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80年代英国ハードポップ・デュオ RIOの2ndアルバムが最新リマスター&ボートラ追加でリイシュー!!

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RIO 「Dangerzone +3」'24

遂先日に80年代英国ハードポップの名盤の誉も高い彼等のデヴュー作『Borderland』'85 がMelodicRock Classicsレーベルよりリマスター盤でリイシューされたのをここでもご紹介しましたが、その彼等が続く1986年に英国Music For Nations レーベルからリリースした2ndアルバム『Sex Crimes』のタイトルを改め、更にアートワークをリニューアル、そしてボーナストラック3曲追加収録し、再発メロハー・リマスター作業でお馴染みの JK Northrup氏による2024年度最新リマスターを施され、遂にMelodicRock Classicsレーベルよりオフィシャル初CD化(当時LPとカセットのみリリース)が成されたのを即GET!

デヴュー作の紹介時にも述べたが1stアルバムはデジタリー風味ある英国ハードポップ・サウンドとコンパクトな楽曲が好評であったものの、続く2ndアルバムは方向性をハード寄りなアリーナ・ロック路線へ変更したのが祟ったのか商業的に失敗し、アルバム2枚を残すだけでARGENTの Jim Rodfordの息子 Steve Rodford (Drums、Bass、Keyboards)と Jon Neill (Vocal、Guitars)による本スタジオ・デュオ・プロジェクトは姿を消してしまう…

デヴュー作の英国ハードポップ路線を期待すると確かに『んん?』と首を傾げたくなるかもしれませんが、英国サイドから当時趨勢を極めんとしていた80年代米国メジャー・シーンへの回答と捉えると印象も変わってくる本作、時代を感じさせる深くリヴァーヴのかかったデジタル処理が効いたビッグなドラムサウンドが実に味わい深く、ハードエッヂでクリスプなギターサウンドを主軸に据えたキャッチーでメロディアスなヴォーカルと気の利いたアレンジに主眼を置いた煌びやかなシンセワーク、そして表面的に米国アリーナロックの形態をなぞっているもののその根っこの部分で隠しようもなく英国的ウェットな美旋律と叙情的な音使いが奏でられているのが分かって隠し味のように楽しめ、改めてそのサウンドに耳を傾けると当時酷評された程に悪い出来のメロディアス・ハード作ではなかったと今なら思えます。

『デュオのキャラともサウンドともイメージが違う』と以前から多くのファンに囁かれていた2ndアルバムのアートワークですが、Steve Rodfordが語るには『当時レーベルが勝手にアルバム・タイトルを決め、天使の羽根付きトップレス女性のエロティックなアートワークに決めてリリースしてしまった』らしく、今回のリイシューにあたってやっと満足いくタイトルとアートワークをリニューアルしてリイシュー出来て積年の後悔が解消された模様だ。

まぁ、レーベル的にはセクシーなジャケでセンセーショナルな話題を呼びたかったのかもしれないが如何せん本デュオのサウンド・イメージと大きくかけ離れていたのは明白だし、バブリーでゴージャスなサウンドの退廃的スリージー・ロックンロール・バンドなら当時はギリギリでアリかもしれないが、実際はそこまでデザイン的に優れている訳でもセクシーでもないって言うチープなデザインなのが、ね…

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今後リイシューされるとしても本作のタイトルとアートワークに倣う事になるだろうからオリジナル盤をお持ちの方はそれはそれでレア盤所有と言う事になるのかな?

因みにアートワークがオリジナルのままな板起こし(粗悪なロシア製Bootが多数アリ)Boot CD等も出回っておりますが、やはり音の奥行とクリアさ、ボトムサウンドの分厚さがダンチな本リマスター盤の方が優れておりますので、オリジナルのエロティックなアートワークについてしか価値はありませんね。最早。

やはり Jon Neillの爽やかで甘い声質の歌声はヘヴィでビックな荒々しく勢いあるHM系サウンドには似合わないという想いはクリアーでソリッドになった本リマスター盤サウンドを聴いても変わらなかったのが少々残念ではありますが、まぁコレは十分予想出来てましたので…

今回のリイシューの目玉と言えるボーナス・トラックは、アルバム収録曲のデモ・ヴァージョンが収録されているが下手にスタジオ・ワークで加工されていない、1stのサウンドにちょっと寄ったシンプルな鳴りの素朴なサウンドで、寧ろ今ならバンド主導の本来の方向性を垣間見れるデモサウンドで全曲リイシューした方が好評を得られるかもしれない、そんなお宝音源でありました。

とまれ80年代メロディアス・ロック愛好家なら手を出して見ても決して後悔する事のないアルバムですので、レーベル・ソールドアウトする前に速やかに購入しておきましょう。お見逃しなく!!

Track List:
01. Pay For Love
02. Under Pressure
03. Atlantic Radio
04. Highschool Rock
05. Guilty
06. When The Walls Come Down
07. Danger Zone
08. Sex Crimes
09. Dirty Movies
10. Bad Blood

Bonus Tracks:
11. Atlantic Radio (Original Demo)
12. Guilty (Original Demo)
13. Pay For Love (Original Demo)

RIO Musiciens:
Jon Neill      (All Vocals、Guitars)
Steve Rodford   (Drums、Bass、Keyboards)

Produced & 1st Engineer Steve Rodford


by malilion | 2024-07-03 17:54 | 音楽 | Trackback
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