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ART OF ILLUSIONで知られる北欧メロハー職人 Anders Rydholmと Lars Safsundが新ユニット作をリリース!

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RYDHOLM / SAFSUND 「Kaleidoscope」'24

元GRAND ILLUSIONでART OF ILLUSIONのスウェーデン人マルチ・ミュージシャン Anders Rydholm (B、Key、G)とGRAND ILLUSION、ART OF ILLUSION、LIONVILLE、WORK OF ART、ENBOUND他多数のバンドやプロジェクトに籍を置き今や北欧メロディアス・ロックシーンでも随一の知名度を誇るスウェーデン人シンガー Lars Safsund (Vo)の2人によるAOR&ウェストコースト・プロジェクトのデヴュー作がリリースされたのをちょい遅れてGET!

既に北欧メロハー・バンドART OF ILLUSIONで活動を共にする2人だが、今回わざわざ別名義でアルバムをリリースするには理由があるそうで公式コメントによると、

『なぜ新しい名前、Rydholm and Safsundを選んだのか不思議に思う人もいるだろう』
『ART OF ILLUSIONの曲程ヘヴィではなく、よりファンキーだ。ホーンも入っている』
『音楽を表現するのはとても難しいけど、例えるならメロディック・ロックとウェストコースト・サウンドのミックスで、少しポップなんだ』
『我々はただ、この新しい音楽がそれ自体で、そしてそれが何であるかという事で評価されるのを願っているよ』
『昔の作品と比較するのはとても簡単だけど、意図的に違う物だというシグナルとしてART OF ILLUSIONの名義を使わず、自分達の名前でリリースする事にしたんだ』
『だからといって、メロディック・ロックの制作を止める訳でも、メロディック・ロックへの愛が薄れる訳でもない』
『このアルバムは、我々の音楽に対する情熱の新たな探求であり、ミュージシャンとして、ソングライターとして成長しようとする試みなんだ』
『メロディが豊富で本当にグルーヴィで素晴らしい曲ばかりだから、とても楽しいよ』

と言う事らしい。

そもそもGRAND ILLUSIONの前身バンドPROMOTIONで Anders Rydholmはホーンをフィーチャーしたファンキーでキャッチーな CHICAGO + TOTO風な80年代US型メロディアス・ロックを演っていた訳だから、今回の CHICAGO + TOTO + ウェストコースト・サウンド × 北欧メロディアス・タッチな軽目のAORサウンドを別段目新しいとか全くの予想外とか、これまで彼の活動を追いかけて来たファンならば思わないし特に驚く事もないだろう。

簡単に言ってPROMOTIONで示したサウンドへ先祖返りしたとも言えるが、さすがに1997年リリースだったPROMOTION当時なサウンドを再現する訳もなく、全編に渡って現代的モダンな感覚が過不足なく追加された、類稀なるメロディ・センスはそのままに、より成熟したミュージシャンとしての技量やソングライターとしての成長が伺える絶妙なアレンジ具合も実に心地よい、北欧ポップスやウェストコースト系AOR、そして80年代風産業ロック等がお好みな方を満足させる大人の為の趣ある味わい深い作品だ。

ART OF ILLUSIONとの差別化を意図して図っている為、ドラムスにART OF ILLUSIONでも叩いている Frank "Frallan" Nilssonのみが参加しているが、それ以外はプロジェクト作の常と言わんばかりに、TAKE6で美声を聴かせる Joel Kibbleをはじめ、スウェーデン・セッション・ギタリスト Kristian LarsenやWORK OF ARTのギタリスト Robert Sall、米国有名セッション・ギタリスト Tim Pierce、スウェーデン・マルチ・ミュージシャン Stefan Olofsson、若くして Stevie Wonderと共演を果たしたスウェーデン人セッション・サックスプレイヤー Wojtek“Shark Attack”Goral、PROMOTION時代にメンバーだった Hakan Malmbergなどなど、数多くの同郷ミュージシャンや旧友、そして各国の一流セッション・ミュージシャン達で固められており、クレジットを確認しつつ各自の客演の程を楽しむのも乙なモノだろう。

フック満載でキャッチーなメロディアス・サウンドな事と、爽快で美麗なコーラス・ハーモニーがフィーチャーされた、Lars Safsundの下から上まで幅広いトーンをカヴァーする伸びやかでエモーショナルな抜群の美声、という点はGRAND ILLUSIONやART OF ILLUSION、そして他の北欧メロハー作とも共通する要素ではあるが、本ユニットは明確にメロハー・サウンドと違う軽い洒落たAOR&ファンキー・ポップス・サウンドのみをプレイしており、Anders Rydholmと Lars Safsundの両名の名に釣られてメロハー・ファンが購入するのは避けた方が賢明な、大人な味わいある完成度高いコンテンポラリー・サウンドを楽しむ向き用な作品である事は間違いない。

逆にメロハー化してGRAND ILLUSIONになり失われてしまったPROMOTION当時の CHICAGO + TOTO風な80年代US型メロディアス・ロック要素や北欧AOR、ムーディでブライトなブラスとホーン・セクションが小気味よく弾けるオクトジェニックな洒落たウェストコースト・サウンドがお好みな方ならば間違いなく長らく愛聴盤になるだろう、そんな素敵なアルバムだ。

Tracklist:
01. Now And Forever
02. Hey You
03. What's Not To Love
04. Seven Signs Of Love
05. Don't Make Me Do It
06. 4th Of July
07. The Bet
08. Sara's Dream
09. Bucket List
10. The Plains Of Marathon
11. Kaleidoscope
12. Love Will Find A Way

RYDHOLM / SAFSUND Musicians:
Anders Rydholm      (Bass、Rhythm Guitars、Keyboards)
Lars Safsund        (Lead & Backing Vocals、Synthesizer Solo on Track 12、Bass Synth on Track 5)

Additional Musicians:
Frank "Frallan" Nilsson    (Drums)
Joel Kibble         (Backing Vocals on Track 4)
Kristian Larsen       (Guitar Solos)
Robert Sall         (Guitar Solo on Track 10)
Tim Pierce         (Guitar Solo on Track 6)
Stefan Olofsson       (Piano on Track 3)
Wojtek“Shark Attack”Goral (Saxophone Solo on Tracks 3、5、9)
Hakan Malmberg      (Sax Solo on Track 8)
Pelle Holmberg       (Rhythm Guitar on Track 12、Guitar on Track 9)
Matt Bissonette       (Bass on Track 1)
Ola af Trampe       (Rhythm Guitar on Track 1)
Larry Salzman       (Percussion)
Nicolas Lazo Zubieta    (Congas on Track 1)
Pablo Cepeda        (Congas & Bongos on Track 8)
Martin VerDonk       (Percussion on Tracks 3、12)

Horns:
Tom Walsh         (Lead Trumpet、Fluegelhorn)
Mike Davies         (Trumpet)
Nichol Thompson      (Trombone)

Fredrik Wiklund      (Trombone on Tracks 6、7、12)

Horns on Track 1:
Chuck Findley       (Lead Trumpet)
Charlie Davies       (Trumpet)
Gary Herbig        (Saxophone)
Nick Lane         (Trombone)
Joackim Wickstrom     (Trumpet <verse 2>)

Produced and Arranged by Anders Rydholm & Lars Safsund
Recorded and Mixed in GodisPaScen Studio 2021~2024、by Anders Rydholm


by malilion | 2024-05-09 17:43 | 音楽 | Trackback
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