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南米アルゼンチンから期待のメロディアスHRバンドNEON RIDERがデヴュー・アルバムをリリース!

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NEON RIDER 「Destination Unknown」'24

南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを拠点に活動するツインギター5人組バンドNEON RIDERが記念すべきデヴュー・フルアルバムをドイツのPride & Joy Musicレーベルからリリースしたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

アルゼンチンのロックシーンで活動する2人のギタリスト Hernan Cattaneoと Marcos Nieva Greenはアルゼンチン・パワー・メタル・バンドAMMAで活動を共に(AMMAでは Marcos Nieva Greenはベースをプレイ)しており、Hernan Cattaneoは他にもEDENLORDなるパワー・メタル・バンドでも活動していて、そんな2人が自分達のルーツであるHRとAORをベースに、よりクラシックなサウンドの音楽を作るために新たなプロジェクトを2020年の後半に結成した事からNEON RIDERの歴史はスタートする。

因みに Marcos Nieva Greenは他にもSONS OF SIONなるシンフォ系メタル・バンドやV-TWINなるメロハー・バンドではリードヴォーカル(!)を担当している、なかなか多芸なプレイヤーだ。

まず2021年にドラムが空席のままデヴュー・シングル『On The Run Again』をデジタル・オンリーでリリース。

当時の面子は Hernan Cattaneoと Marcos Nieva Greenの中心メンバーであるギター2人に加え、シンガーに Bruno Sangari、ベースに Nelson Nelsixxという構成だった。

粗削りながら80年代リスペクトなHMにAORをミックスしたような洒落たキーボードがフィーチャーされたメロディアス・サウンドは光るモノを感じさせるが、まだ Bruno Sangariのヴォーカルも不安定な上に無駄にガナリ立てており、如何にもインディHRバンドな纏まりに欠けるサウンドでありました。

御多分に漏れずインディ・バンド定番なメンバーの入れ替わりがありつつ、2023年になると4曲入りデヴューEP『Timeless Times』を自主リリースするが、この時点でベースには Daniel Bravo、ドラムに Pablo Ureta、そしてキーボーディスト Gerardo Abbenanteを擁するツインギター&キーボード入り6人組編成へ。

かなり現在のサウンドに接近した音へ洗練度が増し、分厚いコーラスと鍵盤サウンドを全面に押し出してAOR成分を強めた、80年代USメジャーを彷彿とさせる洒落たアレンジと華やかなシンセ・サウンドが心地よいキャッチー・サウンドをこのまま模索するのも悪くないと思わせるEPでした。

ですが残念ながら程なくして Gerardo Abbenanteが抜け、ツインギター5人組編成になると目出度くドイツのPride & Joy Musicレーベルのバックアップを受け記念すべきデヴュー・フルアルバムを2024年にリリースと相成った訳であります。

中心人物のギタリスト2人がパワメタ・バンドに現在も在籍している関係でか、この手の80年代リスペクト系メロハー作にしてはヘア・メタル全盛期を華やかに飾ったギター・ヒーロー張りのフラッシーな速弾きもフィーチャーされたりとギター・サウンドにギラつくメタリック成分が色濃いのが大きな特徴で、オクトジェニック・メロハーに定番なエモーショナルで叙情的なヴォーカルとメロディックに煽情する歯切れ良いハードなツインギター、そしてギター・オリエンテッドでHR然としたサウンドを軸としつつメロディアスなハード・ポップ、ムーディーなAOR、キャッチーな産業ロック等の要素を巧みに取り込みモダンな感性を付け加えた、独特のメタル・アプローチが隠し味な〝古くて新しい”オクトジェニック・メロディアスHRサウンドを提示している。

サイバーなイメージのアルバムジャケから『シンセウェヴ系バンド?』と思いがちだが、その実は南米バンドに特有なメロディアス・サウンドへの強い拘りがあるオールドスクール寄りサウンドで、何故か80年代ジャパ・メタ風サウンドに聴こえる瞬間が多々ある(母国語が英語でないのに英詞を歌ったり溌剌と英語サビを歌い上げるから??)のが面白く、メタル・エッヂを残しつつ華やかなシンセを控えめに配し80年代風なAORとメロディアスHRをMIXしたかのようなキャッチーでブライトな楽曲は新人バンドらしいフレッシュな息吹とポジティヴな感性に満ちており、フック満載な上に印象的なコーラスと爽快な歌メロがタップリとフィーチャーされた洗練されたロック・サウンドには、メロハー・ファンが求めるモノが全て揃っていると言えましょう。

また、アルバム最後のトラック『Riders Of The Night』には特別ゲストとしてバンドメンバーの子供達を含む子供合唱団が招かれ、可愛いらしい声で軽やかに歌い上げており実に微笑ましい限りだ (*´ω`*)

ただ本作に全く問題が無い訳ではなく、自主制作盤でもないのに著しいプロダクションの問題を抱えており、このアルバムはバンド全員でプロデュースし、Marcos Nieva Greenがミックスとマスタリングを担当した様だが、ドラム・サウンドが軽く薄っぺらでボトムのヴォリュームが不足(リヴァーヴ不足?)して聴こえるのと、楽曲によってミックスのバランスにもバラつきがあったり、更に一部にノイズが聴こえたり、と楽曲クオリティは一定レベルを保ちプレイも頑張っているのに細かな所で色々と損をしている、プロダクションの問題と合わせて折角レコーディングしたサウンド全体が平坦に聴こえてしまう等の弊害が生じているのが非常に残念だ…

思うにPride & Joy Musicレーベルからのリリースは、自主制作盤でリリースするまで音源が完成してから急遽決まった為、その自主盤音源をそのままリリースしてしまったと言うのが事の顛末ではないだろうか? いやー、そこはレーベルの方がチェックしてちゃんとスタジオで問題点を直さなきゃ駄目でしょうに、ねぇ?

てか、EPの時よりサウンド・クオリティが下がってるのが訳分りません。もしかして脱退したキーボーディスト Gerardo Abbenanteの尽力でEPの録音品質が上がってたんだろうか?(汗 もしそうだったならアルバムの録音だけでもヘルプ頼めば良かったのに…

後は母国語でないので仕方がないだろうが、所々で Bruno Sangariのヴォーカルに不自然さを感じてしまう時が多々あり、これは今後キャリアを積めば時間が解決してくれるものと信じたい。

とは言え、まだデヴューしたての若いバンドなのでアレコレ文句をつけても始まらないし、今後はきっと細かな問題等も改善されてより欧米バンド・レベルに仕上がった素晴らしい作品を届けてくれる事を祈ろう。

まぁ、バジェットさえ用意されて優れたスタジオ・ワークが成されれば今回の様なプロダクション問題はすぐ解決しますからね。

個人的にはEP時のゴージャスでバランスの取れたメジャー路線のAOR成分強めな煌びやかなキーボードサウンドが活かされた方向性の方が好みでしたが、中心人物がギタリスト2人では致し方がないですよね…

ADELLAIDE、HUNTER、Eddie Vantez、MARENNA、GUNNER等々の国内盤リリースが望み薄く輸入盤店を賑わしている南米メロハー・バンドのファンならば迷わすチェックしても決して損は無い、アルゼンチンから登場の期待の新星メロハー・バンドNEON RIDERのデヴュー作を是非ご自身の耳で確かめて欲しい。

Tracks Listing:
01. Destination Unknown
02. Neon Rider
03. Feel The Magic
04. Unleash Your Fire
05. I Lay My Life In Rock And Roll
06. Compass Rose
07. Surreal
08. My Time To Say Goodbye
09. Standing By The Edge
10. One And Only
11. One Night In The Big City
12. Riders Of The Night

NEON RIDER Line-up:
Bruno Sangari    (Lead Vocals)
Hernan Cattaneo   (Guitars & Backing Vocals)
Marcos Nieva Green (Guitars & Backing Vocals)
Daniel Bravo     (Bass & Backing Vocals)
Pablo Ureta     (Drums)

Produced by NEON RIDER



by malilion | 2024-04-12 19:08 | 音楽 | Trackback
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