HEARTS ON FIRE 「Signs & Wonders」'25 後にメロハー・バンド SILENT TIGERを盟友ドラマー Joel Mejiaと結成するスペイン産メロハー・トリオ SOUND OF ETERNITYの元ギタリスト Jean Funes が率いる多国籍メロハー・プロジェクト・バンドHEARTS ON FIREが、前デヴュー作『Call Of Destiny』'18 から7年ぶりに待望の2ndアルバムをドイツのメロハー専科レーベル Pride & Joy Musicよりリリースされたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。 モダン・テイストあるメロハー・サウンドが身上でフィメール・シンガー Beatriz Aranda嬢が仕切る SOUND OF ETERNITYと袂を分かち、彼の生涯のヒーローであるDEF LEPPARD、JOURNEY、WHITESNAKE、SCORPIONS、EUROPE等の影響を取り入れたAOR&メロディアス・ロック・バンドを作るというビジョンと情熱を元にCODIGO ETERNO (ワールドワイド・デヴューに際しバンド名を SOUND OF ETERNITYへ改名)の元ドラマー Joel Mejiaと2017年に結成され、まず北欧スウェーデンのメロディアスHMバンド RIANのシンガー Richard Andermyr (Vo、G)を招き、米国人ベーシスト Dennis Ward (ex:PINK CREAM 69、MAGNUM、KHYMERA、ANGRA、UNISONIC、etc..)がベースとキーボードのみならずミックスとマスタリングも手掛け、ゲスト・キーボーディストにKHYMERAやTHE BABYS、TAKARA等で知られる名鍵盤奏者 Eric Ragnoも参加と、パーマネントなバンドと言うには些かプロジェクト感が強過ぎる布陣によるデヴュー作は今は亡きAnderStein Musicから国内盤もボートラ入りでリリースされていたが、案の定その後に元SOUND OF ETERNITY組の2人はLASTWORLDで活動する米国人シンガー David CagleとSILENT TIGERを結成し、なんとHEARTS ON FIREで目指そうとしていたDEF LEPPARD、VAN HALEN、EUROPE、BON JOVI、RATT、DOKKEN、SCORPIONS等からの影響を感じさせるオクトジェニックなメロディアス・サウンドを奏でる新バンドを結成してしまう… (´~`)エー デヴュー作に参加したメンツは他に幾つもバンドで平行して活動しているし『一回限りの中米ホンジュラス出身ミュージシャンによる珍しいプロジェクト作だったか』と勝手に解散したものと思っていたら、なんと今回こうしてメンツを変えて再び新作をリリースしてくれるとは正直次は無いものと思っていただけに驚かされました。 さて本作注目のバンドメンツですが、シンガーには Richard Andermyrに代わってHM界でも随一の歌唱力を誇る米国人シンガー Mark Boals (ex:Yngwie Malmsteen BAND、RING OF FIRE、ROYAL HUNT、ソロ、etc...)を新たに迎え、Jean Funesと Joel Mejiaの元 SOUND OF ETERNITY、SILENT TIGER組は当然として、前作同様にベース、ミックス、マスタリングを再び Dennis Wardが務め Eric Ragnoもキーボードで参加と、メンツ的にはシンガーをチェンジしただけの布陣ながら、お世辞にも知名度や歌唱力が抜群とは言い難かったRIANの Richard Andermyr(個人的には大好きですけどネ)と違って Mark Boalsの抜群の歌唱力と知名度はバンドに新たなチャンスを呼び込む事に成功しているのは間違いない。 2000年に米国留学して現地HMバンドと共に活動を行ったり、BON JOVI、WINGER、DOKKEN、EUROPE等の80年代米国メジャー・シーンを賑わしたビッグネーム達をフェイバリット・バンドと公言するスウェーデン人シンガー Richard Andermyrの持ち込む北欧ミュージシャンの目を通して再構築されたオクトジェニックなアメリカン・テイストも独自の武器として有効だったと個人的には思うが、やはり本場米国人を招いたアメリカン・テイストあるユーロ・メロハー・サウンドをSILENT TIGER組の2人が求めたからなのだろうか? プロモーション的な有利さ云々でなく単純に Richard Andermyrのスケジュールが合わなかっただけ、とかかもしれないけど…(汗 ぶっちゃけSILENT TIGERと同じカテゴリーで同系統サウンドなので鳴らされているサウンドに大きな差は無いのだが、やはり米国人シンガー David Cagleのカラーであるアメリカンなテイストが強いSILENT TIGERと、よりユーロピアン・テイストを意識的に強めたリリカルでウェットな美旋律や叙情的な音使いが楽しめるHEARTS ON FIRE (Mark Boalsも米国人だけどYngwieをはじめユーロ系HMバンドでの活動歴が長いしネ)という区分で Jean Funesもバンドカラーを区分しているのだろう、きっと。 もしくはギタリスト主導バンドではあるが本作で終始鳴りまくる煌びやかで滑らかなキーボード・サウンドを思うとHEARTS ON FIREは鍵盤サウンド多め、SILENT TIGERは従来通りギター主導でアグレッシヴに、とか方向性を変えようと画策したのかも? まぁ、お手本がお手本なんで定かではないですが(汗 丁寧に作られており聴いていて実に心地よいアルバムではあったがメロディのフックがイマイチ弱くメンツ的にももう一つ地味(ECLIPSEの Erik Martenssonがゲスト参加してたケド)に思えたデヴュー作のサウンドが、続く本作では更にハードエッヂを立てつつ独特のキャッチーなメロディアスさは健在で、よりパーソナルで深みのある内省的なテーマと今の世界に関連するトピックを取り上げるなど楽曲はインスピレーション溢れる美旋律とフックに満ち、聴く者を飽きさせぬユーロ系メロハー・サウンドへと進化を遂げている。 オクトジェニッjクな方向性のメロハー系バンドの凡そに当てはまる事実だが本バンドのサウンドもズバ抜けて独創性に優れている訳ではないし画期的な何かを提供してもいないが、Richard Andermyrには悪いがなんと言っても圧倒的な Mark Boalsの歌唱力と表現力が楽曲をグイグイ引っ張っていくのは圧巻だし、やはりキーボード・パートを Dennis Wardの兼任でなく選任鍵盤奏者に任せたのが功を奏したのか、メロディもアレンジも前作以上にフックに富んでいるし、耳を惹くキャッチーな美旋律が実に心地よく、目指すお手本バンド達に今一歩まで迫る完成度(誉め過ぎ!?)の域へ到達しかけているのは見事の一言だろう。 無論、問題に思える点が無い訳ではなく、オーバープロデュース擦れ擦れだった80年代風を目指しているから当然なのか意図的なのか、些か過剰なプロデュースが成されて聴こえる時(表に裏に終始シンセが鳴りまくっている為?)が多く、生々しくスリリングであるハズな演奏のインパクトを弱め結果的に中途半端で平坦な印象を与える危険性を孕んでいるのは残念だが、個人的にはこの方向性のギンギンに作り込まれた人工的サウンドの作品も嫌いではありません。ハイ。 サウンド形態的にバランス重視な音楽なので当然だが、音数多く自己主張強いギター・プレイが飛び出してくるとか弾きまくりのド派手でテクニカルなキーボード・ソロなんぞ見当たらない優等生的な仕上がり具合が余計に刺激的に聴こえない作用を強めているともいえるかも… 後は些かボトム・サウンドが軽めでヘヴィさが足りぬ様に思うが、これまで優れたプロデュース手腕を振るってきたベーシストでもある Dennis Wardがスタジオ作業全般を手掛けているのだし、これはボスである Jean Funes の意向という事なのだろう、多分。 プロフェッショナルなベテラン・ミュージシャン達が集った作品らしい安定安心の充実したクオリティ作なれど、刺激や目新しさを求める若いリスナーには些か退屈で代わり映えしない古臭い音楽と誤解されかねない、もう一つモダンでフレッシュな〝HEARTS ON FIREならではの何か”があってもよかったとは思えるアルバムでもあります。 それぞれ本体バンドもあるしセッションやゲスト参加、ソロ活動等で忙しいのは重々承知しておりますが、出来る事なら次作はこんなに待たせず再び素晴らしいアルバムを届けて欲しいものですね。 Track List: 01. Signs In The Sky 02. Collective Mind 03. Lights & Shadows 04. Stay In This Moment 05. Blood Moon 06. Eleventh Hour 07. Battlefield 08. Restless Heart 09. Rearview Mirror 10. World Torn In Two 11. Road To Eternity HEARTS ON FIRE Line-Up: Mark Boals : Lead & Background Vocals Jean Funes : Guitars Eric Ragno : Keyboards Joel Mejia : Drums With: Dennis Ward : Bass Produced by Jean Funes Mixed & Mastered by Dennis Ward
by malilion
| 2025-09-01 19:21
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