UFO 「Ain't Misbehavin' -2024 Deluxe Edition-」'24 英国ベテランHRバンドUFOが80年代の再結成後にリリースしたマイナーなEPがボートラ追加で2024年度リイシュ-されたのを少々遅れてGET! 1982年に10thアルバム『Mechanix』をリリースするもシンセを大きくフィーチャーしたバランス重視のポップな音楽性が気に入らずバンドの両輪であったベーシスト Pete Wayが脱退し、残されたリーダーでシンガーの Phil Moggは専任ベーシスト不在のまま11thアルバム『Making Contact』を1983年にリリース、シンフォニックなキーボードとメタリックなギターを前面に打ち出した前作以上にキャッチーでモダンな新サウンドを披露するもセールスは不振で、ベーシストに元TALASの Billy Sheehanを加えてヨーロッパ・ツアーを敢行、その後の英国ツアーでベーシストを元THE DAMNEDの Paul Grayにチェンジし活動を続行するも不安定なメンバー構成やアルバム・セールスが伸び悩んだのが響いたのか、遂に1983年4月に解散する事に。 が、1984年にはUFOは再始動する。 当時、HMシーン最注目の超絶速弾きギタリスト Yngwie J. Malmsteenの名も上がるが再結成ギタリストには日系米国人 Tommy McClendonこと Atomik Tommy "M"を迎え、ベースは前作ツアーから引き続いて Paul Grayが、キーボード兼リズム・ギターには Paul Raymondが復帰し、ドラムは元MAGNUMの Jim Simpsonという布陣で12thアルバム『Misdemeanor』を1985年にリリース。 モダンなキーボード・サウンドと Atomik Tommy "M"のトリッキーでフラッシーンなギター・ワークをフィーチャーしたHMサウンドは、前作『Making Contact』で示した音楽性を更に洗練させキャッチーに発展させた Phil Mogg入魂の新生UFOサウンドであったが満足いく商業的な成功は掴めず、徐々にメンバー間の不和も大きくなり Paul Grayが脱退、さらに次作制作途中 Atomik Tommy "M"も脱退しバンドは再び空中分解してしまう… 商業的に失敗した前作の路線を押し進めるとか冷静に考えれば自殺行為なんですが、余程前作のサウンドに自信があったのか頑固な英国人 Phil Moggの意地だったのか…確かに悪い出来でない『Making Contact』ですが、やはり米国メインストリームの流れを意識しつつも米国市場にアジャストしたサウンドに成り切れなかったのが致命的だったんでしょうね… 本作のオリジナル盤はその『Misdemeanor』フォローアップ・ツアー直後の1987年にレコーディングされた未発表曲やツアー中に制作されたデモ曲、そして『Misdemeanor』収録から漏れたと思しきアウトテイクで構成されたEPで、再解散後の1988年に Atomik Tommy "M" 加入後第2弾作となるハズだった幻の作品として日本盤リリースは東芝EMIから、英欧はFM、米国はMetal Bladeから、当時の日本盤LPとCD、そして外盤CDのみに追加収録だった『Lonely Cities (Of The Heart)』も含む全7曲でリリースされ、今回のリイシューにあたって1986年のUSツアーのMilwaukee公演からの4曲と『Between A Rock & A Hard Place』のインスト・ヴァージョンを追加した全12曲収録のフル・アルバムとなっている。 今一つ知名度が低く2000年の東芝EMIからの再発や2014年のWarner Forever Young再発時にもスルーされリイシューされずじまいだったマイナーなEPがやっと米国インディ Cleaopatra Recordsからリイシューされ若いUFOファンは歓喜している事でしょう、ただどこにもデジタル・リマスターの文言が見当たらないのでオリジナル・マスターの音量だけを上げたションボリな新装再発作と思われるのだけが残念だ…orz まぁ、リリース元もそもそも売れなかった知名度の低いEPをそのままリイシューでは不安だったのか、ボーナスとして Atomik Tommy "M"を擁する編成での1986年LIVEトラックを追加&オリジナル盤よりセクシーさアップなおねぃさんの際どい姿をあしらったジャケット・イメージのNEWアートワークとなっているので、オリジナル盤をお持ちの忠実なUFOファン以外にも多少は訴求する仕様となっております。 個人的には『Misdemeanor』で提示された、80年代特有の煌びやかでキャッチーなUSメインストリームで趨勢を極めたアメリカンHMテイストと、70年代から連綿と続く伝統的ブリティッシュ・ハード・テイストを絶妙にブレンドし、さらにモダンでアダルトに洗練した意欲的な新サウンドが大好きだっただけに、本作の Paul Grayが脱退した事によってキーボード・サウンドが後退し、より Atomik Tommy "M"のヒステリックに咽び泣くメタリックでエフェクティヴなギター・サウンドがストレートに前面に押し出された、フィメール・バックシンガーも大きくフィーチャーされた未完成ながら決して捨て曲を集めたような作品とは感じられぬ、ポップでメロディアスな幾分かアメリカンHMに寄った作風のダイナミック・サウンドは当時から好印象でありました (*´ω`*) しかし、今回の未完成なEPやLIVEトラックを改めて聴き直して思うのは、UFOのアルバムってどれもバックのサウンドが派手でメロディアスに成れば成る程に、音域が狭く、伸びやかさもイマイチで、さして上手くもない Phil Moggのヴォーカルが何故か冴え渡って『これぞ Phil Mogg節炸裂!』な独特なグルーヴと唯一無二のフックを生み出すんですよねぇ、ホント不思議ですわ~(w 因みにUFO解散後、新世代ギター・ヒーローとして大注目だった Atomik Tommy "M" は、TESLAの Brian Wheat(Bass)とのSOULMOTORでアルバムを4枚出したが、2018年には Atomik Tommy's THUNDERWING名義でMVと配信シングルを2曲を発表し、その後特に何も起こらぬまま現在に至っている… Atomik Tommy "M" 擁する新生UFOがリリースした『Misdemeanor』と比べるとサウンドはデモ的で改善の余地や音質的にも厳しいものがあり明らかに未完成なEP作ではありますが、国内盤CDでの再発が見込めぬ80年代後期UFOのレア作品としてファンならば確実に押さえて置くべきリイシュー作と言えるでしょう。 ボーナスで聴けるLIVEトラックの『Doctor Doctor』『Only You Can Rock Me』等々、シンプルながらもクールなリフと直ぐに覚え口づさめる耳に馴染み易いメロディの数々で構成されたドラマティックなブリティッシュHRの普遍的な魅力を端的に伝えてくれる佳曲揃いなので、是非この時のフル・ステージを収めたLIVE作をリリースして欲しいくらい、エネルギッシュで勢いがありますのでUFOファンの方は是非チェックしてみて下さい。 尚、限定でLP盤もリリースされるが、ボーナストラックのうち『The Chase』『Night Run』のLIVE音源と『Between A Rock & A Hard Place』のインスト・ヴァージョンはCDのみの収録となる予定だ。 Track listing: 01. Between A Rock & A Hard Place 02. Another Saturday Night 03. At War With The World 04. Hunger In The Night 05. Easy Money 06. Rock Boyz, Rock 07. Lonely Cities (Of The Heart) Bonus tracks 08. Only You Can Rock Me (Live In Milwaukee 1986) 09. The Chase (Live In Milwaukee 1986) 10. Night Run (Live In Milwaukee 1986) 11. Doctor Doctor (Live In Milwaukee 1986) 12. Between A Rock & A Hard Place (Instrumental Version) UFO Line-Up: Phil Mogg : Vocals Paul Gray : Bass Atomik Tommy "M" : Guitars、Backing Vocals Jim Simpson : Drums、Backing Vocals
by malilion
| 2024-11-04 16:41
| 音楽
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