ZINATRA 「The Great Escape + 4」'25 〝オランダの貴公子”こと Robby Valentineがソロ・デヴューして大活躍する前に在籍していた1987年結成のオランダ産5人組メロディアスHRバンドが1990年にリリースした2ndアルバムがリイシューでお馴染みのフランス Bad Reputationレーベルより最新リマスター&ボートラ追加で待望のオフィシャル・リイシューが成されたのを即GET! 1988年リリースのセルフタイトルのデヴュー・アルバム時はツイン・ギター5人編成であったが2ndアルバム・リリース前に健康上の問題から脱退したギタリスト Sabastian Florisに代わって元1st AVENUEのキーボーディスト Robby Valentineが1989年末に加入しバンド編成が改まると、Robby Valentineが積極的に作曲に参加す他にも〝ジェネリック BON JOVI”とか言われデヴュー当時某B誌でコキ降ろされ(個人的にはデヴュー時から大好きです!)ていた米国人ソロ・シンガーで後にUSメロディアスHMバンド DANGER DANGERのフロントマンへ抜擢される Paul Laine (THE DEFIANTS、DARKHORSE、SHUGAAZER、ソロ、etc...)も楽曲を提供と、シンプルでストレートな歯切れ良いキャッチーなHRサウンドだったデヴュー時から如何にも80年代メインストリーム風の高らかに鳴り響く煌びやかなシンセと分厚くキャッチーなコーラスを大きくフィーチャーした、明らかに売れ線狙いの80年代イメージ色濃いバブリー&ゴージャスな雰囲気へと様変わりし華やかでフック満載なコンパクト・サウンドと前作以上にハードさ際立つ楽曲の完成度も格段にグレードアップした2ndアルバムを1990年初頭にリリースする。 ただ世界中のトレンドがグランジ&オルタナティブ・ロックの闇に飲み込まれつつあった当時、彼等の如何にも80年代といった艶やかでキャッチーなサウンドは市場で全く受けず、デヴュー作のシングルカット曲がチャート18位を記録したのに2ndアルバムからのシングルはオランダ国内チャートで48位、アルバムは72位と苦戦を強いられ、世界的にも惨敗という当時のメロディアス系バンド皆が涙を呑んだのと同様に無残な結果に終わり、David Lee Rothや Steve Vai のオープニングアクトを務めるなどして欧州やアジア圏で健闘するものの1992年に Robby Valentineが脱退し、程なくしてシンガーの Joss Mennenもバンドを離れ新バンドMENNENを結成と、DEF LEPPARDの Phil Collenがデヴュー作で一曲ギターを披露したりアルバム収録曲の殆どが外部の手による事を見ても分かる様に元々デンマークのソングライターの楽曲をレコーディングする為に集められたミュージシャン達によるスタジオ・プロジェクトとしてスタートし、後にレコード会社主導のバンドへと変わった生い立ち為か呆気なくZINATRAは解散してしまう… 本作ブックレットのメンバー・フォトの爆発したみたいに何倍にも大きく膨らんだ(笑) Robby Valentineのヘアスタイルだけでも1990年でコレは少々厳しいよなぁ、と即察せるくらい時代遅れな見た目をしてるんで、グランジー・ブームは置くとしてもGUNS N' ROSESをはじめ生々しいサウンドとラフな出で立ちのストリート系ロックが支持を集めていた当時にレコード会社が望む結果は難しかったんじゃないでしょうかねぇ…(´~`) 因みにそのQUEENナイズされた華麗なサウンドでここ日本で注目を集めた Robby Valentineが1993年に華々しくソロ・デヴューした当時、まだ本作の国内盤は購入出来ましたので彼の素晴らしいデヴュー・アルバムや続く2nd、シングルと矢継ぎ早に繰り出される音源に心ときめきいて慌てて本作を買い求めた諸兄も多かった事でしょう。 実際、Robby Valentineが大活躍したお陰で1st AVENUEのアルバムの国内盤のみならず関連人脈の音源までリリースされ、そもそも欧米で吹き荒れるグランジー旋風と相容れぬ日本市場だからこそ持て囃された初期QUEENを思わすナルシスティックで妖しく華やかな70~80年代と地続きな音楽性であった事や当時のQUEENファンからの賛否両論巻き込んだ〝オランダの貴公子”のインパクト、今からじゃ信じられないくらいな絶大でありました(汗 その注目の Robby Valentineのプレイについてですが、あくまでバンドの一員という立場(新入りだし当然だが)でプレイを心掛けている模様で、楽曲の構成上派手なソロ・パート等は無いものの縦横無尽に弾き倒す只者でないシンセ・ワークを既に魅せており、この時点で既に後のソロ・デヴュー後の音楽性が垣間見える瞬間が多々あるのが本作の面白い聴き所と言えるのではないでしょうか? 後のソロ活動で聴ける Robby Valentineのプレイはややもすると楽曲のバランスを壊してしまう自己中心的で洗練やスタイリッシュとは程遠い、けれどそこが初期QUEEN(と、言うか Freddie Mercuryか)を彷彿とさせ実に魅力的なのですが、ビブラート全開な繊細さと不安定が紙一重なヴォーカルと相まって大仰で華麗過ぎてクドく感じる瞬間が無いとは言い切れないのが玉に瑕で、本作での一歩引いた演奏スタイルの方が好みだ、という方もいらっしゃるかもしれませんね。 さて、待望のリイシューが成された本作のサウンドですが既述の通りデヴュー作より更に売れる事を狙った楽曲とサウンドで構成されており、ハードロック、AOR、シンフォニック要素を巧みに融合させキャッチーでコンパクトなラジオフレンドリー丸出しの80年代王道USメインストリーム・サウンドに倣ったハードさとドライさを加味しつつ仄かにアメリカン・テイストあるユーロ・ハードポップ・サウンドはかなりの完成度で、もしもグランジー・ブームが無ければ間違いなく良好なチャートアクションを記録したであろう隙無い仕上がり具合の一作となっているのが実に惜しい。 とは言え、優れた演奏技術とインスピレーションに満ち溢れた朗らかでパワフルなサウンドを聴かせはするものの音楽的には特に目新しい試みや先進性がある訳でもない、90年代当時のシーンの流れから完全に取り残された感が否めぬ80年代的音楽性の良く出来た軽めなサウンドのユーロ・コーポレート・ロック、又はユーロ・ハードポップ作でしかなく、ミドルレンジ主体で歌い上げる Joss Mennenはなかなかの歌いっぷりとは言えAORやコーポレート・ロック界隈に置いては別段特筆する程のヴォーカル・スキルを発揮している訳でもない、オランダ産HRバンドにしては上手い方なヴォーカル・レベルでしかなく、その辺りは彼が後に自身のリーダー・バンドMENNENを率いて活動したものの大ブレイクを果たせなかった事からも伺えるだろう。 ボーナスの4曲もアルバムと同一方向性のサウンドで、デモ音源等のどうでも良い発掘オマケ音源等ではない、寧ろアルバム収録曲より活きが良くワイルドなギターが大活躍するハードドライヴィンしている所謂HRらしい勢いある楽曲(露骨にL.A.メタル過ぎる気はするが)なのでコレ目当てに古いオリジナル・アルバムをお持ちお方も手をだしてみても決して損にはならないと思いますよ? とまれ初期BON JOVI、DANGER DANGER、Paul Laine、BLUE TEARS等のキャッチーでコンパクトなキーボードがフィーチャーされた80年代USロック&ハード・ポップがお好きな方なら激ダサなジャケットからは目を逸らして(笑)一聴してみる価値は間違いなくある、今の若いメロハー・ファンにも是非一度チェックしてみて欲しい美旋律愛好家にとって暗黒時代であった90年代に一瞬だけ輝きを放った、まるで荒涼とした砂漠に一時だけ姿を現した幻のオアシスの様であったオランダ産メロディアス作の一枚であります。 Track List : 01. The Great Escape 02. Take It To The Top 03. Two Sides Of Love 04. There She Was 05. Love Never Dies 06. Unknown Skies 07. Too Blind To See 08. Candyman 09. Hold On 10. Only Your Heart 11. Jekyll And Hyde 12. The Roaring Silence [Bonus Track] 13. Let It Go 14. You Only Live Once 15. Gone With The Wind 16. Heat Of The Moment (Live) ZINATRA are : Joss Mennen : Lead & Backing Vocals Gino Rerimassie : Guitars & Backing Vocals Ron Lieberton : Bass & Backing Vocals Robbie Valentine : Keyboards & Backing Vocals Eddie Rokx : Drums & Backing Vocals
by malilion
| 2025-11-14 15:37
| 音楽
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