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スペイン産80年代風メロディアスHRバンドS.N.A.K.Eが3rdアルバムをリリース!!

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S.N.A.K.E 「III」'23

2008年結成のスペイン産キーボード入り5人組メロディアスHRバンドが地元TTFレーベルからデンマークのメロハー専科レーベル Lions Pride Music へとレーベル移籍して約5年ぶりに3rdアルバムをリリースしたのを即GET!

前作まではリード・ギター&リズムギターの2人のギタリストを擁するツインギター5人編成でありましたが短くないインターバルの間にギタリストがゴッソリ抜けて新たなギタリスト Dave Hydenを迎え、更に専任鍵盤奏者 Paul Keysを迎え入れた新編成による第一弾作だ。

ドラマー J.C Morenoとシンガー Franco Troisiによって2008年にスペインのムルシア州のムニシピオ(基礎自治体)であるカルタヘナで結成され、2016年にJUDAS PRIEST、IRON MAIDEN、DIO等に影響を受けたオーセンテッィクなメロディアスHMサウンドのデヴュー作『Rock Evolution』をリリース、勢いに乗って2018年には特に1987年に米国で大成功を収めた時期のWHITESNAKE『Serpens Albus』の影響が顕著で、他にもSCORPIONS、VAN HALEN、MOTLEY CRUE、RATT等の80年代メジャー・シーンを賑わしたヘア・メタル・バンド直系のゴージャスでバブリーなUSアリーナ・ロック志向のブライトなHMサウンドとHELLOWEEN、GAMMA RAY、BLIND GUARDIAN等でお馴染みなツーバスドコドコで疾走する80年代ジャーマンHM風サウンド等、様々な音楽性が混在する2ndアルバム『Only One Flag』をリリースと、ここまでは順調に活動を続けていたが、全世界を襲ったパンデミックの影響が彼等の活動にも影を落としてしまう…

正直、前作『Only One Flag』'18 はC級に片足突っ込んだB級メロディアスHRアルバムであったように思う。

一番の要因はダミ声寄りな濁り声で決して良い声と言えないもののメタリックなHM系サウンドにはマッチしているパワフルなガナリ声が似合う Franco Troisiのヴォーカル・スキルの問題で、元HELLOWEENでGAMMA RAYを率いる Kai Hansenよりちょっと上手いかな、くらいの歌唱力(汗)な為かキャッチーでメロディアスな楽曲を歌いこなせておらず無駄なシャウトや金切り声を張り上げているのが致命的で、オマケに声の伸びやかさ具合と歌メロの創作能力が今一つであったからだ。

更にバンドの音楽性にバラつきがあり、縦ノリのUSAロックンンロール系サウンドは今イチな仕上がり具合だがユーロHM系サウンドになると途端に80年代テイストを感じさせギター・リフやベースの絡みが格好良くなるもののコーラスはイマイチな纏まり具合でハーモニーもキャッチーさもイマサン、と…バックのサウンドはかなり叙情的な上にメジャー所のユーロHMバンドに迫る魅力的な美旋律を奏でる瞬間も垣間見え、それだけに情熱的なのは良いけれどヴォーカルの声質的にアジャストしていない楽曲が非常に惜しい印象で、ヴォーカリストをチェンジするか歌唱スキルが向上せねばこのままマイナーB級スパニッシュHMバンド止まりで望むメジャー展開は叶わず終りそうだな、と当時危惧しておりました。

とは言えイタリア出身のシンガー Franco Troisiは中心人物だし、イタリアン・エピックHMバンドWOTANやドイツのベテランHMバンドSCANNERとも昵懇で既にギリシアでのツアーを敢行するなどユーロ圏のアンダーグラウンド・バンド達とコネクションを持っていてメジャーな展開を望むバンドの国外ツアーに欠かせぬメンバーと言う事からも彼が抜ける可能性は限りなく低いと分かっていましたけどね…

又、弾きまくりのリード・ギターに明らかに80年代WHITESNAKE(と言うかモロに John Sykes)を意識したフレーズやリックが透け見え、その派手な白蛇要素が楽曲の纏まりの悪さの最大の原因であったのは明白で、縦乗りアメリカン・ロックンロールとキャッチーなユーロ・メロディアスHM、そしてツーバスドコドコで疾走するジャーマン・スピードメタルと、別ジャンルのサウンドが未消化なままアルバムに混在している為とっ散らかった音楽性と非常にアマチュア臭い印象が強く、粗削りで野暮ったい点も含めてマイナー・インディ・バンド感丸出しながら、所々で耳を惹く旋律やプレイも聴かせ全体的に悪くない方向性のメロディアス・サウンドを奏でおり、逆に言うと多彩で幅広い音楽性の楽曲をこなす事が出来るバンドのプレイヤー・スキルは可能性を秘めているとも思え、様々な問題が改善されればワンチャン大化けもありうるかも…と、その時は勝手な想像を巡らしていた訳ですが、続く本作3rdアルバムではパンデミックによるインターバルと主要メンバーの脱退、そして専任鍵盤奏者の加入、と思いがけぬ外的要因も大きく関係したのか、S.N.A.K.Eは大きく生まれ変わった模様だ! ('(゚∀゚∩

最大の要因はギタリスト交代で露骨なWHITESNAKEの影響が希薄になったのと、キャリアを積んだ事でか各メンバーの持ち込む音楽的影響がより昇華されて自然な形となってサウンドに現れ、混在する音楽性の纏まり具合と楽曲の方向性が統一され完成度が上がった事、そしてレーベルを移籍してバジェットを得た為かサウンドのクオリティが向上し、さらに Franco Troisiのヴォーカル・アプローチがよりソフトでキャッチーなメロディアス・ロックにアジャストした無駄に情熱に任せてシャウトせず力を抜いてスムースに歌い上げるジックリ唄を聴かせるスタイル(幾分か歌唱力は改善したが未だ絶賛する程ではない…)へ変化した事で聴きづらくメロディを歌い切れぬヘタウマな印象が消え、コーラス等も前作の駄目さ加減が嘘のように綺麗にハモって(笑)おり間違いなく本作のクオリティ改善に関係しているだろう。

楽曲品質の向上は2021年から2023年までジックリと創作と録音に時間を掛けられ、骨太でテクニカルな速弾きプレイでその多才ぶりを如何なく発揮していた Johnny Lorcaと Miguel Solerのツイン・ギターからシングル・ギター編成になり、よりバランス重視のプレイを披露する新ギタリスト Dave Hydenの弾き過ぎぬツボを抑えたプレイや印象的なフレーズ創り、メロディの組み立て、楽曲のコンポーズ能力と前任者を大きく上回るプレイヤーを得た事も大きく、さらになんと言ってもこれまでバッキングやSE的使われ方をしていたキーボード・サウンドが大きく楽曲展開やメロディ創作要素としてコンパクトな楽曲構成に存在している事で、元から80年代的音楽要素は内包していたが、煌びやかで華やか、そして柔和なタッチとユーロ圏バンド特有の叙情感を演出し易いキーボードという武器を手に入れて一層に幅広い音楽性を内包した80年代USメジャー・ロックを強く意識したキャッチーでブライトなメロディアスHRサウンドが構築しやすくなった結果が、本作の前作を上回る完成度と出来栄えに直結しているのは間違いない。

只、狙う方向性の為かちょっとヴォーカルが前に出過ぎなMIXの気がして些か総合的なアルバムの完成度を下げているように思うし、シンガー Franco Troisiの手放しで絶賛出来る程でもない歌声を押し出されましても…と、いうのが偽らざる本音でもあります(汗

前作のWHITESNAKEやHELLOWEEN等のアンダーグラウンドな香りも残る勢い任せのメタリックな80年代HM要素を好んでいた向きからすると、いきなりDOKKENやNIGHT RANGER等の80年代メジャー路線バンドを思わす、さらにはAUTOGRAPH等のバランス重視でラジオフレンドリーな産業ロック要素が強まったカラフルなサウンドへ殆ど別バンドかと言う程にバンドサウンドが大きく変化してしまった訳ですからガッカリな方もいらっしゃるのは理解出来ますケドね…

無論、未だに Franco Troisiのヴォーカル・スキルが足を引っ張っている部分も散見するものの、分厚いコーラスやフックある華やかでメロディアスなキーボードサウンドの壁がカヴァーしている為それ程目立たず、以前のC級に片足突っ込んでいるB級から、もうちょっと頑張れば極上のB級レベルへステップアップ出来そうなキャッチーな80年代型メロディアスHRサウンドを披露するまでに成長しているので、さらなる向上が見込める次なる新作を期待して待ちたいと思います(*´∀`*)

ウーン、それにしても本作では新たに加わった鍵盤奏者 Paul Keysが表に裏に終始大活躍していてホント最高です♪ ブライトでキャッチーなフックあるサウンドを形作る重要なピースとしてバンドサウンドを鮮やかに彩っており、彼の演奏能力や作曲能力をどれだけ今後バンドが活用するかで洗練度の具合や成功までの道のりが決まるのではないでしょうか?

アレ? なんかこの流れでデジャヴを覚えたのですが『ああ、コレってJUPITERの時にも書いたな』と思い出した次第で、スペインのマドリード出身で正統派スパニッシュHMバンドGOLIATHが改名して、派手でキャッチーなキーボード入り5人組スパニッシュHMバンドJUPITERへ音楽性を大幅にメジャー路線へ変化させた時に似てますよね。

80年代の昔からメジャー路線を狙うスペイン産バンドは皆、同じ流れになるのか不思議ではありますが、やはりより大きな音楽市場が存在する米国の方をどうしても向いてしまいがちなんでしょうか…

尚、CD最後のボーナストラックに米国人歌姫 Belinda Carlisleの1987年のヒット曲『Heaven Is A Place On Earth』のカヴァーを Franco Troisiが艶やかな美声のフィメール・ヴォーカリストとのデュエットで披露しており、このチョイスからもバンドが大きく音楽性を変化させよりメジャーな展開を望んでいるのが透け見えるようです。

地味ながらミックスとマスタリングは同郷メロハー・バンド91 SUITEの Ivan Gonzalezが担当している点も見逃せません。

そうそう、歌詞は英語詞ですので巻き舌ヴーカルを危惧する方はご安心を。

とまれ次なる新作が期待出来そうなスパニッシュ・メロディアスHRバンドがまた一つ誕生したので、ご興味あるようでしたらご自身の耳でチェックしてみて下さい。

Track listing:
01. Hungry For Love
02. Midnight Girl
03. Heartbeat
04. Wildstreet
05. The Answer
06. Strangers In Paradise
07. Born To Rock
08. Coast Of Gold
09. End Of The Road
10. Heaven Is A Place On Earth

S.N.A.K.E Line-up
Franco Troisi     (Lead Vocals)
J.C. Moreno      (Drums)
Dave Hyden     (Guitars)
Paul Keys       (Keyboards)
Jorge Maestre     (Bass)

with:
Jona Tee      (Backing Vocals :H.E.A.T.)
Frankie Galindo   (Backing Vocals)
Miguel Soler     (Backing Vocals)


by malilion | 2023-12-01 12:08 | 音楽 | Trackback
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