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フランス産モダン・メロディアス・プロジェクト・バンドHEART LINEが80年代名曲の限定カヴァーEPをリリース!

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HEART LINE 「Original Seeds」'23

フランス人ギタリスト兼プロデューサーの Yvan Guillevic (YGAS、PYG、UNITED GUITARS、EMPTY SPACES)によって2020年に結成されたメロディアス・ロックプロジェクト・バンドが、80年代メロディアス・ハードの名曲の数々をカヴァーしたEPをドイツのメロハー・レーベル Pride & Joy Musicから500枚限定リリースしたので即GET!

2023年6月に2ndアルバム『Rock 'N' Roll Queen』をリリースし、パリを含むツアーを成功させたHEART LINEが、まさかこの短期間にカヴァーEPとは言え新音源を年末にリリースするとは完全に予想外でした。

アルバム・タイトルが示す通り、バンド創設者である Yvan Guillevicが欧米で80年代に活躍した魅力的なバンド達が奏でていたキャッチーで華やかな音楽の数々の影響を受けて育ったのは自他共に認める周知の事実で、そんな彼の音楽的バックボーンと己の作品のインスピレーションの源を赤裸々に告白した一作と言えるだろう。

気になる元曲アーティストは、TOBRUK、DAKOTA、AVIATOR、VIRGINIA WOLF、ALIENとイギリス、スウェーデン、アメリカなど様々な国からチョイスされており、一般的な音楽ファンにとって超メジャー級アーティストやバンドでは無く必ずしも有名ではないが、古くからのメロディアス愛好家にとっては十分知られている、下世話に売れ過ぎておらず又アンダーグラウンドな通好み過ぎてもいない程良いラインナップなのが Yvan Guillevicのセンスと品の良さを感じさせますね。

メロディアス愛好家にとっては知られたバンドの名曲ばかりをチョイスした訳なので極上のメロディアス・ハードな楽曲に問題があろうハズもなく、そうなると後はどういった料理の仕方がされているのかが注目点になる訳ですが、基本的に原曲に忠実なアレンジでまとめられており、Yvan Guillevicの弾くギターにハードなエッジとアドリブが幾らか追加されているのと Jorris Guilbaudの奏でるキーボードの音色にモダンさが感じられ洗練度が増した仕上がり具合といった所でしょうか?

オリジナル曲を歌うシンガー達の素晴らしいヴォーカル・スキルを思うと、正直 Emmanuel Creisの歌唱力や表現力が追いついていない今一歩及ばぬイメージはあるものの、バックのサウンドは総じて素晴らしく全ての楽曲がHEART LINEカラーに見事に染まっていて彼等のソフト寄りなAOR&メロハー・サウンドがお好みな方やオリジナルを知らぬ最近メロハー・サウンドに興味を持ち始めた方などには十分満足いくカヴァー・アルバムだと思えます。

簡単に収録曲の情報をば。

“Falling”は、1985年にリリースされた英国バンドTOBRUKの1stアルバム『Wild On The Run』収録曲で、印象的なキーボードとハードでワイルドなギターが唸りを上げるパワフルなトラック。

“Runaway”は、1984年の同名アルバムに収録されている米国バンドDAKOTAの名曲で、オリジナルのモダンさを交えた美旋律と表現方法、今耳にしても新鮮さを感じさせるアレンジ力の高さ、そして何よりも Jerry Hludzikのエモーショナルな抜群のヴォーカルが楽しめる素晴らしいトラック。

“Front Line”は、1986年にリリースされた米国バンドAVIATORの同名アルバム収録曲で、惜しくも一枚のみしかアルバムを残して居ないがAOR&メロディアス愛好家なら誰でも知っているバンドの魔法のようなトラック。

“Living On A Knife Edge”は、1986年にリリースされたLED ZEPPELINの亡きドラマー John Bonhamの息子でAIRRACEや自身のバンドBONHAMでも活動した Jason Bonhamや、HEARTLANDやSNAKECHARMERの Chris Ouseyらが在籍していた事で知られる英国バンドVIRGINIA WOLFの1stアルバム収録曲で、洒落たニューウェイヴ感覚とHR風味が絶妙に交差するトラック。

“Go Easy”は、スウェーデンの北欧メロハー元祖的バンドALIENが1988年にリリースした同名デヴュー・アルバム収録曲で、オリジナル・シンガーの Jim Jidhedをフィーチャーした北欧盤と元MADISONでALIEN、SNAKECHARMER、MIDNIGHT SUN、BEWARP、SILVER SERAPH、JADE、MAD INVASION等々、この後に数多くの北欧HRバンドを渡り歩く事になる実力派シンガー Pete SandbergをフィーチャーしたUSリミックス盤ヴァージョンのヴォーカルが違うデヴュー盤が有る事でメロハー・ファンには有名で、アルバム内でも最もキャッチーでアメリカン・テイストがあるトラック。

オリジナルへの敬意を示しつつも彼等なりの解釈と現代的なプロダクションにより幾分かパワフルでモダンな仕上がりとなっているのと、改めてオリジナル楽曲の魅力も再認識できる好作でありますので、既発の二枚のスタジオアルバムが気に入っている方や80年代のキャッチーで華やかなメロディアス・ハード・サウンドにご興味ある方なら一度チェックしても決して損はしないアルバムだと言えましょう。

ファンならば間違いなく見逃せぬマストな500枚限定アイテムですので、フィジカル盤をお求めの方はお早目にね!

Track List:
01. Falling (TOBRUK Cover)
02. Runaway (DAKOTA Cover)
03. Front Line (AVIATOR Cover)
04. Living On A Knife Edge (VIRGINIA WOLF Cover)
05. Go Easy (ALIEN Cover)

HEART LINE Line-up:
Yvan Guillevic     (Guitars :YGAS、PYG、UNITED GUITARS、EMPTY SPACES)
Emmanuel Shadyon Creis (Vocals :SHADYON、EQUINOX)
Jorris Guilbaud    (Keyboards :DEVOID、SHADYON)
Dominique Braud   (Bass :YGAS、EBH)
Walter Francais    (Drums :SHADYON)



by malilion | 2023-12-28 17:31 | 音楽 | Trackback
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