TRISHULA 「Becoming The Enemy」'25 英国ローカル・ロックバンドBROADSWORDの元ギタリストでTENの『Stormwarning』'11 への参加や、元TENのキーボーディスト Ged Rylands率いるRAGE OF ANGELSへの参加、ポルトガルのHRバンドSCAR FOR LIFEへのゲスト参加、そして Tony Millsを始め他ソロ・アーティスト作への参加やソロ・アルバムなど多岐に渡って活動中の英国人ギタリスト Neil Fraser率いるキーボード入り5人組ブリティッシュ・メロディアスHMバンドTRISHULA(トリシュラ)の4thアルバムが前作『We All Fall Down』'22 より3年ぶりにリリースされたのを即GET! 初期の2作はドイツのAOR HEAVENレーベルからのリリースでしたがご存じの通り惜しくも現在レーベルは畳まれてしまい、そんな経過故か前作は自主制作リリースでしたが本作はそのAOR HEAVENの志を継ぐ Pride & Joyレーベルと契約をしての初リリース作なっており兎も角ファンにとっては朗報だろう。 前作でドラムだけセッション・ドラマーの Lloyd Dakerへと交代したが、どういう訳か脱退した Neil Ogdenが再び復帰した2ndリリース時と同じメンツとなっており、シンガーにはデヴュー作からウェールズ出身の Jason Morgan (ORANGEFALL、RAGE OF ANGELS、etc...)、当然ボスのギターリスト Neil Fraser、ベースに Dan Clark (UXL、Tim Jenks Band、REBECCA DOWNES、etc...)、キーボードに Rick Benton (THE EAGLES、STATUS QUO、John Mayer、Paul Young、SPYRO GYRA、Shaggy、Kim Wide、SKINDRED、MAGNUM、etc...)、そして復帰した Neil Ogden (DEMON、USI、LAWLESS、DIRTY WHITE BOYZ、FM、CHANGE OF HEART、Steve Overland、PERSESIAN RISK、etc...)がドラムという2000年頃からと同じ編成に現在は落ち着いている。 デヴュー作紹介の時から述べていましたが、そもそも Neil Fraserのソロ・プロジェクトな体制からスタートし、強力なキャリアを誇る猛者達をバックに従えてバンド体裁を整えてはいるものの各自セッション主体なミュージシャンか他バンドとの掛け持ちで参加している状態ではメンバーチェンジは頻発するだろうな、と予想していましたが、まさかの脱退した Neil Ogdenが再び復帰(他セッションで忙しく物理的に参加出来無かっただけ?)するとは正直予想外で、意外に各メンバー共に本バンドに愛着を持って在籍している、決して『お仕事』だけでプレイしているのでは無い上々な関係なのが垣間見え嬉しい限りだ。 前作紹介時にも述べたがベテラン揃いな彼等が突拍子ない怪作や実験作、血の気の多い若者向けなモダン・ヘヴィネス、ましてや流行りのシンセウェイヴに手を出すハズもなく、HEARTLAND、RAINBOW、MAGNUM等を思わせる70年代から幾多のバンド達が脈々と受け継いで来た英国的な叙情性と湿気を帯びた煮え切らぬ独特な美旋律、そして控えめなキャッチーさが印象的な、派手さは無いが百戦錬磨の猛者ならではの“押し引き”や絶妙なツボを心得た丁寧な曲創りと細かな職人芸が心地良いブリティッシュ・メロディアスHMサウンドに益々磨きがかかった、70~80年代オールド英国ロックファンな方程に破顔してしまうブルーズベースで繰り広げられる良作だろう (*´ω`*) DEEP PURPLE風の疾走ナンバーやホンキートンク風味あるピアノ、ホーンやストリングスも時にはフィーチャーし、狂おしくギターが咽び泣き、ソウルフルなヴォーカルがフックある歌メロをエモーショナルに熱唱する、渋過ぎず程々にポピュラリティーも感じさせるオーセンティックなブリティッシュHR路線と、ある程度は定石に従ったオールドスクールな音楽性なので刺激に飢えている若年層にどれだけアピールするか些か不安ではありますが、ハートに切々と訴えかけてくる奇をてらわぬ骨太でストレートな英国ロック・サウンドはいつの時代に聴いても変わる事無く大変宜しいものなのであります♪ Hank Marvin、Ritchie Blackmore、Gary Mooreなどのギタリストに影響を受け、十代の頃から様々なバンドに参加し、JAZZ、ファンク、アコースティック、HM等の幅広いジャンルに即したギタープレイを繰り広げてきた Neil Fraserの経験が本作の幅広いサウンド創りに活かされているのは明らかで、70年代ブルーズHRサウンドをベースにしつつ、ソリッドなパワフルさと英国らしい哀愁のメロディを交差させフィーリングたっぷりに七色の美旋律を紡ぎ出す様と、Jason MorganのHAREM SCAREMの Harry HessとTENの Gary Hughesを足して二で割ったようなミドルレンジ主体の伸びやかなソウルフル・ヴォイスが憂いのブリティッシュ・サウンドによくマッチしており、Rick Bentonの職人的キーボード・プレイと煌びやかなシンセ・サウンドが合わさって堂々と繰り広げられる小細工無しな本作のブリティッシュHRサウンドを聴くにつけ、今のマンネリズムに陥り腑抜けて退屈になったTENにこそ本当はこういう方向性のサウンドと作品を00年代に連発しておいて欲しかった、と個人的には思えてしまう、そんなノスタルジックで優美さも香る今時珍しいまんまな英国HR風味が堪らぬ一作だ。 既述のバンドのファンな方や70~80年代英国HRファン、ブルーズ・ベースな渋味のあるユーロ・ロック・ファンな方なんかにも是非本作を一度チェックして欲しい、派手さは無いが聴き込むうちに極上の味わいと風味を楽しむ事が出来るオーセンティックなブリティッシュHRの良作であります。 Track List: 01. Wardance (Long Live The Rising) 02. Will Heaven Ever Give Us What We Need 03. When I Gave You Everything 04. The Walls Of Eden 05. The Long Goodbye 06. You're My Detonation 07. Here Comes The Night 08. Wait For A Minute 09. Down, Down, Down 10. Hold My Hand TRISHULA Line-up: Neil Fraser : Guitars、Keyboards、Backing Vocals Jason Morgan : Lead & Backing Vocals Rick Benton : Keyboards Dan Clark : Bass Neil Ogden : Drums
by malilion
| 2025-02-14 19:06
| 音楽
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