CLIVE MITTEN 「Transcriptions」'22 80年代英国ポンプ・ムーヴメントを代表するバンドの1つであるTWELFTH NIGHTのオリジナルメンバーで2014年に脱退した Clive Mitten (Bass、Keyboards、Classical Guitar)の3ndソロ・アルバムが去年年末に2枚組CD-Rで自主盤リリースされたのを今頃遅れてご紹介。 TWELFTH NIGHTの元ベーシストである Clive Mittenが遂に本格的なクラシック音楽作品をリリース、というインフォを見た時は前ソロ作『Tales From A Misspent Youth - Volume 1』'22 のプログレッシヴ・ロック界を代表するバンドやアーティスト達の名曲の数々を完全なオーケストラ・スタイルで美しく解釈し直したカヴァー・アルバムの方向性からも、近い将来クラッシック音楽のリアレンジ作をリリースするのではと予想していましたが、思いの他に早く本作が届けられ驚きました。 今回は、バッハ、モーツァルト、シューベルト、ハイドン等のクラッシック音楽に詳しくない方でも一度はその名を耳にした事があるだろうメジャーな音楽家で主に古典派と呼ばれる作曲家達の作品を自身の手によってリアレンジした楽曲が、プログラミングと2台のピアノ(Garritan Yamaha CFX Concert Grand、Synthology Ivory II Italian Grand)、時折ミニモーグも駆使した演奏によって、原曲の良さを生かしつつもピアノの魅力を最大限に追求した『ピアノ協奏曲』へと曲想を変化させた音楽性が特徴で、ロックからは離れた内容ながらも彼のアレンジ能力と技巧的なプレイが遺憾なく発揮された作品となっており、シンフォニック作がお好きな方ならば一聴の価値はあるかと存じます。 ただ、前ソロ作の時にも感じていたのですがプログラミングの弊害かリズムの緩急が弱く単調で無機質な印象は拭い難く、ピアノの小気味よく軽快で艶やかな音色は終始心地よいものの、私にクラッシック音楽の教養が足りていないからなのは重々承知なのですが通して聴く(しかも二枚組!)には些か苦痛で、音の揺らぎや響きの深みといった観点から見ると大きく魅力の欠けた作品のように思えますね・・・ウーン 前作のその辺りの問題が気になって購入を後回しにしまくっていて入手が今頃になったのは内緒だ(汗 技巧的な問題やプロフダクションに問題がある訳ではないし、英国情緒薫るクラシカルな音色の数々はスーパーマーケットのBGMにまで成り下がってはいないけれど、やっぱり単調で聴いていて辛いデス…orz しっかりしたバジェットを得てフルオーケストラで迫力満点の重厚な録音を行っていれば私が感じている不満点は殆ど解消されるのでしょうが、独力で全で制作している自主盤だし、そもそもオーケストラでの生演奏リアレンジ作だったらこれまでに山程数々の音楽家が作品をリリースしてきた訳で、打ち込み利用の小規模作と比べるべきではないし本作の意味も無くなってしまいますから、本作はこの路線を選択した事が独創性ある事なのでしょう。 とまれピアノ大活躍のクラシカルなオーケストレーション・サウンドがお好きな方や元曲の作家のファンな方は本作のアレンジ具合を楽しめるでしょうからご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。
by malilion
| 2023-11-06 10:45
| 音楽
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