COUNTERLINE 「Two」'24 南米コロンビアはアンデス山脈に程近く南米でも三番目に高い標高に位置する街ボゴタ出身のミュージシャン、Harold Waller (Vo) と GG Andreas (Ds)の2人を中心とするHR&AORプロジェクト・バンドがメンツを固めて本格バンドとして始動! 待望の2ndアルバムを約3年ぶりに前作に引き続きデンマークのメロハー専科レーベル Lions Pride Musicよりリリースしたのをちょい遅れてGET! 前作時点では2人のコア・メンバーのみで多数のゲスト奏者を迎えたHR&AORプロジェクトだったが、デヴュー作の初回プレス完売と予想以上の好評を受ける形で2人はメンツを補強し、キーボード入りツインギター6人編成バンド体勢となって初めての作品をご紹介。 新たに加わったメンバー達は恐らくコロンビア・シーンで活躍していた地元ミュージシャンで欧米作には誰も参加していない所謂名の知られていない新人南米ミュージシャン達だが、COUNTERLINEの目指すAOR寄りのソフトなメロハー・サウンドを表現するのにマッチしたプレイヤーを招けたのは、本作のユーロ圏バンドを彷彿とさせる叙情感を湛えつつUSバンド風な爽快感とキャッチーさも感じさせる演奏を耳にすれば誰もが納得する所で、しっかりとバンド体勢で本作の創作に当ったお陰か前作で感じられたカラオケ感は無事払拭されておりファンは一安心といった所だろう。 ツイン・ギター編成ながら無駄に弾き過ぎる事なく楽曲第一で印象的なメロディを紡ぎ、リフにソロにとコンパクトで巧み、そしてエモーショナルなフックあるプレイを聴かせる所などはとても新人バンドとは思えぬ円熟味と余裕さえ感じさせ、加えて優美な音色と気の利いたアレンジ、涼やかなシンセで楽曲に彩りを加える目立たぬがサウンドクオリティを引き上げる役割を果たすキーボードなど、無名ながら名うての南米ミュージシャン達が集結した結果、欧米の80年代風クラシック・ロック・サウンドをベースにしつつモダンな感触やグルーヴを取り入れた、薄っすら哀愁を漂わすキャッチーな美旋律とセンスあるシンセやエレピが巧みにセンチメンタルな淡い叙情を響かせ、メロウな歌心あるツボを心得たギターが織り成す世界へリスナーを誘い続ける、このジャンルでは珍しい中南米産マイナー・メロハー作なれど欧米のインディ・メロハー・バンド作群にも引けを取らぬ力作に仕上がったのは間違いない。 デヴュー作は多くのパートを Harold Wallerが独力でカバーしていたので専任プレイヤーを招いた本作の演奏面での充実が目を見張るのは当然ではあるものの、良くコレだけ巧いメンツを集められたものだと感心しますし、未だ知られぬ南米ミュージック・シーンにはまだ見ぬ凄腕プレイヤー達が一体どれだけ控えているものかと俄然興味も湧いてきますね (゚∀゚) 因みにギタリストの Frank Hansenはデヴュー作にもゲストとして招かれ数多くの楽曲で演奏を披露していたので、Harold Wallerと GG Andreasに気に入られ正式メンバーへ迎えられたのだろう。 その他のメンツは今回初めてバンドに加わったミュージシャンとなっている。 ただ前作でも指摘したが、AORやメロハー系バンド作はとかくヴォーカリストの力量で作品の評価が著しく上下するものだし、それだけヴォーカリストに歌唱力が求められるシビアなジャンルな訳で、残念ながらこの手の音楽をプレイするにはヴォーカリストの技量が未だ足りていないのは否めず、前作より幾分マシにはなっているものの声量、音域、パワフルさ等、どれもバンドサウンドを著しくスポイルするまではいかないものの明らかに不足しており、目指す方向性は素晴らしいし楽曲の完成度もデヴューしたばかりのバンド作としては十分過ぎる程だが、多くに置いて足を引っ張ってしまっているマイナス印象なのが実に惜しい。 ソフトなAORテイストが強い楽曲をミドルレンジ主体でシットリ歌い上げる分には問題なく、寧ろデリケートで甘いなかなか良い歌声を聴かせるのだが、やはりまだまだ表現の幅が狭く、ヴォーカルが占める割合が多い形態のサウンド故に露骨に歌唱スキルが不足している事を露呈してしまっているのは次作で早急に改善すべき点だろう。 バンドサウンド自体がソフト寄りなメロハー・サウンドを構築する方向性なので、やたらとパワフルさやダイナミックでスピーディなリフを求められる訳ではないのが救いだが、同じテンポや繊細で柔和な印象のサウンドばかりではメリハリ不足になりがちだし、バックがあの手この手で工夫しようと何れマンネリズムに陥るのは明白なので一刻も早いヴォーカリストの歌唱力向上が本バンドの将来を左右すると言っても過言ではないだろうし、逆に言えばその問題点をクリア出来れば即欧米のAクラス・メロハー・バンド群と競い合えるだけのポテンシャルを秘めた有望な新人バンドだと思うので、LIVEに次ぐLIVEで鍛え上げ益々の精進を願いたい。 後はバジェットの限られたインディ作なので仕方が無いがボトム・サウンドが少々軽くサウンドの奥行が弱く平坦な印象で、有能なプロデューサーと上質なプロダクションの力を借りれればその点を含めて一段上への飛躍も困難ではないように思えるので、是非とも次作ではその辺りも改善して欲しいものであります。 とまれまだまだ始動したばかりな新人バンドでありますし、よりバンドとしての結束が高まり、さらにレーベルから資金的バックアップが成されれば前述の問題の多くは解決するでしょうから、次なるアルバムが届けられる頃には諸々の問題が解決していると信じて気長に待ちましょう (*´ω`*) Track listing: 01. Night Of Rock And Roll 02. Away 03. Fantasy 04. Those Shadows 05. Tears Of The Fallen Angel 06. Hanging By A Thread 07. Extrano 08. My Voice Won't Fade 09. Jenyfer 10. Beast Unleashed 11. No More Reason 12. Beyond COUNTERLINE Line-up: Harold Waller (Lead Vocals) Gg Andreas (Drums) Frank Hansen (Guitars、Backing Vocals) Dany Siza (Bass) Nano Cely (Guitars) Diego Sanardi (Keyboards、Backing Vocals) With Additional Musicians: Michael Coleman (Guitars on tracks 4、7) Ray Perez (Guitars on tracks 9、10) Produced、Mixed、Mastered by Harold Waller
by malilion
| 2024-10-18 17:17
| 音楽
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