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80年代初期スウェディッシュHMバンドKEEN HUEのデヴュー・アルバムがBootでCD化!

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KEEN HUE 「Ogre King」'85

バンドの歴史は古く、1977年頃に北欧スウェーデンで結成されるものの1982年にPang Responseから7インチ・シングル『One Of Two』で正式音源デヴューと古参ながらメンバーチェンジが激しく思うよう活動出来なかった模様で、1stフル・アルバムがリリース時には結成当初のメンバーは誰も残っておらず一番の古株がギタリストの Stefan Morenとドラマーの Peter Erikssonであった、そんな彼等の1985年にEbony Recordsのサブ・レーベル Criminal Responseよりリリースされた記念すべきデヴュー・アルバムが米国のグレーなレーベル(汗) Old Metal Recordsから初CD化で限定リイシューされたのを止む無くGET!(´д⊂)

長期の活動停止を経て2019年にオリジナル・メンバーを中心としたリユニオンを果たし、未発だった旧曲を新録した3rdアルバム『Heydays』を今は亡きドイツ AOR HEAVENからリリースした彼等、現在も活動中な模様だが今回の1stアルバムはリリース元レーベルがとっくの昔に倒産しているのでもうオリジナルLPは入手不可能だし、何か権利関係で問題があるのか今まで一度もオフィシャルなCD化は果たされていない。

最新のバンド編成はツイン・ギター5人組だが、このデヴュー・アルバム時点ではツインギター&ベースがヴォーカルを兼ねる4人編成で、ダサダサな垢抜けぬジャケット・イラストのイメージ通りな典型的な北欧B級マイナーHMバンドでした…

音域の狭い下手糞なオッサン声の如何にもB級HMバンドなリードヴォーカルがもたつきヨロめきながら力一杯ガナリ立て、ハモってないダメダメなコーラスにバタつくドラム、そしてハードドライヴィンなギターがおぼつかぬテクを懸命に披露、と荒っぽいツインギターが時折耳を惹くマイナー調のメロディを掻きむしる初期北欧HMの典型パターンとも言えるブリティッシュHMの影響を受けたイモ臭さ満点のスピーディなHMを奏でていたので、その筋のマイナー北欧系HMバンドが好みのメタルヘッド野郎共に『北欧リリシズムに溢れるピュアHMサウンド』とかなり好意的に捉えられたカルトな存在だったらしく、実際に北欧地域ではソコソコ売れたらしい。

一応、当時の彼等はマイナー正統派HM、北欧様式系B級HMというカテゴライズだったハズ(汗 レーベル的にもそーいう売り文句だったみたいだし…

デッドストックが何処ぞの倉庫の奥から発掘でもされたのか、それとも北欧地域から流れてきたのか、実際、私もかなり遅れて新品LPを購入可能でしたから数は出回っていたのは確かです。単にプレスし過ぎたのか、売れ残り続けた可能性も大ですが(汗

最新作『Heydays』では、長い年月を経て経験値が上がった為か Lars-Ake "Platis" Nilzonの歌声は別人かと思うくらい、少し苦汁声なもののマイナー調の疾走する楽曲でツインギターが華麗にメロディアスなソロを紡ぎつつ、ポップでキャッチーでありながらシッカリ芯のある熱い歌声とコーラス、という1st路線が正統に進化した今となっては古式ゆかしい初期北欧スピードHMな、荒々しくもメロディアスな楽曲が詰め込まれたアルバムにジャストフィットしたヴォーカルを披露していたが、デヴュー作の本作では本当にダメダメな歌唱を披露していて苦笑させられます。

そう言う訳で80年代初期北欧HMマニアか熱心なKEEN HUEファンにしか訴求はせぬだろうが、逆に言えばカルト作を追い求める熱狂的HMファンにとっては願って止まなかったリイシュー作で、名前だけは知られていた幻の音源を手軽に聴く事が可能になったので北欧HMファンも欣喜雀躍だろう。

まぁ、初CD化でリイシューと言っても随所でブツブツ、ピチパチとスクラッチ・ノイズが入っていたりサウンド・バランスがフラつく事もあり、板起こしのBootの割りにまぁまぁな音質なのが唯一の救いくらいかなぁ?

因みに本作リリース前の1983年に7曲入りDemo Tapeを出しており、デヴュー・シングル曲や本作未収録曲などを含むレア音源として現在も高値で取引されているらしく、Boot音源も出回っている模様なので気になる方はチェック(1stでも酷い出来なのにデモとなれば更に劣悪サウンドなので覚悟してネ!)してみてもいいかもしれない。

流石にオリジナルのアナログLPを所有している方々もこのままでは擦り切れてしまうし、今回限定リリースのBootとは言えこうしてCDで手軽に本作が聴けるようになったのは喜ばしい事でしょう…出来る事ならばオフィシャルでリマスター&リイシューして欲しかったなぁ…orz

HEAVY LOAD、TORCH、OVERDRIVE、220 VOLT、UNIVERSEらと肩を並べて成功を目指して疾走していたKEEN HUEの80年代初期北欧HMサウンドは、当時を知る古参リスナーは勿論、知らなくてもスピーディーでストレートなマイナー調北欧HMがお好みなマニアックな方ならば気に入るかもしれない一作だと思いますので、ご興味あるようでしたらチェックしてみても決して損にはならないでしょう。

間違っても万人に薦められる作品ではないし、確実に好事家向けのマニアックなアイテムではありますが、Bootなのでプレス数も決して多くないだろうし、次にいつ入手出来るのかも分からないドマイナーなカルト・アルバムですからお求めの方はお早目にネ!

Tracklist:
Side A
01.The Doctor's Crying
02.Fighting
03.Crossfire
04.Daydreams
05.Liar

Side B
06.Ogre King
07.Prisoner But Guiltless
08.We Don't Wanna Go
09.Her Last Will
10.Keen Hue

KEEN HUE Line-Up:
Peter〝Zeke”Ericksson    (Drums、Backing Vocals)
Stefan Moren        (Guitars、Backing Vocals)
Ake Nystrom        (Guitars、Backing Vocals)
Lars-Ake〝Platis”Nilsson   (Lead Vocals、Bass)




by malilion | 2024-05-01 06:56 | 音楽 | Trackback
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