JADIS 「More Questions Than Answers」'24 1982年に結成され、MARILLION、IQ、PALLAS、TWELFTH NIGHT等と共に80年代ポンプ・ムーヴメント勃発時にUKアンダーグラウンド・シーンを盛り上げたJADISが、唯一のオリジナル・メンバーでリーダーの Gary Chandler (Vocals、Guitars)に率いられ前作『No Fear Of Looking Down』'16 から約8年振り通算10作目となる新譜でシーンに帰還したのを些か遅れてGETしたので今頃にご紹介。 バンドの長い歴史を振り返ると、常にベーシストの John Jowitt (ex:IQ、ex:ARENA、ex:FROST*、DRIFTING SUN、etc...)と二代目キーボーディトの Martin Orford (ex:IQ、x:THE LENS、ex:John Wetton Band、etc...)が脱退、再加入を同時期に繰り返し(2008年 Martin Orfordは音楽業界から引退、ファンの要望に応え直ぐ復帰…)て来たのだが、本作は前作から Martin Orfordのみが復帰した John Jowittの居ない前作と同じ新4人編成となっての二作目となる作品となっている。 イヤー、これだけインターバルが空いたのでまたぞろメンツが変わっているんだろうなぁ、などと悲しい予想をしていただけにメンバー・チェンジの類いが無くて何よりであります♪ ヽ(´ヮ`)ノ アルバムリリース間隔が常に4、5年あった上に、近作の作詞作曲は無論の事、プロデュースやミックスに至るスタジオワークまで殆んど全て Gary Chandlerが手掛けるワンマン体勢な、それ故に纏まりがあり独自色豊かな Gary Chandlerの弾くクリアーなギターを主軸にしたフュージョン・サイドからポンプ&シンフォ系へアプローチして変異したかの様なモダン・メロディアス・シンフォロックであるJADISサウンドを保ち続けられた反面、他のメンバーは待機期間に他の収入が無い場合は継続してバンドに在籍し続け辛い等のワンマン・バンド共通な問題を常に孕んでいた訳で、今回初めて長いインターバル (Gary Chandlerが音楽の創作から完全に離れてしまっていた…)を経ても在籍し続けてくれたベーシスト Andy Marlowは他にもプロデュース業等で生計を立てられていたのが大きかったんでしょうねぇ…(汗 いつになくインターバルが空いた影響なのか、音楽から離れていた短くない期間に何か思う所があったのか、常通り Gary Chandlerの爽快感あふれるクリアーでキラキラとした美旋律を紡ぐギターと持ち味であるシンプルでストレートでありながら他の80年代UKポンプ勢とは一線を画すキャッチーでブリリアントなポップサウンドや英国叙情香るセンチメンタルでドラマティックなシンフォニック・ロック、そしてフュージョンチックなモダン・サウンドに乗った軽快でスタイリッシュなセンスをタップリ堪能出来るティピカルなJADISサウンドが詰まった一枚なれど、本作には Martin Orfordが独力で創作し持ち込んだ楽曲を4曲も収録している点や、プロデュース、ミックス、エンジニアリング等今まで Gary Chandlerが仕切っていた裏方作業を Andy Marlowに初めて任せた事、アレンジやアイディア等を含めてメンバー全員が作曲し創作に貢献している点も大きな特色と言え、これまで40年以上かけ築いてきた音楽要素を包括的に含みつつも他メンバーの持ち込んだ新たな感覚も活かされたJADISらしい爽快なメロディック・シンフォ・ロックが堪能できる会心の一作となっている。 プロデュースを Andy Marlowが手掛けている為か、いつになくテクニカルで鮮明なリズム・ワークとダイナミックでタイトなドライヴ感がアルバム中に満ち溢れており、いつもと変わらぬ Gary Chandlerが弾くギターが奏でるキャッチーでエモーショナルなメロディとフックある伸びやかなヴォーカルに導かれ、Martin Orfordが巧みに操るオルガンやメロトロン、シンセ等をフィーチャーしつつ繊細なアコギや涼やかなフルートも交えたフォーク調でアコースティカル(ちょっとSPOCK'S BEARDっポイ)な楽曲、ドラマ性を帯びた叙情的な展開や80年代ネオ・プログレと初期GENESISやYESを彷彿とさせるレトロ・プログレを高いレベルでミックスしたプログレッシヴ性、英国ならではの気品ある美旋律とシンフォニックで壮大なソロを織り交ぜながら、それら全てが複雑に絡み合い深みあるハーモニーを響かせ聴き応え満点の高いパフォーマンスで練り上げられ研ぎ澄まされていく様は本当に美しく爽快だ。 入り組んだ巧みなアンサンブルと多彩な音色の変化、テクニックと美旋律の絶妙なバランス、ポップなスタイリッシュさと英国を感じさせる優美さ、それら全てがハイセンスに溶け合うだけでなく、70~80年代プログレ、ポンプに根差したヴィンテージな薫りが立ち込める瞬間が随所に秘められており、そんなセンチメンタルな想いを突き抜けるようにクリアーで鮮明なギター・サウンドが全てモダン・シンフォ・ロックな彼方へ連れて行く痛快な展開は、彼等にしか成し得ぬお家芸だろう。 実際の所、とても8年振りの新作と思えないくらい何時も通りにJADISなサウンドに思え、これまでも頑固一徹、時代が移ろうとも決してサウンドがブレぬのが彼等の持ち味でもあり個性でもあった訳で、他メンバーの持ち込んだアイディアを活かした新風を感じさせる本作でもソレは変わらず特に目新しいモノは何も見当たらないのだが、この変化の少なさを否とするか安定と捉え是と捉えるかで久しぶりに届けられた、長らくこのバンドに期待されて来た通りの内容である本作の評価も大きく変わるように思えます。 一時感じたハードエッヂな感触は薄れ、より円熟味を増したポピュラリティー高いシャープなシンフォニック・ロックへ再びサウンドのタッチが傾いている風に感じるが、それはプロデュースした Andy Marlowの好みな音の方向性なんでしょう、きっと。 彼等のファンは無論の事、80年代ポンプの残り香も漂う英国風味たっぷりの抒情性ある爽快でモダンなメロディアス・シンフォニックUKロックがお好きな方は是非本作をチェックしてみて下さい。 Tracks Listing: 01. Said And Done 02. Wood Between The Worlds 03. Everything We See 04. Do You Know 05. Questions Without Answers 06. From All Sides 07. Fading Truth JADIS Line-Up: Gary Chandler (Lead Vocals、Guitars) Steve Christey (Drums & Percussion) Andy Marlow (Bass、Programming、Loops & FX) Martin Orford (Keyboards、Backing Vocals、Flute & Cittern) Produced、Engineered、Mixed by Andy Marlow
by malilion
| 2024-08-30 19:46
| 音楽
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