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来年リリース予定の再結成第二弾作に先駆け英国ポンプ・バンドQUASARが2ndと3rdアルバムの2023年リミックス盤をリイシュー!!

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QUASAR 「Memories Of Times Yet To Be - 2023 Remix」'23

以前ここでもLANDMARQやSTRANGERS ON A TRAIN等の Clive Nolan関係のポンプ・プロジェクトやバンドでお馴染みの舌っ足らずでコケティッシュなハスキー・ヴォイスが魅力的なフィメール・シンガー Tracy Hitchings嬢がかって在籍していた事で知られるQUASARが2012年に新女性ヴォーカリスト Keren Gaiser嬢を迎え再結成を果たし、アーカイヴ音源やバンド初期のLIVE音源、そして最新編成のLIVE音源等をリリースしていたのをお伝えしたと思う。

その当時アナウンスされていた待望の復活第一弾で3rdアルバム『Memories Of Times Yet To Be』が2016年にデジタル配信のみでリリースされていたが、来年リリース予定の新作に先駆けて2nd『The Loreli』のリミックス&ボーナストラック追加リイシュー盤と同時に3rdもリミックスされR製とは言え初めてフィジカル盤がリリースされたのをGETしたのでご紹介。

80年代初頭にMARILLION、IQ、PALLAS、TWELFTH NIGHT、PENDRAGON、SOLSTICE等やNWOBHM勢等と共に有象無象が入り乱れた中で英国次世代ロックムーヴメント・バンドの1バンドとして注目された、MIDIギターを操る日本人ギタリストも在籍していた事もあるGENESIS影響下のキーボードを主体とした柔和なポンプ・サウンドを聴かせていた英国バンドQUASARは、結成当初からメンバーの出入りが激しく(総勢20名以上!)一枚として同じメンバーで制作されたアルバムが無く、3rdリリースに先駆けて2012年にリリースされたLIVE作『Live 2011』構成メンツはツイン・キーボード、男女ツイン・ヴォーカルの5人編成で新たな可能性を強力に感じさせる編成の作品であったが、3rd制作時にはギタリストを Greg Studleyから Clancy Ferrillへチェンジし、ヴォーカル(最初、唯一のリード・ヴォーカリスであった)も兼ねるキーボーディスト Robert Robinsonが抜け(涙)キーボードはリーダーのベーシスト Keith Turnerが兼ねる専任鍵盤奏者不在の4人組編成で制作されていた。

今回2ndアルバム『The Loreli』が2023年リミックスを施され、さらに1987年のプロモ・カセット『Forgotten Dreams (The Lorelのデモ音源)』の全5曲を追加収録しており、デヴュー作のシンガー Paul Vigrassの後、Susan Robinson嬢を挟んで僅か数か月の在籍で正式音源を残す事なくバンドを去ったシンガー Nick Willoamsのなかなか良い声質でパワフルなヴォーカルが収められた貴重音源が追加されているので、オリジナルの2ndのCDをお持ちの方もかれこれ34年も前のマスタリングで自主制作盤であった訳だからこれを機に買い直すに値するリミックス&リイシュー盤と言えるだろう。

流石に録音機材の進歩やデジタル機材の進化は著しく、リミックスを施された音源は34年前の音源と比べて音のクリアーさやボトムの芯の強さが増し、前に出すぎていたキーボード・サウンドが少々引っ込むバランス調整が成され、各楽器の音の輪郭や分離も良好になって今の耳でも聴けるレベルへ磨き直されているので、オリジナル盤をお持ちの方も是非一度聴き比べてみて欲しい。

ただ、所々でノイズのようなものが聴こえるのでマスター・テープの劣化か、もしくは板起こし音源を含んでいるのかもしれないのが少々残念だケド(´A`)

『Forgotten Dreams』を聴くと分かるがほぼアレンジも曲構成も既に完成しており、ヴォーカル・パートを Tracy Hitchings嬢が歌い直しただけなのが2ndアルバム『The Loreli』と分かり、もし Nick Willoamsが脱退せずポンプムーヴメント全盛期に間に合う形で2ndアルバムをリリース出来ていたのなら、若しくは Susan Robinson嬢在籍中に楽曲が完成して1985年までに2ndをリリース出来ていたならQUASARの活動や評価がその後どうなっていたのか…今となっては Tracy Hitchings嬢の知名度の方が高く『Tracy がかって在籍していたB級マイナー・ポンプバンド』という扱いな知る人ぞ知るな存在として語られるのが実に不憫で…

とは言え、QUASARを抜けたメンツが新たにLANDMARQを結成し、その後ポンプを経てシンフォ・バンドとして長らく活動する事を考えるとQUASARのメンバーが常に流動的であったからこそLANDMARQが生まれたとも言えるので、どちらのバンドのファンでもある私としては複雑な心境だ…ウーン(´~`)

さて、初めて公式スタジオ音源にその歌声を残す事になった Keren Gaiser嬢をフィーチャーした、今回CD-R盤とは言え初のフィジカル盤リリースとなった3rdアルバム『Memories Of Times Yet To Be』'16 の方はと言うと、『Live 2011』'12 で聴けた典型的プログレ歌姫スタイルなソプラノ・ヴォイスで癖が少ない反面無表情に成り勝ちなフィメール・ヴォーカルスタイルから、バンドに長期在籍した事で歌唱力に自信が芽生えたからなのか、一転してGENESISチックで Peter Gabrielっぽい妖し気で外連味を含む癖の強いシアトリカルな歌唱スタイルや、RENAISSANCEの Annie Haslam風な清らかで透明感ある伸びやかなソプラノ・ヴォイス、HR風なパワフルで太い低めの迫力ある歌声、そして Tracy Hitchings嬢を思わすセクシーで可愛げのあるフェミニンなヴォーカルと実に幅広い表現と様々な歌唱スタイルを披露して楽曲をグイグイと牽引しており、現在制作中の新作でもその素晴らしい歌声を楽しませてくれるだろう歴代最長の在籍期間(3rdリリース時で6年、来年で14年!)を保っているだけはある歌姫なのだな、と再確認させてくれた。

LIVEではキーボードもプレイしてサウンドの厚みを再現しているし、今となっては Keith Turner的にも Keren Gaiser嬢は居なくてはならぬメイン・メンバーに違いない。

当初は〝The Eyes Of The Innocents”なるタイトルになるハズだった3rdアルバムのサウンドの方は古式ゆかしいポンプ・タッチを色濃く残しながら、重厚で荘厳なドシンフォ・スタイルへ急接近する事もなく、幾分かHMっぽいテイストも感じさせつつ、エモーショナルな Keren Gaiser嬢の歌声をメインに据え、華やかで軽目なシンセ・サウンドとメタリックでハードなギターも適度にフィーチャーしたGENESIS、YESの影響を巧みに取り入れオリジナリティへ昇華させた英国風味香るメロディアスな80年代ポンプ・スタイルのシンフォ・サウンドとなっており、専任鍵盤奏者が居ない為か意図してなのかキーボードの使われ方がSE的と言うか場面を盛り上げる風なイメージと自主盤故に貧弱なリズム隊の軽めなサウンドが今となっては絶妙なノスタルジックさと得も言われぬチープさを漂わせ、決して万人にお薦めはしかねるが80年代当時のポンプ・ムーヴメントを楽しんでいた方などには堪らない感触の今は絶えて久しいスタイルの音楽と言えるだろう。

てか、専任ドラマーがちゃんと在籍しているのにデモ音源の一部を流用しているのか明らかに打ち込みと思しきドラム・サンプルなんかが聴こえ、実際はリーダー Keith Turnerが制作したデモ音源に各プレイヤーが後から指示された箇所の演奏を置き換えただけ、みたいな流用部分が多い作品と言うのが実情なのではないだろうか?

まぁ、自主盤だしバジェットの関係もあって恵まれた録音環境ではなかったのは十分想像つきますし、なにせ2016年当時にポンプ風味バリバリのドマイナーな古臭いシンフォ・サウンドですからね…これがプログHMやモダン・シンフォならもっと聴衆へアピール出来ただろうし、インディ・レーベルの目に止まってワンチャン制作費を工面してもらえたかもしれませんが…

反面、2016年にもなってこんな古臭いポンプ風味あるシンフォ・サウンドなアルバムをリリース出来るのも自主制作故の独自性でありますから、今となっては他では滅多に耳する事が叶わぬ叙情的な80年代風英国ノスタルジック・サウンドを楽しませてくれる貴重なバンドとも言えよう。

でも、出来たらR盤でのリイシューは勘弁して欲しかったなぁ、折角のリミックス&ボートラ追加なのにブックレットもカラーコピー紙だしさぁ…(´д⊂)

2ndの方はジャケット・デザインに変更はなく、バンドロゴが新しいものに置き換わっているのとコントラストと色味が少し強めになっており、3rdの方は完全にジャケット・アートが変更されている。

来年リリース予定の新作は是非とも正式なデュプリ盤である事を祈りつつ、素晴らしい出来栄えのアルバムが届けられる事を首を長くして今暫く待ちましょう(*´ω`*)

Track List:
01. Eyes Of The Innocents
02. In the Grand Scheme Of Things
03. The Space In Between
04. White Feathers
05. Enigma At The Louvre

QUASAR Line-Up:
Keren Gaiser   (Vocals)
Clancy Ferrill   (Guitars)
Paul Johnson   (Drums)
Keith Turner   (Bass、Keyboards、12 String Guitar)


by malilion | 2023-11-27 10:44 | Trackback
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