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華麗なるヴァイオリン・シンフォサウンド再び! ('(゚∀゚∩ SOLSTICEが三部作の締め括り作をリリース!

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SOLSTICE 「Clann」'25

80年代当時から高い評価を得て活動するベテランで、2020年に結成40周年を迎えた英国ネオ・プログレ&シンフォ・バンドSOLSTICEが、新たなフロントマンを迎えた新編成となって初リリース作の『Sia』'20 、それに続く『Light Up』'23 、そして三部作の最終章となる8枚目のスタジオ・アルバムを2年ぶりに米国 Progrock.com's Essentials レーベル移籍後第一弾としてリリースしたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

SOLSTICEは80年代英国ポンプ・ロックシーンの中でも別格の存在として当時から高評価を得ていたネオ・プログレ&シンフォ系バンドの一つなれど知名度はイマイチで、それはアルバム毎のインターバルが長く寡作な上に常にメンバーが流動的で活動も断続的な為だったが、1997年の3rdアルバム『Circles』から長らくフロントを務めて来た Emma Brown嬢に代わって新たに4代目フロントマンに Jess Holland嬢を迎え『Sia』'20 をリリースしてからは珍しくハイペースでコンスタントにアルバムをリリースして来た影響か、唯一のオリジナルメンバーとなったリーダーでギタリストの Andy Glassを筆頭にヴァイオリニストの Jenny Newman、キーボーディスト Steven McDanielを含む近年盤石の6人に加え、本作から前作でも参加していたフィメール・バッキングシンガーの2人 Ebony Buckle嬢と Dyane Crutcher嬢を正式メンバーに迎えた新編成8人組バンドでの記念すべき第一作目を届けてくれた。

新生SOLSTICEサウンドを象徴する Jess Holland嬢の透明感あるブライトで艶やかな歌声とフィメール・シンガー三人から成る可憐で魅力的なハーモニーを筆頭に、思いの外にエレクトリックなタッチのエモーショナルなギター・ワークや小気味よいジグやリールを刻んで跳ね踊るアイリッシュ・テイストなフィドル、そして甘美なストリングスもフィーチャーしつつ、煌びやかなシンセが先導する英国バンドらしい叙情感ある幻想的メロディと妙なテクニカルさは控えめでシンプルなアンサンブルとタイトでグルーヴィなリズムセクションがピリリと引き締める前2作の路線を受け継いだカラフルなスタイリッシュ・サウンドを軸に、アグレッシヴなプログレッシヴ性やジャージィなフィール、定番のフォーキーなカラーのみならずニューエイジ的アレンジやポジティブな高揚感に満ちたワールド・ミュージック、軽快な北欧ポップス要素までもが絶妙にブレンドされた、三部作の有終の美を飾るに相応しいドラマチックな美旋律が響き渡るシンフォニック・ロック作だ。

これまでもケルティック・トラッド、ニューエイジ、フォーク、JAZZ、ポンプ、ブルーズ、カンタベリー、民族音楽、シンフォ要素等を内包した穏やかなアコースティッカル・サウンドで聴く者の心を虜にしてきた彼等だが、本作では予想外のファンキーなバックビートに趣向を変えたCHICAGO風なブラス・セクションや、まさかのHMっぽいハードでヘヴィなギター・サウンド、果てはコンテンポラリー要素までが散りばめられ、ベテランらしからぬ鮮烈な印象と新たな音楽要素の追加具合に驚かされる事請け合いな、スムースでオサレ、そして瑞々しい感性の眩い輝きが満ち溢れた傑作であります♪ (*´∀`*)

初期の頃はYES + RENAISSANCEなフォーク風味あるネオ・プログレ・バンドと評されていた彼等だが、長い年月を経て様々な音楽要素を蓄積し、更に度重なるメンバー交代やポンプからシンフォへの進化、モダン化や時流への迎合の果てに辿り着いたのは、CLANNAD、MAGENTA、KARNATAKA等のフィメール・シンガーを擁する新旧シンフォ・バンド要素をそれぞれ少しずつ感じさせつつアコースティカルでシンプルな響きが美しい、艶やかなヴァイオリンの音色と絶妙な味わいと色合い全てが有機的に見事に溶け合って極上の美旋律を奏でる、他の誰でもないスタイリッシュ・サウンドが本当に素晴らしい紛れもなく英国シンフォ・シーンを代表するバンドの一つへと成長したと言えましょう。

磨き抜かれた本作の優美で清楚なアコースティカル・シンフォ・サウンドに少しも文句は無いのだけれども、唯一の苦言としては新ヴォーカリストを迎えて心機一転したのか『Sia』'20 以降のジャケット・デザインはミュシャ風なかなりお洒落で上品なイメージになっていただけに、折角の三部作の最後を締めくくる本作のジャケがメンバーが草原に佇んでいるだけのイラストという些かチープなのが否めぬ何の捻りもないデザインな事くらいでしょうか? そこは最後まで優美なイメージを統一させて欲しかったなぁ…これじゃ画竜点睛を欠くじゃないか…(´~`)

ボーナス・トラックは1984年のファースト・アルバム『Silent Dance』に収録された〝Earthsong″のニュー・ヴァージョンで、バンドの原点に立ち返らせてくれる良曲だが、本作ヴァージョンでは最新メンバーでバッキング・シンガーの Ebony Buckle がリード・ヴォーカルをとっている、本作のエンディングを飾るに相応しい優美で美しいボーナス・トラックと言えるだろう。

Jess Holland嬢の瑞々しく軽やかで可憐な美声、そして新たに2人のシンガーが加わって更に華麗で優美さの増したハーモニー・ヴォーカルが心地よい、幅広い音楽要素が飛び交って極上の美旋律を奏でる完成度高い楽曲の数々は聴き応え抜群で、英国的リリシズムと艶やかなヴァイオリンの音色がお好きな英国トラッド・ファンの方や、幻想的でメロディアスな英国シンフォ・サウンドがお好きな方にも文句なくお薦めしたい一作ですのでご興味あるようでしたら是非一度ご自身の耳で本作をチェックしてみて下さい。

Track List:
01. Firefly
02. Life
03. Plunk
04. Frippa
05. Twin Peaks
06. Earthsong 2025

SOLSTICE Line-Up:
Andy Glass : Guitars、Backing Vocals
Jess Holland : Lead vocals
Jenny Newman : Violin
Pete Hemsley : Drums
Steven McDaniel : Keyboards
Robin Phillips : Bass
Ebony Buckle : Backing Vocals、Lead Vocal on track 06
Dyane Crutcher : Backing Vocals

with:
Nick Burns : Vocals on track 05
Luke Bainbridge : Saxophone on track 06
Toby Carr : Trombone on track 02
Phil Bainbridge : Trumpet

All Songs Written by Andy Glass
Mixed & Mastered By Andy Glass


by malilion | 2025-05-05 11:34 | 音楽 | Trackback
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