人気ブログランキング |

2019年 09月 30日 ( 1 )

カナダ人メロハー・シンガー Rob Morattiのソロ第三弾『Renaissance』を今頃ご紹介。

c0072376_20211121.jpgROB MORATTI 「Renaissance」'19

様々なメロハー・プロジェクトへのゲスト参加やMORATTI、FINAL FRONTIER、SAGA、RAGE OF ANGELS等と参加するバンドを変えアルバム毎にハイトーンが冴える歌声のパワーと艶を増し、メロディアス・ロックシーンでその存在感を増してきたカナダ人シンガー Rob Morattiの、前作『Transcendent』から3年振りとなる待望のソロ三作目がリリースされたのを、かなーり遅れてGET!

前作が『超越』という大仰なタイトルのアルバムであったが、そのタイトルに偽りない高い完成度と優れた楽曲が詰め込まれた一枚であったのにメロディアス・ロックファンは異議を唱えないだろうが、続く本作タイトルが『ルネサンス(再生、復活の意)』とあって一体どんな変化が Rob Morattiの音楽に訪れたのかと少々心配したが、結局の所は音楽的に大きな変化は無く、過去2作のソロ作が気に入ったファンの期待を裏切る事無いだけでなく、幅広くメロディアス・ロック・ファンにアピール出来る安定安心な良作アルバムだ。

全ての楽曲に共通して、フックある美しいメロディーと爽快に突き抜けるコーラス、AOR風味が増し惰弱になりそうな楽曲をピリリと引き締めるツボを心得たエッジあるギタープレイと目立たぬバッキングで華麗に楽曲を飾り立てるキーボードのソツない伴奏、そしてそれらバックのサウンドを足がかりに縦横無尽にその美声を轟かせる Rob Morattiのヴォーカル・パフォーマンスが非常に優れているのは明らかであり、全体的にAOR風味の増したアルバムの楽曲の隅々にまで Rob Morattiの魅力が満載された一枚と言えよう。

アルバム制作陣は前作と同じで、ボスの Rob Moratti(Lead & Backing Vocals、Producer)をはじめ、Torben Enevoldsen(Lead & Rhythm Guitar、Keyboards:SECTION A、etc...)、Fredrik Bergh(Keyboards:STREET TALK、BLOODBOUND、etc..)、Tony Franklin(Bass:THE FIRM、BLUE MURDER、WHITESNAKE、Kate Bush、etc...)、Stu Reid(Drums:MORATTI)の五名となっており、特別なゲストなどは招かれておらず、プロデュースのみならずミックスやマスタリングまで Rob Morattiが手がけており、細部にまで自身の追求したいサウンドを創作するのに心血を注ぐ職人的な強いこだわり(の割に、楽曲フェードアウト部分がちょっとぞんざいじゃない?)が見て取れる。

ただ、何もかも手放しで褒め称えられるかと言うとそうでもなく、トリビュート・アルバムを創ってしまうくらいJOURNEY(と言うか、Steve Perryか)に影響を受けている Rob Morattiなので、彼の創作する音楽に80年代JOURNEYっぽさが漂うのは別段驚くに値しないのだが、前作は『タイトルに偽りなし!』な一作であったものの本作の楽曲の出来や音楽性の幅やバリエーションについては、この手のAOR風味なメロディアス・アルバムとしては少々典型的、類型的で、バックのメンツのプレイは総じて高いレベルで結実し文句の付けようがない高品質なのだけれど、如何せんこの手のジャンルに付きものな“独創性の欠如”や“未知のサウンドとの出会いや新鮮な驚きの欠如”という最大の弱点を覆い隠すには至らず、『アルバムタイトルに偽りあり』という印象が残ったのは少々残念でした…

とは言え、メロディアスでキャッチーな非常に強力な楽曲が最後まで途切れる事無く続くこのアルバムは多くの点で傑出しているのは疑いようもなく、その素晴らしい収録曲の多くにシングルヒットの可能性があり、AOR&メロハー・シーンだけでなくポピュラー・ミュージックシーンでも高い評価が得られるだろうハイクオリティーなサウンドであるのは間違いなく、JOURNEY、FOREIGNER、NIGHT RANGER、SURVIVOR、TOTO等のキャッチーなブライトサウンドが売りの80年代アリーナ・ロック系バンド好きな方ならば間違いなくチェックして損はない一枚と言えるだろう。

まぁ、Rob Moratti的には、煌びやかなアリーナ・ロックの本場であるはずのアメリカで、ラップやガレージロックに隅に追いやられて殆どその姿を消したロックバンド達に代わって、往年のサウンドを再生してる、決して焼き直しなんかじゃない、という意味くらいでアルバムタイトルを付けただけなのかもしれませんけど…(汗

文句の付けようのない高品質な楽曲だけれど、個人的にはもうちょい叙情的でウェットなメロディや陰影深いサウンドの“押し引き”な演出等が聴けると、本当に至極の一枚ってレベルになったように思うが、まぁ Rob Morattiの音楽的なバックボーンはUSAアリーナ・ロック的な部分が大きいのが丸分かりだし、見当違いなアーティストにユーロテイストを期待しちゃうのがそもそも間違っているのでしょう。

そうそう、やはり海外でも突き抜ける高音域を自信満々に歌う Rob Morattiの歌唱力はリスナーの多くを驚愕させるようで、Peter Cetera(ex:CHICAGO)や Jon Anderson(ex:YES)等のハイトーン・ヴォーカリストのビッグネームとも比較されるくらい知名度を上げて来た模様だが、反面あんまりにも高過ぎる天へ突き抜けるその歌声が“Mr.Autotune”と揶揄もされているようだ(笑




by malilion | 2019-09-30 20:14 | 音楽 | Trackback