SHEELA 「Burned Down」'95 1991年結成のドイツ産アメリカンHRスタイルなキーボード入り5人編成メロハー・バンドの1995年リリリースとなるデヴュー・アルバムがデンマークのメロハー専科レーベル Lions Pride MusicからRemixed & Remasteredを施され、更に新アートワークでリイシューされたのを即GET! 90年代のメロディアス系バンドにアゲンストな風が吹き荒れる時勢にデヴューしたせいか世界的にはほぼ無名と言えるバンドではありますが、当時ビクターより日本国内盤はお洒落なオリジナル・ジャケットデザインでリリースされたので彼等の事を知る古参メロディアス愛好家は多いハズ。 今回バンドのキーボーディストで現在は主にツアー・サポート・プレイヤー(SAGAの20周年記念ヨーロッパ・ツアーのサポートを務めた)をはじめプロデュース業等でも成功している Markus Teske (Key:後にDARK SKYやVANDEN PLAS、U.D.O等の独産HMバンドのプロデュースを数多く手掛ける)の手によるニュー・リミックス&リマスターが施された本作ですが、残念な事にオリジナル通りの11曲収録となっており未発表音源等の追加はされていない (´д⊂)ムネン… 流石に元メンバーでプロデュース業を生業にしている Markus Teskeが直々に手掛けただけあって、現在の耳で聴いても少しも遜色のないボトム・サウンドが図太くアップされ、最新スタジオ・テクノロジーを活用したリミックス効果の恩恵かギターとキーボードを中心に音の分離が増し、サウンドの輪郭がよりハッキリとした瑞々しくメロディアス・ロックアルバムに相応しい華やかなサウンドへお色直しされており、オリジナル盤をお持ちの方でも今回の磨き抜かれブラッシュアップされたサウンドには大満足な事請け合いですので、懐具合に余裕あるようでしたら一度購入を検討してみても良いのでは? ベースがブンブン唸りを上げ、時にソリッドに時にファンキーに巧みにリズムを刻みまくってるのがハッキリ聴こえて超カッコイイ!('(゚∀゚∩ 2003年リリースの4thアルバム『Process...』をここで紹介した時に色々とバンドの歴史等は書き連ねたので仔細はそちらの方を御覧下さい。 結局、本作の後で少し濁り声で中音域から高音域までソツなくこなし、80年代風アメリカン・ロックにピッタリな朗らかなテイストとほんのり David Coverdaleっポイ風のディープなブルース風歌唱まで披露したパワフルな歌声を聴かせたリード・ヴォーカル Wolfgang Weberが20年来の友人であった Chris Moserと Markus Teskeを捨て新興宗教(!?)に走って脱退し、新たにちょっと癖のある歌唱を聴かせる Andreas Kepplerをフロントマンに迎え、音楽性は80年代メインストリームを汲む流れのままなキャッチーでフック満載なメロディアスHR作な2ndをリリースしたのですが、やはり時代が悪かったのは如何ともし難かったですね… 当時、国内盤デヴュー時に『WHITESNAKEやBON JOVIを彷彿させるサウンド』と紹介されていた彼等、ブルーズ・ベースな音楽性にユーロ圏特有なウェットな叙情感と哀愁漂う美旋律を隠し味にしつつ、爽快なアメリカン・テイスト強めなキャッチーでメロディアスな楽曲、そして奇をてらった所など無い新人バンドと思えぬ完成度高いオーソドックスなHRサウンドを披露していた訳ですが、そのドイツ産バンド特有の臭みや所謂ジャーマン・メタル的な狭い聴衆を狙っていない、より幅広い大衆向けな洗練された極上のメロディアス・サウンドに今後の活躍に期待が高まったものでしたが…orz 他の如何にもメタル・バンドと言った下世話で子供っポイ、けれど分かり易いジャケと全くイメージの違う、本バンドのその後トレードマークとなるモダン・アートスタイルなジャケを見るだけで彼等の目指す方向が、当時の疾走サウンドが売りのジャーマン系HMバンド達と別だったのが伺えますよね。 ![]() 90年代当時のHMバンドのブルース回帰の影響もあったのか、渇いたギターの音色とハモニカとバンジョーを交えた鄙びた埃っぽく渋いブルーズ・サウンドを聴かせたりと、多少楽曲の出来にバラつきはあるものの総じて質が高く幅広い音楽性を感じさせるフック満載なメロディアスHRサウンドを聴かせていたのも他の疾走感が売りなジャーマンHMバンド達と違って個性が感じられ面白いデヴュー作でありました。 なんと言ってもギタリスト Chris Moserが要所で耳を惹くフレーズを連発し、テクニカルに畳みかけるだけでなくスピードに頼らすフィーリングたっぷりに奏でる味のあるギター・プレイが非常に印象的で、表で Chris Moserのハードかつ滑らかなギター・サウンドが大活躍し、裏で Markus Teskeの操る鍵盤サウンドが奏でる華やかなシンセ・サウンドと細やかなアレンジ等でしっかり楽曲を盛り立て、音数は多くないものの爽快なコーラスも巧みに交えてミッドテンポ中心な楽曲の表情をバラエティ豊かに変化させる手の込んだHRサウンド、そんな素晴らしいメロディアス・サウンドが3rd以降失われ時流に阿った流行りのダルいモダン・ヘヴィネスへ急接近してしまったのが本当に残念だったなぁ…(T~T) これを期に他のアルバム3枚もリイシューしてくれると嬉しいのですが、Markus Teskeは忙しそうだし、そもそも2nd以降のリイシューをどこのレーベルも望まないのかもしれないのが‥‥ とまれ80年代メジャー・USメロディアス・ロックの流れを汲む本作のサウンドにご興味あるようでしたら是非一度自身の耳でチェックしてみて下さい。 Tracklist: 01. Long Time 02. Burned Down 03. Claire 04. Ready 05. Holdin' On 06. Reno 07. Fire Woman 08. Spread Your Wings 09. Kickin' Up Dust 10. Hang Tough 11. You Got Something SHEELA Line-Up: Wolfgang Weber (Lead Vocals、Acoustic Guitar) Chris Moser (Guitars、Backing Vocals) Tony Spagone (Bass、Backing Vocals) Markus Teske (Keyboards、Backing Vocals) Jo Jo Nimitz (Drums、Backing Vocals) with: Stefan Djokic (Slide Guitar) Robert Henrich (Harp) Martin Hofmann (Backing Vocals) Patricia Loesch (Backing Vocals) Produced by SHEELA Remixed & Remastered by Markus Teske
by malilion
| 2024-05-10 19:28
| 音楽
|
Trackback
|
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2025年 02月 2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 more... お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
検索
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||