NIGHTBLAZE 「Same」'24 イタリア人コンポーザー兼マルチ・インストゥルメンタリスト兼プロデューサーの Dario Grillo (PLATENS、VIOLET SUN、ex:THY MAJESTIE、etc...)が兄弟の Alex Grilloと共に、2021年に結成した80年代リスペクトで華やかなキーボードをフィーチャーした4人組メロディアスHRバンドがデヴュー・アルバムをリリースしたのを即GET! 既にギタリストと言うよりも Dario Grilloは職業ライターと呼べるポジションのプロフェッショナルなミュージシャンなので器用に幅広い音楽性の楽曲を提供出来る訳だが、そんな彼が今回披露するのはJOURNEY、SURVIVOR、TOTO等の80年代USメジャー・シーンを賑わしたアリーナ・バンドやラジオフレンソドリーなUS産業ロック風のゴージャスでキャッチー&コンパクトな楽曲と、ユーロ圏ならではのウェットな美旋律と叙情感ある音色を融合させた、00年代以降メロハー・ミュージックの牙城と言えるイタリア Frontiers Recordsや英国 Escape Music等が好んでリリースしてきた、マニアックな80年代リイシュー作やベテラン・バンドのカムバック作だったり、新人メロハ‐・バンドの気鋭ミュージシャン達が集ったプロジェクト作等で数多く披露され世界中のメロハー・ファン達に歓迎されているお得意の〝古くて新しい”メロディアス・ロック路線作だ。 Dario Grilloはメロディアス・ロック系バンドを好むファンには良く知られたヴォーカルまでもこなせるマルチ・プレイヤーで、00年代初頭にRHAPSODYフォロワーのイタリアン・シンフォニック・エピックHMバンドTHY MAJESTIEで活躍して頭角を現し、バンド脱退後は自身も男女ツイン・ヴォーカルの一翼を担うイタリアン・ゴシックメタル・バンドVIOLET SUNなど、多方面に楽曲提供する中で近年は弟の Alex Grillo (VIOLET SUN、ex:VERDEMELA)と共にメロハー・バンドPLATENSを中心に活動していた訳だが、ヴォーカルに最近PERFECT VIEWを脱退したソロ・シンガー Damiano Libianchi、ドラムに Darioの弟 Alex、ベースに紅一点 Federica Raschella (STEEL TYRANT、EVIL EYES)という経験豊富でインスピレーションに溢れたミュージシャン達を迎えてカルテットを構成し、AORをベースに欧米折衷スタイルのコンパクトに纏まった期待に違わぬ完成度高いよりメジャー路線のキャッチーで80年代リスペクトなメロディアスHRを届けてくれている。 余りルックスの優れぬ髭面のくたびれたオッサンズ(汗)ばかりのバンドに、クールビューティーな Federica Raschella嬢が居る事で華やかさが付け加えられている点もスタジオ・プロジェクトではないNIGHTBLAZEの今後の活動を思うと、ステージ映えなどを考えても無視出来ないポイントですよね? Dario Grilloはキーボードも兼任している事もあるだろうが、本作では特にギターを弾き過ぎる事なく楽曲第一のメロディ重視なプレイを心掛けており、要所で楽曲に華やかさと輝きを与えるシンセ・サウンドのツボを心得た使い方は流石で、Damiano Libianchiのミドルレンジ中心な少しハスキー気味の太いヴォーカルを活かしたフックある歌メロと爽快感ある耳に馴染み易いキャッチーなコーラスをタップリとフィーチャーし、目立たないがしっかりとボトムを支えるリズム隊の堅実なプレイに固められた小気味よいメロディと軽快な曲調に彩られた楽曲には、生々しい衝動や燃え上がるアグレッション、そして新鮮な驚きは皆無であるものの、綿密なアレンジと高水準にプロデュースされクオリティ的にも申し分なくとても新人バンドのデヴュー作と思えぬ手堅い仕上がりで、80年代HR&産業ロック、80年代メジャー・ロック・ファンや80年代リスペクト・メロハー作ファンにとって必聴な一枚と言えるだろう。 薄っすら聴こえるバッキング・コーラスの使われ方や、キーボードとギターの洒落たアレンジ、アコースティカルなギターの爪弾きや甘いストリングスの醸し出すリリカルさ、そんな音数が多くなく仄かにSURVIVORのオリジナル・シンガー Dave Bicklerっポイ雰囲気を漂わす Damiano Libianchiのヴォーカルを第一に考えた Dario Grilloの職人芸的プレイの端々から色濃くSURVIVORの影響が伺え、また彼の関わって来たバンド作の中で一番〝引き”の情感とイタリア人らしい濃厚な美旋律が活かされた楽曲とレイドバックしたプレイが収められたアルバムとも言え、そういう点からも Dario Grilloファンにとっては大変興味深い一作なのは間違いない。 また、何もかもが80年代偏重と言う訳でなく、しっかりと随所でデジタリーな音像も使われており、そういったさり気ない現代テクノロジーの80年代テイストを損なう事ない使われ方はプロデューサー Dario Grilloの流石の手腕と言えるでしょう。 唯一の懸念は Dario Grilloが複数バンドを掛け持ちしている事や、作曲、プロデュースなど裏方スタジオ・ワーク等が忙しく、同じ様にバンド掛け持ちしている他メンバーとの都合がつかずに満足なバンド活動が出来ぬ状況に陥り易い事くらいでしょうか? 後は Damiano Libianchiがソロシンガー志向な人ッポイので、このバンドもヘルプで参加した立場な可能性が大きいのがちょっと残念…(汗 是非、そこの所は上手くスケジュール等を調整して順調な活動を願いたいものです。 Frontiers Music御用達ミュージシャンとしてのみならず、プロデューサー、ソングライター、そしてキーボーディストとして、有名所はHARDLINE、SUNSTORM、Jorn、REVOLUTION SAINTS、FIND ME、FIRST SIGNAL、HAREM SCAREM、HOUSE OF LORDS等々のプロジェクトやバンド作でメンバーや裏方プロデューサーとして参加したり、マイナー所ではVIANAやLIONVILLE、LANESLIDE等に参加と、数多くのアルバム制作に関わるそのワーカホリックぶりに驚かされるイタリア人ミュージシャン Alessandro Del Vecchioと“タメ”を張れる Dario Grilloの豊富で素晴らしい才能が遺憾なく発揮された本作を『所詮80年代メジャー作の焼き直しだ』とバッサリ切り捨てるには惜し過ぎる、20年代らしいモダンなタッチとフィーリングも付け加えられたコンパクトでシングルヒット向きな佳曲満載な注目のデヴュー作だと思うので、既述のバンド作を気に入った方は是非自身の耳でチェックして欲しい (*´∀`*) Tracks Listing: 01. Sudden Blast 02. Take On Me 03. You're Gone 04. Diana 05. Tell Me 06. Hold On To Me 07. Carry On 08. Fading Away 09. Fragments Of Time 10. Daughter 11. Daughter (Acoustic Version) NIGHTBLAZE Line-up: Damiano Libianchi (Lead Vocals) Dario Grillo (Guitars、Keyboards、Backing Vocals) Federica Raschella (Bass) Alex Grillo (Drums) Produced 、Mixed 、Mastered by Dario Grillo
by malilion
| 2024-03-21 21:11
| 音楽
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