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ドイツの知る人ぞ知る90年代に活動したマイナー・メロハー・バンドSACRED SEASONのアルバムが二枚同時にリイシュー!!

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SACRED SEASON 「No Man's Land」'25

以前ここでも紹介した事のある1986年に北ドイツのキール近郊ライスドルフで結成され90年代に活躍していたキーボード入り4人組のマイナー・メロディアスHMバンドの自主デヴュー作『Sacred Season』'94 と同じく自主製作2nd『No Man's Land』'98 がドイツのメロハー専科レーベル Pride & Joy Musicから、一般卸販売を行わないPride & Joy Musicショップ限定販売、さらに500枚限定プレスで Pride & Joy Music Classixxシリーズとしてリマスター&リイシューされたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

まさかメロハー・マニアにだけは認知されていただろう、知る人ぞ知るマイナー・メロハー・バンドSACRED SEASONの作品までリイシューしてくれるとは! 本当にPride & Joy Musicには感謝感激雨アラレであります♪ ('(゚∀゚∩

同じくPride & Joy Music ClassixxシリーズでリイシューされたRAINMAKERはジャケやら色々と一新してのリイシューでしたが、今回のSACRED SEASONリイシューはほぼオリジナルのジャケやインナーを再現(若干、映像がボヤけているが...)しており、新たに追加されたバンドのバイオや歴史等が分る追記ライナーと合わせレアなオリジナル盤をお持ちの方は実に懐かしく感慨深い事でしょう。

なんでもデヴュー作は当時意外に輸入盤で数が入ってこなかった模様でオリジナル盤はレア盤扱いなのだとか、知りませんでした(汗

デヴュー自主盤の方は楽曲数もオリジナルと同じで単純なリマスター&リイシュー作となっているが、2ndアルバムである本作には2曲の新曲デモ(!?)がボーナストラックとして収録されており、オリジナル盤をお持ちの方も見逃せぬ一品だ。

イヤー、デヴュー作リリース前にヴォーカリスト兼ギタリストの Marco Schultzと一緒にバンドを設立したオリジナル・ドラマー Oliver Kuklaが1990年に抜けていたり、1993年にもキーボーディストが抜け、新しいキーボーディスト Christian Meierが加入と、デモ制作時からアルバム・デヴューの間に色々とメンツ変動があったと今回初めて知りました。

何度かメジャー・レーベルからのアルバム・デヴューのチャンスが舞い込むがプロデューサーの強引な意見、ヴォーカル以外全員メンバーを首にしろ、とかドイツ語で歌えとか色々と音楽性について見当違いな意見を強いられるのに辟易してバンドは契約を見送り、結局自主リリースへという流れになった模様であります。

因みにバンドメンバーは自分達のアルバムが日本で好評だったのを知っていたが、80年代を引き摺る自分達の音楽性のままではレコード契約を得てワールドワイドな活動をするチャンスは得られないのを重々承知していた模様なのが悲しいですね…ああ、90年代の糞グランジー・ブームさえ無ければ・・・(ツд`)

以前の紹介の時に2ndアルバム・リリース以降に音源発表が無いので既に解散しているのだろう、と述べていましたが、本作で記されているメンバー自身によるライナーによるとバンドは正式な解散を発表した事はなく、それぞれ結婚や引っ越し等々プライベートな人生の岐路を迎えて活動継続が難しくなり自然消滅した形だが、メンバーが不仲と言う訳はないので2011年に結成25周年LIVEを行ったり、2014年にドイツのヴァッケン・オープン・エア・フェスティヴァルの25周年を祝う為にステージに姿を現わし、2016年ニもソールドアウトになった公演等を行う等、地元中心な断続的活動を今も続けていた模様だ。

内容についでは以前も解説した通り、当時はHELLOWEENを筆頭に疾走ジャーマンHMバンドばかりだったドイツ産とは思えぬ、ユーロテイスト漂う哀愁をタップリと帯びつつ、時に繊細で切なく、時に爽快に駆け抜ける、伸びやかな甘い声質のハイトーン・ヴォーカルと控えめでシャレオツなバッキング・コーラス、そして北欧HMを思わす透明感あるキャッチーで爽快な美旋律が満載なアルバムで、AOR要素多目なハードポップ寄りのメロハー・サウンドと言え、今回のリマスターで自主盤故に貧弱だったボトム・サウンドのアタック感とソリッド感がアップして今の耳でも十分に聴けるクリアーなサウンドにお色直しされているのが嬉しいですね (゚∀゚)

意外に Marco Schultzの弾くギターがツボを抑えつつテクニカルなフレーズやエモーショナルで開放感あるメロディ、そして音数多い速弾き等を垣間見せ、単なるハードポップ・バンドじゃない! と懸命に主張しているのが今となっては微笑ましくて仕方が無い(笑

デヴュー作は曲の出来のバラつきが大きかったが本作ではよりその差異が減り、音楽性の一体感が増しているのでデヴュー作の場違いな方向性の楽曲に閉口していた方は断然完成度の上がった本作の美旋律の数々に耳を傾け、そのインディ・バンドと思えぬ美しい音色の数々を是非堪能して欲しい。

さて注目のボートラですが、2004年に書かれたデモ曲『My Reality』、2017年に書かれたデモ曲『Nothing Will Ever Divide Us』が本作に追加収録されており、アルバムの楽曲と比べるとさすがにアッサリ朴訥サウンドのデモらしいデモ曲とは言え、十分に彼等の持つ美しいメロィ運びや音使いが確認出来る曲で、更になんと2024年12月末に新曲が一曲レコーディング(!!)されるらしく、もしかしたら再始動して新作アルバム、もしくはシングル等をリリースするかもしれない模様なので今後の彼等の動向は要チェックだ! ヽ(´ヮ`)ノ

ハードさは程々なれど美しい旋律や甘いヴォーカルが爽快に歌い上げるAOR要素多目なハードポップ寄りメロハー作がイケる方には是非一度本バンドをチェックして欲しい!! 今デヴューしてるメロハー・バンドにも決して引けを取らぬ美メロ満載ですから!!

Track List:
01. So Far
02. Voices
03. Save Her
04. No Man's Land
05. I Will Stay Forever
06. I Believe
07. Water For Your Flame
08. So Much
09. Love Is
10. Kiss Goodnight
11. Help Me Through My Life
12. Pictures In My Head

Bonus Tracks
13. Nothing Will Ever Divide Us
14. My Reality

SACRED SEASON Line-up:
Marco Schultz : Lead Vocals、Guitars
Christian Meier : Keyboards
Wulf Rathke : Bass
Sven Wilking : Drums

Produced by SACRED SEASON & Kay-Lorenz Hagge


by malilion | 2025-03-26 16:50 | 音楽 | Trackback
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