P.M. HEAT 「Breaking The Ice」'23 米国テキサス州で1980年代後半から90年代初期にかけてクラブを中心に活動していたキーボード入りツインギター6人組USメロディアスHRバンドP.M. HEATの1989年リリースのデヴューEP『P.M. Heat』の4曲と1990年リリースのカセット・アルバム『Breaking The Ice』の10曲計14曲をリマスターして収録した貴重音源作品がマニア御用達レーベルのMetallic Blue Recordsから初CD化されリイシューされたので即GET! デヴューEPはメロディアス・ロック愛好家のコレクターズ・アイテムとして知られる一枚で、アナログは5万円超え、CDは何と10万円超えも珍しくない激レア・アイテムとなっておりその噂と入手困難さを耳にし涙を呑んでいたメロハー・マニアな諸兄も多いハズ (ツд`) 更にカセット・デヴュー・アルバムの方はほぼ市場に出ていない幻の激レア・アイテムで、現在一体いくらの値は付いているのか見当もつきません(汗 さて、そんな噂のバンド作が遂にリイシューされた訳ですが、ただ市場流通数が少ないからレア・アイテムとして高騰しているだけでなく、実際皆が求めるだけある素晴らしい内容なのが嬉しいですね。 陽気で屈託ない如何にも80年代初期から中期にかけてメインストリームを席捲していたラジオフレンドリーでハッピーなアメリカン・ロックという、華やかでお洒落な心地よいシンセ・ワークと程々にハードエッヂあるメロディアスでクリアーなギター、そして濁り声ながらパワフルに伸びやかに歌い上げるフックある甘くキャッチーなヴォーカルにシッカリと歌メロを盛り立てる分厚く爽快なバッキングヴォーカルと、本当に80年代USロックの教科書の様で逆にここまで“まんま”なサウンドを真正面からプレイするバンドが90年代初頭にクラブ活動を続け音源をリリースしていたのが信じ難い、それくらいグランジー勃発でメジャーシーンはおろかクラブシーンも激変していた当時を考えると嘘の様な、軽く十年は鳴らす音を間違え(汗)ている、だからこそメロディアスでキャッチーなそれまで持て囃されて来たアメリカンHRサウンドに飢えていた諸兄には諸手を上げて歓迎されただろう事が容易に想像出来る、そんなまるで80年代初期からタイムスリップして来たかのような混じりっけ無しのピュア・オクトジェニック・サウンドがもう本当に堪りません♪ ('(゚∀゚∩ 無論、ヴォーカルがフラットすれすれになる危なっかしい場面やツインギター編成にしてはギター・サウンドが薄っぺらく、寧ろ終始華やかに鳴り響くシャレオツでAOR風なシンセ・サウンドの方が目立っていたりとHRというカテゴリーでもかなりソフト目で洗練されたポップロックを演るクラブ・レベルでは上質でもメジャー・レベルで考えると決してA級バンドでなかったの間違いなく、個人的にはン十万も出して入手すべきアイテムとは思えませんが、この手のリイシューされる事など殆ど無い幻の80年代直系インディ・バンド作がお好きなマニアックな愛好家にとっては掘り出しモノの大当たり作であっただろう事は容易に予想が付く一品だ。 キャッチーでAOR風味もソコソコ感じさせるハードポップを演ってはいるけれど、80年代後期のオーバープロデュースで隙無く固められたヒットチャート常連が命題な産業ロック程にガチガチに造り込まれていない、ある程度の緩さと屈託なさを感じさせる所などが如何にも80年代初期の自由なアメリカン・ロック的で実に耳に馴染み易い、本当にあの時代にしか聴く事が叶わなかった失われてしまった古き良きロック・サウンド(少しコーラスが初期STYXっぽくてグー♪)だと今さらながらにしみじみと思い出してしまう… まぁ、当時の憤怒と不幸を撒き散らすグランジー旋風を目の当たりにしていた刺激に飢えた若いリスナー達からすれば過去からの残響のようにしか思えない、ノスタルジックでハッピーなサウンドを鳴らす古臭いローカル・バンドの一つに過ぎず、他の80年代風メロディアス・バンド達と同様に歴史の闇に消えてしったのもむべなるかなであります…orz 楽曲クレジットやメンバーの雑多さ具合、後に制作されるフル・アルバムとのサウンド差を見るにデューEPはプロデューサーの Scott Hoytの尽力がかなり大きかった模様で、ストレートでシンプルなより80年代初期風なサウンドは彼の好みもかなり関係していたのが伺え、もし次なるフル・アルバムでも彼が関わってくれていたなら、と思わずにはおれませんが、当時としてはもっと時代に即したサウンドを演るべきという思惑で彼の手を離れる判断を下したのかもしれませんし、それが間違っているとも思いません。ケド、ちょっと惜しい… 又、折角のリマスター作ではありますがカセット・アルバム『Breaking The Ice』のマスター音源の保存状態が宜しく無ったかもしくは既にマスターが消滅している為かテープ音源からのCD化な為か、音ヨレやノイズ、バランスの異常等が耳に付きオリジナルのカセット・テープ音源をお持ちな方は相変わらず激レアで高い価値のある音源という状況に変わりはない様ですね。 只、流石に古い音源ですので全体的にリマスター効果は十分に効いており、サウンドの輪郭や奥行、そして古臭いサンプルなのものの目立つシンセ等の煌びやかなデジタル・サウンドの明度がハッキリしている風に聴こえ、激レアのオリジナル音源をお持ちの方でも買い直しするのに十分な価値はある一品となっております。 本作のリマスターはベーシストだった Rob Wrightの手によって行われており、どうやら彼が当時はバンドのリーダーだった模様だ。 とまれ80年代初期から中期にかけてアメリカのメジャー・シーンで持て囃されていた、煌びやかなシンセ・ワークが多用されたロック・テイストあるクリアーなギターとポップで甘いメロディを聴かせるキャッチーなハードポップ寄りの爽快アメリカンHR作がお好みな方やCHINA SKY、SURVIVOR、URGENT、WITHE SISTER、WINTER ROSE辺りがお気に入りな方なら一聴しても決して損はしない一枚で、少量プレスなリイシュー作でありますのでお求めの方はお早目にネ! (*´∀`*) Tracklist: 01. Power 02. Could It Be You 03. I Wanna Rock 04. Never Break My Heart P.M. HEAT 『EP』 Line-Up: Rob Wright (Bass、Backing Vocals) Lee Anthony (Drums、Percussion) Dave Stone (Lead Vocals) Steve Carson (Guitars、Backing Vocals) David Hybner (Keyboards、Backing Vocals) Paul Hybner (Keyboards、Backing Vocals) Mark Hybner (Keyboards、Backing Vocals) Produced by Scott Hoyt 05. Hold On Tight 06. She's Gonna Leave Again 07. Borrowed Time 08. One On One 09. Over The Edge 10. Romeo 11. When Tonight Is Over 12. If Ever We Meet Again 13. Bring On The Night 14. Round And Round P.M. HEAT Line-Up: Rob Wright (Bass、Backing Vocals) Stuart Carley (Drums、Percussion) Dave Stone (Lead Vocals) Steve Carson (Guitars、Backing Vocals) David De Luna (Guitars、Backing Vocals) Mark Hybner (Keyboards、Saxphone、Backing Vocals) Produced by Kim Fowley
by malilion
| 2023-12-19 12:03
| 音楽
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