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2019年 09月 09日 ( 1 )

35年ぶりに蘇った幻のUSメロハー・バンドFORTUNEが2ndをリリースしたのを遅ればせながらご紹介。

c0072376_09360969.jpgFORTUNE 「Ⅱ」'19

カリフォルニアをベースに活動し、85年にアルバムをメジャーシーンに放ったものの、プロモーション不足に加え所属レーベル倒産と言うアクシデントによって早々に解散した幻のKey入り5人組USメロハー・バンドFORTUNEの、35年ぶり(!!)となる2ndアルバムがリリースされたのを幾分遅れてGET!

そもそも彼等が注目された切っ掛けは、FORTUNEの元メンバーである L.A.(Larry)Greene(Lead Vocals & Guitars)と Roger Scott Craig(Keyboards & Backing Vocals)がUSメロハー・バンドHARLAN CAGEを結成し、そのAORテイスト香る憂いを帯びた叙情的なメロディとキャッチーなサウンドが日本でも受けて96年にデビュー作が国内盤でリリースされた事にはじまる。

HARLAN CAGEが好評となると、そのメンバーがかって在籍し、しかもメロディアス作の名盤をリリースしていというバンドFORTUNEの噂が知れ、当然の如く多くのメロハー愛好家がFORTUNEの唯一作を探し求めたんですが、当時はオリジナルアルバムはアナログLPでしか存在せず、しかも解散して既に十年近い歳月が流れていた為にプレミア価格でしか入手する事は叶わず、多くの愛好家が涙を呑んだのでした…(ノД`)

04年にGYPSY Rock RecordsなるUSAレーベルから、オリジナルリリースから20周年を記念してのCD化が成され、3曲の未発曲をボーナストラックとして収録したリイシューが成されるまで、長い間メロハー愛好家には手の出ない噂先行の幻のメロハー名盤アルバムでありました。

最も、04年のリイシューの前に、既に大量の板起こしブート『FORTUNE』CDが出回っていましたけど…(汗

ただ、3曲の未発曲を追加して記念盤をオフィシャルリリースしてくれたのは有り難かったのですが、GYPSY Rock Records盤は明らかに板起こしの音源でありました…('A`)グアァ

結局、11年にメロハー愛好家御用達なドイツのレーベルAOR Heavenで好評の『AOR HEAVEN Classix』シリーズの再発第9弾アルバムとして、オリジナル・マスターテープからのDigitally Remastered盤がリリースされるまで、ノイズ混じりな音でFORTUNEのアルバムを楽しむ他なかったんだよなぁ…

只、何か問題があったのか、オリジナルテープが見つからなかったのか、はたまたクオリティにメンバーが納得いってなかったのか、このAOR Heaven CLASSIX盤では、GYPSY Rock Records盤のボーナス3曲のうち2曲(2曲共にLIVE Track)がカットされ、1曲のみがボーナス曲として収録されておりますので、板起こし盤だからと言ってGYPSY Rock Records盤を無視も出来ないのがなんとも…

デビュー作のサウンドは、煌びやかでメロディアスなキーボードサウンド、エッジを保ちつつメロディ至上なプレイを奏でるギター、分厚くキャッチーなコーラスと、しっとり歌い上げるヴォーカル全てが、USバンドらしからぬウェットな美旋律を紡ぎ、メロディアスHRバンドのアルバムとして理想的なサウンドが詰め込まれた名盤と言え、ポップ系ならREO SPEEDWAGONやJefferson STARSHIP、HM系ならSAXON、Y&T、KEEL、LEATHERWOLF、Michael Schenker Group等々のプロデュース及びエンジニアリングを手がけた Kevin Beamishのビッグで光沢あるプロダクションによって、ブライトでキャッチーなサウンドに一層に輝きが与えられておりました。

タイプとしてモロに80年代アリーナロックの流れを汲むポップロックで、JOURNEY、STYX、SURVIVOR、FOREIGNER、ASIAと同じ系等のバンドと、当時は騒がれていたなぁ…

実際は、上記のバンドとは少し毛色の違うウェット感がより強いサウンドで、NEW ENGLANDやWHITE SISTER、初期のHOUSE OF LORDS等がお好みな方ならきっと気に入る、ユーロ風な香り漂うメロディとUSバンドらしいキャッチーなサウンドが楽しめるそんな一枚と言えば伝わりますでしょうか?

さて、長い長いインターバルを経て遂にリリースされた本作についてですが、残念ながらオリジナルメンバーでのリユニオンとはなりませんでした…(ノД`)

Richard Fortune(Lead Guitars & Backing Vocals)と Mick Fortune(Drums & Backing Vocals)のFortune兄弟は変わらず本作でも参加しており、フロントマンだった L.A.Greeneも今回のリユニオンに馳せ参じてくれておりますが、ベーシストに Ricky Rat、キーボ-ディストに Mark Nilanなる二人の新たなメンバーが加わっての再始動となっている。

まぁ、35年もインターバルがあった訳だし、L.A.Greeneはソロ名義で映画『Top Gun』や『Over the Top』のサントラに参加し知名度を上げ、HARLAN CAGEを Roger Scott Craigと共に結成して好評を博して未だに活動継続中な訳だし、オリジナル・ベーシストの Bobby BirchもWARPIPESなるメロディアスバンドで活動していたりで、それぞれ各自に音楽活動を継続していたのですから流石に完全なるリユニオンが成されると期待していたリスナーはそう居ないでしょうが、ソングライティング面で中心人物の一人であった Roger Scott Craigが今回メンバーに名を連ねていないのが非常に残念であります。

とは言っても、本作でも作曲やキーボード演奏で半数の楽曲に参加をしているので、彼自身も色々なプロジェクトや自身のバンドで活動をしている為、残念ながら今回メンバーとしては参加出来なかっただけ、と言う事なのでしょう。

同じくデビュー作でベースをプレイしていた Bobby Birchも本作ではメンバーではないものの一曲客演を果たしておりますので、Fortune兄弟と元メンバー達は今でも優良な関係のままなのが窺えます(*´ω` *)

ただ、バンド名が示している通りこのバンドは78年レコードデビュー当時(最初は Richard Fortuneと Richardの妻のデュオ編成で音楽性もAORセッション・プロジェクトだった)から Richardと MickのFortune兄弟が中心でありますし、オリジナルメンバーも二人を除いて82年のメジャーデビューに向けてのバンド再編成時点で他に居らず、1stのソングライティング面で中心人物だった L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人はその再編成時から参加したメンバーだった訳ですから、仮に L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人が今回のリユニオンに全く関わっていなかったとしてもバンド名はFORTUNEであっただろう事は予想出来ますけどね。

で、新作のサウンドですが、35年ぶりと言うのが嘘のようにデビュー作のままな音楽性で、よりモダンでシャープになったキャッチーでウェットなメロディが眩く輝くようなメロハー愛好家大興奮のサウンドを楽しませてくれる('(゚∀゚∩

懸念していた Roger Scott Craigの穴の影響は窺えず、自身のリーダーバンドである意地とでも言えましょうか、Richard Fortuneの頑張りが素晴らしく、デビュー作で幾分キーボードの煌びやかで分厚いサウンドに隠れていたきらいのあったギターサウンドが、美旋律に溢れたメロディアスHRサウンドの上で、伸び伸びとセンス良い、リフに、ソロにと大活躍しており、待ちに待たされた彼等のファンは歓喜する事間違いなしのウェットなメロディが心地よい、キャッチーでポップなコンパクトに纏め上げられたサウンドを披露している。

新加入の二人も控え目ながらソツないプレイを繰り広げ、デビュー作と比べると幾分裏方に回った感じなキーボードパートな配分の楽曲ではあるものの Mark Nilanがモダンでセンス良いキーボードプレイを聞かせている点も見逃せない。

まぁ、半数の楽曲に Roger Scott Craigのクレジットがあって、彼の関わった楽曲ではググッとキーボードが前に出てくるので、そう音楽性が変化する訳もないっちゃないんですけどね(汗

本作は彼等の1stアルバムを長く愛し続けてくれたメロハー・ファンへの感謝を表す意を込めてリリースされたらしく、今後バンドが本格的に活動を継続するのか幾分曖昧な状況ではありますが、出来る事なら是非このまま本格的な活動へつなげて欲しいものであります。



by malilion | 2019-09-09 09:30 | 音楽 | Trackback