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80年代末期にメジャー・シーンで活躍した Gene Marchello率いるMARCHELLOの幻の2ndアルバム音源がボートラを追加し待望のリマスター&限定1000枚でリイシュー!!

80年代末期にメジャー・シーンで活躍した Gene Marchello率いるMARCHELLOの幻の2ndアルバム音源がボートラを追加し待望のリマスター&限定1000枚でリイシュー!!_c0072376_06482901.jpg
MARCHELLO 「The Power Of Money +5」'24

Jake E. Lee脱退後 Ozzy Osbourne Band 新ギタリスト最有力候補 (結局、Zakk Wyldeが加入)であった Gene Marchello (Vo、G)率いる米国NYを拠点に活動したキーボード入り4人組USメロディアスHRバンドが1989年にCBSよりデヴュー・アルバムをリリースした後、1990年にレコーディングし1991年リリース予定だったもののお蔵入りとなった未発表2ndアルバムを以前ここで紹介した1stアルバムをリイシューしたギリシャの Arkeyn Steel Recordsが、2012年にAOR Heaven Classix から『The Magic Comes Alive』として初CD化リイシューされた本作を再びタイトルとジャケットを変え2024年度Remastered&新装オフィシャル・リイシューしたのを少々遅れてGET!!

AOR Heavenリリースの『The Magic Comes Alive』はアッという間に完売(本作と一部曲順に相違あり)してしまい、既にAOR Heavenはレーベルを畳んでしまったので追加プレスも望むべくもなく買い逃したメロハー・ファンは涙するしかなかった訳ですが、今回その幻の2nd音源に加え Bob Kulick (BALANCE、SKULL、BLACKTHORNE、KISS、Meat Loaf、etc...)がプロデュースした1985~86年のDEMO音源5曲を新たに追加した全19曲を、1st再発時と同じく Rock Candyレーベルの技師として有名な Jon Astleyの手による24年度リマスターを施して手書きナンバリング1000枚限定発売と相成り、AOR Heaven盤を買い逃し涙したファンは無論、『The Magic Comes Alive』をお持ちの方もリマスターされクリアでファットになったサウンドとボーナストラック目当てに買い直しても決して損はない一品となっております♪ (*´∀`*)

『The Magic Comes Alive』をコピーした海賊盤(『Ⅱ』『The Power Of Money』等のタイトル)も出回っていましたが、今回の最新リイシュー盤を購入すれば音質向上に加えボートラも楽しめる訳ですから、泣く泣く怪しい海賊版に手を出した諸兄も早々に本盤をGETして置きましょう! (゚∀゚)

で、幻の2ndの内容ですが、バブリーでゴージャスな70年代後半~80年代USメインストリームがバックボーンにあるギター・ヒーロー&リード・シンガー Gene Marchelloがイニシアチブを握るMARCHELLOサウンドが急に変化する訳もなく、80年代USメロディアス・ハードの名盤1stに負けず劣らずフック満載でグリッター&ゴージャスなドキャッチーで極上のアメリカン・メロディアスHRサウンドが詰め込まれた内容となっており、グランジー・ブームが勃発しなければ間違いなくメジャーからドロップする事もなくチャートを駆け上がっただろうメインストリームのお手本に即した如何にも黄金の80年代USハード特有な音数多く朗らかで跳ねるタイトなリズムが心地よいブライトでメロディアスな楽曲ばかりで、80年代メロハーを愛する方なら絶賛間違いなしのゴキゲンでイケイケ(笑)な一枚なのに、時代の悪戯とは言えこんな素晴らしいアルバムがお蔵入りとなったのは返す返すも勿体ない話だ。

売れ線を意識し過ぎた結果デヴュー作がお行儀良く纏まり過ぎのティピカルな王道メジャー路線へ倣え右だったのを反省したのか、より若きギター・ヒーロー Gene Marchelloの派手で巧みな弦捌きに焦点を定めながら、前作以上にカラフルで幅広い音楽性とキャッチーでドラマチックなメロディが際立つ仕上がりで、控えめでセンスあるモダンなシンセや泣きのギターもフィーチャーしつつ、前作以上にエモーショナルでシャープなヴォーカルと華やかでキャッチーなコーラス、さらにリリカルなアコギも配して“押しと引き”が生み出すアルバムのメリハリや巧みで意表を突く楽曲展開に耳が惹きつけられる、バンド一丸となった入り組んだアンサンブルとタイトで多彩なリズム・ワーク、テクニックと美旋律の絶妙なコンビネーションが実に鮮烈で破天荒な勢いと瑞々しい感性が迸る様な、意図してバランスを崩し流行の如何わしさ漂うバブリーでゴージャスなアリーナHMバンド・スタイルへ最接近した2作目と思えぬ充実の力作と言えましょう。

意外にファンキーな味付けが随所で顔を出し、小気味よく奏でられるギターの洒落たカッティングやタイトなリズム隊の横乗りボトムサウンドが実に心地よく、米国市場を強く意識した味付けとアレンジなサウンドなのが伝わってきますね♪

ただ、前作で感じられた米国産バンドらしからぬ叙情感やウェットな陰影を描き出す艶やかなメロディ・センスは後退し、よりドライでストレートな勢い重視の演奏とパワフルなヴォーカルを聴かせるアリーナ・ロック・スタイルへ音楽性が変化した為、スピードやアグレッション、そしてド派手なパフォーマンスやキャッチーなコーラス等が類型的なUSロック・スタイルに準じる事で大衆へ受け入れられ易くなるだろう事は容易に想像つきますし、前作のシングル・ヒット至上主義的な楽曲スタイルよりも本作の方が Gene Marchelloのフラッシーなギターワーク等の個性や音楽性をより楽しむ事が出来るのですが、様々に思惑を練っただろう本作でさえ他に似たサウンドを鳴らすUSメジャー・バンドのみならずインディ・バンドにも数多く存在した事を思うと、90年代にグランジーの闇が訪れていなくともそう長くはバンドは続かなかったのではないかと思えます。

演奏技術もルックスも悪くなく、若くフレッシュでパワフルなサウンドを鳴らす、とケチの付けようのないメジャー志向で完成度高く卓越したバランス感覚を持った優等生バンドなれどそれ故に強烈で唯一無二な個性は感じ難く、80年代当時の生き馬の目を抜く激動の米国メジャー・シーンで綺羅星の如く活躍したビッグネーム・バンドや灰汁が強く超個性的なメジャー・アーティスト達と比べるとやはり小粒な感は否めないのがなんとも…(´~`) ウーン

悪くない、寧ろ良い出来な作品だし大変に好みなサウンドなだけに、あと一つ何かが欠けているように思えて…Gene Marchelloの溌剌で伸びやかなヴォーカルや派手なギターワーク共にとても兼任と思えぬ素晴らしいレベルで、だからこそ彼がその後表舞台から姿を消してしまったのが非常に惜しまれます…(´д⊂)

今回の目玉である Bob Kulickがプロデュースした1985~86年のDEMOセッション音源の方は、DEMOとしてまずまずの音質な十分にバンドサウンドの機微を楽しむ事が出来るレベルで、より70年代のトラディッショナルHRスタイルに近いダークで図太く、パワフルで荒々しいワイルドなメタリック・サウンドを勢い任せに鳴らしており、メジャー・デヴューした後の小奇麗で洗練されたキャッチーなメロディアス・サウンドよりもアンダーグラウンドな香りがプンプン漂う今回初めて陽の目を見た粗削りなアレンジ等が楽しめる未発DEMO音源の方が好みに合う方も多いかもしれません。

ピロピロ派手な音使いな速弾きが苦手というオーソドックスな70年代~80年代初期HRを愛聴する方にこそ、今回追加された程々にキャッチーなDEMO音源(楽曲自体は後に1stへ収録)をチェックし楽しんでもらいたいですね。

まぁ、DEMO音源のまんまの音楽性であったなら後年のメジャー・デヴューは無かった事でしょうから、よりメインストリームを意識したサウンド造りを断行したMARCHELLOデヴュー作は決して間違ってはいなかったのは分かります。

バンド解散の後、キーボーディストの Gary BivonaはDANGER DANGERをはじめ各種アーティストやバンドとのセッションを主とした活動へ移行し、ドラマー John Miceliも同じくセッションを中心とした幅広い活動で Meat Loafや Ritchie Blackmore's Rainbow等とステージを共にしアルバムにも参加とバンド解散後に一番名の知られたセッション・ミュージシャンへとキャリアアップし、ベーシスト Nick DiMichinoはバンド崩壊と殆んど同時期にNY州Long Islandを拠点に活動する5人組USロックバンドNINE DAYSの結成へ参加し現在もメジャー・シーンで活動中と、その後に目立った活動をしていないのは Gene Marchelloのみとなっているのが少し寂しいですね。

とまれ80年代末期のゴージャスで華やかなギター・ヒーローのプレイもフィーチャーしたUSメジャー・アリーナ・ロック作がお好きな方は無論、VINNIE VINCENT、SLAUGHTER、FIREHOUSE、AUTOGRAPH、BLACK 'N BLUE、NIGHT RANGER、VAN HALEN、Sammy Hagar、WHITESNAKE等々に加え80年代KISSといったゴージャス・アリーナ・サウンドが好きな方なら間違いなく気に入る事請け合いな本作を是非一度ご自身の耳でチェックしてみて下さい。

Track List:
01. The Magic Comes Alive
02. Boys Night Out
03. Every Man's Lover
04. Wall Of Paper
05. The Power Of Money
06. Rock Me
07. All God's Angels
08. Good Good Girls
09. Sleazy Street
10. Running Man
11. Dancers
12. Spitting Image
13. Riot
14. I Feel Good

Bonus Tracks:
15. Livin’For Number One (Demo)
16. Destiny (Demo)
17. Tight Pants (Demo)
18. She's Magic (Demo)
19. Winners Never Lose (Demo)

01-14 The Power Of Money (“Lost” Album 1991)
15-19 Unreleased Demo 1985-86

MARCHELLO Line-up:
Gene Marchello : All Guitars、Lead Vocals、Backing Vocals
Nick DiMichino : Bass、Backing Vocals
Gary Bivona : Keyboards、Backing Vocals
John Miceli : Drums

Produced By Peppi Marchello
Mastered at Sterling Sound by George Marino
Remastered by Jon Astley

by malilion | 2025-01-19 07:08 | 音楽 | Trackback
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