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小粒ながら王道80年代グラム & L.A.メタルを聴かせるO'DETTEの唯一作がBootCDでリイシュー!!

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O'DETTE 「Same」'89

1987年結成の米国イリノイ州シカゴ産4人組オブスキュア・グラムHMバンドが1989年にリリースした唯一のカセットEPが新生コレクターズ・レーベル Crazy Bitch Recordsから限定200枚でBootCDリリースされたのを泣く泣くGETしたのでご紹介。

2006年に一度、Retrospect RecordsよりBoot紛いのリマスター&CD化を成され短期間で完売した本作、典型的な80年代メインストリーム型L.A.ヘア・メタル・サウンドが詰まったEPで、キャッチーでコンパクトな歌メロとアメリカン・ロックらしい歯切れ良いブライト・サウンド、そして爽快コーラス・ワークが心地よい80年代当時のメジャーHMサウンドがお好きな方なら気に入ること間違い無しな王道オクトジェニック・サウンド作がメロディアス・ロック愛好家の間ではレア音源として知られるバンドのEPだ。

恐らく2006年リリースのRetrospect Records盤CDのコピーと思われる本作、一応リマスターを施されている効果かボトム・サウンドは今風に持ち上げられてソリッドにブイブイと鳴りまくっており、元々カセット作だった事もあってかノイズ等は少なく、オリジナルのレアなカセットをお持ちの方でも気軽に本作を楽しむ為に買い直しても悪くない仕上がりと言えるマニアックなアイテムだろう。

バンド名を見ても分かる通りシンガー Mark O'Detteを中心にシカゴのクラブ・シーンで活躍していたミュージシャン達が80年代末に集まったバンドで、地元ではそこそこの知名度を誇り、バンドは更なる展開を目論みHMの本場ロサンゼルスへ赴いたものの次なるメジャー契約を求め鎬を削り群雄割拠するバンド達が入り乱れるクラブ・シーンの過酷さ、特に当時のインディ・バンド達はステージで演奏を披露する為にクラブ側に逆に金を払っていたと言うメジャーなミュージシャン間でも大きな問題になっていた劣悪過ぎる環境を目の当たりにし踵を返す羽目に、その為か結局ローカル・シーンでの成功しか納められず、そうこうする内にシーンがグランジーの闇に覆われバンドは敢え無く解散、という80年代末にメジャー契約を求めていたインディ・メロディアス・クラブバンドあるあるな顛末に…

シカゴのローカル・シーンでのみ短期間活躍したインディ・クラブバンドのオフィシャル未CD化な自主制作カセットEPと言うだけでもレア音源扱いなのは当然でありますが、この手の発掘音源物にしてはサウンド・クオリティが比較的高く、楽曲も演奏もルックスもそこそこ良いし、ちゃんとしたレーベル契約を結び、名うてのプロデューサーと巡り合って金を掛けたフル・アルバムをリリース出来てさえいたならば、当時のTOP40へ滑り込むくらいのポテンシャルは有していたかもしれない、WARRANTとFIREHOUSEをMIXしてグラム風味に味付けしたハード・ポップっぽい軽めなHMサウンド、と言えば伝わりますでしょうか?

とびっきり個性的でも無いが別段特に癖も強くなく万人受けしただろう悪くないメジャー・シーン向けなグラム・バンドであったのは間違いなく、時流の変化に飲み込まれた不運なバンドだったのが惜しいですね。

ストレートに良く伸びる朗らかでブライトな声質の Mark O'Detteのヴォーカル、ギター・ヒーロー全盛期らしくフラッシーにピロピロと鳴らしまくり、リフにソロに切れ味鋭く大活躍する John Craigのテクニカルなギター、シンプルながらソリッドにバンドサウンドの屋台骨を支える Terry Chandlerと Kevin Latimerのリズム隊が生み出す、米国ロックの典型的なカリカリのドライ・サウンドで構成されたEPはコンパクトな楽曲と陽気でキャッチーなコーラスも相まって、今となっては失われて久しい混じりっ気無しの80年代王道アメリカン・メインストリーム・メタル・サウンドが楽しめノスタルジックな想いで胸が一杯に♪ (゚∀゚)

最終曲だけ仄かにウェットな叙情感が香るアコースティカルなバラードで、本バンド的には異色の哀愁漂うナンバーながら実に良い出来映えで、もし当時にメジャー・レコードとの契約を手にしていたならば同系統の秀逸な楽曲をもっと創作してくれていたのかも、と尽きぬ妄想ばかり浮かんでしまいますネ…

バンドメンバーのその後の活動は杳として知れず、唯一シンガーの Mark O'Detteだけは今もアマチュアながら音楽活動を続けており、時の流れは無情なもので、かつてのゴージャスな長髪イケメンな如何にもHMミュージシャンと言った煌びやかな出で立ちは消え失せ、すっかり禿げ上がった小太りのオッチャンになってしまっているが、大手建設管理会社で高層ビル等の建設業に関わる傍らシンプリー・ヨット・ロックというソロ・ショーをバック・バンドを従えて行い、70~80年代にかけての有名曲のカヴァーをオリジナル曲を交えて披露している模様だ。

どこかのリイシュー・レーベルが本作を拾ってオフィシャル・リマスター&リイシューしてくれるといいなぁ…このまま時の彼方へ埋もれさすのは些か惜しい、小粒ながら当時を切り取った様な瑞々しいオクトジェニック・グラム・サウンド、嫌いになれません。

Track List:
01. Lights, Camera, Action
02. One Nite Stand
03. Everything I Ever Wanted
04. She's That Kind Of Girl
05. Keep You

O'DETTE are:
Mark O'Dette : Lead Vocals
John Craig : Guitar
Kevin Latimer : Drums
Terry Chandler : Bass

Produced by Bob Pucci and Mark O'Dette


by malilion | 2025-10-10 17:11 | 音楽 | Trackback
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