Kirner & Montcorbier AOR PROJECT 「The Promised Land」'25 オランダ出身の作曲家の Stanislaw Kirnerと作詞家の Elian de Montcorbierが立ち上げたメロディアス・ユーロ・ロック&AORプロジェクトのデヴュー・アルバムがリリースされたのを即GET! 注目すべき点は REO Speedwagon、FOREIGNER、SURVIVOR等のコーポレート・ロック系やAOR等の影響を公言している中心人物の2人は演奏に参加しておらず、古の70年代プログレ・バンドや60年代ポップス・バンドの様に作詞だけ、又は作詞作曲と演奏者が別という形式で制作されているアルバムな事だろう。 メジャーなポップ・バンドやアイドル・ユニット等では別段珍しくもないが、インディのメロディアス系ロック・バンドでは余りお目にかかれぬフォーマットによる作品で、Stanislaw Kirnerと Elian de Montcorbierのコンビで他ににロック・オペラやHRプロジェクト等の音源も既にデジタル配信している点を見るに演奏よりも作詞作曲などの創作面を重視した裏方系オランダ人ライター・コンビなのは間違いなく、今後は他メロハー系バンドやソロ・アーティスト等にも楽曲提供するのか注目したいですね。 既にデジタル先行リリースされていた本作、デュプリ盤リリースにあたってボーナストラックが4曲追加されてのフィジカルCDとなりますのでデジタル先行音源をお持ちの方も本作に手を出してみても決して損はしません。 プロフェッショナルなミュージシャン達の手によるスタジオ・プロジェクトなので当然の如く演奏レベルは高く、肝となるのは作詞作曲やアレンジ、そしてプロダクション等でどれだけ他のメロディアス系バンドや幾つもある豪華ミュージシャン達が集ったメロハー・プロジェクト系の作品と差別化できるか、な訳で、期待に胸を高鳴らせて耳を傾けると、なんと飛び出して来たのは思いの他にシンプルでストレートなレトロ・タッチのロック系サウンドで、何百トラックも使ってギターとキーボード・サウンドでガチガチに作り込まれた分厚い人工的なメロハー系プロジェクト作サウンドを予想していたので些か驚かされましたが、そもそもAORプロジェクトだった訳(笑)だし、ハードサウンドなHRプロジェクトは別編成で創作しているのだからソレ系を期待する方がそもそも間違っていたのでした(汗 感触としては80年代初期にメジャー・チャートを賑わしていたユーロ・ポップスからダンス系要素は抜いて、もっとAOR風でストレートなコンテンポラリー・ポップロック・サウンドが身上だったソロ・シンガーのアルバムっぽい作風、というのが私が最初に抱いた本作の印象でしょうか? 首謀者2人が影響受けているアメリカン・ロックの影響がそこはかと香る隠し味になったシンプルな鳴りのスムースな80年代風ユーロピアン・ポップロック、って意外と他では今は聴けぬジャンル作ですよね、もしかしてダークホース狙い?(w 必要以上にギターも音符を紡がず、キーボードが薄っすらと後ろで洒落た音色を奏で、中域メインの滑らかな甘いヴォーカルの歌声を第一に考えて構成された隙の無い楽曲と気の利いたアレンジ、そしてほんのりレトロ・タッチなサウンドとアーバンなイメージを強めるサックスのムーディで艶やかな響きが実に味わい深く、打ち込みダンス系ポップスが一大勢力を形成しチャートを席巻していた80年代英国ポップス勢の影に隠れ、しっかりと良作を残していたユーロ・ポップスを彷彿とさせるコンパクトでキャッチーな良曲がズラリ揃えられた本作、深夜にラジオから流れる最新の洋楽ヒット・チューンの数々に耳を傾けていた様な年配の洋楽ファンな方程に懐かしさ倍増しそうな良作であります♪ (*´ω`*) 意図的にか軽めのギター・サウンドや弾き過ぎないキーボードのサンプルが古っぽく聴こえ、80年代中期以降のHMブームによるメジャー・シーン席巻がまるで無かったかの様な、当時のポップスがそのまま最新テクノロジーでモダンにお色直しされ磨かれた様なシンプルながら味わいあるノスタルジック・サウンドに仕上げられており、音の深み的には少々欠けるものの個人的には非常に楽しませてもらいました。 目指すジャンルがジャンルなだけに強烈な個性や他に類を見ぬオリジナリティ等の創造性は感じられぬ点や、インディ・プロジェクト作なので当然メジャー作と比べてプロダクションは極上とも言えず、又スタジオ・プロジェクト作故か音の広がりは狭くてこじんまりした印象を受けるのと楽曲毎のフェードアウトが些かぞんざいな気はしますが、そういったマイナス要因を鑑みても総じて質の高い楽曲と演奏で構成されたAORファンの期待に応える良作と言えるのではないでしょうか? ポップスだけでなくブルーズやJAZZ、果てはファンクやカントリーっぽいテイストなど幅広く様々な音楽性を感じさせる楽曲をバランス良く収録しているアルバムではあると思うが、当時のヒットチャート曲と比べると少々メロディに引っ掛かりが弱く、癖も弱く淡泊に感じるがプロジェクト作故そこは仕方がないのだろう… 今の若いメロハー系リスナーやガチガチのデジタリー・サウンドが当たり前なポップス・ファンにはどうしょうもなく古臭く聴こえる危険性はあるものの、デジタル系サウンドでは最も先進的な事で知られるオランダのミュージシャン達が敢えてわざわざこんなレトロタッチ・サウンドの作品をリリースした訳ですからそこには明確な意図と狙いがあるのは間違いなく、年配のリスナーが喜ぶだろうノスタルジックで爽快な本作の仕上がり具合に興味ある探求心旺盛な若いリスナーな方達には是非一度本作をチェックしてみて欲しいですね。 唯一苦言を申し上げたいのは、如何にもAI作なチープなジャケット・アートはいただけませんが、バジェットの限られるインディ作に贅沢は言えませんしね… Track List: 01. Walking The Streets 02. Old Age Rebellion 03. Home Of The Brave (Ballad Version) 04. The Man Who didn't Fit 05. The Promised Land 06. When I Look In The Mirror 07. Heart To Hide 08. New Tomorrow 09. Didn't Happen Overnight 10. Old Memories Don't Pay My Liquor Bills [Bonus Track] 11. Reach For The Sky 12. I Died Many Times Before (ft. Victor Lazlo) 13. Old Age Rebellion (First Recording) 14. Staring Old Age In The Face Musicians are: Eton Kingsdale : Lead Vocals Warren Grey : Guitars & Vocals Saun Wallsberry : Sax Robin Anderson : Bass Guitar & Vocals Jimmy Ace : Drums & Vocals Jack Spacey : Keyboards & Vocals Mix & Master by Alcora.nl Songs by Stanislaw Kirner & Elian de Montcorbier
by malilion
| 2025-10-18 15:57
| 音楽
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