BOULEVARD 「Into The Street + 4」'24 近年オリジナル・メンバーを中心に再結成し4作目となる再始動作『Boulevard IV ~ Luminescence』を2017年にリリースして長年彼等の復活を待ち望んでいたメロディアス・ロック愛好家を歓喜させたサックスとキーボード入り6人組カナディアン・メロディアス・ロックバンドBOULEVARDが、1988年リリースのデヴュー作『BLVD.』に続きメジャーのMCAレコードから1990年にリリースした2ndアルバム『Into The Street』をフランスのマニア御用達レーベル Bad Reputationより4曲のボーナストラックを追加して24年度リマスターを施しオフィシャル・リイシューしたのを即GET! 1983年結成のカナディアン・メロディアス・ロックバンドである彼等は、当初はドイツで2枚アルバムがリリースされるのみであったがその後にバンドの活動拠点を本国カナダに移して活動を続行させ、同郷バンドGLASS TIGERやBOSTON等ともツアーをし2ndのキャッチーでメロディアスな素晴らしい出来具合に呼応するかの様に益々バンドの名声は高まったもののメジャー・シーンを襲ったグランジー・ブームの波に呑まれ、ヒットポテンシャルの高い作品を残しながらも1992年に解散を迎えてしまう… 1990年リリース当初よりメロディアス愛好家の間では好評を博した本作だが、時流の変化故か碌なプロモーションもしてもらえずその存在が広く知られる事なく解散を迎えてしまった為、後から彼等のアーバンテイスト香る洗練された美旋律の数々が詰め込まれた作品の素晴らしさ具合を聞きつけてアルバムを苦労して入手した諸兄も多かっただろう本作、実は2010年に一度だけリマスター&リイシューされておりその際はオリジナル通りの10曲収録でありましたが今回はボ-トラを追加し更に最新2014年度リマスターを施し14曲収録とリイシュー作らしいボリュームアップが図られており、1990年のオリジナル盤や2010年リイシュー盤をお持ちの方もチェックして置いて損はない注目盤だ。 再結成には参加しておらず古参ファンの涙を誘った本バンドのキーマンの一人であったギタリスト Randy Gouldが活躍した最後の作品である本作、再結成作ではキャリアを重ねた結果か渋い味わいと円熟味を増した芳醇な大人のメロディアス・ロックを披露していた彼等ですが、解散前の本作では如何にも80年代の残り香が漂うメロディアスでキャッチーな当時のメインストリームに即したラジオフレンドリーでアーバンテイストな洗練されたAOR寄りハードポップを披露しており、カナダ産バンドらいし冷ややかでスムースなコーラスワークやさり気なく華やかな演出とアレンジを担うキーボードワーク、ムーディーで官能的なサックス、そして随所に漂う叙情感とユーロ・ロックテイストが魅力的な楽曲と極上の美旋律に埋め尽くされた産業ロックにも通じる本作のコンパクトでハイセンスなサウンドと、その瑞々しい感性が煌めく様はとてもこの後すぐに解散してしまうバンドの鳴らす音と思えず、今聴き直してみても本当に堪りません♪ 今の渋くエモーショナルで説得力の増した David Forbesのヴォーカルも素晴らしいですが、やはり若かりし頃の本作で披露している生き生きとした甘く伸びやかでクリアーなハイトーンが美しい歌唱の方が都会的でシャレオツな如何にも産業ロック・テイストある本作のサウンドにピッタリだったなぁ、と納得しきりであります。 もう一人のサウンドのキーマンであるキーボーディスト Andrew Johnsのプレイは当初どちらかというとバッキング・メインだったのと Randy Gouldの剛柔幅広く表現するシャープでメロディの際立ったギター・サウンドの方が目立っていたが、再結成以降はググッとその存在感を増したので彼の弾くセンス良いシンセや小気味よいピアノの響きが気に入っている方はもしかしたら再結成してからの作品の方がお好みかもしれません。 本バンドの一番の特徴であるサックス奏者 Mark Holdenのプレイは再結成以降の落ち着きの増したAORテイスト強めなサウンドの方がマッチしているしその特性を活かせているように思え、デヴュー作に続き本作でも随所でその存在感をしっかりと感じさせるムーディでエキセントリックなサウンドを鳴らしており個人的には再結成前と後で余り印象に変化は無いが、LIVE等を見ればまた印象が変わるかも。 因みにリズム隊がデヴュー作からゴッソリと変わっているが音楽性に特に大きな変化はもたらしてはいない。 又、今回追加されたボーナストラックの4曲はデヴュー作収録曲をリマスターしたものとなっており、本作の自然な響きのリズムワークと異なりボトムの音がかなり作為的(リヴァーヴが…)で当時流行っていた打ち込み風なUKポップ・テイストやを感じ、彼等がデヴュー作から2ndでどういった方向へサウンドを進化させたのかが良く分かって大変興味深く、この流れに乗ってデヴュー作も最新リマスター&リイシュー(2009年に一度リイシュされてるけど…)してくれる事を祈りましょう。 しかし、どうせボートラ追加するなら2ndアルバムのシングルカット曲のアルバム未収録カップリング曲を追加して欲しかったなぁ…(´A`) 元々メジャー・リリース作でしたので音の悪いアルバムではありませんでしたが今回のリマスターでよりシャープで奥行ある音の抜けが向上した爽快サウンドへお色直しされたブライトでフック満載なメロディアス・サウンドの素晴らしさ具合を是非旧譜をお持ちの方に確かめてみて欲しいですね。 Track List: 01.Talk To Me 02.Where Is The Love 03.Lead Me On 04.Eye Of The Hurricane 05.Light Of Day 06.Crazy Life 07.Rainy Day In London 08.Where Are You Now 09.Need You Tonight 10.Eye To Eye Bonus Tracks: 11. Never Give Up 12. When The Lights Go Down 13. Dream On 14. Missing Persons BOULEVARD Line-Up: David Forbes : Lead Vocals Randy Gould : Guitars Andrew Johns : Keyboards Mark Holden : Saxophone Tom Christiansen : Bass Randall Stoll : Drums
by malilion
| 2025-01-30 16:45
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