ZON 「Back Down To Earth +5」'24 前身バンドであるACT.Ⅲなるバンドが1970年代半ばにCanadaのOntario州Torontoで活動していたが、後にTRIUMPHで名を馳せる Rik Emmettが脱退した為、残されたメンバーは新たにキーボード入り5人組バンドZONとして活動を続行、デヴュー作『Astral Projector』を1978年に、2nd『Back Down To Earth』を1979年にメジャー・レーベル EpicからリリースするとSTYXやFOREIGNERのオープニング・アクトを務め、自身のヘッドライナー・ツアーも好評を博するなど前途洋々に思えたがレコード会社内部の問題に巻き込まれメジャーからドロップ、THE VELVET UNDERGROUNDのカヴァーを収録した3rd『I'm Worried About The Boys!』をマイナー・レーベル Falcon Recordsから1980年にリリースすると、翌年にはシングル・カット曲がヒットチャートを駆け上る中でバンドは不遇の解散を迎える事に…と、主にあのTRIUMPHの Rik Emmettが以前在籍していたバンドとして語られる事の多いカナディアン・プログレ・ハードバンドですが、以前ここでご紹介したデヴュー作に続き再発でお馴染みな英国のRock Candyから、遂に念願叶って単品での2024年度最新Remastered&オフィシャル・リイシューと相成りました! 元々メジャー・リリース作でしたのでそんなに音の悪い事はありませんでしたが、今回のリマスターでボトム周りのサウンドがググッと強化され今の耳で聴いても少しも見劣りしないレベルへお色直しされております。 実はZON (ACT.Ⅲ)は Rik Emmettだけでなく、ドラムの名手 Kim Hunt (ex:HANOVER、ex:URGENT、ex:MOXY、etc...)や、鍵盤奏者の名手 Howard Helm (ex:MICHAEL FURY、ex:REFUGEE、ex:ICED EARTH、ex:KAMELOT、ex:MILLENIUM、CRYPTIC VISION)らも在籍していた、地味に後のHM/HR界にとっても重要なバンドだ。 これまでに何度かBootでCD化もされていましたし、以前『Astral Projector』と『Back Down To Earth』の2枚のアルバムを2枚組CDとして英国 Escape Musicが2003年にフィシャル・リイシューした事があるので既に彼等のアルバムを入手済の方も多いと思いますが、今回は最新リマスターなのに加え5曲のLIVE音源(未発音源含む)を追加してリイシューされましたのでEscape盤をお持ちの方も要チェックな一枚だろう。 いつものRemastered盤お約束のライナーにバイオや未発写真等盛り沢山なのですが、どうせなら折角のリイシューなんだしオリジナルの裏ジャケも完全再現して欲しかったなぁ…そこだけは残念。 デヴュー作の紹介時にも述べた通り、サウンドの方は70~80年代中頃までにUSメジャー・シーンで流行っていたSTYX、KANSAS、BOSTON等と同じく爽快で分厚くキャッチーなコーラスを活かしたメロディアスでポップ&コンパクトなアメリカン・プログレ・ハードと総称されるテクニカル・ロックを演っており、カナダのバンドらしいユーロ圏に近い叙情感や透明感、そしてUSロックっぽい豪快でカラッと抜けの良い爽快感が程良くMIXされた楽曲は今の耳で聴いても実に心地よく、改めて今回聴き直してもその感想は一切変わらず素晴らしいままだ (*´ω` *) やっぱりカナダ産バンドのサウンドには米国特有の泥臭いブルーズ風味が薄く、流麗なメロディや透明感、そしてウェットな音使いが実に日本人好みなんですよねぇ~♪ 聴き所は、やはり名手 Howard Helmが多種多様な鍵盤類を駆使して鮮やかにバンドサウンドを彩る英国70年代プログレ・バンド張りにテクニカルでスペイシー(笑)な音色のキーボード・ワークと音数多くソリッドで派手なリズムを叩き出す Kim Huntのエネルギッシュなドラム・ワークでしょう。 Howard Helmのキーボードワーク、特にオルガン等からURIAH HEEP等の70年代英国HRサウンドからの影響も感じられる点や、流石に Rik Emmettと比べるとテクニックやプレイヤーの格的に劣るのは否めないものの Brian Millerの弾くコンパクトでツボを心得たギター・ワークや如何にもアメリカン・ロックというハードエッヂでメタリックなギター・サウンドに過不足は無く、特にヒステリックなチョーキングやワクを効かせたネチこく癖のあるギター・ノイズが轟く所などはURIAH HEEPの Mick Boxの影響がチラついており、無論STYXやTRILLION、BOSTON、FOREIGNER等のUSプログレ・ハード系バンドの影響の方が強いのですが、隠し味的にHEEPの影響が感じられる所などはURIAH HEEPファンである私にとっては面白く、そして大変味わい深く感じられるのです♪ (゚∀゚) 惜しむらくは黄金の80年代の幕開けを前にたった3枚のアルバムを残すのみで解散してしまったZON、そのままインディででも活動を続行させていたならば再びメジャー契約を手にする事も可能だっただろうに…短い活動期間が惜しまれます… バンド解散後の各メンバーの動向についてはデヴュー作の方に既述ですので、そちらの方を御覧下さい。 尚、今回追加されたLIVEトラックでは、ちゃんと売りのコーラスの再現や、キャッチーでコンパクト、そしてテクニカルでタイトな演奏がLIVEらしいワイルドさも加味しつつエネルギッシュに繰り広げられており、彼等のファンならばチェックしても決して損にはならないだろう。 しかし、何度聴き返しても Denton Youngの歌声ってURIAH HEEPの四代目フロントマン Peter Goalbyに似てるなぁ…声質はちょっとだけ違うけど、なんか歌い方や声の伸ばし方なんかが似てるからかなんですかね? もしかしたら、当時流行りだった Lou Grammっポイ歌い方だからだろうか…? この調子で、是非に未だにオフィシャルCD化された事のない3rd『I'm Worried About The Boys!』のリマスター&リイシューをお願いしたいものであります。 Track List: 01. Circus 02. Please Stay 03. Lifeline 04. As Seasons Change 05. Suicide 06. Back Down To Earth 07. Cheater 08. Take It from Me 09. When He's Old 10. Gods And Kings Bonus Tracks: 11. Back Down To Earth (Live) 12. Circus (Live) 13. Gettin' Off (Live - Previously Unreleased) 14. Gods And Kings (Live) 15. Let Me Go (Live - Previously Unreleased) ZON Line-Up: Denton Young : Lead Vocal、Percussion Brian Miller : Guitars、Vocals Howard Helm : Keyboards、Synthesizers、Vocals、Screams Jim Sampson : Bass Kim Hunt : Drums、Percussion
by malilion
| 2024-12-16 18:38
| 音楽
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