを3に近づければ近づく程 Carl Palmer不在が大きく影響したのかリズムに力強さやキレ、独自性が薄い、というなんとも煮え切らぬ完成度のアルバムに聞こえるのです。

なんて文句を垂れておいてなんですけど、冷静になって考えてみればオリジナルの3のアルバムだって、やたら大仰に鳴り響く弾きすぎなキーボードに、やたら自己主張の強いうるさいドラムスが耳につくバランス極悪なサウンド(当時はやたら Keithの大仰なキーボードイントロがTVでジングル代わりに使われてましたねぇ)であったのを、当時殆ど無名だったベースとヴォーカルの Robert Berryがそのプレイで懸命に繋ぎ止めてなんとか曲の態にしていた、と考えるとむしろ本作3.2のサウンドの方がバランスは重視されていて、よりヴォーカル・オリエンテッドで纏まってる作風と言えなくもないんですけどね(汗

とまれ本作の評価は、何を求めてこのアルバムを購入したかで大きく変わってくるのではないでしょうか?

幻の3の復活という幻影や、故 Keith Emersonの残した楽曲や、彼の残り香的なものを求めている向きには十分に本作を楽しめると思います。

3というEL&Pを現代的にブラッシュアップしたバンドが、さらに今現在のモダン・サウンドで蘇るハズ! と思っていた向きには少々不満が残る出来に思うのではないでしょうか?

GTR、3、へ参加した後、米MAGNA CARTAレーベルお抱えミュージシャンとなって多数のコラボやトリビュート作や数多くのバンドの作品への参加を知るRobert Berry個人のファンで、彼のコンポーズ能力が活かされたキャッチーでフック満載なAOR&メロハー的なサウンドを求める向きは、残念ながら殆ど愉しむ事が出来ぬ一作となってしまうのではないかと…orz

まぁ、本作を購入される殆どが、3の続きや Keith Emersonが残した最後の作品を聞きたい、という忠実なファンの方達でしょうから、これ以上何か言うのは無粋でしょうし、この辺りで終わりにしておきます。



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by malilion | 2018-08-01 11:14 | 音楽 | Trackback

CHICAGO meet DEF LEPPARDなプロジェクトPLANET3の声、CLIF MAGNESSの約24年ぶりの2ndソロがリリース!

c0072376_19483931.jpgCLIF MAGNESS 「Lucky Dog」'18

番組テーマ曲やCMで楽曲が取り上げられ91年当時知名度がメチャクチャあった事もあってAORファンやメロディアス系のサウンドを好む方以外でもご存じかもしれない、AIRPLAYやセッション活動で有名なギタリスト Jay GraydonとMichaelJacksonの“Man in The Mirror”の作曲者としても知られる Glen Ballardと組んだメロディアス・ポップ・プロジェクトPLANET3のヴォーカル、ソングライティングを担っていた Quincy Jones、Celine Dionや Avril Lavigne 等の大物アーティストに楽曲提供やプロデュ―スを行い、グラミー賞を受賞しオスカーにも顔を出すテキサス州出身の売れっ子シンガー&ソングライター Clif Magnessの約24年ぶりとなる2ndソロアルバムがリリースされたので即GET!

彼の名前とこれまでのキャリアを考えればアルバムを聞く前から隙ない売れ線バッチリな高品質ポップアルバムであろう事は分かっている訳ですが、なんとこんな素晴らしいアルバムが彼の本国USAでは未発売で、日本とヨーロッパ圏のみでのリリースだと言う。

米国ではもうこの手の完成度の高い産業ロック&AOR作へのニーズが乏しいらしいという事のようだが、俄には信じられませんね。

つーか、クソみたいな勢いだけのチープなサウンド鳴らしてるガレージバンドばかり持て囃して、こんなプロ中のプロの高品質作を評価する余地がシーンに無いなんて、アメリカの音楽業界は大丈夫なんでしょうか? ちょっと心配になってしまいます…

さて、こんなにソロ作の間が空いたのはひとえに彼は売れっ子で、自身の活動より他のミュージシャンとのコラボレートやプロフデュース、作詞作曲等の裏方作業に引っ張りダコだった為なのはその足跡を調べれば一目瞭然な訳ですが、そんな彼が久々に届けてくれたソロアルバムのサウンドは、意外な程にハードドライヴィングでワイルドなギターがフィーチャーされた、すわVAN HALENかGIANTかという疾走感あふれるロック・チューンが多目な一枚となっており、デビューソロ作やPLANET3に近いAOR系サウンドを予想していたので正直驚かされました。

裏方作業でソフトポップや売れ線メインの制約がある“お仕事”が散々に続いたので、その反動で本作のようなハードなギターをメインに据えたサウンドの、AOR作というよりも殆どメロハー・アルバムと言っていい構成になったのかもしれませんね。

ハード目なサウンド中心とは言ってもAORマスターの名に相応しく、美旋律と爽快感抜群なコーラスが心地よいAOR風な楽曲や、彼の力強くクリアなハイトーン・ヴォイスをバッチリとフィーチャーしたメロディアス・ポップな楽曲、それに当然、切なく叙情的なメロディが映えるミディアム・バラードまで、フック満載な歌メロが最後まで途切れる事なく展開されるヴァラエティ豊かで隙ない高品質なプロダクトが施された楽曲が目一杯詰め込まれた、シンガー・ソングライターにしてマルチ・プレイヤー、さらに辣腕プロデューサーとしても腕をふるってきた職人ミュージシャンが殆ど独力で創り上げた、正にプロフェッショナルな一作と言えましょう(*´ω` *)

まぁ、なんだかんだ小難しい事を考えなくとも、このキャッチーでフック満載の歌メロが秀逸なハード目なサウンドが心地よい高品質AOR&メロハーなサウンドに耳を傾ければ、メロディアスな音楽好きならば誰だって文句なしに楽しめるのは疑いない秀作でありますので、是非メロハー・ファンで彼の事を知らない方でも、迷う事なく手を出しても後悔する事無い一枚だと断言できます。

まだ磨かれていない宝石の原石の如き名も無いインディ・バンドのアルバムを漁るのも楽しいけれど、たまにはこういうプロ中のプロが創り出すプロフェッショナルな極上の一枚を愉しむのも、実に爽快でいいものですよねぇ♪


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by malilion | 2018-07-31 19:43 | 音楽 | Trackback

これがバンド最終作!? 結成50周年を迎えた英国プログ・フォーキーバンドSTRAWBS

c0072376_12584511.jpgSTRAWBS 「The Ferryman's Curse」'17

後にYESへ加入するキボーディスト Rick Wakemanが一時在籍した事でプログレ・ファンにお馴染みの、1968年結成、69年アルバムデビューして以来途中一時活動休止期間を挟んで今日まで50年に渡って活動継続中な5人組英国産プログ・フォークバンドの23thアルバムが去年末にリリースされていたのを今頃GETしたのでご紹介。

前作から3年ぶりとなるこの新作だが、当初レビューするつもりはありませんでした。

いえ、ちゃんとアルバムは即購入ではないにしても毎回入手してたんですが、ここ数作の出来を見るに別段誰かにお薦めする事もない、旧来からのファンだけが彼等を支えればいいか、ってな感じの穏やかで鄙びた味わい深い作品が続いていたもので(汗

まぁ、そう言う事もあって、こんなに購入が後回しにされてたんですけどね(スマヌ

ブッチャケもうプログレでもなんでもないくたびれたオッサン(てか、もうお爺ちゃんか)のリーダー Dave Cousins(Vocals、Acoustic & Electric Guitars、Electric Dulcimer、Autoharp)が朗々と歌う、木訥な英国フォーク・アルバムでしかありませんので、今のロック・リスナーには刺激の乏しい、下手をすると聞いてる最中に寝落ちしちゃうかも、ってくらい穏やかなサウンドですから…

どうせ今回もいつも通りの出来なんだろ? と高を括っていたら予想外の良い出来に驚かされまして、慌ててここで紹介せねば! と、相成った次第でして(汗

正直、新譜だからと言って、もうネタも出尽くした今さら新しい驚きなど殆ど聞けぬベテラン・バンドの彼等ですが、ここ数作でアルバム毎にキーボードプレイヤーだけが入れ替わり立ち替わり出入りしていたので、そのメンツ変動が影響を及ぼしたかと察した通り恒例のメンバーチェンジが行われた模様です。

何と John Youngから16年の英国、北米ツアーにも帯同した同郷ケルティック・プログバンドIONAの Dave Bainbridge(!!)へキーボーディストがチェンジしており、その繊細にして流麗なキーボード・プレイのみならず、ハモンド、ブズーキィ、アコギと多彩な楽器でもってバンドサウンドに多大な貢献を果たし、2つのインストゥルメンタル曲を含む全10曲のアルバム収録曲の内、5曲にその名をクレジットされているという大活躍ぶりで、全く期待していなかった彼等のアルバムに、ベテランならではの“引き”の技が光る木訥なメロディながらも深い情感が潜む楽曲と如何にも英国バンドという煌びやかで気品に富むシンフォニックな美旋律を紡ぎ出し、そのメリハリの効いた楽曲展開でドラマチックなストーリーを感じさせるアルバムの完成度にかなり驚かされました。

また、アルバムタイトル曲は、デビュー作『Dragonfly』収録の“The Vision Of The Lady Of The Lake”の続編となる楽曲で、本作が噂されるバンド最終作だからこその続編曲を収録したのでは? というトピックも注目すべき点だろう。

フォーク的な楽曲構成をベースに、ピアノとオーケストラのストリングスが華麗に絡み合い、メロトロンやフルート、軽快なアコースティック・ギターが控え目ながら楽曲をしっかりと盛り立てる、最初の音符から最後の音符まで密やかに優美、そして味わい深い、という70年代後期の典型的なSTRAWBSサウンドの再現だけでも大変に魅力的なのに、彼等が最も支持されていた頃の美しいメロディーを備えた叙事詩を今風なモダンサウンドへアップデートさせているのが実に見事で、本当にコレでバンドが終わってしまうのだとしたら有終の美を飾るに相応しい秀逸な出来映えの、英国詩人 Dave Cousinsのプライドが垣間見えるさすがの一作と言えましょう。

出来る事なら最終作というのは何の根拠も無いデマだった、と後になって笑い話になる事を祈って、バンドサイトで50周年を祝っている彼等の次なる新作がヒョッコリ届けられるのを待つ事にしましょうか……



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by malilion | 2018-07-31 12:52 | 音楽 | Trackback

華麗に蘇ったオランダの貴公子Robby Valentine率いるVALENTINEが新譜をリリース!

c0072376_00585091.jpgVALENTINE 「The Alliance」'18

オランダの貴公子こと、Robby Valentine率いるVALENTINEの14年リリース『BIZZARO WORLD』以来約4年ぶりとなるスタジオ・アルバムがリリースされたのをちょい遅れてGET!

確か最初のソロを含めて10枚目くらいだったはず(汗

最初のソロをバンドと捉えるかどうかや、国内盤未発のトリビュートアルバム等でアルバムのカウント数が変わってくるのがややこしい…

本作制作の前にQUEENトリビュート作をリリースした事も関係しているのか、やり切ったと思ったのか、今作のサウンドはいつもよりもQUEEN的なカラーが弱まっているように感じる。

いや、勿論未だにそこかしこでQUEEN張りな重厚なコーラスだったりフレーズなんかが聞けるけれど、初期のような露骨なフォロワー臭さは薄れているのは彼個人のオリジナリティの確立という点を考えても非常に良い事でしょう。

QUEENからの影響だけでなく THE BEATLES、MUSE、ELO、等がMIXされた本作は、一時のダーク&ヘヴィ路線から初期の作風へ戻った流れの末に一気にソフトポップ化しており、これまでで一番ハードなロック要素の薄いアルバムと言え、今までの彼のディスコグラフィを考えるとコレは大事件なのではないでしょうか?

ライナーで告白しているが Robby Valentineは過去数年間、重度のウイルス感染による片目の視力喪失など、プライヴェートで心悩ませるいくつかの問題を抱えていて、それが引き金になったのか鬱病も併発し、精神的に創作が厳しい時間が長かったと言う。

数作前のダークでヘヴィだった作風当時、その手の問題を抱えていた事が反映して、あの暗く粗い陰鬱な作風だったのだとすれば頷ける話だ。

その手の問題を本作創作中に乗り越えられたからなのか、前作までに漂っていた重苦しく張り詰めた雰囲気がアルバムから消え失せ、代わって初期のような若さ故の才気走った焦燥感とも違う、実に落ち着いた穏やかな何かゆったりとした空気感が本作のサウンドには漂っているように感じられるのは大変喜ばしい。

やっぱり彼のパワーは無いけれどデリケートで優しげな歌声やメロディックでキャッチーな音楽性には、ダークで陰鬱な要素は似つかわしくないものね(*´ω` *)

ただ、Robby Valentine自身が語っているが、David Ickeなるニューエイジ系などのUFO的な“キナ臭い”モノに絡んでいる英国ジャーナリストの提唱するレプティリアン宇宙人陰謀論が本作に色濃く反映している様子で、病や心の苦しみの救いをニューエイジ思想へ Robby Valentineが求めた結果、本作のどこか悟りを開いたような穏やかなサウンドへ音楽性が変化したのだとしたら、ちょっと先行きが心配だったりして…

サンタナもそうだったけど、昔から特定の思想やオカルトにハマる音楽家は結構いて、その結果サウンドが一気に解脱してあさっての方向へリスナーを無視して飛んでいってしまう事があるのがね…(汗

今の時点でニューエイジ思想の影響はまだ穏やかなサウンドのバックボーンになっているに過ぎず、QUEENからの借り物ばかりだったサウンドに一大変革をもたらす切っ掛けになったのだとしたら、ロック的な熱いスピリットは弱めな本作のサウンドだけれど全否定する事も出来ぬだろう。

SF的ファンタジーやシニカルな思想も垣間見える、美旋律と壮大なスケールで綴られたソフト・ポップな本作は、QUEEN張りの重厚なコーラスをフィーチャーし緻密に構築されたドラマティックな楽曲と内省的でデリケート、それでいて道化のようにナルシスティックな妖しい華やかさも併せ持った Robby Valentineというアーティストの個性が余すこと無く詰め込まれた、久しぶりに快く耳を傾ける事が出来る美しい芸術的作品だ。

ここまで褒めていてなんですけど、華麗さや美しさにのみクローズし、ロック的なダイナミクスやハードさ、スピードといった心躍る“熱い”要素が非常に薄い本作は、寧ろAOR作に近いと個人的には感じますね。

ファンの期待を裏切らない、とハッキリ言い切れないのが少々もどかしいが、良質なメロディアス作である事には間違いない。



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by malilion | 2018-07-30 00:53 | 音楽 | Trackback

まさかの復活! 米国産メロディアスHRバンドGUILD OF AGESが再結成第一弾作をリリース!

c0072376_14120058.jpgGUILD OF AGES 「Rise」'18

米国産メロディアスHRバンドが復活し、前作から17年ぶりとなる4thアルバムをリリースしたのでGET!

クソったれなグランジーの波に全米が覆われる前の90年代に、如何にも日本人好みな80年代風味も残すメロディアス・サウンドを聞かせた前身バンドCAUGHT IN THE ACT(Bobby Barthがバンドに深く関わってAXEの弟分的な紹介もされてましたね)の2枚のアルバムが当時ゼロコーから国内盤でリリースされていたので彼等を知るメロハー好きな方も多いと思いますが、オランダの同名アイドル・グループ(!?)との混同を避ける為にGUILD OF AGESへ改名して活動を続けるものの、グランジーまっただ中なメロハー暗黒時代だった事や改名のゴタゴタの影響、そして時流を鑑みての音楽性のブレ等もあってか売り上げは伸び悩み、3rdアルバム『Citadel』を01年にリリースしたのを最後に02年に敢えなく解散してしまう。

時は流れ、14年にイギリスで開催されたFIREFESTへ一時再結成で招待されLIVEを披露したのが呼び水になったのか本格的にバンドは再始動となり、90年代から彼等に好意的な日本市場を鑑みてか、再結成第一弾作をここ日本で先行してのリリースと相成った訳です。

そうそう、これだけインターバルが空いたにもかかわらず、バンドの頭脳である Anthony“Antz”Trujillo(Guitars、Keyboards、Backing Vocals)をはじめバンドの顔であるフロントマンの Danny Martinez等もちゃんと居る、前作と同一メンツで再始動(風貌はワイルドさを増してるけど)してくれた事は素直に喜びたい。

再結成したはいいけれど、オリジナルのメンツが一人二人、しかもドラマーだけ、なーんてバンドは最早同じバンドでも何でもない集金集団ですからねぇ…

しかも、いつもの通りにAXEの Bobby Barthがプロデュースという、ホントに17年もシーンに不在だったのかと思わず疑ってしまう念の入りような、満を持しての再結成第一弾であります('(゚∀゚∩

で、内容の方でありますが、ハードエッジなギターにキャッチーなヴォーカルメロディ、華麗な分厚いコーラス、爽快でありながら憂いを漂わすウエットなメロディが美しいフックある楽曲、とCAUGHT IN THE ACTの2ndアルバムから続く新譜と言われても少しも疑わぬだろう、何の変哲もない90年代当時の米国産バンドらしからぬ仄かなユーロテイスト香るメロディアスHRサウンドをまんまに再現しておりまして、コレが今の耳で聞くと逆に新鮮でイイんですよねぇ~♪

勿論、今の時代のプロデュースを施されておりますのでサウンドはモダンで高品質ではありますが、なんだか妙に懐かしい、つい笑顔になってしまう、メロハー好きな諸兄なら分かって貰えるだろう実に安心出来る良質なメロディアス・アルバムなのだ。

当然、バンド消滅以降各自の活動を通して腕を磨いて来た事も関係しているのだろうが、楽曲も演奏も総じて安定安心の高レベルに纏まっていて、解散前より断然に奏でるサウンドやフレーズ、コーラス等が優れている点も見逃せません。

ああ、そういえば当初から幾分それっぽかったんですが、経年による変化の現れか歌い方の変化なのか、ちょっと Danny Martinezの声質が変化していて掠れる声になる時に、オランダのメロハー・バンドTERRA NOVAの Fred Hendrix(Vocals、Guitars)っぽく聞こえたりして、個人的に2828しちゃいましたね(*´ω` *)

スピーディーでゴリゴリな殺伐としたメタルサウンドやオーバープロデュースすれすれのドキャッチーな造り込まれたメロハーサウンドをお求めの方は決して手を出してはいけない、ハイテンションなインタープレイやテクニカルな技の応酬なんて皆無な、ちょっとノスタルジックな雰囲気を漂わす本当に奇をてらわぬ真っ正直なメロディアスHR作であります。

ファンは勿論、80年代後期~90年代初期のメロハー好きな方に是非お薦めしたい一作です。

また、最近CAUGHT IN THE ACTの2枚のアルバムがEscape Musicからカップリング・リマスター盤(2ndのジャケに手が加えられたジャケ)で、限定1000枚でリイシューされておりますので、彼等の昔のサウンドが気になった方がおられましたらそちらをチェックしてみるといいのではないでしょうか?

オリジナル盤をお持ちの方も、かなりクッキリとクリアで太い音になっておりますので、リマスター盤お薦めですよ。



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by malilion | 2018-07-29 14:05 | 音楽 | Trackback

ツイン・キーボードを擁するオランダ産シンフォ・バンドHANGOVER PARADISEが待望の2ndリリース!

c0072376_14381342.jpgHANGOVER PARADISE 「Out Of Sight」'17

オランダのZwerus兄弟率いるツインKeyを擁する6人組バンドの4年ぶりとなる2ndをちょい遅れてGET!

2010年に結成され、13年にデビュー作『Mirrors』をリリースし、その80年代ポンプをベースに、より歌もの作品へ味付けしたようなシンフォ・ロックが心地よかった訳ですが、続くこの2ndでもセンチメンタルな甘いメロディとポップでキャッチーな要素も取り入れたドラマチックでクラシカルな楽曲が秀逸な、同一路線を継承するモダン・シンフォサウンドが展開されていて、デビュー作を気に入っていたファンの期待に十分に応える安心の良作となっている。

ただサウンドの路線は変わらなかったものの、このインターバルでメンバーチェンジが勃発した模様で、Peter Zwerusと Henk Zwerusの兄弟キーボーディストと、ベーシストの Cynthio Oomsのみ残留し、フロントマンを Elias de Vriesから Henk Bruggeへ、ギタリストを Pieter Nanuruから Richard Saimimaへ、ドラムスを Jeroen van Stenisから Daniel Bransへと大幅なメンバーチェンジが行われた模様だ。

テクニカルなインタープレイの連続でグイグイとハイテンションに突き進むタイプでない彼等にとって、フロントマンの交代劇という決して小さくないサウンドへの影響だが、前作の音域が狭く歌えるメロディに限界が見えていた Elias de Vriesと違って、新たに迎えられただけあって Henk Bruggeは太いミドルレンジが中心ながら高域もカヴァー出来る甘い声質の、ARENAの三代目フロントマンの Rob Sowdenに似たその歌声を得た事で、バンドのポップでフックある歌メロのレベルが一段も二段も上がって楽曲全体の完成度を上げるのに大きく貢献しているのは一聴してすぐ分かるだろう。

また、本作より Mac Drikusなるバッキングヴォーカリストを招いて、さらなるヴォーカルパートの充実に注力している点も見逃せない変化と言える。

ゆったり穏やかでメロゥなパートには前作同様にKAYAKやCAMELの影響が伺え、PINK FLOYDっぽいイントロやARENAを思い起こさせるテクニカルで複雑な構成のインストゥルメンタル・パートを聞くまでも無く、ユーロ圏プログ・ロックのカテゴリーに属する彼等のサウンドですが、陰鬱でややもするとメジャー路線を忌避する傾向にある英国プログレ・バンド群と違い、オランダという地がそうさせるのかより商業的な要素をそのスタイリッシュなサウンドに多分に含んでいて、カラフルなポップロックとソフトでアダルトなAOR要素の強いラジオフレンドリーなサウンドも垣間見えるのが、その他のユーロ圏のポンプ&シンフォ系インディ・バンド達との大きな差異ではないでしょうか?

華麗に響き渡るヴィンテージな音色のキーボードの美旋律と咽び泣くエモーショナルなギターで飾られた壮大で劇的なオーケストレーションをメインに、その上を柔和で甘い声質の歌メロが漂い、歌うようなベースラインとテクニカルでソリッドなドラムがエネルギッシュでシャープなリズムを構築し、時にポップなノリも交え軽やかに駆け抜けていくのが実に爽快だ。

そうそう、前作で楽曲の端々で感じられたHMテイストが消え、替わってPINK FLOYDっぽさやPENDRAGONっぽい“泣き”のギターの感触が増しているのは、どう考えてもギタリストの交代劇が影響しているのは確かでしょう。

Richard Saimimaって、PENDRAGONっていうか Nick Barrettのセンチメンタルでリリカルなギタープレイがかなり好きなんでしょうね(w

リーダーのZwerus兄弟が操るツイン・キーボードの音色がバンドサウンドのカラーをほぼ決定づけているのは確かではありますが、柔和なシンフォサウンドのこのバンドに置いてギタリストの紡ぐサウンドの質の変化はプラスへ大きく働いているので、このベンバーチェンジもバンドサウンドの質を向上させるのに地味に関係してると思っとります(*´ω` *)

ヨーロピアン・ロックらしいウエットなメロディを主軸に、古典プログレから現代のシンフォに至るまで多様なテクスチャを取り込んで再構築し、ハードさやスリリングさより美しさや艶やかさに重きを置いた、ツインキーボードだからと言って変に弾きすぎる事もなくAOR的売れ線のキャッチーさやも踏まえた、OPUS、GENESIS、MARILLION、IQ、PENDRAGON等だけでなく、TOTOやSAGAといったバンド群の影響もしっかりと血肉にした実にバランスの取れたそのモダン・シンフォサウンドはとても2作目と思えぬ完成度で、大幅なメンバーチェンジと短くないインターバルが彼等のレベルを飛躍的に高める為に必要だったのだとそのサウンドが語りかけてくるようだ。

ここまで手放しで絶賛しておいてなんですが、勿論物足りなく感じる点もありまして、折衷案的に複合要素をバランス重視で組み上げている為か、少々そつなく纏まりすぎているのとツインのキーボード編成ながらサウンド全体のスケール感がちょっと小さい点だけは残念であります。

古典的な重厚さあるシンフォサウンドや最先端のテクニカルさや真にプログレスする姿勢を求める向きにはお薦め出来無いが、程良くモダンでポップなメジャー路線に近い軽めのシンフォ・ロックがイケるという方にお薦めしたいモダン・シンフォバンドであります。


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by malilion | 2018-07-26 14:31 | 音楽 | Trackback