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2019年 03月 20日 ( 1 )

ネオ・プログレ系+80年代USプログハード系サウンド=ワンマン・シンフォ・プロジェクトNOT OTHERWISE SPECIFIEDが新譜をリリース!

c0072376_16533334.jpgNOT OTHERWISE SPECIFIED 「Deadweight」'19

08年から活動を開始し、11年5月にデビューアルバムをリリースしてからこれまでにアルバム一枚とシングル一枚(GENESISの『Dance On A Volcano』のカバー)をリリースしている Craig Kerley率いるUSA産シンフォ・バンドの自主制作3rdがリリースされたのでご紹介。

ヴォーカル、ギター、キーボード、ベースをプレイするマルチ・ミュージシャン Craig Kerleyを中心に多数のゲストを迎え制作するワンマンバンド体制に変化はなく、デビュー作から前作までギタリスト Jason Rowlandがヘルプで参加していたがその名は本作には見当たらず、複数のベーシスト、複数のドラマー、そして新たなギタリストをゲストに迎え本作は制作されている。

所謂ネオ・プログレ系サウンドとKANSAS等の80年代USプログハード系サウンドをMIXし、今風にモダンにアップデートしたサウンドを提示する Craig Kerleyではあるが、『他に分類されない』『他に特定されない』という意味の『NOS(not otherwise specified)』という大仰で孤高感タップリな中二病臭いバンド名とは裏腹に、DREAM THEATER、GENESIS、PINK FLOYD、SPOCK'S BEARD等のバンドの影響がそこかしこで見え隠れしており、やはり1人バンドだとどうしてもその手の露骨に影響を受けたバンド群のサウンドカラーが透け見える弊害は拭い切れていない。

とは言え、1人シンフォ・プロジェクトにしてはかなりバンドっぽいサウンドなのは確かで、大仰なネオプログレ風キーボードが活躍するのを始め、プログレやポンプ定番のヘタウマ・ヴォーカルではないしっかりハイトーンもカヴァーする歌唱力は自主制作盤としては、もう少し頑張れば極上のB級シンフォ・サウンドへ手が掛かる程のハイクオリティな出来なのは間違いないだろう。

ただ、USA産にしてはかなりメロディに哀愁が漂う所謂ユーロ系シンフォ指向サウンド(デビュー作当時を思えばかなりメタリックさは減退している)だが、やはりどうしても1人多重宅録な弊害かサウンドのスケールがこじんまりしているのと、サウンド全般がドライで硬く、ナチュラルな響きや、薫り立つような艶やかさは少ないのが難点と言えば難点か。

テクニカルなプレイをしっかりフィーチャーしつつ、5、6分台にコンパクトに纏め上げられた楽曲や、短いながらもSE等をイントロに使って壮大なスケール感を演出しようとしている努力は分かるし、全体的にユーロ系指向なサウンドっぽいのに、USA産特有なエネルギッシュな鍵盤弾き倒しプレイや、ヘヴィでエモーショナルなギタープレイを織り交ぜたサウンド、そして Craig Kerleyの熱唱を聞くまでも無く、どうにもパワフルでハードなサウンドの側面が勝っているのと“圧し”が強い為に“引き”が生み出す叙情感やドラマチックな楽曲展開等が弱く、アルバム全体を通して聞くとまだまだ今一つな仕上がりに思え、そういった点は少々残念だ。

Craig Kerleyのミドルレンジ主体な歌声は声質を含めて悪くないパフォーマンスだし、楽器のプレイも全て平均点以上なので、是非とも固定メンツを迎えてちゃんとしたバンド体制で次なるアルバムは制作して欲しいものであります。



by malilion | 2019-03-20 16:47 | 音楽 | Trackback