LEE ABRAHAM 「Origin Of The Storm」'24 UK第二世代ポンプバンドの生き残りGALAHADの二代目ギタリストでマルチ・ミュージシャン Lee Abrahamの11枚目となるソロアルバムがリリースされたのを即GET! パンデミックの影響を受けてかここ数作ダークなコンセプト作をリリースしてきたが、心の傷も癒えたのか同じ事の繰り返しが嫌いな Lee Abrahamの冒険心がまたぞろ頭をもたげてきたのか、ファンタジックなポンプ、キャッチーなAOR、物憂げなシンフォ、ダークなモダンHM、シネマティックなコンセプト作等々今までにも多彩な音楽性と挑戦的な作風のソロ・アルバムをリリースしてきた流れに従って、ここ数作ゲスト陣の参加数が抑えられた最小編成作が続いたが今回は英シンフォ&メロディアス・ロック系人脈を生かし久しぶりに豪華なゲスト奏者を招いた作品となっている。 冒頭のインスト曲以外で Lee Abrahamは基本ギターとキーボードをプレイするのみで他パートの多くをゲスト奏者やThe Lee Abraham Bandの面々に任せる形で制作されており、全パートを彼が手掛ける時は決まってシリアスな作風になりがちだが、ゲスト奏者を迎えた本作は様々なプレイヤーの音楽性や個性も反映させたカラフルな印象の彩り優れたネオ・プログレ作となったのが一番の特徴だろう。 ヴォーカル・パートは常ならば複数人のゲスト・シンガーに任せるのだが、近年のソロ作で常にそのエモーショナルで伸びやか、情感タップリに力強く歌い上げる抜群の歌声を聴かせてくれている、自身のソロ・シンフォ・プロジェクトTIGER MOTH TALESやCAMELのキーボード奏者としても活躍する英国出身の盲目の天才マルチ・ミュージシャン Peter Jonesと、これまでにも幾度も Lee Abrahamのソロ作に参加し、RIVERSEA、INE STONES CLOSE、MOON HALO、MANDALABAND等でも深味あるリードヴォーカルを聴かせる Marc Atkinsonの2人だけをシンガーに迎え、ドラムスにはThe Lee Abraham BandのメンバーでありCREDOのドラマーでもある Lee Abrahamソロ作ではお馴染みの Gerald Mulliganが参加している。 他にもゲスト奏者に、90年代英国ポンプ界を代表するプレイヤーでシンフォ系ファンで知らぬ人は居ないだろう鍵盤奏者 Clive Nolan(ARENA、PENDRAGON、etc...)やバンドメイトでもあるGALAHADのベーシスト Mark Spencer(GALAHAD、TWELFTH NIGHT)をはじめ、Paul Drew(THE STUDIO RATSの中心メンバーでGuitar、Production、Mixingをこなす)、Alistair Martin(マルチ・ミュージシャン Robin Armstrong率いるCOSMOGRAFのLIVE Band要員)等と、お馴染みのメンツや今回はじめてソロ作に招かれたプレイヤーも交え大人数で制作され興味深いコラボレーションが行われているので各ゲストのファンな方も見逃せぬ一作だろう。 さて、本作の内容についてだが Clive Nolanという名うてのキーボーディストを招いたのが起爆剤になったのか、それとも楽曲が先に出来て彼を呼ぶ必要にかられたのか、これまでGALAHADと被る様なシンフォ系サウンドのソロ作は意図的に距離を置いてきた Lee Abrahamだが、本作ではのっけからGENESISチックなポンプ風の音数多い華やかなキーボード・サウンドが大活躍し、それが呼び水になったかの様な00年代シンフォのさらに前の自身のバックグラウンドにあるだろう80年代ポンプ・サウンドをコンパクトにモダンに今風に改めたセンチメンタルな叙情感が随所に散りばめられた美しくメロディアスなモダン・シンフォ作となっている! ('(゚∀゚∩ 咽び泣くエモーショナルで繊細なギター・ワーク、優美で幻想的なキーボード・パート、終始メロディアスでコンパクトな楽曲を主導する Lee Abrahamのツボを心得た弾き過ぎぬマルチプレイに加え、ハートフルな叙情を紡ぐヴォーカル・パートを Peter Jonesと Marc Atkinsonがシットリと伸びやかに歌い上げ、随所でゲスト奏者達が印象的な音色を奏でつつ、昨今の世界を揺るがしているウクライナ紛争や自身の幼少期の思い出、精神衛生上の葛藤、そして神話に登場する海のサイレンをテーマにした叙事詩など、大小問わなず様々なテーマを扱い、 自身が得意とする内省的でメランコリックな美旋律とポンプ風味あるメロディアスなロックサウンドで綴っていく、有りそうで無かった英国風味香るネオ・プログレ・サウンドが実に懐かしく知らぬ間に顔がほころんでしまう (*´∀`*) 時折、ハードエッヂの立ったメタリックなギター・サウンドがザクザクとダークなリフを刻むパートが挟まれるが、この辺りのプログHM風ギター・プレイは所謂定番のポンプ作では余り聴かれぬサウンドなので、Lee Abraham的なギタリストとしての“今”の主張なのか、柔和で美しい旋律ばかりになるのを引き締める為のアクセントなのか分かりませんが、確かにアタック感ある荒々しいギター・サウンドがアルバムにメリハリを生んでいるので必要なのでしょう、古式ゆかしいプログレやポンプ・サウンドを求める向きには耳障りなノイズ成分に思えるかもしれませんけど(汗 プロデュースは自身が手掛け、マスタリングはGALAHADのアルバムやモダン・シンフォ作でお馴染みなTHRESHOLDの Karl Groomの手によりダイナミックなサウンドへ仕上げられている。 これだけの充実作の楽曲をGALAHADの最新作『The Long Goodbye』のギター・トラッキング作業に忙殺されていた2023年を通して書き、GALAHADヨーロッパ・ツアーの合間を縫って2024年初頭を通してレコーディングしアルバムを仕上げたとはちょっと信じられない、Lee Abrahamは本当に作業が早くアイディア豊富でその上バイタリティに溢れた活動的ミュージシャンなんだなぁ、良く彼の様な優れたギタリストを再びGALAHADは迎えられたものだ、とGALAHADの選択眼は間違っていなかったと再認識した次第であります。 Lee Abrahamの留まる所を知らぬ音楽的才能を最大限に活用する事が出来れば、長くお手本としてきたMARILLIONと決別した新たなる方向性で更なる高みへ必ずや上り詰めれるだろうと容易く予想でき次なるGALAHADの新作が待ち遠しくなってしまう、そんな Lee Abrahamのソロ作なのでした♪ (゚∀゚) Track listing: 01. Origin Of The Storm 02. The Same Life 03. Chalk Hill 04. Isolation / Disconnection 05. Hole In The Sky 06. When I Need A Friend 07. Siren's Song Musicians: Lee Abraham : Electric & Acoustic Guitars、Piano、Taurus Bass、Keyboards Additional Musicians: Clive Nolan : Keyboards Peter Jones : Vocals Marc Atkinson : Vocals Gerald Mulligan : Drums Mark Spencer : Backing Vocals Paul Drew : Guitars Alistair Martin : Bass Rob Arnold : Piano Ken Bryant : Bass
by malilion
| 2024-10-27 15:30
| 音楽
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