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カナダ産グラム風メロディアスHRバンドYOUNG GUNの唯一作がBootでリイシュー!!

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YOUNG GUN 「Bite The Bullet」'89

2002年に英国Escape Musicからセルフタイトルのデヴュー作をリリースしていたDANGER DANGERとMOTLEY CRUEをMIXしてGUNS N' ROSESフレーバーをまぶした様なゴージャスでキャッチー、スリージィでバッドボーイズな90年代アメリカンHRサウンドを轟かせていた、CANADAはBritish Columbia州南西部の都市 Vancouverを拠点に活動していたツインギター5人組バンドFURYの前身バンドに当るツイン・ギター&ツイン・キーボードな5人組YOUNG GUN が1989年にカセット・テープのみで自主制作リリースした唯一のEPが限定200枚でコレクターズCDでリイシューされたので即GET。

2006年に一度、Retrospect RecordsからCD-R盤でリイシューされた事があり、恐らくその音源のコーピーと思われるBoot盤で、一部にノイズが確認出来るのでオリジナル・マスターからのCD化でないのが残念だ…

とは言えRetrospect Records盤はRでしたから、今回のBoot盤はちゃんとプレスCDですので経年劣化等が心配な方は買い直しても損は無いでしょう。

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元々はPRETTY BOYZという名前で活動していたがYOUNG GUNに名を改め、満を持して6曲入りEPをカセット・オンリーで自主リリースすると、キーボードをフィーチャーした80年代産業ロック風味もあるキャッチーで華やかなUSメロディアス・ロック・サウンドは、当時に趨勢を誇っていた80年代メインストリーム・サウンドに忠実に倣ったブライト・サウンド作だったが、折しも訪れたグランジー・ブームでシーンが様変わりしてしまい、混乱するシーンの中で上手く立ち回れぬ80年代同期バンド達を尻目に些か時間を要したが従来の音楽性を残しつつ産業ロック風味を抑え、器用に当時流行っていたストーリート要素を巧みに取り入れたサウンドへドラマーのみ Paul Coxから Bobby Macへチェンジしバンド名共々変わり身するとEscape Musicからデヴュー作をリリース、したまでは良かったが、やはり80年代風のゴージャスな残り香満載なサウンドが徒になったのかアルバム一枚を残してシーンの闇に消えてしまう…

FURY改名とドラムス交代ですが、YOUNG GUNのEP時点でドラムスが複数名参加して録音しているので、もしかしたらそもそもドラムスの席が不安定だったのと同名バンドが複数存在していた可能性(イヤ、FURYも他に居るけど…)は有るでしょう。

FURYではゴージャスで分厚い華やかなバッキング・コーラスを多用しつつ、ヘヴィでリズミックなギターを主軸に展開するタフでフックある90年代風バッドボーイズHMサウンドを聴かせていたが、YOUNG GUN当時はギタリスト2人がそれぞれキーボードもプレイ出来るのを活かし、煌びやかでセンチメンタルな音色のシンセをフィーチャーしつつメロディを第一に考えたフラッシーなギターと朗らかでキャッチーなコーラスと少しハスキーながら良く伸びる Chris Comleyのブライトでパワフルなヴォーカルを主軸に据えた軽やかでフック満載な80年代風グラムHRサウンドを展開していた彼等、どちらの路線のアルバムも素晴らしい出来栄えで、多少没個性なものの当時の激動のシーンの移り変わりを敏感に察知し売れ線サウンドへ巧みにアジャストした器用さに驚かされます。

まぁ、多少後手に回ってしまい当時で言う古臭いサウンドを鳴らしているのは確かですが、それでもダルくて重苦しいグランジーまんまなポーザーと化し、元のサウンドやアイデンティティを見失って迷走する80年代デヴュー・バンド達が当時は多数いましたからね…

因みにFURYのデヴュー作には、当時DANGER DANGERに加入してメロハー・ファンを喜ばせたカナダ人ミュージシャン Paul Laineやカナダ人フィメール・ロック・シンガーとして有名な Chirssy Steele嬢をはじめ大勢の同郷有名シンガー達がバッキング・ヴォーカルでゲスト参加して彼等のデヴュー作に華を添えていました。

流石にプロダクションに金の掛かっているFURYの方がヘヴィ・サウンドの質も楽曲の出来栄えや完成度は上ですが、自主制作EP時点で後の飛躍を十分感じさせるヴォーカル・アプローチやコーラス・ワーク、そして楽曲に巧みにフックを生む作曲能力は既にかなりのレベルで、YOUNG GUN、FURYで彼等が残したアルバムの充実ぶりを鑑みると時代の節目でシーンが混乱しなければ十分にメジャー契約を果たせていただろう実力あるインディ・バンドであっただけに短命に終ってしまったのが本当に悔やまれる…

YOUNG GUN、FURY共にUSメジャー・サウンドを研究し巧みに再現しているのだが、やはりそこはカナダ人の血がそうさせるのか、米国バンドと違いメロディに叙情感が仄かに感じられ、サウンドがカリカリに渇いておらず適度な湿り気があり、更に泥臭いブルーズ風味が弱いのが実に日本人好みなサウンドなんですよねぇ (*´ω`*)

殆んど無名に近い存在なYOUNG GUNではありますが、キャッチーでフックあるサウンドはかなりの掘り出し物だしFURYも既に廃盤なので、どうせならカップリング2枚組でどこかのリイシュー専門レーベルがYOUNG GUN、FURYをデジタル・リマスターしてオフィシャル再発してくれないかなぁ~

Track listing:
01. Bite the Bullet
02. Trouble
03. Desire
04. Lady
05. Save Your Love
06. Kiss Away

YOUNG GUN Line-Up:
Chris Comley  (Lead Vocals)
Brett Anthony  (Guitars、Keyboards、Backing Vocals)
Brian Howes   (Guitars、Keyboards、Backing Vocals)
David Warden  (Bass)
Paul Cox    (Dums)

With Additional Musicians:
George Criston  (Backing Vocals)
Larry Gillstrom  (Guitars)
Pete Olster    (Bass)
Shane Lansen   (Drums)
Gary Langen   (Drums)


by malilion | 2024-10-26 15:35 | 音楽 | Trackback
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