LEGACY 「Hello New World」'24 1987年に米国中西部Ohio州Reynoldsburgで青年牧師 Eric Adamsの呼びかけに応える形で Matthew とJohn のRice兄弟を中心に結成されたツインギター5人組バンドで、当時はその完成度高いサウンドからSTRYPERに続くCCM系バンドと目されながらも時代の節目が影響してか正式なアルバムを残す事なく解散してしまった知る人ぞ知るクリスチャンHMバンドでしたが、2010年にEonian Recorsから未発表&デモ音源『Legacy』を初CD化リリースして一躍その名をCCM&メロハー愛好家達に轟かせ、そんな好評を受けてか当時と同じオリジナル・メンバー5人でリユニオンすると、結成35周年記念となる正式なデヴュー・アルバムをリリースしたのをかな~り遅れてGETしたのでご紹介。 2010年リリースの音源は1988~1990年間にレコーディングされたデモ集という事で、本作が初めてバンドメンバーが意図して制作しリリースする事になったデヴュー・アルバムとなり、そのデモ集『Legacy』に収録されていた2曲も30年の時を経てリレコ-ディング収録と、80年代当時を知る古参CCM系ファンや2010年デモ集をお持ちの方でも見逃せぬ注目作だ。 本バンドの売りであったシンガー Doug Meachamの歌唱力についてだが、CRY WOLF(懐かしぃ!)の Tim HallとDOKKENの Don Dokkenを足して二で割った風な甘い声質でミドルレンジ主体な滑らかな歌声とSTRYPERの Michael Sweetを彷彿とさせる突き抜けるハイトーン・ヴォーカルを駆使しつつ、CCM系定番のキャッチーで分厚く爽快なコーラス・ハーモニーはDOKKEN風で、時にパワフルにもガナれる癖の少ない聴き易い歌唱スキル (意図的にか所々で Don Dokken風なヴィヴラートのかかった歌声を聴かせる)はなかなかのモノなのは間違いなく、当時ポストSTRYPERと目されていたのも頷ける話で時代が時代なら間違いなくメジャー・デヴューを果たしていただろう逸材と言え、グランジーの嵐が吹き荒れた激動の90年代を経て今回新たにデヴュー作で聴かせるそのヴォーカルはと言うと、経年の影響もあってかググッと低く渋みを増した少しザラつく歌声をメインに往年の伸びやかなハイトーン・ヴォーカルも垣間見せる以前の軽薄さや線の細さが消え逞しく説得力の増した30年のキャリアが伊達でない事を証明するかの如きパワフルな歌唱を披露している。 STRYPER + CRY WOLF + DOKKENなメロディアスHR&L.A.メタル系サウンドと良く評されるバックのサウンドは意外な程に80年代米国メインストリーム・サウンドに倣っており、特別テクニカルでも超個性的なプレイを繰り広げている訳でもないが、リズミックでタイトな上にキャッチーなL.A.メタル風の楽曲が特徴的な総じてお手本バンド達をしっかり解析して自身のコンパクトで歯切れ良いサウンドへ取り込み当時のヒットチャートで持て囃されていた音楽性を巧みに表現しているクリスチャン・メタル・バンドらしいクリーンなイメージのバランス重視な優等生サウンドをデモ音源では披露していたが、さすがに00年代を経て実際に80年代に活動してきた彼等がセルフ・エミュレートした音楽を今さら演る訳もなく、甘いポップなキャッチーさやゴージャスな華やかさはすっかり影を潜めたものの未だにメロディアス系ロックを奏でており、奇をてらったコケ脅しや無駄に派手だった装飾を廃しストレートにソリッドなアメリカンHMサウンドを初めて披露していて以前のデモ音源を知る人程にその甘味の少ない骨太サウンドに驚かされる事だろう。 30年前のデモ時点で既に完成度が高い半面、驚きも少なく予定調和に楽曲が展開していく点は些か気になるが、CCM系リスナーをメインに考えての活動をしていただろう本バンドに置いてはその点は殊更大きな問題点ではなかったと予想も出来…今回、記念すべきデヴュー作でも今の時代性を反映してかグランジーの残り香を漂わすラフなガレージ・ロックっぽい感触もある渋いUSロック・サウンドを披露しているのだが、なんと言いましょうか地味で面白味が無いのは否定しようがなく、以前から凄いオリジナリティがある訳でもないサウンドが余計に没個性化してしまったのはいただけませんし、その辺りが一般リスナーが入り込み辛いCCM系と言う特異なジャンルの要因でもあるように思えますねぇ… そして最大の問題点は、やはり『コレ!』というキラー・チューンが無い事で、デモ時点でバランス良く纏め上げられている反面、ヒリつくようなスリリングさが皆無で、心地よくキャッチーなヴォーカルと歯切れ良いUSメタリック・サウンドがパワフルに駆け抜けていった後に何も残らない、素直過ぎて引っ掛かりが少なく毒にも薬にも成らない、そんな感想が30年を経ての待望のデヴュー作でも変わる事がなかったのは少々悲しいです…orz 唯一の救いはデモ集でも披露されていた2曲が現代風のアレンジとサウンドにリメイクされながらもオリジナルの持っていたキャッチーなメロディアスさを保っていた事でしょうか? あ、ギターの腕前は確実に本作でのプレイの方が巧くなっており、様々なトーンやフレージングで多彩な表現や味わいある音色を奏でている点は見事なのは間違いありません。 前情報で『90年代初期に解散していたのでその後の時代の変化を受けていないピュアな感性のままのクリスチャン・メロハーを披露!』と聞いていたのにそんな事は全くない大嘘で、思いっきり00年代にアジャストさせてきた渋い鈍色メタリック・サウンド(再結成して今も活動中なんだから当然だが)であり、往年の華やかで煌びやかなオクトジェニックなメロハー・サウンドがお好きな方には今回のデヴュー・アルバムはお薦めできませんので騙されないようにご注意を。 誤解のないように付け加えておくと、80年代当時のデモ音源を耳にしていない方にとって本作だけのサウンドを聴いて今風の一般的なアメリカンHMよりちょっとメロディアスなサウンドが特に悪い出来とは思えない、以前の80年代風サウンドに強い思い入れがなければ別段特に酷いヴォーカルでも演奏でもない至って普通(思い出補正が無ければ特に)な仕上がりの一作ではあります。 前情報等で本作にオクトジェニックなメロハー・サウンドを期待した方には、3曲の未発曲が追加されリマスター効果によってサウンドのクリアーさとボトム・サウンドがアップしている同時リイシューの2010年デモ集『Legacy』2024年度盤を購入された方が間違いなく喜ばれるだろう。 残念ながらこの音楽性で再結成後に活動を続けるのならもう次作には手を出さなくてよいかな、と思えるションボリな出来具合でありました…まぁ、クリスチャン系はメジャー・シーンで流行ったサウンドを即モロパクして姿も音楽性も節操なく変えるのが専売特許とも言えるので、今後華やかでキャッチーなサウンドが再び流行れば彼等も再び以前の様なメロディアスでポップな往年の爽快CCM系HMサウンドを披露してくれるかもしれないので米国メインストリームの流行が変化するのを首を長くして待ちますかね… Tracklist: 01. These Five Words 02. Change Of A Broken Heart 03. Sidewalk Space 04. 21 05. Take My Breath Away 06. Forever In Your Arms 07. With A Shout 08. Chains On My Hear LEGACY Line-up: Doug Meacham : Lead Vocals Matthew Rice : Lead Guitar & Backing Vocals Fred Blanchard : Guitars、 Keyboards & Backing Vocals John D. Rice : Bass & Backing Vocals John Jenkins : Drums Produced by Rusty Yanok & LEGACY
by malilion
| 2025-08-29 15:45
| 音楽
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