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80年代末期米国東海岸エリアで活躍したUSメロディアス・ロック・バンドRADIO CITYが遺した唯一のカセット・アルバムがリマスター&ボートラ追加で限定リイシュー!!

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RADIO CITY 「Big City Nights」'24

米国北東部 Pennsylvania州 Chesterで結成され同州最大の都市 Philadelphiaを拠点に活動していた男女ツイン・ヴォーカルを擁するキーボード入り6人組メロディアス・ロックバンドRADIO CITYが1988年にリリースした8曲入りカセット・アルバム『Stay Another Night』に未発表曲6曲を加え、マニア御用達レーベル 20th Century Musicより24年度リマスター&オフィシャル限定リイシューされたのを即GET!

当時 Philadelphiaで最高のLIVEアクトの一つと目されており、地元の同世代バンド CINDERELLA、TEEZE、ROUGHHOUSE、HEAVENS EDGE達と切磋琢磨するライバルであり互いをリスペクトし合う人気バンドでコンサートは常にソールドアウトだったが、彼等の披露する80年代メインストリームに倣った洗練されたメロディアス・ロックサウンドは90年代初頭に勃発したオルタナティヴやグランジ・ムーヴメントに傾倒したメジャー・レーコド会社を惹き付けるには遅過ぎ、シーンを塗り潰す如何わしくラウドな音楽の台頭によって活動の場は次第に失われ、バンドは契約を得る事も正式なアルバムをリリースする事も出来ず解散してしまった…と、言う90年代初頭のインディ・メロディアス・バンドあるあるな流れに涙を禁じ得ません…

簡単なバンドのバイオを記しておくと、Bob Belloが先に組んでいたクラブ・バンドに在籍していたキーボーディスト Jack Meiliとドラマー Steve Iannettoniに、長男の Joe Bello、弟で元ドラマーの Bob Bello、そして最年少で妹の Jane Marie Bello嬢の音楽家一族 Bello兄妹が加わる形で1981年の夏に結成されたローカル・バンドがスタートで、活動を続ける中でメンバーチェンジが相次ぐが1987年に一度脱退していた Jack Meiliと Steve Iannettoniがバンドに復帰し、RADIO CITYは遂にオリジナル曲の制作へ取り掛かる。

カヴァー・バンドで10年切磋琢磨してきた為に意図せずして幅広い音楽的影響を受けた事が彼等の音楽性をさらに高め、本作で披露されているインディ・バンドと思えぬ高い演奏能力とコンパクトな作曲能力、そしてキャッチーなヴォーカルと分厚く爽快なコーラスワークを主軸にフックあるポップでブライトな、お約束のラジオフレンドリーな80年代アリーナ・ロック・スタイルのサウンドを披露する事になる。

カセット・アルバムの好評を受けて地元の名士が資金援助と契約を約束してくれたが、タイミング悪く90年代初頭にグランジー・ブームが勃発して全てがご破算になってしまう。

バンド解散後、Joe Belloは航空業界での仕事に就き、Bob Belloと Jane Marie Bello嬢はプロ・ミュージシャン活動を続け、他のメンバーもそれぞれパートタイムで音楽活動に未だに関わっていると言う。

2019年の夏に一度だけ即席再結成が行われ、その好評を受けてもっと活動を続けようと話し合ったが上手く話がまとまらず、そうこうする内にパンデミックに襲われ音楽活動自体が出来なくなってしまうという、その実力や音楽性、優れたメンバーシップに全く関係なく本当にツイてないバンドなのが悲しいですね…orz

Jane Marie Bello嬢のフィメール・ヴォーカルならではの柔らかな歌声と高音域をカヴァーする伸びやかな熱唱、加えて甘い声質で熱唱すると少しハスキーになる如何にもUSロック向けな兄弟2人による男女混声ヴォーカルとコーラス・ワークが特に激しく個性的でない楽曲や展開を巧みに主導してリスナーの耳を惹きつけ、気の利いたアレンジを聴かせるキラキラしたシンセとソツなく印象的でコンパクトなフレーズやソロ・パートを弾くギター、そしてタイトなリズム隊がベーシックなビートを手堅く刻む、その高い汎用性と幅広い音楽性に裏打ちされた80年代ヒットチャートのお手本の様なキャッチーなメロディアス・サウンドはクラブ・バンドとしては頭一つ抜けているものの、メジャー・バンドの派手なパフォーマンスや強烈な音楽性、そして華やかでゴージャスなサウンドと比べると些か魅力が足りず、この辺りもあって同郷のライバル達が次々とメジャー・デヴューする後塵を拝した理由な気がします。

ただ、有能なプロデューサーに見いだされてしっかりとプロダクションしてもらえたならばシングルヒットが飛ばせたかもしれない、そんな東海岸バンド特有な癖を感じさせぬオーソドックスでラジオフレンドリーなウンドは、もしメジャー・デヴューしていたならばワンチャンあったかも、と想像させるハイレベルな楽曲と健全なサウンドの力強い正統派USメロディアス・ロックバンドでありました。

また残念な事にリマスターが謳われている本作ですが、オリジナル・マスターは消滅しているのか所在不明なのか、恐らくカセットテープ音源を元にリマスターをしたちょっとガッカリなリマスター作で、ヴォリュームの強弱変化、サウンドの左右の揺れ、ノイズ等が散見するなどお世辞にも上質なリマスター作とは言えず、出来る事ならばオリジナル・マスターからのクリアーなリマスター・サウンドを楽しみたかったなぁ…(´A`)

とは言え今となっては激レアな音源に変わりなく本リイシュー作の価値が無いなんて事は決してありませんし、80年代メロディアス・ロックやAORファンを虜にするキャッチーでフック満載な強力サウンドを聴かせてくれる素晴らしいアルバムである事に間違いはありません。

80年代メジャー・シーンを鮮やかに彩ったガールズ・ポップバンドがお好きな方や、HEARTファンは無論、VIXEN、SARAYA、FEMME FATALE、FIONA、Robin Beck、Cyndi Lauper、Pat Benatar、Taylor Dayne等のフィメール・フロンテッド・メロディアス・ロックバンド、及びフィメール・アーティストが好きな方なら一度ご自身の耳でチェックしても決して損はしない、そんな一作であります。

Track listing:
01. Stay Another Night
02. Shadows At Night
03. Oh Darlin, Say Goodbye
04. No Time Left
05. My Place
06. Last Time We Fell In Love
07. Known
08. Just Count On Me
09. It's Never Over
10. In A World Gone Mad
11. I Want You Now
12. He Said (It's Alright)
13. Don't Let It Go
14. Can't Get To L.A.

RADIO CITY Line-up:
Bob Bello : Lead & Backing Vocals
Jane Marie Bello : Lead & Backing Vocals
Joe Bello : Bass、Backing Vocals
Steve Iannettoni : Drums、Backing Vocals
John Shields : Guitars、Backing Vocals
Jack Meili : Keyboards

因みにカセット・アルバムの表記とタイトルが変更されている楽曲もあるのでカセットの方も載せておきます。

カセット『Stay Another Night』
A1 Oh Darlin'
A2 Count On Me
A3 No Time Left
A4 Stay Another Night

B1 Last Time We Fell in Love
B2 Never Over
B3 My Place
B4 He Said




by malilion | 2025-02-22 17:15 | Trackback
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