NIGHT PLEASURE HOTEL 「Portraits」'24 メロハー系バンドや各種メロハー・プロジェクト等でそのストレートに突き抜けるブライトなハイトーン・ヴォイスを披露し絶賛されるだけでなく、既に脱退してしまったが近年はWHITESNAKEに鍵盤奏者兼バッキング・シンガーとして参加しその名を広くメジャー・ミュージック界にも知らしめたイタリア人シンガー Michele Luppi、その彼が率いるソロ・バンドのバックを務めていた Michele Luppi Band のメンバー等によるトリオ編成のAOR&メロディアス・ロックバンド のデヴュー作がイタリア気鋭のメロハー&AORレーベル Art Of Melody MusicとBurning Minds Music Groupよりリリースされたので即GET! 元々バンドは十数年前に Alex Mari & THE LOVERSという名で結成されたカヴァー・バンドで、QUEEN、TOTO、POLICE、AC/DC等といったメジャー・アーティストやバンド達の楽曲をプレイし活動していたが、幾度かのメンバーチェンジを経て現トリオ編成に面子が固まり、Michele Luppi Bandや他のバンドでの活動をする傍ら、今回こうして念願叶って遂にオリジナル曲のみで構成されたアルバムを制作しリリースに至った模様だ。 本作は彼等が影響を受けた、SURVIVOR、FOREIGNER、PRISM、TOTOといったメインストリーム・サウンドで80年代に米国チャートを沸かしたUSアリーナ・ロックや産業ロック、そしてAORバンド等の影響を強く打ち出したキャッチーでブライトな80年代風USサウンドな、けれど隠しようもなくユーロ圏特有のウェットで叙情感ある美旋律で彩られたオクトジェニック・サウンドが心地よいメロディアス・アルバムを届けてくれている。 各メンバー共にバックバンドや各種プロジェクト、スタジオ・セッション等の長年の経験が豊富な為か交友関係も広く、記念すべきデヴュー・アルバムにイタリアン・ミュージック・シーンで名の知れたミュージシャン達、盟友 Michele Luppi (Keyboards / ex:VISION DIVINE、Michele Luppi's HEAVEN、ex:SECRET SPHERE、ex:WHITESNAKE、etc...)をはじめ、Luca Zabbini (Keyboards / BAROCK PROJECT、ex:PFM Support)、Paolo Caridi (Drums / ELLEFSON-SOTO、ex:Reb Beach、ex:Geoff Tate、ex:Michele Luppi、KRELL、Cristiano Filippini's FLAMES OF HEAVEN、etc...)、Gianluca Tagliavini (Keyboards / ex:PFM、etc...)、Igor Gallerani (Keyboards / OPHIURA)等のロック系のみならずクラッシック奏者やJAZZプレイヤー、更に音楽学校講師までもが招かれ華を添えており、その豪勢で多岐に渡るジャンルのゲスト陣をお目当てに本作に手を出してみるのも一興だろう。 因みにヴォーカルの Alex Mariはイタリアン・エピックHMの雄 RHAPSODY OF FIREのアルバムでバッキング・ヴォーカリストとしてゲスト参加した経験があり、イタリアンHMファンならその名を覚えている方もいるかもしれない。 また、面白いのはこの手のAOR&メロハー系バンド作のゲスト陣にしては珍しくプログレ系ミュージシャンが数多く参加している点で、これはフロントマンでリーダーの Alex Mari (ex:Michele Luppi Band、BAROCK PROJECT、OPHIURA、etc...)が長年に渡って幅広いジャンルのセッションやバンドに参加してきた賜物だろう。 寧ろモダン・イタリアン・プログレ系ファンにとっては2017年からBAROCK PROJECTのシンガーで、イタリアン・プログレHM系ファンにとっては2011年からOPHIURAのシンガーが、新たに80年代風メロハー・バンドをはじめた、という印象かもしれないが、時系列的に言うと最初が80年代USバンドのカヴァー・バンド Alex Mari & THE LOVERSだった訳だから Alex Mari的には『十数年越しに念願叶ってやっと自身のバンドでフェヴァリット・サウンドを披露出来た!』と言う事になる訳で感慨も一入に違いない。 ただお手本が80年代USメインストリーム・ロックではあるものの本作から聴こえてくるサウンドは単なる80年代USロック・エミューレート・サウンドではなく、クラッシックなオクトジェニック・ロックにモダンなタッチとダイナミズムを加え、気の利いたアレンジと隙無い技巧的演奏、そしてイタリアン・ミュージシャンの血に流れる美旋律への拘りとメリハリある楽曲構成、特にカラフルなコーラスワークに隠しようもなくユーロ圏特有の湿り気を帯びた哀愁と儚くもドラマチックな独特のリリシズムが渦巻いており、程よくエッヂある泣きのエモーショナルなギターはガラス細工のように繊細で華やかなキーボードと極上のアンサンブルを紡ぎ出し、お手本とは明らかに毛色の違う独創性ある80年代風ユーロ・AOR&メロハー・サウンドが、キャッチーなフックと洒落たメロディ、そして鮮やかなサウンドスケープと渾然一体となって瑞々しい感性の輝きに終始煌めいている♪ (*´∀`*) イヤー、コーラス・ワークがどことなく後期URIAH HEEPっポかったり、初期PRAYING MANTIS (ESCAPEやSTRATUSっポくもアリ!)っポかったりと、そんな瞬間が度々訪れるものだからそのどうしょうもなく柔和で陰影淡いユーロ圏的なメロディの使われ方や展開に一人でニヤニヤしてしまいましたよ(w それと Sebastiano Barbiratoは明らかにHEEPの Mick Box風なネチこいワウを使ったヘヴィで狂おしいブルージーなギター・ソロを嬉々として披露しているので、その辺りのブリティッシュHRバンドの影響も感じられるのも実に良い感じなのデス (゚∀゚) プログレ系のゲスト・キーボーディスト達はリリカルで美しくセンチメンタルなキーボード・ソロや小気味よく軽やかなピアノを流石の腕前で艶やかに奏でており、その点についても本作のセールスポイントなのは間違いありません。 Michele Luppiと比べると音域でもパワーでも流石に一歩劣るものの、Alex Mari もこの手のジャンルを歌うには十分過ぎる歌唱力を誇っており、今回初めて彼の歌声を耳にするだろうAOR&メロハー系ファンにも本作のミドル・レンジ主体ながら伸びやかに歌い上げる確かなヴォーカル・クオリティは安心してお薦め出来るのは間違いない。 本作のサウンドをトリオだけで再現するのは困難なのでLIVEではヘルプ要員が招かれるのでしょうが、出来る事ならメンバーを補充してしっかりとした体勢を整え、本格的なバンド活動を続け素晴らしい次作を届けて欲しいものです。 能天気でカラッとした爽快感や勢いでは本家USロックに劣るのは否めないが、日本人好みな美しい旋律と叙情感あるサウンドはまだまだA級クオリティとは言えないものの十分にこの手のジャンルのアルバムとしては及第点以上の仕上がりとなっておりますので、どこか北欧メロハー勢にも通じる本作に目一杯詰め込まれた美旋律の数々を是非に一度チェックしてみて欲しいですね。 Tracklist: 01. Niko 02. Just This Once 03. We Say Goodbye 04. Walking Through The Horizon 05. You And I 06. Sweet Melodies Of Rain 07. Shivers 08. What I Feel 09. Julia 10. Suddenly 11. For You 12. Quella Sera (Bonus Track : Suddenly Italian Version) NIGHT PLEASURE HOTEL Line-Up: Alex Mari (Lead & Backing Vocals、Bass、Guitars、Keyboards) Sebastiano Barbirato (Guitars、Bass、Backing Vocals) Gianluca "Mr.Pisu" Pisana (Drums、Piano、Backing Vocals) Additional Musicians: Keyboards: Michele Luppi on Track 2 Luca Zabbini on Track 4 Gianluca Tagliavini on Tracks 8、9 Igor Gallerani on Tracks 10、12 Enrico Varisco on Track 7 Francesco "Free" Savazza on Track 1 Lorenzo Locorotondo on Tracks 3、5 Michele Canella on Track 6 Emanuele Vassalli on Track 11 Luca Furlan on Track 8 Bass: Roberto Galli on Tracks 1、7 Francesco "Franky Prissts" Preti on Track 9 Jacopo Aneghini on Tracks 4、5 Enrico Mangherini on Tracks 3、11 Drums: Paolo Caridi on Track 9 Percussion: Iarin Munari on Track 11 Produced by NIGHT PLEASURE HOTEL P.S. 無事国内盤リリースされる運びとなった模様で、日本盤のみボーナストラックが収録され13曲構成になる予定だが、一曲外盤と入れ替えられており全ての音源が欲しい方は外盤と国内盤を両方GETしましょう。
by malilion
| 2024-05-30 18:17
| 音楽
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