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期待の北欧メロハーの新鋭 ART NATIONが3rdアルバムをリリース!

c0072376_15060653.jpgART NATION 「Transition」'19

Alexander Strandell率いる北欧スウェーデン産メロハー・バンドが2年ぶりに新譜をリリースしたのをちょい遅れてGET!

13年にデビューアルバムをリリースした北欧メロハー・バンドDIAMOND DAWNの元フロントマンが立ち上げた新バンドとして鳴り物入りでデビューし、そのTNTを彷彿とさせるキャッチー且つ哀愁を感じる叙情的メロディが光る躍動感あふれるサウンドから洗練されたAOR風味までカヴァーする煌びやかでハイクオリティな楽曲や Alexander Strandellの上から下まで伸びやかに歌い上げる強靱なハイトーン・ヴォイスと抜群の歌唱力でメロディアス愛好家を一発で魅了した彼等が『Revolution(革命、大変革)』'15 『Revelation(天啓、啓示)』'17 と来て、続いて『Transition(変化、過度)』なる3rdアルバムをリリースした訳だが、アルバムタイトルが示す通りデビューからの音楽性に幾分か変化が生じたようだ。

この変化がバンドの練度が上がった故のモダン嗜好へのサウンド変化だったなら何の問題もなかったのですが、どうにもこのバンドはメンツがデビュー以来安定(Alexander Strandellのワンマンバンドだと割り切れば問題でもないかもだけど…)せず、今回もサウンドの変化も大幅なメンツの入れ替えの結果なように思えるのが少々先行きの不安を感じさせますね……

アルバムデビュー前に Alexander Strandell(Vo)、Simon Gudmundsson(B)、TASTEで活動していた Christoffer Borg(G、Backing Vo)、そして Theodor Hedstrom(Key)、最後に Christofferの弟である Felix Borg(Ds)が迎えられて5人組ラインナップが一端完了する。

のも束の間、セカンドギタリストに Johan Gustavsson(G)と Felix Borgに代わって名うての新人ドラマー Carl Tudenが加入し、ツインギター&キーボード入り6人組バンドとしてデビュー作を録音し、リリースする。

スウェーデン国内をツアーした後に2ndアルバム制作に取りかかるが、よりソリッドでハードエッジなサウンドへ進化した結果か、前作での作曲で重要な役割を担っていた Theodor Hedstrom(Key)が脱退(バンドを追い出された傷痕故か、Christofferや Theodorとの出会いやコンビネーションにあんなに喜んでいたのに…)し、レコード会社も移籍してツインギター5人組バンドとして2ndをリリース。

2ndの作曲作業には Theodor Hedstromも関わっていた関係か、2ndまではデビュー作からの音楽性が進化したというのも納得なサウンドだった訳ですが、その後のメンバーチェンジの頻度がヤバ過ぎた……

2ndレコーディング後に Simon Gudmundsson(B)が抜けて女性ベーシスト Rebecka Tholerusを迎えツアーに挑むツアーをこなすものの、17年終わりには Christoffer Borg(G)、 Carl Tuden(Ds)、 Rebecka Tholerus(B)が脱退 エェェ(´д`)ェェエ

その煽りで日本公演がキャンセルとなる中、Sam Soderlindh(G)と旧友にして宿敵だったDIAMOND DAWNの Efraim Larsson(Ds)を迎えLIVE活動を再開するも、すぐにドラマーが Linus Thomssonへチェンジする。

と、初期からのメンツで残っているは Alexander Strandell(Vo)を除くと Johan Gustavsson(G)のみとなり、慌ただしくメンツが入れ替わって3rdアルバムの制作へ突入。

で、レコーディングが完了した後、またメンツ変動が起こり(マジで良く解散しないな…って言うか、もう殆ど別バンドだよね?)、現在のラインナップは、Alexander Strandell(Vo)は不動なものの、FOUREVERなるバンドにも在籍中の Mia Moilanenなる女性ギタリスト(G)、Sam Soderlindh(G)、元DEVILICIOUSの Alexander Lundgren(Ds)の4名で、ベーシストの席はまだ空席となっている模様だ。

初期の作曲中心人物 Theodor Hedstrom(Key)と Christoffer Borg(G、Backing Vo)が抜けた上に、これだけメンツが代わっての3rd制作となれば音の方も自ずと変化するのは当然の流れな上に、どうもさらに Alexander Strandellがバンドサウンドのポピュラリティを高めようと画策した模様で、本作のサウンドはよりモダンなタッチが強く感じられ、初期楽曲のような疾走感はかなり抑え目になり、代わって普遍的なロック的展開の楽曲や、女性ヴォーカリストとのデュエット曲や、専任キーボーディストが居ないにも関わらず2ndで軽減させた煌びやかでデジタリーなキーボードサウンドの比重が大幅に増えているのはどういう事なのか……

初期のキレ味鋭くキャッチーでポップでありながら、しっかりとハードエッジも感じさせる叙情派北欧メロハー・サウンドが好みだった方にとって、幾分かサウンドが柔和になったのとスピードとキレが落ちたように感じられる本作のマイルドサウンドをどう捉えるか、で本作の評価は分かれるような気がします。

まぁ、あのままハードエッジな方向性で進んでもその他大勢の北欧メロハー・バンド達との差異を構築するのに苦労する事になるのは目に見えていたので、本作からのより一般層へ向けてサウンドの方向修正は間違ってはいないとも言えますが、そうなると相手をするのはポップス畑のアーティスト達って事になりますので、現時点のサウンドの洗練度ではまだまだそちら系のファンを唸らせるのは少々厳しいんじゃないかと要らぬ心配をしてしまいますね……

とは言え、またメンツが変動してサウンドの方向性がコロっと変わるかもしれませんし、仮にメンツ変動なくても現在のメンツでのアルバム制作はまだですし、まだまだ北欧メロハーのフィールドで語られるべきサウンドではありますので、そこまで彼等のこの先を悲観はしてませんけどね(w

次なる新作まで、ともかくメンツを安定させて活動して欲しいものであります。



# by malilion | 2019-12-09 14:56 | 音楽 | Trackback

初期北欧HMバンド KEEN HUEがまさかの復活!? 未発旧音源を旧メンバーが集ってリリース!

c0072376_19571064.jpgKEEN HUE 「Heydays」'19

80年代初期スウェディッシュHMシーンを支え、マイナーながらアルバム2枚を残して解散したツインギター5人組スウェーデン産メロディアスHMバンドが、前作『Juicy Fruit Lucy』から約26年(!!)ぶりに再結成して3rdアルバムをリリースしたので即GET!

77年頃結成されるもののデビューアルバムをリリースする頃には結成メンバーは誰も残っておらず、一番の古株がギタリストの Stefan Morenとドラマーの Peter Erikssonで1stから在籍し、2ndでもプレイしており、本作でもしっかり在籍して熱演を披露している。

そもそも『Ogre King』'84 でアルバムデビューした当時はツインギターでベースがヴォーカルを兼ねる4人組バンドで、垢抜けないイラストがジャケのイメージ通り典型的な初期北欧マイナーHMバンドだった。

音域の狭いヘタクソなオヤジ声の如何にもなリードヴォーカルが力一杯熱唱し、ハモってないダメダメなコーラスにバタつくドラム、そしてハードドライヴィンなギターがおぼつかないテクを披露し、荒っぽいツインギターが時折耳を惹くマイナー調のメロディを弾くという初期北欧HMの典型パターンとも言えるブリティッシュHMの影響を受けたイモ臭いスピーディなHMを奏でていたので、その筋のマイナー北欧系HMバンドが好みな方には知られた存在だったらしい。

因みにリリース元のレーベル倒産につきもう本作は入手不可能とのことで、権利関係問題があるのか今現在も未CD化なアルバムだ。

北欧地域ではそこそこ売れたらしいのでストックが存在したのか、自分はかなり前に運良く新品LPを購入出来たが今現在はどうなのかは不明です……(汗

それからかなりの年月を経て『Juicy Fruit Lucy』'94 なる2ndを発表し、北欧HM好き特にスウェーデン産バンドなら日本で受けると思われたのか彼等も国内盤デビューとなる。

国内盤はちょっと妖しい雰囲気なイメージのジャケにデザインが変更されているが、外盤はもっとタイトル通りな分かりやすいエロいジャケだ。

きっと国内的にはB級北欧メロディアスHMとしてプッシュしたかったのだろう。

下世話なイメージのジャケより国内盤のお上品な方が、まぁ確かに一般受けはするだろうが、サウンドのイメージとはちょっと遊離しているように感じますね…

2ndでは新たに専任ヴォーカリスト Mats Frimodigsを迎え、元SIX FEET UNDERのベーシスト Kent Janssonも新たに加入、ギターも Stefan Moren一本になり、さらにキーボーディスト Per Anderssonが迎え入れられた新編成の5人組バンドとなっていた。

1stから時間的な間隔がかなり開いている間にメンバーのスキルも上がった(Peter Erikssonのドラムもかなり安定したプレイを披露)のと、1st時のヴォーカルとは比べものにならない上手いフロントマンを得たのも功を奏したのだろう、B級マイナー北欧HMから2ndで一気に高品質なB級メロディアHMへチェンジしたサウンドを披露する。

ただ、所謂日本人好みなマイナーな美旋律が疾走する楽曲を聞かせる北欧メロハー・タイプでなく、もっとルーズでラフな感覚のロックンロール寄りなサウンドだったのと楽曲のキャッチーさがイマイチだったのも影響したのか、ぶっちゃけ日本では人気は出ず、数ある北欧のマイナー・メロディアスHMバンドの1つとして埋もれていった……

キーボードが活きる楽曲は、DEEP PURPLE、RAINBOW系の北欧HMっぽい疾走サウンドでなかなかよろしかったのに、もっとソッチ系にサウンドを纏めていれば少なくとも日本では人気が出たのでしょうが、結局世を覆うグランジーの波に飲まれたのか彼等の続報は伝わってこなくなってしまう。

因みにバンドの情報が途絶えた後、96年にギタリスト Stefan Morenは『Yippie Ya Ya』なるソロアルバムを自主制作でリリースしていて、Stefan Moren自身のポップな歌声(なかなか上手い!)といい分厚いコーラスといいビートロック系なサウンドといい、伸び伸びとハードにメロディアスにギターを弾きまくりなその屈託なく朗らかなハッピー・サウンドはどこかSWEETっぽくて個人的にはバンドのアルバムより彼のソロ作の方が楽しめましたね(w

Stefan Morenが05年に2ndソロ『The Last Call』を続いてリリースしている所を見るに、それまでKEEN HUEは何度か活動休止をしつつ存続していたらしいが、当時は実質活動していなかったか、もしくは既に解散していたのではないのだろうか?

なんでも今現在もKEEN HUE-Under Coverなる別名義バンドとして有名ヒット曲のカヴァーを地元クラブ等で披露するローカルな活動を継続している模様で、Stefan Morenと Kent Janssonが在籍しているとの事。

で、本作はそんなカヴァー曲ばかり演奏する状況に飽き飽きしたのか、Stefan Morenの発案で1stで歌っていた Lars-Ake "Platis" Nilzonと、オリジナルギターのもう1人である Ake Nystroem、そしてドラマーの Peter Erikssonが復帰し、ずっと在籍していたリーダーでギタリストの Stefan Morenとベーシスト Kent Janssonはそのままに5人組バンドとしてリユニオンし、2ndリリースまでにメンバーチェンジが何度も起こりながらも作曲を続けていたが2ndでバンドサウンドの路線が変更されて陽の目を見なかった81年から89年の間に書かれた古い楽曲を昔のメンバー達と新たに録音したのが本作だ。

『え? あのヘタクソな Lars-Ake "Platis" Nilzonを呼び戻すの!?』と、本作の企画を知った時驚きと不安を覚えたのですが、届けられた新作に耳を傾けると、あら驚き! 長い年月が経過してスキルが上がったのか、当時の録音状況が悪かったのか、ヴォーカルプロデュースが不味かったのか、本作での Lars-Ake "Platis" Nilzonの歌声は別人かと思うくらいちょっと苦汁声なものの断然上手く(w)なっており、マイナー調の疾走する楽曲でツインギターが華麗にメロディアスなソロを紡ぎつつ、ポップでキャッチーでありながらしっかり芯のある熱い歌声とコーラスという、1st路線が正統に進化した今となっては古式ゆかしい初期北欧スピードHMな荒々しくもメロディアスな楽曲が詰め込まれたアルバムにジャストフィットしたヴォーカルを披露している。

発掘テープの類いと違って現在のテクノロジーで録音されプロデュースされているので音は当然よろしいしのですが、それ以上に現在のモダンな感覚も取り入れられた楽曲アレンジだったり、ストリングスが追加されたり、マイナー調の北欧HM定番な哀愁漂うバラード曲を飾り立てるさり気ないキーボードサウンド等、ソロ活動やローカルながら地元で音楽活動を続けてきた Stefan Morenの手腕が活かされた旧曲新録アルバムだと言えよう。

しかし、今現在の耳で80年代初期北欧HMの上質なサウンドを耳にする事になるとは本当に予想外でした(w)、しかも地味に本作の楽曲は出来が良いんだなぁ~コレが(*´ω` *)

きっとコレも長い間 Stefan Morenがヒット曲のカヴァーを演奏してきたから自然とアレンジ力が上がったのが本作に活かされているんでしょうね。

当然、サウンドも楽曲プロダクションもA級でないけれど、勢いばかりで荒削りで未完成だった80年代初期北欧HMサウンドに当時足りなかった要素(ちゃっかり1st収録曲“Ogre king”が再録されている)が加味された“古くて新しいサウンド”を今回こうして耳にして感じるのは、もう今となっては聞く事の出来ないストレートでピュアな北欧HMサウンドがノスタルジックな趣を伴ってビンビンとハートを震わせる、って事(w

HEAVY LOAD、TORCH、OVERDRIVE、220 VOLT、UNIVERSEらと肩を並べて成功を目指して疾走していたKEEN HUEの80年代初期北欧HMは、きっと当時を知る古参リスナーは勿論、しらなくてもスピーディーでストレートなマイナー調北欧HMがお好みな方ならば、きっと気に入ってくれる一作だと思いますで、ご興味あるようでしたらチェックしてみても決して損にはならないでしょう。

そうそう、バンド名の意味は Stefan Morenによると「シャープな色調」という意味らしいが、イギリス人に言葉の意味を確かめたら怪訝な顔をされたという事なので、結局は彼等の造語というのが正解なようだ(w

本作の編成がこのまま続くのか、今回限りの企画の為だけなのかは判然としないが、出来る事ならこのまま本格的にこの編成でバンド活動を開始して欲しいものです。


# by malilion | 2019-12-06 19:47 | 音楽 | Trackback

スイスのシンフォ・バンドCLEPSYDRAが再結成して18年ぶりの新譜をリリース!

c0072376_13490782.jpgCLEPSYDRA 「The Gap」'19

01年に4枚目のアルバム『Alone』をリリースし、程なくして惜しくも解散してしまったスイスのキーボード入り5人組シンフォ・バンドが18年ぶり(!)となる再結成第一弾5thアルバムをリリースしたのを、国内盤出るかとしばし待ったけど我慢し切れず(汗)輸入盤で遂に購入したのでご紹介。

14年にデビューから解散までの10年間の音源を全てリマスターして収録した限定BOXをリリースしていたので音源的には5年ぶりの素材となる訳だが、解散後も断続的に同窓会的なLIVEをしていたのが実ったのか、こうして新規音源をリリースしてくれたのをまずは祝いたい。

ただ、これだけのインターバルが空いた(すっかり皆オッサンに…)事もあって完全なるリユニオンとはならず、ギタリストが Marco Cerulliから Luigi Biaminoへチェンジしているのは仕方が無いだろう。

で、再結成作の内容はと言うと、解散したその時から全く時間が経過していないような、スイスのシンフォバンド、と聞いてイメージする通りの、妙な癖や灰汁の無いスッキリ冷ややかな叙情派メロディアス・シンフォのお手本のような、まんまCLEPSYDRAなネオ・プログレ風味ある正統派ユーロ・シンフォ・サウンドでした。

革新的な何かをサウンドで成している訳でもないし、目指している訳でもない再起動した彼等のサウンドは、ややもすると70年代の巨人達や80年代のネオ・プログレバンド達のエミュレート(元々、お手本が初期MARILLION)に聞こえるが、メランコリックなギターと雰囲気満点なシンセが繊細で叙情感溢れる美しく淡い水彩画を描くように紡ぐゆったり展開の多いシンフォ要素をベースに、元来彼等が持っているストレートでシンプルなユーロ・メロディアスロックなサウンドピースを随所で聞かせるスタイルに変化は無く、ギタリストの交代も大きな影響をその温和なサウンドに与えていないのは、前任者も得意としていた表情豊かで物憂げなギターの壊れ物のような爪弾きを聞くだけですぐ気付くだろう。

今となっては珍しいポンプ系バンドで良く聞けた、ちょっと線の細く甲高い Aluisio Magginiの歌声も相変わらずで、今の時代には独特な特徴となって聞こえるのが面白い効果だろうか?

冷ややかな叙情派サウンドの要である Philip Hubertの鍵盤捌きは相変わらず流麗で、小気味良いピアノのアレンジや涼やかなシンセワークを聞かせ、解散前より幾分か目立って聞こえるのは、新加入の Marco Cerulliのギターが幾分控え目(遠慮して?)だからかもしれない。

プログレ系としては至って普通というか堅実でソリッドに重きを置いたリズムセクションは、変にテクニカルな事をして悪目立ちせぬ屋台骨的プレイを解散前と変わらず繰り広げ(実際は必要に応じてパートパートでダイナミックでパワフルなHM的アグレッシヴ・プレイを繰り広げている)ており、その点ではHR的と言えるかも。

北欧シンフォのような邪悪さや寂寞感も無く、英国シンフォのような先進的な革新さやモダンな感触も薄く、米国シンフォのようなパワー押しやアグレッシヴさも聞こえず、スタープレイヤーの妙技で聴衆を惹きつけるでもない、テクニカルな畳みかけるインタープレイより夢見るような淡いパッセージが紡がれる、メンバー全員のバランス良い演奏と程良く構成された楽曲やアレンジ等の総合力で勝負する、淡い色づきの柔和な清涼感と冷ややかな哀愁を漂わす美しくドラマチックな彼等の叙情派シンフォ・サウンドはちょっと聴き今の若い聴衆にはインパクトが弱く聞こえるかもしれないが、じっくり聞き込む程にそのデリケートでロマンチックなファンタジック・サウンドの微妙な味わいと甘やかな香り漂う魅力に惹き込まれて行く事だろう。

バカテクだとかプログレ的革新性は皆無だけれど、停滞だとか進歩が無いという中傷を恐れずに、ただただ美しくロマンチックな叙情派シンフォ・サウンドを18年ぶりに変わらず届けてくれたCLEPSYDRAには大感謝なのです(*´ω` *)

叙情派ユーロ・シンフォ好きな方なら一聴する価値はありますので、もしご興味あるようでしたら是非チェックしてみて下さい。

自主制作盤ですので、お求めの方はお早めにね!


# by malilion | 2019-12-03 13:41 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンの新世代ハイブリッドHRバンドDEGREEDが大興奮の5thをリリース!

c0072376_14090683.jpgDEGREED 「Lost Generaton」'19

Robin(Vo&B)と Mats(Ds)のEriksson兄弟を中心とする北欧スウェーデン出身の4人組新世代ハイブリッドHRバンドが約二年ぶりに放つ5thアルバムをちょい遅れてGET!

前作に引き続き国内盤がリリースされ一安心だ。

さて本作の内容についてだが、大手レーベル移籍と新マネジメントのバックアップや、Ted PoleyとのコラボバンドMODERN ARTでのアルバム制作経験も間違いなくプラスに働いたのだろう、前作よりさらにサウンドが整理され、よりシャープでモダンになった印象を受け、全体的なサウンドの華やかさとキャッチーさ、そしてスレートな音が増して幾分かアメリカナイズされたように思えるが、しっかりと端々に北欧らしいウェットなメロディ使いやフック、そして細やかなアレンジと艶やかなヴォーカルメロディが実に味わい深く、ドライで作り物臭いUSA産バンド群のサウンドとはひと味もふた味も違うアグレッシヴで骨太なサウンドに満ちた傑作アルバムとなっている。

キャッチーでポップでありながら、ユーロテイスト漂うウェット感と北欧系特有のキラキラしたキーボードと透明感あるメロディ、メインリフでヘヴィに攻めつつサビでは突き抜ける爽快感とフック満点な分厚いコーラスというデビュー時からの方向性は変わる事なく、楽曲の完成度やアレンジの妙、そしてモダンなサウンド造りとバンドが持つ魅力をより一層に磨き上げ、さらにドラマティックさとダイナミックさ迸るサウンドスケールを逞しく成長させた前作を超える強力な高揚感と爽快感がメンツ一丸となって疾走する溌剌サウンドに満ち溢れており、以前にも増して大活躍な Micke Janssonが操る鍵盤が紡ぐ涼やかなデジタルパッセージや煌びやかなシンセサウンドに包まれる中、Robin Erikssonの熱唱と Daniel Johanssonのコンパクト且つエモーショナルでテクニカルな絶妙のギタープレイが交差し、まるで魔法のような眩いトリックを生み出していて、もう大興奮!('(゚∀゚∩

正直、最近耳にした新譜で最も興奮したのが本作で、背筋をゾクゾクするような悦びが駆け上ってくるフレッシュな感触と燃え上がるパッションサウンドを、まさか彼等が届けてくれるとは思っておりませんでした。

さらに洗練されシンプル化が進んだ、と言うと従来のテクニカルパートを隠し味にキャッチーな北欧サウンドを奏でていた彼等のサウンドが好きだった方は不安になるかもしれませんが、よりスマートでモダンなアメリカナイズされたシンプルな楽曲構成故にメロディの美しさが引き立つ、多くの要素を高い次元で融合させた極上のメロディアス・ハードサウンドをコンパクトでモダンな手法と絶妙のアレンジで聴かせてくれるので、旧来の彼等のファンの方でも決してガッカリする事はないと断言出来ます。

さらなるメジャー展開を考慮してか、本作から Robin Erikssonが Robin Redに、Micke Janssonが Mikael Blancという芸名に変更したりと、さらにサウンドのモダン化を進めてアメリカ進出やワールドワイドな展開を目論んでいるのか、そうなると彼等を彼等たらしめている北欧風味、キーボードとギターのセンチメンタルなユニゾンパートなどの以前にも増してメロディアスでロマンチックなサウンドパートなんて如何にも北欧バンドって感じのリリカルな感触が実に心地よいのですが、そういった要素が減退してしまわないかこの先少々心配ですけど……

Ted PoleyとのコラボバンドMODERN ARTで少しは知名度がアップしたかもしれませんが、まだまだ無名に近いのが理解出来ぬ高品質な北欧メロハー・サウンドを届けてくれる彼等、HEAT、ECLIPSE、Work Of Art等の北欧メロハー好きな方からAOR好きな方まで是非お薦めですぜ!


# by malilion | 2019-12-02 14:02 | 音楽 | Trackback

北欧メロハーの雄 ECLIPSE、7作目にして遂に変化の兆し!?

c0072376_22313770.jpgECLIPSE 「Paradigm」'19

楽曲提供だけでなく様々なプロジェクトやコラボ等で引っ張りダコな北欧ワーカホリックマン Erik Martensson(Vo&G&Key)率いる北欧スウェーデン産メロハー・バンドの、17年リリースの前作『Monumentum』以来2年半ぶり7作目となる待望の新作がリリースされたのを少々遅れてGET!

前作はユーロHM的ウェットなメロディと叙情感、そしてアメリカンHM的キャッチーな爽快感と疾走感をMIXさせたハードエッジなスリリングさと躍動感あふれる従来通りの折衷メロハー路線を推し進めた充実作であったが、本作では少々サウンドのタッチに変化が見られるようだ。

同一路線のサウンドをこれまで磨き抜いて来た為のマンネリズムに対する変化を求めたのか、ユーロ圏のみならずアメリカでも積極的にLIVE活動を行うなど、北欧メロハー系バンドに多いLIVE活動は少なくスタジオでアルバムを量産するタイプでない彼等ならではのステージングからのフィードバックを活かしたからなのか、本作ではこれまでのような Magnus Henrikssonによる派手でハードエッジなギターサウンドが抑え目になり、Erik Martenssonのヴォーカルやコーラス等にかなり焦点が集められたある意味でヴォーカル主導なAOR&ポップス風の楽曲スタイルに変化しており、彼等の激しくも華やかなバンドメンツ一丸となっての疾走感あるインタープレイが気に入っていたファンにとっては少々物足りなく感じてしまうかもしれない問題作とも言えるだろう。

無論、相変わらずハードエッジなサウンドだし、キャッチーでフックあるコンパクトな楽曲は以前と変わりなく高品質な仕上がりだし、変わらずスリリングで劇的な楽曲展開も聞かれるのだが、幾分ミッドテンポの楽曲が多く収録されている為かアルバムを聞き通すと途中で少々ダレるように感じられるのが個人的には気になりましたかね……

まぁ、いつまでも勢い任せのルーキーバンドじゃないんだから、っていう好意的な見方も出来るかもしれませんけど…

代わりと言ってはなんだが、その分これまで以上に Erik Martenssonの上手い歌が堪能出来るし、幾多のプロジェクトで揉まれ幾人ものアーティスト達とコラボレートした経験が活きたのか、より深みを増したその歌声の表現力や声の使い方の幅はデビュー当時とは比べものにならぬくらい拡がりと安定感を増しており、スローテンポな楽曲でそのヴォーカルスキルの真骨頂を発揮している(*´ω` *)

ことここに至っては、以前聞かれたような露骨な白蛇フォロワー臭いギターサウンドや楽曲ピースは姿を消し、完全にオリジナルなバンドサウンドへ成長したのが分かり、これは Magnus Henrikssonの弾きまくりギターが主軸だったバンドサウンドのバランスを変化させた、前作より落ち着いた印象のマイルドサウンドな本作だからこそよりそう強く感じるのかもしれない。

昨今のバンドがこぞってダークでハードな硬質サウンドへ突き進んでいる中で、ヴォーカル中心なメロハー系バンドとしてはよりソフトな要素を取り入れた方向へ進む選択をしたのは、やはり Erik Martenssonの意識が既にそれらHMバンド達とは次元の違う、よりポピュラリティの高いモダンサウンドな方向へ進んでいるからなのでしょう。

個人的にはヴォーカルオリエンテッドなアルバムも大好物だし、ちょっとハード目なメロハー・ヴォーカルものなんかも大好きな自分的には本作の方向性は全く気にならないのですが、元気溌剌なハードドライヴィングするギターサウンド主導なメロハーサウンドを求めている向きにどう評価されるのか少々不安ではありますね… 随所で顔を出す Magnus Henrikssonのギターソロも悪く無いんだけど、やっぱりコンパクト過ぎて少々食い足りないんだよなぁ…

楽曲の質は変わらず高いし、メロディも未だに優れており実に煌びやかで派手なサウンドなので、キャッチーでメロディアスという要素を彼等に求めている従来のファンは安心して本作に手を出していいだろう。

逆にハードなギターサウンドやロックバンドらしいソロプレイの応酬や手に汗握る予想不能なインタープレイが飛び交う、そんなパートを求める向きには、コンパクトで小綺麗にコンポーズされ過ぎた彼等のサウンドは御気に召さない可能性が高いんでしょうかね?


とまれ、メロディアスな北欧ロック好きな方になら間違いなしにお薦め出来る一枚と言えるでしょう。

しかし…また日本先行発売なんだよな…また、Frontiers盤でボートラ大量追加でリリースで買い直し確定なの??(ノД`)



# by malilion | 2019-12-01 22:23 | 音楽 | Trackback

MARILLION旧曲リアレンジ企画盤ながら、室内管弦楽隊との共演作は絶品! な美麗シンフォニック作!

c0072376_18375329.jpgMARILLION 「With Friends From The Orchestra」'19

ネオ・プログレの旗手として80年代に英国で唸りを上げて誕生し、幾多の紆余曲折を経て昨今では枯山水の如き渋ぅ~い世界へ旅立ってしまった彼等の、旧作に追加音源をプラスした限定新装版やオフィシャル・ブートレッグLIVE等々の怒濤の大量音源リリースを経て前スタジオ作『F.E.A.R』'16 以来3年ぶりとなる、新企画スタジオ・アルバムをGET!

燃え上がるヴァイオリンが目を惹くジャケの本作は、Sreve Hogarth(Vocals)、Mark Kelly(Keyboards)、Ian Mosley(Drums & Percussion)、Steve Rothery(Guitars)、Pete Trewavas(Bass & Vocals)のいつものバンドメンツ5名に加え、ストリングス・クァルテット、フレンチ・ホルン、フルート、サックス奏者からなる7人編成の室内管弦楽隊との共演作となっており、89年の『Seasons End』から、12年の『Sounds That Can't Be Made』までの曲を取上げシンフォニックなリアレンジを施し、さらに美旋律に、さらに叙情的に、オリジナル以上に艶やかでドラマチックなサウンドを奏でており、最近のすっかり枯れた味わいに比重を置いた彼等のサウンドに一抹の寂しさを感じていた旧来のファンは歓喜する事間違いなしな一作だ。

バンドとオーケストラの共演作にありがちなお上品になり過ぎる事なく、ロック的なダイナミズムもキープしつつ、さらに美旋律に磨きをかけたそのサウンドは、彼等の楽曲が秘めていた新たな魅力と新アレンジの妙が実に素晴らしく、MARILLIONはベテランなれどまだまだ枯山水世界の住人で落ち着くのは早い、と再認識させてくれる。

ていうか、無理なのは分かってるけど、もっと分かりやすいド派手で俗っぽいシンフォ作をもう一回聞かせて頂戴ぃ~! と、切実に本作の優美で芳醇なサウンドを耳にして思ってしまいました(*´ω` *)

ある意味企画の内容を知ったファンが想像するだろうサウンドと方向性で、妙な小細工や奇をてらった策や意外性など微塵も無い、望む通り“まんま”な美しいサウンドを届けてくれたMARILLIONには感謝しかありませぬ。

下手なシンフォ・バンドの楽曲よりよっぽどシンフォニックで美しいんだよなぁ~、ホントに。やっぱMARILLIONはいいわぁ~♪

MARILLIONファンは無論、優美でメロディアスなクラシカルな調べがお好みな方はチェックしても決して損はしない一作ですので、是非に一度お試し下さい。

例によって例の如く自主制作盤なので、お求めはお早めにね!




# by malilion | 2019-11-30 18:30 | 音楽 | Trackback

YESトリビュート・バンドでマニアに知られたTIM MORSEがソロ第三弾をリリースしていたのを、今頃ご紹介。

c0072376_19000498.jpgTIM MORSE 「III」'18

元々はYESトリビュート・バンドPARALLELSで活動していたUSAのマルチ・ミュージシャンで、歴史的な飛行家リンドバーグの生涯をテーマしたコンセプト・アルバムだった前作『Faithscience』'12 以来となる3rdアルバムが実は去年ひっそりとリリースされてた模様で今頃に慌てて購入。

2ndソロ以降、フュージョン系のJerry Jennings BANDのメンバーになった事や Bret BinghamとのTHE MANGOESでの活動も関係してかなかなか新譜が届けられなかったが、こうして無事新譜がリリースされてなによりだ。

参加者の数は少なくなったが、ギターをはじめベースやドラム、マンドリンやヴァイオリンなど前作同様にゲスト奏者陣を多数招き、自らの多重録音プレイ(ギター、ベース、シンセにドラム、そしてヴォーカル)で緻密に造り込んだサウンドのアルバムという“1人プログレ・バンド”なスタイルに変化は無い。

前作はヴァイオリンにKANSASの David Ragsdaleを招くなどしていたが、残念ながら本作では別ヴァイオリン奏者が参加していて個人的にはちょっとそこは残念かなぁ…

本作のサウンドだが、適度にテクニカルなリズム展開を見せつつキャッチーなメロディとシンセで楽曲を彩るスタイルに変化はないものの、前作までのSPOCK'S BEARD風だったり Neal Morse風だったりの、如何にもアメリカンという抜けの良い爽快感ある90年代以降のUSシンフォ&プログレ・タッチなサウンドから、今まで意図的に抑えて来ただろうYES風のサウンド、特にキーボードプレイやサウンドで露骨にYESカラーを押し出したり、ムーディーなJAZZっぽいフレーバーや古き良きプログレ風味な鍵盤サウンドを聴かせている点が大きな違いだ。

また、特にヴィンテージ機材で録音する事にこだわったと言う本作は、ハモンドオルガン、フェンダーロードスのエレクトリックピアノ、ミニムーグ、メロトロンのサンプル等々をたっぷりフィーチャーしている上、ムーグトーラスベースペダルも活用しているので、その手の機材マニアの方には嬉しい一作となる事だろう。

元々バリバリにテクニカルなインタープレイを見せつけるようなプレイでグイグイ推していく派手なタイプでないのもあるが、流石にSPOCK'S BEARDや Neal Morseの二番煎じじみた方向性では明確なオリジナリティの確立難しいと見たのか、本作のYES風味を加味したサウンドへ軌道修正したのは個人的に“アリ”だと思いますね。

オリジナリティ確立目指してYESっぽくなっちゃイカンだろう、という突っ込みは重々承知なんですが、最近の耳当たりの良いモダン・シンフォ系で分厚いコーラスにキャッチーな歌メロ、そしてキレと抜けの良いサウンドってなると、どうしてもSPOCK'S BEARDにサウンドが近似しがちですから、敢えてSPOCK'S BEARDの源流でもあるYES風味までサウンドを原点回帰させた方が良い結果を生むと判断したのではないでしょうか? 勿論、勝手な推測でしかありませんけど。

まぁ、即興プレイを活かした殆どデモのテイクを利用したみたいな事を言ってるので、なんだかんだと小難しい考えなんぞ皆無な、ただ気持ちよくプレイしてたら地のYES好き要素が顔を出してこういう次第になった、ってだけかもしれませんが(w

ただ、前作でも感じたのですが、マッタリと穏やかでスッと耳に入ってくる心地よいメロディと優しいヴォーカルや重ねられたコーラスは実に聴き易いし、要所要所で耳を惹くメロディやプレイなんか聞けるものの、総じて既にビッグネームであるSPOCK'S BEARDや Neal Morse、そして他のモダン・USシンフォ・バンド達以上の個性や差異を感じられず、Tim Morseでなければ聞けない、というような強烈な個性やプレイは見当たらず、そういう視点から見ると些か魅力の薄い作風と言わざるおえないのが、高品質に造り込まれた優等生サウンドなだけに実に惜しい、悪くないアルバムです。

そこここにプログレチックなサウンド・ピースやプレイが散りばめられた心地よく和め、爽快感もあるTim Morseのサウンドを嫌う人は少ないでしょうから、ワンチャンどこかのビッグネーム・バンドへ誰かの後釜で転がり込むか、思い切ってプログレ的サウンドは捨ててもっとポピュラー・ミュージック寄りなサウンドへ接近でもするかしないと、きっと次も『出来の良い佳作止まり』な印象のアルバムを聞く事になるような気がしてなりません…

また本作はCDーR盤しか存在しないので、入手が面倒だと思われる方はDLで購入してもいいのではないでしょうか?

前作まではちゃんとデュプリ盤リリースしてくれたのになぁ…これも時流なんですかねぇ…orz





# by malilion | 2019-10-31 18:54 | 音楽 | Trackback

現GALAHADのギタリスト LEE ABRAHAMがポップな作風から一転、シリアスでダークなコンセプト作をリリース!

c0072376_07113760.jpgLEE ABRAHAM 「Comatose」'19

第二世代UKポンプとして未だ気を吐くGALAHADに05年から09年にかけてベーシストとして在籍し、脱退後ソロキャリアを再開し、近年再びGALAHADにギタリスト(!?)として再加入したポンプ系イギリス人マルチミュージシャンのソロ作7thがリリースされたのを幾分遅れてGET!

前々作で淡い色合いの如何にもデリケートなサウンドというポンプ系ソロアルバムをリリースし、次いで前作では一転して多数のヴォーカリストをゲストに迎えAOR寄りなポップ作をリリースと、これまでアルバム毎に様々な試みに挑んで来た Lee Abrahamだが、再び本作ではこれまで彼のアルバムで余り聴かれなかったダークでヘヴィなコンセプト・アルバムを制作と、自身が語るように『今までの作風と違った、別の何かを試し、成功させたかった』というプログレ・ミュージシャンらしい飽くなき挑戦心と冒険心を剥き出しにした意欲作だ。

さて本作の内容についてだが、タイトルが示すように自動車事故に遭い昏睡状態に陥った犠牲者が、医療スタッフが救命活動している最中に経験する記憶のフラッシュバックを綴っていく物語となっている。

また、挑戦作らしく近作でゲスト・ミュージシャンを大勢招いて制作されていたスタイルにも変化が見え、長年の音楽パートナーである Gerald Mulligan(CREDO:Drums)、Rob Arnold(Piano、Electric Piano)、そして前作でバッキングヴォーカルで参加しハートフルな歌声を聴かせていた Marc Atkinson(RIVERSEA、INE STONES CLOSE、MOON HALO、MANDALABAND:Vocal)が本作ではリードヴォーカルとして参加しているのみで、他には新しいゲストとしてTWELFTH NIGHTの7代目ヴォーカリストで現フロントマンな上に、サウンドエンジニア、プログラマー、アレンジャー、もこなす裏方作業メインでマルチパート・セッションミュージシャン Mark Spencerと、奥方の Diane Abrahamがバッキング・ヴォーカルで参加するだけの小編成で制作されており、『Black and White』'09 以来となる全てのギター、キーボード、ベースを Lee Abraham自身がプレイする久しぶりにソロ作らしいソロ・アルバムだ。

ダークでヘヴィなストーリーが紡がれて行くアルバムは終始硬質で鈍色のエッジ立ったギター・サウンドに彩られているものの、Lee Abrahamらしいポップなメロディの断片や、メロトロン系鍵盤サウンドや分厚い合唱コーラスも加えて織り成す物語には明るく朗らかな救いのようなフィーリングあるサウンドも垣間見え、サントラっぽいタッチやSE等が散りばめられたディープで複雑に感情が揺れ動くシリアスで緊張感ある物語に相応しいエモーショナルな Lee Abrahamのギターもタップリとフィーチャーされた、様々な音楽スタイルを取り込みながらも全体的にシンフォ&プログレッシブ・ロックなサウンドを保った今までにない Lee Abrahamの新たな一面が表現されたアルバムと言えるだろう。

Lee Abrahamのギタープレイは随所でセンチメンタルでメロゥなフレーズを奏でるものの、コンセプトに引っ張られたのかこれまでで一番攻撃的で自己主張が強く、どちらかというと本体バンドであるGALAHADで聴かれるようなプレイとサウンドに近いヘヴィなフィールも感じ、やはりGALAHADへ復帰した影響が本作に色濃く出ているようで、以前のポップでキャッチーなサウンドなアルバムでの控え目でそつない職人芸的プレイの対局的な作品と言えるかもしれない。

コンセプト作だからと変に助長にならず約47分と内容にしては短めな上に非常にコンパクトに纏められているので、意外な程にすんなり最後まで聞き通せるのは Lee Abrahamの抜群のコンポーズ能力故でしょう。

以前の淡いタッチのポンプ風味なサウンドや、ポップでキャッチーなアルバムのサウンドが好きだった方には、いきなりユーロ系の鈍色ヘヴィ・シンフォ作になったように思えてイマイチと感じるかもしれないが、Lee Abrahamが解き放たれたように伸び伸びと思うままにギターをプレイしているサウンドは意外な程に爽快感があるので、食わず嫌いせず一度チェックしてみて欲しいですね。

ヘヴィでダークなサウンドばかりな中で、軽やかで爽やかなアコギを紡ぐ Lee Abrahamのプレイは、変わらずデリケートな音色で実にポップなフィーリングを感じさせてくれるんですよね~♪(*´ω` *)




# by malilion | 2019-10-30 07:01 | 音楽 | Trackback

オランダのメロディアス・プログHMバンドBAGHEERAの唯一スタジオ作をご紹介。

c0072376_00275480.jpgBAGHEERA 「Doors To Deliverance」'95

ラックを整理していたらヒョッコリこんなものが転がり出てきたので本日はコレに耳を傾けておりました。

ヒンズー語で『ヒョウ=バゲーラ』という意味の名のオランダのキーボード入り5人組B級インディ・プログHMバンド唯一のフルアルバム作で、本作の前にデモテープ一本、EP一枚、シングル一枚をリリースしており、結成時は冴えないC級ユーロHRを演奏していた彼等が短期間でプログHMへバンドサウンドを変化させたのは、世界中を席巻しメジャーシーンの一大勢力となる夢劇場の成功(82年)や、オランダがポンプムーブメントの“飛び地”であった事も少なからず関係しているように思います。

当初ベーシストが流動的でなかなか定まらず、88年のデモテープ『Who's Afraid of the Big Black Cat』から91年リリースのEP『Silence at Romney Marsh』までミドルレンジ主体のマイルドな声質のヴォーカリスト Kees van Keulenがフロトマンだったが、95年リリースのデビュー作にして唯一のフルアルバム『Doors To Deliverance』でフロントマンが Jan Hovingへ、またキーボーディストも創設メンツの Joost den Hertogから Roland Jensterへチェンジしている。

歌唱力に問題ありの Kees van Keulenから Jan Hovingへフロントマンをチェンジしたのは、複雑で技術的にもスキルを要するプログHMのヴォーカル・パートを担うに相応しい人物(イヤ、幾分かマシになった程度の改善か…)を迎え入れた結果だろうが、声質的に少々癖があり歌唱法もシアトリカルな Jan Hovingの歌声(個人的には許容範囲だが、もっとストレートな歌唱法のフロントマンの方が良かった?)がこのバンドの音楽的な方向性にアジャストされていたかは今となっては少々疑問が残りますね。

まぁ、EPの時点で Kees van Keulenがシアトリカルな歌唱法(下手クソなんだよなぁ…コレが…)へスタイルを変化させているのと、バンドサウンドもスピーディでミステリアスな雰囲気を漂わすIRON MAIDEN風メタル(ギタリスト Bob Hoezenがインギー・フォロワーなプレイを聴かせ始めてる)へ接近しているので、よりシアトリカルな歌唱が巧みな Jan Hovingを迎え入れたのは切っ掛けなだけであり、バンドサウンドが大幅にリリカルなユーロ・プログHMへ様変わりした最大の要因は、キーボーディストが Roland Jensterへチェンジした影響の様にも思えますけど…(汗

さて、本作のサウンドはと言うと、垢抜けない古臭いHRからスピーディなIRON MAIDEN風メタルへの変化を経てバンドメンツのプレイスキルも上がったのか、よりこなれたプレイで総じて纏め上げられた印象を受け、なかでも特に Roland Jensterの操るピアノの艶やかな音色と華やかで軽やかなシンセの素早いパッセージがバンドサウンドを煌びやかに飾り立てるパートが終始耳を惹き、実際バッキングやリードパートも多目な上に長めとキーボーディスト主導なバンドに思われそうだが、オーソドックスなプレイやバッキングながらしっかりギタリスト Bob Hoezenも仕事をこなしており、時折ピロピロとインギー風早弾きで鋭く切り込んだり、キーボードとユニゾンの早弾きプレイを披露したりして軟弱になりがちなキーボード主導なバンドサウンドを引き締める重要な役所を担っているのが分かる。

プログHMサウンドと言うには少々リズム隊が退屈なプレイを繰り広げているが、キーボードとギター、そしてヴォーカリストが時折素っ頓狂な叫びを張り上げ、メロディを担うパートが揃って派手で妙ちきりんで強引な展開やメロディを聴かせるB級プログHMあるある(汗)をしでかしているので、敢えて楽曲の崩壊を防ぐために無茶なテクニカル演奏やインタープレイの応酬は控え、ソリッドなプレイに徹しているのかもしれない。

このままキーボーディスト Roland Jensterの影響力が増大してプログHMからメロディアスな叙情派シンフォ・バンドへ路線変更するか、よりテクニカルなパートとハードエッジなアンサンブル重視サウンドへ接近してメジャー系のプログHMへ路線変更するのか、いずれにせよ彼等が順当に活動を続ければもう一つ上のレベルに上がった素晴らしい作品を聴かせてくれた事でしょうが、新加入した Roland Jensterの持ち込んだ音楽性と元いたメンバーの求める音楽性とのブレが原因だったのか残念ながらバンドメンツが分裂し、97年に彼等は解散してしまう。

名手 Roland Jensterはその後に渡米し、今もその華麗な鍵盤捌きをステージで披露している模様だが、他のメンツがその後音楽活動をしているかは定かではありません…

少々ヴォーカリストの歌唱に癖がありますが、メロディアスな楽曲とハイセンスなキーボードプレイはB級プログHM作と切り捨てるには惜しい光るモノを持っており、マイナーなインディ・プログHM作でも手を出しちゃうマニアックなファンな方にお薦めな隠れた良作であります。




# by malilion | 2019-10-29 00:21 | 音楽 | Trackback

変化の兆し? フロントマン不在のままハイクオリティなユーロピアン・シンフォ作をDRIFTING SUNがリリース!

c0072376_18213269.jpgDRIFTING SUN 「Planet Junkie」'19

フランス人キーボーディスト Pat Sanders率いる多国籍ユーロ・シンフォ・バンドの6thが2年ぶりに届けられたのを、ちょい遅れてGTE!

再結成前は Pat Sanders率いるGENESISフォロワー丸出しの凡庸なポンプ・ソロプロジェクトな色合いが強かった彼等は、メンツが常に流動的でイマイチ活動もパッとしなかった訳だが、活動再開してからはメンツが固定されつつあり、それに比例してアルバムの出来も順調にレベルアップして素晴らしくなっていたのだが、前作でギタリストをチェンジしたのに続き本作ではフロントマンの Peter Falconerが脱退(!?)し、専任フロントマン不在の4人組バンド(他メンツは前作と同じ)としてゲスト・ヴォーカリストを複数迎えてアルバムは制作されているのが、ちょっとだけ先行き不安だ…(汗

まぁ、元々メンツが流動的だったんだからそうメンバーチェンジに驚きは無いのですが、やはり固定メンツでアンサンブルを高め、阿吽の呼吸でケミストリーを発動させてこそのバンド活動だと思うので、早く専任フロントマンを迎え入れて盤石の体制で創作活動を続けて欲しいものです。

さて、新作のサウンドの方ですが、前作から加入したPINK FLOYDやGENESISをルーツに持つシンフォ系マルチインストゥルメンツ・プレイヤー Franck Carducciのバンドでリード・ギタリストを務めている Mathieu Spaeterの影響が引き続き大きく働いている模様で、YESっぽいフィーリングの繊細でテクニカルなギターや、ハードドライヴィンするロックティストの強いリフ圧しなメタリックな楽曲だったりとさらに楽曲の幅が拡がり、メロゥでキャッチーさは前作以上なのに憂いを帯びたセンチメンタルなメロディとポンプ風味な派手目のキーボード・サウンドが交差し、如何にもユーロ・シンフォバンドというリリシズムあふれる美しいサウンドとドラマチックな楽曲展開が頭から最後まで貫かれていて、前作と同一路線のスリリングなシンフォ・サウンドにはフロントマン不在の影響は殆ど感じられない♪('(゚∀゚∩

注目のゲスト・ヴォーカリストは Marc Atkinson(RIVER SEA、MANDALANAD)、Colin Mold(ex:KARA、KARNATAKAのツアーメンバーでギター担当のマルチミュージシャン)、Joshua Corum(HEAD WITH WINGS)という3名の個性的な歌声のヴォーカリスト達を前半、中盤、後半へとメイン・ヴォーカルに配し、さらに彼等が曲作りにも参加する事で専任ヴォーカリスト不在で歌詞や歌メロの質が落ちる事を防いでいる工夫が、怪我の功名じゃないけど単調になりがちなB級インディ・シンフォバンドのヴォーカルパートと楽曲にバラエティ豊かな顔色を加え、作品の質を大幅に上げることに成功していると言えよう。

また、総勢4名のゲスト・プレイヤー陣を迎えて本作は制作されており、Ben Bell(GANDALF'S FIST、FUSION ORCHESTRA2)の操るハモンド・オルガンや、Eric Bouillette(THE ROOM、NINE SKIES)のストリングス・アレンジ、他にもサックスやクラリネット奏者を招いてサウンドに荘厳さとリリカルさを加味した、実に艶やかでエレガントな叙情香るその深みある楽曲はインディ・シンフォ作の枠を飛び越えて実に素晴らしく、遂に彼等もA級バンドの仲間入りを果たす手前まで来ているのが伝わってくる快作だ。

前作でメロゥで繊細さを強調した作風へ進んだ事から本作はさらにシンフォ度を増した優美さ増々な軟弱作風へ傾くものと危惧していたが、蓋を開けてみれば初期のHM風なメタリックさから繊細なピアノが優美に響くメランコリックなメロディが実にリリカルなユーロピアン・サウンドまで初期から前作までにバンドが奏でてきた幅広い要素をカバーする、パワフルでスリリング、それでいて重厚でスケール感の大きなシンフォニック・ロック作が飛び出してくるとは全く予想外で、嬉しい驚きをもたらしてくれました(*´ω` *)

こうなると次作で専任フロントマンを迎えてこのサウンドがどう変化するのか実に楽しみな要注目なバンドであります。

幾分かハードなエッジも加わった優美さが光るユーロピアン・シンフォ・サウンドがお好みの方ならチェックして損はない一枚です! 毎度お馴染み自主盤なので、お求めの方はお早めに!





# by malilion | 2019-10-28 18:11 | 音楽 | Trackback

ヴァイオリンをフィーチャーした南米シンフォ・バンドKAIZENの25年ぶりとなる2ndが豪華ゲストを迎えてリリース!

c0072376_00015452.jpgKAIZEN 「Aqvila」'19

ヴァイオリニスト Kleber Vogel率いるブラジル産5人組シンフォ・バンドの25年ぶり(!!)となる2ndがリリースされたので即GET!

元々、同郷の室内楽風から交響曲風まで幅広いスタイルとヴァイオリンやピアノ等がクラシカルな格調高さを感じさせるエレガントなシンフォニック・ロックを聴かせた、女性キーボーディスト Elisa Wiermann嬢が率いるシンフォ・バンドQUATERNA REQUIEMのデビュー作『Velha Gravura』'90でのドラマチックで透明感あるヴァイオリン・プレイで注目された名手 Kleber Vogel(Violin、Mandolin、Gguitar)だが、デビュー作のツアー後にアッサリ脱退し、自身のバンドKAIZENを率いて『Gargula』'94 でデビューしたのがもう随分と昔の事なんですよね…

QUATERNA REQUIEMの前作から何と18年振りにリリースされた通産3(その前に別名義作が一作あるけど…)作目『O Arquiteto』'12で再び Kleber Vogelはバンドへ戻り、KAIZENは消滅したものと思っていましたが、どうやら既にQUATERNA REQUIEMから再び脱退(というか、QUATERNA REQUIEM自体が終了したっぽい? なんか色々と面倒だなぁ…)し、本作の制作を手がけていた模様です。

同郷シンフォ・バンドSAGRADO CORACAO DA TERRAをさらに優美にして上品なクラシカル要素を加えたかのようなドラマチックで繊細な叙情派サウンドのデビュー作のままに次作でも Kleber Vogelが参加して素晴らしい作品をリリースしてくれれば、もっとQUATERNA REQUIEMの知名度や売り上げも上がって精力的な活動が継続出来たんじゃないかと思ってしまうのがファンの悲しい性なんですが、元々QUATERNA REQUIEMはキーボーディスト Elisa Wiermann嬢とドラマー Claudio Dantesの兄妹が中心のバンドなので Kleber Vogel的には自身がイニシアチブを握れるバンド活動へ移行するのに抵抗は無かったんでしょうね…・(ノД`)

さて、その Kleber Vogel率いるKAIZENのデビュー作のサウンドはと言うと、QUATERNA REQUIEMを彷彿とさせるようなロマンチックなヴァイオリンを全編にフィーチャーした華やかで甘口なクラシカル・ロックなものの、キーボードのサンプルが古臭くチープなのとプレイもイマイチ華麗さを欠き(汗)、全体的にリズム隊も緩いプレイだったのも影響してか Kleber Vogelの流麗なヴァイオリン・プレイのレベルとバックのサウンドのレベルが少々マッチしていない、メロディにもキレが足りない散漫なイメージが終始する作品で『これならQUATERNA REQUIEM続けてくれてた方がまだ良かったのにぃ…』と、当時ガッカリしたのを覚えております('A`)

今は亡き南米インディ・レーベル PROGRESSIVE ROCK WORKLDWIDEからのリリースだったのもあって、インスト作にも関わらず音が悪かったのも印象を悪くしていたのかもしれません…

で、待望の新作である本作ですが、まず Kleber Vogel以外のメンツは総入れ替えされております。

まぁ、デビュー作のプレイヤーで特に印象に残っているプレイを聴かせたメンツは居なかったので、これは新譜の出来に悪影響を与えてませんね、てか寧ろ新メンバー各員の方が演奏技術が高く明らかに前作よりテクニカルなプレイで構成されたボトムとキーボードはインスト・シンフォ作に相応しいレベルになっていると言え、今回のメンバーチェンジは大正解と言えるでしょう。

そしてサウンドの方ですが、デビュー作と同じく全編に Kleber Vogelの優美でロマンチックなヴァイオリンをフィーチャーした、生のフルートやチェンバロ、チャーチ・オルガン等も加えた厳かな趣きのあるクラシカル・ロックや、新要素としてエキゾチックで妖しいメロディも聞こえたりする、5曲で構成された組曲も含む大幅にサウンドの質とスケール感が増した叙情感たっぷりでドラマチックな一大シンフォ・ロック作となっている('(゚∀゚∩

また、本作はゲストも豪華で、SAGRADOの Marcus Viana御大(Violin)をはじめ、O TERCOの Sergio Hinds(Guitar)、TEMPUS FUGITの Andre Mello(keyboard)等の総勢9名というブラジル・シンフォ界の新旧メンツがゲスト参加して作品のレベルアップに著しく貢献しており、特に Marcus Viana御大は Kleber Vogelと左右チャンネルに音を分けてツイン・ヴァイオリンで共演し、スリリングにして美麗な調べを聴かせてくれて、もう最高♪(*´ω` *)

有名ゲスト陣の職人芸的プレイに触発されるかのように各バンドメンバーも気合いの入ったテクニカルでキレあるプレイを披露しており、以前の甘口シンフォ・サウンドに緊張感と、プレイの圧し引きによる陰影がサウンドに深みを生んで、最早全く別バンドによる壮大でドラマチックなシンフォ・サウンド作と言っていいレベルに引き上げられているので、前作で彼等を見放したファンの方にも是非今一度チェックして欲しいし、南米特有の叙情的でドラマチックなクラシカル風味のシンフォ・ロックがお好きな方にも、是非一度チェックしてみて欲しい一枚であります。

リーダーの Kleber Vogelが、ブラジル交響楽団や、リオ・デ・ジャネイロのフィルハーモニー管弦楽団、リオ・デ・ジャネイロ連邦大学大学院大学院室内管弦楽団との仕事があってなかなかバンド活動に時間が取れないかもしれませんが、出来ることなら次作はこんなに長いインターバルを開けずに届けて欲しいものです。

お求めの方は、自主制作盤なのでお早めにね!


# by malilion | 2019-10-27 23:57 | 音楽 | Trackback

80年代サウンド最後の輝き…USAクリスチャン・ハードポップバンドFIGHTERのアルバムがデジタルリマスターで待望のリイシュー!

c0072376_17312646.jpgFIGHTER 「The Fighter Demos」'19

88年に結成され90年代初期にUSAアイオワ州をベースに極短い期間だけ活動したキーボード入り5人組クリスチャン・メロディアス・ハードポップ・バンドの1st、2nd待望のデジタル・リマスター再発に合わせ、デビュー前のデモ音源も今回初お目見えしたので即GET!

キャッチーでブライトなサウンドが特徴な80年代メインストリーム・サウンドが身上の本バンドですが、フロントマンである Amy Wolter嬢以外にドラマーを務める Sean Murphyもリードヴォーカル(AOR向きな良い声!)を半分程担っており、クリスチャン系バンド定番な分厚く爽やかなコーラスに加え、男女ツイン・ヴォーカルという武器も持つ、正にフック満載なハードポップサウンドを演るのにピッタリなバンド編成と言えましょう。

クリスチャン・バンドという事もあってか当時余り輸入盤が出回らなかった(今は亡きLong Island Recordsがディストリビユートしてたなぁ~)マイナーなバンドなれど、その筋では当時から有名なバンドで、正に今回は待望といった感の強いリイシューです♪ いやー! ホント、目出度いっ!('(゚∀゚∩

当時、日本盤がゼロコー辺りからリリースされても少しもおかしくない、煌びやかなキーボードがフィーチャーされ、エッジあるハード目なギターサウンドがピリリとキャッチーでコンパクトな楽曲を引き締める、ハイレベルな完成度の爽快USAサウンドなれど、クリスチャン・ロックというカテゴリーとインディ・レーベルからのリリース、そして折しも全米を覆ったグランジーの波に呑まれた為か敢えなく2ndリリース後間もなくして解散してしまった彼等、今回リイシューされたデビュー作『The Waiting』'91と続く『Bang The Drum』'92 のたった二枚しか音源を残していないのが非常に非常に残念です…・゚・(ノД`)

さて、本デモ音源集ですが、基本的に後にデビューアルバムに収録される楽曲が納められており、デビュー作制作過程で数曲がカットされたその音源も含んでいる(デモに未収録で1st録音課程で追加された曲は含まず)点と、アレンジの違いやコーラスが無い等の完成前の彼等の“素のサウンド”を知る事が出来る、といった資料的な価値以上があるとは余り思えない作品(音はお世辞にも良いとは言えない、まぁデモテープの音だし)なのは間違いありません、が、だからこそファンにとっては堪らないマニアックな音源とも言えますね(*´ω` *)

今回のリイシューにあたって1st、2nd共にボーナストラックとして未発音源をプラスしてリリースしてくれたのは、オリジナル盤を持っているファンにとっても大変嬉しいサプライズであります。

あと、細かい違いで言うと1stのジャケのカラーの濃淡が濃い目で陰影がキツ目になっているのと、バンドロゴが今回のデモと同じ手書き文字風になっている変更(2ndのデザインは同じ)がありますね。

またデジタルリマスターの効果でかボトムの音が少しアップした輪郭のハッキリした音になっておりますが、元からオリジナルアルバムの音がそこまで悪くはなかったのでリマスター効果絶大、とまでは言えないマイルドな仕上がりかと個人的には思いますね。

それにしても今聞き直してもホントにいいサウンドを聴かせてくれるバンドだったなぁ~、と嬉しくなってしまいますね。
2ndの方がサウンドのハードさがアップし、ピロピロとテクニカルなギターパートや Sean Murphyのヴォーカルパートも比重が増えて、よりパワフルでマッシブになった熱唱とキャッチー・サウンドがクローズアップされた作風で、ホントにこれが最後のアルバムとは思えない素晴らしい出来なのがまた…・(ノД`)

また、フィメール・ヴォーカルながら太くパワフルな下から上まで綺麗に伸びる可憐な歌声を披露した Amy Wolter嬢がFIGHTER解散後、94年に『Hit me in the Heart』なるソロアルバムをリリースした他、バンドの他メンツが表立って活動をしたという情報は伝わっていないのが悲しい限りですが、きっと地元のローカルシーンでは未だに音楽活動を続けているものと信じております…

80年代後期のキャッチーでブライトなUSAメインストリーム・ロックサウンドがお好みの方なら是非GETしていただきたいバンドのアルバムですので、もし未聴な方がおられましたらサンプル音源等ネットに上がっているので、一度チェックしてみて下さい。

今回のリイシューは限定盤との事なので、お求めの方はお早めに!

このリイシューに合わせてオリジナルメンバーで再結成! ってなニュースが飛び込んで(年齢的に無理かなぁ)こないかなぁ~、とか尽きぬ妄想が膨らむばかりです…ホント、80年代から90年代初頭にかけては素晴らしい時代だったなぁ…





# by malilion | 2019-10-23 17:23 | 音楽 | Trackback

ポップでキャッチーな北欧プログHMバンド A.C.Tの久しぶりの新譜をご紹介。

c0072376_07204910.jpgA.C.T 「Rebirth」'19

北欧スウェーデン産プログHMバンドの、前作『Circus Pandemonium』'14 から5年ぶりとなる新譜EPがリリースされたのを、少々遅れてご紹介。

これまで5枚のアルバムをリリースしている彼等だが、なんでもアルバムリリースの間隔が長く空きすぎるので、これから1年に1枚EPをリリースする予定なのだとか。
だからか、本編最後の楽曲の終わり方が、如何にも次の曲へ繋がる風で突如途切れる終わり方なんでしょうね。

とは言え、手早く音源を纏められる音楽形態とそうでない音楽があるので、かなり創り込む系な彼等のサウンドがそんなに予定通りサクサクと完成させてリリース出来るとも思えないんだけどなぁ…(汗

デビュー当時は、大雑把に言ってDREAM THEATER+SAGA+QUEEN×UKプログレなサウンドだった彼等だが、本作に至っては夢劇場からの影響から完全に脱却し、オペラチックなヴォーカルアレンジにQUEENっぽさを感じさせるのみとなった、今や完全にオリジナルなテクニカル&シンフォなポップ・サウンドをクリエイトしていると言っていいだろう。

本作もプログレをベースにしているものの相変わらずポップで親しみ易いメロディアスな作風で貫かれており、非常にカラフルで艶やかなサウンドと爽快感抜群なコーラスワーク、そしてキャッチーな甘口ヴォーカルと総じて如何にも北欧産なポップ要素をしっかり感じさせつつ、一筋縄でいかぬ展開が織り込まれた複雑で緻密なアレンジと、それでいて少しも難解な所の無いフック満載な楽曲は最後の一音まで創り込まれた高品質作で、余りにカッチリ創られ過ぎているので生っぽいロックさが乏しく感じてしまう点と、EPなのでアッと言う間(22分!?)にアルバムが終わってしまう点以外は文句の付けようがない程だ。

彼等の複雑で豊かなサウンドを知る方ならご承知でしょうが、一応このバンドのサウンドのカテゴライズとしてはプログHMと言う事になるものの、既にバッキングや短いインタープレイ等で幾分かHM要素を感じさせる程度の、ギリギリでプログHMの範疇に収まっているといったボーダーレス・サウンドは既に殆どプログHMからはみ出している音楽性な訳ですが、前作のコンセプト作故の難解さの反動か本作はよりポップなフィーリングに寄った楽曲が納められており、その為にかちょっと軽目なヴォーカルと分厚いコーラスがオランダのメロハー・バンドTERRA NOVAっぽく聞こえたり、デジタリーな加工が施されたモダン・アレンジなサウンド等の実験も相変わらず行われており、万華鏡のようにクルクルと様変わりするその複雑にして美麗なサウンドには新鮮な驚きを覚え、さすがは70年代プログレをリスペクトするA.C.Tの頭脳 Jerry Sahlin(Key、Vo)の面目躍如と言った所だろう。

まぁ、ヘヴィ要素が今回は特に薄目なコンパクトにまとめられた軽いポップサウンドのEPなので、HM的なスリリングなエッジあるサウンドを求める方や、プログレ的な熱いインタープレイの応酬なんかを求める方には少々厳しい内容なのは否めませんけど…

とまれ、メロディアスでキャッチーなプログHM好きな方だけでなく、所謂普通にキャッチーなテクニカル・ユーロHM好きな方にも是非お薦めしたい一枚であります。

果たして来年、EPが届けられるか定かではありませんが、素晴らしい楽曲が詰まった新作がリリースされるのを首を長くして待ちましょうかね(*´ω` *)







# by malilion | 2019-10-16 07:14 | 音楽 | Trackback

カナダ人メロハー・シンガー Rob Morattiのソロ第三弾『Renaissance』を今頃ご紹介。

c0072376_20211121.jpgROB MORATTI 「Renaissance」'19

様々なメロハー・プロジェクトへのゲスト参加やMORATTI、FINAL FRONTIER、SAGA、RAGE OF ANGELS等と参加するバンドを変えアルバム毎にハイトーンが冴える歌声のパワーと艶を増し、メロディアス・ロックシーンでその存在感を増してきたカナダ人シンガー Rob Morattiの、前作『Transcendent』から3年振りとなる待望のソロ三作目がリリースされたのを、かなーり遅れてGET!

前作が『超越』という大仰なタイトルのアルバムであったが、そのタイトルに偽りない高い完成度と優れた楽曲が詰め込まれた一枚であったのにメロディアス・ロックファンは異議を唱えないだろうが、続く本作タイトルが『ルネサンス(再生、復活の意)』とあって一体どんな変化が Rob Morattiの音楽に訪れたのかと少々心配したが、結局の所は音楽的に大きな変化は無く、過去2作のソロ作が気に入ったファンの期待を裏切る事無いだけでなく、幅広くメロディアス・ロック・ファンにアピール出来る安定安心な良作アルバムだ。

全ての楽曲に共通して、フックある美しいメロディーと爽快に突き抜けるコーラス、AOR風味が増し惰弱になりそうな楽曲をピリリと引き締めるツボを心得たエッジあるギタープレイと目立たぬバッキングで華麗に楽曲を飾り立てるキーボードのソツない伴奏、そしてそれらバックのサウンドを足がかりに縦横無尽にその美声を轟かせる Rob Morattiのヴォーカル・パフォーマンスが非常に優れているのは明らかであり、全体的にAOR風味の増したアルバムの楽曲の隅々にまで Rob Morattiの魅力が満載された一枚と言えよう。

アルバム制作陣は前作と同じで、ボスの Rob Moratti(Lead & Backing Vocals、Producer)をはじめ、Torben Enevoldsen(Lead & Rhythm Guitar、Keyboards:SECTION A、etc...)、Fredrik Bergh(Keyboards:STREET TALK、BLOODBOUND、etc..)、Tony Franklin(Bass:THE FIRM、BLUE MURDER、WHITESNAKE、Kate Bush、etc...)、Stu Reid(Drums:MORATTI)の五名となっており、特別なゲストなどは招かれておらず、プロデュースのみならずミックスやマスタリングまで Rob Morattiが手がけており、細部にまで自身の追求したいサウンドを創作するのに心血を注ぐ職人的な強いこだわり(の割に、楽曲フェードアウト部分がちょっとぞんざいじゃない?)が見て取れる。

ただ、何もかも手放しで褒め称えられるかと言うとそうでもなく、トリビュート・アルバムを創ってしまうくらいJOURNEY(と言うか、Steve Perryか)に影響を受けている Rob Morattiなので、彼の創作する音楽に80年代JOURNEYっぽさが漂うのは別段驚くに値しないのだが、前作は『タイトルに偽りなし!』な一作であったものの本作の楽曲の出来や音楽性の幅やバリエーションについては、この手のAOR風味なメロディアス・アルバムとしては少々典型的、類型的で、バックのメンツのプレイは総じて高いレベルで結実し文句の付けようがない高品質なのだけれど、如何せんこの手のジャンルに付きものな“独創性の欠如”や“未知のサウンドとの出会いや新鮮な驚きの欠如”という最大の弱点を覆い隠すには至らず、『アルバムタイトルに偽りあり』という印象が残ったのは少々残念でした…

とは言え、メロディアスでキャッチーな非常に強力な楽曲が最後まで途切れる事無く続くこのアルバムは多くの点で傑出しているのは疑いようもなく、その素晴らしい収録曲の多くにシングルヒットの可能性があり、AOR&メロハー・シーンだけでなくポピュラー・ミュージックシーンでも高い評価が得られるだろうハイクオリティーなサウンドであるのは間違いなく、JOURNEY、FOREIGNER、NIGHT RANGER、SURVIVOR、TOTO等のキャッチーなブライトサウンドが売りの80年代アリーナ・ロック系バンド好きな方ならば間違いなくチェックして損はない一枚と言えるだろう。

まぁ、Rob Moratti的には、煌びやかなアリーナ・ロックの本場であるはずのアメリカで、ラップやガレージロックに隅に追いやられて殆どその姿を消したロックバンド達に代わって、往年のサウンドを再生してる、決して焼き直しなんかじゃない、という意味くらいでアルバムタイトルを付けただけなのかもしれませんけど…(汗

文句の付けようのない高品質な楽曲だけれど、個人的にはもうちょい叙情的でウェットなメロディや陰影深いサウンドの“押し引き”な演出等が聴けると、本当に至極の一枚ってレベルになったように思うが、まぁ Rob Morattiの音楽的なバックボーンはUSAアリーナ・ロック的な部分が大きいのが丸分かりだし、見当違いなアーティストにユーロテイストを期待しちゃうのがそもそも間違っているのでしょう。

そうそう、やはり海外でも突き抜ける高音域を自信満々に歌う Rob Morattiの歌唱力はリスナーの多くを驚愕させるようで、Peter Cetera(ex:CHICAGO)や Jon Anderson(ex:YES)等のハイトーン・ヴォーカリストのビッグネームとも比較されるくらい知名度を上げて来た模様だが、反面あんまりにも高過ぎる天へ突き抜けるその歌声が“Mr.Autotune”と揶揄もされているようだ(笑




# by malilion | 2019-09-30 20:14 | 音楽 | Trackback

ライオンは消えたまま…北欧スウェーデンのクリスチャンHMバンドNARNIAが約3年ぶりに8thアルバムをリリース!

c0072376_22525435.jpgNARNIA 「From Darkness To Light」'19

北欧スウェーデン産クリスチャンHMバンドが約3年ぶりとなる8thと最新LIVE盤『We Still Believe Made in Brazil』を収録した日本独自仕様となる2枚組アルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

デビュー当時はインギー張りの早弾きギターとキーボードのインタープレイが飛び交うド派手な様式美サウンドを奏でていたが、アルバムを重ねる毎によりテクニカルに、さらにヘヴィに、もっとモダンに、と音楽性の幅を半ば強引に拡げ、解散前には看板ヴォーカリストにして盟友の Christian Liljegrenと決別し、バンドコンセプトさえかなぐり捨ててヘヴィネスなダークサウンドにまで貪欲に手を広げた彼等だが、暫しの後の再始動作となる前作で一気に熟練度が増した、派手さの無い骨太なメロディアス・モダンHMサウンドを提示して初期からのファンを驚かせた訳だが、続く本作でも前作の流れを汲んだモダン・メロディアスHMサウンドを提示している。

また以前からイマイチ安定しないベーシストのポジションだが再び変動があった模様で、一度脱退し前作で復帰した Andreas Olssonが二度目の脱退をし、新ベーシストに Jonatan Samuelssonを迎えた以外は、リーダーの CJ Grimmark(Guitars、Backing Vocals)にデビュー作から相棒の Christian Liljegren(Vocals)に加え、2nd『Long Live The King』'98以来参加し現在はROYAL HUNTでも叩いているドラマー Andreas Johanssonの中心メンツに変動はなく本作は制作されているので、ファンの方には一安心といった所だろう(*´ω` *)

まぁ、MODEST ATTRACTION、DIVINE FIRE、GUILDER RESURRECTION等でも活躍する人気フロントマン Christian Liljegren脱退以上のメンバーチェンジの衝撃はもう誰が抜けようと無いでしょうから、ファンはそんなに驚かないか(w

前作の流れを汲んだ作風ではあるものの、初期テイストも残しつつ今風な鈍色北欧HMサウンドも取り込んだ、メランコリックでダークな雰囲気を漂わす、バランス重視のコンパクトな楽曲と、渋く隙無いツボを心得た手堅いプレイとメッセージ性の強い歌詞世界を繰り広げる王道ユーロピアンHM的なモダン・クリスチャンHMサウンドまんまと言う訳でもなく、以前挑んで巧く表現出来ず導入を断念したプログHM要素が再び本作には感じられ、明らかに複雑な楽曲構成でキーボードをプログHM的にフィーチャーしたDREAM THEATERやSPOCK'S BEARD等の影響が透け見える楽曲や、IRON MAIDENっぽさを臭わす楽曲もあり、それだけでなくグルーヴとテクノ風味をMIXした独特の雰囲気を持つパワー・メタルサウンドや、グルーヴィでありつつブルーズフィールあるサウンドなど、新たな試みにも果敢に挑んで叙情感ある北欧クリスチャンHMサウンドをさらに進化させようとしているのが分かる。

ライナーで Christian Liljegren自身が語っているように様々なアーティストの要素を取り込み、影響を受けつつして音楽性の幅を拡げる行動自体はアーティストなんだし当然だし、健全な行為なんだろうけど、以前の事があるのでちょっと心配になってしまいますね…(汗

LIVEアルバムの方は、信心深いお国柄と言う事もあってか熱狂的にバンドを迎え入れているのが伝わってくる一作で、バンドもそんな聴衆の熱気に導かれるように渾身のプレイを繰り広げており、聴衆との熱いやり取りや、大合唱に煽られるように熱が籠もっていく各メンバーのプレイといい、大層な盛り上がり(手拍子にオーレ~オレオレー♪って、サッカー会場かw)でこれだけ盛り上がってくれたらそりゃLIVE録音しちゃうよね、ってなアーティスト冥利に尽きる国なのは間違いないだろう。

しっかりしたバランスで録音されたLIVE作で曲間の編集もされており生々しさには少々欠けるかもしれないが、 CJ Grimmarkもアルバム以上に派手でエッジあるギタープレイを繰り広げており、Christian Liljegrenの安定した抜群の歌唱といい、力強くバンドサウンドを支える Andreas Johanssonのソリッドなドラムプレイといい、聴いていて実に爽快で、お手軽BEST的な聴き方も出来る一枚だ。

尚、日本盤にはボーナストラックを1曲追加収録予定とあったが、残念ながらボートラは追加されておらず Σ(゚д゚lll)ガーン 同梱のボーナスLIVEアルバムだけで我慢するしかないようだ。
まぁ、別売りされていたLIVEアルバム丸々一枚同梱してくれたんだし、そこは我慢しましょう(値段に文句は言いたいけど!)
でも輸入盤で既にLIVEアルバムを入手していた忠実なファン的には、8thもLIVEも輸入盤のままでOKって事になって買い直ししなくて済むと前向きに考えられるのかな?
価格的に手が出せない、って方はお安く輸入盤で済ませましょう。

妙な売れ線への色気を微塵も見せず、ヘヴィネス、パワー、そしてプログHM要素を巧みにMIXし、クリスチャンHM定番の分厚くパワフルで荘厳なコーラスをバッチリとフィーチャーしつつ真摯なメッセージを切々と歌い上げる、今時こんなに奇をてらわぬドストレートで勇壮な味わい深い王道ユーロピアンHMサウンドを聞かせる良いバンドもなかなか居ないので、クリスチャンHMと言うだけでも色眼鏡で見られるだろう彼等が無事活動を続けられる事を祈って、次作が一日も早く届けられるのを待ちましょう。



# by malilion | 2019-09-29 22:44 | 音楽 | Trackback

新旧DANGER DANGERメンバー3人が結成したサイドプロジェクト・バンドTHE DEFIANTSが新作をリリース!

c0072376_17554436.jpgTHE DEFIANTS 「Zokusho」'19

DANGER DANGERの2代目ヴォーカリストにして“カナダのBON JOVI”なんて意地悪く囁かれる事もある Paul Laine(Vo&G)と、同じく2代目ギタリストとして現在もDDに在籍する Rob Marcello(G)、DDのオリジナルメンツにしてメイン・ソングライターのBruno Ravel(B)の、新旧DANGER DANGERメンバー3人が中心となり結成されたサイドプロジェクト・バンドの3年ぶりとなる日本先行リリースな2ndアルバムをちょい遅れてGET!

サウンドの方向性は全く変わりなく、DANGER DANGER要素と Paul Laineが持ち込んでいるだろうBON JOVI要素、そしてほんのりユーロテイストがまぶされた、デビュー作よりさらにビッグなコーラス、増々にキャッチーなフック、より華麗に弾きまくるギターと強力なヴォーカルが描き出すブライトなメロディにさらに磨きがかかった、日本人好みな適度にエッジの利いた爽快感抜群の安心安定なメロハー作だ('(゚∀゚∩

本作では前作より幾分か80年代要素は薄まって90年代初期DANGER DANGER要素なモダンさをサウンドに感じさせる箇所もあるが、抑えきれぬBON JOVI要素(笑)が上手い具合にミックスされた独特な明朗パワー・ポップサウンドへ巧みに仕上げられているのは、これまで各自が高評価を得ているソング・ライティングのテクニックを活かし良質のメロディック・チューンを書き上げてきたキャリアが伊達でない証明と言えるだろう。

一聴した時、アルバム前半の楽曲が出来は良いもののちょっと大人しめなサウンドに思えて『掴み弱くね?』と、戸惑わされるものの、聞き込むうちに新人バンドのようなハチャメチャな勢いやキレは無いけれど、プロフェッショナルな楽曲構成やアレンジ、プロダクションがしっかり効いた、耳に残る朗らか爽快メロディアスなパワー・ポップらしい楽曲から、哀愁香るブルージーな楽曲、AOR風味なヴォーカル推しな楽曲、ちょっとヘヴィでダーク目な楽曲、各楽器陣が巧みなプレイヤースキルを見せつける楽曲等々と、実に魅力的な楽曲が多種多様にズラリと並び、デビュー作よりさらにバラエティさを増し、尚且つ上の完成度を目指したバランス重視なアルバムだと分かる。

なお、本作の制作にはDANGER DANGERのドラマー Steve Westが参加しており、それによってよりDANGER DANGER風味が強まった一枚と言えるかもしれない。

このバンドにリスナーが求めるモノは斬新さや新人バンドのような勢いではないでしょうから、より完成度を増す方向性でモダン・パワー・ポップな楽曲の質を高めた本作をリリースしてくれたのは、まさにファンが求める通りな一枚と言えるだろう(*´ω` *)

なんか本家DANGER DANGERの活動が停滞気味っぽいから、どうせならこのままパーマネントなメンツを加えてバンドとして本格的に活動してもっと素晴らしい作品を届けて欲しいですねぇ~♪




# by malilion | 2019-09-28 17:50 | 音楽 | Trackback

インドのシンフォ・バンド COMA ROSSIがデビュー作をリリース!

c0072376_09063032.jpgCOMA ROSSI 「Same」'18

プログレ未開の地と思っていたインド(!!)から、去年末にデジタル先行で配信を開始していた本格シンフォ・バンドのデビュー作が遂にプレスCDで入手可能になったのでご紹介。

Tom Borah(Vocals、Acoustic Guitar)、Gaurav Govilkar(Guitars)、Udayan Kashalikar(Bass、Vocals)、Juby Thomas(Keyboards、Samples & Pre-production)の4名からなるバンド編成に、セッショドラマーを2名招いてデビュー作は制作されている。

アルバム製作時の正式メンバーは4名だったがサイト等で5名のメンバーフォトが表示されており、アルバムリリース後に新ドラマー Anupam Pandaが正式メンバーへ迎え入れられた模様。

まず、ジャケがいいよね!('(゚∀゚∩

物悲しくもミステリアスな物語を連想させる幻想的でとても美しいデザインで、シンフォ系にピッタリなセンスあるジャケだ(*´ω` *)

で、注目のサウンドはと言うと、シンフォとフュージョンをミックスしてサイケ風味をまぶしたイメージのモダン・サウンドで、ロングトーンのギターやダークなトーンが主体なヴォーカルメロディや楽曲の方向性等からPINK FLOYDっぽさがそのサウンドから嗅ぎ取れるが、無論モロなフォロワーと言う訳ではなく一要素としてバンドサウンドに溶け込んでいて、コレという似たシンフォ系のバンドサウンドがちょっと思い浮かばない独特なサウンドを奏でている期待のニューカマーと言えるだろう。

エッジあるギタ-・リフやハードなディストーションサウンドを聞くに、間違いなく夢劇場等のプログレHM的な影響も Gaurav Govilkarが受けている模様で、歪んだHM的なギター・サウンドとソリッドなリズムが叩き出すグルーヴを覆い隠すようなキーボード主導によるミステリアスでムーディーなパッセージや不安感を煽るピアノ等に、憂鬱なイメージを醸し出す引きずるようなギターの残響音や無機質なループ音等のSEに加えサイケ風味が合わさって、単なるPINK FLOYDフォロワーでない、シンフォサウンドとフュージョン、さらに環境音楽的な要素まで混合させた独特な叙情感を伴ったサウンドを生み出している。

ドラムクレジットのない楽曲もあるが、この単調なリズムループは打ち込みを使用して意図的に無機質な感触を演出しているのだろう。

少し東欧シンフォっぽいアンビエントでミステリアスなムード漂うシンセとロングトーンのギターの音色がダークで霧深いサウンドを紡いでいくパートが聞けるが、東欧バンドのような凍てつくような寂寞感やシャープな感触は無く、少しサイケっぽいタッチも感じる深いエコーがかかったその柔和でディープなサウンドは、もっと壮大で濃厚な乳白色の濃霧が無限大に拡がっていくようなイメージを思い起こさせると言えば伝わりますでしょうか?

サウンドの感触的にアジア要素はほぼ無く、寧ろユーロ圏のシンフォサウンドに近いように思えますが、他のインドバンドやインド・シンフォバンドの音を知らないので、何とも言えないのが…(汗

また、英詞を歌うヴォーカルもミドルレンジ主体で朗々と歌い上げるパートが多いものの、時折HR風な熱くワイルドな歌唱も聞かせ、これだけ上手いヴォーカルなのにインストパートが多目な楽曲形態の為にその素晴らしい歌声(時々、声質のせいかARENAっぽく聞こえるんだよな~)を披露するパートが楽曲の長さに対して少ないのが実に勿体なく思える程だ。

サウンドは現代社会のカオス、機械世界、そして生命に関わる人間の存在を描写し、歌詞は、喪失感、悲しみ、及び人間関係に対する時間の影響を語っていて、ちょっと取っつき難い所謂一般受けするように思えぬ方向性なものの、歌詞は最終的に非常に希望が持てる結びになっているのが救いと言えば救いでしょうか…それでもちょっと一般受けはしにくい暗いイメージのサウンドと歌詞ですよね…(汗

欲を言えば、もっと分かりやすくインドらしいメロディやフレーズなんかが聞けると”インドのシンフォバンド”というワードに興味を惹かれたリスナーを簡単に満足させられると思うのですが、あえてそういった手法をとらぬサウンドを演っている所を見るに、英詞のヴォーカルといい彼等がインターナショナルでメジャーな活動を目指しているのが窺えるような気がします。

果たしてインドにプログレ&シンフォ・シーンが存在しているのか定かではありませんが、出来る事なら次なる作品を早く届けてもらいたいものです。




# by malilion | 2019-09-25 08:59 | 音楽 | Trackback

メロハー系ハイトーン・ヴォーカリスト Tony Millsが死去…


メロハー系のプロジェクトやソロ、そして英HMバンドSHYや、ノルウェーのHMバンドTNTでの活躍で知られるヴォーカリストの Tony Millsが9月18日に死去した模様…


彼の妻リンダの声明によると、Tony Millsは今年4月に末期の膵臓癌と診断されていたらしい…享年57歳。

折しもSHYの初期アルバムが今年デジタルリマスターでリイシューされたばかりだと言うのに…

もう彼の真っ直ぐに突き抜けるハイトーン・ヴォーカルを聞く事は出来ない…R.I.P.



# by malilion | 2019-09-19 14:14 | 音楽 | Trackback

STRYPERの弟分バンド、USクリスチャンHMバンドHOLY SOLDIERのデビュー作がデジタルリマスターでリイシュー!

c0072376_10535025.jpgHOLY SOLDIER 「Holy Soldier +2(2019 Remastered Limited 500)」'19

85年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成され“STRYPERの弟分”という振れ込みで活動し、強固なCCM系ファンベースを築いたツインギター5人組のUSクリスチャンHMバンドが90年にリリースし大ヒットしたファーストアルバムが、ボーナストラック2曲追加、Digital Remasteredで500枚限定(!?)の新装リイシューされたのをGET!

因みに、2ndアルバム『Last Train』も同じレーベルからDigital Remastered、500枚限定でリイシューされております。

90年と言えばSTRYPERは、徐々にメインストリームのサウンドが変化しつつあるのを敏感に察知したのか、マンネリズムから脱却する為か、クリスチャンHMスタイルからより幅広いHMサウンドへ音楽性を変化させ、トレードマークのストライプも捨て去った5thアルバム『Against The Law』をリリースし、結果的に旧来からのCCM系ファンベースから失望を買う失敗作となってバンドは解散の憂き目を見てしまう頃だ。

丁度、兄貴分がCCMファンベースを裏切る形のアルバムをリリースしたのも彼等に運が向いたのでしょうが、元から独自の音楽スタイルを保守的に護り続け、求め続けて来たクリスチャン系ファンの期待を一身に集め、初期STRYPER風なゴージャスで造り込まれた分厚いビッグサウンド、そしてストレートに朗らか爽快なアメリカンHMスタイルでファンが求める通りのサウンドを引っさげデビューした訳ですから、ダークで鬱なサウンドが主流になりつつあるポピュラーロック界の気配を身近に感じていたであろうCCM系ファンにとって、彼等は正に“救世主”に感じられた事でしょうね(*´ω` *)

クリスチャン系のバンドは大抵コーラスが分厚く綺麗だし、STRYPER風サウンドにピッタリなハイトーンのリードヴォーカルが甲高い声でシャウトしまくるハードでエッジがあるキャッチーな楽曲と、兄貴分のサウンドを研究しただろうコンパクトに纏められたそのサウンドは、まんま80年代風アメリカンHMスタイルなもののSTRYPERと比べると幾分ギタリストの弾く音符の数が少なく、どちらかと言うとブルージーさを感じさせるベーシックなアメリカンHR風なプレイをしており、トリッキーでド派手なギタープレイをギンギンに繰り広げる、というパートは少なく、歌パートをより重要視してバックの各パートがしっかりコンポーズされた楽曲バランスになっているように感じます。

パワフルでスピーディーな楽曲の時はSTRYPERとの類似点が多いドライなアメリカンHMサウンドになるが、一転ミッドテンポでしっとり歌モノ風な楽曲や、バラード風の楽曲ではブルージーさが滲み出てくる大陸的な大らかさ漂うアメリカンHR風サウンドになる点が彼等の独自色と言えなくもないかも?

後は、弟分とは言うけれど実際はSTRYPER程に分厚いコーラスとハイトーンでグイグイと派手にキャッチーに押しまくるオーバープロデュースぎりぎりなサウンドではない、比較的オーセンティックなHRサウンドスタイルな点も兄貴分との音楽性の差異と言えるだろう。

クリスチャンミュージックという特殊なファンベースが存在するアメリカの、当時の状況からCCM系で大ヒットを記録した実績はあるものの、よくよく聞くとそのメロディの質は兄貴分に及ばず、楽曲のフックもキャッチーさもA級クラスかと問われると、お世辞にもそうは言えぬレベルだと思うので、フォロワー的な情報の他にもそういった点故にか、ここ日本で彼等の知名度や人気がマイナーな存在とされるのも納得なのかもしれません…(汗

独自の流行とスタイルを貫いてきたクリスチャン系バンドの多くも、この後暫くして世間で流行っているダルくダークなグランジーサウンドなバンドばかりになっていく訳で、グランジーの暗黒に飲み込まれていなかった残された健全な音楽シーンであるCCM系で最後まで気を吐いた、ゴージャスで華やかなアメリカンHM最後の輝き、ヌーメタル時代の徒花のようですよねぇ…orz

ただ、グランジーの波が来なくとも彼等がその後も順調に活動出来たかどうかは、実際はかなり怪しかったように思えます。

何故なら、このバンドはメンバーチェンジが本当に激しかったのです……

85年、Andy、Jamie、Robbieを中心にバンドは結成される。

結成当時のラインナップは、
Andy Robbins(Bass、Guitar、Backing Vocals)
Jamie Cramer(Guitar、Backing Vocals)
Robbie Wolfe(Lead Vocals)
Chris Hyde(Drums、Backing Vocals)
Larry Farkas(Guitar、Backing Vocals)

85年にドラマーを Chris Hydeから Terry Russellへチェンジ。

86年に Larry Farkasから Michael Cutting(Guitar、Mandolin、Backing Vocals)へギタリストをチェンジ。

メジャーデビュー寸前の88年に、フロントマンを Robbie Wolfeから Steven Patrickへチェンジ。

この当時、ハリウッドサンセットストリップとその周辺でLIVEを繰り返し腕を磨き、Doug Aldrichが在籍していたLIONや、NIRVANA、NEW HAWK(THE BULLET BOYSの前身バンド)、GUNS N'ROSES、WARRANT等々の、多くの有名無名アーティスト達とステージを共にし、しのぎを削っていた。

89年、Word/A&Mのインプリントレーベルであるメジャー・クリスチャンレコードレーベル Myrrh Recordsと契約し、プロデューサーの David Zaffiroと6週間に渡りスタジオに籠もってアルバムを制作し、90年にセルフタイトルのデビューアルバム『Holy Soldier』をリリースする。

好評を博したデビューアルバムを引っさげ、ハードにLIVEサーキットを続けたバンドだが、ツアーの過酷さが原因でフロントマン Steven Patrickとギタリスト Michael Cuttingが脱退。

バンドはツアーを続けながら、フロントマンをシアトル出身のシンガー Eric Wayneへ、ギタリストを Scott Soderstromにチェンジさせる。

91年、再びフロントマンに Steven Patrickが復帰し、Eric Wayneが入れ替わりに脱退。

と、短期間の間にコロコロメンツが変動したのが順調なバンド活動の足を引っ張ったのは確実な上に、92年の2ndアルバム『Last Train』にして既にSTRYPERが音楽性を変化させたように、彼等もクリスチャン系HMのポリシーというか、CCM系というカテゴリーの存在意義である、神を称えるような歌詞から脱却し、所謂一般音楽市場向けな普通の歌詞の楽曲を収録して、兄貴分と同じようにCCM系リスナーから不評を買ってしまった訳で…('A`)

2ndのサウンドはよりオリジナリティが増した結果のSTRYPERサウンドからの脱却が感じられ、ピロピロと早弾きもフィーチャーした派手なギタープレイ・パートが増え、キャッチーでゴージャスなイメージより、よりタフでヘヴィになった骨太HMサウンドなイメージが強く、元々持っていたブルージーな要素もさらに強まり、コーラスの使い方やリズムアプローチ等より幅が拡がった楽曲の数々に、さらなる音楽性の進化を感じさせただけに残念でなりません。

結果、レーベルの期待する売り上げを果たせなかったのが原因でMyrrh Recordsから契約を切られてしまう。

メジャーからドロップしたのも影響したのか、94年にギタリストへ Michael Cuttingが復帰し、オリジナル・ギタリストのJamie Cramerが脱退する。

3rdアルバム制作前にフロントマンが Steven Patrickから Eric Wayneへ再びチェンジし、Eric Wayneが自身の低目な声域を活かした全米を席巻するグランジサウンドへバンドサウンドを移行するよう強く進言し、結局時流を鑑みて音楽性をガラリと変えたダークでヘヴィなダルサウンドの3rdアルバム『Promise Man』を95年にForeFront Recordsからリリースし、その他大勢の80年代風ブライトサウンドなバンド群と違い上手く時流にったサウンドを披露してラジオ等でシングルは好評で迎えられる。

だが、彼等の元々のファンベースであるCCM系リスナーはその転身を快く思わず、新たなサウンドは受け入れる事はありませんでした…

また好評だったアルバムに対するForeFront Recordsのサポートも不十分だった上に、CCM系ファンから求められるサウンドと流行のグランジーサウンドとのギャップもあってか、95年に Terry Russellが脱退し、ツアードラマーとして Jason Martinがバンドへ雇い入れられる。

結局、デビューアルバムがCCM系リスナーに余りにも受けてしまったが為に、その後に一般市場へ迎合したグランジーサウンドを器用に披露したものの、新たなレーベルからのバックアップ不足と元々のCCM系リスナーにニューサウンドが受け入れられ難かった事が、不運に次ぐ不運のように避けがたいダメージとなって彼等を襲ったのが致命傷になったのでしょう。

バンドはベーシストの Andy Robbinsプロデュースの元、彼自身のレーベルSpaceport Recordsから、フロントマンの Eric Wayneとオリジナル・ボーカリストの Steven Patrickの両名をフィーチャーしたLive Retrospectiveアルバム『Encore』を97年にリリースし、程なくして解散を迎える流れは、ある意味で必然だったと言えるかもしれません……

しばしの後、04年に Michael Cutting、Jamie Cramer、Steven Patrick、Andy Robbins、Terry Russellからなるメジャー・デビュー時と同じラインナップで一時的にリユニオンし、カリフォルニア州ロサンゼルスで特別な再会ショー『Up from the Ashes』を開催する。

05年に再びオリジナル・ラインナップでリユニオンが成され、ベネフィットコンサートやスタジオアルバム制作の話が持ち上がる中、たった3ステージを経ただけで三度 Steven Patrickが脱退し、急遽ドラマー Terry Russellの兄弟 Don Russellをフロントマンへ迎えて06年夏のフェスティバル等に出演したが、結局バンドはそのまま再び解散してしまった…

なんだか Steven Patrickに振り回されてるイメージしかないバンドなんですが(汗)、仮に彼が脱退しなければ器用にグランジーサウンドへ転身した3rdアルバムはリリース出来ず、その他大勢の80年代ポップメタルのバンドと同じく惨めな活動状況に陥って解散するしかなかったでしょうし、初期のままなクリスチャン系サウンドを固持していればバンドは存続したかもしれませんが、より一般的な認知度を高める事は出来ず兄貴分が陥ったマンネリズムに遠からず陥るのは目に見えていた訳で、簡単に言えば時代が悪かったって事になってしまうんですが、なかなかに有望な変化をしそうなサウンドを鳴らすバンドだっただけに、グランジーブームとメンバーチェンジの多さに祟られた不運なバンドだったなぁ、と今なら思えてしまいます。

後、Eric Wayneの歌声自体は枯れた味わいの埃っぽいアメリカンロックによくマッチする渋めないい声質してると思うし、実際アーシーなスライドギターが活躍するブルージーな楽曲やカントリー調な楽曲、そしてバラード調な楽曲等でその実力を遺憾なく発揮しているのでその辺りを鑑みて迎え入れたのかもしれませんが、だとしても何故にハイトーン・ヴォーカルがトレードマークな Steven Patrickの後釜として彼をフロントマンに迎え入れたのか、そこが疑問ですね…

元々ハイトーンが苦手っぽいんだよなぁ、Eric Wayneは…『やっぱりミスキャストだったんでは?』と、今ならそう強く思えます。

とまれSTRYPERが好きな方やハイトーンでコーラスばっちりなクリスチャンHMがお好みな方なら購入しても損はない一枚だと言えますので、ご興味あるようでしたらお早めにお求め下さい。



# by malilion | 2019-09-11 10:41 | 音楽 | Trackback

北欧ハードポップBAD HABITの記念すべきデビュー作がリマスター&未発音源&デモ追加で限定リイシュー!

c0072376_00122798.jpgBAD HABIT 「After Hours(re-cap)」'19

今やAOR風味が強い穏やかでキャッチーな爽快サンドを奏でているスウェディッシュ・ハードポップバンドの彼等が、まだハードエッジなサウンドを轟かせていた頃の89年デビュー作『After Hours』が、新曲、デモを大量に追加して待望のオフィシャル再発されたのを、幾分遅れてやっとこ入手したのでご紹介。

『After Hours』はこれまでにも何度かリイシューされているのだが、未発音源追加盤というと00年リリースの『13 Years of Bad Habits』が思い出される訳だが、今回は『13 Years of Bad Habits』収録の1st未収録音源の一部をカットし、新たなボーナス曲を一曲追加、1stリリース後のデモ、さらに二曲の未発新曲も追加した充実の二枚組で、ギタリストの Hal Marabel本人によるリマスターも施されている決定盤と言えよう。

今聞いても心地よい1stのサウンドは、キラキラしたキーボードがフィーチャーされた80年代北欧ハードポップサウンドで、幾分アメリカナイズされた方向性なものの、哀愁漂うウェットなメロディとキャッチーなコーラス、そしてハードでテクニカルなギターもフィーチャーしたメロディアスでフック満載な楽曲がコンパクトにまとめられており、ホントにメロハー好きなら小躍りする事間違いない一枚だ(*´ω` *)

この後、全米がグラジーの波に覆われ彼等のようなキャッチーなブライトサウンドのバンドは軒並み姿を消してしまい、彼等も活動を一時中止せざるおえず、2ndの『Revolution』がやっと96年にリリースと、クソグランジブームの為のタイムロスが本当に悔やまれる…orz

因みに『13 Years of Bad Habits』の内容はと言うと、

BAD HABIT『13 Years of Bad Habits』'00

01.Living On The Edge
02.Rainbow
03.Don't Stop
04.Play The Game
05.More Than I
06.Rowena
07.Coming Home
08.Never Find Another You
09.Winner Thakes It All
10.More Than A Feeling

 87年リリースのEP『Young & Innocent』収録音源

11.Dreams Die Hard
12.Try Me
13.Young & Innocent
14.Let It Go

 シングル『More Than I』のB面曲

15.Need Somebody

 日本盤『Adult Orientation』収録のボーナストラック

16.I Live For You

 未発表セッション。エディットされている短縮バージョン。

17.I Never Knew What Love Could Do

となっている。

また、今回の二枚組リイシュー盤は、ジャケのデザインに少々手が加えられている。
そして、同名バンドが存在するので混同を避ける為か、バンド名の後ろにSwedenの文字が追加されている。
00年盤にはSwedenの文字は無かったんだけどなぁ…ジャケのセピアな色味もちょっと違うし…

BAD HABIT 『After Hours(re-cap)』'19

Disc1 『After Hours』
01.Living On The Edge
02.Rainbow
03.Don't Stop
04.Play The Game
05.More Than I
06.Rowena
07.Coming Home
08.Never Find Another You
09.Winner Thakes It All
10.More Than A Feeling
11.Dancin'(New Song)

Disc2 DEMO
01.Love Will Find a Way (2010 New Song)
02.Reach for You     (2010 New Song)
03.Rainbow        (1988)
04.I Never Knew What Love Could Do(1988)ノイズや音飛びがある。ノンエディット・バージョン。
05.Need Somebody     (1988)
06.Til the End      (1988)
07.Mystery        (1988)
08.Get Wild       (1990)
09.I Want It       (1990)
10.Lay Down        (1990)
11.Let's Get High     (1990)
12.Ramona         (1990)
13.Ridin' High      (1990)

新曲の音と1stの音が全然違って、プロダクションの差が激しいのに驚かされたが、まぁウン十年経ってるし仕方が無いけど(汗

デモ音源の方は、如何にもDEMOというこもったボトムな上にバランスが不安定な劣悪サウンドながら十分その楽曲は楽しめ、当時メジャーからドロップしていた彼等が次なるレーベルとの契約を目指して2nd用の楽曲を造り込んでいた痕跡なのだろう。

結果的に2ndにはこの楽曲は収録されずボツになってしまった訳だから、今回初披露されたメロディアスでキャッチーな楽曲の数々に耳を傾けながら、もし当時活動休止せずそのまま活動継続していたならばどんな2ndがリリースされたのか、と思いを馳せてしまう…

また、DLが主流になっている為か、今回のUSリイシュー盤は限定500枚(!?)との事なので、ファンは即GETしましょう!
音源自体はDLでお手軽に入手出来るけど、やっぱり現物を手元に置いてナンボですからねぇ(*´ω` *)


# by malilion | 2019-09-10 00:06 | Trackback

35年ぶりに蘇った幻のUSメロハー・バンドFORTUNEが2ndをリリースしたのを遅ればせながらご紹介。

c0072376_09360969.jpgFORTUNE 「Ⅱ」'19

カリフォルニアをベースに活動し、85年にアルバムをメジャーシーンに放ったものの、プロモーション不足に加え所属レーベル倒産と言うアクシデントによって早々に解散した幻のKey入り5人組USメロハー・バンドFORTUNEの、35年ぶり(!!)となる2ndアルバムがリリースされたのを幾分遅れてGET!

そもそも彼等が注目された切っ掛けは、FORTUNEの元メンバーである L.A.(Larry)Greene(Lead Vocals & Guitars)と Roger Scott Craig(Keyboards & Backing Vocals)がUSメロハー・バンドHARLAN CAGEを結成し、そのAORテイスト香る憂いを帯びた叙情的なメロディとキャッチーなサウンドが日本でも受けて96年にデビュー作が国内盤でリリースされた事にはじまる。

HARLAN CAGEが好評となると、そのメンバーがかって在籍し、しかもメロディアス作の名盤をリリースしていというバンドFORTUNEの噂が知れ、当然の如く多くのメロハー愛好家がFORTUNEの唯一作を探し求めたんですが、当時はオリジナルアルバムはアナログLPでしか存在せず、しかも解散して既に十年近い歳月が流れていた為にプレミア価格でしか入手する事は叶わず、多くの愛好家が涙を呑んだのでした…(ノД`)

04年にGYPSY Rock RecordsなるUSAレーベルから、オリジナルリリースから20周年を記念してのCD化が成され、3曲の未発曲をボーナストラックとして収録したリイシューが成されるまで、長い間メロハー愛好家には手の出ない噂先行の幻のメロハー名盤アルバムでありました。

最も、04年のリイシューの前に、既に大量の板起こしブート『FORTUNE』CDが出回っていましたけど…(汗

ただ、3曲の未発曲を追加して記念盤をオフィシャルリリースしてくれたのは有り難かったのですが、GYPSY Rock Records盤は明らかに板起こしの音源でありました…('A`)グアァ

結局、11年にメロハー愛好家御用達なドイツのレーベルAOR Heavenで好評の『AOR HEAVEN Classix』シリーズの再発第9弾アルバムとして、オリジナル・マスターテープからのDigitally Remastered盤がリリースされるまで、ノイズ混じりな音でFORTUNEのアルバムを楽しむ他なかったんだよなぁ…

只、何か問題があったのか、オリジナルテープが見つからなかったのか、はたまたクオリティにメンバーが納得いってなかったのか、このAOR Heaven CLASSIX盤では、GYPSY Rock Records盤のボーナス3曲のうち2曲(2曲共にLIVE Track)がカットされ、1曲のみがボーナス曲として収録されておりますので、板起こし盤だからと言ってGYPSY Rock Records盤を無視も出来ないのがなんとも…

デビュー作のサウンドは、煌びやかでメロディアスなキーボードサウンド、エッジを保ちつつメロディ至上なプレイを奏でるギター、分厚くキャッチーなコーラスと、しっとり歌い上げるヴォーカル全てが、USバンドらしからぬウェットな美旋律を紡ぎ、メロディアスHRバンドのアルバムとして理想的なサウンドが詰め込まれた名盤と言え、ポップ系ならREO SPEEDWAGONやJefferson STARSHIP、HM系ならSAXON、Y&T、KEEL、LEATHERWOLF、Michael Schenker Group等々のプロデュース及びエンジニアリングを手がけた Kevin Beamishのビッグで光沢あるプロダクションによって、ブライトでキャッチーなサウンドに一層に輝きが与えられておりました。

タイプとしてモロに80年代アリーナロックの流れを汲むポップロックで、JOURNEY、STYX、SURVIVOR、FOREIGNER、ASIAと同じ系等のバンドと、当時は騒がれていたなぁ…

実際は、上記のバンドとは少し毛色の違うウェット感がより強いサウンドで、NEW ENGLANDやWHITE SISTER、初期のHOUSE OF LORDS等がお好みな方ならきっと気に入る、ユーロ風な香り漂うメロディとUSバンドらしいキャッチーなサウンドが楽しめるそんな一枚と言えば伝わりますでしょうか?

さて、長い長いインターバルを経て遂にリリースされた本作についてですが、残念ながらオリジナルメンバーでのリユニオンとはなりませんでした…(ノД`)

Richard Fortune(Lead Guitars & Backing Vocals)と Mick Fortune(Drums & Backing Vocals)のFortune兄弟は変わらず本作でも参加しており、フロントマンだった L.A.Greeneも今回のリユニオンに馳せ参じてくれておりますが、ベーシストに Ricky Rat、キーボ-ディストに Mark Nilanなる二人の新たなメンバーが加わっての再始動となっている。

まぁ、35年もインターバルがあった訳だし、L.A.Greeneはソロ名義で映画『Top Gun』や『Over the Top』のサントラに参加し知名度を上げ、HARLAN CAGEを Roger Scott Craigと共に結成して好評を博して未だに活動継続中な訳だし、オリジナル・ベーシストの Bobby BirchもWARPIPESなるメロディアスバンドで活動していたりで、それぞれ各自に音楽活動を継続していたのですから流石に完全なるリユニオンが成されると期待していたリスナーはそう居ないでしょうが、ソングライティング面で中心人物の一人であった Roger Scott Craigが今回メンバーに名を連ねていないのが非常に残念であります。

とは言っても、本作でも作曲やキーボード演奏で半数の楽曲に参加をしているので、彼自身も色々なプロジェクトや自身のバンドで活動をしている為、残念ながら今回メンバーとしては参加出来なかっただけ、と言う事なのでしょう。

同じくデビュー作でベースをプレイしていた Bobby Birchも本作ではメンバーではないものの一曲客演を果たしておりますので、Fortune兄弟と元メンバー達は今でも優良な関係のままなのが窺えます(*´ω` *)

ただ、バンド名が示している通りこのバンドは78年レコードデビュー当時(最初は Richard Fortuneと Richardの妻のデュオ編成で音楽性もAORセッション・プロジェクトだった)から Richardと MickのFortune兄弟が中心でありますし、オリジナルメンバーも二人を除いて82年のメジャーデビューに向けてのバンド再編成時点で他に居らず、1stのソングライティング面で中心人物だった L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人はその再編成時から参加したメンバーだった訳ですから、仮に L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人が今回のリユニオンに全く関わっていなかったとしてもバンド名はFORTUNEであっただろう事は予想出来ますけどね。

で、新作のサウンドですが、35年ぶりと言うのが嘘のようにデビュー作のままな音楽性で、よりモダンでシャープになったキャッチーでウェットなメロディが眩く輝くようなメロハー愛好家大興奮のサウンドを楽しませてくれる('(゚∀゚∩

懸念していた Roger Scott Craigの穴の影響は窺えず、自身のリーダーバンドである意地とでも言えましょうか、Richard Fortuneの頑張りが素晴らしく、デビュー作で幾分キーボードの煌びやかで分厚いサウンドに隠れていたきらいのあったギターサウンドが、美旋律に溢れたメロディアスHRサウンドの上で、伸び伸びとセンス良い、リフに、ソロにと大活躍しており、待ちに待たされた彼等のファンは歓喜する事間違いなしのウェットなメロディが心地よい、キャッチーでポップなコンパクトに纏め上げられたサウンドを披露している。

新加入の二人も控え目ながらソツないプレイを繰り広げ、デビュー作と比べると幾分裏方に回った感じなキーボードパートな配分の楽曲ではあるものの Mark Nilanがモダンでセンス良いキーボードプレイを聞かせている点も見逃せない。

まぁ、半数の楽曲に Roger Scott Craigのクレジットがあって、彼の関わった楽曲ではググッとキーボードが前に出てくるので、そう音楽性が変化する訳もないっちゃないんですけどね(汗

本作は彼等の1stアルバムを長く愛し続けてくれたメロハー・ファンへの感謝を表す意を込めてリリースされたらしく、今後バンドが本格的に活動を継続するのか幾分曖昧な状況ではありますが、出来る事なら是非このまま本格的な活動へつなげて欲しいものであります。



# by malilion | 2019-09-09 09:30 | 音楽 | Trackback

LAメタル・リヴァイバルな80年代風バッドボーイズ・サウンドから、北欧サウンド要素追加でさらなる進化!? CRAZY LIXX

c0072376_20581074.jpgCRAZY LIXX 「Forever Wild」'19

スウェーデン出身のツインGを擁する5人組スリージーHRバンド2年ぶりの新作となる6thを遅れてGETしたのでご紹介。

前作からツイン・ギター2人をゴッソリ新メンバーへチェンジし、単なる80年代LAメタルリスペクトなバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドから北欧出身らしいウェットなメロディアス要素が加味されるサウンドを提示し俄然興味を惹いた彼等ですが、本作ではさらにスケールアップしたキャッチーでメロディアスな北欧スリージー・ロックンロールを披露している。

新世代北欧バッドボーイズ系バンド群に共通している、MOTLEY CRUE、GUNS N'ROSES、SKID ROW等の華やかでゴージャスなサウンドがトレードマークな80年代風アリーナ・ロック&グラムHMをルーツにするサウンドをベースに、アルバム毎に着実に音楽性の幅を拡げ楽曲のクオリティを上げてきた彼等だが、本作では前作で披露した哀愁漂う80年代風北欧HM&メロハーなタッチをエッジーなギターが縦ノリを刻むロックンロールに程良くまぶし、人工甘味料に包まれたキャンディの如く毒々しくも甘々なメロディを、よりキャッチーに、よりコンパクトに、より弾むリフと跳ねるリズムで、そして分厚いバッキングコーラスでさらに塗り固めたカッチリ造り込まれたプロダクションで、お手本の80年代LAメタルをよりモダンでシャープにしたバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドを屈託無く奏っている姿(馬鹿っぽいジャケも、お手本のマンマなんだよなぁ~)には苦笑するしかない(w

やはりギタリストがゴッソリ入れ替わった影響は大きかったのか北欧ミュージシャンである血は抑えられないのか、バッドボーイズ系ロックンロール・サウンドを演奏してはいるもののLAグラムHMが垣間見せたドライさやささくれたような荒々しいヘヴィさは弱く、キャッチーな80年代風グラムHM路線なハードライヴィンするタイプの楽曲では、より勢い良くキレあるポップサウンドを叩き出し、仄かに80年代風北欧メロディアスHM風な哀愁感が香るタイプの楽曲では、よりリリカルなメロディアスサウンドを披露と、前作から持ち込まれたウェット感あるマイナーなメロが光る80年代風北欧メロディアスHM要素がまだ初期の音楽性と完全に融合しておらず幾分混沌としていたが、本作では二つの要素が完全にMIXされてサウンドのメリハリがクッキリと浮かび上がり、より一層に他の北欧バッドボーイズ系ロックンロール・バンド群のサウンドとの差別化に成功していると思う。

とは言っても、まだまだ80年代LAメタルのビックネーム達の影響から抜け出せないフォロワー・サウンドなのに変わり無いので、オリジナリティ云々については、もう少しアルバムの枚数を重ねないとダメでしょうね……

個人的には、彼等が持っている北欧HM定番な煌びやかなキーボードや透明感ある爽快でキャッチーなメロディ等の北欧メロディアス・ロック要素がより強まれば、本当の意味でのオリジナリティの確立が成されると思っておりますが、ルックスやサウンドの方向性を含めてお手本バンド達への憧憬が未だに強い彼等は、なかなかそっち方面の音楽要素を強めないかもしれません。

また、前作で苦言を呈した Danny Rexonのちょっと音域狭い、ザラつき気味な歌声と歌唱力が不足して感じられる問題点は相変わらず解消されていないが、前作でちょっと抑え気味になった分厚いバッキングコーラスが再び復活し、さらに煌びやかなサウンドプロデュースでそういった弱点は覆い隠されているので、アルバムを聞く分には大きく目立つような事はないのが救いだろう。

純粋な80年代LAメタルリスペクトなバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドからは幾分サウンド傾向がズレ始めているので、ソレ系を求めている向きには不純物が混じったサウンドに思えて不満かもしれないが、このまま試行錯誤して自分達だけのオリジナルサウンドを見付けて欲しい、期待の北欧ロックンロール・バンドであります。





# by malilion | 2019-09-04 20:51 | 音楽 | Trackback

LAの一流セッション・ギタリスト Michael Thompson率いるバンド作が久しぶりに新作をリリース!

c0072376_18062900.jpgMICHAEL THOMPSON BAND 「Love & Beyond 」'19

70年代末期から活動を開始し、今やLAの一流セッション・ギタリストとしての名声を揺るぎ無いものとしている実力派アメリカ人ギタリスト Michael Thompsonがリーダーバンドの3rdアルバムが、前作から約7年ぶりにリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

USポピュラー・ミュージックシーンの大物達だけでなく、日本の歌謡歌手のレコーディングにも参加と、有名無名問わずセッションやレコーディングに膨大な数参加してきたベテランだけあって、そのエモーショナルでフレキシビリティの高いギター・プレイは無論の事、サウンドの質や幅広い嗜好な楽曲の出来、そしてプロダクション等に問題など欠片も見当たらぬ、Michael Thompsonの癖がなく、それでいて円熟したギター・プレイが実に魅力的な、良く造り込まれた高品質メロディアス・ロックアルバムだ。

残念ながら前作と同一メンツは、前作でリード・ヴォーカルを担当した Larry Kingが数曲でその歌声(ちょっと苦汁声で、熱くイイ歌声なんだよなぁ~、ホントHR向き!)を披露するのみで、ほぼメンツは入れ替わっている。

まぁ、継続的に活動しているバンドでもないし“ソロ作には向かない Michael Thompsonが伸び伸びとギターを弾きまくる、お仕事のセッションでは抑えているギタープレイ欲を満たすロック寄りなサウンドを出すバンド作”というコンセプトだけ固持されていればいい、というようなスタンスのバンド作だろうから、毎回メンツが入れ替わるのはデビュー作からの恒例なのでコレは驚くに値しないだろう。

今回リードヴォーカルをとるのは、アメリカン・メロハーバンドUNRULY CHILDのベーシストでもある Larry Antoninoで、作詞でも全面的に本作に参加するだけでなく、無論ベースもプレイしている。

意外に Larry Antoninoのヴォーカルがイケていて、ちょっと甲高い掠れ気味なミドルレンジ主体のアメリカンロックに実によくマッチする穏やかながら力強い歌声を披露していて、今さらながらにUNRULY CHILDで彼の歌声が殆どフィーチャーされてこなかった(まぁ、Marcie Free“ex:Mark Free”の歌声の方が強力だし…)のが悔やまれる程だ。

その流れで、と言う訳でもないだろうがキーボードにもUNRULY CHILDの Guy Allisonが全面的に参加し、オルガンやピアノで小気味良いプレイを披露している。

また、2曲でHEART、CHEAP TRICK、REO SPEEDWAGON、BAD ENGLISH、John Waite、GIANT 、MR.BIG等に楽曲提供をしている他、プロデューサーとしても活動をするアメリカ人SSWの Mark Spiroが、その伸びやかな歌声を披露している。

ドラマーは複数参加で、楽曲のコ・プロデュースやミックス、そしてアルバムのプロデュースも複数の手によるものだが、そこはしっかり Michael Thompsonが陣頭指揮をとって不具合ない仕上がりに纏め上げられており、アメリカン・ロックをベースにしつつ、AOR風だったり、キャッチーな歌メロが際立ったHR風だったり、泣きのギターが心に迫るブルージーな作風だったり、ちょっとフュージョンぽいギターが聞けるモダンサウンドだったりと、実に幅広いサウンドの楽曲を取り揃えたアルバムで、インスト・ギター小曲(ちょっと日本っぽいメロディが聞けて、驚き)を小刻みに収録して Michael Thompsonの巧みでセンス良いギタープレイもタップリとフィーチャーしている構成も、実に隙がありません(*´ω` *)

裏方作業が長いベテランだから当然だけど、もうちょいバランスを無視した、意図的に完成度より勢いを優先して Michael Thompsonがハードにギターを弾きまくる楽曲なんかも収録されてたならば、とかあんまり出来が良いから無い物ネダリをしてみたりして(w

デビューしたての新人バンドのようなキレや勢いは無いけれど、円熟のプレイと完成度の高い楽曲が取り揃えられたハイクオリティな本作は、メロディアスなアメリカン・ロック好きやAORファンにお薦めな一作なのは間違いないので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみても損はしませんよ?


# by malilion | 2019-09-03 18:00 | 音楽 | Trackback

北欧ブリテイッシュ(ナニソレ!?)シンフォHRバンドMAGIC PIEが4年ぶりに新譜リリース!

c0072376_09360663.jpgMAGIC PIE 「Fragments Of The 5th Element」'19

着実にスキルアップとサウンドスケールを拡げる北欧ノルウェー産ツイン・リードヴォーカルを擁するHR風味な6人組シンフォ・バンドが4年ぶりに5thアルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

相変わらずシンフォ系では珍しい濁り声で熱唱するリードVoをフロントマンに据えている彼等だが、久しぶりとなる本作は前作からのメンツに変動が無く、変わらぬオッサン6人組によるトリプルVoを活かしたメンバーが一丸となってのブ厚いコーラス・ハーモニーが実に爽快だ。

一時期シリアスなシンフォ路線へサウンド傾向が変化したものの、オリジナル・キーボーディスト Gilbert Marshallが脱退してシンフォ風味タップリな新バンドELEPHANT PLAZAを結成するのを横目に、新たなキーボーディスト Erling Henangerを迎えて初期からのブリティッシュHR風味なハードドライヴィンするシンフォ・ロックへ再び軌道修正した訳ですが、待望の本作では立体的に交差するSPOCK'S BEARD張りなブ厚いコーラス・ハーモニーはそのままに、時に官能的なメロディを紡ぎ時に切なく咽び泣きまくりと大活躍するハードエッジなギターと、HR風な刻むオルガンや煌びやかでシンフォ風味なシンセサウンドでセンス良くバンドサウンドを飾り立てるテクニカルなキーボードがスリリングにせめぎ合いながら北欧特有の美旋律を織り成し、ちょっとQUEENっぽい華麗な香り漂うドラマチックサウンドが駆け抜ける様が”正にHRバンド!”ってなスリリングなサウンドを叩き出しております('(゚∀゚∩

前作は軌道修正の意味もあったのか、常より強めにクラッシックなブリティッシュナイズされたHRサウンドっぽいタッチが楽曲のそこここから薫り立っておりましたが、バンドメンツが久しぶりに安定し活動も順調なのも影響したのか本作ではブリティッシュHR風味なサウンドをベースに、よりメロゥで繊細な音使いでリリカルさを増した感傷的なシンフォサウンドや、繊細な美旋律が如何にも北欧という寂寞感を漂わせる翳りある妖しいメロディがセンチメンタルな叙情を醸し出す楽曲等、これまで以上にバンドサウンドの幅を拡げた冒険作のように思える。

勿論、ブルージーな泣きのギターと訴えかけるハモンドが胸に迫る殆どHRな楽曲もキープしつつ、定番の変拍子&高速キメ&ハッタリの畳み掛けアンサンブル等々を垣間見せる弾き倒しプレイで疾走感バリバリに押しまくるパートもしっかり楽しめるので、彼等の初期からのコンパクトな楽曲と駆け抜ける鮮烈なブライト・サウンドが気に入っている方も安心だ(*´ω` *)

また、本作の多様なスタイルの楽曲を歌い上げる為か、音楽性の幅が拡がった故か、いつものダミ声シャウトを抑えた歌唱スタイルを Eirikur Haukssonが多用しており、ブ厚く複雑に交差するコーラス・ハーモニーとより一体化したヴォーカル・アプローチがこれまで以上に優美な感触を楽曲に与え、どちらかと言うとパワフルな“圧し”要素が多く耳についた彼等のサウンドに優美な“引き”の繊細さや気品という要素が加わって、より一層にバンドサウンドの“深み”と“格”が上がった印象を受けました。

この Eirikur Haukssonのヴォーカルスタイルの変化は、もしかしたら同郷のシンフォバンドKERRS PINK『Mystic Spirit』'13 にヴォーカリストとして加入したのと、今やブリティッシュHRの生き字引的存なURIAH HEEPでお馴染みな Ken HensleyのLIVEバンドであるLIVE FIREにフロントマンとして参加し、KEN HENSLEY & LIVE FIRE『FASTER』'11、『LIVE!!』'13 と、スタジオ作とLIVE作にそのパフォーマンスを残したバンド外の経験も、何らかの影響(今頃?)を与えたのかもしれない。

聞き込んでいくと気がついたのだが、売りのブ厚いコーラス・ハーモニーのスタイルが、以前はMOON SAFARIのようなYESに影響を受けたシンフォ系バンド定番な優美なコーラスではなく、パワー押しなSWEETのようなUKバブルガム・バンドの朗らかコーラスやHEEPばりの妖しさ満点な裏声コーラスを絡ませるスタイルだったのですが、本作では所謂普通のシンフォ系で良く聞かれるYES風な繊細コーラス要素が強まったように思え、それもバンドサウンドの優美さが増して聞こえる要因なのかもしれません。

デビューしたての頃は、SPOCK'S BEARDやTHE FLOWER KINGSの影響ばかり取り沙汰されておりましたが、ことここに至ってはGENESIS、KANSAS、EL&P、DREAM THEATER等の影響も伺えつつ、それら全てをブリティッシュナイズされたHRサウンドと北欧シンフォサウンドを絶妙にMIXして、他の誰でもないオリジナリティあるサウンドを確立するに至った彼等。

前作で活動十周年を迎え、まだまだ伸びしろを感じさせるそのダイナミックな北欧シンフォHRサウンドを一層に進化させ、末永く楽しませて欲しいものであります。

変拍子&高速キメ&畳み掛けのテクニカルでソリッドな演奏や、ブリティッシュHR好きでメロディアス、そしてキャッチーでブ厚いコーラス好きな方は彼等の新譜を是非チェックしてみて下さい!





# by malilion | 2019-08-30 09:28 | 音楽 | Trackback

ハープサウンドをメインに据えた特異なアメリカン・プログレバンドART IN AMERICAが35年ぶりに2ndアルバムリリース!

c0072376_19063703.jpgART IN AMERICA 「Cloudborn」'19

USAミシガン州デトロイトをベースに活動したアメリカン・プログレバンドの、Ruetenikファミリー(Flynnは芸名みたいなもの)の3人兄弟(Chris Flynn:Lead Vocals & Guitars 、Shishonee Flynn:Harp & Vocals、Dan Flynn:Drums & Percussion)を中心としたShishonee嬢の操るハープをバンドサウンドのメインに据える特異なスタイルの83年デビュー作に続き、正式なフルアルバムとしては35年(!!)ぶりとなる2nd自主制作アルバムがリリースされたのを即GET!

デビュー作はプロデュース&エンジニアをEL&PやYESの仕事で知られる Eddy Offordが手がけた事や、キーボードにDIXIE DREGSやJAZZ IS DEADでの仕事で知られるジャズロック&フュージョン界で著名な Terry "T" Lavitzを迎え、アレンジとギターソロに Steve Morse(DIXIE DREGS、DEEP PURPLE)が参加と玄人好みなトピックも今となっては懐かしいですが、続く本作はGENESIS、QIEEN、RENAISSANCE、Elton Johnとの仕事で知られるイギリス人プロデューサー David Hentschelによるキーボード、プロデュース、エンジニアリングに加え、ベース奏者に Tony Levin(KING CRIMSON、Peter Gabriel、ABWH)が招かれ、再びプログレ好きなリスナーにしっかりアピールするポイントをおさえた一作となっております(*´ω` *)

ただ、本作は純然たる新作と言う訳でなく、13年に一度自主リリースされた『Hentschel Sessions - 2013』なる David Hentschelが手がけたロサンゼルスでの新録音源(Track 1~6 バンドは同時期に16曲作曲している模様で次作に収録予定だとか)に加え、過去のアルバム未収録曲のLIVE音源1曲とデモ音源3曲を収録した新旧音源のアーカイヴ作をベースに、デモ曲やLIVE曲を外して05年から15年にかけての間に作曲され録音された新曲を追加しフルアルバムに再構成した一枚(デモ曲の再録はされていない)となっており、デビュー作と同じくFlynn兄弟が中心ながら収録時期が長期に渡る(少なくとも5年の間がある)バラつきの影響でキーボーディストやベーシストが複数参加(プロデュースも Hentschel Sessionsに加え、Track 7~10は Chris Flynn、Track 11~13を元ベーシストの Jim Kuhaが手がけている)な上に、AISA、SAGA、90125YES、そして80年代の後期GENESISの影響が窺える80年代風モダンポップと70年代風プログレッシヴ・ロックのハイブリッドサウンドだったデビュー作と比べて音楽性の幅がググッと拡がり、バンドサウンドが大きく変化しているのが分かる。

と、言っても全く別バンドサウンドに変わってしまった訳ではないので、ファンの諸兄はご安心を。

これだけ前作からインターバルが開いたのだから当然同じサウンドの訳がない、と誰だって予想するものの、意外な程に1st風のハープをメインに据えた初期GENESISを彷彿とさせる繊細なアコースティカルサウンドをベースに、一切シャウトする事なく70年代プログバンドのフロントマンの多くがそうであったように、切々と歌い上げる Chris Flynnの穏やかな歌声と典雅なサウンドタッチはデビュー作と変わる事なく、巧妙なアレンジメントが施された如何にもプログレという長いインストゥルメンタルパートが軽やかに交差する、ユーロサウンドとアメリカンサウンドが絶妙に混ざった独特なプログレ・ポップサウンドがこの新作でも多く耳にする事が出来て、実に嬉しくなってしまいました(*´ω` *)

逆に新たに追加された要素としては、カントリー風のアーシーな乾いたスライドギターの音色が鄙びた味を醸し出すブルージーな楽曲だったり、ハープが少し抑え目になり普通のプログレバンドのようにキーボードサウンドがメインな楽曲や、デジタリーなパーカッションが活きるサントラ風な楽曲に、Tony Levinのプレイが活かされた幾分ヘヴィなリズムを強調した楽曲、そしてワールドミュージックな雰囲気漂うダンサンブルなリズムが強調さた楽曲等々、終始爽やかなイメージを保ちつつ、長い長いインターバルの間に培われた様々な音楽的要素が彼等の楽曲に色濃く窺える一作となっております。

とは言え、サウンドイメージは総じて爽快でポップ、そしてアコースティカルで繊細な叙情が美しい艶やかなメロディが秀逸なサウンドなのは少しも変わり無いので、デビュー作が気に入っていた方や繊細でリリカルなハープサウンドが活かされたユーロ風味ある独特なアメリカン・プログレサウンドが気になる方は是非とも本作を購入してみて下さい。


因みにオリジナルである『Hentschel Sessions - 2013』の内容の方はと言うと、c0072376_19072601.jpg『Hentschel Sessions - 2013』に収録されていたTrack 1~6は、David Hentschelによるプロデュース。

米国カリフォルニア州Woodland HillsのScott Frankfurt Studioで録音され、ドラムトラックだけはカリフォルニア州BurbankのGlenwood Place Studioで録音された。
ベースは Tony Levinによるプレイ。
英国で David Hentschelがキーボードサウンドを追加録音し、最終的にサウンドをミックスしている。

Track 7『Can't Stop It』は、1st未収の未発表曲で、83年に米国Michigan州FlintでバンドがLIVEプレイした際に録音したもの。
Track 7のベースプレイは1st録音にも参加し、当時メンバーだった Jim Kuhaによるプレイで、キーボードは Kent Richardsによるプレイ。

Track 8『Not Like That』は、Chris Flynnの手によるホームDEMO。

Track 9『Fields』は、米国フロリダ州MiamiのCriteria Studiosで、Ron&Howard AlbertによるプロデュースのDEMO曲。

Track 10『Lathe of Adonai』は、米国カリフォルニア州 Newbury Parkの Mitch Crane Studioで Mitch CraneによるプロデュースのDEMO曲。
Track 10のリズムパートは Mitch Craneによるベースとドラムのプログラミング。

と、83年のLIVEトラックに加えて、3つの未公開DEMOで締めくくられている。

今となっては入手困難なレア自主制作盤だが、このまま活動が軌道に乗って彼等の人気が再び復活すれば、なんらかの形でリリース、または収録されるかもしれないので、未入手な方々はその時をひたすら待っていましょう……('A`)

PS.デビュー作で控え目にプログレチックなセンス良いキーボードプレイを聞かせてくれていた Terry "T" Lavitzは、2010年に天に召されてしまったので再びの参加は叶わなかった…R.I.P


# by malilion | 2019-08-29 19:01 | 音楽 | Trackback

現URIAH HEEPのキーボーディスト Phil Lanzonが2ndソロ作をリリース!

c0072376_18240225.jpgPHIL LANZON 「48 Seconds」'19

GRAND PRIX、Grant&Forsyth、SAD CAFE、John Lawton、LIONHEART、Mick Ronson、Chris Spedding、SWEET等のセッションマンやサイドメンバーとして幾多の英国バンドを渡り歩いて来た現URIAH HEEP(87年加入)のキーボーディストである Phil Lanzonの2ndソロ自主制作アルバムがリリースされたのをちょい遅れてGET!

70年代後半から活動してきた、その長い長いミュージシャン歴にも関わらず前作が初めてのソロ作であった訳だが、そのデビューソロ作が好評だったのに気を良くしたのか、精力的に活動する本体バンドURIAH HEEPのスケジュールの合間を縫うようにして制作された新作が、2年ぶりという比較的早いインターバルで届けられた。

本作は1906年のサンフランシスコ地震をメインテーマにしたダイナミックなオーケストラ・ポップ作で、前作同様に John Mitchell(ARENA、FROST*、IT BITES、KINO、LONELY ROBOT、THE URBANE)と Andy Makin(Adrian Smith's PSYCHO MOTEL)の二人をメイン・ヴォーカリストに据え、同じく Phil Lanzon自身の歌声も少しフィーチャーしつつ、複数のゲストギタリスト、ゲストキーボーディスト、ドラマーを基本に、London Telefilmonic Orchestraによるストリングス・オーケストラ、サックスやトランペット等のゲスト管楽器奏者、そして男女混声合唱をバックに従え、クラシック、ロック、プログレ、ポピュラー音楽などなど雑多な音楽要素が程良くMIXされたポップでキャッチーなだけでなく英国ミュージシャンらしい叙情感漂うメランコリックなメロディが美しいスケールの大きいシンフォニック・サウンドを展開していく。

前作同様、MARILLIONのプロデュースで知られる Simon Hanhartがプロデュース、そして映画音楽等のアレンジャーで有名な Richard Cottle(CHARLIE、KEATS、Alan Parsons Project、John Parr)がアレンジ協力と、バックのプレイヤー・メンツだけでなくプロデュース・メンツも抜かりない、自主制作盤ながらすこぶる高品質な、まさにプロのソロ作と言えよう。

テーマがテーマなだけに男女混声合唱の分厚いコーラスと、ストリングス・オーケストラによる艶やかでスケールの大きいダイナミックなサウンドが抜群の効果を生んでいるのに加え、歌パートだけ注目すると意外な程にポップでキャッチーなのに決して軽薄さは感じさせない、ある種宗教音楽的な深みと安らぎを紡ぐ絶妙なアレンジの施された楽曲と隙無く緻密に構築されたサウンドが実に耳に心地よいのです(*´ω` *)

ストリングス・オーケストラや管楽器、そして男女混声合唱が交差する為か、ちょっとミュージカル(ゴスペルというか黒っぽいんだなコーラスとかが)っぽくも聞こえ、Phil Lanzonの操るキーボードも流麗なピアノパートはあるものの、どちらかと言うとシンフォニックなサウンド傾向で固められているので前作のようなポピュラーミュージック要素が気に入っていた方には少々取っつき難く感じるかもしれないし、前作で聞かれたような派手なキーボード・ソロやインタープレイの応酬だったり、プログレ的なテクニカルなプレイ部分なんかを期待していた向きにもお薦め出来ないが、ソロ作と思えぬ壮大なスケールと完成度、そして艶やかで美しいメロディアスなサウンドの数々は、流石は第一線を長年渡り歩いてきたベテランミュージシャンの放つアルバムだと納得しきり。

Phil Lanzon  (Keyboard & Lead Vocals)
John Mitchell  (Lead Vocals)
Andy Makin  (Lead Vocals)

Richard Cottle (Additional Keyboard、Saxes)
Neal Wilkinson (Drums)
Adam Goldsmith (Guitar)
Mick O'Donohue (Guitar)
Miriam Grey  (Lead vocals、Background Vocals)

Phoebe Street、Andy Caine、Andy Playfoot (Background Vocals)
Tom Walsh  (Trumpets)
Clare Mcinerney(Saxes)
Neil Sidwell  (Trombones)

Chris Haigh  (Violin solo)
Richard Harwood(Cello solo)
Levine Andrade (Viola solo)

London Telefilmonic Orchestra Violin 1、Violin 2、Viola、Cello、Double Bass





# by malilion | 2019-08-24 18:18 | 音楽 | Trackback

サイケでレトロな風味もあるUSA産ヘヴィ・シンフォ・バンドMOON LETTERSがデビュー!

c0072376_09442076.jpgMOON LETTERS 「Until They Feel The Sun」'19

アメリカ西部ワシントン州のシアトルを拠点とする幾つかのローカル・プログバンドのメンバー達5名が集って新たに結成された、J.R.R.Tolkienでお馴染みな『The Lord of the Rings』に登場するドワーフが発明した秘密文書法からバンド名をとったUSA産ヘヴィ・シンフォ・バンドが自主制作でデビューアルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

垢抜けぬイモ臭ささ炸裂なヒッピー染みた髭面のメンバーのルックス(笑)まんまに、60年代風のレトロなフォントのバンドロゴやファンタジックな香り漂うバンド名に相応しい、クラシックなプログレ・サウンドに強く影響を受けたサイケデリック風味もあるシンフォ・ロックを演っている。

本デビュー作は北極海の民間伝承に触発されたストーリーがベースとなっているコンセプトアルバムで、大雑把に言って初期GENESIS+YESなシンフォ系に良く居るサウンドをベースにしつつ、KANSAS、RUSH、KING CRIMSON等の影響がチラつく音楽を奏でている訳だが、彼等がその他のシンフォ系バンドと毛色が違って聞こえるのは、より70年代初期風に寄せたレトロっぽいサウンドタッチなのと、フロントマン Michael Trewがフルートも奏でる事によってJETHRO TULLっぽいイメージ(特にLIVE映え的に)がサウンドに加味されている点や、キーボーディスト John Alldayとベーシスト Mike Murphyが揃ってトランペットも演奏し、オーケストラのようなアレンジを施した管楽器サウンドをバンドへ持ち込んでいる点も大きいのだろう。

また、Michael Trewのヴォーカルスタイルはシャウトしない歌い上げる風の非ロック系(非ガブリエル・スタイル)なのと、バッキングヴォーカルも務めるキーボーディスト John Alldayとベーシスト Mike Murphy二人も同様に非ロック的な妖しいスキャットやハミングを聞かせるスタイルなので、分厚いヴォーカルパートなのにアメリカン・ロック的な爽快さや軽薄さは無く、USヴィンテージ系なのに70年代初期アメリカン・プログレ定番なJAZZっぽさやカオスな雰囲気を醸し出すヘヴィなパワー圧しな所も見せない、かなり意図的に70年代ユーロ・プログレな音像へ接近した、サイケ風味も漂わすダイナミクスと凝った楽曲展開と高度なテクニックが交差する完全なプログレッシヴ・スタイルと言える最近珍しい正統派サウンドなのが、その他のモダンな解釈のサウンドを加えた新世代シンフォ系バンド(実際、進歩的なのはその他のバンドの方なんだけど…)と違って聞こえる面白い所と言える。

無論、単なるリヴァイバル・サウンドではないので現代のバンドらしいモダンなテイストがサウンドのそこかしこから感じられるし、複雑なメロディーが交差するヘヴィなインストゥルメンタル・パートがメインなものの、フルート、ギター、シンセがソロタイムで牧歌的でマッタリとソフトなメロディを奏でるパートも多く聞かれ、前衛的なパッセージを繰り出すややトリッキーなリズムと変化し続ける細やかなメロディーを渦巻くシンセと繊細なギターと軽めのボーカルラインが豊かに奏でるだけでなく、シアトリカルさとヒネリを加えられた歌メロは実に独創的で、アルバムを聞き終えた時に全体的に見て牧歌的なものからヘヴィ・シンフォなサウンドも含めてメロディは複雑過ぎず、けれど十分にダイナミックな展開とキャッチーさは無いけれど妙にメロディが耳に残るという、デビュー作としては上出来な魅惑的なシンフォ・サウンドなのは間違いない。

後はUSバンドながらサウンドの叙情感はかなりユーロ圏バンドに迫っており、その点でUSインディ系シンフォを毛嫌いしている方にもお薦め出来る期待の新バンドとも言えるだろう。

既に海外のプログレ系ファンジンやメディアには好評を博している模様な彼等のデビュー作だが、幾分楽曲展開が唐突に感じる点がある事や、もうちょいヴォーカルパートに爽快さとキャッチーさが欲しいし、楽曲もコンパクトな方が好みだけれども、今の時代にこれだけ個性的で正統派なプログレ・サウンドに真っ向から挑んでいるバンドは珍しいので、是非ともこの路線で長く活動を続けて欲しいものであります(*´ω` *)




# by malilion | 2019-08-12 09:38 | 音楽 | Trackback

クリスチャンHMバンドANGELICAのデビュー前音源、初代ヴォーカリスト Andy Lyonの歌声が聞けるデモテープがCD化リリース!


c0072376_12353705.jpgANGELICA 「The Demo Sessions」'19

後にソロアルバムも発表するカナダ出身のギタリスト Dennis Cameronが87年に結成、80年代後期から90年代初頭にかけてアルバム4枚をリリースしたクリスチャンHMバンドANGELICAの超レア発掘音源が限定リリースされたので即GET!

最近、1st、2ndが限定盤とは言えデジタルリマスター&リイシュー(残念ながら未発音源追加等のボートラは無い)されANGELICAファンは歓喜に沸いた事でしょうが、本作はそんなオリジナル・アルバムのリイシューと同時にリリースされた超目玉作です。

以前ここでも解説したと思うのですが、彼等のデビュー作のメンバークレジットは Andy Lyon(Vocals)、Scott Ernest(Drums)、Robert Pallen(Bass)、Dennis Cameron(Guitars)の4人なのですが、実際アルバムに納められている歌声はDRIVERプロジェクト(Rudy Sarzo、Tommy Aldridge、Tony MacAlpine、Rob Rock)でその歌声を披露していた、後にIMPELLITTERIで長らくフロントマンを務める事になる Rob Rockと何故か一曲だけ 当時SHOUTで活動中の Ken Tamplinが歌声を披露しているというクレジットとパフォーマーが一致していない怪作であったのですが、今回遂に1stアルバムでは聴く事の叶わなかったその Andy Lyonの歌声が納められた、デビューへ向けてのオリジナル・デモ音源が初CD化と相成りました!!('(゚∀゚∩

いや~、まさか30数年の時を経て幻の Andy Lyonの歌声がこうして聞ける時が来るとは、正に予想外のお宝音源の登場だ(w

さて本作についてですが、本アーカイヴ収録の9音源の楽曲は1曲を除き全てデビュー作に収録されており、デビュー・アルバムにしては12曲収録と多目なヴォリュームな処女作の、そのアレンジの変化や Ken Tamplinが関わる前と後での楽曲の仕上がりの違いを楽しむ事が出来ます。

デモ音源と言う事でテープの回転数のムラなのか音像が揺れっぱなしだったりバランスや音程が急変したりとボトムの音もスカスカ(後半音質は幾分か改善する)なのも相まってそう何度も聞きたいと思えるアーカイヴアルバムではないのですが、Andy Lyonの歌声は所謂アメリカンHMに良く居たちょっと苦汁声も交えたミドルレンジ主体のメロディアスでストレートな歌唱を聞かせ、デモなんでちょいヘナチョコ(笑)でキャッチーなコーラスハーモニーもフィーチャーしたスタンダードな80年代USロックに近い、デビュー前の時点でのANGELICAサウンドに良くマッチしている。

面白いのはデモ時点で Dennis Cameronのギタープレイは既にテクニカルで音数の多いプレイを披露しているものの、アルバム全体のバランスを気遣ったフューチャー具合(完成版はMIXで前に押し出されてるから?)で完成版より地味目なプレイと言え、後に見られる派手でトリッキーな自己主張の強いインギー張りなプレイへの変化はアドバイザーであった Ken Tamplinの助言(そういう時代だったんですよねぇ…)であったのでしょう(笑

屈託の無いアメリカの若者まんまな表情の Andy Lyonのフレッシュな歌声と若かりし頃の Dennis Cameronの、その時点で最高のアイディアとプレイ全てを詰め込んだ成功を夢見て才気走る情熱が封入された本デモの音源の方が、パワー満点で安定感抜群な Rob Rockの圧倒的な歌声をフィーチャーしたゴージャスな完成版の造り込まれたサウンドと違ってアマチュア臭いけども瑞々しい感性を感じさせ、デビュー前だからこその勢いや焦燥感のようなものがサウンドから滲み出しているようにも思えて、この後時を置かずして凋落していくメロディアスでキャッチー、そしてテクニカルなギターをフィーチャーした華やかなアメリカンHM最期の輝きのようで実に儚いのです……

もし、Andy Lyonがデビュー前に燃え尽きずその歌声を納めたアルバムを予定通りリリース出来ていたならば、恐らくANGELICAのデビュー作はB級USメロディアスHM程度の扱いでメディアにもそう注目されなかったかもしれないが、バンドとしては着実なステップを踏んでレベルを上げ長く活動を続けられたかもしれない、とも思うし、その後暗黒のグランジーの波が全米を覆う事を考えると脱退していなくてもバンド自体90年代を迎えずに解散するかシーンに埋没していたかもしれない、とも思え、Andy Lyonが脱退した事で Rob Rockと Ken Tamplinという抜群に歌の巧いヴォーカリストを迎えたデビュー作の話題性と注目をANGELICAにもたらし、バンドの寿命をとりあえずは延ばす要因となったと考えると、なんとも皮肉な運命の悪戯だと言わざるを得えませんね……

しかし、ANGELICAだけでなくTAMPLINやSHOUTのレコードも最近デジタルリマスター&リイシューされたようですが、CCM系のHMバンド再発ブームが来てるんですかね?

だったらもっともっとリイシューして欲しいアルバムが星の数ほどCCM系にはあるんだよなぁ~!

CCM系は独自のカテゴリーなのも影響してか、なかなか輸入盤が入ってこなかったりそもそもプレス数も少ないのか話題にならなかったりで、ホント昔から情報も無いし現物も無いという、なかなかに手強いジャンルなんスよねぇ…('A`)

歌詞の内容はお察しなものの、美麗で分厚いコーラスだったりキャッチーでブライトなサウンドが実に魅力的なバンドがホントCCM系は多いんだよなぁ…でも短命なバンドやプロジェクトなんか多くて音源は入手が困難で困難で…orz

ともかくANGELICAファンなら迷わず買い! な激レアアイテムなのは間違いないので、売り切れる前に早々に入手しておきましょう!

所で、なんでジャケにカタカナで『アンジェリカ』って、デカデカと表示されてるのか謎です…(汗


PS.8月にANGELICAの新作(!!)が27年ぶりにリリースされる模様なので、ANGELICAファンは刮目して続報を待ちましょう!('(゚∀゚∩


# by malilion | 2019-07-23 17:43 | 音楽 | Trackback

70年代末期のカオスなUSプログ・サウンドを彷彿とさせるUS新人バンド GREAT WIDE NOTHINGがデビュー!

c0072376_22442357.jpgGREAT WIDE NOTHING 「The View From Olympus」'19

米国ジョージア州アトランタを拠点とする三人組 Daniel Graham(Lead Vocals、Rickenbacker Bass、Electric & Acoustic Guitars)、Dylan Porper(Moog、Korg M-3、Roland D-50)、Jeff Matthews(Drums、Percussion)による、70年代プログレッシヴ・ロックに完全にインスパイアされたキーボードメインでマニアックなヴィンテージ風味シンフォ・サウンドが展開されるデビュー・アルバムをGETしたのでご紹介。

当初、Daniel Grahamがソロ活動を開始し、彼の作った曲を演奏する為にアトランタ音大の卒業生である二人を迎え本格的にバンドとして16年頃に始動しだした模様で、当然リーダーはフロントマンの Daniel Grahamと言う事になるんでしょう。

主にヘヴィなオルガンと繊細なピアノをメインに音楽は展開し、ヴィンテージ感を醸し出すメロトロンや華麗なシンセソロで要所要所を彩られたサウンドを聞くまでもなく、今風のモダンでメロディアスなシンフォサウンドと古典的UKプログレサウンドをMIXさせた初期USプログ・ロックのカオスなパワーと勢いを感じさせるノスタルジックなシンフォニック・ロックには、定番所のEL&P、GENESIS、YES、SAGA、RUSH、KANSAS、IQ、MARILLION等の影響が見て取れるだけでなく、USシンフォのILUVATARやMANFRED MANN'S EARTH BAND、それに初期PALLASっぽい所や図太くワイルドなオルガン大活躍な事もあって70年代のDEEP PURPLE風な感触や、意外にギター・サウンドにはPINK FLOYDっぽさもあり、様々なバンドのテイストを感じさせつつ洗練された今風のカラフルで叙情的なサウンドへ纏め上げているのは、結成されて間もない新人バンドのデビュー作としては上々の出来と言えるだろう。

Daniel Grahamの掻き鳴らすアコギと力強く歌い上げるその野暮ったいヴォーカルは、決して音域が広いとか巧いとは言えないが、ヴィンテージ感あふれる本バンドの70年代風USプログ・ロックには良くマッチしていて、中途半端に高く、それでいて低過ぎもしない70年代末期から80年代初期のインディUSプログ・バンドのフロントマン達に良く居た不器用ながら情熱的で不安定な歌声が絶妙な味を生み出しているように思う。

Daniel Grahamが Glenn McLaughlin(ILUVATARのヴォーカル)と Greg Lake足してFishで割った風な独特な声な事や、爽快なコーラス等ポップでキャッチーなヴォーカルメロディが殆ど見当たらない所なんかも如何にも混沌としたアートロックと呼ばれていた頃の70年代末期USプログ風ながら、しっかり今風にモダンな感覚も付け足されているので、70年代発掘テープモノのような時代遅れなサウンドに聞こえはしないのでご安心を。

現代のバンドらしく、歌詞で扱う主題は精神的なものだったり社会的に敏感な問題をモチーフにしたりと些か重苦しいが、そこはUS産バンドらしくテクニカルでスリリングなインタープレイの絡みを押しだしたり、キーボード弾き倒しを見せつけたりとパワー圧しで強引に楽曲を展開させたり、一転、涼やかなシンセやエレガントで艶やかなピアノも絡め、豊かなメロディと絶えず変化する巧みなリズム運び、そして効果的に配されたギターの音色を使い、幅広い魅力を持つカオスチックでカラフルなサウンドを紡ぐ様は往年のアメリカン・プログレハードに迫る風格も感じさせる、聴き応え十分な力作だ。

そもそもUS系全般に希薄だけれど、叙情感という点で言うとかなりユーロ系シンフォ・バンドに劣ると言わざる得ないが、北欧70年代リヴァイバル・プログ勢のダークサウンドとも一味違う抜けの良いクリーンなモダン・サウンドの感触と壮大なスケール感は新人USバンドならではの持ち味だろう。

現時点ではヴォーカルスキルがC級に片足突っ込んだB級クラスなのがモロに弱点になっているものの、キーボーディストの奮闘やリズム隊、特にドラマーの頑張りはなかなかのモノだし全体的なサウンドの完成度は上々と言えるので、ギタリストを追加で迎えるか、巧いヴォーカリストを迎えでもしたら、ひょっとしたら大化けする可能性も無きにしも非ずな期待の新人と言えましょう。

70年代UKプログ・バンドや80年代初期USインディ・プログバンドがお好みな方はチェックしても損はない新人バンドと言えると思います、が…本作はR盤なのよね…orz

もう今やDL購入がメインな時代とは言え、ちゃんとデュプリしたレコードをリリースして欲しかったなぁ…('A`)
なんかノイズ入ってるんですよね、所々で…R焼いてる時に電子レンジでもつけたのかエアコンか…それともオリジナルテープにノイズが乗っているのか…orz




# by malilion | 2019-07-22 22:38 | 音楽 | Trackback

Robert Berryを筆頭に凄腕ミュージシャン揃いなALLIANCEが十数年ぶりに新譜をリリース!

c0072376_10223922.jpgALLIANCE 「Fire And Grace」'19

欧米シーンを股にかけ、AORからプログレまで幅広いジャンルで活躍する Robert Berry(Vocals&Bass ex:3、ex:GTR、etc..)と Gary Pihl(Guitars ex:BOSTON、ex:Sammy Hagar、etc..)そして David Lauser(Drums ex:Sammy Hagar、ex:THE WABORITAS)によるメロディアス・ロックバンド ALLLIANCEが、前作『Road To Heaven』'08 以来、約十年ぶりとなる5枚目の新譜をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

久しぶりの新譜と言う事で残念ながらメンツに変動があり、前作に参加の Alan 'Fitz' Fitzgerald(keyboard ex:NIGHT RANGER、etc..)は本作に参加(Alanはロックシーンから引退してしまった模様…)しておらず、本作のキーボードパートは全て Robert Berryがプレイしている。

ただ、近年 Keith Emersonの遺作とも言える『3』の続編『3.2』を独力で完成させた事で元々マルチプレイヤーだった Robert Berryのキーボードプレイにも一層の磨きがかかったのか、兼任パートながら80年代メロディアス・ロックを思い出させるサウンドに満ちた本作の至る所で際だったシンセワークをタップリとフィーチャーし、Alan 'Fitz' Fitzgeraldの不在を全く感じさせない。

デビュー作はキャリアあるミュージシャン達が結成したスーパーバンド的な扱いで注目され日本盤もリリースされたりしたものの、派手さとは無縁な奇をてらわぬオーセンティックな正統派アメリカンHRをプレイしていた事もあって次第に注目度が落ち国内盤リリースも見送られるようになり、各自多忙を極める活動状況もあってか次第にALLIANCEの活動が停滞していった彼等だが、本作では幾分か以前よりハードでエッジを感じさせるサウンドなもののファンの期待通りのクラシック・スタイルなアルバムを提供してくれている('(゚∀゚∩

アルバムは80年代初頭のシンプルなメロディアスロックとAOR要素で構成されているが、流石に単なる懐古サウンドである訳はなく、経験に裏打ちされた名うてのミュージシャン3名の手による、至る所にフックが有る魅力的なメロディーとダイナミックなアレンジ、キャッチーな雰囲気とブルージーなタッチ、そして素晴らしいハーモニーとコーラスが満載な、タイトでソリッドなリズムとグルーヴの上に構築されたコンパクトな楽曲の、Robert Berryの力強く説得力あるメロディアスな歌声と Gary Pihlの如何にもアメリカン、というワイルドでストレート、そして急上昇するギターソロが爽快な、プログレ的な要素は全くないシンプルなプレイだけの組み合わせ(乾いたスライドギターの音色と跳ね踊るホンキートンク調のピアノが如何にもアメリカン! な上に、ファンキーなベースラインも最高♪)で過剰な装飾やドラマティックさが排除された、けれど心地よくポジティヴな雰囲気に満ちた80年代フィーリングの洗練されたモダン・アメリカン・ロックアルバムは、今の耳で聞くと妙に新鮮で個人的にも大満足であります(*´ω` *)

もしALLIANCEのサウンドをご存じない方でも、幾分商業的な色づけのされたシンプルなアメリカンHRがお好みな方なら、本作はきっとお気に入りな一枚となる事でしょう。

Robert Berryをはじめ各自多様なプロジェクトやツアーで多忙を極める売れっ子ミュージシャンなのは承知しているけれど、出来る事ならば次のアルバムまで今回程長いインターバルを彼等が開ける事なく良い知らせを届けてくれる事を祈って…




# by malilion | 2019-07-09 10:15 | 音楽 | Trackback